JP2001254769A - サーボ型キャリパディスクブレーキ - Google Patents
サーボ型キャリパディスクブレーキInfo
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- JP2001254769A JP2001254769A JP2000068850A JP2000068850A JP2001254769A JP 2001254769 A JP2001254769 A JP 2001254769A JP 2000068850 A JP2000068850 A JP 2000068850A JP 2000068850 A JP2000068850 A JP 2000068850A JP 2001254769 A JP2001254769 A JP 2001254769A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ディスクブレ−キにおいて、そのインナパッド
とアウタパッドの両方に同じ量だけのサ−ボ力が分配で
きるようにすると共に、従来のアウタパッドのみによる
サ−ボ力に比して大きなサ−ボ力が得られるサ−ボ型キ
ャリパディスクブレ−キを提供することを課題とする。 【解決手段】ディスクブレ−キにおいて、そのインナパ
ッド16にかかるブレ−キトルクを利用し、ピストンP
B先端に内蔵されたサ−ボ生成機構Dとアジャスタ機構
Cによりインナパッド16とアウタパッド20にサ−ボ
力Fa、Fa′を均しく分配する構造を備えたサ−ボ型
キャリパディスクブレ−キ。
とアウタパッドの両方に同じ量だけのサ−ボ力が分配で
きるようにすると共に、従来のアウタパッドのみによる
サ−ボ力に比して大きなサ−ボ力が得られるサ−ボ型キ
ャリパディスクブレ−キを提供することを課題とする。 【解決手段】ディスクブレ−キにおいて、そのインナパ
ッド16にかかるブレ−キトルクを利用し、ピストンP
B先端に内蔵されたサ−ボ生成機構Dとアジャスタ機構
Cによりインナパッド16とアウタパッド20にサ−ボ
力Fa、Fa′を均しく分配する構造を備えたサ−ボ型
キャリパディスクブレ−キ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一方のパッドをキャ
リパに内蔵されたパッド押圧機構によりロー夕の一方の
面に押圧するとともに、このパッド押圧機構の反力によ
り、ロータ縁部に跨座して配置したキャリパを介して他
方のパッドをロ−夕の他方の面に押圧挟持する、いわゆ
るキャリパディスクブレーキにおいて、ブレーキ押圧力
に基づいてブレーキサーボ効果が得られるようにした車
両用のサーボ型キャリパディスクブレーキに関する。
リパに内蔵されたパッド押圧機構によりロー夕の一方の
面に押圧するとともに、このパッド押圧機構の反力によ
り、ロータ縁部に跨座して配置したキャリパを介して他
方のパッドをロ−夕の他方の面に押圧挟持する、いわゆ
るキャリパディスクブレーキにおいて、ブレーキ押圧力
に基づいてブレーキサーボ効果が得られるようにした車
両用のサーボ型キャリパディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキにおいて、ブレーキ押
圧力に基づいてブレーキサーボ効果が得られるようにし
た従来の車両用のサーボ型ディスクブレーキとして、例
えば特公昭38−19671号公報に開示されているよ
うな、ピボットピン周りに揺動するキャリパを用いたも
の、あるいは特開昭52−48771号公報に開示され
ているような、パッドと固定シリンダとに密着傾斜面を
形成したものが知られている。図5は典型的なピボット
ピン周りに揺動するサーボ型キャリパディスクブレーキ
の平面図、図6は図5図の線II−IIでの断面図であっ
て、その概要は次の通りである。図5において60はロ
ータであって、車両の前進時に図の矢印A方向に回転し
ている。62はロータ60の縁部に跨座するように配置
された閉鎖環状をなすキャリパ(ヨーク)であり、固定
支持部材(ブレーキトルク支持部材)64に植設したピ
ボトピン66を中心として揺動可能に設けられている。
このピボットピン66はロータ60の回転回入側に位置
し、従って、キャリパ62はロータ60の回転回出側が
揺動し得るものとなっている。68はロータ60のイン
ナ側においてキャリパ62の中央開□62a内に固定的
に組み付けられたパッド押圧機構であり、シリンダと油
圧作動ピストン70とで構成されている。ロータ60を
挟んで対設された一対のパッドのうち、インナパッド7
2は固定支持部材64に摺動自在に支持され、油圧作動
ピストン70によりロ−タ60のインナ側面を押圧す
る。他方のアウタパッド74は、キャリパ62の中央開
ロ62aのアウタ側内端部に組み付け固着されている。
この従来の図5及び図6に示されたサーボ型ディスクブ
レーキの作動は、非ブレーキ時の状態からパッド押圧機
構68に油圧が伝えられると、油圧作動ピストン70は
シリンダ内を前進し、インナパッド72をロータ60に
押圧し、このときの反力によりキャリパ62はピボット
ピン66周りに、ロータ60の回転面に直角な面内で図
5の矢印B方向に揺動する。このためアウタパッド74
はキャリパ62によりロータ60を押圧し、これら一対
のパッド72、74の押圧挟持にてロー夕60は制動さ
れる。そしてロ−夕60よりインナパッド72に作用す
るブレ−キ抗力f8は固定支持部材64に受け止めら
れ、アウタパッド74に作用するブレーキ抗力f9は、
その抗力の作用線からピボットピン66に至る垂直距離
rとの積、即ちr×f9の回転モーメントとなってキャ
リパ62を更に矢印B方向に回転させることになり、こ
れがサーボ力となってブレーキ力を増大させることにな
る。そしてキャリパ62の揺動によりブレーキ力が作用
するように構成されているので、両パッド72、74の
ライニング部72a、74aはロー夕60の摺動面に対
してテーパ状に構成されている。
圧力に基づいてブレーキサーボ効果が得られるようにし
た従来の車両用のサーボ型ディスクブレーキとして、例
えば特公昭38−19671号公報に開示されているよ
うな、ピボットピン周りに揺動するキャリパを用いたも
の、あるいは特開昭52−48771号公報に開示され
ているような、パッドと固定シリンダとに密着傾斜面を
形成したものが知られている。図5は典型的なピボット
ピン周りに揺動するサーボ型キャリパディスクブレーキ
の平面図、図6は図5図の線II−IIでの断面図であっ
て、その概要は次の通りである。図5において60はロ
ータであって、車両の前進時に図の矢印A方向に回転し
ている。62はロータ60の縁部に跨座するように配置
された閉鎖環状をなすキャリパ(ヨーク)であり、固定
支持部材(ブレーキトルク支持部材)64に植設したピ
ボトピン66を中心として揺動可能に設けられている。
このピボットピン66はロータ60の回転回入側に位置
し、従って、キャリパ62はロータ60の回転回出側が
揺動し得るものとなっている。68はロータ60のイン
ナ側においてキャリパ62の中央開□62a内に固定的
に組み付けられたパッド押圧機構であり、シリンダと油
圧作動ピストン70とで構成されている。ロータ60を
挟んで対設された一対のパッドのうち、インナパッド7
2は固定支持部材64に摺動自在に支持され、油圧作動
ピストン70によりロ−タ60のインナ側面を押圧す
る。他方のアウタパッド74は、キャリパ62の中央開
ロ62aのアウタ側内端部に組み付け固着されている。
この従来の図5及び図6に示されたサーボ型ディスクブ
レーキの作動は、非ブレーキ時の状態からパッド押圧機
構68に油圧が伝えられると、油圧作動ピストン70は
シリンダ内を前進し、インナパッド72をロータ60に
押圧し、このときの反力によりキャリパ62はピボット
ピン66周りに、ロータ60の回転面に直角な面内で図
5の矢印B方向に揺動する。このためアウタパッド74
はキャリパ62によりロータ60を押圧し、これら一対
のパッド72、74の押圧挟持にてロー夕60は制動さ
れる。そしてロ−夕60よりインナパッド72に作用す
るブレ−キ抗力f8は固定支持部材64に受け止めら
れ、アウタパッド74に作用するブレーキ抗力f9は、
その抗力の作用線からピボットピン66に至る垂直距離
rとの積、即ちr×f9の回転モーメントとなってキャ
リパ62を更に矢印B方向に回転させることになり、こ
れがサーボ力となってブレーキ力を増大させることにな
る。そしてキャリパ62の揺動によりブレーキ力が作用
するように構成されているので、両パッド72、74の
ライニング部72a、74aはロー夕60の摺動面に対
してテーパ状に構成されている。
【0003】また、図7は密着傾斜面によるサーボ型デ
ィスクブレーキの断面図であり、図7(a)は非ブレー
キ時、図7(b)はブレーキ時の状態を示したものであ
り、図7(c)は、パッドの摩耗が進行したしたときの
状態を示したものであって、その概要は次の通りであ
る。図7(a)において、ピストン80は固定シリンダ
82内に摺動自在に配置され、固定シリンダ82とピス
トン80とで構成された圧力室84内にブレーキ油圧が
導入されると、ピストン80を介してパッド支持体86
と一体のパッド88がロ−タ90に対し矢印C方向に押
圧される。ロ−タ90よりパッド88に作用するブレー
キ抗力f10で、パッド88はロ−タ90の回転方向D
と同じ矢印D′方向に移動しようとするが、固定シリン
ダ82の端面82aとパッド88と一体のパッド支持体
86の固定シリンダ82側に対する端面86aとが角度
θなる漏斗状密着傾斜面を構成しているので、図7
(b)に示した如く、f10は制動圧着方向である矢印
C方向と平行なf101と密着傾斜面に直交する方向の
力f102に分割され、f101はサーボ力として寄与
する。パッドの摩耗が進行すると、図7(c)に示した
ように有効密着傾斜面の領域が小さくなることが避けら
れない。
ィスクブレーキの断面図であり、図7(a)は非ブレー
キ時、図7(b)はブレーキ時の状態を示したものであ
り、図7(c)は、パッドの摩耗が進行したしたときの
状態を示したものであって、その概要は次の通りであ
る。図7(a)において、ピストン80は固定シリンダ
82内に摺動自在に配置され、固定シリンダ82とピス
トン80とで構成された圧力室84内にブレーキ油圧が
導入されると、ピストン80を介してパッド支持体86
と一体のパッド88がロ−タ90に対し矢印C方向に押
圧される。ロ−タ90よりパッド88に作用するブレー
キ抗力f10で、パッド88はロ−タ90の回転方向D
と同じ矢印D′方向に移動しようとするが、固定シリン
ダ82の端面82aとパッド88と一体のパッド支持体
86の固定シリンダ82側に対する端面86aとが角度
θなる漏斗状密着傾斜面を構成しているので、図7
(b)に示した如く、f10は制動圧着方向である矢印
C方向と平行なf101と密着傾斜面に直交する方向の
力f102に分割され、f101はサーボ力として寄与
する。パッドの摩耗が進行すると、図7(c)に示した
ように有効密着傾斜面の領域が小さくなることが避けら
れない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のサーボ
型ディスクブレーキのうち、図5、6に示した揺動キャ
リパタイプのものは、サーボ力が、キャリパ62をピボ
ットピン66周りに矢印B方向に揺動することにより発
生するようになっているから、アウタパッド74の方
に偏ってサーボ力が作用し、インナパッド72とアウタ
パッド74との寿命に差ができ、それ故パッド交換時期
が異なって保守が煩雑になること、ロータ60をアウ
タ側からインナ側に倒してしまうこと、及びパッドの
押し力が等分布でなくなり、パッドのライニング部がロ
ータ摩擦面に対してテーパ状に構成しなくてはならず、
スペースの観点からパッドの摩耗代を余り大きくとれ
ず、パッドの寿命が短いという問題点があった。また、
図7に示した密着傾斜面を形成したサーボ型ディスクブ
レーキは、一方のパッドに作用した制動反力を他方のパ
ッドに伝える浮動キャリパ型でなく固定シリンダタイプ
であるから、サーボ力がf101 しか利用できず、
f101 の反力を他方のパッドに有効にサーボ力として
利用していないこと、サーボ力増大のため角度θを大
きくすると有効密着面が必要となり、固定シリンダの外
形寸法を大きくして有効密着傾斜面を確保しなければな
らず、ブレーキ部品自体が大きくなってしまうこと、
パッド88の摩耗が進行すると図7(c)に示す如く、
パッド88が矢印D′方向にかなり移動しないとパッド
支持体86の端面86aが固定シリンダ82の端面82
aと係合しないことから、固定シリンダの外形寸法を大
きくしてと同様に有効密着傾斜面を確保する必要があ
り、ブレーキ部品自体が大きくなってしまうだけでな
く、D´方向への移動距離が大きいために、ロ−タ90
の正転状態で車両を停止させた後、車両を後退させてブ
レーキをかけると、ロ−タ90が逆転しているためパッ
ド支持体86は反D´方向に長い距離に渡って移動する
ので、固定シリンダ82と係合するとき異音を発生する
こと、等の問題点があった。
型ディスクブレーキのうち、図5、6に示した揺動キャ
リパタイプのものは、サーボ力が、キャリパ62をピボ
ットピン66周りに矢印B方向に揺動することにより発
生するようになっているから、アウタパッド74の方
に偏ってサーボ力が作用し、インナパッド72とアウタ
パッド74との寿命に差ができ、それ故パッド交換時期
が異なって保守が煩雑になること、ロータ60をアウ
タ側からインナ側に倒してしまうこと、及びパッドの
押し力が等分布でなくなり、パッドのライニング部がロ
ータ摩擦面に対してテーパ状に構成しなくてはならず、
スペースの観点からパッドの摩耗代を余り大きくとれ
ず、パッドの寿命が短いという問題点があった。また、
図7に示した密着傾斜面を形成したサーボ型ディスクブ
レーキは、一方のパッドに作用した制動反力を他方のパ
ッドに伝える浮動キャリパ型でなく固定シリンダタイプ
であるから、サーボ力がf101 しか利用できず、
f101 の反力を他方のパッドに有効にサーボ力として
利用していないこと、サーボ力増大のため角度θを大
きくすると有効密着面が必要となり、固定シリンダの外
形寸法を大きくして有効密着傾斜面を確保しなければな
らず、ブレーキ部品自体が大きくなってしまうこと、
パッド88の摩耗が進行すると図7(c)に示す如く、
パッド88が矢印D′方向にかなり移動しないとパッド
支持体86の端面86aが固定シリンダ82の端面82
aと係合しないことから、固定シリンダの外形寸法を大
きくしてと同様に有効密着傾斜面を確保する必要があ
り、ブレーキ部品自体が大きくなってしまうだけでな
く、D´方向への移動距離が大きいために、ロ−タ90
の正転状態で車両を停止させた後、車両を後退させてブ
レーキをかけると、ロ−タ90が逆転しているためパッ
ド支持体86は反D´方向に長い距離に渡って移動する
ので、固定シリンダ82と係合するとき異音を発生する
こと、等の問題点があった。
【0005】本発明は上記した従来の問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、サーボ力
をインナだけでなくアウタにも均等に作用させて両パッ
ドの寿命をほぼ同じくし、かつロ−夕のインナ側への倒
れをなくしてサーボ力をロータ摩擦面に対して垂直に押
圧するようにしたので、パッド摩耗代も十分にとること
ができ、しかもパッドの摩耗が進行しても、パッド支持
部が大きく移動しなくてもよいサーボ型キャリパデイス
クブレーキを提供することにある。
されたものであり、その目的とするところは、サーボ力
をインナだけでなくアウタにも均等に作用させて両パッ
ドの寿命をほぼ同じくし、かつロ−夕のインナ側への倒
れをなくしてサーボ力をロータ摩擦面に対して垂直に押
圧するようにしたので、パッド摩耗代も十分にとること
ができ、しかもパッドの摩耗が進行しても、パッド支持
部が大きく移動しなくてもよいサーボ型キャリパデイス
クブレーキを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の第1実施例においては、インナパッド押圧
機構を内蔵したキャリパボディによりインナパッド及び
アウタパッドをロータに押圧挟持してブレーキ作用を行
うキャリパディスクブレーキにおいて、前記インナパッ
ド押圧機構を有効受圧面積が大きい大ピストンと該有効
受圧面積より小さい小ピストンとで構成し、インナパッ
ドとインナパッド押圧機構間にはブレーキ抗力をブレー
キ適用力に変換するサーボ力生成機構を、小ピストンと
キャリパボディ間には長さ調整のためのアジャスタ機構
を配置したものであり、本発明の第2実施例において
は、第1実施例の発明のサーボ力生成機構を、小ピスト
ン端面に形成した凹状傾斜部と、該傾斜部に密着係合す
る突状傾斜部を有するプラグと、大ピストンと前記プラ
グ間に配置したコロとで構成したものであり、本発明の
第3実施例においては、第1実施例の発明のサーボ力生
成機構を、小ピストン端面に形成した凹状傾斜部と、該
傾斜部に対抗する凹状傾斜部を端面に形成したプラグ
と、両凹状傾斜部間に配置した球体と、大ピストンと前
記プラグ間に配置したコロとで構成したものであり、本
発明の第4実施例においては、第1実施例の発明のサー
ボ力生成機構を、小ピストンの凹状傾斜部と密着係合す
る断面三角形の突状傾斜体と、インナパッドからのブレ
ーキ抗力を前記突状傾斜体に伝達する突状傾斜体受容体
と、大ピストンと前記突状傾斜体受容体間に配置したコ
ロとで構成したものを含むものである。
に、本発明の第1実施例においては、インナパッド押圧
機構を内蔵したキャリパボディによりインナパッド及び
アウタパッドをロータに押圧挟持してブレーキ作用を行
うキャリパディスクブレーキにおいて、前記インナパッ
ド押圧機構を有効受圧面積が大きい大ピストンと該有効
受圧面積より小さい小ピストンとで構成し、インナパッ
ドとインナパッド押圧機構間にはブレーキ抗力をブレー
キ適用力に変換するサーボ力生成機構を、小ピストンと
キャリパボディ間には長さ調整のためのアジャスタ機構
を配置したものであり、本発明の第2実施例において
は、第1実施例の発明のサーボ力生成機構を、小ピスト
ン端面に形成した凹状傾斜部と、該傾斜部に密着係合す
る突状傾斜部を有するプラグと、大ピストンと前記プラ
グ間に配置したコロとで構成したものであり、本発明の
第3実施例においては、第1実施例の発明のサーボ力生
成機構を、小ピストン端面に形成した凹状傾斜部と、該
傾斜部に対抗する凹状傾斜部を端面に形成したプラグ
と、両凹状傾斜部間に配置した球体と、大ピストンと前
記プラグ間に配置したコロとで構成したものであり、本
発明の第4実施例においては、第1実施例の発明のサー
ボ力生成機構を、小ピストンの凹状傾斜部と密着係合す
る断面三角形の突状傾斜体と、インナパッドからのブレ
ーキ抗力を前記突状傾斜体に伝達する突状傾斜体受容体
と、大ピストンと前記突状傾斜体受容体間に配置したコ
ロとで構成したものを含むものである。
【0007】
【作用】本発明によると、流体ブレーキ圧が適用される
とインナパッドが、インナパッド押圧機構により、アウ
タパッドがキャリパボディにより駆動されてロータは両
パッドにより押圧挟持される。このとき両パッドにサー
ボ力が作用するようにしたもので、請求項1に係る発明
は、アジャスタ機構とサーボ力生成機構で両パッドに同
時に同量のサーボ力が作用するようにしている。請求項
2に係る発明は、ブレーキ抗力発生方向にインナパッド
が駆動されるとプラグもコロにより同方向と平行に移動
し、プラグの突状傾斜部が小ピストンの凹状傾斜部に作
用して、制動方向と同一方向にサーボ力を生起するよう
にしたものであり、請求項3に係る発明は、ブレーキ抗
力発生方向にインナパッドが駆動されるとプラグもコロ
により同方向と平行に移動し、プラグの凹状傾斜面が小
ピストン端部に保持した球体に作用して、制動方向と同
一方向にサーボ力を生起するようにしたものであり、請
求項4に係る発明は、ブレーキ抗力発生方向にインナパ
ッドが駆動されると突状傾斜体受容体もコロにより同方
向と平行に移動し、突状傾斜体受容体に支持された突状
傾斜体が小ピストンの凹状傾斜部に作用して、制動方向
と同一方向にサーボ力を生起するようにしたものであ
る。
とインナパッドが、インナパッド押圧機構により、アウ
タパッドがキャリパボディにより駆動されてロータは両
パッドにより押圧挟持される。このとき両パッドにサー
ボ力が作用するようにしたもので、請求項1に係る発明
は、アジャスタ機構とサーボ力生成機構で両パッドに同
時に同量のサーボ力が作用するようにしている。請求項
2に係る発明は、ブレーキ抗力発生方向にインナパッド
が駆動されるとプラグもコロにより同方向と平行に移動
し、プラグの突状傾斜部が小ピストンの凹状傾斜部に作
用して、制動方向と同一方向にサーボ力を生起するよう
にしたものであり、請求項3に係る発明は、ブレーキ抗
力発生方向にインナパッドが駆動されるとプラグもコロ
により同方向と平行に移動し、プラグの凹状傾斜面が小
ピストン端部に保持した球体に作用して、制動方向と同
一方向にサーボ力を生起するようにしたものであり、請
求項4に係る発明は、ブレーキ抗力発生方向にインナパ
ッドが駆動されると突状傾斜体受容体もコロにより同方
向と平行に移動し、突状傾斜体受容体に支持された突状
傾斜体が小ピストンの凹状傾斜部に作用して、制動方向
と同一方向にサーボ力を生起するようにしたものであ
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図4に基づ
いて説明する。図1は本発明のサーボ型キャリパディス
クブレーキの第1実施例を示す断面図、図2は図1の要
部拡大断面図、図3は第1実施例で示すサーボ力生成機
構とは別構成とした本発明の第2実施例を示すサーボ力
生成機構の断面図、図4は第1及び第2実施例のサーボ
力生成機構とは異なる本発明の第3実施例を示すサーボ
力生成部の断面図である。
いて説明する。図1は本発明のサーボ型キャリパディス
クブレーキの第1実施例を示す断面図、図2は図1の要
部拡大断面図、図3は第1実施例で示すサーボ力生成機
構とは別構成とした本発明の第2実施例を示すサーボ力
生成機構の断面図、図4は第1及び第2実施例のサーボ
力生成機構とは異なる本発明の第3実施例を示すサーボ
力生成部の断面図である。
【0009】本発明の第1の実施例であるサーボ型キャ
リパディスクブレーキは、図1に示したように、キャリ
パボディ10内に大ピストンPA、小ピストンPB及び
アジャスタ機構Cが内蔵され、ブレーキ油圧がキャリパ
ボディ10の液室12に導入口14を介して導入される
と、大小両ピストンPA、PBはサーボ力生成機構Dを
介してインナパッド16をロータ18に向けて押圧する
と同時に、このブレーキ押圧反力がキャリパボディ10
を介して、ロ−タ18を挟んでインナパッド16と対抗
配置されたアウタパッド20に伝達され、ブレーキ動作
が遂行される。ロータ18がE方向に回転していると、
ロータ18からの両パッド16と20に作用するブレー
キ抗力G1、G2はアウタパッド20をその裏板20a
を介してブレーキ抗力G2と平行な方向に固定サポート
部材22側に向けて移動し、またインナパッド16をブ
レーキ抗力G1と平行な方向に移動する。キャリパボデ
ィ10の両腕部10aにはそれぞれ摺動ピン24a、2
4bが一体的に係合しており固定サポート部材22に形
成した摺動孔22aで前記摺動ピン24bを摺動自在に
支持している。図2にはアジャスタ機構Cとサーボ力生
成機構Dの拡大断面図が示されており、アジャスタ機構
Cは、アジャスタピストン26のコーン部26aを小ピ
ストンPBの円錐部に向けて押圧するワッシャ28とコ
ーン部26a間に配置したスプリングSAと、小ピスト
ンPBと大ピストンPA間に配置したスプリングSB
と、スプリングケース30とアジャスタナット32間に
配置してアジャスタナット32を常にキャリパボディ1
0側へ押圧するスプリングSCから成り、アジャスタピ
ストン26のねじ部26bはアジャスタナット32に所
要クリアランスを持った多条ネジで螺合している。従っ
て、パッドのロータに対する間隙が前記所要クリアラン
ス以下であるような摩耗状態の時は、パッドに対するロ
ータとパッドとの間隙調整は、ピストンシール34の弾
性変形とその復元力により行われる。パッドのロータ1
8に対する間隙が前記所要クリアランス以上となるよう
な摩耗状態の時は、大ピストンPAはピストンシール3
4´内を滑ってロータ18側へ前進すると共に、小ピス
トンPBの円錐部PBaはアジャスタピストン26のコ
ーン部26aから離れ、スプリングSAの推進力でアジ
ャスタピストン26は、アジャスタナット32との協動
で回転して再び小ピストンPBの円錐部にコーン部26
aが係合するまで繰り出される。これによりパッドの摩
耗が進行しても小ピストンPBの戻り位置が規制される
と共に、常に小ピストンPBとキャリパボディ10間
は、アジャスタピストン26とアジャスタナット32に
より長さ調整され、小ピストンPBとアジャスタピスト
ン26とアジャスタナット32は機械的に一体となった
連結体として構成されるので、サーボ生成機構Dで生じ
たサーボ反力をアジャスタ機構Cを介してアウタパッド
20へ伝えることができる。サーボ力生成機構Dは、小
ピストンPBの凹状傾斜部PBbと、この凹状傾斜部P
Bbに密着係合するプラグ36に形成した突状傾斜部3
6aから成り、プラグ36はインナパッド16の裏板1
6aと凹凸嵌合で一体化されている。固定サポート部材
22と一体のトルク受けプレート22bはインナパッド
の裏板16aを摺動案内をすると共に、大ピストンPA
の先端部をブレーキの作動方向であるX−X方向に摺動
できるよう保持しており、裏板16aよりプラグ36、
小ピストンPB、大ピストンPAを介して伝達されるブ
レーキ抗力G1を受け止めるように構成されている。よ
って、ブレーキ作動時は、裏板16aはトルク受けプレ
ート22bに沿ってブレーキ抗力G1と平行な方向に移
動し、プラグ36と大ピストンPA間に配置したコロ3
8により、プラグ36がブレーキ抗力G1と平行な方向
に移動してその突状傾斜部36aが小ピストンPBの凹
状傾斜部PBbにブレ−キ抗力G1と等しい力Fを及ぼ
す。この力Fは、図2に示してあるように、ブレーキ作
動方向であるX−X方向と平行なサーボ力Faと傾斜部
に垂直な力Fbに分解され、サーボ力Faはインナパッ
ド16をロータ18に向けて作用する力となりブレーキ
力が増大され、このサーボ反力Fa′は小ピストンP
B、アジャスタピストン26、アジャスタナット32、
キャリパボディ10を介してアウタパッド20にも伝達
し、インナパッド16と同様にブレーキサーボ力として
働く。このようにサーボ力生成機構で生成されたサーボ
力Fa、Fa′は大きさが等しく向きが反対であるの
で、両パッド16、20に均等に作用することになる。
リパディスクブレーキは、図1に示したように、キャリ
パボディ10内に大ピストンPA、小ピストンPB及び
アジャスタ機構Cが内蔵され、ブレーキ油圧がキャリパ
ボディ10の液室12に導入口14を介して導入される
と、大小両ピストンPA、PBはサーボ力生成機構Dを
介してインナパッド16をロータ18に向けて押圧する
と同時に、このブレーキ押圧反力がキャリパボディ10
を介して、ロ−タ18を挟んでインナパッド16と対抗
配置されたアウタパッド20に伝達され、ブレーキ動作
が遂行される。ロータ18がE方向に回転していると、
ロータ18からの両パッド16と20に作用するブレー
キ抗力G1、G2はアウタパッド20をその裏板20a
を介してブレーキ抗力G2と平行な方向に固定サポート
部材22側に向けて移動し、またインナパッド16をブ
レーキ抗力G1と平行な方向に移動する。キャリパボデ
ィ10の両腕部10aにはそれぞれ摺動ピン24a、2
4bが一体的に係合しており固定サポート部材22に形
成した摺動孔22aで前記摺動ピン24bを摺動自在に
支持している。図2にはアジャスタ機構Cとサーボ力生
成機構Dの拡大断面図が示されており、アジャスタ機構
Cは、アジャスタピストン26のコーン部26aを小ピ
ストンPBの円錐部に向けて押圧するワッシャ28とコ
ーン部26a間に配置したスプリングSAと、小ピスト
ンPBと大ピストンPA間に配置したスプリングSB
と、スプリングケース30とアジャスタナット32間に
配置してアジャスタナット32を常にキャリパボディ1
0側へ押圧するスプリングSCから成り、アジャスタピ
ストン26のねじ部26bはアジャスタナット32に所
要クリアランスを持った多条ネジで螺合している。従っ
て、パッドのロータに対する間隙が前記所要クリアラン
ス以下であるような摩耗状態の時は、パッドに対するロ
ータとパッドとの間隙調整は、ピストンシール34の弾
性変形とその復元力により行われる。パッドのロータ1
8に対する間隙が前記所要クリアランス以上となるよう
な摩耗状態の時は、大ピストンPAはピストンシール3
4´内を滑ってロータ18側へ前進すると共に、小ピス
トンPBの円錐部PBaはアジャスタピストン26のコ
ーン部26aから離れ、スプリングSAの推進力でアジ
ャスタピストン26は、アジャスタナット32との協動
で回転して再び小ピストンPBの円錐部にコーン部26
aが係合するまで繰り出される。これによりパッドの摩
耗が進行しても小ピストンPBの戻り位置が規制される
と共に、常に小ピストンPBとキャリパボディ10間
は、アジャスタピストン26とアジャスタナット32に
より長さ調整され、小ピストンPBとアジャスタピスト
ン26とアジャスタナット32は機械的に一体となった
連結体として構成されるので、サーボ生成機構Dで生じ
たサーボ反力をアジャスタ機構Cを介してアウタパッド
20へ伝えることができる。サーボ力生成機構Dは、小
ピストンPBの凹状傾斜部PBbと、この凹状傾斜部P
Bbに密着係合するプラグ36に形成した突状傾斜部3
6aから成り、プラグ36はインナパッド16の裏板1
6aと凹凸嵌合で一体化されている。固定サポート部材
22と一体のトルク受けプレート22bはインナパッド
の裏板16aを摺動案内をすると共に、大ピストンPA
の先端部をブレーキの作動方向であるX−X方向に摺動
できるよう保持しており、裏板16aよりプラグ36、
小ピストンPB、大ピストンPAを介して伝達されるブ
レーキ抗力G1を受け止めるように構成されている。よ
って、ブレーキ作動時は、裏板16aはトルク受けプレ
ート22bに沿ってブレーキ抗力G1と平行な方向に移
動し、プラグ36と大ピストンPA間に配置したコロ3
8により、プラグ36がブレーキ抗力G1と平行な方向
に移動してその突状傾斜部36aが小ピストンPBの凹
状傾斜部PBbにブレ−キ抗力G1と等しい力Fを及ぼ
す。この力Fは、図2に示してあるように、ブレーキ作
動方向であるX−X方向と平行なサーボ力Faと傾斜部
に垂直な力Fbに分解され、サーボ力Faはインナパッ
ド16をロータ18に向けて作用する力となりブレーキ
力が増大され、このサーボ反力Fa′は小ピストンP
B、アジャスタピストン26、アジャスタナット32、
キャリパボディ10を介してアウタパッド20にも伝達
し、インナパッド16と同様にブレーキサーボ力として
働く。このようにサーボ力生成機構で生成されたサーボ
力Fa、Fa′は大きさが等しく向きが反対であるの
で、両パッド16、20に均等に作用することになる。
【0010】次に本発明の第1実施例のブレーキ動作に
ついて詳述すると、ブレーキ油圧がキャリパボディ10
の液室12に導入口14を介して導入されると、大小ピ
ストンPA、PBはブレーキ油圧を受け、大ピストンP
Aはコロ38を介して、小ピストンPBは直接プラグ3
6に作用し、インナパッド16がロータ18の一方面1
8aに至るまで移動すると同時に、アウタパッド20が
キャリパボディ10を介してロータ18の他方面18b
に至るまで移動する。その後は、大ピストンPAの有効
受圧面積が小ピストンPBの有効受圧面積より大きく設
定してあるため、大ピストンPAだけが僅かにコロ38
を介してプラグ36を押すことになる。このように有効
受圧面積が大きい大ピストンPAと大ピストンPAの受
圧面積より小さい小ピストンPBとの組み合わせでイン
ナパッド16に制動力を作用させているため、両パッド
16、20がロータ18に至った後の有効制動時に消費
するブレーキ液量は小さく設定できる。そして最終的に
は、インナパッド16にブレーキ油圧に基づく力Pが作
用すると同時に、その制動反力がキャリパボディ10を
介してアウタパッド20に作用して、ロータ18は両パ
ッド16、20により力Pで挟持されることになる。こ
のときロ−タ18には摺動面の摩擦係数をμとするとμ
Pのブレーキ力が与えられ、両パッド16、20にはμ
Pと大きさが等しく向きは反対のブレーキ抗力G1、G
2が生起する。このブレーキ抗力はロータ18がパッド
を回転方向に移動させる力であり、ブレーキ抗力G2に
基づくアウタパッド20の移動は固定サポート部材22
に受け止められる。ブレーキ抗力G1に基づくインナパ
ッド16の移動は、上述した如くプラグ36に作用し、
サーボ力生成機構Dにより両パッド16、20にそれぞ
れ均等なサーボ力Fa、Fa′が生起する。従って、両
パッドはほぼ等しく摩耗することになり、パッドの寿命
もほぼ等しくなると共に、従来の揺動式サーボ型ディス
クブレーキのように、ロータをアウタ側からインナ側に
倒すような偏った力が作用することはない。また、パッ
ドが摩耗しても、常に小ピストンPBとキャリパボディ
10間は、アジャスタピストン26とアジャスタナット
32により長さ調整され、小ピストンPBとアジャスタ
ピストン26とアジャスタナット32は機械的に一体と
なった連結体として構成されるので、サーボ生成機構D
で生じたサーボ反力をアジャスタ機構Cを介して直接ア
ウタパッド20へ伝えることができる。従って、パッド
の摩耗が進行しても、従来の密着傾斜面を形成したサー
ボ型ディスクブレーキのようにシリンダ寸法を大きく設
計する必要はなく、またロ−タの正転状態で車両を停止
させた後、車両を後退させてブレーキをかけるときに生
じる異音は、殆ど発生しないという利点がある。
ついて詳述すると、ブレーキ油圧がキャリパボディ10
の液室12に導入口14を介して導入されると、大小ピ
ストンPA、PBはブレーキ油圧を受け、大ピストンP
Aはコロ38を介して、小ピストンPBは直接プラグ3
6に作用し、インナパッド16がロータ18の一方面1
8aに至るまで移動すると同時に、アウタパッド20が
キャリパボディ10を介してロータ18の他方面18b
に至るまで移動する。その後は、大ピストンPAの有効
受圧面積が小ピストンPBの有効受圧面積より大きく設
定してあるため、大ピストンPAだけが僅かにコロ38
を介してプラグ36を押すことになる。このように有効
受圧面積が大きい大ピストンPAと大ピストンPAの受
圧面積より小さい小ピストンPBとの組み合わせでイン
ナパッド16に制動力を作用させているため、両パッド
16、20がロータ18に至った後の有効制動時に消費
するブレーキ液量は小さく設定できる。そして最終的に
は、インナパッド16にブレーキ油圧に基づく力Pが作
用すると同時に、その制動反力がキャリパボディ10を
介してアウタパッド20に作用して、ロータ18は両パ
ッド16、20により力Pで挟持されることになる。こ
のときロ−タ18には摺動面の摩擦係数をμとするとμ
Pのブレーキ力が与えられ、両パッド16、20にはμ
Pと大きさが等しく向きは反対のブレーキ抗力G1、G
2が生起する。このブレーキ抗力はロータ18がパッド
を回転方向に移動させる力であり、ブレーキ抗力G2に
基づくアウタパッド20の移動は固定サポート部材22
に受け止められる。ブレーキ抗力G1に基づくインナパ
ッド16の移動は、上述した如くプラグ36に作用し、
サーボ力生成機構Dにより両パッド16、20にそれぞ
れ均等なサーボ力Fa、Fa′が生起する。従って、両
パッドはほぼ等しく摩耗することになり、パッドの寿命
もほぼ等しくなると共に、従来の揺動式サーボ型ディス
クブレーキのように、ロータをアウタ側からインナ側に
倒すような偏った力が作用することはない。また、パッ
ドが摩耗しても、常に小ピストンPBとキャリパボディ
10間は、アジャスタピストン26とアジャスタナット
32により長さ調整され、小ピストンPBとアジャスタ
ピストン26とアジャスタナット32は機械的に一体と
なった連結体として構成されるので、サーボ生成機構D
で生じたサーボ反力をアジャスタ機構Cを介して直接ア
ウタパッド20へ伝えることができる。従って、パッド
の摩耗が進行しても、従来の密着傾斜面を形成したサー
ボ型ディスクブレーキのようにシリンダ寸法を大きく設
計する必要はなく、またロ−タの正転状態で車両を停止
させた後、車両を後退させてブレーキをかけるときに生
じる異音は、殆ど発生しないという利点がある。
【0011】次に、上述の実施例とは異なるサーボ力生
成機構を装備した本発明の他の実施例について図3に基
づき説明すると、小ピストンPB′の端面に形成した凹
状傾斜部とPB′bと、プラグ36′の端面に形成した
凹状傾斜部36′aとの間に球体40を配置したもの
で、プラグ36′と大ピストンPA′端面間にコロ3
8′を配設する点は第1実施例のものと同じである。こ
のように構成することにより、ブレーキ抗力がプラグ3
6′に作用すれば、球体40と凹型傾斜面とでサーボ力
が生起できる。また、更に異なるサーボ力生成機構を装
備した本発明の他の実施例について図4に基づき説明す
ると、プラグ36″が2部材で構成されたもので、第1
部材は、小ピストンPB″の凹状傾斜部PB″bと密着
係合する断面三角形の突状傾斜体36″aであり、第2
部材は、該突状傾斜体36″aを支持し、かつ大ピスト
ンPA″との間に配置したコロ38″上をブレーキ抗力
発生方向に摺動する突状傾斜体受容体36″bから成っ
ている。サーボ力の生起状態については第1実施例のも
のと同じであるが、凹状傾斜部PB″bの傾斜が異なる
小ピストンPB″とその傾斜と密着する突状傾斜体3
6″aの組み合わせを多種用意しておけば、車種に応じ
て適切なサーボ力を選択できる組付けが可能である。な
お、符号39はホルダ、41はワッシャ、42はベアリ
ング、43はシ−ル、44、45はリテ−ナである。
成機構を装備した本発明の他の実施例について図3に基
づき説明すると、小ピストンPB′の端面に形成した凹
状傾斜部とPB′bと、プラグ36′の端面に形成した
凹状傾斜部36′aとの間に球体40を配置したもの
で、プラグ36′と大ピストンPA′端面間にコロ3
8′を配設する点は第1実施例のものと同じである。こ
のように構成することにより、ブレーキ抗力がプラグ3
6′に作用すれば、球体40と凹型傾斜面とでサーボ力
が生起できる。また、更に異なるサーボ力生成機構を装
備した本発明の他の実施例について図4に基づき説明す
ると、プラグ36″が2部材で構成されたもので、第1
部材は、小ピストンPB″の凹状傾斜部PB″bと密着
係合する断面三角形の突状傾斜体36″aであり、第2
部材は、該突状傾斜体36″aを支持し、かつ大ピスト
ンPA″との間に配置したコロ38″上をブレーキ抗力
発生方向に摺動する突状傾斜体受容体36″bから成っ
ている。サーボ力の生起状態については第1実施例のも
のと同じであるが、凹状傾斜部PB″bの傾斜が異なる
小ピストンPB″とその傾斜と密着する突状傾斜体3
6″aの組み合わせを多種用意しておけば、車種に応じ
て適切なサーボ力を選択できる組付けが可能である。な
お、符号39はホルダ、41はワッシャ、42はベアリ
ング、43はシ−ル、44、45はリテ−ナである。
【0012】
【発明の効果】以上の通り、本発明のサーボ型キャリパ
ディスクブレーキはサーボ力がインナ及びアウタの両パ
ッド16、20に均等にサーボ力が作用するから、従来
のもののようにアウタパッド20側だけサーボ力が作用
するものと異なり、パッド寿命がほぼ等しくなりパッド
交換時期を合わせることができ、かつアウタ側からロー
タ18にサーボ力が作用してロ−夕18が倒れ込むこと
もない。また、制動時のキャリパボディ10の移動が揺
動運動でなくロータの回転中心軸と平行であるから、パ
ッドの押し力は等分布であり、パッドの摩擦面がロ−タ
面に対してテーパ状に構成しなくても済み、パッドの寿
命も長くなる。加えて、パッドの摩耗が進行しても、ア
ジャスタ機構Cにより、小ピストンPBとキャリパボデ
ィ10が機械的に一体となった連結体として構成される
ので、サーボ反力が緩むことなくダイレクトにキャリパ
ボディ10からアウタパッド20に的確に伝達でき、サ
ーボ力がインナ側、アウタ側に同時に同量作用すること
ができるし、従来逆転制動時に生じていた異音の発生も
ないといった有利な効果を奏するものである。
ディスクブレーキはサーボ力がインナ及びアウタの両パ
ッド16、20に均等にサーボ力が作用するから、従来
のもののようにアウタパッド20側だけサーボ力が作用
するものと異なり、パッド寿命がほぼ等しくなりパッド
交換時期を合わせることができ、かつアウタ側からロー
タ18にサーボ力が作用してロ−夕18が倒れ込むこと
もない。また、制動時のキャリパボディ10の移動が揺
動運動でなくロータの回転中心軸と平行であるから、パ
ッドの押し力は等分布であり、パッドの摩擦面がロ−タ
面に対してテーパ状に構成しなくても済み、パッドの寿
命も長くなる。加えて、パッドの摩耗が進行しても、ア
ジャスタ機構Cにより、小ピストンPBとキャリパボデ
ィ10が機械的に一体となった連結体として構成される
ので、サーボ反力が緩むことなくダイレクトにキャリパ
ボディ10からアウタパッド20に的確に伝達でき、サ
ーボ力がインナ側、アウタ側に同時に同量作用すること
ができるし、従来逆転制動時に生じていた異音の発生も
ないといった有利な効果を奏するものである。
【図1】本発明のサーボ型キャリパディスクブレーキの
第1実施例を示す断面図である。
第1実施例を示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示すサーボ力生成部の断
面図である。
面図である。
【図4】本発明の第3実施例を示すサーボ力生成部の断
面図である。
面図である。
【図5】従来の揺動式サーボ型キャリパディスクブレー
キの平面図である。
キの平面図である。
【図6】図5の線II−IIでの断面図である。
【図7】(a)摩耗が進行する前の、従来の傾斜面を利
用したサーボ型ディスクブレーキの非ブレーキ時の状態
を示す断面図、(b)前記摩耗が進行する前の、従来の
傾斜面を利用したサーボ型ディスクブレーキのブレーキ
時の状態を示す断面図、(c)摩耗が進行したときの、
従来の傾斜面を利用したサーボ型ディスクブレーキの断
面図である。
用したサーボ型ディスクブレーキの非ブレーキ時の状態
を示す断面図、(b)前記摩耗が進行する前の、従来の
傾斜面を利用したサーボ型ディスクブレーキのブレーキ
時の状態を示す断面図、(c)摩耗が進行したときの、
従来の傾斜面を利用したサーボ型ディスクブレーキの断
面図である。
10・・・キャリパボディ PA・・・大ピストン PB・・・ピストン C・・・アジャスタ機構 D・・・サーボ力生成機構 12・・・液室 14・・・導入口 16・・・インナパッド 18・・・ロータ 20・・・アウタパッド 22・・・固定サポート部材 24a、24b・・・摺動ピン 26・・・アジャスタピストン 28・・・ワッシャ 30・・・スプリングケース 32・・・アジャスタナット 34・・・ピストンシール 36・・・プラグ 38・・・コロ 40・・・球体 60・・・ロータ 62・・・閉鎖環状キヤリパ 64・・・固定支持部材(ブレーキトルク支持部材) 66・・・ピボツトピン 68・・・パッド押圧機構 70・・・油圧作動ピストン 72・・・インナパッド 72a・・・ライニング 74・・・アウタパッド 74a・・・ライニング 80・・・ピストン 82・・・固定シリンダ 84・・・圧力室 86・・・パッド支持体 88・・・パッド 90・・・ロ−タ
Claims (4)
- 【請求項1】インナパッド押圧機構を内蔵したキャリパ
ボディによりインナパッド及びアウタパッドをロ−タに
押圧挟持してブレーキ作用を行うキャリパディスクブレ
ーキにおいて、前記インナパッド押圧機構を有効受圧面
積が大きい大ピストンと該有効受圧面積より小さい小ピ
ストンとで構成し、インナパッドとインナパッド押圧機
構間にはブレーキ抗力をブレーキ適用力に変換するサー
ボ力生成機構を、小ピストンとキャリパボディ間には長
さ調整のためのアジャスタ機構を配置したことを特徴と
するサーボ型キャリパディスクブレーキ。 - 【請求項2】前記サーボ力生成機構を、小ピストン端面
に形成した凹状傾斜部と、該傾斜部に密着係合する突状
傾斜部を有するプラグと、大ピストンと前記プラグ間に
配置したコロとで構成した請求項1記載のサーボ型キャ
リパデイスクブレーキ。 - 【請求項3】前記サーボ力生成機構を、小ピストン端面
に形成した凹状傾斜部と、該傾斜部に対抗する凹状傾斜
部を端面に形成したプラグと、両凹状傾斜部間に配置し
た球体と、大ピストンと前記プラグ間に配置したコロと
で構成した請求項1記載のサーボ型キャリパデイスクブ
レーキ。 - 【請求項4】前記サーボ力生成機構を、小ピストンの凹
状傾斜部と密着係合する断面三角形の突状傾斜体と、イ
ンナパッドからのブレーキ抗力を前記突状傾斜体に伝達
する突状傾斜体受容体と、大ピストンと前記突状傾斜体
受容体間に配置したコロとで構成した請求項1記載のサ
ーボ型キャリパデイスクブレーキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000068850A JP2001254769A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | サーボ型キャリパディスクブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000068850A JP2001254769A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | サーボ型キャリパディスクブレーキ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001254769A true JP2001254769A (ja) | 2001-09-21 |
Family
ID=18587847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000068850A Pending JP2001254769A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | サーボ型キャリパディスクブレーキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001254769A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009019668A (ja) * | 2007-07-11 | 2009-01-29 | Akebono Brake Ind Co Ltd | サーボディスクブレーキ装置 |
-
2000
- 2000-03-13 JP JP2000068850A patent/JP2001254769A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009019668A (ja) * | 2007-07-11 | 2009-01-29 | Akebono Brake Ind Co Ltd | サーボディスクブレーキ装置 |
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