JP2001254605A - ガスタービン冷却静翼 - Google Patents
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Abstract
側,内側シュラウド、翼の構造を改良し、冷却効率を高
め、熱応力の発生により起こるクラックの発生を防止す
る。 【解決手段】 翼1の前縁側高さ100%〜75%の間
の領域Xは従来よりも肉厚を厚くし、全体の高さの翼壁
1内側には多数の突起状リブ4を設ける。その他の翼の
肉厚は従来より薄くする。又、翼の後縁開口部の厚みを
従来よりも薄くする。外側シュラウド2の背側、腹側端
部には冷却通路5a,5bを、内側シュラウド3の背
側、腹側両端部にも冷却通路9a,9b及び同通路と連
通し、端面に開口する多数の冷却穴13a,13bを配
列する。これら翼の構造及び外側,内側シュラウド2,
3の冷却通路5a,5b,13a,13bに冷却空気を
流し、又、冷却穴13a,13bより空気を吹出すこと
により、冷却効果を高め、クラックの発生を防止する。
Description
翼に関し、特に2段静翼に適用されるもので、熱応力に
対する強度を向上させると共に、冷却効果を高めるよう
な改善を施したものである。
前段の部分を示す一般的な断面図である。図において、
燃焼器30の取付フランジ31には1段静翼(1c)3
2が外側シュラウド33と内側シュラウド34とに両端
が固定されており、1段静翼32は円周方向に複数枚が
配置され静止側の車室に固定されている。1段静翼32
の後流側には1段動翼(1s)35が円周方向に複数枚
配置されており、この1段動翼35はプラットフォーム
36に固定され、プラットフォーム36はロータディス
クの周囲に取付けられており、動翼35はロータと共に
回転する。1段動翼35の後流側には、2段静翼(2
c)37の両端が外側シュラウド38、内側シュラウド
39に固定され、同様に周方向に複数枚が静止側に取付
けられている。同様に、後流側に2段動翼(2s)40
がプラットフォーム41を介してロータディスクに取付
けられている。このような翼の配列を有するガスタービ
ンは通常4段で構成され、燃焼器30で燃焼して高温と
なった燃焼ガス50が1段静翼(1c)32から流入
し、2段〜4段の各翼間を流れる過程において膨張し
て、それぞれ動翼35,40、等を回転させ、ロータに
回転動力を与えて排出するものである。
である。図において、2段静翼32は外側シュラウド3
3と内側シュラウド34に固定されており、外側シュラ
ウド33は四方の周囲を端部フランジ33a,33b,
33c,33dで囲い、内部に底面33eを有してい
る。同様に内側シュラウド34の下側(内側)も四方周
囲は端部フランジ34a,34cと取付フランジ41,
42の面により囲まれて底面34eを有している。2段
静翼32には外側シュラウド33側から図示していない
インピンジ板を介して冷却空気がシュラウド内へ流入
し、シュラウド内面を冷却すると共に、静翼32の上部
開口部から流入し、内部の通路へ流れて翼を冷却し、冷
却後の空気は内側シュラウド34内へ流入し、内側シュ
ラウド34を冷却して外部へ流出する。
図において61は翼壁であり、通常板厚は4.0mmの厚
さの壁を形成している。内部にはリブ62が設けられ2
区分された空間を形成し、各空間には、それぞれ前縁側
のインサート63、後縁側のインサート64が挿入さ
れ、壁61の内周囲壁面と一定の隙間を保って固定され
ている。各インサート63,64には周囲に複数の吹出
穴66が設けられ、内部の冷却空気を壁61とインサー
トとの隙間に流出できるようになっている。又、壁61
には冷却空気が吹出す冷却穴60が前縁部、背側、腹側
の複数個所に設けられ、壁61内壁とインサート63,
64との隙間に流出した冷却空気を吹出し前縁部ではシ
ャワーヘッド冷却、腹側、背側ではフィルム冷却を行
い、高温の影響を少なくするようにしている。
ービンの静翼では、外側シュラウドより冷却空気が流入
し、外側シュラウドの内面を冷却すると共に、静翼内へ
流入し、翼内部を冷却し、その後、内側シュラウドへ流
入して内側シュラウドも冷却する構造である。しかし、
2段静翼は高温にさらされる翼であり、特にシュラウド
が高温により変形したり、酸化による減肉、コーティン
グの剥離が生じ、又、後縁の翼付根部や端面でのクラッ
クが発生することがある。
温にさらされて熱的に厳しい状態におかれるシュラウド
や翼の壁の強度を向上させる共に、冷却構造に改良を加
え、熱の影響による変形やクラックの発生を抑えるよう
にする改善を施したガスタービン冷却静翼を提供するこ
とを課題としてなされたものである。
決するために、次の(1)〜(7)の手段を提供する。
側シュラウドへ挿入された吹出穴付筒状インサートに冷
却空気を流し同吹出穴より流出させ、翼壁を貫通する冷
却穴より外部へ流出させると共に、前記内側シュラウド
へも導き同内側シュラウドを冷却して外部へ流出させる
ガスタービン2段静翼において、前記翼前縁部背側の前
記インサートとの間で高さ100%から75%の範囲の
翼肉厚を他の翼肉厚よりも厚くすると共に、高さ0〜1
00%全体の背側の前記インサートとの間には翼壁内側
で横方向に伸び上下に複数本からなる翼リブを形成し、
前記外側及び内側シュラウドのそれぞれの背側及び腹側
の両端部に設けられ、前縁側から後縁側へ冷却空気を流
して後縁側へ開口して流出させる冷却通路と、前記内側
及び外側シュラウドの前記背側及び腹側の冷却通路に沿
って配列し、一端が同通路へ連通し他端が端面に開口し
て冷却空気を吹出す複数の冷却穴とを備えてなることを
特徴とするガスタービン冷却静翼。
は背側から腹側の両端面に至る範囲にわたって複数のピ
ンフィンを立設した空間を形成し、背側と腹側の両端部
において前記冷却通路に連通させることを特徴とする
(1)記載のガスタービン冷却静翼。
のみ設けられていることを特徴とする(1)記載のガス
タービン冷却静翼。
及び腹側の端部には、それぞれフランジ面が形成され、
周方向に互いに隣接する前記外側及び内側シュラウド同
志を前記フランジ面によりボルト結合可能とすることを
特徴とする(1)記載のガスタービン冷却静翼。
定個所の周囲のシュラウド肉厚は他のシュラウド肉厚よ
りも薄くすることを特徴とする(1)記載のガスタービ
ン冷却静翼。
状の曲面であることを特徴とする請求項1記載のガスタ
ービン冷却静翼。
の肉厚は高さ100%から75%の範囲にわたって肉厚
が厚くなっている。従って外側シュラウドへの翼の付根
部で高温高圧燃焼ガスによる曲げ荷重の影響の厳しい前
縁が補強されているので翼倒れが防止される。又、翼の
高さ0〜100%全体の翼壁の内周側で背側には複数の
翼リブが上下に突設しているので、これら領域での翼壁
が補強され、翼の膨れを防止する。更に、外側シュラウ
ドの背側、腹側の両側に設けられた冷却通路には、それ
ぞれ前縁側から冷却空気が流れ両側を冷却しながら後縁
側へ流出すると共に、これら通路に沿って配列する複数
の冷却穴を通って両側に吹き出すことにより、外側シュ
ラウドの背側、腹側の両端部が効果的に冷却される。同
様にインサートを通り、内側シュラウドへ流入する空気
は、それぞれ両側の冷却通路を流れて両端部を冷却しな
がら後縁部から流出すると共に、冷却通路から、この通
路に沿って配列する複数の冷却穴を通って両側に吹出す
ことにより、両側端面も効果的に冷却される。
外側シュラウドへの付根部の構造、翼リブ、外側シュラ
ウドの冷却通路、及び冷却穴、内側シュラウドの冷却通
路及び冷却穴との構造により、翼の付根部、外側,内側
シュラウドの冷却効果が向上し、熱応力によるクラック
の発生を防止することができる。
の両端に至るまで全面にピンフィンを立設した空間を形
成しているので、両端部にピンフィンを有する空間がな
かった従来のものよりも、ピンフィンによる冷却領域が
拡大し、ピンフィンによる冷却空気の冷却効果が向上す
るようになり、上記(1)の発明の前縁部の冷却効果が
一層高まるものである。
穴は腹側には設けずに、高温ガスの影響を最も受ける背
側にのみ設けるようにしたので、冷却空気量が従来より
も少なくすることができる。
外側及び内側シュラウド同志をフランジによりボルト結
合して連結することができるので、取付の強度が確実に
確保され、上記(1)の発明の熱応力の影響を抑える効
果をより一層確実に得ることができる。
付根部のうち、熱応力の発生しやす個所、例えば、翼後
縁端部、前縁等の近辺のシュラウド面を薄肉化すること
により、この部分のシュラウドの熱容量を小さくして翼
とシュラウド間の温度差を小さくし、熱応力の発生を少
なくすることができる。
楕円形状とすることにより、前段の動翼から流入する全
方向のガス流をスムーズに受け入れることができ、上記
(1)の発明の空力特性が向上し、高温ガスの影響のア
ンバランスをなくし、上記(1)の発明の効果がより一
層確実に得られるものである。
て図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の実
施の第1形態に係るガスタービン冷却静翼を示す側面
図、図2〜図4は翼の断面図、図5は外側シュラウドの
外側の平面図、図6は内側シュラウドの側面及び内側の
平面図である。
し、1は翼、2は外側シュラウド、3は内側シュラウド
である。図中Xで示す部分は前縁部100%と75%の
高さの間の前縁の領域であり、肉厚を5mmとしている。
これは2段静翼10は外側が固定され、内側がロータと
近接する片持の状態であるため翼倒れ防止のために補強
するものである。
間で背側のみの翼内壁に所定のピッチで上下に配設さ
れ、内側に突出して翼壁の剛性を高め、翼の膨れを防止
するものである。又、図2で後述する後縁の空気吹出口
の厚みを全断面において、従来は5.4mmあったものを
4.4mmとして薄肉化している。その他の壁の厚みは従
来4.5mmであったものを腹側3.0mm、背側4.0mm
とし、薄肉形状とし、翼全体にTBC(Thermal Barrie
r Coating)を施す。
前縁部高さ75%〜100%の範囲を示し、背側には図
中Xで示すように後縁の空気吹出口の厚さt2 を従来
5.4mmあったものを、4.4mmと薄肉化して空力性能
を向上させる形状としている。又、腹側の壁の厚さt3
は、従来の4.5mmからt3 =3.0mmとして薄肉化し
ている。
けられており、ピンの幅は1.2mm、後縁の壁厚さは
1.2mmとし、更にTBCが0.3mmにアンダーコート
が0.1mm施されており、前記したように冷却空気が吹
出す後縁厚みをt2 =4.4mmと薄くしている。更に、
冷却穴60は従来存在していた腹側の冷却穴をなくし、
背側のみとして冷却空気量を削減している。
前縁部高さ50%以下の部分を示し、(a)は断面図、
(b)は(a)におけるD−D断面図である。図におい
て、翼の厚さはt3 =3.0mmであるが、背側の前縁部
には多数のリブ4を上下に配列している。(b)図に示
すように肉厚は、t3 =3mmとし、ピッチP=15mmご
とにリブ4を上下に配列して形成している。リブ4の幅
はW=3.0mm、高さH=3.0mmとしてリブ4で背側
を補強している。リブの先端は矩形、面取り、(R)と
し基部は壁に曲面Rで形成されている。このようなリブ
4を背側に設けることにより、翼が外側に膨れるのを防
止している。その他の構成は図2と同様である。
後縁部0%の部分を示し、基本的には図3と同じ構造で
あり、背側の前縁部はリブ4、又は壁の肉厚を厚くして
補強している。本実施の第1形態では、図示していない
が、図2,図3,図4に示す翼の断面形状は翼高さ方向
にねじれて変化させており、インサート63,64の組
立時の挿入性を考慮し、ねじれを最少限度にとどめ、翼
の薄肉化と共に、垂直方向からインサート63,64を
挿入可能にねじれた形状とし、空力性能を向上させる形
状としている。
ラウドを示し、図1におけるE−E矢視図である。図に
おいて、外側シュラウド2の周囲はフランジ部2a,2
b,2c,2dで囲まれており、シュラウドの肉厚は、
図8(b)にも示すように前縁側17mm〜後縁側5.0
mmまでテーパ形状としている。フランジ部2d,2a内
には冷却通路5aが、フランジ部2d,2c内には冷却
通路5bが、それぞれ設けられている。これら冷却通路
5a,5bは前縁側の端部から、それぞれ背側、腹側の
両側端部を通り、後縁側に抜ける通路を形成している。
又、冷却通路5a,5b内にはそれぞれタービュレータ
6が設けられている。又、従来と同様に後縁側のフラン
ジ部2bには多数の冷却穴7が穿設されており、外側シ
ュラウド内部の空間に連通して冷却空気を後縁へ吹出す
ようになっている。
からシュラウドの面に流入する冷却空気の一部は、翼1
のインサート63,64で形成される空間に入り、翼内
部を冷却し、翼周囲の冷却穴から吹出して翼を冷却する
と共に、内側シュラウドへも流入する。残りの冷却空気
は、前縁側より左右に分かれて、それぞれ50a,50
dで示すように冷却通路5a,5bに流入し、冷却通路
5aでは、50a,50bのように流れ50cのよう
に、又、冷却通路5bでは、50d,50eのように流
れ50fのように、それぞれタービュレータ6で流れが
攪拌されて熱伝達効果を高めながら、後縁側より流出
し、外側シュラウド2の前縁端部及び両側を冷却する。
更に、シュラウド内側空間からの空気は、空間内の50
gから、それぞれ後縁側のフランジ部2bに設けられた
複数の冷却穴7より50hのように流出し、後縁側端部
を冷却する。このように外側シュラウド2の全面及び全
周囲が冷却空気により効果的に冷却される。なお、外側
シュラウドにおいても図6(b)で後述するように冷却
通路5a,5bの両側面に多数の冷却穴を設け、冷却空
気を吹き出すようしても良い。
ラウドを示し、(a)は内側シュラウドの側面図、
(b)はそのF−F矢視図である。両図において、内側
シュラウド3の内側にはシールリング保持環を取付ける
ための取付フランジ8a,8bが設けられているが、後
縁側の取付フランジ8aは従来の取付フランジ42より
も後方に移動し、翼1の後縁端の位置から外して配置さ
れている。これにより後段の隣接する2段動翼とで形成
される空間70が狭くなり、この空間70内の圧力が高
まり、シール性能を向上させると共に、高温燃焼ガスの
内側への流入を確実に防止し、これにより内側シュラウ
ド3の後縁端部の冷却効果を一層高めるものである。
周囲は、それぞれ背側、腹側の両端フランジ部3a,3
b、取付フランジ8a,8bにより囲まれており、前縁
側には多数のピンフィン10が立設する空間を設け、後
縁側には内側空間に連通し、後縁側に開口する多数の冷
却穴12が設けられている。両フランジ部3a,3b内
には、それぞれ冷却通路9a,9bが設けられ、前縁側
のピンフィン10からなる空間と、後縁側にそれぞれ開
口し、前縁側のピンフィン10の空間から後縁へ冷却空
気を流すようになっている。又、シュラウド内側の空間
とピンフィン10からなる空間とは開口部11で連通し
ており、更に、両フランジ部3a,3bの側面には、そ
れぞれ冷却通路9a,9bに連通して側面へ開口する多
数の冷却穴13a,13bが配列し、冷却空気を側面へ
吹出すようになっている。
サート63の空間から吹出した冷却空気50hは、開口
部11よりピンフィン10が配列する空間に入り、この
部分の流れを攪拌して効果的に冷却し、それぞれ50
i,50nのように左右に分かれて冷却通路9a,9b
に流入する。冷却通路9aでは、50i,50j,50
kのように流れ、又、冷却通路9bでは、50p,50
Q,50rのように流れて、それぞれ両側を冷却して後
縁側へ流出する。更に、この過程において、各冷却通路
9a,9bに連通する多数の冷却穴13a,13bか
ら、それぞれ背側、腹側の両端へ50m,50sのよう
に冷却空気を吹出し、両側を効果的に冷却する。
空気は50tのように内側の空間に入り、50Uのよう
に後縁側へ流れ、後縁側の多数の冷却穴12より後縁側
へ吹出し、後縁を効果的に冷却する。このように、内側
シュラウド3は、前縁側は背側、腹側両端部に至る全面
をピンフィン10を設けた空間とし、後縁には従来と同
様に多数の冷却穴12による通路を設け、背側、腹側の
両端は冷却通路9a,9b及び多数の冷却穴13a,1
3bを配列した構成とし全周辺を有効に冷却できる。更
に、後縁側の取付フランジ8aを後方に移動させて隣接
する後流側の動翼との空間70を狭くし、シュラウド後
流側の冷却を良好にすることができる。
1の前縁部で高さ100%〜75%の範囲の背側の肉厚
を厚くし、又、高さ0〜100%全体にリブ4を設け、
その他の翼の肉厚を薄く、更に後縁の空気吹出口の厚み
を薄くする構成とし、翼からの空気を吹出す冷却穴を腹
側をなくして背側のみとする。又、外側シュラウド2に
は背側と腹側とに冷却通路5a,5bを設け、内側シュ
ラウド3には前縁部を全面ピンフィン10を配置し、背
側と腹側に冷却通路9a,9bを設けると共に、多数の
冷却穴13a,13bを配置する構成とし、熱的に厳し
い外側,内側シュラウド2,3の周辺部、翼の付根部が
効果的に冷却され、これら部分クラックの発生が防止さ
れる。
タービン冷却静翼を示し、外側シュラウド同志を互いに
フランジとボルト結合として強度を確保するようにした
ものであり、その他の構成は実施の第1形態と同じであ
る。なお、内側シュラウドも同様にフランジで結合され
ることができるが、本例では外側シュラウドで代表して
説明する。図7において、外側シュラウド2には背側の
周辺にフランジ14aが、腹側の周辺にフランジ14b
が取付けられ、それぞれフランジ14aと14bとを接
してボルト・ナット15で連結されている。このように
フランジ14a,14bとボルト・ナット15による結
合で外側シュラウド2の車室側への取付けがより強固と
なるものである。これにより強度が確保され、ガス圧力
による翼のクリープ倒れを防止する一助となる。また、
ボルト結合することで一体鋳造の2枚つづり翼と比べ、
翼同士の拘束が弱くなり翼付根の過大な熱応力を抑える
ことができる。その他の構成、効果は実施の第1形態と
同じであるので、詳しい説明は省略する。
タービン冷却静翼を示し、(a)は平面図、(b)は翼
の付根部近辺のシュラウドの肉厚を薄くした部分の断面
図で、翼とシュラウドの剛性のバランスを図るようにし
たものであり、その他の構成は、実施の第1形態と同じ
ものである。図8において、外側シュラウド2の翼1の
付根部のうち前縁の腹側の曲率の大きい突設部のシュラ
ウド部分16、後縁のフィン部分が取付けられるシュラ
ウド部分18、のそれぞれの近辺の肉厚を他の部分より
も薄く形成する。このように外側シュラウド2の翼付根
部の熱応力の厳しい部分16,18の肉厚を薄くする
と、この部分の剛性が小さくなり、翼1との剛性の差が
少なくなる。これにより、この部分に発生する熱応力も
小さくなって熱応力により発生するクラックも抑えるこ
とができる。なお、内側シュラウド3についても、説明
は省略するが、同様に、このような構成とすることがで
きる。その他の構成は実施の第1形態と同じであり、本
実施の第3形態では、そのシュラウドの冷却効果がより
一層確実となるものである。
タービン冷却静翼を示し、翼1の前縁部の形状を従来の
円弧状断面から楕円状断面としたものであり、その他の
構成は実施の第1形態と同じである。図において、
(a)は従来の前縁部の形状で、円弧形状19aであっ
たが、(b)に示すように楕円形状で楕円の長軸の円弧
形状19bとしている。このような形状とすることによ
り、前段の動翼からの広範囲の注入角を持つガス流れに
対し、どのような流れ方向に対しても対応ができるよう
になり、空力的な性能向上につながる。これにより翼1
への高温燃焼ガスの影響のアンバランスを小さくし、熱
応力の影響を小さくすることができる。その他の構成、
効果については、実施の第1形態と同じであるので説明
は省略する。
(1)外側シュラウドから翼内部を通り内側シュラウド
へ挿入された吹出穴付筒状インサートに冷却空気を流し
同吹出穴より流出させ、翼壁を貫通する冷却穴より外部
へ流出させると共に、前記内側シュラウドへも導き同内
側シュラウドを冷却して外部へ流出させるガスタービン
2段静翼において、前記翼前縁部背側の前記インサート
との間で高さ100%から75%の範囲の翼肉厚を他の
翼肉厚よりも厚くすると共に、高さ0〜100%全体の
背側の前記インサートとの間には翼壁内側で横方向に伸
び上下に複数本からなる翼リブを形成し、前記外側及び
内側シュラウドのそれぞれの背側及び腹側の両端部に設
けられ、前縁側から後縁側へ冷却空気を流して後縁側へ
開口して流出させる冷却通路と、前記内側及び外側シュ
ラウドの前記背側及び腹側の冷却通路に沿って配列し、
一端が同通路へ連通し他端が端面に開口して冷却空気を
吹出す複数の冷却穴とを備えてなることを特徴としてい
る。このような構成により、次のような効果を有する。
75%の範囲にわたって厚肉が厚くなっている。従って
外側シュラウドへの翼の付根部で高温燃焼ガスの影響の
厳しい前縁が補強されているので翼倒れが防止される。
又、翼の高さ全体の翼壁が翼リブで補強され、翼の膨れ
を防止する。更に、外側シュラウドの背側、腹側の両側
に設けられた冷却通路には、それぞれ前縁側から冷却空
気が流れ両側を冷却しながら後縁側へ流出すると共に、
両側の多数の冷却穴からも側面に吹き出すので、外側及
び内側シュラウドの背側、腹側の両端部が効果的に冷却
される。同様にインサートを通り、内側シュラウドへ流
入する空気は、それぞれ両側の冷却通路を流れて両端部
を冷却しながら後縁部から流出すると共に、冷却通路か
ら、この通路に沿って配列する複数の冷却穴を通って両
側に吹出すことにより、両側端面も効果的に冷却され
る。本発明の(1)においては、これら翼壁の外側シュ
ラウドへの付根部の構造、翼リブ、外側シュラウドの冷
却通路、内側シュラウドの冷却通路及び冷却穴との構造
により、翼の付根部、外側,内側シュラウドの冷却効果
が向上し、熱応力によるクラックの発生を防止すること
ができる。
の両端に至るまで全面にピンフィンを立設した空間を形
成しているので、両端部にピンフィンを有する空間がな
かった従来のものよりも、ピンフィンによる冷却領域が
拡大し、ピンフィンによる冷却空気の冷却効果が向上す
るようになり、前縁部の冷却効果が高まるものである。
穴は腹側には設けずに、高温ガスの影響を最も受ける背
側にのみ設けるようにしたので、冷却空気量が従来より
も少なくすることができる。
外側及び内側シュラウド同志をフランジによりボルト結
合して連結することができるので、取付の強度が確実に
確保され、上記(1)の発明の効果をより一層確実に得
ることができる。
付根部のうち、熱応力の発生しやす個所、例えば、翼後
縁端部、前縁等の近辺のシュラウド面を薄肉化すること
により、この部分のシュラウドの熱容量を小さくして翼
とシュラウド間の温度差を小さくし、熱応力の発生を少
なくすることができる。
楕円形状とすることにより、前段の動翼から流入する全
方向のガス流をスムーズに受け入れることができ、上記
(1)の発明の空力特性が向上し、上記(1)の発明の
効果がより一層確実に得られるものである。
却静翼の全体側面図である。
B断面図、(b)は(a)におけるD−D断面図であ
る。
を示し、(a)はその側面図、(b)は(a)における
F−F矢視図である。
却静翼の外側シュラウドの連結を示す平面図である。
却静翼の外側シュラウドを示し、(a)は平面図で、
(b)は断面図である。
却静翼の翼断面形状を示し、(a)は従来、(b)は本
発明を、それぞれ示す。
である。
Claims (6)
- 【請求項1】 外側シュラウドから翼内部を通り内側シ
ュラウドへ挿入された吹出穴付筒状インサートに冷却空
気を流し同吹出穴より流出させ、翼壁を貫通する冷却穴
より外部へ流出させると共に、前記内側シュラウドへも
導き同内側シュラウドを冷却して外部へ流出させるガス
タービン2段静翼において、前記翼前縁部背側の前記イ
ンサートとの間で高さ100%から75%の範囲の翼肉
厚を他の翼肉厚よりも厚くすると共に、高さ0〜100
%全体の背側の前記インサートとの間には翼壁内側で横
方向に伸び上下に複数本からなる翼リブを形成し、前記
外側及び内側シュラウドのそれぞれの背側及び腹側の両
端部に設けられ、前縁側から後縁側へ冷却空気を流して
後縁側へ開口して流出させる冷却通路と、前記内側及び
外側シュラウドの前記背側及び腹側の冷却通路に沿って
配列し、一端が同通路へ連通し他端が端面に開口して冷
却空気を吹出す複数の冷却穴とを備えてなることを特徴
とするガスタービン冷却静翼。 - 【請求項2】 前記内側シュラウドの前縁側端部には背
側から腹側の両端面に至る範囲にわたって複数のピンフ
ィンを立設した空間を形成し、背側と腹側の両端部にお
いて前記冷却通路に連通させることを特徴とする請求項
1記載のガスタービン冷却静翼。 - 【請求項3】 前記翼に設けられた冷却穴は背側にのみ
設けられていることを特徴とする請求項1記載のガスタ
ービン冷却静翼。 - 【請求項4】 前記外側及び内側シュラウドの背側及び
腹側の端部には、それぞれフランジ面が形成され、周方
向に互いに隣接する前記外側及び内側シュラウド同志を
前記フランジ面によりボルト結合可能とすることを特徴
とする請求項1記載のガスタービン冷却静翼。 - 【請求項5】 前記外側シュラウドの翼付根部の特定個
所の周囲のシュラウド肉厚は他のシュラウド肉厚よりも
薄くすることを特徴とする請求項1記載のガスタービン
冷却静翼。 - 【請求項6】 前記翼の前縁部の断面形状は楕円形状の
曲面であることを特徴とする請求項1記載のガスタービ
ン冷却静翼。
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