JP2001258131A - グロメット - Google Patents

グロメット

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JP2001258131A
JP2001258131A JP2000067373A JP2000067373A JP2001258131A JP 2001258131 A JP2001258131 A JP 2001258131A JP 2000067373 A JP2000067373 A JP 2000067373A JP 2000067373 A JP2000067373 A JP 2000067373A JP 2001258131 A JP2001258131 A JP 2001258131A
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JP
Japan
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cylindrical portion
soundproof
grommet
peripheral surface
cylindrical
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JP2000067373A
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English (en)
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Masataka Oishi
正隆 大石
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Yazaki Corp
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Yazaki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防音材に密着可能な防音部を備え、かつ、防
音部が反転可能なグロメットを提供する。 【解決手段】 グロメット10は、第1円筒部21,第2円
筒部22,溝部24,防音部40とを有し、第2円筒部22を内
周面が外方を向くように裏返し、次いで第2円筒部22を
初期形状に復元させることにより、取付孔12の開口縁部
に溝部24を嵌合させる。防音部40は、防音材14の表面に
密着可能であるとともに、第2円筒部22に追従して反転
可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグロメットに係り、
特に良好な遮音性が得られるグロメットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の車体パネルを貫通す
るようにワイヤーハーネスを配設するためのグロメット
が各種提案されている。そして、本願出願人は、ワイヤ
ーハーネスに嵌合する小径筒部と、取付孔に嵌合可能な
大径筒部と、小径筒部および大径筒部を連結するテーパ
筒部と、大径筒部の外周面に沿って設けられた嵌合溝お
よび押え片とを備えたグロメットを提案した(特開平8-
212857号公報:従来例1)。この従来例1によれば、大
径筒部の内周面が外方を向くように裏返すことにより、
押え片の周縁を先細りの円筒状に変形させて取付孔に挿
通し、次いで小径筒部を取付孔に引き込めば、押え片が
初期形状に復元しようとする反発力により、嵌合溝が取
付孔の開口縁部に係合するように大径筒部が初期形状に
復元し、これにより小さい力で簡単、かつ、確実にワイ
ヤーハーネスを配設できる。
【0003】さらに、本願出願人は、自動車の車内にお
ける静粛性を向上させるために、小径筒部の開放端部に
鍔状のリップが設けられたグロメットを提案した(特開
平11-150837号公報参照:従来例2)。この従来例2に
よれば、リップの縁部が車体パネルに積層された防音材
に密着可能であるため、自動車の車内における静粛性を
飛躍的に向上できるという極めて優れた効果が得られ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そして、近年において
は、従来例1における押え片のように、リップが反転可
能な構造を採用することにより取付作業を簡略化できる
グロメットが求められている。本発明は、前述した要望
を満たすためになされたものであり、その目的は防音材
に密着可能な防音部を備え、かつ、防音部が反転可能な
グロメットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、取付板に形成
された取付孔および前記取付板に積層する防音材に形成
された貫通孔に長尺部材を貫通保持するために、前記長
尺部材を挿通可能な第1円筒部と、前記第1円筒部の外
周面に設けられた略円環状の接続部を介して接続され、
かつ、前記第1円筒部の外側に配置された第2円筒部
と、前記第2円筒部の外周面に沿って設けられた溝部と
を有するグロメットを前提としている。このグロメット
は、前記第2円筒部を内周面が外方を向くように裏返
し、次いで前記第2円筒部を初期形状に復元させること
により前記第1円筒部を前記取付孔内に挿通させるとと
もに、前記取付孔の開口縁部に前記溝部を嵌合させるグ
ロメットである。
【0006】そして、前述した目的を達成するために、
本発明は、請求項1に記載したように、前記第1円筒
部,前記接続部および前記第2円筒部のうちのいずれか
の外周面に形成され、かつ、前記防音材の表面に密着可
能な環状の防音部を備え、前記防音部が前記第2円筒部
に追従して反転可能であることを特徴としている。
【0007】ここで、第1円筒部としては、ワイヤーハ
ーネス等の長尺部材における外径寸法に対応した内径寸
法を有していればよく、長尺部材が圧入されるように若
干小さな内径寸法を有していてもよい。なお、この第1
円筒部は、長手方向に沿って同一の内径寸法あるいは外
径寸法が連続している必要はなく、例えば段付き円筒形
状や先細り円筒形状であってもよい。そして、接続部と
しては、第1円筒部の外周面における任意位置から径方
向に突出するとともに周方向に連続していればよく、例
えば平坦なリング状や略円錐状に形成しておけばよい。
【0008】一方、第2円筒部としては、取付孔の内径
寸法に対応した外径寸法を有していればよく、その基端
部が接続部の周縁に接続されていればよい。従って、こ
れらの第1円筒部および第2円筒部としては、例えば略
入れ子状に配置されていてもよく、あるいは軸線方向に
沿うように接続部を介して連設配置されていてもよい。
なお、第1円筒部,接続部および第2円筒部は、適度な
弾力性,耐水性を有する合成樹脂により互いに一体形成
されていてもよいが、第2円筒部に適度な弾力性,耐水
性が得られれば互いに別体であってもよい。
【0009】また、防音部としては、例えば円盤状,略
円錐形状等に形成しておけばよく、貫通孔の直径寸法よ
りも大きな縁部直径寸法を有していればよい。そして、
このような防音部は、例えば第2円筒部の外周面におけ
る溝部と接続部との間から複数の鍔部が放射状に設けら
れている場合、これらの鍔部と一体成形しておくことに
より第2円筒部に追従して反転する構造を採用できる。
さらに、防音部を第1円筒部に形成する場合、例えば防
音部と接続部あるいは第2円筒部とを所定の連結部材を
介して連結しておき、防音部が第2円筒部に追従して反
転する構造を採用してもよい。
【0010】このように構成されたグロメットにおいて
は、防音部が第2円筒部に追従して反転可能であるた
め、取付板および防音材に長尺部材を貫通保持させるに
あたって、第2円筒部および防音部を反転させてから取
付孔および貫通孔に挿通させ、次いで第2円筒部および
防音部を初期形状に復元させることにより、溝部が取付
孔の開口縁部に嵌合するとともに防音部が防音材に密着
し、これにより取付板に対する取付作業を簡略化できる
ことになる。
【0011】次に、本発明においては、請求項2に記載
したように、前記防音部と、前記接続部および前記第2
円筒部のうちの一方とが一体成形されているため、防音
部が第1円筒部に形成されている場合に比較して、防音
部と接続部あるいは第2円筒部とを連結するための連結
部材等が必要なく、構造を簡略化できるとともに、第2
円筒部に追従して確実に反転できることになる。
【0012】また、本発明は、請求項3に記載したよう
に、前記第2円筒部の外周面における前記溝部と前記接
続部との間から放射状に設けられた複数の鍔部を有し、
前記防音部と前記各鍔部とが一体成形されていることを
特徴としている。ここで、鍔部としては、第2円筒部の
外周面における周方向に沿って所定の等間隔あるいは不
等間隔で複数設けておけばよく、第2円筒部を裏返した
ときにそれぞれの先端が第1円筒部の外周面に沿うよう
に、第2円筒部の軸線に対する突出角度や第2円筒部の
外周面からの突出長さを個々に選択しておけばよい。
【0013】このように構成されたグロメットにおいて
は、溝部と接続部との間に設けられた各鍔部に防音部が
一体成形されているため、第2円筒部を裏返して各鍔部
を第1円筒部の外周面に沿わせれば防音部も反転し、次
いで第2円筒部を取付孔および貫通孔に挿通させれば、
防音部も各鍔部に追従して防音材側に露出することにな
る。すなわち、このグロメットにおいては、各鍔部に防
音部が一体成形されていない場合に比較して、第2円筒
部に対する確実な追従性が得られるとともに、防音部が
取付孔の開口縁部に干渉する虞れを少なくできることに
なる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を図
面に基づいて詳細に説明する。図1ないし図3に示すよ
うに、本発明の第1実施形態であるグロメット10は、自
動車の車体パネル11を貫通するようにワイヤーハーネス
Wを配設するために、車体パネル11に設けられた取付孔
12にワイヤーハーネスWを挿通保持した状態で嵌合可能
とされている。取付孔12は円形状とされ、開口縁部に沿
って所定高さのフランジ13が形成されている(図3参
照)。
【0015】車体パネル11は、エンジンルーム(図3中
右方)における騒音等を遮断するために、車室側面(図
3中左方)に沿って防音材14が貼設されている。防音材
14は、例えば所定厚みを有するグラスウール14Aと、グ
ラスウール14Aの表面に積層された合成樹脂製の表皮14
Bとを有している。この防音材14は、表皮14Bの表面が
略平坦に化粧仕上げされているとともに、取付孔12に対
して同軸、かつ、大径の貫通孔15が厚み方向に沿って形
成されている。従って、取付孔12および貫通孔15間には
段差が形成され、取付孔12の開口縁部が露呈している。
【0016】グロメット10は、ワイヤーハーネスWを挿
通可能な第1円筒部21と、第1円筒部21の外周面に設け
られた環状の接続部23と、接続部23を介して第1円筒部
21に同軸接続された第2円筒部22と、第2円筒部22の外
周面に沿って設けられた溝部24と、第2円筒部22の外周
面に設けられた複数の鍔部25と、第1円筒部21の外周面
に設けられた複数の案内部26と、防音材14の表皮14Bに
密着させることにより遮音性を得るための円盤状の防音
部40と、遮音性をさらに向上させるための防音手段50と
を含んで構成されている。このグロメット10は、適度な
弾力性,耐水性を有する合成樹脂により、第1円筒部2
1,第2円筒部22,各鍔部25および各案内部26が一体形
成されている。
【0017】このようなグロメット10は、内周面が外方
を向くように第2円筒部22を裏返すことにより各鍔部25
の先端部および防音部40の縁部を先細り状に集合させて
取付孔12および貫通孔15に挿入し、次いで第2円筒部20
を初期形状に復元させることにより第1円筒部21を取付
孔12内および貫通孔15内に挿通させるとともに、取付孔
12のフランジ13に溝部24を嵌合させ、かつ、防音部40を
防音材14の表皮14Bに密着させるようになっている。ま
た、このグロメット10は、反転状態における防音部40の
縁部が取付孔12の開口縁部に干渉しないようにするため
の挿通補助手段60と、防音部40における接続部23側を向
く密着端面41を防音材14の表皮14Bに対して密着させる
ための密着補助手段70とを備えている。
【0018】以上のようなグロメット10の各部を説明す
る。第1円筒部21は、小径部27および大径部28が同一軸
線に沿って連設された段付き形状とされている。小径部
27は、ワイヤーハーネスWの外径寸法に対応した内径寸
法を有しているとともに、内周面に沿って円環状のリブ
27Aが複数設けられている。この小径部27は、ワイヤー
ハーネスWが圧入されると、各リブ27Aが弾性変形しな
がらワイヤーハーネスWの外周面に密着し、これにより
気密性を維持しながらワイヤーハーネスWを保持するよ
うになっている。
【0019】一方、大径部28は、小径部27の内径よりも
大きな内径寸法を有しているとともに、内周面における
放射均等位置から母線に沿って断面矩形状のリブ28Aが
複数設けられている。この大径部28は、ワイヤーハーネ
スWが小径部27に圧入された後、所定の充填材を充填し
て固化させることにより、気密性を維持しながらワイヤ
ーハーネスWを保持するようになっている。
【0020】接続部23は、前述した小径部27および大径
部28の境界部分から小径部27の開放端に向かって拡開す
る略円錐形状とされ、接続部23の母線方向に沿って複数
の凹部30が設けられている。凹部30は、接続部23の母線
を中心として第2円筒部22に向かって拡開する平面略三
角形とされ、四分の一楕円状に形成された一対の側壁30
A,30Aと、扇状に形成された側壁30Bとが互いに交差
配置されていることにより、断面略V字形状とされてい
る。すなわち、これらの凹部30は、それぞれの幅寸法お
よび深さ寸法が第1円筒部21に向かって漸減されて0に
なるように設けられている(図1参照)。これらの凹部
30は、接続部23の軸線を中心として互いに90度間隔で設
けられていて、当該凹部30が設けられた箇所の肉厚が他
の箇所における肉厚に略等しくなるように、接続部23の
内周面から山形状に突出している。
【0021】第2円筒部22は、取付孔12の開口寸法に対
応した外径寸法を有しているとともに、小径部27の外径
寸法よりも大きな内径寸法を有し、接続部23の大径端部
に接続されている。従って、この第2円筒部22は、所定
間隔を空けて小径部27を収容するように、小径部27に対
して略入れ子状に配置されている。溝部24は、取付孔12
のフランジ13が嵌合可能な断面略コ字状とされ、第2円
筒部22の周方向に沿って連続形成されている。
【0022】鍔部25は、溝部24と接続部23との間から第
1円筒部21の開放端部に向かって拡開する仮想的な錐面
に沿って突設されている。これらの鍔部25は、第1円筒
部21の軸線に対して略直交する面に沿う平坦面25Aを有
する略鍵形状とされていて、第2円筒部22を裏返したと
きに、当該各鍔部25の先端部が第1円筒部21の外周面に
到達可能な突出長さを有している。これらのような鍔部
25は、接続部23の軸線を中心として互いに90度間隔で設
けられていて、かつ、各凹部30に対する角度位相が45度
に設定されていている。
【0023】案内部26は、略台形の断面形状が第1円筒
部21の母線に沿って連続する板状とされている。これら
の案内部26は、第2円筒部22を裏返したときに前述した
各鍔部25が干渉することなく第1円筒部21の外周面に沿
って配置できるように、接続部23の軸線を中心とする各
凹部30と同位相、換言すれば各鍔部25に対して、第1円
筒部21の軸線および第2円筒部22の軸線を中心とする角
度位相が45度に設定されている。
【0024】防音部40は、第2円筒部22の外周面に沿う
円盤形状とされ、各鍔部25における平坦面25Aの延長面
に沿う密着端面41を有している。このような防音部40
は、第2円筒部22および各鍔部25に対して一体成形され
ていて、第2円筒部22を裏返すと追従して反転可能とな
っている。
【0025】防音手段50は、第1円筒部21の小径部27の
外周面と、第2円筒部22の内周面との間に配置された防
音部材51を有している。防音部材51は、小径部27の外周
面および第2円筒部22の内周面間において、中空部52が
周方向に連続する円環状とされている。この防音部材51
は、小径部27の外周面に一体成形されているとともに、
第2円筒部22の内周面に対して外方球面51Aが弾性密着
可能とされている。このため、小径部27および第2円筒
部22間における接続部23側には、防音部材51により円環
状の閉塞空間53が形成される。従って、このグロメット
10は、小径部27および第2円筒部22間に形成された閉塞
空間53により、遮音性がさらに向上するようになってい
る。
【0026】次に、挿通補助手段60は、防音部40に設け
られた蛇腹部61と、第1円筒部の開放端部に設けられた
リング部62と、接続部23および防音部40を相互に連結す
るリンクアーム63とを有している。蛇腹部61は、防音部
40における密着端面41にV字状溝部を設けるとともに、
密着端面41に対して離れる方向を向く開放端面42にV字
状突部を突設することにより形成されている。これらの
蛇腹部61は、各V字状溝部および各V字状突部の稜線が
防音部40の軸線を中心とする放射方向に沿って連続する
ように設けられていて、当該蛇腹部61の肉厚寸法が防音
部40における他の個所の肉厚寸法よりも薄肉化されてい
る。これらのような蛇腹部61は、防音部40の軸線を中心
として互いに45度間隔で設けられているとともに、各鍔
部25および各凹部30に対して、接続部23の軸線を中心と
する位相角度が22.5度に設定されている。
【0027】挿通補助手段60としてのリング部62は、第
1円筒部21における外周面の開放端部から径方向に沿っ
て延びる円盤状とされ、その外径寸法が取付孔12の開口
寸法に対応している。このリング部62は、各案内部26の
端部に一体成形されていて、取付孔12の開口縁部に接触
しても変形し難い構造となっている。
【0028】一方、挿通補助手段60としてのリンクアー
ム63は断面略半円形状とされ、一端部が各凹部30の側壁
30Bに固定されているとともに、他端部が防音部40の開
放端面42に固定されている。図4にも示すように、これ
らのリンクアーム63は、防音部40における各凹部30に対
応した端面位置に薄肉ヒンジ64を介して一体成形されて
いて、薄肉ヒンジ64を支点として折り返した後、接着,
溶着等の適宜な手段により両端部がそれぞれ所定位置に
固定されている。これらのようなリンクアーム63は、防
音部40の密着端面41を防音材14の表皮14Bに対して密着
させるための密着補助手段70としての機能も備えてい
る。
【0029】次に、前述したグロメット10を所定の金型
により射出成形して製造した後、金型から脱型させたグ
ロメット10に所定の加工を施す加工作業を説明する。図
5に示すように、金型から脱型直後のグロメット10は、
リンクアーム63が薄肉ヒンジ64を介して防音部40の周端
面から径方向に沿って延びている。このため、薄肉ヒン
ジ64を支点としてリンクアーム63を接続部23側に折り返
し、次いでリンクアーム63の両端部をそれぞれ所定位置
に固定する加工をグロメット10に施す。
【0030】また、製造金型から脱型直後のグロメット
10は、防音手段50の防音部材51が閉塞空間53を形成しな
い状態となっている。すなわち、この状態において、防
音部材51は、第1円筒部21を構成する小径部27の外周面
から小径部27の開放端部に向かって拡開する段付円筒状
に形成されているとともに、当該防音部材51の大径端部
54(図5中右方)に切欠部55が複数設けられている。こ
れらの切欠部54は、小径部27の軸線を中心として90度間
隔で設けられている。
【0031】図6に示すように、このような防音部材51
は、内周面が外方を向くように大径端部54を小径端部56
に向かって裏返し、次いで大径端部54の内周面を小径端
部56の外周面に接着,溶着等の適宜な手段により固定す
る加工が施される。これにより防音部材51は、小径部27
の外周方向に沿って中空部52が連続するとともに、略リ
ングドーナツ状の外方球面51Aを有する円環状に形成さ
れる。
【0032】なお、防音部材51の加工にあたっては、例
えば接続部23のみを変形させることにより第2円筒部22
を裏返すことなく第1円筒部21側に移動させることによ
り防音部材51の小径端部56を露出させればよく、あるい
は内周面が外方を向くように第2円筒部22を裏返すこと
により防音部材51の小径端部56を露出させればよい。こ
こで、防音部材51の加工にあたって、内周面が外方を向
くように第2円筒部22を裏返す場合、防音部材51の加工
終了後に第2円筒部22を初期形状に復元させるか否かは
任意である。
【0033】次に、これらのような加工が施されたグロ
メット10を用いたワイヤーハーネスWの配設手順を説明
する。ここで、グロメット10は、防音部材51の加工後に
第2円筒部22が初期形状に復元した状態を前提としてい
る。
【0034】図3に示すように、まず、ワイヤーハーネ
スWをグロメット10の第1円筒部21に挿通し、大径部28
内に所定の充填材を充填させて固化させておく。この
際、大径部28は、各リブ28Aが内周面における放射均等
位置から母線に沿って、換言すれば充填材の充填方向に
沿って設けられているため、隙間等が生じることなく充
填材を大径部28内に充塞でき、これにより良好な防水性
よび遮音性が得られる。
【0035】そして、図7に示すように、第1円筒部21
に対して接続部23近傍を支点として、第2円筒部22を内
周面が外方を向くように裏返すことにより、各鍔部25を
先細りの筒状に集合変形させるとともに、第1円筒部21
の外周面に沿って配置させる。また、防音部40は、各鍔
部25に一体成形されているため第2円筒部22に追従して
反転し、縁部が先細りに集合して縮径する。
【0036】この際、防音部40は、挿通補助手段60であ
る蛇腹部61が複数設けられているため、これらの蛇腹部
61が防音部40の周方向に折り畳まれることにより、規則
的、かつ、均等に集合して縮径する。特に、各蛇腹部61
は、他の個所よりも薄肉化されているため初期形状を維
持しようとする強度が比較的低く、これによっても防音
部40が規則的、かつ、均等に集合して縮径する。
【0037】続いて、第1円筒部21を取付孔12および貫
通孔15に挿通させる。この際、挿通補助手段60であるリ
ング部62が第1円筒部21に設けられているとともに、防
音部40の縁部がリング部62における周端面の延長面より
も内側に配置されるため、集合変形して第1円筒部21の
外周面に沿う各鍔部25および防音部40が取付孔12の開口
縁部に接触せず、これにより第2円筒部22および防音部
40が意図せずに初期形状に復元する虞れはない。
【0038】特に、防音部40は、挿通補助手段60である
リンクアーム63を介して接続部23に接続されているた
め、例えばリンクアーム63が設けられていない場合(図
中鎖線参照)に比較して、自力で初期形状に復元しよう
とする反発力により縁部が第1円筒部21の外周面から離
れる方向に浮き上がる傾向を抑制できる。従って、この
グロメット10は、リング部62における周端面の延長面よ
りも内側に反転状態の防音部40における縁部を確実に配
置できるため、これによっても防音部40が意図せずに初
期形状に復元する虞れはない。
【0039】このまま、第1円筒部21を取付孔12および
貫通孔15に挿通させることにより、各鍔部25の先端部を
車体パネル11における防音材14側に配置させ、次いでワ
イヤーハーネスWを図7中左方に向けて押すことによ
り、第2円筒部22を初期形状に復元するように変形させ
ながら、取付孔12から各案内部26を脱出させる。この
際、グロメット10は、ワイヤーハーネスWが充填材を介
して第1円筒部21に保持されているため、ワイヤーハー
ネスを図中左方に向けて押しても、第1円筒部21からワ
イヤーハーネスが脱落する虞れはない。
【0040】続いて、ワイヤーハーネスWを図7中左方
に向けて更に押すと、第2円筒部22が初期形状に復元を
開始し、各鍔部25の基端部が取付孔12を通過する位置ま
で移動すると、各鍔部25が第2円筒部22に対する突出角
度を初期状態に復元するような強い反発力が開放され
る。従って、各鍔部25を拡開させながらグロメット10が
自力で図7中左方に移動するとともに、溝部24が断面略
コ字状に復元しながら取付孔12のフランジ13に溝部24が
嵌合するまで、第2円筒部22が初期形状に復元する(図
3の状態)。この際、グロメット10は、第2円筒部22の
内周面が防音部材51の外方球面51Aに密着することによ
り、小径部27および第2円筒部22間における接続部23側
に円環状の閉塞空間53が形成される、これによりさらに
良好な遮音性が得られる。
【0041】また、防音部40は、初期形状に復元した第
2円筒部22に追従して初期形状に復元するため、密着端
面41が防音材14の表皮14Bに密着する。この際、防音部
40は、リンクアーム63により接続部23に対する相対位置
が固定されているため、換言すればリンクアーム63が当
該防音部40を防音材14に向かって押し付ける密着補助手
段70として機能し、これによってもグロメット10に良好
な遮音性が得られる。
【0042】前述した第1実施形態のグロメット10によ
れば、第2円筒部22が反転可能であるとともに、防音材
14に密着可能な防音部40が設けられているため、従来の
グロメットと同様に取付作業を容易に行えるとともに、
良好な遮音性が得られる。また、このグロメット10によ
れば、防音部40が反転可能であるため、さらに取付作業
を簡略化できる。
【0043】そして、このグロメット10によれば、防音
部40が第2円筒部22に追従して反転可能であるため、第
2円筒部22および防音部40を個別に反転させる必要がな
く、これにより取付作業を一層簡略化できる。また、こ
のようなグロメット10によれば、防音部40第2円筒部22
に一体成形されているため、防音部40が第1円筒部21に
形成されている場合に比較して、防音部40と接続部23あ
るいは第2円筒部22とを連結するための連結部材等が必
要なく、構造を簡略化できるとともに、第2円筒部22に
追従して確実に反転できる。
【0044】また、前述したグロメット10によれば、各
鍔部25に防音部40が一体成形されているため、第2円筒
部22を裏返して各鍔部25を第1円筒部21の外周面に沿わ
せれば防音部40も自動的に反転し、これにより各鍔部25
に防音部40が一体成形されていない場合に比較して、第
2円筒部22に対して防音部40が確実な追従して反転する
とともに、防音部40が取付孔12の開口縁部に干渉する虞
れを少なくできる。
【0045】また、前述したグロメット10によれば、挿
通補助手段60を備えているため、反転状態における防音
部40の縁部が取付孔12の開口縁部に干渉する虞れを少な
くでき、これにより取付板11に対する取付作業を一層簡
略化できる。さらに、このようなグロメット10によれ
ば、挿通補助手段60として防音部40に蛇腹部61が複数設
けられているため、反転に伴って防音部40の縁部が規則
的、かつ、均等に縮径し、これにより防音部40の縁部が
取付孔12の開口縁部に干渉する虞れを少なくできる。特
に、防音部40は、各蛇腹部61が防音部40における他の個
所よりも薄肉化されているため、これによっても防音部
40の縁部が規則的、かつ、均等に縮径する。
【0046】さらに、このグロメット10によれば、挿通
補助手段60であるリング部62における周端面の延長面よ
りも内側に防音部40の縁部が配置可能であるため、これ
によっても防音部40の縁部が取付孔の開口縁部に接触す
る虞れを少なくできる。特に、防音部40の縁部は、リン
クアーム63を介して接続部23に接続されているため、防
音部40が自力で初期形状に復元しようとする反発力によ
り、防音部40の縁部が第1円筒部21の外周面から離れる
方向に浮き上がる傾向を抑制でき、これによっても防音
部40の縁部が取付孔の開口縁部に接触する虞れを少なく
できる。なお、リンクアーム63は、あらかじめ一端部が
防音部40に一体成形されているため、別途製造したリン
クアームの両端部をそれぞれ接続部23および防音部40に
接続する場合に比較して、グロメット10の製造コストを
低減できる。
【0047】また、前述したグロメット10によれば、密
着補助手段70を備えているため、反転状態から初期形状
に復元した防音部40が防音材14に対して確実に密着し、
これにより良好な遮音性が得られる。そして、このグロ
メット10は、密着補助手段70として前述したリンクアー
ム63が防音部40の密着端面41を防音材14に向かって押圧
するため、これにより確実、かつ、継続的な遮音性が得
られる。
【0048】図8および図9には、それぞれ本発明に係
る第2実施形態および第3実施形態が示されている。な
お、以下に説明する第2実施形態および第3実施形態
は、前述した第1実施形態との相違点が蛇腹部の形態で
あり、他の個所が前述した第1実施形態と同様に構成さ
れている。従って、第2実施形態および第3実施形態に
おいては、蛇腹部の形態についてのみ説明し、他の個所
の説明を省略する。
【0049】図8に示す第2実施形態において、防音材
14は所定厚みを有するグラスウール14Aのみとされ、グ
ロメット10Aは、密着補助手段60である蛇腹部 161を設
けるために、防音部 140の密着端面 141からV字状突部
が防音材14に向かって突出するように形成されていると
ともに、開放端面 142にV字状溝部が形成されている。
このようなグロメット10Aによれば、防音材14に向かっ
て突出するV字状突部により密着補助手段60である蛇腹
部 161が設けられているため、表面が変形し易い防音材
14の表面に対してV字状突部が食い込むことにより良好
な密着性を維持できる。
【0050】一方、図9に示すように、第3実施形態の
グロメット10Bは、防音部 240の密着端面 241が平坦に
形成され、防音部 240の開放端面 242にのみV字状溝部
を形成することにより蛇腹部 261が設けられている。こ
のようなグロメット10Bによれば、密着端面 241が平坦
に形成されているとともに、防音部 240の開放端面 242
にV字状溝部が形成されているため、防音部240の反転
動作を阻害することなく、防音材14の表面を構成する樹
脂製の表皮14Bに対する良好な密着性が得られる。
【0051】なお、本発明のグロメットは、前述した各
実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等
が可能である。その他、前述した各実施形態において例
示した取付板,取付孔,防音材,貫通孔,長尺部材,第
1円筒部,接続部,第2円筒部,溝部,鍔部,密着端
面,挿通補助手段,蛇腹部,リング部,防音部,リンク
アーム,密着補助手段等の材質,形状,寸法,形態,
数,配置個所等は本発明を達成できるものであれば任意
であり、限定されない。
【0052】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、請求項1に記載したように、防音部が反転可能であ
るため取付板に対する取付作業を簡略化でき、かつ、防
音部が第2円筒部に追従して反転可能であるため、取付
板に対する取付作業を一層簡略化できる。また、本発明
によれば、請求項2に記載したように、防音部が、接続
部あるいは第2円筒部に一体成形されているため、防音
部が第1円筒部に形成されている場合に比較して、防音
部と接続部あるいは第2円筒部とを連結するための連結
部材等が必要なく、構造を簡略化できるとともに、第2
円筒部に追従して確実に反転できる。
【0053】また、本発明によれば、請求項3に記載し
たように、溝部と接続部との間に設けられた各鍔部に防
音部が一体成形されているため、各鍔部に防音部が一体
成形されていない場合に比較して、第2円筒部に対する
確実な追従性が得られるとともに、防音部が取付孔の開
口縁部に干渉する虞れを少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のグロメットを示す
全体斜視図である。
【図2】図1のグロメットを示す正面図および側面図で
ある。
【図3】図1のグロメットを示す断面図である。
【図4】リンクアームを示す要部拡大模式図である。
【図5】図1のグロメットに施す加工を示す断面図であ
る。
【図6】防音手段を示す要部拡大模式図である。
【図7】図1のグロメットによる配索手順を示す断面図
である。
【図8】本発明に係る第2実施形態のグロメットを示す
部分拡大図である。
【図9】本発明に係る第3実施形態のグロメットを示す
部分拡大図である。
【符号の説明】
10,10A,10B グロメット 11 車体パネル(取付板) 12 取付孔 14 防音材 15 貫通孔 21 第1円筒部 22 第2円筒部 23 接続部 24 溝部 25 鍔部 40 防音部 41 密着端面 60 挿通補助手段 61 蛇腹部 62 リング部 63 リンクアーム 70 密着補助手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取付板に形成された取付孔および前記取
    付板に積層する防音材に形成された貫通孔に長尺部材を
    貫通保持するために、 前記長尺部材を挿通可能な第1円筒部と、前記第1円筒
    部の外周面に設けられた略円環状の接続部を介して接続
    され、かつ、前記第1円筒部の外側に配置された第2円
    筒部と、前記第2円筒部の外周面に沿って設けられた溝
    部とを有し、 前記第2円筒部を内周面が外方を向くように裏返し、次
    いで前記第2円筒部を初期形状に復元させることにより
    前記第1円筒部を前記取付孔内に挿通させるとともに、
    前記取付孔の開口縁部に前記溝部を嵌合させるグロメッ
    トであって、 前記第1円筒部,前記接続部および前記第2円筒部のう
    ちのいずれかの外周面に形成され、かつ、前記防音材の
    表面に密着可能な環状の防音部を備え、 前記防音部が前記第2円筒部に追従して反転可能である
    ことを特徴とするグロメット。
  2. 【請求項2】 前記防音部と、前記接続部および前記第
    2円筒部のうちの一方とが一体成形されていることを特
    徴とする請求項1に記載したグロメット。
  3. 【請求項3】 前記第2円筒部の外周面における前記溝
    部と前記接続部との間から放射状に設けられた複数の鍔
    部を有し、前記防音部と前記各鍔部とが一体成形されて
    いることを特徴とする請求項1に記載したグロメット。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7189930B2 (en) 2005-02-14 2007-03-13 Yazaki Corporation Grommet
US7706074B2 (en) 2004-09-13 2010-04-27 Nikon Corporation Projection optical system, method of manufacturing projection optical system, exposure apparatus, and exposure method

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