JPH11125102A

JPH11125102A - ガスタービン静翼

Info

Publication number: JPH11125102A
Application number: JP28982197A
Authority: JP
Inventors: Koichi Akagi; 弘一赤城; Yukihiro Hashimoto; 幸弘橋本; Masato Kataoka; 正人片岡; Yasuoki Tomita; 康意富田
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1997-10-22
Filing date: 1997-10-22
Publication date: 1999-05-11

Abstract

(57)【要約】【課題】２枚の静翼を１体的にシュラウドに組込んで
セグメント化したガスタービン静翼に関し、クラックの
発生頻度を少くする。【解決手段】静翼１ａ，１ｂはそれぞれ２分割された
外側シュラウド２ａ、２ｂと内側シュラウド３ａ，３ｂ
に固定され、外側シュラウド２ａ，２ｂの分割端にはそ
れぞれフランジ４ａ，４ｂが設けられ、ボルト穴７を通
してボルト結合される。内側シュラウド３ａ，３ｂも同
様に分割され、それぞれフランジ５ａ，５ｂが設けら
れ、同じくボルト結合される。２枚の静翼１ａ，１ｂを
単体の外側、内側シュラウドに固定し、セグメント化す
ると、拘束力が大きくなり、熱応力により局部応力が生
じ、クラック発生頻度が多くなるが、外側、内側シュラ
ウドを２分割し、ボルト結合することによりクラック発
生を少くする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は２枚の静翼を１つの
シュラウドに組込んでセグメント化したガスタービン静
翼に関し、翼又はシュラウドの熱応力による影響を低減
すると共に、クラックの発生を回避するようにしたもの
である。

【０００２】

【従来の技術】ガスタービンの静翼においては互に隣接
する内側シュラウド間の隙間からシール用空気が内側か
らもれ、燃焼ガス通路に無駄に放出され、圧縮機の動力
の負担を増す原因となっており、近年、このもれの原因
となる隙間を少くするために静翼のセグメント化が試み
られていた。しかし、複数の静翼をシュラウドで一体的
に固定するため、翼同志の拘束力が大きくなり熱応力に
より局部的に応力が集中し、クラックが発生する頻度が
多かった。

【０００３】図７（ａ），（ｂ）は従来のセグメント化
した静翼の斜視図であり、それぞれクラックの発生状況
を示している。図７において、１ａ，１ｂは静翼であ
り、２２は外側シュラウド、２３は内側シュラウドであ
り、図では２枚の静翼１ａ，１ｂをそれぞれ単体の外
側、内側シュラウド２２，２３に固定し、セグメント化
したものである。

【０００４】このように静翼１ａ，１ｂを一体化した構
造にすると、静翼１ａ，１ｂと外側、内側シュラウド２
２，２３とは互に拘束され、熱応力により無理な力がか
かり、（ａ）においては翼１ａの内側Ｐ３に、内側シュ
ラウド２３のＳ１へ、それぞれクラックが発生しやすく
なる。又、（ｂ）においては静翼１ａの両端部Ｐ１，Ｐ
２に、内側シュラウド２３のＳ２にそれぞれクラックが
発生しやすくなる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述のようにガスター
ビンの静翼ではシール用空気のもれを少くするために静
翼をセグメント化し、互に隣接する内側シュラウド間の
隙間を少くすることが試みられているが、静翼をセグメ
ント化することにより拘束力が大きくなり熱応力によっ
て局部的な応力が生じ、クラックが発生する頻度が多く
なった。

【０００６】そこで、本発明では、２枚の静翼をセグメ
ント化したガスタービンの静翼において、熱応力による
局部的な応力の発生を防ぐために、外側シュラウド及び
内側シュラウドに工夫をし、静翼間の拘束力をやわらげ
るようにしたガスタービン静翼を提供することを基本的
な課題としてなされたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するために、次の（１），（２）の手段を提供する。

【０００８】（１）ロータの周囲に配置された２枚の
静翼の両端を外側シュラウドと内側シュラウドにそれぞ
れ固定して一体化したガスタービン静翼において、前記
外側シュラウドと内側シュラウドをそれぞれ前記２枚の
静翼の間で分割すると共に、同外側及び内側シュラウド
の各分割端にはそれぞれフランジを設け、同フランジを
ボルト結合したことを特徴とするガスタービン静翼。

【０００９】（２）ロータの周囲に配置された２枚の
静翼の両端を外側シュラウドと内側シュラウドにそれぞ
れ固定して一体化したガスタービン静翼において、前記
内側シュラウドを前記２枚の静翼の間で分割すると共
に、同各分割端にはそれぞれフランジを設け、同フラン
ジをボルト結合したことを特徴とするガスタービン静
翼。

【００１０】本発明の（１）においては、２枚の静翼を
セグメント化したものにおいて、外側、内側シュラウド
の両方を分割しているので熱応力により発生する歪は左
右で分断されて分散し、翼の端部や内側シュラウドに局
部的な集中応力が発生することが避けられる。従って、
局部的な集中応力によるクラックの発生する頻度が少く
なる。又、分割された外側、内側シュラウドはフランジ
を設けて互にボルト結合されており、２枚の静翼を一体
的に外側、内側シュラウドで固定しているので従来と同
様にセグメント翼としての機能を損うことがなく、内側
シュラウド間の隙間は少くなるのでシール空気のもれを
少くすることができる。

【００１１】（２）の発明においては、内側シュラウド
のみを分割したものであり、特に内側シュラウド面や静
翼の内側端部にクラックが多く発生する場合には（１）
の発明と同等の効果が得られる。この場合には、翼の外
側端部に発生するクラックに対しては（１）の発明程の
効果は望めないが、外側シュラウドの分割がないので組
立が容易となる利点がある。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基いて具体的に説明する。図１は本発明の実施
の第１形態に係るガスタービン静翼の斜視図であり、図
に示すように外側、内側シュラウドをそれぞれ中央部で
分割し、それぞれボルトで結合する構成としたものであ
る。

【００１３】図１において、１ａ，１ｂは静翼であり、
２ａ，２ｂは分割された外側シュラウドで、それぞれ静
翼１ａ，１ｂが固定されている。３ａ，３ｂは同様に分
割された内側シュラウドで、それぞれ静翼１ａ，１ｂを
固定している。分割部分は図示のように各静翼１ａ，１
ｂの中間部分であり、外側シュラウド２ａ，２ｂの分割
部分には図示していないフランジ４ａ，４ｂが設けられ
ており、このフランジ４ａ，４ｂをボルトで結合してい
る。同じく内側シュラウド３ａ，３ｂの分割部分にもフ
ランジ５ａ，５ｂが設けられており、ボルトで連結され
ている。

【００１４】図２は本発明の実施の第２形態に係るガス
タービン静翼の斜視図であり、第１形態では外側、内側
シュラウドの両方を分割したのに対し、本実施の第２形
態においては内側シュラウドのみ分割したものである。

【００１５】図２において、１ａ，１ｂは静翼で、１２
は外側シュラウドであり、分割せずに静翼１ａ，１ｂを
固定している。１３ａ，１３ｂは分割された内側シュラ
ウドであり、図１と同様にフランジ１５ａ，１５ｂが設
けられ、ボルトで結合されている。

【００１６】図３はボルト結合の状態を示す斜視図で、
実施の第１形態における外側シュラウドの分割部分を示
している。図において、外側シュラウド２ａ，２ｂの分
割端部にはそれぞれフランジ４ａ，４ｂが設けられてお
り、ボルト穴７があけられ、両フランジ４ａ，４ｂを接
合してボルト結合され、分割された状態で連結されてい
る。

【００１７】内側シュラウド３ａ，３ｂについても図示
してないが、内側シュラウドと同様に分割部分にフラン
ジ５ａ，５ｂが設けられ、ボルトで連結される。このよ
うな構造により、従来と同じくセグメント翼としての機
能を確保すると共に、その熱応力による拘束力をやわら
げて局部的な集中応力の発生を防ぐものである。

【００１８】図４は図３におけるＡ−Ａ断面図であり、
分割された外側シュラウド２ａ，２ｂにはそれぞれフラ
ンジ４ａ，４ｂが設けられており、両フランジにはボル
ト穴７が設けられてボルト・ナット６により連結されて
いる。

【００１９】図５は図３におけるＢ−Ｂ断面図であり、
分割された内側シュラウド３ａ，３ｂには内側（ロータ
側）に向ってそれぞれフランジ５ａ，５ｂが設けられて
おり、外側シュラウドと同様にボルト穴７が設けられて
ボルト・ナット６により連結されている。もちろん図２
に示す実施の第２形態においても、本図と同じ構造であ
る。

【００２０】図６は上記に説明の実施の第１，第２形態
におけるクラックの発生個所の寿命評価を行った結果を
まとめた図であり、（ａ）は図７に示すシュラウドを分
割してない従来の静翼、（ｂ）は図２に示す内側シュラ
ウドのみを分割した実施の第２形態の静翼、（ｃ）は図
１に示す外側、内側シュラウド共分割した実施の第１形
態の静翼のそれぞれの寿命評価である。図において横軸
には図７（ａ），（ｂ）に示すクラックの発生個所Ｓ
１，Ｓ２，Ｐ１，Ｐ２，Ｐ３をそれぞれ配置し、縦軸に
応力の繰返し回数を棒グラフで示している。（ｂ），
（ｃ）はそれぞれ（ａ）に示す従来のデータと対比させ
て、従来のものとの倍率を括弧内に示している。

【００２１】図６の寿命評価によれば、（ｂ）に示す内
側シュラウドのみ分割した例では、Ｓ２，Ｐ２の耐命が
それぞれ従来の３．９倍、５．７倍となり、又Ｐ３も
８．１倍となっており、クラック発生までの寿命が著し
く伸びていることがわかる。又、（ｃ）に示す外側、内
側の両方のシュラウドを分割した例では、同様にＳ２で
３．９倍、Ｐ２で６．７倍、Ｐ３で１１倍と、片側分割
の場合以上にクラック発生までの寿命が伸びている。

【００２２】以上説明の実施の第１，第２形態によれ
ば、外側シュラウド２ａ，２ｂ及び内側シュラウド３
ａ，３ｂのように両方を分割構造にし、あるいは内側シ
ュラウド１３ａ，１３ｂのみを分割構造とし、これら分
割部分にフランジ４ａ，４ｂ及び５ａ，５ｂあるいは１
５ａ，１５ｂを設け、ボルト・ナット６により連結した
静翼としたことにより、２枚の静翼からなるセグメント
構造の機能はそのまま維持されると共に、局部応力によ
るクラックの発生頻度を著しく少くすることができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明の（１）はロータの周囲に配置さ
れた２枚の静翼の両端を外側シュラウドと内側シュラウ
ドにそれぞれ固定して一体化したガスタービン静翼にお
いて、前記外側シュラウドと内側シュラウドをそれぞれ
前記２枚の静翼の間で分割すると共に、同外側及び内側
シュラウドの各分割端にはそれぞれフランジを設け、同
フランジをボルト結合したことを特徴としている。本発
明の（２）では、前記の内側シュラウドのみを前記２枚
の静翼の間で分割すると共に、同各分割端にはそれぞれ
フランジを設け、同フランジをボルト結合したことを特
徴としている。このような構成により熱応力の発生に伴
う拘束力を弱め、局部応力の集中を避けてクラックの発
生を防止し、翼の寿命が向上するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の第１形態に係るガスタービン静
翼の斜視図である。

【図２】本発明の実施の第２形態に係るガスタービン静
翼の斜視図である。

【図３】本発明の実施の第１形態に係るガスタービン静
翼の斜視図で、フランジ部を示す。

【図４】図３におけるＡ−Ａ断面図である。

【図５】図３におけるＢ−Ｂ断面図である。

【図６】本発明の実施の第１，第２形態に係るガスター
ビン２段静翼の寿命評価の図で、（ａ）は従来、（ｂ）
は実施の第２形態、（ｃ）は実施の第１形態の評価の結
果をそれぞれ示している。

【図７】従来のガスタービン静翼の斜視図で、（ａ），
（ｂ）はそれぞれクラックの発生状況を示している。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ静翼２ａ，２ｂ外側シュラウド３ａ，３ｂ，１３ａ，１３ｂ内側シュラウド４ａ，４ｂ，５ａ，５ｂフランジ６ボルト・ナット１２外側シュラウド１５ａ，１５ｂフランジ７ボルト穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者富田康意兵庫県高砂市荒井町新浜２丁目１番１号三菱重工業株式会社高砂製作所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ロータの周囲に配置された２枚の静翼の
両端を外側シュラウドと内側シュラウドにそれぞれ固定
して一体化したガスタービン静翼において、前記外側シ
ュラウドと内側シュラウドをそれぞれ前記２枚の静翼の
間で分割すると共に、同外側及び内側シュラウドの各分
割端にはそれぞれフランジを設け、同フランジをボルト
結合したことを特徴とするガスタービン静翼。
【請求項２】ロータの周囲に配置された２枚の静翼の
両端を外側シュラウドと内側シュラウドにそれぞれ固定
して一体化したガスタービン静翼において、前記内側シ
ュラウドを前記２枚の静翼の間で分割すると共に、同各
分割端にはそれぞれフランジを設け、同フランジをボル
ト結合したことを特徴とするガスタービン静翼。