JP6678552B2 - 車種判別装置および車種判別方法 - Google Patents

車種判別装置および車種判別方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、車種判別装置および車種判別方法に関する。
従来、撮像された画像から推定した車両の車幅、車長、車高によって、普通車、中型車、大型車等の車種区分を判別する技術が知られている。また、道路を通行する車両のETCカードに登録された情報を使用して、車種区分を判別する技術が知られている。
また、従来、CCTV(Closed-Circuit Television)カメラ等の解像度の低いカメラによって撮像された画像から、道路を通行する車両の台数を計数する技術が知られている。これらのような従来技術において、具体的な車種を高精度に判別することが求められている。
特開2013−148971号公報
しかしながら、車両の車幅、車長、車高の情報からでは、普通車、中型車、大型車等の車種区分までの判別は可能であるが、各車種区分に属する車両の具体的な車種を特定することは困難であった。また、ETCカードには高速道路の料金区分の判別のために車種区分の情報が登録されているが、具体的な車種の情報は登録されていないため、ETCカードの情報から具体的な車種を特定することも困難であった。
また、一般にCCTVカメラ等で撮像された画像は解像度が低く、さらに、それぞれのCCTVカメラ等の設置位置によって車両を撮像する角度が異なるため、具体的な車種を特定するための基準画像と精度良くマッチングすることは困難であった。一方、具体的な車種を判別することを目的とした高解像度のカメラを、新たに設置することもまた困難である場合があった。
実施形態の車種判別装置は、記憶部と、検出部と、判別部とを備える。記憶部は、車両の車種区分の中の具体的な車種と、車両の複数の面のそれぞれの判定基準となる面ごとの基準画像とを対応付けて記憶する。検出部は、撮像装置が車両を撮像した撮像画像から複数の面を検出する。判別部は、検出部が検出した複数の面のそれぞれと面ごとの基準画像とを照合して面ごとに基準画像との類似度合を示す類似度を求め、面ごとの類似度に対して重み係数を乗じて重み付け加算を行うことにより車種ごとの類似度である車種類似度を求め、車種類似度に基づいて、撮像された車両の車種として判別する。複数の面は、車両の少なくとも側面を含む。複数の面のうち車両の側面に対する重み係数が側面以外の面に比べて大きい。
図1は、実施形態にかかる車種判別システムの構成の一例を示す図である。 図2は、実施形態にかかる車種判別装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。 図3Aは、実施形態にかかる連続して撮像された撮像画像の一例を示す図である。 図3Bは、実施形態にかかる車両の外郭の検出の一例を示す図である。 図4は、実施形態にかかる仮想平面の設定の一例を示す図である。 図5Aは、実施形態にかかる撮像画像における車両の形状の一例を示す図である。 図5Bは、実施形態にかかる撮像画像における車両の形状の他の一例を示す図である。 図5Cは、実施形態にかかる撮像画像における車両の形状の他の一例を示す図である。 図5Dは、実施形態にかかる撮像画像における車両の形状の他の一例を示す図である。 図6は、実施形態にかかる仮想平面による車両の外郭の正面部分の検出の一例を示す図である。 図7は、実施形態にかかる車幅の計測の一例を示す図である。 図8Aは、実施形態にかかる車両の外接直方体の一例を示す図である。 図8Bは、実施形態にかかる車両の外接直方体を構成する各辺の詳細を説明する図である。 図9は、実施形態にかかる車両の各面の形状の変換の一例を示す図である。 図10は、実施形態にかかる車種区分データベースの一例を示す図である。 図11は、実施形態にかかる辞書データベースの一例を示す図である。 図12は、実施形態にかかる車種判別処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図13は、実施形態にかかる車種判別装置の効果の一例を説明する図である。 図14は、実施形態にかかる車種判別装置の効果の他の一例を説明する図である。 図15Aは、変形例にかかる正常時における撮像画像の一例を示す図である。 図15Bは、変形例にかかる照度が低い場合における撮像画像の一例を示す図である。 図15Cは、変形例にかかる照度が非常に低い場合における撮像画像の一例を示す図である。 図16は、変形例にかかる解像度に応じた複数の基準画像と撮像画像との照合の一例を示す図である。
図1は、本実施形態にかかる車種判別システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の車種判別システム1は、撮像装置101と、ETC電波受信機102と、車種判別装置103とを備えている。
本実施形態の撮像装置101は、道路を通行する車両10を撮像する単眼カメラ等である。撮像装置101としては、例えば、道路を通行する車両群を撮像して車両10の台数を計数するトラフィックカウンター用に設置された既存のCCTVカメラを採用しても良い。撮像装置101が撮像した撮像画像の解像度は高いものでなくとも良く、車両10の台数を計数可能な程度の画素を確保していれば良い。
撮像装置101は、例えば道路から7m程度の高さの位置に設置され、車両10を斜め上方から撮像するものとする。また、他の例としては、撮像装置101は、道路を通行する車両10を側面から撮影する位置に設置されるものとしても良く、撮像装置101の設置位置や設置角度、画角等の撮像条件については厳格な制限をするものではない。
撮像装置101は、車両10を撮像した撮像画像を、車種判別装置103に送信する。
ETC電波受信機102は、道路を通行する車両10のETCカードに登録された情報を受信する装置である。ETC電波受信機102は、車両10のETCカードに登録された車両10の車種区分を受信し、車種判別装置103にリアルタイムに送信する。
車種判別装置103は、車種判別処理を実行する電子計算機である。車種判別装置103は、撮像装置101およびETC電波受信機102と、電気的に接続されている。
車種判別装置103は、撮像装置101から、撮像画像を入力する。そして、車種判別装置103は、入力した撮像画像から、車両10の車種区分および具体的な車種をリアルタイムに判別する。また、車種判別装置103は、ETC電波受信機102から、車両10のETCカードに登録された車両10の車種区分を受信して、車種区分の判別の精度を向上させる。
ここで、本実施形態における車種区分は、車両10の種別を分類する区分である。例えば、本実施形態における車種区分は、高速道路の料金基準で用いられる区分に準じて、車両10の種別を、軽自動車(二輪自動車を含む)、普通車、中型車、大型車、特大車に分類する。
また、車種とは、車種区分に含まれる車両10の種別をより具体的に特定する種別名称である。例えば、車種区分「大型車」には、普通トラック、中型バス、トラクタ等の車種が含まれる。また、車種区分「特大車」には、大型バス、セミトレーラ等の車種が含まれる。以下、単に「車種」と称する場合は、この具体的な車種のことをいうものとする。
車種判別装置103は、判別した車種区分および車種を、車両情報を集中管理する管理センター(以下、「センター」という)のコンピュータ等に送信する。本実施形態の車種判別装置103は、図1では道路脇に設置されているが、これに限定されず、センター内に設置される構成を採用しても良い。
次に、車種判別装置103の機能的構成について説明する。
図2は、本実施形態にかかる車種判別装置103の機能的構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の車種判別装置103は、入力部90と、通信部91と、検出部92と、変換部93と、調整部94と、判別部95と、記憶部96と、を備える。
記憶部96は、図2に示すように、車種区分データベース961(以下、「車種区分DB961」という)と、辞書データベース962(以下、「辞書DB962」という)とを記憶する。各データベースの詳細は後述する。記憶部96は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、メモリなどの記憶媒体である。
入力部90は、撮像装置101から、車両10を撮像した撮像画像の入力を受け付ける。また、入力部90は、入力された撮像画像を検出部92へ送出する。
通信部91は、ETC電波受信機102から、車両10のETCカードに登録された車両10の車種区分を取得する。通信部91は、取得した車種区分を判別部95に送出する。また、通信部91は、後述する判別部95が判別した車両10の車種区分および車種を、インターネット等のネットワークを介してセンターにリアルタイムに送信する。
検出部92は、撮像装置101が撮像した撮像画像から、車両10の外郭を検出する。具体的には、まず、検出部92は、撮像画像から車両10の特徴点を抽出する。特徴点とは、例えば撮像画像における車両10のエッジ(角部)とする。
また、撮像装置101が一度に撮像する範囲に車両10の全景が含まれない場合は、検出部92は、連続して撮像した複数の撮像画像から車両10の外郭を検出する。
図3Aは、本実施形態にかかる連続して撮像された撮像画像の一例を示す図である。図3Aに示す撮像画像301〜304は、移動する車両10を、撮像装置101が連続して撮像したものである。撮像画像301〜304では、時間の経過ともに、車両10の先頭部分から後部までが撮像されている。検出部92は、撮像画像301〜304から車両10の特徴点をそれぞれ検出し、車両10の移動に伴う特徴点の移動を追跡することにより、撮像画像301〜304に含まれる車両10の外郭を繋ぎ合わせて、車両10の全体の外郭を検出する。
図3Bは、本実施形態にかかる車両の外郭305の検出の一例を示す図である。検出部92は、撮像画像301〜304から抽出した特徴点から、図3Bに示すように、車両10の外郭305を検出する。
また、検出部92は、図3Aに示す撮像画像301〜304中の小領域内の輝度値の変化ベクトル(輝度勾配)を検出し、輝度の等高線が閉ループになる位置から車両10の外郭305を検出しても良い。また、撮像装置101の撮像角度が特定されている場合は、検出部92は、予め登録された画像とのパターンマッチングを用いて車両10の外郭305を検出しても良い。
また、図3Aに示す撮像画像301〜304は車両10に対する撮像角度が一定であるが、これに限らず、撮像装置101が車両10の移動に伴って撮像角度を変更して撮像する構成を採用しても良い。
検出部92は、さらに、車両10の外郭305の検出の精度を高めるために、仮想平面を用いる。本実施形態における撮像装置101が撮像した撮像画像は解像度が低いことが想定されるため、撮像画像から検出した特徴点からでは、車両10の外郭305を明確に特定できない場合がある。この場合に、検出部92は、仮想平面を用いることで、撮像画像から車両10の外郭305をより精度良く検出する。
本実施形態において、仮想平面とは、画像処理において道路上の所定の位置に仮想的に設定された平面である。
検出部92は、車両10が通行する道路上に、車両10の進行方向に対して交差する方向に設けられた仮想平面を設定する。検出部92は、仮想平面の底辺と、撮像画像上の車両10の正面部分の底辺の長さを比較することにより、車両10の車幅の実測値を求める。また、検出部92は仮想平面を構成する各辺を平行移動して、撮像画像の中の車両10の外郭305と接する位置座標を求めることにより、車両10の外接直方体を検出する。
本実施形態における仮想平面の設定について、以下に具体的に説明する。
図4は、本実施形態にかかる仮想平面の設定の一例を示す図である。画像401は、撮像装置101が撮像した撮像画像の一例である。画像401に示すように、撮像画像には、車両10が通行する道路も含まれる。道路の幅は3.5m程度と既知であることと、道路の両端には白線が引いてあることも想定されるので、検出部92は、画像402に示すように、道路の両端を示す線L100およびL101を検出する。また、検出部92は、画像403に示すように、道路を横切る形で、道路の両端を示す線L100およびL01と交差する仮想の横線L1〜L4を一定間隔で設ける。また、検出部92は、画像404に示すように、横線L1〜L4を底辺とし、横線L1〜L4の各両端から道路に対して垂直方向に立つ仮想的な縦線を左右の辺とし、仮想的な2本の縦線の間を接続する横線L1〜L4と平行な線を上辺とする、仮想平面R1〜R4を設定する。画像405に示すように、仮想平面R1〜R4は車両10が通行する道路上に、道路に対して垂直方向に設けられる。ここで、垂直方向は道路に対して交差する方向の一例であり、仮想平面R1〜R4の設置角度はこれに限らない。
車両10の進行方向は、道路の両端を示す線L100およびL101と平行であると想定されるため、仮想平面R1〜R4は車両10の進行方向に対して垂直方向に設けられる。したがって、画像405に示すように、仮想平面R2が車両10の先頭部分に接し、仮想平面R4が車両10の最後部の位置に接する場合は、仮想平面R2とR4によって区切られた道路上の空間が、車両10を囲む直方体の形状となる。このように仮想平面R1〜R4を設定することにより、車両10の進行に伴う撮像画像上の車両10の形状の変形等の幾何情報の変化は、仮想平面R1〜R4の向きを考慮することにより、予測することが可能となる。
仮想平面R1〜R4の設定には、道路上に塗られた白線や、電柱などの情報を利用するのが好ましいが、そのような目印が少ない道路については、コンテナ車両など、幅および高さが規格化された形状の車両10の頂点の、時系列ごとの頂点の移動を追跡させることにより、仮想平面R1〜R4を作成しても良い。
また、仮想平面R1〜R4の設置位置は、車両10を車種判別のために撮像するのに最適な道路上の位置を定めるものであっても良い。例えば、連続する複数の撮像画像に、車両10の全景が複数回含まれる場合は、仮想平面R1〜R4のうち、特定の仮想平面R1〜R4に車両10の先頭部分が接した時点の撮像画像を車種判別に使用するものとしても良い。また、図4に示す仮想平面R1〜R4の設置位置および設置数は一例であり、設置数等を限定するものではない。
図5A〜Dは、本実施形態にかかる撮像画像501〜504における車両10の形状の一例をそれぞれ示す図である。図5A〜Dに示す撮像画像501〜504は全て同一の車両10を撮像したものであるが、車両10の移動によって、撮像画像内の車両10の形状が変化している。例えば、図5Aに示す撮像画像501では、車両10が撮像装置101から遠いため、車両10の輪郭線は明瞭ではない。一方、図5Dに示す撮像画像504では、車両10が撮像装置101に近接しているため、車両10の輪郭線は明瞭ではあるが、車両10の形状が変形している。図5Cに示す撮像画像503は、車両10の輪郭線が明瞭であり、かつ、車両10の各面の形状の変形が他の撮像画像と比較して少ない。
このような場合に、検出部92は、予め設定した仮想平面R1〜R4と、複数の撮像画像501〜504の車両10の特徴点とを比較することで、車種判別のために最適な位置に車両10が到達した撮像画像503を選択する構成を採用しても良い。
次に、上記のように設定した仮想平面R1〜R4のうち、車両10の先頭部分に接する仮想平面R2を用いた、車両10の外郭305の正面部分の検出について説明する。検出部92は、特徴点から検出した車両10の外郭305の正面部分を、仮想平面R2によってより明確に検出する。
図6は、本実施形態にかかる仮想平面R2による車両10の外郭305の正面部分の検出の一例を示す図である。図6に示すように、撮像画像中の車両10の先頭部分は仮想平面R2に接している。検出部92は、仮想平面R2の底辺を平行移動し、撮像画像の中の車両10の外郭305の底面部と接する位置座標を求める。
具体的には、検出部92は、仮想平面R2の底辺を平行移動し、車両10の特徴点から検出した車両10の外郭305の底面部と接する位置座標を求める。また、他の辺についても同様に、検出部92は、仮想平面R2の各辺を平行移動して、撮像画像の中の車両10の外郭305と接する位置座標を求める。このようにして、検出部92は、仮想平面R2を用いて車両10の正面部分の外郭305をより明確に検出する。
図6では、説明のために車両10の輪郭線は明瞭であるが、撮像画像の解像度が低い場合は、車両10の特徴点が途切れている等、不明瞭な場合が想定される。このような場合でも、仮想平面R2を用いることによって、特徴点を補間し、車両10の外郭305をより精度良く検出することができる。
また、図6に示すR2´は、撮像画像上の車両10の正面に対して後述の変換部93が形状の変換を施したものであるが、変換については後述する。
また、検出部92は、車両10の外郭305の正面部分を検出することで、車両10の車幅実測値を計測する。具体的には、道路の幅が既知であることから、仮想平面R2の底辺の長さは既知である。検出部92は、既知の仮想平面R2の底辺の長さと、検出した外郭305の正面部分の底辺の長さとを比較することで、車両10の車幅の実測値を計測する。
図7は、本実施形態にかかる車幅の計測の一例を示す図である。図7に示すように、検出部92は撮像画像上の車両10a〜10cの正面部分の底辺に相当する線分[1]a〜[1]cの長さを計測して車幅を求め、判別部95に送出する。判別部95は、車幅から、車両10a〜10cの車種区分を判別する。車種区分の判別の詳細については後述する。
次に、車両10の外接直方体の検出について説明する。
図8Aは、本実施形態にかかる車両10の外接直方体の一例を示す図である。検出部92は、図8Aに示すように、撮像画像上に車両10の外郭305に外接する外接直方体800を検出する。撮像画像の解像度が低い場合でも、車両10の外郭305に外接する外接直方体800を検出することで、撮像画像全体から、車両10の画像を切り出すことができるためである。特に、図8Aに示すように、車両10がバスである場合には、車体の形状が直方体に近似するため、外接直方体800を検出することで撮像画像から車両10を高精度に切り出すことができる。
図8Bは、本実施形態にかかる車両10の外接直方体800を構成する各辺の詳細を説明する図である。本実施形態にかかる画像処理において、検出部92は、外接直方体800を構成する線分[1]〜[9]、および各線分の交点P1〜P7の位置座標を求める。
まず、検出部92は、図6で説明したように、車両10の先頭部分が接する仮想平面R2の底辺を上方向に平行移動し、特徴点から求めた車両10の外郭305に接する位置座標を求めることで、外接直方体800の底辺に相当する線分[1]を検出する。
そして、検出部92は、撮像画像における仮想平面R2の右側の縦の辺を、画面左方向に平行移動して、車両10の外郭305の側面と接する位置座標を求めることで、外接直方体800の正面の車高に相当する線分[2]を検出する。この際、線分[1]と線分[2]との交点P1が決定することで、線分[1]の終点および線分[2]の始点が定まる。
検出部92は、撮像画像における道路の右端を示す線L101を画面左方向に平行移動し、車両10の外郭305の側面上部と接する位置座標を求めることで、線分[3]を検出する。検出部92が線分[3]を検出することにより、線分[2]と線分[3]との交点P2が決定する。交点P2は線分[2]の終点および線分[3]の始点である。
また、検出部92は、線L101の代わりに、連続する仮想平面R1〜R4の右上の頂点を結ぶ線分を検出して平行移動することで線分[3]を検出しても良い。
また、検出部92は、車両10の後部に接触する仮想平面を検出する。例えば、図4の画像405のように、仮想平面R4が車両10の後部に接触するものとする。検出部92は、仮想平面R4の上辺を下方向に平行移動し、車両10の外郭305の後部の上辺に接する位置座標を求めることで、外接直方体800の後部の上辺に相当する線分[4]を検出する。検出部92は、線分[3]と線分[4]が交わる点を交点P3とする。
あるいは、検出部92は、車両10の特徴点から線分[4]の始点である交点P3の位置座標を求めることができる場合、交点P2と交点P3を結ぶことで、線分[3]を検出しても良い。
検出部92は、仮想平面R4の左側の縦の辺を、画面右方向に平行移動して、車両10の外郭305の側面と接する位置座標を求めることで、外接直方体800の後部の車高に相当する線分[5]を検出する。この際、線分[4]と線分[5]との交点P4が決定することで、線分[4]の終点および線分[5]の始点が定まる。
あるいは、検出部92は、先に検出した線分[2]を平行移動して、車両10の外郭305の側面と接する位置座標を求めることで、線分[5]を検出しても良い。
検出部92は、先に検出した線分[3]を平行移動して、車両10の外郭305の側面の底辺と接する位置座標を求めることで、線分[6]を検出する。この際、線分[5]と線分[6]の交点P5が決定し、線分[5]の終点および線分[6]の始点が定まる。また、線分[1]と線分[6]の交点P6が決定し、線分[1]の始点および線分[6]の終点が定まる。
あるいは、検出部92は、撮像画像における道路の左端を示す線L100を画面右方向に平行移動して、車両10の外郭305の側面の底辺と接する位置座標を求めることで、線分[6]を検出しても良い。また、検出部92は、線L100の代わりに、連続する仮想平面R1〜R4の左下の頂点を結ぶ線分を検出して平行移動することで線分[6]を検出しても良い。
線分[7]〜[9]は、撮像画像における車両10の内側に位置するため、線分[1]〜[8]と比較して、車両10の外郭305から精度良く位置座標を求めることがより困難である。線分[7]は車両10の正面の上辺に相当する線分である。また、線分[8]は車両10の側面の上辺に相当する線分である。線分[9]は車両10の正面の高さに相当する線分である。基本的には、線分[7]は線分[1]と、線分[8]は線分[3]と、線分[9]は線分[2]とそれぞれ平行になる線分であるが、撮像装置101の撮像角度や車両10の大きさによっては撮像画像における車両10の形状が変形する場合がある。このような場合、線分[1]〜[3]と平行な線分を求めても、交点P7で線分[7]〜[9]が1点に交わらず、外接直方体800を検出することが困難な場合がある。
そこで、本実施形態では、線分[7]と線分[1]、線分[8]と線分[3]、線分[9]と線分[2]におけるそれぞれの許容される平行スコアの範囲を予め設定する。平行スコアとは、2本の線分の位置関係がどれだけ平行に近いかを示す値である。例えば、2本の線分が完全に平行である場合は平行スコアを“0”とし、2本の線分を伸長した場合に交わる角度が10°の場合は平行スコアを“10”としても良い。検出部92は、この平行スコアが所定の範囲内である2本の線分は、略平行であると判断する。平行スコアの所定の範囲を示す閾値は、記憶部96が記憶する構成を採用しても良い。
検出部92は、線分[7]と線分[1]の平行スコア、線分[8]と線分[3]の平行スコア、線分[9]と線分[2]の平行スコアが全て所定の範囲内となる交点P7の位置座標を求めることにより、適切な線分[7]〜[9]の位置座標を定める。
このようにして、検出部92は、撮像画像から外接直方体800を構成する線分[1]〜[9]を検出する。すなわち、検出部92は、車両10が通行する道路上に、車両10の進行方向に対して垂直方向に設けられた仮想平面R1〜R4を設定し、仮想平面R1〜R4を構成する各辺を平行移動して、撮像画像の中の車両10の外郭305と接する位置座標を求めることにより、外接直方体800を検出する。
上述の線分[1]〜[9]の検出は一例であり、他の方法により撮像画像から車両10の外接直方体800を検出する構成を採用しても良い。
次に、検出部92は、撮像画像から外接直方体800の複数の面を切り出す。具体的には、検出部92は、図8Bに示す線分[1]、線分[2]、線分[7]、線分[9]に囲まれた面を、外接直方体800の正面として切り出す。また、検出部92は、線分[3]、線分[4]、線分[7]、線分[8]に囲まれた面を、外接直方体800の上面として切り出す。また、検出部92は、線分[5]、線分[6]、線分[8]、線分[9]に囲まれた面を、外接直方体800の側面として切り出す。道路の情報から、車両10の進行方向は既知であるため、外接直方体800の各面が、車両10のいずれの面にあたるかは推定することができる。
図8Aに示すように、車両10の外接直方体800の正面、側面、上面は、それぞれ撮像画像中の車両10の正面、側面、上面に相当する。すなわち、検出部92は、撮像画像から車両10の外接直方体800を検出し、検出した外接直方体800の正面、側面、上面を切り出すことにより、車両10の正面、側面、上面を検出する。図8Aおよび図8Bでは、車両10の正面、側面、上面を検出しているが、これに限らず、撮像装置101が車両10を背後から撮像する場合は、検出部92は車両10の背面を検出する構成を採用しても良い。
検出部92は、車両10の外接直方体800を検出することで、撮像画像の解像度が低く、車両10の外郭305が不明瞭である場合にも、撮像画像から車両10の画像を切り出すことができる。また、検出部92は、外接直方体800の複数の面を切り出すことにより、同一の撮像画像から、車両10の複数の面を検出することができる。
図2に戻り、検出部92は、検出した車両10の正面、側面、上面を、変換部93に送出する。変換部93は、検出部92が撮像画像から検出した各面の形状を、矩形状に変換する。変換の手法としては、公知の手法を用いる。
図9は、本実施形態にかかる車両10の各面の形状の変換の一例を示す図である。本実施形態においては、撮像装置101が車両10の各面をそれぞれ正面から撮像するとは限らない。撮像装置101が車両10を斜めの角度等から撮像した場合、撮像画像における車両10の各面の形状は変形する。例えば、図9に示す車両10の外接直方体800の上面Aは、平行四辺形に近い形状に変形している。このままでは、後述の判別部95が、画像の照合を精度良く行うことが困難である。
そこで、図9に示すように、変換部93は、車両10の外接直方体800の上面A、側面B、正面Cを、それぞれ矩形状の上面A´、側面B´、正面C´に変換する。変換部93は、外接直方体800の各面の形状の変換において、仮想平面R1〜R4を利用しても良い。例えば、図4の画像405に示すように、仮想平面R2が平行四辺形に近い形状である場合、変換部93は、仮想平面R2の内角が全て直角になるように仮想平面R2の形状を変換する。そして、変換部93は、仮想平面R2を構成する線分の位置の変化を計測し、計測した線分の位置の変化を外接直方体800の各線分に当てはめることで、車両10の外接直方体800の正面Cの形状を矩形状に変換する。また、変換部93は、上面Aおよび側面Bの形状を矩形に変換する場合にも、仮想平面R1〜R4を利用する構成を採用しても良い。
図2に戻り、変換部93は、変換後の上面A´、側面B´、正面C´を、判別部95に送出する。また、変換部93は、上面A´、側面B´、正面C´の形状変換の度合を、調整部94に送出する。形状変換の度合は、例えば、変換前後の各面の形状の差を表す数値であり、画像を囲む四方の線分の角度や、特徴点の移動量等を数値化した値であっても良い。
判別部95は、車両10の車種区分および車種を判別する。
まず、車種区分の判別について説明する。図7で説明したように、判別部95は、検出部92が検出した車両10の車幅を取得する。そして、判別部95は、車種区分DB961から、車両10の車幅に対応付けられた車種区分を検索し、車両10の車種区分を判別する。
図10は、本実施形態にかかる車種区分DB961の一例を示す図である。図10に示すように、車種区分DB961には、車種区分と、当該車種区分の判別条件とが対応付けて記憶される。本実施形態における車種区分の判別条件は、車両10の車幅の長さとする。すなわち、車種区分DB961には、車種区分と、当該車種区分の車両10の車幅の長さの閾値が対応付けて記憶される。例えば、判別部95は、車両10の車幅がn1メートル以下の場合は、車両10の車種区分を「軽自動車(二輪自動車含む)」と判別する。また、判別部95は、車両10の車幅がn3メートルより長く、かつ、n4メートル以下の場合は、車両10の車種区分を「大型車」と判別する。また、判別部95は、車両10の車幅がn4メートルより長い場合は、車両10の車種区分を「特大車」と判別する。判別部95は、車種区分「普通車」および「中型車」についても、車幅の長さに基づいてそれぞれ判別する。
判別部95は、このようにして判別した車種区分を検出部92に送出するものとしても良い。この場合、検出部92は、車両10が特定の車種区分の場合にのみ、上述の外接直方体800の検出を行うものとしても良い。例えば、判別部95が車両10の車種区分を「大型車」または「特大車」と判別した場合にのみ、上述の検出部92が外接直方体800の検出を行う構成を採用しても良い。当該構成を採用した場合、上述した検出部92の外接直方体800の検出による処理負荷を低減することができる。
また、判別部95は、ETC電波受信機102から、車両10のETCカードに登録された車種区分の情報を取得する。判別部95は、車両10の車幅から判別した車種区分と、ETCカードに登録された車種区分とを突合することで、車種区分の判別の精度を高める。例えば、判別部95が車幅から判別した車種区分と、ETCカードに登録された車種区分の少なくとも一方が「大型車」または「特大車」の場合に、上述の検出部92が外接直方体800の検出を行う構成を採用しても良い。例えば、判別部95が車幅から判別した車種区分が「中型車」の場合でも、ETCカードに登録された車種区分が「大型車」である場合は、検出部92が外接直方体800の検出を行うものとする。撮像画像の解像度が低く、車幅を精度良く検出できない場合でも、ETCカードに登録された車種区分の情報を使用することで、判別部95は、車種区分の判別の精度を向上させることができる。
撮像装置101の設置場所によってはETC電波受信機102を併設できない場合も想定される。このような場合でも、判別部95は、車幅から車種区分を判別することができる。判別部95は、判別した車種区分を、通信部91に送出する。
また、判別部95は、変換部93が変換した上面A´、側面B´、正面C´と、辞書DB962に記憶された各面ごとの基準画像とを照合することで、車両10の車種を判別する。
図11は、本実施形態にかかる辞書DB962の一例を示す図である。図11に示すように、辞書DB962には、車種と、当該車種に対応する正面、側面、上面の基準画像が記憶されている。基準画像とは、各車種に該当する車両10の各面を予め撮像した画像であり、車両10の複数の面のそれぞれの判定基準となる。また、基準画像は、マッチングが容易になるよう、予め特徴点を検出した画像でも良い。図11に示す例では、辞書DB962は車種「大型バス」、「セミトレーラ」、「普通トラック」の正面、側面、上面の基準画像をそれぞれ記憶する。各車種ごとの基準画像は複数種類であっても良い。例えば、車種が「大型バス」に対応付けられる正面の基準画像は図11では1画像だが、複数の正面の基準画像が対応付けられて記憶されても良い。
判別部95は、上面A´、側面B´、正面C´と辞書DB962に記憶された各面ごとの基準画像とを照合(マッチング)し、各面ごとに基準画像との類似度合を示す類似度を求める。判別部95は、各面ごとの類似度を、テンプレートマッチング等の手法により算出する。例えば、上面A´、側面B´、正面C´と各面ごとの基準画像のそれぞれの特徴点が重なる割合が高いほど、類似度が大きくなるものとしても良い。
さらに、判別部95は、算出した各面ごとの類似度を重み付け加算して車種ごとの類似度である車種類似度を算出し、求められた車種類似度に基づいて、撮像された車両10の車種を判別する。具体的には、判別部95は、車種類似度が最も大きい車種を、撮像装置101に撮像された車両10の車種として判別する。車種類似度は、(1)式により算出される、各面ごとの類似度の重み付け加算値である。
車種類似度=αS1+βS2+γS3 ・・・(1)
(1)式において、S1は上面A´と上面の基準画像との類似度、S2は側面B´と側面の基準画像との類似度、S1は正面C´と正面の基準画像との類似度である。また、α、β、γは各面ごとの重み係数である。
重み係数が大きい面ほど、車種の判別における当該面の類似度の影響が大きくなる。例えば、上面A´、側面B´、正面C´と辞書DB962に記憶された車種「大型バス」の上面、側面、正面の基準画像との類似度がそれぞれ“15”、“20”、“10”である、と判別部95が求めたとする。また、上面A´、側面B´、正面C´と辞書DB962に記憶された車種「セミトレーラ」の上面、側面、正面の基準画像との類似度がそれぞれ“10”、“10”、“20”であり、同様に、車種「普通トラック」の上面、側面、正面の基準画像との類似度はそれぞれ“5”、“5”、“20”であるとする。
上面の重み係数αが“1”、側面の重み係数βが“2”、正面の重み係数γが“1”である場合、(1)式により算出される車種「大型バス」の車種類似度は“65”、車種「セミトレーラ」の車種類似度は“50”、車種「普通トラック」の車種類似度は“35”となる。この場合、車種類似度が最も大きい車種は「大型バス」なので、判別部95は、撮像された車両10の車種は「大型バス」と判別する。正面C´と照合した類似度は「セミトレーラ」や「普通トラック」の方が大きいが、側面の重み係数βが最大であるため、側面B´と照合した類似度が、他の面よりも車種判別の結果に強く影響して「大型バス」が選択されることとなる。
判別部95は、判別した車種を、通信部91に送出する。
また、判別部95は、車両10の車種が「セミトレーラ」や「普通トラック」等の、積荷を積載する車種である場合に、さらに積荷の分類を行う構成を採用しても良い。
図11に示すように、辞書DB962には、車種ごとに、複数の種類の積荷の基準画像が記憶されている。例えば、車種「セミトレーラ」には、「積荷1」「積荷2」等の複数の積荷の種類に対応付けられた、積荷の上面の基準画像と、側面の基準画像がそれぞれ記憶されている。判別部95は、車両10の車種が「セミトレーラ」と判別した場合に、変換部93から取得した上面A´と、「セミトレーラ」の「積荷1」に対応付けられた上面の基準画像とを照合し、類似度を求める。また、判別部95は、側面B´と、「セミトレーラ」の「積荷1」に対応付けられた側面の基準画像とを照合し、類似度を求める。そして、判別部95は、上面と側面のそれぞれの類似度を重み付け加算し、重み付け加算値を算出する。この積荷の各面の基準画像との類似度の重み付け加算値を、積荷類似度とする。同様に判別部95は、「積荷2」以降の積荷の基準画像と照合した積荷類似度もそれぞれ算出し、積荷類似度が最大となる積荷の種類を、車両10の積荷と判別する。
判別部95は、判別した車両10の積荷の分類を、通信部91に送出する。
図11では上面A´と側面B´の両方を積荷の分類に使用しているが、いずれか一面のみを使用する構成を採用しても良い。すなわち、判別部95は、撮像した車両10の車種を判別し、さらに、検出部92が検出した車両10の上面A´または側面B´と、積荷の上面または側面の基準画像とを照合することにより、車両10の積荷の分類を行う。また、車両10の背面を撮像した場合は、背面の画像を用いて積荷の分類を行う構成を採用しても良い。
また、図11に示す辞書DB962では、車両10の車種の判別のための上面および側面の基準画像とは別に、積荷の上面および側面の基準画像を記憶しているが、これに限らず、各車種ごとの側面および上面の画像を複数種類記憶する構成を採用しても良い。当該構成を採用する場合、例えば、判別部95が車種の判別をした後に、後述の調整部94が上面および側面の重み係数を大きくし、判別部95が判別を再度行うことで積荷の分類をする構成を採用しても良い。
また、積荷の基準画像は、辞書DB962とは別のデータベースに保存される構成を採用しても良い。
また車種が「セミトレーラ」や「普通トラック」等の、運転席のある前方部分と、積荷を積載する後方部分からなる場合には、前方部分と後方部分とを分離した上で、判別部95は、後方部分の上面A´、側面B´を基準画像と照合して積荷の分類を行うものとしても良い。
積荷の種類を分類することで、車両10の重量を推定することができる。また、積荷の種類を判別することで、車両10の車種をさらに細分化して判別することができる。例えば、判別部95は、トレーラの一種である、長尺物(ポール)を輸送する車種「ポールトレーラ」を特定することが可能となる。さらに、荷崩れしやすい積荷の種類を予め特定していれば、判別部95は、そのような積荷に分類される積荷を積載した車両10を特定することができる。
図2に戻り、調整部94は、重み係数α、β、γの値を調整する。
一例として、調整部94は、車種判別システム1の用途に応じて重み係数α、β、γの値を定める構成を採用しても良い。具体的には、車種判別システム1の用途が、バスを判別することであるとする。図11に示すように、バスの側面には矩形状の窓が並んでいる。バスの側面は、正面や上面よりも特徴が強く、他の車種とバスとを判別するためには側面の類似度が重要となる。この場合、調整部94は、側面に対する重み係数βを、他の面の重み係数αおよびγに比べて大きくする。
また、車種判別システム1の用途が、車両10の積荷を分類することであれば、調整部94は、上面に対する重み係数αおよび側面に対する重み係数βを、正面に対するγに比べて大きくしても良い。特に、荷台の上面が開いているトラックの場合には、上面から見た画像が積荷の分類において重要であるため、調整部94は、上面に対する重み係数αを他の面と比較して大きくしても良い。
他の一例として、調整部94は、車両10の外接直方体800から切り出した複数の面のうち、変換部93による形状の変換の度合が小さい面である程、大きい値になるよう重み係数α、β、γを定める構成を採用しても良い。
図9に示した変換部93による変換の例では、正面Cから正面C´への形状変換の度合が最も小さく、次に、上面Aから上面A´への形状変換の度合が小さい。また、側面Bから側面B´への形状変換は、他の面と比較して度合が大きい。
変形した面の形状を矩形にする際の形状変換の度合が大きいほど、画像処理による補正量が多くなるため、当該面における類似度の信頼性が低下する。このため、図9に示した例では、正面C´と基準画像とを照合した類似度は、上面A´や側面B´の類似度よりも信頼性が高い。この場合、調整部94は、正面に対する重み係数γが最も大きく、その次に、上面に対する重み係数αが大きくなるように、重み係数の値を調整する。
既存の撮像装置101を使用して車両10を撮像する場合、撮像装置101の設置位置や設置角度によって、撮像画像の中で車両10が斜めに傾いたり、歪んだりしている場合がある。このような場合に、各面の形状の変換の度合に応じて重み係数α、β、γの値を調整することにより、撮像装置101の設置位置等の撮像条件の違いによる車種の判別への影響を低減し、様々な撮像条件に対応可能となる。
重み係数は、車種判別処理ごとに調整部94が新規に算出するものとしても良いし、記憶部96が重み係数の初期値を記憶し、調整部94が当該初期値を変更する構成を採用しても良い。
また、重み係数は予め記憶部96に記憶される固定値とする構成を採用しても良い。例えば、車種判別システム1の用途が予め決まっている場合は、定められた用途に応じた重み係数を、記憶部96が予め記憶するものとする。また、撮像装置101の設置位置や設置角度によって、撮像画像における車両10の各面の形状の変形の度合が予め推定される場合は、各面に対する変換部93による形状の変換の度合が推定できる。このような場合は、推定された形状の変換の度合が小さい面である程大きい値となるように予め設定された重み係数を、記憶部96が記憶する構成を採用しても良い。重み係数を固定値とする構成を採用する場合、車種判別装置103は調整部94を備えなくとも良い。
次に、以上のように構成された本実施形態の車種判別処理について説明する。
図12は、本実施形態にかかる車種判別処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、入力部90は、撮像装置101から車両10を撮像した撮像画像を取得する(S1)。入力部90は、取得した撮像画像を検出部92へ送出する。
次に、検出部92は、撮像画像から車両10の特徴点を抽出する(S2)。検出部92は、抽出した特徴点から車両10の外郭305を検出する。また、検出部92は、撮像画像上に、車両10の進行方向に対して垂直に仮想平面R1〜R4を設定する。
検出部92は、車両10の特徴点から検出した外郭305と、仮想平面R1〜R4の位置関係を検出する。検出部92は、車両10の先頭部分に接する仮想平面R2の各辺を平行移動して、撮像画像の中の車両10の外郭305と接する位置座標を求めることにより、車両10の外郭305の正面部分をより精度良く検出する。検出部92は、既知の仮想平面R2の底辺の長さと、検出した車両10の外郭305の正面部分の底辺の長さとを比較することで、撮像画像から車両10の車幅の実測値を検出する(S3)。検出部92は、検出した車幅を、判別部95に送出する。
判別部95は、検出部92が検出した車両10の車幅を取得する。そして、判別部95は、記憶部96の車種区分DB961から車両10の車幅に対応付けられた車種区分を検索して、車両10の車種区分を判別する(S4)。
車両10の車幅から判別した車種区分が「大型車」および「特大車」ではない場合(S5“No”)、すなわち、車種区分が「軽自動車」、「普通車」、「中型車」のいずれかであると判別した場合、判別部95は、判別した車種区分をセンターに送信する(S6)。この場合は、車種判別処理は終了する。
一方、車両10の車幅から判別した車種区分が「大型車」または「特大車」である場合(S5“Yes”)、判別部95は、当該判別結果を検出部92に送出する。
また、ここで、通信部91は、撮像装置101が撮像した車両10のETCカードに登録された車両10の車種区分をETC電波受信機102から受信して判別部95に送出しても良い。この場合、S5の処理において、判別部95は、ETCカードに登録された車両10の車種区分と、車両10の車幅から判別した車種区分とを照合し、少なくとも一方が「大型車」または「特大車」の場合に、判別部95は、当該判別結果を検出部92に送出しても良い。
本実施形態においては、特定の車種区分に範囲を絞って具体的な車種の判別を行うことで、検出部92による外接直方体800の検出、変換部93による変換、判別部95による車種判別の負荷を低減するとともに、照合に用いる基準画像の作成負荷を軽減する。
車種区分が「大型車」または「特大車」である場合(S5“Yes”)、検出部92は、仮想平面R1〜R4を構成する各辺を平行移動して、撮像画像の中の車両10の外郭と接する位置座標を求めることにより、撮像画像から車両10の外接直方体800を検出する(S7)。検出部92は、外接直方体800から上面A、側面B、正面Cを切り出して、変換部93に送出する。
変換部93は、車両10の外接直方体800の上面A、側面B、正面Cを、それぞれ矩形状の上面A´、側面B´、正面C´に変換する(S8)。変換部93は、各面の形状の変換の度合を示す値を、調整部94に送出する。
調整部94は、変換部93から取得した、形状の変換の度合を示す値が小さい面に対する重み係数が大きくなるよう、重み係数の値を調整する(S9)。また、調整部94は、車種判別システム1の用途に応じて重み係数を変更しても良い。調整部94は、調整した重み係数を、判別部95に送出する。
判別部95は、変換部93が変換した上面A´、側面B´、正面C´の画像を、辞書DB962に記憶された車種ごとの各面の基準画像と照合し、各面ごとの類似度を算出する(S10)。
判別部95は、算出した各面ごとの類似度を、(1)式により重み付け加算して車種類似度を算出する(S11)。変換部93が変換した上面A´、側面B´、正面C´の画像を、辞書DB962に記憶された全ての車種の各面の基準画像と照合するまで(S12“No”)、判別部95は、S10〜S12の処理を繰り返す。
変換部93が変換した上面A´、側面B´、正面C´の画像を、辞書DB962に記憶された全ての車種の各面の基準画像と照合した場合(S12“Yes”)、判別部95は、車種類似度が最も大きい車種を、撮像装置101に撮像された車両10の車種として判別する(S13)。
判別部95は、判別した車種区分および車種をセンターに送信する(S14)。以上でこのフローチャートの処理は終了する。
このように、本実施形態の車種判別装置103によれば、検出部92が撮像画像から車両10の複数の面を検出することにより、一方向から撮像した撮像画像でも、複数の面を基準画像と照合可能となる。また、車両10の複数の面を車種ごとの画像と照合した結果を重み係数によって重み付け加算して車種類似度を求めることにより、複数の面の照合結果を統合して照合の精度を高めることができるため、撮像画像の解像度が低い場合でも車種区分の中の具体的な車種を高精度に判別することができる。
従来の車種判別では、車両10を定められた特定の方向から撮像した撮像画像を用いて、基準画像との照合を行っていた。例えば、車両の正面等の特定の一面の画像を用いて車種を判別する技術では、通行する車両を特定の角度から撮像する必要があった。このような撮像画像を撮像するためには、定められた特定の位置や角度で撮像装置101を設置する必要があるため、車種判別を目的とせずに設置された既存のCCTVカメラ等を活用して車種を判別することは困難であった。多様な撮像角度や解像度に対応した基準画像を予め記憶して、撮像画像と照合する技術もあるが、各撮像装置101の設置条件等に個別に対応した基準画像を作成する負荷が高く、汎用的な判別手法として用いることは困難であった。
これに対して、本実施形態の車種判別装置103によれば、検出部92が撮像画像から車両10の複数の面を検出することにより、既存の撮像装置101の設置位置や設置角度によって車両10の撮像角度が異なっても、撮像画像を基準画像と照合することができる。また、撮像画像の解像度が低い場合であっても複数の面を基準画像とそれぞれ照合することにより、車種判別の精度を向上させることができる。
さらに、従来は、複数の撮像装置101やレーザスキャナ等を用いて車両10の複数の面を撮像していたが、本実施形態の車種判別装置103によれば、1台の撮像装置101が撮像した撮像画像から車両10の複数の面を検出することができるため、既存のCCTVカメラ等を活用することが容易となる。
本実施形態の車種判別装置103によれば、このように既存の設備を活用して車両10の具体的な車種を特定することにより、種々のサービスを提供することができる。
車種判別装置103が車種を特定することにより提供可能となる種々のサービスの一例として、車両10の乗車人数の推定によるサービスの提供がある。
図13は、本実施形態にかかる車種判別装置103の効果の一例を説明する図である。図13に示す高速道路のサービスエリア1002aの駐車場にはトラックが2台駐車している。また、サービスエリア1002bの駐車場にはバスが2台駐車している。サービスエリア1002a、1002bに駐車している車両10は同一の車種区分に分類されるものとする。
しかしながら、車種区分が同じであっても、トラックとバスでは推定される乗車人数の期待値は大きく異なる。従来の、ETCカードに登録された車種区分による判別では、車両10の台数を車種区分ごとに計数することはできたが、車種の情報を得られないため、乗車人数を推定することは困難であった。
そこで、高速道路の入り口や、サービスエリア1002a、1002bの出入り口に設置されたCCTVカメラ等の撮像装置101が撮像した撮像画像を、本実施形態の車種判別装置103に入力することにより、車両10の車種を判別することができる。車両10の台数と、車種の判別結果をセンター1001で集計することにより、サービスエリア1002a、1002bに対して、利用者人数の推定値を提供するというサービスを行うことができる。
特に、観光バス等の大型バスを判別することにより、サービスエリア1002a、1002bを利用する利用者の数をより正確に推定することができる。これにより、サービスエリア1002a、1002bは混雑度に応じた人員配置等の対応をすることが可能となる。また、各サービスエリア1002a、1002bにおける利用者の人数を推定することにより、車両10の運転手に対して、利用者の少ないサービスエリア1002aへ誘導するサービスを提供することができる。このようにして、利用者の混雑度を複数のサービスエリア1002a、1002bやパーキングエリアで平均化するための、情報提供サービスも可能となる。
また、図14は、本実施形態にかかる車種判別装置103の効果の他の一例を説明する図である。一般にセミトレーラは重量が重いために道路や橋梁等の道路インフラに対する負荷が高いが、従来は車種の判別が困難であるために、道路に対する重量負荷を正確に推定することが困難であった。
これに対して、本実施形態にかかる車種判別装置103によれば、図14に示すように、道路に設置された既存の撮像装置101が撮像した撮像画像から、通行する車両10の車種を判別し、その結果をセンター1001に送信することが可能となる。このため、車種を判別した結果をセンター1001のコンピュータで集計して、一定区間内を通過したセミトレーラの台数や通行の頻度を、道路インフラの劣化の進行度合を推定するための参考値として道路管理者等に提供することができる。
また、渋滞予測等のための交通流調査として、本実施形態の車種判別装置103が判別した車種判別結果を使用しても良い。
上述の各種のサービスは一例であり、本実施形態の車種判別装置103を適用することで提供可能となるサービスは、これらに限らない。
このように、本実施形態の車種判別装置103によれば、既に設置された低解像度の撮像装置101を活用して具体的な車種を高精度に判別することにより、新たな撮像装置101を設置することなく、車両10の乗車人数や道路に対する重量負荷の推定による各種のサービスの提供を可能にすることができる。
また、本実施形態の車種判別装置103によれば、撮像画像から車両10の外接直方体800を検出し、検出した外接直方体800の複数の面を切り出すことにより、車両10の複数の面を検出するため、解像度の低い撮像画像からでも、車両10の各面を精度良く検出して基準画像と照合することができる。
さらに、本実施形態の車種判別装置103によれば、撮像画像から検出した車両10の複数の面の形状を矩形状に変換するため、撮像装置101の設置条件等により撮像画像中の車両10の画像の形状が変形していたとしても、基準画像と照合することができる。
また、本実施形態の車種判別装置103において、重み係数を、車両10の複数の面のうち、変換部93による形状の変換の度合が小さい面である程大きい値にした場合、形状変換による画像の変化がより少ない面と基準画像との類似度を優先して、車種の判別をすることができる。変形した面の形状を矩形にする際の形状変換の度合が大きいほど、画像処理による補正量が多くなるため、当該面における類似度の信頼性が低下する。本実施形態の車種判別装置103では、重み係数によって各面の類似度が車種類似度に影響する度合を調整することができる。このため、車種判別装置103では、形状の変換の度合が少ない面の類似度の重み付け係数をより大きくすることにより、様々な角度で撮像された撮像画像からより精度良く車種を判別することができる。
また、バスとその他の車種との形状の差異が最も大きい面は、側面である。このため、本実施形態の車種判別装置103において、基準画像と照合する複数の面に、車両10の少なくとも側面B´を含み、複数の面のうち車両10の側面B´に対する重み係数が側面B´以外の面に比べて大きい場合、バスとその他の車種とを精度良く判別することができる。
また、本実施形態の車種判別装置103によれば、車両10が通行する道路上に、車両10の進行方向に対して垂直方向に設けられた仮想平面R1〜R4を設定し、仮想平面R1〜R4を構成する各辺を平行移動して、撮像画像の中の車両10の外郭と接する位置座標を求めることにより、外接直方体800を検出する。このため、本実施形態の車種判別装置103によれば、撮像画像の解像度が低く車両10の特徴点を精度良く抽出するのが困難な場合でも、撮像画像から車両10の外接直方体800を検出して、各面を切り出すことができる。また、仮想平面R1〜R4を設定することにより、各仮想平面R1〜R4の形状の変化から、撮像画像中の車両10の角度や向きを推定することができるため、撮像画像中の車両10の角度に関わらず、外接直方体800を検出することができる。
また、本実施形態の車種判別装置103によれば、基準画像と照合する複数の面は、車両10の少なくとも正面、側面、上面の3面を含むことで、車種判別における一定以上の精度を確保する。本実施形態の車種判別装置103は、撮像画像から検出した車両10の正面、側面、上面のそれぞれと、面ごとの基準画像のそれぞれとを照合して求められる面ごとの類似度に重み係数による重み付け加算を行うことにより車種類似度を求め、車種類似度が最も大きい車種を、撮像された車両10の車種として判別することにより、照合の精度を高めることができる。このため、撮像画像の解像度が低い場合でも、車種区分の中の具体的な車種をより高精度に判別することができる。
さらに、本実施形態の車種判別装置103によれば、検出した車両10の上面または側面と、基準画像とを照合することにより、車両10の積荷の分類を行うため、車両10の重量を推定するための情報を提供することが可能となる。このため、車種判別装置103が分類した積荷の情報をセンターで集計することにより、道路等への重量負荷を推定することが可能となる。また、積荷の種類を判別することで、車両10の車種をさらに細分化して判別することができる。さらに、荷崩れしやすい積荷の種類を予め特定していれば、そのような積荷に分類される積荷を積載した車両10を特定することができるため、車種判別装置103が分類した積荷の情報をセンターで集計することにより、荷崩れの恐れがある車両10の走行する区間や、このような車両10が多く走行する時間帯等を分析することができ、安全対策のための情報を提供することができる。
なお、本実施形態では1つの撮像画像から車両10の複数の面を検出したが、複数の画像を使用する構成を採用しても良い。例えば、判別部95は、撮像装置101が連続して撮像した複数の撮像画像から検出された車両10の各面から、変換の度合が最も小さいものを選択して、基準画像との照合に使用する構成を採用しても良い。また、撮像装置101が撮像した撮像画像が動画である場合は、検出部92は、動画内の複数のフレームから、車両10の各面を検出しても良い。
例えば、図5A〜Dに示す連続して撮像された撮像画像501〜504において、車両10の正面および側面の変形の度合が最も小さいのは撮像画像503、上面の変形の度合が最も小さいのは撮像画像504であるとする。この場合、変換部93による正面および側面の形状の変換の度合が最も小さくなるのは撮像画像503、上面の形状の変換の度合が最も小さくなるのは撮像画像504となる。判別部95は、撮像画像503から切り出された正面C´および側面B´、撮像画像504から切り出された上面A´をそれぞれ基準画像と照合して求めた類似度を(1)式で重み付け加算し、車両の判別を行う構成を採用しても良い。
また、撮像装置101の撮像範囲から、車両10の正面、側面、上面を撮像するためのそれぞれの最適な位置を、各面の撮像位置として予め設定する構成を採用しても良い。具体的には、車両10の正面をより変形せずに撮像できる撮像位置、側面をより変形せずに撮像できる撮像位置、上面をより変形せずに撮像できる撮像位置を予め設定する。この構成を採用する場合、判別部95は、車両10の上面を最適に撮像した撮像画像から検出された車両10の上面A´、側面を最適に撮像した撮像画像から検出された車両10の側面B´、正面を最適に撮像した撮像画像から検出された車両10の正面C´をそれぞれ各面の基準画像と照合する。判別部95は、このように別々の撮像画像から取得した各面を基準画像とそれぞれ照合して求めた類似度を、(1)式で重み付け加算し、車両の判別を行う構成を採用しても良い。
(変形例)
上述の実施形態では、車両10の各面の変換の度合の大きさや、車種判別システム1の用途によって重み係数を調整したが、照度条件によって重み係数を調整する構成を採用しても良い。
例えば、車種判別システム1は、撮像装置101の撮像範囲の照度を計測する不図示の照度センサをさらに備える構成を採用しても良い。
撮像装置101がCCTVカメラである場合、道路の照度条件等の外乱による撮像画像の画質の劣化や解像度の低下等が想定される。照度条件による撮像画像の違いを、図面を用いて具体的に説明する。
図15Aは、本変形例にかかる正常時における撮像画像1501の一例を示す図である。図15Aに示すように、照度条件が適切な範囲内である場合は、上述の実施形態で説明したように、車両10の外接直方体800を検出し、上面A、側面B、正面Cを切り出すことができる。
図15Bは、本変形例にかかる照度が低い場合における撮像画像1502の一例を示す図である。撮像範囲の道路等における照度が低い場合には、撮像画像1502から車両10の全景を精度良く検出することが困難な場合がある。図15Bに示す例では、撮像画像1502における車両10の正面および側面は比較的明瞭だが、車両10の上面は照度が低いため不明瞭である。このような場合、撮像画像1502において車両10の上部の外郭305を精度良く検出することが困難となる。このため、車両10の外接直方体800の上面Aの検出の精度が低下する。撮像装置101の周囲の照明装置の位置や撮像装置101の撮像角度等から、照度が低い場合に外郭305が不明瞭となる面は、予め推定することができる。
本変形例における通信部91は、不図示の照度センサから撮像範囲の道路における照度の値を取得する。そして、調整部94は、通信部91が取得した照度が低い場合に、外郭305が不明瞭となる面に対する重み係数を、他の面と比較して小さくする。図15Bに示す例では、調整部94は、通信部91が取得した照度が低い場合に、上面Aに対する重み係数を、側面Bおよび正面Cと比較して小さくする。判別部95は、調整部94が調整した重み係数を使用して、(1)式により各面の類似度の重み付け加算をして求めた車種類似度が最も大きい車種を、車両10の車種として判別する。これにより、車種判別装置103は、照度によって撮像画像上の車両10の一部の面が不明瞭となった場合、車種判別における当該面の影響度を下げることができ、照度の低下による車種の判別の精度の低下を防ぐことができる。
図15Cは、本変形例にかかる照度が非常に低い場合における撮像画像1503の一例を示す図である。夜間などの照度が非常に低い場合に、正常時の撮像画像1501と比較して大幅に画質が劣化することが想定される。例えば、図15Cに示す撮像画像1503のように、車両10の上面および側面に対する光源が不足して、車両10の外接直方体800において正面C以外の面の検出が困難な場合がある。このような場合は、調整部94は、正面Cに対する重み係数を大きくし、上面Aおよび側面Bに対する重み係数を小さくする。
また、照度が低い場合に照合に使用する基準画像を、正常時の基準画像とは別に辞書DB962に予め記憶する構成を採用しても良い。
図16は、本変形例にかかる解像度に応じた複数の基準画像と撮像画像との照合の一例を示す図である。図16に示すように、各面に対して複数の基準画像を辞書DB962に予め記憶し、照度に応じて適切な基準画像との照合を行う構成を採用しても良い。
このように、本変形例の車種判別装置103によれば、照度条件によって重み係数を調整することにより、撮像対象の道路等の照度の変化による車種の判別の精度の低下を防ぐことができる。このため、本変形例の車種判別装置103によれば、照度条件が変化する場合でも、車種判別の精度を安定して確保することができる。
なお、本変形例では、不図示の照度センサによって照度を計測したが、時間帯によって照度を推定する構成を採用しても良い。例えば、昼間の時間帯は照度が高く、夜間の時間帯は照度が低いものとして照度条件を設定しても良い。また、撮像装置101がCCTVカメラである場合に、夜間は白黒の撮像画像を撮像するナイトモードになる場合があるが、このような白黒画像をカラー化して、基準画像との照合を精度良く行う構成を採用しても良い。
また、不図示の照度センサによって照度を計測するのではなく、撮像した撮像画像の明度等から、照度を推定して重み係数を調整する構成を採用しても良い。また、照度に限らず、雨や霧等の外乱によって撮像画像の解像度が低下した場合にも、調整部94が重み係数の値を調整する構成を採用しても良い。
また、車種判別装置103は車両10の塗装を分類する機能をさらに備えても良い。また、車種判別装置103は判別した車両10の車種、塗装の分類、撮像画像等をセンターに送信する構成を採用しても良い。センターは、同一塗装の車両10をグループ化し、照明および天候条件の違いによる撮像装置101の撮像結果の相違を吸収する目的で撮像画像を収集し、車種や積み荷などの情報を分類して評価パターンとして保存することができる。また、センターが収集した情報を使用してさらに車種判別装置103の車種の判別の精度を向上させる構成を採用しても良い。
以上説明したとおり、上述の実施形態および変形例によれば、既存の設備を活用して車両10の具体的な車種を特定することにより、種々のサービスを提供可能にすることができる。
実施形態および変形例の車種判別装置103は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
実施形態および変形例の車種判別装置103で実行される車種判別プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、実施形態および変形例の車種判別装置103で実行される車種判別プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態および変形例の車種判別装置103で実行される車種判別プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、実施形態および変形例の車種判別プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
実施形態および変形例の車種判別装置103で実行される車種判別プログラムは、上述した各部(入力部、通信部、検出部、変換部、調整部、判別部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から車種判別プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、入力部、通信部、検出部、変換部、調整部、判別部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本発明の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態等は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態等は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 車種判別システム
10,10a〜10c 車両
90 入力部
91 通信部
92 検出部
93 変換部
94 調整部
95 判別部
96 記憶部
101 撮像装置
102 ETC電波受信機
103 車種判別装置
301〜304,501〜504,1501〜1503 撮像画像
305 外郭
800 外接直方体
961 車種区分データベース(車種区分DB)
962 辞書データベース(辞書DB)
1001 センター
1002a〜1002b サービスエリア
R1〜R4 仮想平面

Claims (8)

  1. 車両の車種区分の中の具体的な車種と、前記車両の複数の面のそれぞれの判定基準となる面ごとの基準画像とを対応付けて記憶する記憶部と、
    撮像装置が前記車両を撮像した撮像画像から前記複数の面を検出する検出部と、
    前記検出部が検出した前記複数の面のそれぞれと前記面ごとの基準画像とを照合して前記面ごとに前記基準画像との類似度合を示す類似度を求め、前記面ごとの類似度に対して重み係数を乗じて重み付け加算を行うことにより前記車種ごとの類似度である車種類似度を求め、前記車種類似度に基づいて、前記撮像された前記車両の前記車種として判別する判別部と、
    を備え
    前記複数の面は、前記車両の少なくとも側面を含み、
    前記複数の面のうち前記車両の側面に対する前記重み係数が前記側面以外の面に比べて大きい、
    車種判別装置。
  2. 前記検出部は、前記撮像画像から前記車両の外接直方体を検出し、検出した前記外接直方体の複数の面を切り出すことにより、前記車両の前記複数の面を検出する、
    請求項1に記載の車種判別装置。
  3. 前記検出部が前記撮像画像から検出した前記複数の面の形状を矩形状に変換する変換部、
    を備える請求項2に記載の車種判別装置。
  4. 前記重み係数は、前記複数の面のうち、前記変換部による前記形状の変換の度合が小さい面である程、大きい値である、
    請求項3に記載の車種判別装置。
  5. 前記検出部は、前記車両が通行する道路上に、前記車両の進行方向に対して交差する方向に設けられた仮想平面を設定し、前記仮想平面を構成する各辺を平行移動して、前記撮像画像の中の前記車両の外郭と接する位置座標を求めることにより、前記外接直方体を検出する、
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の車種判別装置。
  6. 前記複数の面は、前記車両の少なくとも正面、側面、上面を含み、
    前記判別部は、前記撮像画像から検出した前記車両の正面、側面、上面のそれぞれと、前記面ごとの基準画像のそれぞれとを照合して求められる前記面ごとの類似度に前記重み係数による重み付け加算を行うことにより前記車種類似度を求め、前記車種類似度が最も大きい前記車種を、前記撮像された前記車両の前記車種として判別する、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の車種判別装置。
  7. 前記判別部は、さらに、前記検出部が検出した前記車両の上面または側面と、前記基準画像とを照合することにより、前記車両の積荷の分類を行う、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の車種判別装置。
  8. 車種判別装置で実行される車種判別方法であって、
    前記車種判別装置は、車両の車種区分の中の具体的な車種と、前記車両の複数の面の画像とを対応付けて記憶する記憶部を備え、
    撮像装置が前記車両を撮像した撮像画像から前記複数の面を検出する検出ステップと、
    検出した前記複数の面と前記画像とを照合し、照合結果である各面ごとの類似度に重み係数による重み付け加算を行うことにより前記車種ごとの類似度である車種類似度を求め、前記車種類似度に基づいて、前記撮像された前記車両の前記車種として判別する判別ステップと、
    を含み、
    前記複数の面は、前記車両の少なくとも側面を含み、
    前記複数の面のうち前記車両の側面に対する前記重み係数が前記側面以外の面に比べて大きい、
    車種判別方法。
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