JP2001256745A - 小径円盤状記録媒体アダプタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】高速回転時に小径円盤状記録媒体とアダプタと
の芯ずれが発生し難く、安定した記録再生を行えるよう
にする。 【解決手段】アダプタ本体７の記録媒体支持穴６の内周
面８付近に小径円盤状記録媒体５を支持する記録媒体支
持部９、１５を形成し、その記録媒体支持部９、１５に
小径円盤状記録媒体５の一方の主面２を上から支える上
支持突起１０を設け、更に小径円盤状記録媒体５の外周
面４或いはその外周面４から他方の主面３へ連なる角部
付近を下から支える傾斜した下支持内周面１６を形成
し、アダプタ本体７の上支持突起１０より外周側領域に
貫通長穴１３又は溝を設けて、その上支持突起１０に弾
力性を与えて弾性的に変形可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は小径円盤状記録媒体
を従来の円盤状記録媒体用記録再生装置で使用するため
のアダプタ装置、特にＣＤ、ＣＤ−Ｒ、ＣＤ−ＲＡＭ等
のコンパクトディスク類、ＤＶＤ、ＤＶＤ−Ｒ、ＤＶＤ
−ＲＡＭ等のデジタルビデオディスク類の小径円盤状記
録媒体アダプタ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＣＤやＤＶＤ等のようなディスク
類のプレーヤを含む記録再生装置ではディスクの標準サ
イズとして、一般にアルバムと呼ばれる直径１２ｃｍの
大径ディスクを基準にして駆動部の調整を行っている。
しかし、その記録再生装置を用いて、一般にシングルと
呼ばれる保管や形態の利便性を優先させて開発された直
径約８ｃｍの小径ディスクを記録再生する際には、大径
ディスクとの質量差によって不具合が発生する。具体的
には小径ディスクを用いると、大径ディスクとの質量差
によって慣性モーメントに差が生じ、角速度や線速度を
記録再生に適する範囲に制御するための駆動部の負荷が
増大して、記録再生が円滑に行われないばかりでなく、
装置の耐久性や信頼性の低下を招く等の不具合が生じ
る。

【０００３】そして、このような不具合を解消すべく、
小径ディスクを大径ディスクと質量差を生じさせること
なく使用するためのアダプタ装置として、既に特許第２
７１８９２４号、特開平１−１０７３８７号、特開平１
−１０７３８８号等が提示されている。これ等の提示さ
れた小径ディスクアダプタ装置によると、従来の小径デ
ィスクアダプタ装置１はその１／２円分の概略構造を装
置１の回転軸を含む断面図及び斜視図で示すと図７のよ
うになる。この小径ディスクアダプタ装置１は大径ディ
スクとほぼ同じ外径を有し、その中心部に２つの主面
２、３と外周面４を有する小径ディスク５を支持するデ
ィスク支持穴６を設けたリング状のアダプタ本体７を備
え、そのアダプタ本体７のディスク支持穴６の内周面８
付近に小径ディスク５を支持するディスク支持部９（９
ａ、９ｂ…）を内周面８に沿って分散配置して形成し、
そのディスク支持穴６内に小径ディスク５を挿入し一体
に保持した状態でローディング及び回転可能になってい
る。

【０００４】そして、各ディスク支持部９に小径ディス
ク５の一方の主面２を支える上支持突起１０（１０ａ、
１０ｂ…）と他方の主面３を支える下支持突起１１（１
１ａ、１１ｂ、１１ｃ…）を設け、アダプタ本体７の各
支持突部９より外周側領域に対応する貫通長穴１２（１
２ａ、１２ｂ…）を設け、その各支持突起１０、１１に
それぞれ弾力性を与えて弾性的に変形可能に構成してい
る。なお、図８はアダプタ１３の１／４円分を示す平面
図であり、図９はそのアダプタ１３のディスク支持部９
と対応する貫通長穴１２との関係を示す断面図であっ
て、図８のＡ−Ａ線断面図に相当する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、提示さ
れているような従来のアダプタ１３はディスク支持部９
に特開平１−１０７３８８号のようにチャッキング機構
を備えると、径方向の保持には充分に機能し得ても、小
径ディスク５の主面２、３と平行な方向に突出する上下
支持突起１０、１１を設けることによっては厚さ方向に
十分な保持効果を発揮できず、小径ディスク５の僅かな
厚さのばらつきを吸収することができない。それ故、近
年急速に増えつつある大容量データの受け渡しを短時間
で処理するための回転の高速化、即ちより高速で回転し
ながら記録再生を行う方式に十分に対応できない。何故
なら、高速回転時には低速回転時ではあまり大きな問題
にならなかった小径ディスク５とアダプタ１３の重心や
相対的位置のずれに基づく両者の回転中心の不一致によ
る芯ずれが回転の妨げとなり、回転時に振動が発生し、
信号追従を円滑に行うことが困難となる等、安定した記
録再生の障害になるからである。

【０００６】本発明はこのような従来の問題点に着目し
てなされたものであり、高速回転時にも小径円盤状記録
媒体とアダプタとの回転中心の不一致による芯ずれが発
生し難く、安定した記録再生を行える小径円盤状記録媒
体アダプタ装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による小径円盤状記録媒体アダプタ装置は大
径円盤状記録媒体とほぼ同じ外径を有し、その中心部に
２つの主面と外周面を有する小径円盤状記録媒体を支持
する記録媒体支持穴を設けたリング状のアダプタ本体を
備え、そのアダプタ本体の記録媒体支持穴の内周面付近
に小径円盤状記録媒体を支持する記録媒体支持部を形成
して、その記録媒体支持穴内に小径円盤状記録媒体を挿
入し一体に保持した状態でローディング及び回転可能に
構成する。

【０００８】そして、前記記録媒体支持部に小径円盤状
記録媒体の一方の主面を上から支える上支持突起を設
け、更に小径円盤状記録媒体の外周面或いはその外周面
から他の主面へ連なる角部付近を下から支えるためアダ
プタ本体の回転軸に対し傾斜した下支持内周面を形成
し、アダプタ本体の上支持突起より外周側領域に貫通長
穴又は溝を設けて、その上支持突起に弾力性を与えて弾
性的に変形可能に構成する。

【０００９】又、前記支持内周面をアダプタ本体の回転
軸を含む断面において傾斜した直線縁或いは曲線縁に形
成すると好ましくなる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、添付の図１〜６を参照し
て、本発明の実施の形態を説明する。図１は本発明を適
用した小径ディスクアダプタ装置の１／２円分の概略構
造を示す装置の回転軸を含む断面図と斜視図である。こ
の小径ディスクアダプタ装置１４は従来の小径ディスク
アダプタ装置１と同様に、大径ディスクとほぼ同じ外径
を有し、その中心部に２つの主面２、３と外周面４を有
する小径ディスク５を支持するディスク支持穴６を設け
たリング状のアダプタ本体７を備える。そして、そのア
ダプタ本体７のディスク支持穴６の内周面８の付近にそ
の内周面８に沿って小径ディスク５を支持するディスク
支持部９、１５を分散配置して複数箇所例えば６箇所に
形成する。

【００１１】その際、ディスク支持部９は内周面８に沿
い１２０度間隔にして３箇所設け、その各ディスク支持
部９（９ａ、９ｂ…）に支持穴６に挿入した小径ディス
ク５の一方の主面２をその主面２と平行に突出する長方
形片の先端に設けた爪を上方から当接して支える上支持
突起１０（１０ａ、１０ｂ…）を１箇所ずつそれぞれ設
ける。そして、アダプタ本体７の各ディスク支持部９よ
り外周側領域に対応する貫通長穴１２（１２ａ、１２ｂ
…）又は溝を僅かに弓状に曲げて設け、その各上支持突
起１０に弾力性を与えて弾性的に変形可能にそれぞれ構
成する。なお、各ディスク支持部９には従来の下支持突
起１１に該当するものは設けない。

【００１２】又、ディスク支持部１５（１５ａ、…１５
ｃ）はその各ディスク支持部９と相対する位置にそれぞ
れ対応付けて３箇所設け、その各ディスク支持部１５に
ディスク支持穴６に挿入した小径ディスク５を下支えす
る支持内周面１６（１６ａ、……）を１箇所ずつそれぞ
れ設ける。そして、これ等の支持内周面１６ではいずれ
も小径ディスク５の外周面４或いは外周面４から他方の
主面３へ連なる角部付近を乗せて下支えするため、内周
面をその部分でアダプタ本体７の回転軸Ｐに対し傾斜さ
せて内方に突出させる。その際、小径ディスク５の外周
面４が両主面２、３と直角の場合には、例えば図２に示
すようにその下側角部１７を下支えするために、支持内
周面１６をアダプタ本体７の回転軸を含む断面において
下方に行く程順次内方に突出する傾斜した直線縁に形成
する。

【００１３】このようにして、アダプタ本体７の内周面
付近に小径ディスク５を支持するディスク支持部９、１
５を形成したアダプタ１８を用いると、そのアダプタ本
体７の外径は標準サイズのディスク外径とほぼ同じにな
っており、その中心部に設けたディスク支持穴６に小径
ディスク５を挿入し保持できる。そして、小径ディスク
５を挿入する際に、各ディスク支持部９に設けた上支持
突起１０をそこに適宜指を掛け又は掛けずに弾性力に逆
らってアダプタ本体７の外周方向に移動させ、小径ディ
スク５をその下側角部１７がディスク支持部１５の下支
持内周面１６にそれぞれ当接するように挿入し、弾性力
によって各上支持突起１０がアダプタ本体７の内周方向
に復元することで、小径ディスク５をアダプタ本体７に
確実に保持して両者を一体のものとして取り扱うことが
できる。

【００１４】しかも、各上支持突起１０の弾性作用はア
ダプタ本体７の内外周方向のみに働くわけではなく、そ
の先端爪がいずれも回転軸Ｐと同じ方向に突出して当接
しているため、アダプタ本体７の厚さ方向にも作用する
ので、小径ディスク５の角部１７の近傍をディスク支持
部１５の支持内周面１６に当接させる力として作用す
る。それ故、小径ディスク５はアダプタ本体７に対して
径方向及び厚さ方向の２方向で確実な保持が行われると
共に、下支持内周面１６の傾斜によって小径ディスク５
とアダプタ本体７の位置が自動的に調整されて両者の回
転中心が一致する。

【００１５】従って、このような小径ディスク５を保持
したアダプタ１８からなる小径ディスクアダプタ装置１
４を用いると、小径ディスク５を標準サイズのディスク
と同様に各種の記録再生装置に装填してローディングし
回転させることができる。しかも、高速回転時にも小径
ディスク５とアダプタ１８との回転中心が一致し、芯ず
れが発生し難く、安定した記録再生を行える。

【００１６】上記実施の形態ではアダプタ本体７のディ
スク支持穴６に挿入する小径ディスク５の外周面４が両
主面２、３と直角の下側角部１７を下支えするため、ア
ダプタ本体７のディスク支持部１５に設ける下支持内周
面１６をアダプタ本体７の回転軸Ｐを含む断面において
下方に行く程順次突出する傾斜直線縁に形成した場合に
ついて説明したが、図３に示すように小径ディスク５の
下側角部１７の部分を切り欠いて除き、その切欠き部１
９を下支えするために、やはり下支持内周面１６を同様
の傾斜直線縁に形成することもできる。

【００１７】又、図４に示すようにアダプタ本体７の回
転軸Ｐを含む断面において、小径ディスク５の外周面４
を半円弧状に突出した曲線縁に形成し、その外周面４を
下支えするために、下支持内周面１６を傾斜直線縁に形
成することもできる。

【００１８】又、図５に示すようにアダプタ本体７の回
転軸Ｐを含む断面において、小径ディスク５の外周面４
を同様の半円弧状に突出した曲線縁に形成し、その外周
面４を下支えするために、下支持内周面１６を外周面４
の円弧より曲率の大きな円弧状に凹んだ傾斜した曲線縁
に形成することができる。この場合にも小径ディスク５
の外周面４を下支持内周面１６に当接させて下支えさせ
ることにより、小径ディスク５をアダプタ本体７によっ
て確実に保持して、両者の回転中心が一致するように自
動的に調節を行える。

【００１９】又、図６に示すようにアダプタ本体７の回
転軸Ｐを含む断面において、小径ディスク５の外周面４
を同様の半円弧状に突出した曲線縁に形成し、その外周
面４を下支えするために、下支持内周面１６を概略傾斜
直線縁にしてその中央部付近を外周面４の円弧より曲率
の大きな円弧状に突出した曲線縁に形成することもでき
る。なお、下支持内周面１６を構成する傾斜直線縁は上
部の傾斜角度より下部の傾斜角度を大きくする。

【００２０】以上の各場合において、アダプタ１８に小
径ディスク５を装填して小径ディスクアダプタ装置１４
を構成し、実際に記録再生装置に装着して回転数を３０
０ｒｐｍ、５００ｒｐｍ、１，０００ｒｐｍ、２，００
０ｒｐｍに設定して実験を行ったところ、従来のように
記録再生を妨げるような振動の発生はなかった。

【００２１】

【発明の効果】以上説明した本発明によれば、請求項１
記載の発明ではアダプタ本体の記録媒体支持穴の内周面
付近に小径円盤状記録媒体を支持する記録媒体支持部を
形成し、その記録媒体支持部に小径円盤状記録媒体の一
方の主面を上から支える上支持突起を設け、更に小径円
盤状記録媒体の外周面或いはその外周面から他方の主面
へ連なる角部付近を下から支えるためアダプタ本体の回
転軸に対し傾斜した下支持内周面を形成し、そのアダプ
タ本体の上支持突起より外周側領域に貫通長穴又は溝を
設けて、上支持突起に弾力性を与えて弾性的に変形可能
に構成することにより、アダプタ本体に小径円盤状記録
媒体を挿入する際、上支持突起を弾性力に逆らって移動
させ、小径円盤状記録媒体を下支持内周面に当接するよ
うにし、弾性力によって上支持突起が復元することで、
小径円盤状記録媒体をアダプタ本体に対して径方向及び
厚さ方向の２方向で確実に保持できる。

【００２２】それ故、高速回転時にも上支持突起と下支
持内周面の共同作用によって、小径円盤状記録媒体とア
ダプタ本体の位置を自動的に調整して両者の回転中心を
一致させ易く、芯ずれを発生し難くできるため、記録再
生を妨げるような振動が発生せず、信号追従を円滑に行
えて、安定した記録再生が可能になる。

【００２３】又、請求項２記載の発明では、下支持内周
面をアダプタ本体の回転軸を含む断面において傾斜した
直線縁或いは曲線縁に形成することにより、高速回転時
にも上支持突起と下支持内周面の共同作用によって、小
径円盤状記録媒体とアダプタ本体の位置を自動的に円滑
に調整して両者の回転中心を一致させることができる。
それ故、一層芯ずれが発生し難くなり、安定した記録再
生を行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明を適用した小径ディスクアダプタ
装置の１／２円分の概略構造を示す装置の回転軸を含む
断面図と斜視図である。

【図２】同小径ディスクアダプタ装置による小径ディス
クの外周面角部の下支えをアダプタ本体のディスク支持
部に設ける下支持内周面を傾斜直線縁に形成して行った
場合の支持状態を示す断面図である。

【図３】同小径ディスクアダプタ装置による小径ディス
クの外周面角部切欠き部の下支えをアダプタ本体のディ
スク支持部に設ける下支持内周面を傾斜直線縁に形成し
て行った場合の支持状態を示す断面図である。

【図４】同小径ディスクアダプタ装置による小径ディス
クの半円弧状突出曲線縁に形成した外周面の下支えをア
ダプタ本体のディスク支持部に設ける下支持内周面を傾
斜直線縁に形成して行った場合の支持状態を示す断面図
である。

【図５】同小径ディスクアダプタ装置による小径ディス
クの半円弧状突出曲線縁に形成した外周面の下支えをア
ダプタ本体のディスク支持部に設ける下支持内周面を曲
率の大きな円弧状に凹んだ傾斜曲線縁に形成して行った
場合の支持状態を示す断面図である。

【図６】同小径ディスクアダプタ装置による小径ディス
クの半円弧状突出曲線縁に形成した外周面の下支えをア
ダプタ本体のディスク支持部に設ける下支持内周面をそ
の中央部付近を曲率の大きな円弧状突出曲線縁にした傾
斜直線縁に形成して行った場合の支持状態を示す断面図
である。

【図７】従来の小径ディスクアダプタ装置の１／２円分
の概略構造を示す装置の回転軸を含む断面図と斜視図で
ある。

【図８】同小径ディスクアダプタ装置を構成するアダプ
タの１／４円分を示す平面図である。

【図９】同アダプタのディスク支持部と対応する貫通長
穴との関係を示す断面図であって、図８のＡ−Ａ線断面
図に相当する。

【符号の説明】 ２、３…主面 ４…外周面 ５…小径ディスク ６…デ
ィスク支持穴 ７…アダプタ本体 ８…内周面 ９、１
５…ディスク支持部 １０…上支持突起 １２…貫通長
穴 １４…小径ディスクアダプタ装置 １６…下支持内
周面 １７…角部 １８…アダプタ １９…切欠き部
Ｐ…回転軸

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 大径円盤状記録媒体とほぼ同じ外径を有
   し、該中心部に２つの主面と外周面を有する小径円盤状
   記録媒体を支持する記録媒体支持穴を設けたリング状の
   アダプタ本体を備え、該アダプタ本体の記録媒体支持穴
   の内周面付近に前記小径円盤状記録媒体を支持する記録
   媒体支持部を形成して、前記記録媒体支持穴内に前記小
   径円盤状記録媒体を挿入し一体に保持した状態でローデ
   ィング及び回転可能に構成した小径円盤状記録媒体アダ
   プタ装置であって、前記記録媒体支持部に前記小径円盤
   状記録媒体の一方の主面を上から支える上支持突起を設
   け、更に前記小径円盤状記録媒体の外周面或いは該外周
   面から他方の主面へ連なる角部付近を下から支えるため
   前記アダプタ本体の回転軸に対し傾斜した下支持内周面
   を形成し、前記アダプタ本体の上支持突起より外周側領
   域に貫通長穴又は溝を設けて、該上支持突起に弾力性を
   与えて弾性的に変形可能に構成したことを特徴とする小
   径円盤状記録媒体アダプタ装置。
2. 【請求項２】 前記下支持内周面を前記アダプタ本体の
   回転軸を含む断面において傾斜した直線縁或いは曲線縁
   に形成したことを特徴とする請求項１記載の小径円盤状
   記録媒体アダプタ装置。