JP2001254213A - 膝サポータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 足膝での装着感が良く、膝サポータの装着形
態が型崩れしたり、装着位置からずり落ちたりすること
等が生じにくい膝サポータを提供するところにある。 【解決手段】 膝の膝窩側から膝頭側に亘って巻付け可
能な長さを有するサポータ本体１のうち、膝頭側で重合
される両遊端部２，３の重ね合せ面２ａ，２ｂ，２ｃ，
２ｄに、サポータ本体１を巻付け姿勢に保持する脱着操
作自在な接合手段４を設けてある膝サポータＡであっ
て、前記サポータ本体１の巻付け方向中間部１Ａに、巻
付け方向の弾性収縮力を付与する弾性復元手段５を設け
てある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、足の膝に巻着使用
する膝サポータに関する。

【０００２】

【従来の技術】高齢化や運動疲労等によって、足膝周り
の筋肉が弱った状態になると、歩行や階段の上り下りの
際、足膝に負担や痛みを感じることがある。

【０００３】このような状態になった際、足膝にある不
快感の解消を図るために膝サポータが利用されている。

【０００４】近年、この種膝サポータとしては、巻着部
分を、面状のゴム地やゴム糸と綿糸とを一緒に編み込ん
だゴム生地等から構成して、ゴムの弾性収縮力に抗した
状態で伸ばしながら巻始端と巻終端部分に設けてある面
ファスナー等の付着部分同士を重合接合することで、足
膝に巻着することができるものが存在している。

【０００５】また、別の膝サポータとしては、巻着部分
を、メリヤス編み地等の伸縮性に富む生地から構成し
て、生地自体の収縮力に抗して伸ばしながら巻始端と巻
終端部分に設けてある面ファスナー等の付着部分同士を
重合接合することで、足膝に巻着することができるもの
が存在している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】

【０００７】前記前者の膝サポータにあっては、ゴムの
特性を生かそうする傾向があるためか、市場には収縮力
が強いものが多く見られる。収縮力が強いと言うこと
は、強い巻着力で装着されることになるので、足膝での
装着形態が型崩れしたり、装着位置からずり落ちたりす
ること等が生じにくい利点がある反面、収縮力が肉体的
な負担となる欠点がある。特に、高齢者の使用の場合、
僅かな収縮力でも肉体的な負担が強い傾向にあり、総じ
て使い心地の良い製品とは言いがたいところがあった。

【０００８】前記後者の膝サポータにあっては、生地自
体の収縮力を利用しているので、弾性収縮力が弱く締ま
りのない傾向があり、足膝での装着形態が型崩れした
り、装着位置からずり落ちたりすること等が生じ易い欠
点がある反面、収縮力が穏やかで肉体的な負担が軽くて
装着感が良い利点がある。

【０００９】本発明は上記の事情に鑑みて為されたもの
であり、その目的とするところは、足膝での装着感が良
く、足膝での装着形態が型崩れしたり、装着位置からず
り落ちたりすること等が生じにくい膝サポータを提供し
ようとするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１による
膝サポータの特徴構成は、膝の膝窩側から膝頭側に亘っ
て巻付け可能な長さを有するサポータ本体のうち、膝頭
側で重合される両遊端部の重ね合せ面に、サポータ本体
を巻付け姿勢に保持する脱着操作自在な接合手段を設け
てある膝サポータであって、前記サポータ本体の巻付け
方向中間部に、巻付け方向の弾性収縮力を付与する弾性
復元手段を設けてある点にある。

【００１１】上記特徴構成によれば、サポータ本体を膝
窩側から膝頭側に巻装して、膝頭側で重ね合せ面の接合
手段を接合することによって、膝サポータを足膝に装着
してある状態では、弾性復元手段による弾性収縮力とサ
ポータ本体自体の弾性収縮力とが差し引きされた収縮力
が巻着力として作用することになるので、従来の全体が
ゴムの収縮力で巻装するものとメリヤス編みの収縮力で
巻装するものとの中間の収縮力で巻装することができ、
収縮力が強くもなく弱くもない巻装状態を形成すること
ができるため、足膝への肉体的な負担が軽いとともに足
膝での装着感が良い。

【００１２】また、この足膝サポータにおいては、例え
ば、足の屈伸時には、膝頭側の大腿部及び下腿部におけ
る筋肉等の動きより、膝窩側の大腿部及び下腿部におけ
る筋肉等の動きがのほうが大きく、この筋肉等の動きが
大きい膝窩側にサポータ本体の巻付け方向中間部が位置
して弾性復元手段が作用する構成になっているので、足
の屈伸時等の筋肉動きに対して弾性復元手段の弾性収縮
力が即座に対応することができるとともに、膝頭側の筋
肉動きに対しては、サポータ本体自体の弾性収縮力が対
応することができる。

【００１３】従って、動きの大きい部分に対しては弾性
復元手段の弾性収縮力が対応し、動きの小さい部分に対
してはサポータ本体自体の弾性収縮力が対応するので、
足膝での装着形態が型崩れしたり、装着位置からずり落
ちたりすること等が生じにくい。

【００１４】本発明の請求項２による膝サポータの特徴
構成は、前記弾性復元手段が、サポータ本体の巻付け方
向中間部の上側縁及び下側縁に沿ってそれぞれ配設され
た弾性体から構成されている点にある。

【００１５】上記特徴構成によれば、足膝に膝サポータ
を装着してある状態では、膝窩側の大腿部に上側縁側の
弾性復元手段が作用し、膝窩側の下腿部に下側縁の弾性
復元手段が作用するという具合に、足の屈伸時等におい
て筋肉等の動きが特に大きい部分に局部的な弾性復元手
段を設けて、足の屈伸時等の筋肉動きに対して弾性復元
手段の弾性収縮力を対応させることによって、足膝での
装着状態を維持することができる。

【００１６】従って、サポータ本体の巻付け方向中間部
の上側縁及び下側縁に沿った局部的な部分に弾性復元手
段を設けるだけで装着性にすぐれた膝サポータを構成す
ることができるので、構造が簡単で安価に形成すること
ができる。

【００１７】本発明の請求項３による膝サポータの特徴
構成は、前記サポータ本体の膝窩側で、かつ、その上下
中心位置よりも下方に偏位した部位には、皺吸収用の貫
通孔が形成されている点にある。

【００１８】上記特徴構成によれば、足を曲げた場合、
足膝に装着されている膝サポータの、膝窩側部分が減面
状態になろうとする結果、膝窩側部分の上下中心位置よ
りも下方に偏位した部位に皺が出現して使用者に感触的
な違和感を与えてしまうのを、その部分個所に貫通孔を
形成して皺を吸収する構成にすることにより、感触的な
違和感をなすことができるというように、使い心地よい
商品を形成している。

【００１９】本発明の請求項４による膝サポータの特徴
構成は、前記サポータ本体の両遊端部が、膝の直上の大
腿部側において重合操作される第一操作端部と、膝の直
下の下腿部側において重合操作される第二操作端部とか
ら構成されている点にある。

【００２０】上記特徴構成によれば、膝頭を基準にして
上下に重合部分を分けてあるので、膝頭の上側の大腿部
を確実に巻着することができるとともに、膝頭の下側の
下腿部を確実に巻着することができ、しかも、第一操作
端部と第二操作端部との両遊端が重合された状態では膝
頭が外部に露出するので、足の屈伸時には、膝窩側を支
点にして曲げやすく、動きやすいといった機動性を持た
せることができる。

【００２１】

【発明の実施の形態】〔第１実施形態〕以下、本発明の
第１実施形態を図面に基づいて説明する。図１〜３に
は、本発明の膝サポータＡが示されている。

【００２２】この膝サポータＡは、膝の膝窩ｂ側から膝
頭ｄ側に亘って巻付け可能な長さを有するとともに、両
遊端部２，３が、膝の直上の大腿部ｃ側において重合操
作される第一操作端部Ａ１と、膝の直下の下腿部ｅ側に
おいて重合操作される第二操作端部Ａ２とから構成され
るサポータ本体１と、膝頭ｄ側で重合される第一操作端
部Ａ１及び第二操作端部Ａ２に形成された夫々の両遊端
部の重ね合せ面２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂに設けられサポ
ータ本体１を巻付け姿勢に保持する脱着操作自在な接合
手段４と、サポータ本体１の巻付け方向中間部１Ａに設
けられ巻付け方向の弾性収縮力を付与する弾性復元手段
５とから構成されている。

【００２３】前記サポータ本体１は、例えば、膝に直接
に面接するメリヤス編みされた表地１Ｃと、ナイロンと
ウレタンの混合地にパイル状の起毛を編みこんである裏
地１Ｄとの周縁を、メリヤス編みのバイアステープ１Ｅ
を介して一体に縫い合わせて形成されるもので、全体と
して伸縮性があり、しかも、表地１Ｃと裏地１Ｄとの二
層構造であるため保温性がよい構成になっている。

【００２４】また、このサポータ本体１には、その上下
中心位置よりも下方に偏位した部位には、ほぼ直径４ｃ
ｍｍの皺吸収用の貫通孔８が形成されている。

【００２５】この貫通孔８は、サポータ本体１に孔を開
けて、その孔周りにバイアステープ９を介して縁かがり
形成されている。

【００２６】前記接合手段４は、両遊端部２，３の重ね
合せ面２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂの何れか一方に面ファス
ナーのフック面４Ａが縫い付けられ、他方にこのフック
面４Ａと脱着自在な面ファスナーのパイル面４Ｂが設け
られている。

【００２７】この実施形態では、パイル面４Ｂは、重ね
合せ面２ｂ，３ｂ部分だけでなくこの面と連続するサポ
ータ本体１の裏面全面に形成され，足膝への装着利用だ
けではなく、手の回りや足首等にも装着利用することが
でき、汎用性のある構成になっている。

【００２８】前記弾性復元手段５は、サポータ本体１の
巻付け方向中間部の上側縁１ａ及び下側縁１ｂに沿って
それぞれ配設されたゴム紐からなる所定長さの弾性体６
から構成されている。

【００２９】この弾性体６は、サポータ本体１の巻付け
方向中間部１Ａの上側縁１ａ及び下側縁１ｂに対応する
バイアステープ１Ｅの折り込み部分にサポータ本体１と
共に縫い付けられている。この実施形態では、弾性体６
がバイアステープ１Ｅに包まれて外部からは見えない例
を示してあるが、該当するバイアステープ１Ｅ部分に直
接に縫い付けて、弾性体６が外部に露出する構成であっ
てもよい。

【００３０】ここで、弾性復元手段５は、サポータ本体
１の巻付け方向中間部１Ａの上側縁１ａ及び下側縁１ｂ
に位置する部分の、弾性体６、サポータ本体１、バイア
ステープ１Ｅの３者を夫々の弾性力に抗して一緒に強制
的に伸ばした状態で、この３者を一緒に縫い合わせてあ
る。

【００３１】従って、縫い終えて強制的な伸ばしを解除
した状態では、弾性体６、サポータ本体１、バイアステ
ープ１Ｅの３者が復元収縮した状態に戻る。そのため、
復元収縮状態から弾性収縮力に抗して伸ばされた状態に
いたるまでの間で弾性体６の弾性収縮力が作用すること
になる。

【００３２】しかも、弾性復元手段５は、サポータ本体
１、バイアステープ１Ｅ部分が繰返して使用している間
に生地自体が延びてしまうことがあっても、弾性体６の
収縮力は長期にわたって作用し続けるので、足膝への装
着に伴う巻き付け方向の弾性収縮力を長期にわたって維
持できる構成になっている。

【００３３】このような構成であれば、図３に示すよう
に、サポータ本体１の裏面１Ｄの中央部分を膝窩ｂにあ
てがった後、膝の直上の大腿部ｃ側において第一操作端
部Ａ１の重ね合せ面２ａ，２ｂを、弾性体６の弾性収縮
力とサポータ本体１自体の弾性収縮力とが作用する状態
で膝頭ｄ側に巻回して重合し、同じく膝の直下の下腿部
ｅ側において第二操作端部Ａ２の重ね合せ面３ａ，３ｂ
を、弾性体６の弾性収縮力とサポータ本体１自体の弾性
収縮力とが作用する状態で膝頭ｄ側に巻回して重合して
足膝に巻着することができる。

【００３４】そして、この装着状態では、サポータ本体
１の巻付け方向中間部１Ａの上側縁１ａ及び下側縁１ｂ
に縫い込まれてある弾性体６とサポータ本体１とによっ
て、常に巻付け方向の弾性収縮力が膝上の大腿部ｃ回り
と膝下の下腿部ｅ回りとに作用することになり、多少の
ことで膝サポータＡが大腿部ｃからずり落ちたり下腿部
ｅからたくし上がったりすることがない。

【００３５】また、前記貫通孔８は、図４に示すよう
に、足を曲げた場合、装着されている膝サポータ１の、
膝窩ｂ側部分が減面状態になろうとする結果、膝窩ｂ側
部分の上下中心位置よりも下方に偏位した部位に皺が出
現してしまうのを、その発生個所に形成されている当該
貫通孔８の円形状の孔を減少させように孔回り部分が変
形して皺を吸収することができるものである。

【００３６】〔その他の実施形態〕 １）上記第１実施形態では、膝頭側で重合される両遊端
部の重ね合せ面２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂを、膝上の大腿
部ｃ側と膝下の下腿部ｅ側とに分かれた構成のものにつ
いて説明したが、本発明はこれに限らず、図示しない
が、両遊端部の重ね合せ面は膝上の大腿部ｃと膝下の下
腿部ｅに跨る構成にするとともに、両重ね合せ面に重合
状態で膝頭ｄが外部に露出する孔を形成してある構成に
してもよい。

【００３７】この場合、第１実施形態と同様に、足膝に
膝サポータを装着してある状態では、膝頭ｄが外部に露
出した状態になるので、膝への負担が少ない。

【００３８】２）上記第１実施形態のサポータ本体１に
もうけられている貫通孔８は、サポータ本体１を構成す
る表地１Ｃ、裏地１Ｄの両生地を貫通するものであった
が、本発明はこれに限らず、膝窩ｂに直接に面接する表
地のみに貫通孔８を形成して、膝の折り曲げ時に生ずる
皺を吸収する構成であってもよい。

【００３９】３）サポータ本体１を巻付け姿勢に保持す
る接合手段４として、上記実施形態で開示してある面フ
ァスナー以外に、止め具としてよく知られているところ
の、フックとアイとによる着脱関係を有するかぎホック
を用いても、ポールサイドとソケットサイドとによる着
脱関係を有するスナップを用いてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態における膝サポータの表
面を示す斜視図

【図２】本発明の第１実施形態における膝サポータの裏
面を示す斜視図

【図３】膝サポータの装着状態を示す斜視図

【図４】足膝を折り曲げた状態の膝サポータを示す側面
図

【符号の説明】

Ａ 膝サポータ ｂ 膝窩 ｃ 大腿部 ｄ 膝頭 ｅ 下腿部 １ サポータ本体 １Ａ 巻付け方向中間部 １ａ 上側縁 １ｂ 下側縁 ２ 遊端部 ２Ａ 第一操作端部 ２ａ，２ｂ 重ね合せ面 ３ 遊端部 ３Ａ 第二操作端部 ３ａ，３ｂ 重ね合せ面 ４ 接合手段 ５ 弾性復元手段 ６ 弾性体 ８ 皺吸収用の貫通孔

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 膝の膝窩側から膝頭側に亘って巻付け可
   能な長さを有するサポータ本体のうち、膝頭側で重合さ
   れる両遊端部の重ね合せ面に、サポータ本体を巻付け姿
   勢に保持する脱着操作自在な接合手段を設けてある膝サ
   ポータであって、前記サポータ本体の巻付け方向中間部
   に、巻付け方向の弾性収縮力を付与する弾性復元手段を
   設けてある膝サポータ。
2. 【請求項２】 前記弾性復元手段が、サポータ本体の巻
   付け方向中間部の上側縁及び下側縁に沿ってそれぞれ配
   設された弾性体から構成されている請求項１記載の膝サ
   ポータ。
3. 【請求項３】 前記サポータ本体の膝窩側で、かつ、そ
   の上下中心位置よりも下方に偏位した部位には、皺吸収
   用の貫通孔が形成されている請求項１又は２記載の膝サ
   ポータ。
4. 【請求項４】 前記サポータ本体の両遊端部が、膝の直
   上の大腿部側において重合操作される第一操作端部と、
   膝の直下の下腿部側において重合操作される第二操作端
   部とから構成されている請求項１，２又は３記載の膝サ
   ポータ。