JP2001254735A - 車軸軸受装置 - Google Patents

車軸軸受装置

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JP2001254735A JP2000069116A JP2000069116A JP2001254735A JP 2001254735 A JP2001254735 A JP 2001254735A JP 2000069116 A JP2000069116 A JP 2000069116A JP 2000069116 A JP2000069116 A JP 2000069116A JP 2001254735 A JP2001254735 A JP 2001254735A
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    • F16C19/38Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers
    • F16C19/383Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers with tapered rollers, i.e. rollers having essentially the shape of a truncated cone
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車軸軸受装置の鍔部端面8と後蓋3の接触面
10とのフレッチング摩耗粉の発生を縮減し、グリー
ス、油等の潤滑剤の劣化を防ぎ軸受1の寿命延伸させ
る。 【解決手段】 車輪側に設けられた後蓋3と接触するよ
うにされた軸受1の内輪4aの鍔部端面8と後蓋3との
接触面10を軸受内輪内径21以上かつ内輪内径の1.
2倍以下の径の範囲とする。さらに、接触面10の外方
にラジアル方向の微少隙間11を設け、接触面の外方に
隣接して弾性シール部材12を挟持させる。あるいは、
接触面の外方に隣接して環状溝14を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は鉄道車両の車軸な
どに用いられる車軸軸受装置に関する。特に運転中に後
蓋と軸受内輪との接触面に発生するフレッチング摩耗粉
の発生防止技術に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両用の車軸軸受装置は、例えば図
9に示すように、内輪間座13を挟持する2個の内輪4
a,4bと、内輪の外側の軌道輪を転動するテーパころ
6と、テーパころが内側を転動するようにされた外輪5
と、テーパころの位置を保持する保持器7とからなるテ
ーパころ軸受1を軸受付属部品である後蓋53と油切り
2とで内輪の両外側の鍔部端面を挟持固定するようにし
ている。
【0003】かかる構造の車軸軸受装置においては、車
軸にかかる多大な曲げモーメントのため、軸受内輪4a
の鍔部端面8と後蓋53との接触面54、軸受内輪4b
の鍔部端面9と油切り2との接触面55に繰り返し応力
が発生する。この繰り返し応力により鍔部端面8,9と
接触面54,55とでフレッチング摩耗が発生する。こ
のフレッチング摩耗粉は軸受内部に侵入し、グリース、
油の劣化、軸受寿命を低下させる。そして、車両の構造
上曲げモーメントによるフレッチング摩耗の防止は難し
い。
【0004】そこで、特開平8−128451号公報に
おいては、内輪の鍔部端面と後蓋又は油切りとの接触面
に潤滑剤を介在させたり、あるいは、接触面に潤滑剤収
容凹部や径方向の溝を設け潤滑材を封入したり、あるい
は、接触面を高周波焼き入れ等により表面硬化したもの
が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このも
のは、潤滑剤の塗布が必要であり、また、潤滑剤の漏出
や経年変化による潤滑性能の低下が問題であった。さら
に、接触面を高周波焼き入れするものはコストがかかる
という問題があった。特に、軸受内輪4aの鍔部端面8
と後蓋53の接触面54においてはフレッチング摩耗粉
が油切り側に比べ多く発生し、さらなる対策が望まれて
いた。本発明の課題は、上記の問題点に鑑みて、車軸軸
受装置の軸受内輪の鍔部端面と後蓋の接触面とのフレッ
チング摩耗粉の発生を従来より縮減し、グリース、油等
の潤滑剤の劣化を防ぎ軸受寿命延伸させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明においては、軸受
内輪と、該内輪の両外側の鍔部端面を挟持固定するよう
にされた軸受付属部品とを有し、該軸受付属部品の車輪
側に設けられた後蓋と、該後蓋と接触するようにされた
軸受内輪の鍔部端面との接触面を軸受内輪内径以上かつ
内輪内径の1.2倍以下の径の範囲に設けることにより
上記課題を解決した。
【0007】即ち、本発明者等は鋭意研究の結果、車軸
軸受においては、車軸に発生する曲げモーメントが軸受
内輪の鍔部端面と後蓋の接触面にかかる。そして、曲げ
モーメントによって発生する変形あるいは干渉量が外径
側に行くほど大きくなる。そしてフレッチング摩耗はこ
の変形の大きさによって増減し、フレッチング摩耗粉の
摩耗状態は内径側の摩耗が少量で外径側にいくに従い摩
耗量が多くなると考えた。この知得により、本発明にお
いては、接触面を軸受内輪内径以上で、同内輪内径の
1.2倍以下の径の範囲に設け、車輪の曲げモーメント
によるフレッチング摩耗粉の摩耗状態が少量な内径側で
接触面を形成するようしてフレッチング摩耗粉を従来よ
り縮減させたのである。下限を軸受内輪内径としたの
は、できるだけ接触面を内径側に位置させるためであ
り、また上限を内輪内径の1.2倍としたのは、外径を
小さくしてフレッチング摩耗粉の発生を減らす一方、接
触面積の大きさを確保するためである。
【0008】接触面から外方の部分は充分な空隙を設け
てもよいが、摩耗粉が全くなくなるのではないので、摩
耗粉の軸受側への流出を抑えるのがよい。そこで、請求
項2においては、接触面の外方の鍔部と後蓋のラジアル
方向の隙間を微少隙間とし、さらに、接触面の外方に隣
接して軸受鍔部端面と後蓋端面との間にO−リング等の
弾性シール部材を挟持するようにした。
【0009】また、請求項3においては、接触面の外方
の鍔部と後蓋のラジアル方向の隙間を微少隙間とし、接
触面の外方に隣接して環状溝を設け、これにより鉄道車
両運転中に発生するフレッチング摩耗粉を環状溝に溜め
ることができる。同時に運転中に軸受からのグリースが
環状溝に押し寄せてくるのでフレッチング摩耗粉を環状
溝に閉じこめることができる。
【0010】さらに、弾性シールに隣接して外方に環状
溝を設ければより摩耗粉の軸受側への流出が防止される
(請求項4)。なお、環状溝は鍔部側、後蓋側の一方又
は両方のいずれかでもよい。また、接触面に従来のよう
に潤滑剤を設けたり、焼入れすればより好ましいことは
言うまでもない。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明の車軸軸受装置の断面図、図
2は図1の内輪鍔部端面と後蓋の接触面近傍の部分拡大
断面図である。図1において、軸受1は外輪5、テーパ
ころ6、内輪4a,4b及びテーパころを保持する保持
器7で構成されている。復列の内輪4a,4bの小径側
の鍔部4c,4d間に内輪間座13が設けられ組立時の
すきまを調整する。また、内輪の内径穴21に図示しな
い鉄道車両用の車軸が嵌合し、外輪5が車体等に設けら
れたハウジングに固定され車軸が回転可能に車体に取り
付けられる。
【0012】内輪の大径側の鍔部4e,4fの両端面
8,9にその外径が鍔部外径とほぼ同外径の油切り2、
同外径のインロー部20を有する後蓋3が同心に当接す
るようにされている。インロー部20は組み付け時の心
出しや搬送を容易にするためのものである。油切り2に
隣接してナット24、回り止め25、カバー26設けら
れている。ナット24の内径側にめねじ24aが設けら
れており、図示しない車軸先端に設けられたおねじに螺
着させることにより、車軸の段部に後蓋3の図示右側に
当接させ、車軸に後蓋3、内輪4a、内輪間座13、内
輪4b、油切り2を挟持固定する。回り止め25は鍔2
5を図示しない車軸端の溝へ嵌合させボルト27でナッ
ト24に固定してナットの緩みを防止する。ボルト27
は座金28の一部を変形させて抜け止めとしている。カ
バー26は回り止め25の嵌合部25bに弾性変形によ
り嵌合するようにされている。
【0013】外輪1の両側には、金属製の3段の段付円
筒状のシール外環29が張り出しており、その先端29
aは後蓋3及びナット24の外方に設けられた周溝3
0,31に入り込むようにされラビリンスシールを形成
している。中段部29bには弾性シール32が設けられ
そのシール先端が後蓋3及び油切り2の外周面に接する
ようにされている。また、弾性シール32に隣接してシ
ール仕切板33が設けられており、その先端が後蓋3及
び油切り2の外周面と微少隙間を形成するようにされて
いる。ラビリンスシール、弾性シール32、シール仕切
板33により、外部からの塵埃等の浸入及び軸受側から
のグリースの流出を防止している。なお後蓋3の外周の
溝34は図示しないハウジングの内周面とラビリンスシ
ールを形成するためのラビリンス溝である。
【0014】特に本発明においては、図2に示すよう
に、後蓋3と鍔部端面8との接触面10は面取りにより
内輪内径21よりやや大きくされた後蓋内径3aと内輪
内径21の1.2倍の外径3bとの間になるようにされ
ており、外径3bより外方ではラジアル方向に微少隙間
11が形成されている。インロー部20は締まりばめで
もよいが、組み付けの容易さ、分解時の変形防止のため
隙間ばめにされている。接触面10の外方、即ち外径3
bに隣接してO−リング12が設けられている。
【0015】かかる構成によれば、接触面を内径側に偏
らせているのでフレッチング摩耗の発生が減少する。さ
らに、図1、2に示す車軸軸受で回転試験を実施した結
果、軸受内輪4aと後蓋3の接触面10で発生したフレ
ッチング摩耗粉がOリング12により軸受内部への侵入
をくい止めていることが確認できた。
【0016】本発明の第二の実施の形態について説明す
る。図3は本発明の第二の実施の形態に係る内輪鍔部端
面と後蓋の接触面近傍の部分拡大断面図である。第一の
実施の形態がO−リングによりフレッチング摩耗粉の軸
受内部への浸入を防止しているのに対し、環状溝で防止
している点で相違する。その他の部分は第一実施例と同
様であるので説明を省略する。図3において、後蓋3′
と鍔部端面8との接触面10′は面取りにより内輪内径
21よりやや大きくされた後蓋内径3aと内輪内径21
の1.2倍の外径3bとの間になるようにされており、
外径3bより外方ではラジアル方向に微少隙間11が形
成され、インロー部20で隙間をもって嵌合するように
されている。接触面10′の外方、即ち外径3bに隣接
して環状溝14が設けられている。
【0017】かかる構成によれば、フレッチング摩耗粉
を環状溝14に溜め、同時に環状溝への軸受からのグリ
ースの侵入によりフレッチング摩耗粉を閉じこめるもの
となる。さらに、接触面側にO−リングを設ければより
フレッチング摩耗粉の軸受側への浸入を防止できる。な
お、接触面の最小面積は軸受装置にかかる軸方向力によ
り適宜決定されるが、接触面積を決定するにあたり、接
触面の面積を複数の内輪に挟持されている内輪間座と接
触する内輪の小径側の鍔部との接触面積以上とすれば、
過去のデータを活用でき、設計も容易である。また、間
座のないものでも同様である。また、隙間11は鍔側、
後蓋側、又は両者のいずれに設けてもよい。また、鍔部
端面と後蓋間にリング状の薄板を設けて接触面を形成す
るようにしてもよい。
【0018】
【実施例】次に本発明のフレッチング摩耗への影響につ
いて試験を行った結果ついて説明する。図4は、フレッ
チング摩耗を測定するための試験装置の説明図、図5は
本発明の車軸軸受装置の部分断面図、図6は比較のため
の車軸軸受装置の部分断面図である。図4において、図
示しない回転動力源及び伝達機構により回転可能にされ
たフランジ41が支柱42上のカバー43より突出して
取り付けられている。フランジ41に模擬車軸44が取
り付けられ、後蓋3、2個の内輪4a,4b、油切り2
がナット24により模擬車軸に固定されている。内輪4
a,4bの外周にはテーパころ6を介して外輪5が組み
付けられ外輪の両端にオイルシール32が設けられオイ
ルシールのリップが油切り2、後蓋3の外周面と摺接
し、軸受のシールを形成している。外輪5はケース4
5、ロッド46を介してシリンダ47のロッド47aに
接続され、下方に引っ張ることによりラジアル荷重を与
え主軸軸受装置に曲げモーメントを発生させるようにさ
れている。
【0019】係る装置に、外径側に接触面をもたせた比
較車軸軸受装置50と内径側に接触面をもたせた本発明
の車軸軸受装置1′とを比較試験した。内輪内径は50
mm、内輪鍔部外径及び後蓋外径は70mm、外輪外径
は90mmである。本発明車軸軸受装置は図5に示すよ
うに、面取り部を考慮して、接触面10は内径54mm
で外径が57.8mmの範囲となるようにした。また、
比較車軸軸受装置は図6に示すように、接触面51が内
径64.7mmで外径が68mmの範囲となるようにし
た。両接触面積はほぼ同じ約336mm2である。かか
る寸法の車軸軸受装置を回転数600rpm、ラジアル
荷重19.6kN、軸受潤滑剤にグリースを使用し17
5時間運転した。
【0020】試験結果を図7、8に示す。図7は本発明
の軸受装置、図8は比較軸受装置の内輪鍔部端面の径方
向(図の左側が外径側、右側が内径側)の面粗さであ
る。図8に示すように、比較軸受装置は軸受内輪端面に
フレッチング摩耗が発生し接触面内径側62はフレッチ
ング摩耗は明らかでないが、接触面外径側63は多量の
フレッチング摩耗が発生していることが分かる。一方、
図7に示す本発明品は内外径側とも端面8に異常は見ら
れず本発明によりフレッチング摩耗の発生が減少するこ
とが証明された。なお、油切り側にも後蓋側と同様に外
方に隙間を設け接触面を内側に設けても良いが、その効
果は小さい。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、従来の後蓋形状はフ
レッチング摩耗について考慮しておらずフレッチング摩
耗粉が侵入する可能性があったが、本発明においては、
接触面を軸受内輪内径以上で、同内輪内径の1.2倍以
下の径の範囲に設けることにより、内径側に接触面を形
成しフレッチング摩耗粉を縮減させたので、グリース、
油等の潤滑剤の劣化を防ぎ軸受寿命延伸させる車軸軸受
装置を提供するものなった。
【0022】また、接触面の外方に隣接して軸受鍔部端
面と後蓋端面との間の弾性シール部材により軸受内部へ
フレッチング摩耗粉の侵入を防止し、あるいは、接触面
の外方に隣接した環状溝にフレッチング摩耗粉を溜め、
軸受からのグリースを環状溝に導入させフレッチング摩
耗粉を閉じこめるので、軸受寿命の延伸をはかることが
できる。さらに、鉄道車両検修、メンテナンス周期の延
伸が期待でき、検修、メンテナンスの工数、コストを削
減することができるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車軸軸受装置の断面図である。
【図2】図1の内輪鍔部端面と後蓋の接触面近傍の部分
拡大断面図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態に係る内輪鍔部端面
と後蓋の接触面近傍の部分拡大断面図である。
【図4】フレッチング摩耗を測定するための試験装置の
説明図である。
【図5】試験に用いた本発明の車軸軸受装置の部分断面
図である。
【図6】試験に用いた比較のための車軸軸受装置の部分
断面図である。
【図7】本発明の車軸軸受装置の内輪鍔部端面の試験後
の径方向(図の左側が外径側、右側が内径側)の面粗さ
である。
【図8】比較車軸軸受装置の内輪鍔部端面の試験後の径
方向(図の左側が外径側、右側が内径側)の面粗さであ
る。
【図9】従来の車軸軸受装置の断面図である。
【符号の説明】
3 後蓋 4a、4b 軸受内輪 4e、4f 鍔部 8、9 鍔部端面 10 接触面 11 微少隙間 12 弾性シール部材(O−リング) 14 環状溝 21 軸受内輪内径
フロントページの続き Fターム(参考) 3J016 AA04 BB02 BB03 BB05 BB17 CA06 CA07 3J101 AA16 AA25 AA32 AA43 AA54 AA62 BA53 BA56 BA71 BA73 BA77 FA35 GA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受内輪と、該内輪の両外側の鍔部端面
    を挟持固定するようにされた軸受付属部品とを有し、該
    軸受付属部品の車輪側に設けられた後蓋と、該後蓋と接
    触するようにされた前記軸受内輪の鍔部端面との接触面
    が前記軸受内輪内径以上かつ前記内輪内径の1.2倍以
    下の径の範囲に設けられていることを特徴とする車軸軸
    受装置。
  2. 【請求項2】 前記接触面の外方の前記鍔部と前記後蓋
    のラジアル方向の隙間が微少隙間とされ、前記接触面の
    外方に隣接して軸受鍔部端面と後蓋端面との間に弾性シ
    ール部材が挟持されていることを特徴とする請求項1記
    載の車軸軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記接触面の外方の前記鍔部と前記後蓋
    のラジアル方向の隙間が微少隙間とされ、前記接触面の
    外方に隣接して環状溝が設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載の車軸軸受装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の前記弾性シールに隣接し
    て外方に請求項3記載の前記環状溝が設けられているこ
    とを特徴とする請求項3に記載の車軸軸受装置。
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