JP2001254741A - カーボン軸受材 - Google Patents
カーボン軸受材Info
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Abstract
少ないカーボン軸受材を提供する。 【解決手段】 平均粒径が15μm以下の黒鉛粉を含む
骨材、固体潤滑材及び結合剤を含有したカーボン材を用
いてなるカーボン軸受材。
Description
部に使用されるカーボン軸受材に関する。
功、長沖徹)著、近代編集者発行の「新炭素工業」など
に示されるように、人造黒鉛、天然黒鉛、カーボンブラ
ック、コークス等の骨材の一種以上と、タールピッチ、
コールタール等の結合剤の一種以上を適宜配合し、これ
らを混練機に投入し、200〜300℃の温度で混練す
る。
粒径が20〜30μmに粉砕し、次いで69〜147MP
aの圧力で成形、800〜1000℃の還元雰囲気中で
焼成し、さらにこの焼成品に金属含浸を行う。金属含浸
は、温度400〜500℃、減圧真空度−0.05〜−
0.1MPaの条件で溶融鉛槽に上記の焼成品を浸漬した
後、0.49〜9.8MPaまで加圧して、焼成品に有す
る気孔に鉛を含浸させる。この後溶融鉛槽から引き上げ
て冷却し、大気圧に戻して含浸を完了し、カーボン材と
している。このカーボン材を機械加工して軸受に供して
いる。
重金属である鉛は環境汚染が心配され、廃棄品の市場か
らの回収が必要となり、そのためコストアップにつなが
る問題点があった。
載の発明は、金属含浸をせずに強度が強く、かつ摩耗量
の少ないカーボン軸受材を提供するものである。
5μm以下の黒鉛粉を含む骨材、固体潤滑材及び結合剤
を含有したカーボン材を用いてなるカーボン軸受材に関
する。また、本発明は、カーボン材が、空気圧力0.4
9MPaにおける空気透過量が10cc/cm2/min以下である
カーボン軸受材に関する。さらに、本発明は、平均粒径
が15μm以下の黒鉛粉を含む骨材40〜50重量%、
固体潤滑材1〜5重量%及び結合剤45〜59重量%を
含有してなる上記のカーボン軸受材に関する。
る黒鉛粉は、平均粒径が15μm以下、好ましくは8〜
12μmの範囲とされ、15μmを越えると空気透過量
が増加して摺動特性が悪くなる。平均粒径が小さい場
合、特に8μm未満になると焼成中に割れる傾向があ
る。なお骨材中に含まれる黒鉛粉の含有量については特
に制限はないが、骨材に対して40重量%以上であるこ
とが好ましく、60〜100重量%であることがさらに
好ましい。なお、平均粒径は、レーザー式の粒度計、例
えばフランスのCILAS(シーラス)社製の粒度計、
型式715を用いて測定することができる。
カーボン材は、空気圧力0.49MPaにおける空気透過
量が10cc/cm2/min以下が好ましく、5cc/cm2/min以下
がより好ましく、2cc/cm2/min以下(0も含む)がさら
に好ましく、10cc/cm2/minを越えるカーボン材を用い
ると摺動時に油膜が保持できず摺動特性を確保できない
傾向がある。
ル(試験片)に空気透過面積が314mm2で、これに
0.49MPaの空気圧を加えて測定することができる。
測定される空気透過量の単位は、cc/cm2/minであるが、
これは1cm2の面積当たりで、1分間に透過する空気体
積(cc)を意味する。
記に示す条件の他に平均粒径が15μm以下の黒鉛粉を
含む骨材、固体潤滑材及び結合剤を含有することが必要
とされる。骨材の含有量はカーボン軸受材に対して40
〜50重量%であることが好ましく、42〜48重量%
であることがさらに好ましい。50重量%を越えると緻
密性が損なわれる傾向があり、40重量%未満であると
摺動性が損なわれる傾向がある。
して1〜5重量%であることが好ましく、1〜3重量%
であることがさらに好ましい。5重量%を越えると機械
的強度が低下する傾向があり、1重量%未満であると摺
動性が損なわれる傾向がある。また結合剤の含有量はカ
ーボン軸受材に対して45〜59重量%であることが好
ましく、49〜57重量%であることがさらに好まし
い。59重量%を越えると焼成中に割れる傾向があり、
45重量%未満であると機械的強度が低下する傾向があ
る。
めの原料としては、油煙、平均粒径が15μm以下の黒
鉛粉等を骨材として使用し、それに固体潤滑材としてタ
ルク、二硫化モリブデン等を使用し、さらに結合剤とし
てタールピッチ、コールタール等が使用される。
料を用い、加熱混練、粉砕、成形した後、焼成すること
により得ることができる。加熱混練は、双腕型ニーダー
などを用いて、各原料を好ましくは230〜270℃の
温度で混練する。混練温度が高いと機械的強度が低下す
る傾向があり、低いと混練時間が長くなる傾向がある。
なお混練時間については、混練物の量、骨材、結合剤の
配合割合により変化するので、その都度適宜選定する。
粉砕機を用いて、平均粒径が20〜30μmになるよう
に粉砕することにより行われる。平均粒径が大きいと緻
密性が損なわれる傾向があり、小さいと機械的強度が低
下する傾向がある。成形は、粉砕して得られた粉体を、
ブロック状に金型プレスなどの方法でふ形することによ
り行われる。成形圧力は、69〜147MPaが好まし
い。成形圧力が低いと機械的強度が低下する傾向があ
り、高いと焼成中に割れる傾向がある。
成は、還元雰囲気下で、好ましくは800〜1000℃
に昇温して行うことができる。焼成時間は、300〜5
00時間が好ましい。還元雰囲気下で焼成する方法とし
ては、成形品のまわりに炭素粉などを詰めて焼成するな
どの方法がある。このようにして得られたカーボン軸受
材を所望の形状の軸受に機械加工することができる。
3重量%に、固体潤滑材として市販の二硫化モリブデン
2重量%並びに結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄
(株)製、商品名PKL)45重量%及びコールタール1
0重量%を配合し、双腕型ニーダーを用いて温度250
℃で5時間加熱混練した。
mに粉砕した。この粉砕粉を寸法が150×250×5
0mmの金型に入れ、成形圧力123MPaで成形した。得
られた成形品を、還元雰囲気下で1000℃まで400
時間かけて昇温した後、冷却しカーボン軸受材を得た。
得られたカーボン軸受材について物理特性を測定した。
その測定結果を表1に示す。また油中摩耗試験の結果も
合わせて表1に示す。
0重量%及び平均粒径が0.01μmの自家製油煙20
重量%に、固体潤滑材として市販の二硫化モリブデン1
重量%及びタルク1重量%並びに結合剤としてタールピ
ッチ(川崎製鉄(株)製、商品名PKL)48重量%及び
コールタール10重量%を配合し、双腕型ニーダーを用
いて温度250℃で5時間加熱混練した。
軸受材を得た。得られたカーボン軸受材について物理特
性を測定した。その測定結果を表1に示す。また油中摩
耗試験の結果も合わせて表1に示す。
5重量%に、固体潤滑材として市販の二硫化モリブデン
2重量%並びに結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄
(株)製、商品名PKL)43重量%及びコールタール1
0重量%を配合し、双腕型ニーダーを用いて温度250
℃で5時間加熱混練した。
軸受材を得た。得られたカーボン軸受材について物理特
性を測定した。その測定結果を表1に示す。また油中摩
耗試験の結果も合わせて表1に示す。
8重量%に、固体潤滑材として市販の二硫化モリブデン
2重量%並びに結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄
(株)製、商品名PKL)40重量%及びコールタール1
0重量%を配合し、双腕型ニーダーを用いて温度250
℃で5時間加熱混練した。
軸受材を得た。得られたカーボン軸受材について物理特
性を測定した。その測定結果を表1に示す。また油中摩
耗試験の結果も合わせて表1に示す。
5重量%及び平均粒径が0.01μmの自家製油煙10
重量%に、結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄(株)
製、商品名PKL)45重量%及びコールタール10重
量%を配合し、双腕型ニーダーを用いて温度250℃で
5時間加熱混練した。
軸受材を得た。得られたカーボン軸受材について物理特
性を測定した。その測定結果を表1に示す。また油中摩
耗試験の結果も合わせて表1に示す。
7重量%に、固体潤滑材として市販の二硫化モリブデン
2重量%並びに結合剤としてタールピッチ(川崎製鉄
(株)製、商品名PKL)41重量%及びコールタール1
0重量%を配合し、双腕型ニーダーを用いて温度250
℃で5時間加熱混練した。
軸受材を得た。得られたカーボン軸受材について物理特
性を測定した。その測定結果を表1に示す。また油中摩
耗試験の結果も合わせて表1に示す。
25×5mmの試験片に、空気透過面積が314mm2で
0.49MPaの空気圧を加えて測定した。また油中摩耗
試験は、5×15×20mmの試験片(摺動面5×15m
m)を寸法が100mm(φ)の回転するリング(材質S
US304)上で摺動させ、周速が1m/s、面圧が0.
98MPaの条件で100時間の試験を行い、試験片の寸
法変化を摩耗量として測定した。
3のカーボン軸受材は、比較例1、2及び3のカーボン
軸受材に比較して空気透過量が小さく、また摩耗量も少
なく、カーボン軸受材として適していることが確認され
た。
材は、金属含浸をせずに強度が強く、かつ摩耗量の少な
く、工業的に極めて好適である。
Claims (3)
- 【請求項1】 平均粒径が15μm以下の黒鉛粉を含む
骨材、固体潤滑材及び結合剤を含有したカーボン材を用
いてなるカーボン軸受材。 - 【請求項2】 カーボン材が、空気圧力0.49MPaに
おける空気透過量が10cc/cm2/min以下である請求項1
記載のカーボン軸受材。 - 【請求項3】 平均粒径が15μm以下の黒鉛粉を含む
骨材40〜50重量%、固体潤滑材1〜5重量%及び結
合剤45〜59重量%を含有してなる請求項1又は2記
載のカーボン軸受材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000073958A JP2001254741A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | カーボン軸受材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000073958A JP2001254741A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | カーボン軸受材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001254741A true JP2001254741A (ja) | 2001-09-21 |
Family
ID=18592096
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000073958A Pending JP2001254741A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | カーボン軸受材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001254741A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6452675A (en) * | 1987-08-25 | 1989-02-28 | Toshiba Ceramics Co | Carbon material |
JPH0826709A (ja) * | 1994-07-13 | 1996-01-30 | Toyo Tanso Kk | 炭素材の製造方法 |
JPH11228230A (ja) * | 1998-02-04 | 1999-08-24 | Hitachi Chem Co Ltd | カーボン摺動材の製造方法 |
JP2000072549A (ja) * | 1998-09-03 | 2000-03-07 | Hitachi Chem Co Ltd | カーボン摺動材とその製造方法 |
-
2000
- 2000-03-13 JP JP2000073958A patent/JP2001254741A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2000072549A (ja) * | 1998-09-03 | 2000-03-07 | Hitachi Chem Co Ltd | カーボン摺動材とその製造方法 |
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