JP2001256485A - 車種判別システム - Google Patents

車種判別システム

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JP2001256485A JP2000076319A JP2000076319A JP2001256485A JP 2001256485 A JP2001256485 A JP 2001256485A JP 2000076319 A JP2000076319 A JP 2000076319A JP 2000076319 A JP2000076319 A JP 2000076319A JP 2001256485 A JP2001256485 A JP 2001256485A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】TVカメラ等の撮像手段による車種判別システ
ムの車種判別精度を向上させる。 【解決手段】カメラ等の画像入力手段1と、その画像に
対する車両の情報を計測する検知領域設定手段2と、車
両が検知領域内に存在するが否かを計測する車両存在確
認手段3と、検知領域内に車両が存在している時の、入
力画像の濃度変化検出・記憶手段4、ならびに入力画像
のエッジ変化検出・記憶手段5と、検知領域を通過した
車両を追跡する車両追跡手段6と、追跡した結果から車
両通過速度を求める速度算出手段7を有し、濃度変化検
出・記憶手段4、エッジ変化検出・記憶手段5から得ら
れる画像濃度及びエッジ濃度の時系列データと、速度算
出手段から車長算出データを得、これらデータを入力し
て車種を判別する車種判定手段8により構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビカメラの映
像を処理し道路上を通過する車両の車種を判別する車種
判別システムに関する。
【0002】
【従来の技術】道路上の車両の車種を判別する車種判別
システムとして、光学式感知器を用いたものがある。
【0003】その光学式感知器を利用した車種判別シス
テムとして、特開平11−296784号には、光を道路に照射
し、その照射光と反射光との位相差から通過する車両の
高さを求め、この高さ変化のパターンから小型,大型,
貨物,バスなどの車種を判別することが記載されてい
る。
【0004】また、道路上の車両の車種を判別する装置
として、画像式感知器を用いたものがある。特開平11−
353581号には、入力画像から路面の濃度を除去し、車両
のパターンを抽出し、抽出した車両のパターンについて
エッジ検出することでその車両の先頭位置と幅を求め、
さらに、それらから車両のシルエットを抽出し、その車
両の先頭の幅と車両のシルエットで大型乗用,大型貨
物,小型乗用,小型貨物を判別することが記載されてい
る。
【0005】また、特開平11−232588号には、あらかじ
め車種毎の前面輝度パターンを記憶しておき、入力画像
の輝度パターンとの比較で車種を判別するものが記載さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の光学式感知器を
用いた車種判別システムで、その判別結果を確認するた
めには、ビデオカメラ等の他の確認手段が必要となる。
【0007】また、ビデオカメラを設置した場合も、光
学式感知器の検出エリアと合わせる必要があること、感
知器の時刻とビデオの時間補正を正確に行う必要がある
などの問題がある。
【0008】その点、画像式感知器を用いる場合、車種
判別と判別結果の確認に用いることができるので、この
ような問題が解決可能である。すなわち、撮影した画像
を処理して車種判別し、その判別結果をカメラ映像に重
ね、この映像を録画することで検証が容易になる。
【0009】ところが、その画像式感知器を利用した装
置である特開平11−353581号は、車両の輝度パターンを
抽出するために、入力画面の全領域の路面濃度を除去す
ることで求めているために、抽出する車両パターンの輝
度や路面の輝度に大きなムラがある場合、正確に車両パ
ターンを抽出することが困難で、車種判別の精度が低下
してしまう。また、車両の幅の車種による長さの違いは
小さく、車両の幅から車種を判別することは困難であ
る。これらの問題点は、大型,普通,小型等の大きさに
よる種別の車種判別をする場合や貨物であるか乗用であ
るかの種別の車種判別をする場合に、大きな問題とな
る。
【0010】特開平11−232588号「速度違反取締装置」
記載の方法も同様に、画像全体から車両の前面輝度パタ
ーンを取り出しているため、車種判別の精度が低下す
る。この問題点は、大型,普通,小型等の大きさによる
種別の車種判別をする場合や貨物であるか乗用であるか
の種別の車種判別をする場合に、大きな問題となる。
【0011】以上のように、本願発明の目的は、画像監
視装置における車種判別の精度を向上させることにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記のように、画像式感
知器で車両の車種を判別するために、本発明の車種判別
システムでは、画像上に領域を設定し、その領域を車両
が通過している間のその領域の画像濃度(画像の輝度の
濃度)の時系列データ、その領域のエッジ濃度(画像の
輝度を微分処理することで求めたエッジの輝度の濃度)
の時系列データを記憶し、車両の走行速度とこれらの時
系列データから車種を判別する方式を採用する。
【0013】すなわち、検知領域を通過する車両の通過
時間(検知領域を車両が隠蔽している時間)と車両の通
過速度から車長を計測してその車両の大きさの種別を求
め、さらに検知領域の濃度の時系列データ(パターン)
及びエッジ濃度の時系列データ(パターン)から貨物,
乗用等の種別を特定することで車種を判別するものであ
る。通常、バスは天井が同一色で均一であるため画像濃
度の時系列データの前半は平坦であり、かつエッジ濃度
の時系列データは後半にエッジが強くなるなどの特徴か
ら車種を判別することが可能となる。なお、本明細書で
の「濃度」は「輝度の濃度」のことを意味する。
【0014】また、本発明の態様としては、以下の手段
もある。
【0015】(手段1)道路を撮影するテレビカメラの
映像を処理し車種を判別する車種判別システムにおい
て、テレビカメラの映像を画像メモリに取り込む画像入
力手段と、入力した画像上で車両を検知する検知領域を
各車線の車両進入側に設け、この検知領域の車両有無情
報,入力画像濃度変化パターン情報,入力画像を微分し
た映像のエッジ濃度変化パターン情報を記憶する検知領
域情報管理手段と、検知領域を車両が通過したタイミン
グで車両の末尾位置を抽出し、その位置を追跡処理して
通過速度を求める速度検出手段と、前記検知領域情報管
理手段の情報と速度検出手段で求まった通過速度情報に
より通過車両の車種を判別する車種判別手段を有するこ
とを特徴とする車種判別システム。
【0016】(手段2)手段1の車種判別システムにお
いて、検知領域情報管理手段の車両有無情報は、検知領
域内の車両存在,車両非存在を判別し、車両存在時は検
知領域における入力画像平均濃度と入力画像を微分した
映像の平均濃度を時系列に車両存在回数分記憶すること
を特徴とする車種判別システム。
【0017】(手段3)手段2の車種判別システムにお
いて、検知領域情報管理手段の車両有無情報は、検知領
域内の車両存在,車両非存在を判別するとともに、検知
領域の時間差分処理で変動領域を検出し、検知領域が時
間的に変動している場合だけ、検知領域における入力画
像平均濃度と入力画像を微分した映像の平均濃度を時系
列に車両存在回数分記憶することを特徴とする車種判別
システム。
【0018】(手段4)手段2の車種判別システムにお
いて、検知領域内の車両存在,車両非存在を判別するた
めに、あらかじめ記憶している背景画像と入力画像の差
分処理を前記検知領域で実行し、該差分画像を所定しき
い値で2値化した時の面積が所定値以上の時に車両存
在、以下の時に車両非存在と判別することを特徴とする
車種判別システム。
【0019】(手段5)手段2の車種判別システムにお
いて、検知領域内の車両存在,車両非存在を判別するた
めに、あらかじめ記憶している背景画像と入力画像の差
分処理を前記検知領域で実行し、該差分画像の平均濃度
が所定値以上の時に車両存在、以下の時に車両非存在と
判別することを特徴とする車種判別システム。
【0020】(手段6)手段2の車種判別システムにお
いて、検知領域内の車両存在,車両非存在を判別するた
めに、あらかじめ記憶している背景画像と入力画像とで
類似度を前記検知領域内で算出し、類似度が所定値以下
の時に車両存在、以上の時に車両非存在と判別すること
を特徴とする車種判別システム。
【0021】(手段7)手段2の車種判別システムにお
いて、検知領域内の車両存在,車両非存在を判別するた
めに、入力画像を微分処理し、該微分画像の平均濃度が
所定値以上の時に車両存在、以下の時に車両非存在と判
別することを特徴とする車種判別システム。
【0022】(手段8)手段1の車種判別システムにお
いて、車種判別手段は、検知領域情報管理手段の車両有
無情報から得られる検知領域を通過している時間と速度
検出手段で求まった速度から通過車両の車長を算出し、
さらに検知領域情報管理手段の入力画像濃度変化パター
ン,エッジ濃度変化パターンから車両の形状を区別する
形状判別手段を有することを特徴とする車種判別システ
ム。
【0023】(手段9)手段8の車種判別システムにお
いて、車種判別手段の形状判別手段は、検知領域情報管
理手段の入力画像濃度変化パターン,エッジ濃度変化パ
ターンをニューラルネットワークの入力層に入力し、出
力層に貨物,バスなどの形状に相当する出力を有する3
層ニューラルネットワークを用いて形状判別することを
特徴とする車種判別システム。
【0024】(手段10)手段8の車種判別システムに
おいて、車種判別手段の形状判別手段は、あらかじめ車
両の形状別に濃度変化パターン,エッジ濃度変化パター
ンを数種類記憶し、検知領域情報管理手段の入力画像濃
度変化パターン,エッジ濃度変化パターンとの類似度を
それぞれ算出し、その総和が最も高いパターンを求める
ことで形状判別することを特徴とする車種判別システ
ム。
【0025】(手段11)道路を撮影するテレビカメラ
の映像を処理し車種を判別する車種判別システムにおい
て、テレビカメラの映像を画像メモリに取り込む画像入
力手段と、入力した画像に車両を検知する検知領域を設
定する手段と、この検知領域の画像から、検知領域を通
過する車両の車長と、検知領域の画像濃度の時系列デー
タと、検知領域の画像におけるエッジ濃度の時系列デー
タとを求める手段と、前記濃度の時系列データと、エッ
ジ濃度の時系列データと、車長とから車種を判別画像す
る手段と、を有することを特徴とする車種判別システ
ム。
【0026】(手段12)手段11の車種判別システム
において、前記検知領域の画像から、検知領域を通過す
る車両の車長と、検知領域の画像濃度の時系列データ
と、検知領域の画像におけるエッジ濃度の時系列データ
とを求める手段は、前記検知領域の画像から、検知領域
を通過する車両の速度と、検知領域の画像濃度の時系列
データと、検知領域の画像におけるエッジ濃度の時系列
データとを求める手段と、画像輝度の時系列データから
検知領域を車両が通過する時間を求める手段と、前記エ
ッジ濃度の時系列データから検知領域を通過する車両の
速度を求める手段と、その求めた時間と速度から、検知
領域を通過する車両の車長を求める手段と、を有するこ
とを特徴とする車種判別システム。
【0027】(手段13)手段12の車種判別システム
において、前記エッジ濃度の時系列データから検知領域
を通過する車両の速度を求める手段は、前記エッジ濃度
から車両の末尾を特定する手段と、その末尾の位置の変
化と、その位置の変化に要した時間を求める手段と、そ
の位置の変化量とその位置の変化に要した時間とから、
車両の速度を求める手段と、を有することを特徴とする
車種判別システム。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0029】図1は本発明の車種判別システムの処理手
段を説明する図である。
【0030】カメラなどの映像撮像手段で撮像した画像
を入力する画像入力手段1と、その画像に対し車両の情
報を計測する検知領域設定手段2と、検知領域内に車両
が存在しているか否かを計測する車両存在確認手段3
と、検知領域内に車両が存在している時の入力した画像
の濃度情報を求める濃度変化検出・記憶手段4と、同じ
く、検知領域内に車両が存在している時の入力した画像
のエッジ濃度情報を求めるエッジ変化検出・記憶手段5
と、検知領域を通過した車両を追跡する車両追跡手段6
と、追跡した結果から車両の通過速度を求める速度算出
手段7と、濃度変化検出・記憶手段4およびエッジ変化
検出・記憶手段に格納されているデータと、車速度算出
手段7で求まる速度情報を用いて車種を判別する車種判
別手段8からなる。
【0031】図2はハードウエア構成を説明する図であ
る。本発明で使用する画像処理装置20は、テレビカメ
ラ21の映像をディジタルデータに変換するA/D変換
器22と変換された画像データを記憶する画像メモリ2
3と、画像メモリ23のデータを映像として表示するた
めのディジタルデータをアナログデータに変換するD/
A変換器25を介してモニタテレビ26に表示する構成
である。また、処理の動作はCPU27やRAM28な
どからなるコンピュータ29(パソコンなど)で制御され
る。
【0032】画像メモリ23は複数枚備わっており、背
景画像や入力画像の記憶メモリ、各種画像処理結果を記
憶するワークメモリなどに利用する。
【0033】なお、画像処理プロセッサ24は微分処理
などを実行する空間積和演算や、2画像の差分処理など
を実行する画像間演算,画像濃度の頻度分布などを求め
るヒストグラム処理機能,テンプレート画像と対象画像
の類似度を算出する正規化相関処理などの機能が搭載さ
れている。
【0034】図1の各手段の動作について以下説明す
る。
【0035】図3は入力画像の一例を示す。テレビカメ
ラから取り込んだ2車線の道路を撮影した画像10の中
で、検知領域設定手段2で検知領域D1,D2を設定
し、この領域のデータを求める。以下、簡単のために図
3の左車線1本だけを処理する場合について説明する。
【0036】まず、検知領域設定手段2によって、画像
入力手段1から得られる入力画像のうち、図3のように
車両が進入する側に検知領域D1を設定する。この検知
領域の大きさは、車線方向の長さを普通車の車長の1/
10程度(例えば50cm程度)が映るように設定し、車
線に垂直の方向をほぼ車線の幅に設定する。車線方向の
長さを広げすぎると、検知領域に複数の車両が同時に存
在する場合などが発生し、車両の分離処理などが必要に
なるため、通常の車両間隔とされる長さ以下とする。
【0037】また、狭すぎると、画像濃度,エッジ濃度
のばらつきが大きくなるため経験的に50cm程度が検知
領域に納まるように設定している。
【0038】また、カメラの設置方法として、図3のよ
うな視野に設定すれば、画面の下部では車両が重なるこ
とがないため(ほぼ真下を撮影)、検知領域の情報は車
両1台分の情報になる。
【0039】この設定方法は、オフライン的に画面上の
座標を設定してその座標を記憶する。
【0040】また、本実施例では、検知領域を直接設定
しているが、中央の白線を画像処理で認識し、その白線
よりも左側に設定するようにすれば、自動設定も可能で
ある。
【0041】なお、図3の各車線の検知領域D1,D2
の間隔などは撮影する画角,道路幅,車両の通過特性
(車線の左側を通過するのが多いなど場所によって変化
する)によってその都度調整する。
【0042】車両存在確認手段3は、検知領域設定手段
2によって設定された領域D1に車両が存在しているか
を毎回(処理周期は約33ミリ秒程度)計測するもので
ある。
【0043】処理方法としては、図4に示すようにあら
かじめ道路だけの画像を記憶しておき41、この画像4
1と入力画像42の差分処理を検知領域内で実行し、得
られた差分画像を所定しきい値で2値化43したときの
面積を求め、この面積が所定値以下なら車両は存在して
いない、所定値以上なら存在していると判断する(背景
差分処理法)。
【0044】また、図5のように入力画像の検知領域内
を微分処理し微分画像51の平均濃度が所定値以下なら
車両は存在していない、所定値以上なら存在していると
判断する方法もある。
【0045】また、入力画像の濃度変化に対応できるよ
うに、特開平10−307988号「交通流監視装置」に記載の
ように、あらかじめ記憶している道路の背景画像パター
ンと入力画像とで類似度(正規化相関処理)を算出し類
似度が所定値以下なら車両存在と判別することも可能で
ある。
【0046】正規化相関処理は登録パターンと探索画像
パターンの濃度を合わせて類似度を求めるため、入力画
像の明るさが変動しても類似度にはあまり影響しない特
徴を持つ。このため、屋外の場合はこの処理が安定して
いる。いずれにしても、車両の存在有無の情報を記憶す
ることができればどのような方式でも効果は得られる。
【0047】画面全体の画像から車両の領域を正確に求
めることは困難であるが、検知領域を所定の大きさに限
定することで、車両の存在有無情報が安定的に判別可能
となる。
【0048】このような存在,非存在の情報を時系列に
図6のように記憶しておく(存在を1,非存在を0とす
る)。この時、存在のトータル時間が必要となるため、
存在開始時刻,存在終了時刻を用いて存在時間TimeSを
求めておく。
【0049】濃度変化検出・記憶手段4は上記車両の存
在,非存在の判別結果を用いて、車両が存在している場
合に、入力画像の検知領域内の平均濃度を求め、これを
図7のように時系列に記憶するものである。記憶する個
数は、車両存在,非存在のデータ数と同じとなる。
【0050】同じく、エッジ変化検出・記憶手段5は上
記車両の存在,非存在の判別結果を用いて、車両が存在
している場合に、入力画像のエッジの強度を求めるもの
で、入力画像について検知領域内を微分処理し、その微
分画像の平均濃度を時系列に記憶するものである。記憶
する個数は、車両存在,非存在のデータと同じ数とな
る。なお、微分処理には水平縞のエッジを強調する処理
(車のエッジは水平線が多い)や、垂直線を強調する処
理がある。これらの時系列データは後述する通過速度が
求まった時点で形状判別に利用する。
【0051】このように、検知領域を所定の大きさに設
定し、この検知領域の画像濃度及びエッジの平均濃度を
求め、車種判別の処理に用いることで、従来よりも精度
を高めることができる。
【0052】次に車両追跡手段6について説明する。車
両追跡処理は、図8のように車両が検知領域D1を通過
したと判断した時に(車両存在確認手段3で存在から非
存在になった瞬間。これを時刻tとする)、検知領域D
1の上部に処理領域82を設け、この領域において車両
の末尾位置を検出する。画像処理で速度を求める場合、
精度良く計測するためには、車両が路面に接している場
所である。例えば、車両の屋根(ルーフ)などを追跡処
理した場合は、見かけ上速度が大きくなるので、ここで
は、車両の末尾座標を検出するために車両が検知領域を
通過した瞬間に一座表を求めるようにしている。末尾座
標の検出処理は、検出領域内82を微分処理し、該微分
画像83を水平方向に投影し84、最大の投影分布の位
置Yoを求め、そのYoの位置の近傍画像を図9のよう
にテンプレート画像Tmp に登録する。ここで、図中の8
0は入力画像、81は通過中の車両を示す。なお、図8
のように最大の点でなく検出領域82の下側から投影分
布が所定しきい値以上になる場所を検出しても良い。
【0053】次に追跡処理であるが、これは時刻(t
1)の入力画像と登録したテンプレート画像でマッチン
グ処理を実行するものである。図10のようにテンプレ
ート画像と最も類似している場所を探すために、サーチ
エリア100を設定し、このサーチエリア100内で、
テンプレートマッチング処理(正規化相関処理)を実行
し、類似度が高い位置が検出できた場合は、その座標y
p(t)の近傍の画像を再度テンプレート画像に登録
し、順次この処理を繰り返す(図10ではYoの座標が
yp(t1),yp(t2)へ移動している)。車両が
画面から抜けたタイミングあるいはyp(t)が所定位
置より上になった場合に追跡を終了しこの座標をYeと
する(類似度が高い位置が検出できない場合も終了)。
このような車両追跡処理により得られる初期のテンプレ
ート登録座標Yo,終了座標Ye,追跡開始時刻time0と
追跡終了時刻time1を記憶しておく。
【0054】車両の通過速度を求める速度算出手段7
は、上記車両追跡処理の登録座標Yoと追跡座標Ye
と、時刻time0,time1から速度を算出する。ここで、
画像の座標は画素単位であるが、速度を求めるためには
画素と実距離との変換が必要である。ここでは、その変
換を式1で行う。
【0055】あらかじめカメラの向きθ、カメラレンズ
の焦点距離F、カメラ高さHを求めておき、画像上の座
標(x,y)は実座標(X,Z)に変換することが出来
る。この計算式は「移動物体検出に基づく通過車両の車
種判別」電気学会道路交通研究会資料(RTA−95−
7,95.3)に記載されている方式を用いると、式1
で変換できる。ここで、カメラと道路の関係を図11に
示す。
【0056】
【式1】
【0057】このようにしてYoをZo,YeをZeに
変換し、速度Vを式2で求める。
【0058】
【式2】
【0059】ここで、車両の追跡処理は、特開平10−30
7988号「交通流監視装置」に記載のような手法について
説明したが、車両のパターンを抽出し、その末尾座標の
位置変動から速度を求める方式など色々と考えられる
が、検知領域を通過した車両の速度を計測できる手法で
あれば、その方式は限定しない。また、画素と実距離の
変換方法は他にも色々な方法があり、上記の変換式に限
定するものではない。
【0060】次に車種判別手段8について説明する。車
種判別手段8は図12のように動作する。まず車長を求
め、車長がLBより長い時は大型となり、大型と判別し
た場合は、画像濃度変化,エッジ変化検出・記憶手段
4,5に記憶されているデータを用いて形状判別(ここ
ではバス,貨物判別)を行い、車長がLBより短い時は
小型となり、同様にして形状判別(貨物,乗用車の区
別)を行う。ここで、上記例は小型,大型を分類するも
のであるが、車長によっては小型,中型,大型の3車種
に分類し、これらについてそれぞれ貨物、乗用などと分
類することも可能である。この車長の計測は車両の通過
速度Vと車両存在確認手段3で求まった存在時間TimeS
を用いて車長=速度V*存在時間TimeSにより算出する
ことができる。
【0061】入力画像全体から車長を求めることは、車
両が重なった場合の車両の分離が困難なため、正確には
行えなかったが、このように、検知領域を設定し、その
検知領域における車両の通過速度と存在時間を求めると
車長を正確に求めることができる。
【0062】なお、図3のような視野に設定しているの
で、画面の下部では車両が重なることがなく(ほぼ真下
を撮影)、検知領域の情報は車両1台分の情報であり、
画像から車長を正確に求めることが可能となっている。
【0063】ところで、カメラの向きから検知領域を通
過している車両の時間と車長の関係は図13のようにな
るため、補正することが精度の向上につながる。すなわ
ち、(車長+検知幅)=速度V*存在時間TimeSである
ため、よって、車長=速度V*存在時間TimeS−検知幅
で算出する。なお、検知幅とは車線方向の検知領域の長
さである。
【0064】また、画像濃度変化,エッジ濃度変化によ
る形状チェックは、図14(a)のように車両存在回数
分記憶されているデータを、例えば10個に正規化し図
14(b)のように変換する。この処理は、車長及び速
度によってデータの個数が大きく変化するため判別処理
が複雑になるのを回避するために正規化するものであ
る。正規化法は単純にn個(車長,通過時間によって変
動)のデータを10個に間引きする処理でも良いし、更
に正確なものとして補間付きの圧縮処理でも良い。
【0065】正規化した画像濃度データをGray[0]〜
Gray[9]とするとバスの場合は、図15のように後部
に窓が有るので濃度値がGray[7]〜Gray[9]当たり
で下がる。また、天井の濃度はほぼ一様なのでGray
[0]からGray[6]当たりの濃度は均一となる。この
ため、画像濃度の時系列データの前半が均一か否かの判
別を行う。
【0066】車長で大型と判別した場合は、以下の判別
条件でバスと判別する。 (1)Gray[7]からGray[9]が最小濃度である(図
15 S86−1)。 (2)Gray[0]からGray[6]の平均濃度Aveとの
差の絶対値の累積が所定値以下である(S86−2)。
【0067】更に、エッジ変化検出・記憶手段5によっ
て求まる情報も同様にして10個にデータを正規化しEd
ge[0]からEdge[9]に記憶する。バスの場合は、車
両の先頭により最初に大きなエッジ濃度が発生し、最後
の位置に窓による大きなエッジ(濃度)が発生する。こ
れに対し、トラックなどでは、途中に運転席と荷台の間
に大きなエッジ濃度があるためこの情報が発生する。
【0068】したがって、バスの場合は以下の条件で判
別する。 (1)Edge[0]からEdge[4]の平均よりEdge[5]
からEdge[9]の平均濃度が高いか、中央のエッジ濃度
は一様(S86−3)。
【0069】同様に、車長がLBより短い場合は小型車
とするが、濃度変化,エッジ濃度変化チェック処理によ
り、貨物か乗用かを判断する。セダンなどでは、大きな
エッジ濃度が窓の部分で発生するが、小型貨物ではエッ
ジ濃度が途中小さい。この違いから小型乗用車,小型貨
物の判別が可能である。
【0070】このように、車両検知領域を通過する車両
の車長,画像濃度の時系列データ,エッジ濃度の時系列
データを用いることで、さまざまな形状の分類を正確に
行うことが可能となる。2次元の画像パターンを記憶し
て分類する方式は、記憶容量の問題のほかに、車両の形
状を正確に切り出すことが非常に困難であるが、本発明
では、検知領域を通過する車両の画像濃度,エッジ濃度
を時系列に求めるだけで形状判別が可能である。
【0071】車種判別手段は以上のように種々のしきい
値を設定し判別することが可能であるが、より安定的に
判断する処理としてニューラルネットワークの利用があ
る。ニューラルネットワークを利用する場合のネットワ
ークの構造を図16に示す。ネットワークは3層構造の
ニューラルネットワークであり、ネットワークの入力層
に、画像濃度を10個(例えば)に正規化したGray
[0]からGray[9]を入力する。さらにエッジ濃度を
10個に正規化したEdge[0]からEdge[9]を入力す
る。さらに、車長を入力する。出力層は、形状毎の出力
を用意する。ここで、ニューラルネットワークの扱うデ
ータ範囲は0から1の実数であるため、Gray[i]は画
像濃度の最大値で除して、Edge[i]はエッジ濃度の最
大値で除して0から1の実数に変換することが必要であ
る。また、車長については例えば15mを最大として車
長を15mで除した数値(1以上は1に設定)する。
【0072】このような入力データを入力し、学習時は
教師データとして車種毎の値を与えることで学習する。
例えば、車種を5車種(小型乗用,小型貨物,大型貨
物,バス,その他)に判別する場合、小型乗用のデータ
を入力した場合は、出力の教師データとして小型乗用を
1その他を0に設定し与える。
【0073】認識時は車種毎の出力を求め、最大出力の
車種を認識結果として用いる。また、ニューラルネット
ワークを小型,大型の2種類用意する方法もある。図1
7は小型の例であるが、入力は図16の車長を除いた濃
度,エッジ情報を入力し、出力は小型乗用,小型貨物を
用意する。このように大型,小型のニューラルネットワ
ーク分けることで、小型車両の車長であるにもかかわら
ず少なくとも大型に判断する誤りは防ぐことが可能とな
る。また、図16,図17ではエッジ濃度は垂直エッジ
強調の微分画像の平均濃度を時系列に求めた情報を入力
しているが、水平エッジ濃度を加えた情報を入力するこ
とが必要な場合も同様な処理で対応可能である(Edge
[0]からEdge[9]が垂直エッジ強調情報、Edge[1
0]からEdge[19]が水平エッジ強調情報とすると入
力層は濃度情報と合わせ30個設ければ良い)。
【0074】このように、ニューラルネットワークを利
用すると、画像濃度,エッジ濃度の形状判別にしきい値
などを設定する必要が無く、きわめて簡単に車種の判別
が可能となる。また、エッジ濃度を水平,垂直両方用い
る場合、データ数が増えプログラム的に車種判別の処理
を作り込むのは容易でないが、ニューラルネットワーク
を用いることで、判別に用いる時系列パターンの数が増
えても車種判別が高精度にできるメリットがある。
【0075】また、あらかじめ形状毎の画像濃度の時系
列データをパターン,エッジ濃度の時系列データを形状
数(例えば、バス,大型貨物)記憶しておき、画像から
得られる変化情報との類似度を画像濃度,エッジ濃度毎
に求め、これらの類似度の総和が最大のパターンを認識
結果とすることもできる。記憶容量は時系列データを分
類形状数だけ用意するだけであり、ごく少ないデータで
良い。
【0076】いずれにしても、車両が検知領域を通過し
ている間の画像濃度の時系列データ,エッジ濃度の時系
列データ、及び車長を求めることで、これまでの大型,
小型の判別だけでなく、車両の形状判別も可能となる。
【0077】以上の処理の流れを詳細に説明する。図1
8に全体フローを示す。まず、画像処理装置の初期化や
各種テーブルの初期化を実行するS0。検知領域設定手
段で車両検知領域を設定するS1。車両の存在を求める
ベースになる背景画像を作成するS2。以下が処理のル
ープになる。
【0078】画像を入力S3し、車両存在確認S4で検
知領域上に車両が存在しているかを確認する。また、検
知領域内の濃度の変化、エッジの変化情報を求める。車
両が検知領域を抜けた場合はS5で車両の末尾領域をテ
ンプレート画像に登録するS5。登録したテンプレート
画像と似ている場所を入力画像から探し追跡処理するS
6。追跡が終了したら、車両の速度を算出するS7。全
ての情報が求まった場合は、車種の判別S8を実行す
る。以下、各処理の詳細フローを示す。
【0079】図19に車両存在確認処理S4のフローを
示す。まず、背景画像と入力画像の差分処理S4−1を
実行し、この画像を2値化S4−2し、2値の面積を求
めるS4−3。この面積が所定値以上の場合は、車両が
存在していると判断しCountを増加するS4−5。ま
た、検知領域内の入力画像の平均濃度および微分画像の
平均濃度を求め、テーブルに格納する(S4−6からS
4−9)。微分処理で、水平,垂直の両方の情報を用い
る場合は配列を2倍用意する。
【0080】面積が小さい場合は車両が存在しないと判
断するが、Count(存在回数)が所定値以下ならノイズで
存在,非存在が変動したと判断しCountをクリアする。C
ountが所定値以上の場合は車両が通過したと判断し、車
両末尾座標の検出S4−11を実行し(図8,図9の処
理)車両末尾が求まった場合はxc(X方向中心座標)、
yc(Y方向中心座標)にその座標を格納する。また、
S4−7,9で格納した濃度,エッジ濃度の時系列デー
タを退避するS4−12,13。これは、次の車両が進
入した時にデータが消去されないようにするためであ
る。車種判別のためには図3のような視野に設定した場
合、車両が画面に2台(1車線)までしか入らないの
で、このような処理で良い。また、通過時間を格納S4
−14する。なお、車両が通過したと判断した場合の回
数を求めることで、通過台数を算出することができる。
【0081】図20はテンプレート登録のフローであ
る。車両が通過した時に車両の末尾座標を求めるが、こ
の座標xc,ycが求まっている場合に、テンプレート
画像の登録処理を実行する。テンプレートは複数個登録
できるようにしているため(多車線対応)、図20のよ
うに、未使用の番号を探し(Track[i]…hold が0の
場合未使用)、未使用の場合はそのテーブルに所定情報
を格納する。格納データは、追跡座標のX中心,Y中心
(xc,yc)、その初期値(oxc,oyc),追跡
回数(count),テーブルの状態(hold=2)、時刻(star
ttime,endtime)である。さらに、xc,ycを中心と
して入力画像から所定のX幅,Y幅の大きさの画像をテ
ンプレートに登録する。
【0082】ここで、登録データは図21のような管理
テーブルである。
【0083】次に、図22に追跡処理フローを示す。テ
ーブル番号を0からスタートし、管理テーブル(Track
[i])のhold が2の場合は、現時刻でテンプレート
が登録されたばかりなので、holdを1にして次の入力画
像まで待つS6−3。holdが1の場合は登録してから新
しい画像が入力されているのでこのデータについて追跡
処理する。まず、Track[i].xc,yc の値を基準
に探索領域(サーチエリア)を設定するS6−5。これ
は図10の100のように設定する。サーチエリアが決
まれば、その領域内で最も登録しているテンプレート画
像に類似している位置を探すS6−6。位置が見つかっ
た場合は、管理テーブルのxc,yc(oxc,oyc
は更新しない)、時刻(endtime)を更新しS6−9、
登録画像のテンプレート画像をxc,ycの位置の近傍
画像に更新するS6−10。一方、登録パターンが見つ
からない場合は、holdを3に設定し追跡が終了したこと
にするS6−8。このような処理をテーブル数ループす
る。通常、2車線の場合、テーブル数は4個程度有れば
十分である。
【0084】なお、テンプレート画像の記憶番号は管理
テーブルの番号iと同じである。
【0085】次に図23に速度算出フローを示す。前述
したように車両追跡終了時はholdを3に設定しているの
で、holdが3になったテーブルに記憶されている、座
標,時刻から速度を算出するS7−3。速度を計算した
ら管理テーブルのデータを初期化するS7−4。
【0086】車種判別S8のフローを図24に示す。車
両追跡処理により速度が求まった場合に、速度,存在時
間TimeS から車長を求めS8−2、これを基に車種判別
するS8−3。速度が求めっていない場合は、車両が通
過していないので何も実行しない。なお、車種判別の具
体例は、図12,図15で説明した通りである。検知領
域を車両が通過してから車両の速度が求まるまでには、
速度が速い場合は、数回の追跡処理、例えば33ミリ秒
×10回=330ミリ秒後に速度が求まるので、検知領
域通過後瞬時に車種判別が可能であるが、遅い車の場合
は画面を通過するまで速度計算しないため、数十秒後に
速度が求まる場合などがある。このため、車両追跡回数
が所定値以上(例えば、20回)になったら速度を求
め、車種判別するようにしても良い。この場合は、図2
2の管理テーブルの更新S6−9の後に、追跡回数Trac
k[i].countが所定値以上ならholdを3に設定し、速
度を求めるようにすればよい。
【0087】以上の説明は車線数が1本の場合について
述べたが、車線数が2本,3本の場合は、各処理を車線
数分ループ処理し、各テーブルを車線数分の配列で記憶
すれば、容易に多車線対応が可能である。
【0088】ところで、上記車種判別手法は渋滞した場
合に問題が発生する。すなわち、渋滞すると、検知領域
に車両が停止し、車両存在時間が大きく延びる。この車
両は最終的には画面上から消えるため、ある速度で移動
するが、車長を計算する処理は、存在時間と速度から求
めているため、車長が非常に大きくなってしまう。
【0089】そこで、存在時間の計測処理を図25のよ
うに改善する。車両が移動している場合だけ、存在時間
としてカウントするようにするため(存在確認処理とし
ては存在と判断するが記憶カウンタとしてはカウントし
ない)、検知領域について現在時刻(t)の入力画像f
(t)と所定時刻前(t−dt)の入力画像f(t−d
t)の画像間の差分処理を実行しS4−16、差分画像
を所定のしきい値で2値化した時の面積を算出する。こ
の面積が所定値以下なら移動していないと判断しS4−
17、存在カウンタを更新しない。
【0090】この処理により、渋滞していても存在時間
がほぼ正しく求まるため車長の計測が可能となる。な
お、移動速度Vが加減速する場合は車長に誤差が発生す
るが、速度算出の範囲を検知領域の近くに設定すること
で誤差を低減可能である。
【0091】また、記憶している背景画像は更新が必要
であるが、画像処理で一般的な移動物体が無い場合の画
像の平均化(新しい背景画像=古い背景画像と入力画像
の平均)などで対応可能である(検知領域だけの狭い範
囲なので処理は安定する)。
【0092】なお、速度算出のための車両追跡処理にパ
ターンマッチング処理を用いた例を示しているが、その
ほかの速度算出の方式も流用可能である。また、存在確
認処理は背景画像と入力画像の類似度で判別する方式が
安定するが、背景差分の平均濃度を監視したりする方式
などが考えられる。
【0093】また、夜間においてはテールランプだけし
か見えない状態では、本発明の効果は発生しないため
(車長が求まらない)、夜間時においては、LED照明
などによる照明を少なくとも検知領域内に照射すること
が必要である。それ以外の場所での処理はテールランプ
を検出し追跡処理し速度を求めることが出来るので問題
ない。将来的にはカメラの感度が向上し、夜間でも照明
が不用になる可能性があるが、現在では照明が必要であ
る。
【0094】以上の例は車両が同一方向に移動する場
合、特に車両を後方から撮影し、台数,速度,車種を判
別するものである。
【0095】しかし、道路には片側1車線の道路が対面
通行している場所も多い。この場合に検知領域を図26
のように左車線は画面の下側D1,右車線は画面の上側
D2に設置し、車両をそれぞれ追跡する(101,10
2は追跡のパターンを示す)。ここで、左車線の車両検
知,通過,追跡などの時間経過は図27に示すように、
検知領域を通過した時点から車両の追跡処理が始まり、
追跡終了後、速度算出,車種判別が行われる。これに対
し、右車線の場合は、図28のように車両が検知領域に
進入した瞬間から車両追跡が始まり、追跡終了後、速度
算出,車種判別が行われる。これは、検知領域通過直後
に車両のパターンを追跡すると、車両の屋根などを追跡
することになり、この車高が影響し速度計測精度が低下
するので、できるだけ路面との高さが少ない場所を追跡
する必要がるためである。このため、検知領域に進入し
た時に車両前面のパターンを抽出し追跡する。このよう
に、速度追跡処理方法を変更することで対面通行に対応
可能である。
【0096】ところで、カメラの視野を図29のように
真下を撮影し、検知領域は画面の中央に設定するD1,
D2。このようにすれば、上り,下り車線とも同じ処理
で台数,速度,車種の判別が可能である。すなわち、検
知領域を通過してから車両の速度を上り下りとも同じよ
うに求めることが可能である。また、一般的なテレビカ
メラは水平,垂直の比率が4:3であるので、カメラを
横向きに設置して撮影すれば、図30のように車線方向
に長い撮影視野をとれるので、より好ましい。
【0097】上り,下り対面通行の場合には、カメラを
真下に向けることが有効である。これは、設置上非常に
簡単であり効果と、認識処理を同じに出来るという効果
がある。
【0098】また、カメラなどで道路を撮影し、その映
像に車両検知領域を設け、この領域を通過する車両の存
在,非存在情報,濃度の時系列情報,エッジ濃度の時系
列データ、および通過速度を求め、これら情報で車長を
基準に大型,小型を判別し、さらに濃度,エッジ濃度の
時系列データから貨物,バスなどの形状判別を行うこと
が可能である。
【0099】また、1枚の画像から車両を切り出し車種
を判別することは非常に困難であるが、検知領域を通過
する車両の時間的変化を用いるので、車両の特徴を正確
に抽出できるため容易に車種判別が可能である。
【0100】また、画像処理であるため、認識結果の検
証も容易であり、また、車長をベースに判別するため正
確な車種判別が可能である。なお、車長の設定値によっ
ては大型,中型,小型の分類も可能である。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、車種判別装置における
車種判別の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理手段の構成を示す図である。
【図2】本発明に使用する画像処理ハードウエアの一例
を示す図である。
【図3】画像感知器の撮影例を示す図である。
【図4】車両存在有無を判別する処理の一例を示す図で
ある。
【図5】車両存在有無を判別する処理で微分処理を用い
た例を示す図である。
【図6】車両存在有無の状態を記憶した場合を説明する
図である。
【図7】車両存在時に求める入力濃度の時系列データを
説明する図である。
【図8】車両が通過した時に車両の末尾座標を求める処
理の一例を示す図である。
【図9】車両末尾座標の近傍をテンプレート画像に登録
する処理を示した図である。
【図10】車両を追跡する処理を説明する図である。
【図11】カメラの空間位置を説明する図である。
【図12】車種判別のフローを示す図である。
【図13】カメラアングルと車両存在時間の関係を説明
する図である。
【図14】濃度変化情報個数の正規化を説明する図であ
る。
【図15】車種判別に用いる濃度変化,エッジ変化の判
別処理フローを示す図である。
【図16】濃度変化,エッジ変化をニューラルネットワ
ークで処理し車種を判別する場合の構成を示す図であ
る。
【図17】小型車専用のニューラルネットワークによる
車種判別の構成を示す図である。
【図18】車種判別処理の全体処理を示す図である。
【図19】車両存在確認処理の処理フローを示す図であ
る。
【図20】車両追跡時のテンプレート登録処理フローを
示す図である。
【図21】車両追跡時の管理テーブルの内容を示す図で
ある。
【図22】車両追跡処理フローを示す図である。
【図23】通過速度算出フローを示す図である。
【図24】車種判別処理フローを示す図である。
【図25】渋滞時に対応した車両存在確認処理のフロー
を示す図である。
【図26】対面通行の場合に、本発明を適用した図であ
る。
【図27】左車線の車両検知,通過,追跡などの時間経
過を示す図である。
【図28】右車線の車両検知,通過,追跡などの時間経
過を示す図である。
【図29】カメラの視野を真下に設定した態様をあらわ
した図である。
【図30】カメラを横向きに設定した場合のカメラの視
野を示す図である。
【符号の説明】
3…車両存在確認手段、4…濃度変化検出・記憶手段、
5…エッジ変化検出・記憶手段、6…車両追跡手段、7
…速度算出手段、8…車種判別手段、20…画像処理装
置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 都 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 佐藤 良幸 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか事業所内 Fターム(参考) 5B057 AA16 BA11 BA24 CA08 CB08 CC02 CE11 DA08 DA13 DC16 5H180 BB20 CC04 EE07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】道路を撮影するテレビカメラの映像を処理
    し車種を判別する車種判別システムにおいて、 テレビカメラの映像を画像メモリに取り込む画像入力手
    段と、 入力した画像に車両を検知する検知領域を設定する手段
    と、 この検知領域の画像から、検知領域を通過する車両の車
    長と、検知領域の画像濃度の時系列データと、検知領域
    の画像におけるエッジ濃度の時系列データとを求める手
    段と、 前記画像濃度の時系列データと、エッジ濃度の時系列デ
    ータと、車長とから車種を判別する手段と、を有するこ
    とを特徴とする車種判別システム。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記検知領域の画像から、検知領域を通過する車両の車
    長と、検知領域の画像濃度の時系列データと、検知領域
    の画像におけるエッジ濃度の時系列データとを求める手
    段は、 前記検知領域の画像から、検知領域を通過する車両の速
    度と、検知領域の画像濃度の時系列データと、検知領域
    の画像におけるエッジ濃度の時系列データとを求める手
    段と、 前記濃度の時系列データから検知領域を車両が通過する
    時間を求める手段と、 前記エッジ濃度の時系列データから検知領域を通過する
    車両の速度を求める手段と、 その求めた時間と速度から、検知領域を通過する車両の
    車長を求める手段と、を有することを特徴とする車種判
    別システム。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記エッジ濃度の時系列データから検知領域を通過する
    車両の速度を求める手段は、 前記エッジ濃度から車両の末尾を特定する手段と、 その末尾の位置の変化量と、その位置の変化に要した時
    間を求める手段と、 その位置の変化量とその位置の変化に要した時間とか
    ら、車両の速度を求める手段と、を有することを特徴と
    する車種判別システム。
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