JP2001254924A - 火格子 - Google Patents

火格子

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JP2001254924A
JP2001254924A JP2000069177A JP2000069177A JP2001254924A JP 2001254924 A JP2001254924 A JP 2001254924A JP 2000069177 A JP2000069177 A JP 2000069177A JP 2000069177 A JP2000069177 A JP 2000069177A JP 2001254924 A JP2001254924 A JP 2001254924A
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grate
combustion air
movable
space
passage
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Application number
JP2000069177A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Nakahata
光明 中畑
Hiroshi Ikeda
宏志 池田
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼損の発生を抑制し、処理空間における被処
理物の燃焼制御を適切に行うことが可能な火格子を提供
すること。 【解決手段】 側壁34には、第1凹部43及び第2凹
部44が設けられる。第1凹部43は、火格子12,1
4の長手方向に見て略中央部から後端まで延び、上方に
開口して形成される。第1凹部43は、隣接する火格子
12,14の側壁34とで第1の空間46を画成する。
第2凹部44は、上壁31から前壁32にかけての湾曲
形状に沿って、上壁31の前端近傍に対応する位置から
前壁32の下端に対応する位置まで延び、下方に開口し
て形成される。第2凹部44は、隣接する火格子12,
14の側壁34とで第2の空間49を画成する。側壁3
4の第1凹部43が形成された部分には、第1穴部52
が穿設され、火格子内通路42を第1の空間46に連通
する。側壁34の第2凹部44が形成された部分には、
第2穴部53が穿設され、火格子内通路42を第2の空
間49に連通する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上方の処理空間と
下方の燃焼用空気供給空間との間に、被処理物を搬送す
る前後方向に複数配設されてストーカを構成する、焼却
炉や溶融炉等の火格子に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の火格子として、たとえば特公昭
32−2647号公報に開示されたようなものが知られ
ている。この特公昭32−2647号公報に開示された
焼却炉の火格子は、各火格子の先端部分の両側面に空気
流出隙間を形成し、この空気流出隙間から、火格子下方
の燃焼用空気供給空間に供給された燃焼用空気を火格子
上方の処理空間としての被焼却物焼却空間に排出してい
る。この空気流出隙間の大きさは、この空気流出隙間か
ら被焼却物焼却空間に排出される燃焼用空気の量が被焼
却物を適切に燃焼することができる値になるように設定
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの調査研究
の結果、火格子の先端部分は350℃以上にも達するこ
とが判明した。このように火格子が過熱されると酸化腐
食が生じ、場合によっては火格子が焼損することがあ
る。酸化腐食は、火格子の金属材料と酸素とが高温にて
反応し生じるものであり、空気流出隙間が火格子の先端
部分に形成された場合には、特に、先端部分が高温であ
ることから、上述したような焼損が先端部分、すなわち
空気流出隙間が形成された部分に発生し易くなる。空気
流出隙間が形成された部分に焼損が発生すると、空気流
出隙間が大きくなり、この空気流出隙間から排出される
燃焼用空気の量が、上述したように設定された値から変
化してしまう。このため、焼却炉や溶融炉等は、廃棄物
や焼却灰等といった被処理物の燃焼制御(焼却又は溶融
等の制御)が適切に行えない状態に陥ってしまう。
【0004】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、焼損の発生を抑制し、処理空間における被処理物の
燃焼制御を適切に行うことが可能な火格子を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る火格子は、
上方の処理空間と下方の燃焼用空気供給空間との間に、
被処理物を搬送する前後方向に複数配設されてストーカ
を構成する、火格子であって、火格子には、燃焼用空気
供給空間に供給された燃焼用空気を、火格子の長手方向
に見て略中央部から処理空間に排出するための燃焼用空
気通路が形成されていることを特徴としている。
【0006】本発明に係る火格子では、ストーカを構成
する火格子に、燃焼用空気供給空間に供給された燃焼用
空気を、火格子の長手方向に見て略中央部から処理空間
に排出するための燃焼用空気通路が形成されているの
で、高温となる火格子の先端部分を避けて、火格子の長
手方向に見て略中央部から燃焼用空気が排出されること
になる。燃焼用空気が排出される火格子の長手方向に見
て略中央部は、先端部分に比して温度が低いために、こ
の位置から燃焼用空気を排出したとしても、酸化腐食は
生じ難く、この位置での焼損の発生を抑制することがで
きる。この結果、処理空間に排出される燃焼用空気の量
が、被処理物を適切に燃焼させることができるように設
定された値から変化することが抑制され、処理空間にお
ける被処理物の燃焼制御を適切に行うことができる。
【0007】また、火格子は、上壁と、上壁に連続する
前壁とを有しており、燃焼用空気通路は、上壁の裏面に
設けられる火格子内通路を含み、燃焼用空気を火格子内
通路から処理空間に排出する燃焼用空気排出口が、火格
子の長手方向に見て略中央部に形成されていることが好
ましい。このように、特に、燃焼用空気通路が、火格子
の上壁の裏面に設けられる火格子内通路を含み、この火
格子内通路から処理空間に燃焼用空気を排出するための
燃焼用空気排出口が、火格子の長手方向に見て略中央部
に形成されることにより、燃焼用空気を火格子の長手方
向に見て略中央部から処理空間に排出することができる
燃焼用空気通路の構造を簡易且つ低コストで実現するこ
とができる。
【0008】また、火格子の側壁には、火格子の長手方
向に沿って延び且つ火格子の上方に開口して形成された
凹部が設けられており、燃焼用空気排出口は、凹部で画
成される空間に開口して形成されていることが好まし
い。このように、火格子の側壁に、火格子の長手方向に
沿って延び且つ火格子の上方に開口して形成された凹部
が設けられ、燃焼用空気排出口は、凹部で画成される空
間に開口して形成されることにより、燃焼用空気が、凹
部で画成される空間から処理空間に排出される。この結
果、燃焼用空気を確実に排出することができる構造を簡
易且つ低コストで実現可能となる。
【0009】本発明に係る火格子は、上方の処理空間と
下方の燃焼用空気供給空間との間に、被処理物を搬送す
る前後方向に複数配設されてストーカを構成する、火格
子であって、火格子は、上壁と、上壁に連続する前壁と
を有しており、火格子には、燃焼用空気供給空間に供給
された燃焼用空気を、前壁の下方から処理空間に排出す
るための燃焼用空気通路が形成されていることを特徴と
している。
【0010】本発明に係る火格子では、ストーカを構成
する火格子に、燃焼用空気供給空間に供給された燃焼用
空気を、上壁に連続する前壁の下方から処理空間に排出
するための燃焼用空気通路が形成されているので、高温
となる火格子の先端部分を避けて、前壁の下方から燃焼
用空気が排出されることになる。燃焼用空気が排出され
る前壁の下方は、先端部分に比して温度が低いために、
この位置から燃焼用空気を排出したとしても、酸化腐食
は生じ難く、この位置での焼損の発生を抑制することが
できる。この結果、処理空間に排出される燃焼用空気の
量が、被処理物を適切に燃焼させることができるように
設定された値から変化することが抑制され、処理空間に
おける被処理物の燃焼制御を適切に行うことができる。
【0011】また、火格子の側壁には、少なくとも上壁
の前端に対応する位置から前壁の下端に対応する位置ま
で延び且つ火格子の下方に開口して形成された凹部が設
けられており、燃焼用空気通路は、上壁の裏面に設けら
れる火格子内通路を含み、火格子内通路から燃焼用空気
を排出する燃焼用空気排出口が、凹部で画成される空間
に開口して形成されていることが好ましい。このよう
に、火格子の側壁に、少なくとも上壁の前端に対応する
位置から前壁の下端に対応する位置まで延び且つ火格子
の下方に開口して形成された凹部が設けられ、燃焼用空
気通路は、上壁の裏面に設けられる火格子内通路を含
み、火格子内通路から燃焼用空気を排出する燃焼用空気
排出口が、凹部で画成される空間に開口して形成される
ことにより、燃焼用空気が、凹部で画成される空間を通
って前壁の下方から処理空間に排出されることになる。
この結果、燃焼用空気を確実に排出することができる構
造を簡易且つ低コストで実現することができる。
【0012】本発明に係る火格子は、上方の処理空間と
下方の燃焼用空気供給空間との間に、被処理物を搬送す
る前後方向に複数配設される、火格子であって、火格子
は、上壁と、上壁に連続する前壁とを有しており、火格
子には、燃焼用空気供給空間に供給された燃焼用空気
を、火格子の長手方向に見て略中央部及び前壁の下方か
ら処理空間に排出するための燃焼用空気通路が形成され
ており、火格子の側壁には、火格子の長手方向に沿って
延び且つ火格子の上方に開口して形成された第1凹部
と、上壁の前端に対応する位置から前壁の下端に対応す
る位置まで延び且つ火格子の下方に開口して形成された
第2凹部とが設けられ、燃焼用空気通路は、上壁の裏面
に設けられる火格子内通路を含み、火格子内通路から燃
焼用空気を排出する第1燃焼用空気排出口が、第1凹部
に開口して形成されると共に、火格子内通路から燃焼用
空気を排出する第2燃焼用空気排出口が、第2凹部に開
口して形成されていることを特徴としている。
【0013】本発明に係る火格子では、ストーカを構成
する火格子に、燃焼用空気供給空間に供給された燃焼用
空気を、火格子の長手方向に見て略中央部及び上壁に連
続する前壁の下方から処理空間に排出するための燃焼用
空気通路が形成されているので、高温となる火格子の先
端部分を避けて、火格子の長手方向に見て略中央部及び
前壁の下方から燃焼用空気が排出されることになる。燃
焼用空気が排出される、火格子の長手方向に見て略中央
部及び前壁の下方は、先端部分に比して温度が低いため
に、これらの位置から燃焼用空気を排出したとしても、
酸化腐食は生じ難く、これらの位置での焼損の発生を抑
制することができる。この結果、処理空間に排出される
燃焼用空気の量が、被処理物を適切に燃焼させることが
できるように設定された値から変化することが抑制さ
れ、処理空間における被処理物の燃焼制御を適切に行う
ことができる。
【0014】また、火格子の側壁には、火格子の長手方
向に沿って延び且つ火格子の上方に開口して形成された
第1凹部と、上壁の前端に対応する位置から前壁の下端
に対応する位置まで延び且つ火格子の下方に開口して形
成された第2凹部とが設けられ、燃焼用空気通路は、上
壁の裏面に設けられる火格子内通路を含み、第1燃焼用
空気排出口が第1凹部に開口して形成されると共に、第
2燃焼用空気排出口が第2凹部に開口して形成されるこ
とにより、燃焼用空気が、第1凹部から処理空間に排出
されると共に、第2凹部を通って前壁の下方から処理空
間に排出されることになる。この結果、燃焼用空気を確
実に排出することができる構造を簡易且つ低コストで実
現することができる。
【0015】本発明に係る火格子は、上方の処理空間と
下方の燃焼用空気供給空間との間に、被処理物を搬送す
る前後方向に複数配設されてストーカを構成する、火格
子であって、ストーカを構成する火格子は、固定火格子
と、前後方向に移動可能に設けられた可動火格子とから
なり、前後方向に交互に且つ前側に位置する火格子の上
方に後側に位置する火格子の前部が重なるように配置さ
れており、固定火格子及び可動火格子は、上壁と、上壁
に連続する前壁とを有し、固定火格子及び可動火格子に
は、燃焼用空気供給空間に供給された燃焼用空気を、火
格子の長手方向に見て略中央部及び前壁の下方から処理
空間に排出するための燃焼用空気通路が形成されてお
り、可動火格子が前方向に移動したときには、燃焼用空
気を、可動火格子の後側に位置する固定火格子の前壁の
下方から処理空間に排出すると共に、可動火格子の長手
方向に見て略中央部から処理空間に排出し、可動火格子
が後方向に移動したときには、燃焼用空気を、可動火格
子の前側に位置する固定火格子の長手方向に見て略中央
部から処理空間に排出すると共に、可動火格子の前壁の
下方から処理空間に排出することを特徴としている。
【0016】本発明に係る火格子では、ストーカを構成
する火格子は、固定火格子と可動火格子とからなり、こ
れらの固定火格子及び可動火格子に、燃焼用空気供給空
間に供給された燃焼用空気を、火格子の長手方向に見て
略中央部及び前壁の下方から処理空間に排出するための
燃焼用空気通路が形成され、可動火格子が前方向に移動
したときには、燃焼用空気を、可動火格子の後側に位置
する固定火格子の前壁の下方から処理空間に排出すると
共に、可動火格子の長手方向に見て略中央部から処理空
間に排出し、可動火格子が後方向に移動したときには、
燃焼用空気を、可動火格子の前側に位置する固定火格子
の長手方向に見て略中央部から処理空間に排出すると共
に、可動火格子の前壁の下方から処理空間に排出するの
で、高温となる火格子(固定火格子又は可動火格子)の
先端部分を避けて、火格子(固定火格子又は可動火格
子)の長手方向に見て略中央部及び前壁の下方から燃焼
用空気が排出されることになる。燃焼用空気が排出され
る、火格子(固定火格子又は可動火格子)の長手方向に
見て略中央部及び前壁の下方は、先端部分に比して温度
が低いために、これらの位置から燃焼用空気を排出した
としても、酸化腐食は生じ難く、これらの位置での焼損
の発生を抑制することができる。この結果、処理空間に
排出される燃焼用空気の量が、被処理物を適切に燃焼さ
せることができるように設定された値から変化すること
が抑制され、処理空間における被処理物の燃焼制御を適
切に行うことができる。
【0017】また、燃焼用空気を、可動火格子が前方向
に移動したときには、可動火格子の後側に位置する固定
火格子の前壁の下方から処理空間に排出すると共に、可
動火格子の長手方向に見て略中央部から処理空間に排出
し、可動火格子が後方向に移動したときには、可動火格
子の前側に位置する固定火格子の長手方向に見て略中央
部から処理空間に排出すると共に、可動火格子の前壁の
下方から処理空間に排出するので、火格子(固定火格子
又は可動火格子)の先端部分以外の位置から燃焼用空気
を排出するように構成したにも関わらず、燃焼用空気の
排出期間、及び、燃焼用空気の排出量等が適切に確保さ
れることになる。このため、被処理物の燃焼性の悪化を
抑制することができる。
【0018】また、固定火格子及び可動火格子の側壁に
は、火格子の長手方向に沿って延び且つ火格子の上方に
開口して形成された第1凹部と、上壁の前端に対応する
位置から前壁の下端に対応する位置まで延び且つ火格子
の下方に開口して形成された第2凹部とが設けられてお
り、燃焼用空気通路は、上壁の裏面に設けられる火格子
内通路を含み、火格子内通路から燃焼用空気を排出する
第1燃焼用空気排出口が、第1凹部に開口して形成され
ると共に、火格子内通路から燃焼用空気を排出する第2
燃焼用空気排出口が、第2凹部に開口して形成されてお
り、可動火格子が前方向に移動したときには、燃焼用空
気を、可動火格子の後側に位置する固定火格子の第2燃
焼用空気排出口から可動火格子の後側に位置する固定火
格子における第2凹部及び可動火格子における第1凹部
を介して処理空間に排出すると共に、可動火格子の第1
燃焼用空気排出口から可動火格子における第1凹部を介
して処理空間に排出し、可動火格子が後方向に移動した
ときには、燃焼用空気を、可動火格子の前側に位置する
固定火格子の第1燃焼用空気排出口から可動火格子の前
側に位置する固定火格子における第1凹部を介して処理
空間に排出すると共に、可動火格子の第2燃焼用空気排
出口から可動火格子における第2凹部及び可動火格子の
前側に位置する固定火格子における第1凹部を介して処
理空間に排出することが好ましい。このように、固定火
格子及び可動火格子の側壁に、第1凹部と第2凹部とが
設けられ、燃焼用空気通路は、上壁の裏面に設けられる
火格子内通路を含み、第1燃焼用空気排出口が第1凹部
に開口して形成されると共に、火格子内通路から燃焼用
空気を排出する第2燃焼用空気排出口が第2凹部に開口
して形成されており、燃焼用空気を、可動火格子が前方
向に移動したときには、可動火格子の後側に位置する固
定火格子の第2燃焼用空気排出口から可動火格子の後側
に位置する固定火格子における第2の空間及び可動火格
子における第1凹部を介して処理空間に排出すると共
に、可動火格子の第1燃焼用空気排出口から可動火格子
における第1凹部を介して処理空間に排出し、可動火格
子が後方向に移動したときには、可動火格子の前側に位
置する固定火格子の第1燃焼用空気排出口から可動火格
子の前側に位置する固定火格子における第1凹部を介し
て処理空間に排出すると共に、可動火格子の第2燃焼用
空気排出口から可動火格子における第2凹部及び可動火
格子の前側に位置する固定火格子における第1凹部を介
して処理空間に排出することにより、燃焼用空気の排出
期間、及び、燃焼用空気の排出量等を適切に確保した状
態で燃焼用空気を確実に排出することができる構造を簡
易且つ低コストで実現することができる。
【0019】また、火格子内通路は、上壁の裏面及び前
壁の裏面をその一部として火格子の長手方向に沿って延
びる複数の通路で構成されており、燃焼用空気を火格子
内通路に流入させる燃焼用空気入口部が、火格子の上壁
から前壁への移行部分に形成されたコーナ部の領域を燃
焼用空気にて冷却するように、前壁の裏面の位置に設け
られていることが好ましい。このように、火格子内通路
が、上壁の裏面及び前壁の裏面をその一部として火格子
の長手方向に沿って延びる複数の通路で構成され、燃焼
用空気を火格子内通路に流入させる燃焼用空気入口部
が、火格子の上壁から前壁への移行部分に形成されたコ
ーナ部の領域を燃焼用空気にて冷却するように、前壁の
裏面の位置に設けらることにより、火格子の先端部分の
うち、特に高温となる、上壁から前壁への移行部分に形
成されたコーナ部の領域を燃焼用空気により効率的に冷
却することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による火格子の好適な実施形態について詳細に説明す
る。
【0021】図1は、本発明の実施形態に係る焼却炉を
含むごみ焼却システムの構成を示す図である。図2は、
焼却炉の要部を示す斜視図である。図3は、焼却炉の要
部を示す側面図である。
【0022】本焼却炉が適用されるごみ焼却システム
は、図1に示されるように、焼却炉1と、ごみピット
2、クレーン3、ガス冷却室4、空気予熱器5、余熱利
用空気加熱器6、バグフィルタ7、煙突8等を有してい
る。そして、被処理物としての都市ごみ等の被焼却物R
の乾燥及び燃焼、排ガスの処理、灰及びダストの処理、
余熱の回収、ならびに廃水処理等を連続して行う。ま
た、焼却炉1は、図2及び図3に示されるように、スト
ーカ10と、ホッパ20とを有している。
【0023】ストーカ10は、傾斜して交互に重なり合
う固定火格子段11及び可動火格子段13を備え、可動
火格子段13が前後方向に直線運動することによって焼
却炉1内にて被焼却物Rを搬送する。固定火格子段11
及び可動火格子段13はそれぞれ、固定火格子12及び
可動火格子14のそれぞれが幅方向(横方向)に複数並
んで構成されており、固定火格子段11は固定フレーム
15に、可動火格子段13は可動フレーム(図示せず)
に係止されている。そして、この可動フレームが駆動源
としての油圧シリンダ16によって駆動されることで、
可動火格子段13が固定火格子段11上(間)にて前後
方向に直線運動をなし、焼却炉1内に供給された被焼却
物Rを、撹拌、反転しながら焼却炉1内(ストーカ10
上)を移送する。
【0024】ホッパ20は、ストーカ10下に配され、
焼却炉1内へ燃焼用空気を供給すると共に、燃焼で形成
され焼却炉1内から落下する灰等を受け止める。したが
って、ストーカ10の上方には、被焼却物Rが燃焼する
被焼却物焼却空間S1が形成され、また、ストーカ10
の下方には(ストーカ10とホッパ20とで画成される
空間)、燃焼用空気供給空間S2が形成されることにな
る。ここで、被焼却物焼却空間S1は、各請求項におけ
る処理空間を構成している。
【0025】焼却炉1ではまた、可動火格子14(可動
火格子段13及び可動フレーム)を直線運動可能に支持
する支持手段を有している。
【0026】上述したように被焼却物Rを搬送する前後
方向及び横方向に複数並設されてストーカ10を構成す
る、火格子(固定火格子12又は可動火格子14)は、
図4〜図11に示されるように、上壁31、前壁32、
後壁33、側壁34、及び、下壁35を有している。上
壁31は、被焼却物Rが載る積載面を構成するもので、
被焼却物Rを搬送する前後方向に延びる平滑な面として
形成されている。前壁32は、上壁31に連続して形成
されており、上壁31から前壁32への移行部分にはコ
ーナ部36が形成されている。後壁33は、前壁32と
同様に、上壁31に連続して形成されており、この後壁
33には軸嵌め込み部37が設けられている。側壁34
は、前壁32及び後壁33と同様に、上壁31に連続し
て、一対形成されている。下壁35は、前壁32の下端
から後方向に延びて形成されている。
【0027】上壁31から前壁32にかけての裏面に
は、図7及び図8に示されるように、火格子(固定火格
子12又は可動火格子14)の長手方向(前後方向)に
延びる立壁38が複数立設されている。また、上壁31
から前壁32にかけての裏面には、略J字状に形成され
たステンレス合金製の蓋部材39が、立壁38に当接さ
せた状態で取付け固定されている。この蓋部材39は、
その先端部と下壁35の表面との間に所定間隔の隙間4
0が形成されると共に、その後端部が上壁31の裏面に
おいて側壁34間をつなぐようにして立設された横壁4
1に当接するようにして、取付けられている。
【0028】蓋部材39が取付けられた状態において
は、蓋部材39の先端部と下壁35の表面との間に所定
間隔の隙間40は、前壁32の下側部分の裏面側に位置
する。また、蓋部材39が取付けられた状態において
は、上壁31から前壁32にかけての裏面と、立壁38
と、蓋部材39とで画成されて、火格子(固定火格子1
2又は可動火格子14)の長手方向(前後方向)に延び
る複数の空間が形成され、複数の空間の夫々が火格子内
通路42を構成する。本実施形態においては、5本の火
格子内通路42が設けられることになる。
【0029】一対の側壁34の一方には、図4に示され
るように、第1凹部43と、第2凹部44と、第3凹部
45が設けられている。第1凹部43は、側壁34の上
壁31近傍の部分において、火格子(固定火格子12又
は可動火格子14)の長手方向(前後方向)に見て略中
央部から火格子(固定火格子12又は可動火格子14)
の後端まで長手方向に沿って延び、火格子(固定火格子
12又は可動火格子14)の上方に開口して形成されて
いる。この第1凹部43は、隣接する火格子(固定火格
子12又は可動火格子14)の側壁34とで第1の空間
46を画成する。第1凹部43の前側端部には、この第
1凹部43の前側端部の底部から下方に延びて形成さ
れ、第1の空間46と燃焼用空気供給空間S2とを連通
するための第4凹部47が形成されている。第4凹部4
7は、隣接する火格子(固定火格子12又は可動火格子
14)の側壁34とで、第1の空間46と燃焼用空気供
給空間S2とを連通する連通路48を形成する。
【0030】第2凹部44は、上壁31から前壁32に
かけての湾曲形状に沿って、上壁31の前端近傍に対応
する位置から前壁32の下端(下壁35の裏面)に対応
する位置まで延び、火格子(固定火格子12又は可動火
格子14)の下方に開口して形成されている。この第2
凹部44は、隣接する火格子(固定火格子12又は可動
火格子14)の側壁34とで第2の空間49を画成す
る。
【0031】第3凹部45は、下壁35の後端近傍に対
応する位置において、火格子(固定火格子12又は可動
火格子14)の下方に開口して形成されている。第3凹
部45には、後述する板部材50が係合する突出片51
が溶接等により取り付け固定される。
【0032】火格子(固定火格子12又は可動火格子1
4)の長手方向(前後方向)に見て略中央部に位置す
る、側壁34の第1凹部43が形成された部分には、第
1穴部52が穿設されている。第1穴部52は、上壁3
1から前壁32にかけての裏面、立壁38及び蓋部材3
9で画成された複数の火格子内通路42を、第1凹部4
3と隣接する火格子(固定火格子12又は可動火格子1
4)の側壁34とで画成される第1の空間46に連通す
る。
【0033】また、側壁34の第2凹部44が形成され
た部分には、第2穴部53が穿設されている。第2穴部
53は、上壁31から前壁32にかけての裏面、立壁3
8及び蓋部材39で画成された複数の火格子内通路42
を、第2凹部44と隣接する火格子(固定火格子12又
は可動火格子14)の側壁34とで画成される第2の空
間49に連通する。
【0034】上述したように構成された火格子(固定火
格子12又は可動火格子14)においては、蓋部材39
の先端部と下壁35の表面との間に形成された所定間隔
の隙間40が、前壁32の裏面の位置において、燃焼用
空気供給空間S2に連通するので、燃焼用空気供給空間
S2に供給された燃焼用空気が、蓋部材39の先端部と
下壁35の表面との間に形成された所定間隔の隙間40
から、夫々の火格子内通路42に流入する。火格子内通
路42に流入した燃焼用空気は、火格子(固定火格子1
2又は可動火格子14)の前側から後側に向けて夫々の
火格子内通路42内を独立して流れ、第1穴部52から
第1の空間46に排出される。第1穴部52から第1の
空間46に排出された燃焼用空気は、火格子(固定火格
子12又は可動火格子14)の長手方向(前後方向)に
見て略中央部から被焼却物焼却空間S1に排出されるこ
とになる。
【0035】また、火格子内通路42に流入した燃焼用
空気は、火格子(固定火格子12又は可動火格子14)
の前側から後側に向けて夫々の火格子内通路42内を独
立して流れ、第2穴部53から第2の空間49に排出さ
れる。第2穴部53から第2の空間49に排出された燃
焼用空気は、火格子(固定火格子12又は可動火格子1
4)の側方から見て前壁32の下方から被焼却物焼却空
間S1に排出されることになる。
【0036】ここで、火格子内通路42、第1凹部43
(第1の空間46)、第2凹部44(第2の空間4
9)、第1穴部52、及び、第2穴部53が各請求項に
おける燃焼用空気通路を構成し、更に、第1穴部52が
各請求項における燃焼用空気排出口(第1燃焼用空気排
出口)を構成すると共に、第2穴部53が各請求項にお
ける燃焼用空気排出口(第2燃焼用空気排出口)を構成
している。また、蓋部材39の先端部と下壁35の表面
との間に形成された所定間隔の隙間40が各請求項にお
ける燃焼用空気入口部を構成している。
【0037】以上のように、本実施形態の火格子(固定
火格子12又は可動火格子14)によれば、燃焼用空気
が、蓋部材39の先端部と下壁35の表面との間に形成
された所定間隔の隙間40から夫々の火格子内通路42
に流入し、火格子(固定火格子12又は可動火格子1
4)の前側から後側に向けて夫々の火格子内通路42内
を独立して流れるので、複数の火格子内通路42の夫々
が独立した冷却用通路として機能し、燃焼用空気が冷却
用空気として火格子(固定火格子12又は可動火格子1
4)内において折り返すことなく流れ、燃焼用空気の昇
温が抑制される。このため、火格子(固定火格子12又
は可動火格子14)を効率的に冷却することができ、そ
の酸化腐食や焼損の発生を抑制することができる。
【0038】なお、火格子内通路42における熱伝達率
2は、下記の(1)式で表されることから、火格子内
通路42の通路断面積を小さくすることにより火格子内
通路42の相当直径Deが小さくなり、火格子内通路4
2の熱伝達率が高くなる。したがって、火格子内通路4
2の通路断面積を小さくして火格子内通路42の数を増
加させることにより、火格子内通路42による火格子
(固定火格子12又は可動火格子14)の冷却性能をよ
り一層向上することができる。 h2=(λ/De)*Nu ………… (1) ここで、λ:燃焼用空気の熱伝導率 De:火格子内通路42の断面を円とした場合の直径
(相当直径) Nu:ヌッセルト数
【0039】また、ストーカ10(火格子)の下方に形
成される燃焼用空気供給空間S2に供給された燃焼用空
気を冷却用空気として用いることができ、新たに冷却用
空気を供給する装置等を設けることなく、火格子(固定
火格子12又は可動火格子14)を冷却することができ
る。この結果、火格子(固定火格子12又は可動火格子
14)を効率的に冷却することができる構造を簡易且つ
低コストで実現可能となる。
【0040】また、火格子(固定火格子12又は可動火
格子14)においては、第1凹部43が、火格子(固定
火格子12又は可動火格子14)の長手方向(前後方
向)に見て略中央部から火格子(固定火格子12又は可
動火格子14)の後端まで長手方向に沿って延び、火格
子(固定火格子12又は可動火格子14)の上方に開口
して形成され、更に、第1穴部52が、第1の空間46
と火格子内通路42とを連通するようにして穿設されて
おり、燃焼用空気を火格子(固定火格子12又は可動火
格子14)の長手方向に見て略中央部から被焼却物焼却
空間S1に確実に排出することができる燃焼用空気の通
路構造を簡易且つ低コストで実現することができる。
【0041】また、火格子(固定火格子12又は可動火
格子14)においては、第2凹部44が、上壁31から
前壁32にかけての湾曲形状に沿って、上壁31の前端
近傍に対応する位置から前壁32の下端(下壁35の裏
面)に対応する位置まで延び、火格子(固定火格子12
又は可動火格子14)の下方に開口して形成され、更
に、第2穴部53が、第2の空間49と火格子内通路4
2とを連通するようにして穿設されており、燃焼用空気
を火格子(固定火格子12又は可動火格子14)の前壁
32の下方から被焼却物焼却空間S1に確実に排出する
ことができる燃焼用空気の通路構造を簡易且つ低コスト
で実現することができる。
【0042】また、火格子内通路42は、上壁31の裏
面をその一部として火格子の長手方向に沿って延びて設
けられており、燃焼用空気が、火格子(固定火格子12
又は可動火格子14)の先端側に位置することになる、
蓋部材39の先端部と下壁35の表面との間に形成され
た所定間隔の隙間40から流入するので、高温となる火
格子(固定火格子12又は可動火格子14)の先端部分
を効率的に冷却することができ、この先端部分における
酸化腐食や焼損の発生を抑制することができる。火格子
内通路42を流れることにより燃焼用空気は徐々に昇温
することになるが、火格子内通路42が上壁31の裏面
をその一部として火格子の長手方向に沿って延びて設け
られ、燃焼用空気が火格子の先端側の位置から流入する
ことにより、火格子内通路42に入った直後の比較的温
度の低い燃焼用空気にて火格子の先端部分が冷却される
ためである。
【0043】また、蓋部材39の先端部と下壁35の表
面との間に形成された所定間隔の隙間40は、前壁32
の下側部分の裏面側に設けられることになり、この間隙
から夫々の火格子内通路42内に入った燃焼用空気は、
火格子(固定火格子12又は可動火格子14)のコーナ
部36の領域を冷却するので、火格子(固定火格子12
又は可動火格子14)の先端部分のうち、特に高温とな
るコーナ部36の領域を燃焼用空気により効率的に冷却
することができる。
【0044】また、立壁38に当接する状態で蓋部材3
9が設けられ、上壁31から前壁32にかけての裏面
と、立壁38と、蓋部材39とで画成されて、火格子
(固定火格子12又は可動火格子14)の長手方向(前
後方向)に延びる複数の空間により火格子内通路42が
形成されることにより、複数の独立した火格子内通路4
2を簡易且つ低コストで実現することができる。
【0045】ストーカ10において、火格子(固定火格
子12又は可動火格子14)は、図12〜図14に示さ
れるように、前側に位置する火格子(固定火格子12又
は可動火格子14)の上方に後側に位置する火格子(可
動火格子14又は固定火格子12)の一部(前側部分)
が重なるように、後側に位置する火格子(可動火格子1
4又は固定火格子12)の下壁35が前側に位置する火
格子(固定火格子12又は可動火格子14)の上壁31
の載置された状態で配設されている。図12は、可動火
格子14が前方向に移動した状態を示し、図13は、可
動火格子14が後方向に移動した状態を示し、図14
は、可動火格子14が前方向に移動した状態と後方向に
移動した状態との中間に位置する状態を示している。ま
た、図12〜図14においては、2体の固定火格子12
と1体の可動火格子14のみを図示している。なお、図
12〜図14において、符号に付与されている添字
「a」は、可動火格子14の後側に位置する固定火格子
12であることを示し、符号に付与されている添字
「b」は、可動火格子14であることを示し、符号に付
与されている添字「c」は、可動火格子14の前側に位
置する固定火格子12であることを示している。
【0046】火格子(固定火格子12又は可動火格子1
4)の第1凹部43a,43b,43c(第1の空間4
6a,46b,46c)の夫々には、図12及び図13
に示されるように、板部材50が配設されている。板部
材50は、略長方形のステンレス合金製の板材からな
り、その長辺方向を第1凹部43a,43b,43c
(第1の空間46a,46b,46c)の延びる方向
(火格子(固定火格子12又は可動火格子14)の長手
方向(前後方向))とすると共に、その短辺方向を略上
下方向として配設されている。板部材50の前側上方に
位置する角部近傍には、切り欠き部54が形成されてい
る。この切り欠き部54は、第3凹部45a,45b,
45cに固定された突出片51が着脱可能に係合するた
めのもので、前側に位置する火格子(固定火格子12又
は可動火格子14)の第1凹部43a,43b,43c
(第1の空間46a,46b,46c)に配設された板
部材50は、後側に位置する火格子(可動火格子14又
は固定火格子12)に設けられる突出片51に係合され
ることになる。
【0047】可動火格子14に設けられた突出片51に
係合される板部材50は、可動火格子14の前後方向の
移動に伴い、可動火格子14の前側に位置する固定火格
子12の第1凹部43c(第1の空間46c)内を可動
火格子14と共に前後方向に移動する。また、可動火格
子14の後側に位置する固定火格子12に設けられた突
出片51に係合される板部材50は、可動火格子14の
前後方向の移動に伴い、固定火格子12の前側に位置す
る可動火格子14の第1凹部43b(第1の空間46
b)内を前後方向に相対的に移動することになる。
【0048】ここで、板部材50の大きさは、板部材5
0が第1凹部43a,43b,43c(第1の空間46
a,46b,46c)内において最も前側の位置にある
ときに、板部材50が第1穴部52a,52b,52c
を閉塞できるように設定されている。また、板部材50
の板厚は、第1凹部43a,43b,43cの幅と同等
に設定されている。
【0049】次に、上述したように火格子(固定火格子
12又は可動火格子14)及び板部材50が配設された
ストーカ10における、燃焼用空気の排出について説明
する。可動火格子14が前方向に移動した状態(図12
に示された状態)のときには、可動火格子14の後側に
位置する固定火格子12において、蓋部材39の先端部
と下壁35aの表面との間に形成された所定間隔の隙間
40aから固定火格子12の火格子内通路42aに流入
した燃焼用空気は、固定火格子12のコーナ部36aを
冷却しながら火格子内通路42aを流れ、第2穴部53
aから第2凹部44a(第2の空間49a)に排出され
る。第2穴部53aから第2凹部44a(第2の空間4
9a)に排出された燃焼用空気は、固定火格子12の前
側に位置する可動火格子14の第1凹部43b(第1の
空間46b)を通って、固定火格子12の側方から見て
前壁32aの下方から被焼却物焼却空間S1に排出され
ることになる(図中、矢印Aの流れ)。
【0050】可動火格子14においては、蓋部材39の
先端部と下壁35bの表面との間に形成された所定間隔
の隙間40bから可動火格子14の火格子内通路42b
に流入した燃焼用空気は、可動火格子14のコーナ部3
6bを冷却しながら火格子内通路42bを流れ、第1穴
部52bから第1凹部43b(第1の空間46b)に排
出される。第1穴部52bから第1凹部43b(第1の
空間46b)に排出された燃焼用空気は可動火格子14
の長手方向(前後方向)に見て略中央部から被焼却物焼
却空間S1に排出されることになる(図中、矢印Bの流
れ)。なお、可動火格子14の第2凹部44b(第2の
空間49b)は、可動火格子14の前側に位置する固定
火格子12の上壁31cの表面にて被焼却物焼却空間S
1とは遮断された状態とされるので、燃焼用空気が可動
火格子14の第2凹部44b(第2の空間49b)から
被焼却物焼却空間S1に排出されることはない。
【0051】ここで、可動火格子14の第1凹部43b
(第1の空間46b)の後側端部は、可動火格子14の
後側に位置する固定火格子12に設けられた突出片51
に係合された板部材50により閉塞されており、可動火
格子14の第1の空間46bと燃焼用空気供給空間S2
とが遮断された状態となっている。このため、燃焼用空
気が燃焼用空気供給空間S2から火格子内通路42bを
通ることなく、第1凹部43b(第1の空間46b)の
後側端部から被焼却物焼却空間S1に抜けてしまうこと
はなく、燃焼用空気を確実に火格子内通路42bを通す
ことができ、可動火格子14の冷却効率を向上すること
ができる。
【0052】また、可動火格子14に設けられた突出片
51に係合された板部材50は、可動火格子14の前側
に位置する固定火格子12の第1穴部52cを閉塞して
いる。可動火格子14の前側に位置する固定火格子12
の第1穴部52cは、可動火格子14の下方に位置する
ために、板部材50がない場合には、燃焼用空気供給空
間S2と第1穴部52cとが連通して、燃焼用空気が第
1穴部52cから火格子内通路42に流入することにな
る。しかしながら、上述したように、可動火格子14の
前側に位置する固定火格子12の第1穴部52cが板部
材50により閉塞されているので、燃焼用空気が第1穴
部52cから火格子内通路42に流入することはない。
【0053】次に、可動火格子14が前方向に移動した
状態(図12に示された状態)から可動火格子14が後
方向に移動した状態(図13に示された状態)のときに
は、可動火格子14の第2凹部44b(第2の空間49
b)は、可動火格子14の前側に位置する固定火格子1
2の第1凹部43c(第1の空間46c)を介して被焼
却物焼却空間S1とつながった状態となる。この状態に
おいては、燃焼用空気が可動火格子14の第2凹部44
b(第2の空間49b)を通って、可動火格子14の側
方から見て前壁32bの下方から被焼却物焼却空間S1
に排出されることになる(図中、矢印Cの流れ)。
【0054】また、可動火格子14の後方への移動に伴
い、可動火格子14に設けられた突出片51に係合され
た板部材50は、可動火格子14と共に可動火格子14
の前側に位置する固定火格子12の第1凹部43c(第
1の空間46c)内を後方に移動することから、可動火
格子14の前側に位置する固定火格子12の第1穴部5
2cが開いた状態となる。この第1穴部52cが開いた
状態においては、可動火格子14の前側に位置する固定
火格子12において、蓋部材39の先端部と下壁35c
の表面との間に形成された所定間隔の隙間40cから固
定火格子12の火格子内通路42cに流入した燃焼用空
気は、固定火格子12のコーナ部36cを冷却しながら
火格子内通路42cを流れ、第1穴部52cから第1凹
部43c(第1の空間46c)に排出される。このた
め、第1穴部52cから第1凹部43c(第1の空間4
6c)に排出された燃焼用空気は固定火格子12の長手
方向(前後方向)に見て略中央部から被焼却物焼却空間
S1に排出されることになる(図中、矢印Dの流れ)。
【0055】可動火格子14が、前方向に移動した状態
(図12に示された状態)と可動火格子14が後方向に
移動した状態(図13に示された状態)との中間の位置
にあるときには、図14に示されるように、可動火格子
14の後側に位置する固定火格子12の第2穴部53a
から第2凹部44a(第2の空間49a)に排出された
燃焼用空気は、固定火格子12の前側に位置する可動火
格子14の第1凹部43b(第1の空間46b)を通っ
て、固定火格子12の側方から見て前壁32aの下方か
ら被焼却物焼却空間S1に排出されることになる(図
中、矢印Aの流れ)。可動火格子14の第1穴部52b
から第1凹部43b(第1の空間46b)に排出された
燃焼用空気は可動火格子14の長手方向(前後方向)に
見て略中央部から被焼却物焼却空間S1に排出されるこ
とになる(図中、矢印Bの流れ)。また、可動火格子1
4の第2穴部53bから第2凹部44b(第2の空間4
9b)に排出された燃焼用空気は、可動火格子14の前
側に位置する固定火格子12の第1凹部43c(第1の
空間46c)を通って、可動火格子14の側方から見て
前壁32bの下方から被焼却物焼却空間S1に排出され
ることになる(図中、矢印Cの流れ)。可動火格子14
の前側に位置する固定火格子12の第1穴部52cから
第1凹部43c(第1の空間46c)に排出された燃焼
用空気は固定火格子12の長手方向(前後方向)に見て
略中央部から被焼却物焼却空間S1に排出されることに
なる(図中、矢印Dの流れ)。
【0056】可動火格子14の後方向への移動に伴い、
可動火格子14の後側に位置する固定火格子12に設け
られた突出片51に係合された板部材50は、可動火格
子14の第1凹部43b(第1の空間46b)内を前方
向に相対的に移動する。板部材50が所定の位置まで移
動すると、固定火格子12に設けられた突出片51に係
合された板部材50は、可動火格子14の第1穴部52
bを閉塞する。可動火格子14の後方向への移動によ
り、可動火格子14の第1穴部52bは、可動火格子1
4の後側に位置する固定火格子12の下方に位置するよ
うになる。このため、板部材50がない場合には、燃焼
用空気供給空間S2と第1穴部52bとが連通して、燃
焼用空気が第1穴部52bから火格子内通路42bに入
ることになるが、上述したように、可動火格子14の第
1穴部52bが板部材50により閉塞されているので、
燃焼用空気が第1穴部52bから火格子内通路42bに
入ることはない。
【0057】可動火格子14の後側に位置する固定火格
子12の第2凹部44a(第2の空間49a)は、可動
火格子14の上壁31bの表面にて被焼却物焼却空間S
1とは遮断された状態とされるので、燃焼用空気が可動
火格子14の後側に位置する固定火格子12の第2凹部
44a(第2の空間49a)から被焼却物焼却空間S1
に排出されることはない。
【0058】可動火格子14の第1凹部43bは上方に
開口しているために、燃焼で形成された灰等が可動火格
子14の第1凹部43bに堆積する惧れがある。しかし
ながら、上述した板部材50の前方への移動に伴い、板
部材50は可動火格子14の第1凹部43bに堆積した
灰等を前方に掻き出していき、板部材50が可動火格子
14の第1凹部43bにおいて最も前方の位置にまで移
動したときに、板部材50により掻き出された灰等が、
第4凹部47b(連通路48b)から下方(燃焼用空気
供給空間S2)に落下することになる。
【0059】同様に、固定火格子12の第1凹部43c
も上方に開口しているために、可動火格子14の第1凹
部43bと同様に、燃焼で形成された灰等が固定火格子
12の第1凹部43cに堆積する惧れがある。しかしな
がら、可動火格子14が後方向に移動した状態(図13
に示された状態)から前方に移動するときに、可動火格
子14と共に板部材50が可動火格子14の前側に位置
する固定火格子12の第1凹部43c内を移動するの
で、板部材50は固定火格子12の第1凹部43cに堆
積した灰等を前方に掻き出していく。その後、板部材5
0が固定火格子12の第1凹部43cにおいて最も前方
の位置にまで移動したときに、板部材50により掻き出
された灰等が、第4凹部47c(連通路48c)から下
方(燃焼用空気供給空間S2)に落下することになる。
【0060】以上のように、本実施形態の火格子(固定
火格子12又は可動火格子14)によれば、まず、可動
火格子14が前方向に移動したときには、燃焼用空気
は、可動火格子14の後側に位置する固定火格子12の
第2穴部53aから第2凹部44a(第2の空間49
a)に排出され、更に、可動火格子14の第1凹部43
b(第1の空間46b)を通って、固定火格子12の側
方から見て前壁32aの下方から被焼却物焼却空間S1
に排出される。また、燃焼用空気は、可動火格子14の
第1穴部52bから第1凹部43b(第1の空間46
b)に排出されて、可動火格子14の長手方向(前後方
向)に見て略中央部から被焼却物焼却空間S1に排出さ
れる。
【0061】一方、可動火格子14が後方向に移動した
ときには、燃焼用空気は、可動火格子14の前側に位置
する固定火格子12の第1穴部52cから第1凹部43
c(第1の空間46c)に排出されて、固定火格子12
の長手方向(前後方向)に見て略中央部から被焼却物焼
却空間S1に排出される。また、燃焼用空気は、可動火
格子14の第2穴部53bから第2凹部44b(第2の
空間49b)に排出され、更に、可動火格子14の前側
に位置する固定火格子12の第1凹部43c(第1の空
間46c)を通って、可動火格子14の側方から見て前
壁32bの下方から被焼却物焼却空間S1に排出され
る。
【0062】したがって、燃焼用空気は、火格子(固定
火格子12又は可動火格子14)の長手方向に見て略中
央部から被焼却物焼却空間S1に排出されると共に、前
壁32a,32bの下方から被焼却物焼却空間S1に排
出されるので、高温となる火格子(固定火格子12又は
可動火格子14)の先端部分を避けて、燃焼用空気が排
出されることになる。燃焼用空気が排出される、火格子
(固定火格子12又は可動火格子14)の長手方向に見
て略中央部、及び、前壁32a,32bの下方は、先端
部分に比して温度が低いために、これらの位置から燃焼
用空気を排出したとしても、酸化腐食は生じ難く、これ
らの位置での焼損の発生を抑制することができる。この
結果、被焼却物焼却空間S1に排出される燃焼用空気の
量が、被焼却物Rを適切に燃焼させることができるよう
に設定された値から変化することが抑制され、被焼却物
焼却空間S1における被焼却物Rの燃焼制御を適切に行
うことができる。
【0063】また、燃焼用空気は、可動火格子14が前
方向に移動したとき、及び、可動火格子14が後方向に
移動したときにおいても、被焼却物焼却空間S1に排出
されるので、火格子(固定火格子12又は可動火格子1
4)の先端部分以外の位置から燃焼用空気を排出するよ
うに構成したにも関わらず、燃焼用空気の排出期間、及
び、燃焼用空気の排出量等が適切に確保されることにな
る。このため、被焼却物Rの燃焼性の悪化を抑制するこ
とができる。また、燃焼用空気の排出期間、及び、燃焼
用空気の排出量等を適切に確保した状態で燃焼用空気を
確実に排出することができる構造を簡易且つ低コストで
実現することもできる。
【0064】また、板部材50が火格子(固定火格子1
2又は可動火格子14)の第1凹部43b,43c内を
前方向に移動したときに、板部材50により掻き出され
た灰等が、第4凹部47b,47c(連通路48b,4
8c)から下方(燃焼用空気供給空間S2)に落下する
ので、第1凹部43b,43cへの灰等の堆積を防止で
き、第1穴部52b,52c等の目詰まりを防ぎ燃焼用
空気の流通状態を適切に維持することができる。
【0065】通常、この種の焼却炉においては、隣接す
る火格子(固定火格子12又は可動火格子14)間にお
いて相対動作を行わせることにより灰等を下方に落下さ
せて、隣接する火格子(固定火格子12又は可動火格子
14)間の隙間に形成される燃焼用空気排出口の目詰ま
りを防止していたが、本実施形態においては、板部材5
0の移動により目詰まりの原因となる灰等を下方に落下
させているので、上述したような、隣接する火格子(固
定火格子12又は可動火格子14)間において相対動作
を行わせるための機構が不要となり、火格子(固定火格
子12又は可動火格子14)を含むストーカ10等の構
成を簡素化することが可能となる。
【0066】また、第4凹部47b,47c(連通路4
8b,48c)は、第1凹部43b,43cの前端部近
傍に位置して形成されているので、板部材50により灰
等を効率的に掻き出して第4凹部47b,47c(連通
路48b,48c)から排出することができ、第1穴部
52b,52c等の目詰まりを確実に防止することがで
きる。
【0067】また、板部材50は、後側に位置する火格
子(固定火格子12又は可動火格子14)の第3凹部4
5a,45b,45cに固定された突出片51が着脱可
能に係合する切り欠き部54が形成されており、板部材
50が火格子(可動火格子14)の移動に対して障害と
ならないように、板部材50の動きに自由度を持たせた
状態で、この板部材50を配設することが可能となる。
また、板部材50が摩耗した場合等において、板部材5
0の交換を容易に行うことができる。
【0068】また、板部材50は、後側に位置する火格
子(固定火格子12又は可動火格子14)の下壁35
a,35b,35cの下方に位置することになり、この
板部材50を焼却炉(被焼却物焼却空間S1)内の熱か
ら保護することができる。
【0069】ところで、可動火格子14が前方向又は後
方向に移動したときに、第1穴部52b,52cが火格
子(固定火格子12又は可動火格子14)の下側に位置
して燃焼用空気供給空間S2に直接開口するときがあ
り、このときには第1穴部52b,52cから燃焼用空
気が火格子内通路42b,42cに流入することになる
ため、蓋部材39の先端部と下壁35の表面との間に形
成された所定間隔の隙間40b,40cから流入する燃
焼用空気の量が少なくなり、コーナ部36b,36cの
冷却効率が低下することになる。しかしながら、板部材
50が第1凹部43b,43c内を前方向に移動したと
きに、上述した第1穴部52b,52cが板部材50に
より閉塞されるので、第1穴部52b,52cからの燃
焼用空気の火格子内通路42b,42cへの流入が妨げ
られることになり、隙間から流入する燃焼用空気の量の
減少が抑制されて、コーナ部36b,36cの冷却効率
の低下を防止することができる。
【0070】なお、本実施形態においては、燃焼用空気
が蓋部材39の先端部と下壁35の表面との間に形成さ
れた所定間隔の隙間40から火格子内通路42に流入す
る、すなわち燃焼用空気が火格子内通路42の前側から
流入して火格子内通路42内を後方向に流れるように構
成されているが、これに限られることなく、燃焼用空気
が火格子内通路42の後側から流入して火格子内通路4
2内を前方向に流れるように構成するようにしてもよ
い。
【0071】また、本実施形態においては、火格子(固
定火格子12又は可動火格子14)の上壁31の裏面に
立壁38を設けるようにしているが、これに限られるこ
となく、火格子(固定火格子12又は可動火格子14)
の上壁31の裏面を平滑にして、蓋部材39側に立壁3
8に相当する仕切り部を形成するようにしてもよい。
【0072】また、本実施形態においては、燃焼用空気
を、火格子(固定火格子12又は可動火格子14)の長
手方向に見て略中央部から被焼却物焼却空間S1に排出
すると共に、前壁32の下方から被焼却物焼却空間S1
に排出するように構成しているが、これに限られること
なく、たとえば火格子(固定火格子12又は可動火格子
14)の長手方向に見て略中央部からのみ燃焼用空気を
被焼却物焼却空間S1に排出するように構成してもよ
く、また、火格子(固定火格子12又は可動火格子1
4)の前壁32の下方からのみ被焼却物焼却空間S1に
排出するように構成してもよい。
【0073】また、可動火格子14の移動させる機構に
ついては、固定火格子12を挟んで互いに反対方向に往
復移動させるように構成してもよく、また、固定火格子
12を挟んで互いに同一方向に往復移動させるように構
成してもよい。
【0074】また、本実施形態においては、本発明を都
市ごみ等の被焼却物Rを焼却する焼却炉に適用している
が、これに限られることなく、都市ごみ又は下水汚泥等
を焼却して得られた焼却灰や飛灰を被処理物として溶融
処理する廃棄物の溶融炉等にも本発明を適用することが
できる。
【0075】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、焼損の発生を抑制し、処理空間における被処理
物の燃焼制御を適切に行うことが可能な、火格子を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る焼却炉を含むごみ焼却
システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る焼却炉の要部の構成を
示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る焼却炉の要部の構成を
示す側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る焼却炉の火格子の構成
を示す側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る焼却炉の火格子の構成
を示す底面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る焼却炉の火格子の構成
を示す背面図である。
【図7】図4におけるVII−VII線断面図である。
【図8】図4におけるVIII−VIII線断面図であ
る。
【図9】図4におけるIX−IX線断面図である。
【図10】図4におけるX−X線断面図である。
【図11】図5におけるXI−XI線断面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る焼却炉の火格子の動
作を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態に係る焼却炉の火格子の動
作を示す説明図である。
【図14】本発明の実施形態に係る焼却炉の火格子の動
作を示す説明図である。
【符号の説明】
1…焼却炉、10…ストーカ、11…固定火格子段、1
2…固定火格子、13…可動火格子段、14…可動火格
子、31…上壁、32…前壁、33…後壁、34…側
壁、35…下壁、36…コーナ部、38…立壁、39…
蓋部材、40…隙間、41…横壁、42…火格子内通
路、43…第1凹部、44…第2凹部、45…第3凹
部、46…第1の空間、47…第4凹部、48…連通
路、49…第2の空間、50…板部材、51…突出片、
52…第1穴部、53…第2穴部、54…切り欠き部、
R…被焼却物、S1…被焼却物焼却空間、S2…燃焼用
空気供給空間。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方の処理空間と下方の燃焼用空気供給
    空間との間に、被処理物を搬送する前後方向に複数配設
    されてストーカを構成する、火格子であって、 前記火格子には、前記燃焼用空気供給空間に供給された
    燃焼用空気を、前記火格子の長手方向に見て略中央部か
    ら前記処理空間に排出するための燃焼用空気通路が形成
    されていることを特徴とする火格子。
  2. 【請求項2】 前記火格子は、上壁と、前記上壁に連続
    する前壁とを有しており、 前記燃焼用空気通路は、前記上壁の裏面に設けられる火
    格子内通路を含み、 前記燃焼用空気を前記火格子内通路から前記処理空間に
    排出する燃焼用空気排出口が、前記火格子の長手方向に
    見て略中央部に形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の火格子。
  3. 【請求項3】 前記火格子の側壁には、前記火格子の長
    手方向に沿って延び且つ前記火格子の上方に開口して形
    成された凹部が設けられており、 前記燃焼用空気排出口は、前記凹部で画成される空間に
    開口して形成されていることを特徴とする請求項2に記
    載の火格子。
  4. 【請求項4】 上方の処理空間と下方の燃焼用空気供給
    空間との間に、被処理物を搬送する前後方向に複数配設
    されてストーカを構成する、火格子であって、 前記火格子は、上壁と、前記上壁に連続する前壁とを有
    しており、 前記火格子には、前記燃焼用空気供給空間に供給された
    燃焼用空気を、前記前壁の下方から前記処理空間に排出
    するための燃焼用空気通路が形成されていることを特徴
    とする火格子。
  5. 【請求項5】 前記火格子の側壁には、少なくとも前記
    上壁の前端に対応する位置から前記前壁の下端に対応す
    る位置まで延び且つ前記火格子の下方に開口して形成さ
    れた凹部が設けられており、 前記燃焼用空気通路は、前記上壁の裏面に設けられる火
    格子内通路を含み、 前記火格子内通路から前記燃焼用空気を排出する燃焼用
    空気排出口が、前記凹部で画成される空間に開口して形
    成されていることを特徴とする請求項4に記載の火格
    子。
  6. 【請求項6】 上方の処理空間と下方の燃焼用空気供給
    空間との間に、被処理物を搬送する前後方向に複数配設
    される、火格子であって、 前記火格子は、上壁と、前記上壁に連続する前壁とを有
    しており、 前記火格子には、前記燃焼用空気供給空間に供給された
    燃焼用空気を、前記火格子の長手方向に見て略中央部及
    び前記前壁の下方から前記処理空間に排出するための燃
    焼用空気通路が形成されており、 前記火格子の側壁には、前記火格子の長手方向に沿って
    延び且つ前記火格子の上方に開口して形成された第1凹
    部と、前記上壁の前端に対応する位置から前記前壁の下
    端に対応する位置まで延び且つ前記火格子の下方に開口
    して形成された第2凹部とが設けられ、 前記燃焼用空気通路は、前記上壁の裏面に設けられる火
    格子内通路を含み、 前記火格子内通路から前記燃焼用空気を排出する第1燃
    焼用空気排出口が、前記第1凹部に開口して形成される
    と共に、 前記火格子内通路から前記燃焼用空気を排出する第2燃
    焼用空気排出口が、前記第2凹部に開口して形成されて
    いることを特徴とする火格子。
  7. 【請求項7】 上方の処理空間と下方の燃焼用空気供給
    空間との間に、被処理物を搬送する前後方向に複数配設
    されてストーカを構成する、火格子であって、 前記ストーカを構成する前記火格子は、固定火格子と、
    前記前後方向に移動可能に設けられた可動火格子とから
    なり、前記前後方向に交互に且つ前側に位置する火格子
    の上方に後側に位置する火格子の前部が重なるように配
    置されており、 前記固定火格子及び前記可動火格子は、上壁と、前記上
    壁に連続する前壁とを有し、 前記固定火格子及び前記可動火格子には、前記燃焼用空
    気供給空間に供給された燃焼用空気を、前記火格子の長
    手方向に見て略中央部及び前記前壁の下方から前記処理
    空間に排出するための燃焼用空気通路が形成されてお
    り、 前記可動火格子が前方向に移動したときには、前記燃焼
    用空気を、前記可動火格子の後側に位置する前記固定火
    格子の前記前壁の下方から前記処理空間に排出すると共
    に、前記可動火格子の長手方向に見て略中央部から前記
    処理空間に排出し、 前記可動火格子が後方向に移動したときには、前記燃焼
    用空気を、前記可動火格子の前側に位置する前記固定火
    格子の長手方向に見て略中央部から前記処理空間に排出
    すると共に、前記可動火格子の前記前壁の下方から前記
    処理空間に排出することを特徴とする火格子。
  8. 【請求項8】 前記固定火格子及び前記可動火格子の側
    壁には、前記火格子の長手方向に沿って延び且つ前記火
    格子の上方に開口して形成された第1凹部と、前記上壁
    の前端に対応する位置から前記前壁の下端に対応する位
    置まで延び且つ前記火格子の下方に開口して形成された
    第2凹部とが設けられており、 前記燃焼用空気通路は、前記上壁の裏面に設けられる火
    格子内通路を含み、 前記火格子内通路から前記燃焼用空気を排出する第1燃
    焼用空気排出口が、前記第1凹部に開口して形成される
    と共に、 前記火格子内通路から前記燃焼用空気を排出する第2燃
    焼用空気排出口が、前記第2凹部に開口して形成されて
    おり、 前記可動火格子が前方向に移動したときには、前記燃焼
    用空気を、前記可動火格子の後側に位置する前記固定火
    格子の前記第2燃焼用空気排出口から前記可動火格子の
    後側に位置する前記固定火格子における前記第2凹部及
    び前記可動火格子における前記第1凹部を介して前記処
    理空間に排出すると共に、前記可動火格子の前記第1燃
    焼用空気排出口から前記可動火格子における前記第1凹
    部を介して前記処理空間に排出し、 前記可動火格子が後方向に移動したときには、前記燃焼
    用空気を、前記可動火格子の前側に位置する前記固定火
    格子の前記第1燃焼用空気排出口から前記可動火格子の
    前側に位置する前記固定火格子における前記第1凹部を
    介して前記処理空間に排出すると共に、前記可動火格子
    の前記第2燃焼用空気排出口から前記可動火格子におけ
    る前記第2凹部及び前記可動火格子の前側に位置する前
    記固定火格子における前記第1凹部を介して前記処理空
    間に排出することを特徴とする請求項7に記載の火格
    子。
  9. 【請求項9】 前記火格子内通路は、前記上壁の前記裏
    面及び前記前壁の裏面をその一部として前記火格子の長
    手方向に沿って延びる複数の通路で構成されており、 前記燃焼用空気を前記火格子内通路に流入させる燃焼用
    空気入口部が、前記火格子の前記上壁から前記前壁への
    移行部分に形成されたコーナ部の領域を前記燃焼用空気
    にて冷却するように、前記前壁の裏面の位置に設けられ
    ていることを特徴とする請求項2〜請求項8のいずれか
    一項に記載の火格子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101346218B1 (ko) * 2011-11-14 2014-01-02 일도바이오테크주식회사 내열성 및 내마모성이 우수한 화격자를 구비한 보일러
KR101672444B1 (ko) * 2016-06-07 2016-11-09 한라오엠에스 주식회사 자냉형 고효율 연소 스토커 설비
KR101773388B1 (ko) * 2017-05-16 2017-09-12 지이큐솔루션 주식회사 연소 잔재물의 낙하를 최소화한 공기 토출구를 갖춘 수냉식 화격자
JP2017531148A (ja) * 2014-09-16 2017-10-19 ヒタチ ゾウセン イノバ アクチェンゲゼルシャフト 廃棄物焼却プラントの燃焼チャンバー内で発生するスラグを処理するための方法及び装置

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