JP2001253715A - バナジウム‐リン複合酸化物およびその製造方法 - Google Patents

バナジウム‐リン複合酸化物およびその製造方法

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JP2001253715A
JP2001253715A JP2000067377A JP2000067377A JP2001253715A JP 2001253715 A JP2001253715 A JP 2001253715A JP 2000067377 A JP2000067377 A JP 2000067377A JP 2000067377 A JP2000067377 A JP 2000067377A JP 2001253715 A JP2001253715 A JP 2001253715A
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Yuichi Kamiya
裕一 神谷
Eiichiro Nishikawa
瑛一郎 西川
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Tonen Chemical Corp
Eneos Corp
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Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 著しく大きな表面積を有する新規なバナジウ
ム‐リン複合酸化物及びその製造方法を提供するもので
ある。 【解決手段】 バナジウム、リン及び酸素を基本組成と
する層間化合物を加熱してバナジウム‐リン複合酸化物
を製造する方法において、上記層間化合物が、バナジウ
ム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物の層間に
炭素数3個以上の脂肪族モノアルコールがインターカレ
ートしている層間化合物であり、かつ全ガス体積に対し
て酸素を0〜2.0体積%で含む不活性ガスから成る雰
囲気下において、250℃を超え500℃未満の温度で
該層間化合物を加熱することを特徴とするバナジウム‐
リン複合酸化物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バナジウム‐リン
複合酸化物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】バナジウム‐リン複合酸化物は、ブタン
酸化反応による無水マレイン酸製造用触媒又は触媒前駆
体等として広く知られている。通常、該触媒として用い
られているバナジウム‐リン複合酸化物は、バナジウ
ム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物であると
ころのリン酸バナジル又はリン酸水素バナジル0.5水
和物を、窒素雰囲気下、あるいはブタン、窒素及び酸素
を含む反応雰囲気下、350〜700℃において焼成す
ることにより得られたものである。しかし、このように
して得られたバナジウム‐リン複合酸化物の表面積は通
常10〜50m2/gと比較的小さいものであった。
【0003】より高活性の触媒を製造するためにバナジ
ウム‐リン複合酸化物の表面積をより大きくする試みが
なされた。Catal. Today, 16, 113, (1993)には、リン
酸水素バナジル0.5水和物を水又は低級アルコール中
で攪拌後、焼成することにより、得られた焼成物の表面
積を増大せしめ得ることが報告されている。しかし、得
られた焼成物の表面積は最大でも64m2/g程度のも
のであった。また、Appl. Catal., 154, 103, (1997)に
は、リン酸水素バナジル0.5水和物をボールミルで粉
砕することにより、得られた焼成物の表面積を増大せし
め得ることが報告されている。しかし、該方法において
も得られた焼成物の表面積は最大46m 2/g程度であ
った。上記いずれの方法においても得られた焼成物の表
面積は、無水マレイン酸製造用触媒等として使用した際
に必ずしも満足し得るものとは言えなかった。
【0004】Chem.Mater.,7,1429,(1995)には、メソ孔
を有するバナジウム‐リン複合酸化物を得るために、テ
ンプレート剤としてアルキル(C12〜C16)トリメチル
アンモニウムクロリドを用いて、バナジウム、リンを含
むヘキサゴナル構造を有するメソ構造体を合成すること
が開示されている。バナジウム‐リン複合酸化物の表面
積についてはなんら言及されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、著しく大き
な表面積を有する新規なバナジウム‐リン複合酸化物及
びその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高表面積
のバナジウム‐リン複合酸化物を得るべく種々の検討を
行った。その結果、所定の層間化合物を所定の条件下に
加熱すれば、驚くべきことに、BET比表面積が80m
2/g以上であるような従来存在しなかった著しく大き
な表面積を持つバナジウム‐リン複合酸化物を製造し得
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、(1)バナジウム、リン
及び酸素を基本組成とする層間化合物を加熱してバナジ
ウム‐リン複合酸化物を製造する方法において、上記層
間化合物が、バナジウム、リン及び酸素を基本組成とす
る層状化合物の層間に炭素数3個以上の脂肪族モノアル
コールがインターカレートしている層間化合物であり、
かつ全ガス体積に対して酸素を0〜2.0体積%で含む
不活性ガスから成る雰囲気下において、250℃を超え
500℃未満の温度で該層間化合物を加熱することを特
徴とするバナジウム‐リン複合酸化物の製造方法であ
る。
【0008】好ましい態様として、(2)層間化合物
が、リン酸水素バナジル0.5水和物[(VO)(HO
P)O 3・0.5H2O]層状化合物に存在するPOHの
一部又は全部が炭素数3個以上の脂肪族モノアルコール
のリン酸エステルPOCxyにより置き換えられてお
り、かつ上記層状化合物に存在するH2Oの一部又は全
部が炭素数3個以上の脂肪族モノアルコールCxyOH
に置き換えられている構造を有するところの上記(1)
記載の方法、
【0009】(3)脂肪族モノアルコールの炭素数が3
〜8個であるところの上記(1)又は(2)記載の方
法、
【0010】(4)脂肪族モノアルコールが、1‐プロ
パノール、1‐ブタノール、イソブタノール、1‐ペン
タノール、イソペンタノール、ネオペンタノール、2‐
メチル‐1‐ブタノール、1‐ヘキサノール、1‐ヘプ
タノール、1−オクタノール、2‐プロパノール、2‐
ブタノール、2‐ペンタノール、2‐ヘキサノール、2
‐ヘプタノール及び2−オクタノールから成る群から選
ばれるところの上記(3)記載の方法、
【0011】(5)脂肪族モノアルコールが、1‐プロ
パノール、1‐ブタノール、1−オクタノール又は2−
ブタノールから選ばれるところの上記(3)記載の方
法、
【0012】(6)加熱温度が260〜450℃である
ところの上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の方
法、
【0013】(7)加熱雰囲気が、全ガス体積に対して
酸素を0〜1.5体積%で含む不活性ガスから成る雰囲
気であるところの上記(1)〜(6)のいずれか一つに
記載の方法、
【0014】(8)不活性ガスが窒素であるところの上
記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の方法、
【0015】(9)加熱雰囲気が酸素を含まない上記
(8)記載の方法を挙げることができる。
【0016】また、本発明は、(10)BET比表面積
が80m2/g以上であることを特徴とするバナジウム
‐リン複合酸化物である。
【0017】好ましい態様として、(11)BET比表
面積が80〜1,000m2/gであるところのバナジ
ウム‐リン複合酸化物、
【0018】(12)全細孔容積が100mm3/g以
上であるところの上記(10)又は(11)記載のバナ
ジウム‐リン複合酸化物、
【0019】(13)全細孔容積が100〜1,000
mm3/gであるところの上記(10)又は(11)記
載のバナジウム‐リン複合酸化物、
【0020】(14)1nm未満の半径を有する細孔の
全細孔容積が30mm3/g以上であるところの上記
(10)〜(13)のいずれか一つに記載のバナジウム
‐リン複合酸化物、
【0021】(15)1〜100nmの半径を有する全
細孔のうち1〜2.3nmの半径を有する全細孔の占め
る割合が、両者の細孔容積の比率で50%以上であると
ころの上記(10)〜(14)のいずれか一つに記載の
バナジウム‐リン複合酸化物、
【0022】(16)1〜100nmの半径を有する全
細孔のうち1〜2.3nmの半径を有する全細孔の占め
る割合が、両者の細孔容積の比率で80%以上であると
ころの上記(10)〜(14)のいずれか一つに記載の
バナジウム‐リン複合酸化物を挙げることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の方法において、バナジウ
ム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物の層間
に、炭素数3個以上の脂肪族モノアルコールがインター
カレートしているところの層間化合物を加熱することに
よりバナジウム‐リン複合酸化物が製造される。上記の
層間化合物は好ましくは、リン酸水素バナジル0.5水
和物[(VO)(HOP)O3・0.5H2O]層状化合
物に存在するPOHの一部又は全部が炭素数3個以上の
脂肪族モノアルコールのリン酸エステル構造の一部PO
R(Rは該モノアルコールの残基である)により置き換
えられており、かつ上記層状化合物に存在するH2Oの
一部又は全部が炭素数3個以上の脂肪族モノアルコール
により置き換えられている構造を有するものである。
【0024】インターカレートしている脂肪族モノアル
コールの炭素数は3個以上、好ましくは3〜8個であ
り、好ましくは第一級脂肪族モノアルコール又は第二級
脂肪族モノアルコールが挙げられる。該脂肪族モノアル
コールとしては、好ましくは1‐プロパノール、1‐ブ
タノール、イソブタノール、1‐ペンタノール、イソペ
ンタノール、ネオペンタノール、2‐メチル‐1‐ブタ
ノール、1‐ヘキサノール、1‐ヘプタノール、1−オ
クタノール、2‐プロパノール、2‐ブタノール、2‐
ペンタノール、2‐ヘキサノール、2‐ヘプタノール及
び2−オクタノールから成る群から選ばれ、特に好まし
くは1‐プロパノール、1‐ブタノール、1−オクタノ
ール又は2−ブタノールから選ばれる。脂肪族モノアル
コールの炭素数が上記下限未満では、BET比表面積が
80m2/g以上の大きな表面積を持つバナジウム‐リ
ン複合酸化物を製造することができない。脂肪族モノア
ルコール以外のモノアルコール、例えば、脂環族モノア
ルコール、芳香族モノアルコールでは、同様にBET比
表面積が80m2/g以上の大きな表面積を持つバナジ
ウム‐リン複合酸化物を製造することができない。
【0025】本発明において使用される上記の炭素数3
個以上の脂肪族モノアルコールがインターカレートして
いるところの層間化合物は、既に本出願人により出願さ
れているところの特願平11−319860号記載の方
法を使用して製造され得る。即ち、バナジウムの原子価
が5価未満4価以上であるバナジウム酸化物、五酸化リ
ン及びモノアルコールを反応せしめて、バナジウム、リ
ン及び酸素を基本組成とする層状化合物の層間にモノア
ルコールがインターカレートしているところの層間化合
物を製造する方法である。
【0026】上記の方法において使用されるバナジウム
酸化物は、バナジウムの原子価が5価未満4価以上のも
のであり、好ましくは4.5価のものであり、特に好ま
しくはV49である。
【0027】該原子価が5価未満4価以上、好ましくは
4.5価のバナジウム酸化物を製造する方法に特に制限
はない。例えば、5価のバナジウム化合物を一部還元し
て、バナジウムの原子価を5価未満4価以上、好ましく
は4.5価まで還元する方法により得られる。該還元
は、気相又は液相で行うことができ、好ましくは液相で
行われる。気相還元においては、還元剤として、例え
ば、水素、ブテン、ブタジエン、二酸化硫黄等が使用さ
れ、一方、液相還元においては、還元剤として、好まし
くは有機媒体が使用される。該有機媒体としては、例え
ば、メタノール、エタノール、1‐プロパノール、イソ
プロパノール、1‐ブタノール、2‐ブタノール、イソ
ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、又
はベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンア
ルデヒド等のアルデヒド類、ヒドラジン類、蓚酸等が挙
げられる。好ましくはアルコール類が使用され、とりわ
けイソブタノール、ベンジルアルコールが好ましい。5
価のバナジウム化合物としては、例えば、五酸化バナジ
ウム、バナジン酸アンモニウム等が挙げられ、好ましく
は五酸化バナジウムが使用される。
【0028】上記の還元法として例えば、5価のバナジ
ウム化合物例えば五酸化バナジウムを、アルコール例え
ばイソブタノール及び/又はベンジルアルコール溶媒中
に混合し、該混合物をリフラックス条件下で好ましくは
0.5〜80時間、更に好ましくは1〜10時間加熱し
て還元を行い、次いで濾過後、例えばアセトン、メタノ
ール、エタノール等の低沸点溶剤により洗浄し乾燥する
方法が挙げられる。このようにして製造された化合物
は、X線回折(対陰極Cu−Kα)の回折パターンから
49であることが確認される。
【0029】このようにして得られたバナジウムの原子
価が5価未満4価以上、好ましくは4.5価のバナジウ
ム酸化物、特に好ましくはV49を、五酸化リン及びモ
ノアルコールと反応させることにより、バナジウム、リ
ン及び酸素を基本組成とする層状化合物の層間に上記モ
ノアルコールがインターカレートしている層間化合物を
製造することができる。
【0030】上記の方法において、使用するモノアルコ
ールの量は、バナジウム1モルに対して、上限が好まし
くは1000モル、特に好ましくは100モルであり、
下限が好ましくは3モル、特に好ましくは5モルであ
る。上記下限未満では、十分にモノアルコールをインタ
ーカレートすることができない。また、五酸化リンの使
用量は、バナジウム原子に対するリン原子の比で、上限
が好ましくは3モル、特に好ましくは1.5モルであ
り、下限が好ましくは0.7モル、特に好ましくは1モ
ルである。上記下限未満では、十分にモノアルコールを
インターカレートすることができない。
【0031】モノアルコールをインターカレートした層
間化合物を製造する方法としては、例えば、上記のよう
にして得た、バナジウムの原子価が5価未満4価以上、
好ましくは4.5価のバナジウム酸化物、特に好ましく
はV49と、モノアルコールとを混合し、次いで該混合
物に五酸化リンを加えた後(但し、上記の三種の物質を
混合する順序に特に制限はない)、リフラックス条件下
で反応を行い、濾過後、例えばアセトン、メタノール、
エタノール等の低沸点溶剤により洗浄し乾燥する方法、
あるいはモノアルコールと五酸化リンとの反応生成物
に、バナジウムの原子価が5価未満4価以上、好ましく
は4.5価のバナジウム酸化物、特に好ましくはV49
を加えて、リフラックス条件下で反応を行い、濾過後、
例えばアセトン、メタノール、エタノール等の低沸点溶
剤により洗浄し乾燥する方法が挙げられる。また、5価
のバナジウム化合物例えば五酸化バナジウムを、モノア
ルコール例えばベンジルアルコール中に混合し、リフラ
ックス条件下で還元を行った後、該混合物に、更にモノ
アルコール及び五酸化リンを加えて、リフラックス条件
下で反応を行って製造することもできる。上記の場合、
反応時間はいずれも、好ましくは0.1〜100時間、
特に好ましくは1〜60時間である。上記下限未満で
は、モノアルコールをインターカレートできず、上記上
限を超えては、製造コストが高くなると共に、操作が煩
雑となる。反応温度は、好ましくはリフラックス温度で
ある。
【0032】上記の方法により得られる層間化合物の層
間距離は、インターカレートされるモノアルコールの種
類により決定され、少なくとも9.0オングストロームで
あり、好ましくは9.0〜25.0オングストロームで
ある。とりわけ、第二級脂肪族アルコールがインターカ
レートしている層間化合物においては、好ましくは10
〜15オングストロームであり、脂環族モノアルコール
がインターカレートしている層間化合物においては、好
ましくは10〜15オングストロームであり、そして芳
香族モノアルコールがインターカレートしている層間化
合物においては、好ましくは15〜25オングストロー
ムである。
【0033】上記の方法により製造された層間化合物に
おいて、モノアルコールが層間にインターカレートされ
ていることは、下記の実施例において詳述するように、
X線回折により、リン酸水素バナジル0.5水和物の
(0 0 1)面の回折ピークの代りに、2θが2〜10
°の間に層間距離が開いたことを示す回折ピークが確認
されること(図1〜5参照)、該層間距離が使用するモ
ノアルコールの炭素原子数の増加にほぼ比例して増加す
ること(図6参照、例えば、第一級脂肪族モノアルコー
ルにおいて顕著に表れている)及び該層間距離が使用す
るモノアルコールの分子サイズの増加にほぼ比例して増
加すること(図7参照)、本発明の層間化合物[モノア
ルコール(メタノール、2‐プロパノール、2‐ブタノ
ール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール又はベ
ンジルアルコール)がインターカレートしている層間化
合物]の赤外吸収スペクトルにおいて、リン酸水素バナ
ジル0.5水和物に存在しないPOCに帰属される吸収
及び孤立COHに帰属される吸収が存在すること(図8
〜13参照)、熱分析により、存在するモノアルコール
に起因すると考えられる低温側の重量減少及びエステル
結合しているモノアルコールの燃焼に起因すると考えら
れる高温側の重量減少が確認されること(図14〜19
参照)、並びに元素分析値から推定した構造式が上記の
熱分析による重量減少量とほぼ一致することにより確認
される。
【0034】本発明の方法においては、上記のようにし
て得られた層間化合物を、全ガス体積に対して酸素を
2.0体積%以下、好ましくは1.5体積%以下、より
好ましくは1.0体積%以下で含む不活性ガスから成る
雰囲気下において加熱する。ここで、不活性ガスとして
は、窒素、アルゴン等が挙げられる。該層間化合物は特
に好ましくは、窒素、アルゴン等の不活性ガス中で加熱
される。加熱雰囲気中の酸素濃度が上記上限を超えて
は、得られたバナジウム‐リン複合酸化物の表面積、例
えばBET比表面積が小さくなるため好ましくない。
【0035】本発明の方法において層間化合物を加熱し
てバナジウム‐リン複合酸化物を製造するための温度
は、250℃を超え500℃未満、好ましくは260〜
450℃である。上記温度範囲外では、得られたバナジ
ウム‐リン複合酸化物の表面積、例えばBET比表面積
が小さくなるため好ましくない。
【0036】加熱時間は、加熱温度、インターカレート
しているモノアルコールの種類等により変化するが、好
ましくは0.3〜100時間、より好ましくは0.5〜
10時間である。
【0037】上記の本発明の方法により製造されたバナ
ジウム‐リン複合酸化物のBET比表面積は、下限が8
0m2/g、好ましくは90m2/gである。上限は、好
ましくは1,000m2/g、より好ましくは500m2
/gである。該バナジウム‐リン複合酸化物の全細孔容
積は、下限が好ましくは100mm3/g、より好まし
くは120mm3/g、特に好ましくは140mm3/g
である。上限は、好ましくは1,000mm3/gであ
る。該バナジウム‐リン複合酸化物の1nm未満の半径
を有する細孔の全細孔容積は好ましくは30mm3/g
以上である。また、該バナジウム‐リン複合酸化物の1
〜100nmの半径を有する全細孔のうち1〜2.3n
mの半径を有する全細孔の占める割合は、両者の細孔容
積の比率でその下限が好ましくは50%、より好ましく
は80%である。ここで、1nm未満の半径を有する細
孔の容積は、N2吸脱着等温線からt法[J.Colloid S
ci.,21,405(1966年)参照]に従って算出したものであ
り、1〜100nmの半径を有する細孔の容積と分布
は、N2吸脱着等温線からDollimore & He
al法[J.Applied Chem.14,109(1964年)参照]に従
って算出したものである。
【0038】本発明のバナジウム‐リン複合酸化物は、
触媒、触媒前駆体及び触媒担体として使用し得る。とり
わけ、n−ブタン、ブテン又はブタジエンの酸化による
無水マレイン酸製造用触媒として使用し得る。また、B
ET比表面積が著しく大きくかつ細孔径分布が狭いこと
から分子篩能を有する吸着剤として使用され得る。
【0039】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0040】
【実施例】実施例及び比較例において各測定は下記のよ
うにして実施した。
【0041】<X線回折>X線源としてCu‐Kα線を
使用した。使用した装置は、理学電機株式会社製、RI
NT−1400である。
【0042】<赤外分析>測定試料をKBrで1重量%
に希釈した後、ディスク状に加圧成形して使用した。測
定は透過法により実施した。使用した装置は、パーキン
エルマー model1600である。
【0043】<熱分析>100ミリリットル/分の窒素
又は空気気流中において、5℃/分の昇温速度で測定し
た。使用した装置は、セイコー電子工業株式会社製 T
G/DTA−200である。
【0044】<BET比表面積及び細孔分布測定>窒素
による吸脱着等温線測定を行い、各細孔容積及び細孔分
布は、上記のt法及びDollimore & Heal
法に従って算出した。測定条件は下記の通りである。 装置:日本ベル株式会社製BELSORP 28SA 前処理:加熱処理温度より50℃低い温度で2時間、脱
気処理を行った。 吸脱着温度:−196℃(窒素の沸点)バナジウム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物
の層間にモノアルコールがインターカレートしている層
間化合物の製造
【0045】製造例1(ベンジルアルコールがインター
カレートしている層間化合物) 五酸化バナジウム14.55g(0.08モル)をイソブタノール
90ミリリットル(0.98モル)及びベンジルアルコール60
ミリリットル(0.58モル)の混合溶媒中に懸濁し、リフ
ラックス条件下(105℃)に3時間加熱して五酸化バナジ
ウムを還元した後、室温に冷却した。次いで、沈殿物を
濾別し、アセトン250ミリリットルで洗浄した後、室温
で一晩乾燥して黒色固体(V49)を得た。この黒色固
体の12.02gをベンジルアルコール150ミリリットル(1.4
5モル)中に懸濁し、これに、トルエン40ミリリットル
に五酸化リン13.53g(0.095モル)を懸濁した液を攪拌
下に室温で添加した。添加後、該懸濁液を攪拌しつつ1
05℃にて3時間加熱して反応せしめた後、室温に冷却
した。次いで、沈殿物を濾別し、アセトン250ミリリッ
トルで洗浄した後、室温で一晩乾燥した。得られた水色
固体のバナジウムの原子価は4価であった。X線回折よ
り、回折ピークが2θ=5.3°に存在し、この層間化
合物の層間距離は16.6オングストロームであることが
分かった[図1の(1−1)]。
【0046】製造例2(ベンジルアルコールがインター
カレートしている層間化合物) 製造例1と同じく五酸化バナジウムを還元して黒色固体
を得た。別途、トルエン40ミリリットルに五酸化リン1
3.53g(0.095モル)を懸濁した液を、ベンジルアルコー
ル150ミリリットル(1.45モル)中に攪拌下に室温で添
加し、室温で30分間攪拌を継続して五酸化リンを全て溶
解せしめた。次いで、これに上記の黒色固体の12.02gを
添加し、攪拌しつつ105℃にて3時間加熱して反応せ
しめた後、室温に冷却した。次いで、沈殿物を濾別し、
アセトン250ミリリットルで洗浄した後、室温で一晩乾
燥した。得られた水色固体のバナジウムの原子価は4価
であった。X線回折より、回折ピークが2θ=5.3°
に存在し、この層間化合物の層間距離は16.6オングス
トロームであることが分かった[図1の(1−2)]。
【0047】製造例3(ベンジルアルコールがインター
カレートしている層間化合物) 五酸化バナジウム7.28g(0.04モル)をイソブタノール4
5ミリリットル(0.49ミリモル)及びベンジルアルコー
ル30ミリリットル(0.29モル)の混合溶媒中に懸濁し、
リフラックス条件下(105℃)に3時間加熱して五酸化バ
ナジウムを還元した後、室温に冷却した。次いで、トル
エン15ミリリットルに五酸化リン5.65g(0.04モル)を
懸濁した液を、室温で攪拌下に上記還元後の懸濁液に添
加した。その後、更にベンジルアルコール15ミリリット
ル(0.15モル)を室温で攪拌下に添加した。添加後、該
懸濁液を攪拌しつつ105℃にて3時間加熱して反応せしめ
た後、室温に冷却した。次いで、沈殿物を濾別し、アセ
トン125ミリリットルで洗浄した後、室温で一晩乾燥し
た。得られた黒灰色固体のバナジウムの原子価は4価で
あった。X線回折パターンは製造例1又は2と同様であ
り、この層間化合物の層間距離は16.6オングストローム
であることが分かった。
【0048】製造例4(メタノールがインターカレート
している層間化合物) 製造例1と同じく五酸化バナジウムを還元して黒色固体
を得た。その後、ベンジルアルコールに代えてメタノー
ルを使用して72時間還流させ反応せしめた以外は製造
例1と同様にして行った。得られた水色固体のバナジウ
ムの原子価は4価であった。X線回折より、回折ピーク
が2θ=9.7°に存在し、この層間化合物の層間距離
は9.1オングストロームであることが分かった(図2の
CH3OH)。
【0049】製造例5(1‐プロパノールがインターカ
レートしている層間化合物) メタノールに代えて1‐プロパノールを使用して18時
間還流させ反応せしめた以外は製造例4と同様にして行
った。得られた水色固体のバナジウムの原子価は4価で
あった。X線回折より、回折ピークが2θ=7.4°に
存在し、この層間化合物の層間距離は11.9オングストロ
ームであることが分かった(図2のC37OH)。
【0050】製造例6(1‐ブタノールがインターカレ
ートしている層間化合物) メタノールに代えて1‐ブタノールを使用して3時間還
流して反応せしめた以外は製造例4と同様にして行っ
た。得られた水色固体のバナジウムの原子価は4価であ
った。X線回折より、回折ピークが2θ=5.4°に存
在し、この層間化合物の層間距離は16.4オングストロー
ムであることが分かった(図2のC49OH)。
【0051】製造例7(1‐ヘキサノールがインターカ
レートしている層間化合物) メタノールに代えて1‐ヘキサノールを使用して3時間
還流して反応せしめた以外は製造例4と同様にして行っ
た。得られた水色固体のバナジウムの原子価は4価であ
った。X線回折より、回折ピークが2θ=5.0°に存
在し、この層間化合物の層間距離は17.7オングストロー
ムであることが分かった(図2のC613OH)。
【0052】製造例8(1‐オクタノールがインターカ
レートしている層間化合物) メタノールに代えて1‐オクタノールを使用して3時間
反応せしめた以外は製造例4と同様にして行った。得ら
れた水色固体のバナジウムの原子価は4価であった。X
線回折より、回折ピークが2θ=3.7°に存在し、こ
の層間化合物の層間距離は23.7オングストロームである
ことが分かった(図2のC817OH)。
【0053】製造例9(イソブタノールがインターカレ
ートしている層間化合物) メタノールに代えてイソブタノールを使用して24時間
還流して反応せしめた以外は製造例4と同様にして行っ
た。得られた水色固体のバナジウムの原子価は4価であ
った。X線回折より、回折ピークが2θ=6.3°に存
在し、この層間化合物の層間距離は 14.1ォングストロ
ームであることが分かった(図3)。
【0054】製造例10(2−プロパノールがインター
カレートしている層間化合物) 製造例1と同じく五酸化バナジウムを還元して黒色固体
を得た。その後、ベンジルアルコールに代えて2−プロ
パノールを使用して81℃で53時間還流させ反応せし
めた以外は製造例1と同様にして行った。得られた水色
固体のバナジウムの原子価は4価であった。X線回折よ
り、回折ピークが2θ=7.6°に存在し、この層間化
合物の層間距離は11.6オングストロームであること
が分かった(図4の2‐C37OH)。
【0055】製造例11(2‐ブタノールがインターカ
レートしている層間化合物) 2−プロパノールに代えて2‐ブタノールを使用して9
2℃で還流させ反応せしめた以外は製造例13と同様に
して行った。得られた灰色固体のバナジウムの原子価は
4価であった。X線回折より、回折ピークが2θ=6.
4°に存在し、この層間化合物の層間距離は13.7オ
ングストロームであることが分かった(図4の2‐C4
9OH)。
【0056】製造例12(シクロヘキサノールがインタ
ーカレートしている層間化合物) 製造例1と同じく五酸化バナジウムを還元して黒色固体
を得た。その後、ベンジルアルコールに代えてシクロヘ
キサノールを使用して115℃で72.5時間還流させ
反応せしめた以外は製造例1と同様にして行った。得ら
れた水色固体のバナジウムの原子価は4価であった。X
線回折より、回折ピークが2θ=7.0°に存在し、こ
の層間化合物の層間距離は12.7オングストロームで
あることが分かった(図5のCyhexOH)。
【0057】製造例13(シクロペンタノールがインタ
ーカレートしている層間化合物) シクロヘキサノールに代えてシクロペンタノールを使用
して111℃で28時間還流させ反応せしめた以外は製
造例12と同様にして行った。得られた水色固体のバナ
ジウムの原子価は4価であった。X線回折より、回折ピ
ークが2θ=7.2°に存在し、この層間化合物の層間
距離は12.3オングストロームであることが分かった
(図5のCypenOH)。
【0058】製造例14(エタノールがインターカレー
トしている層間化合物) 製造例1と同じく五酸化バナジウムを還元して黒色固体
を得た。その後、ベンジルアルコールに代えてエタノー
ルを使用して32時間還流させ反応せしめた以外は製造
例1と同様にして行った。得られた水色固体のバナジウ
ムの原子価は4価であった。X線回折より、回折ピーク
が2θ=8.5°に存在し、この層間化合物の層間距離
は10.4オングストロームであることが分かった。
【0059】リン酸水素バナジル0.5水和物(比較
用)の製造 製造例15 (リン酸水素バナジル0.5水和物) 五酸化バナジウム14.55g(0.08モル)をイソブタノール
90ミリリットル(0.98モル)及びベンジルアルコール60
ミリリットル(0.58モル)の混合溶媒中に懸濁し、リフ
ラックス条件下(105℃)に3時間加熱して五酸化バナジ
ウムを還元した後、室温に冷却した。次いで、99%H3
PO415.8g(0.16ミリモル)を、攪拌下に上記還元後の
懸濁液に添加した。添加後、該懸濁液をリフラックス条
件下(105℃)に3時間加熱して反応せしめた後、室温に
冷却した。次いで、沈殿物を濾別し、アセトン250ミリ
リットルで洗浄した後、室温で一晩乾燥した。得られた
ライトブルー固体のバナジウムの原子価は4価であっ
た。X線回折より、該沈殿はVOHPO4・0.5H2
であり、回折ピークが2θ=15.8°に存在し、層間距離
は5.4オングストロームであることが分かった(図2の
VOHPO4・0.5H2O)。
【0060】上記の製造例1〜14のようにしてバナジ
ウム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物の層間
にモノアルコールがインターカレートしているところの
層間化合物を製造した。
【0061】上記の製造例1〜14で得られた層間にモ
ノアルコールがインターカレートした層間化合物は、製
造例15の層状化合物VOHPO4・0.5H2Oに比較
して層間距離が著しく広がっていた。製造例1〜3は製
造手順を変えたものである。いずれにおいても、ベンジ
ルアルコール(芳香族モノアルコール)を層間にインタ
ーカレートし得ることが分かった。製造例4、5、6、
7及び8は、夫々、モノアルコールとして、メタノー
ル、1‐プロパノール、1‐ブタノール、1‐ヘキサノー
ル及び1‐オクタノール(第一級脂肪族モノアルコー
ル)を使用したものである。モノアルコールの炭素原子
数の増加に比例して層間距離が増加することが分かった
(図6)。製造例9はイソブタノール(第一級分枝脂肪
族モノアルコール)を使用したものである。1‐ブタノ
ールを使用した製造例6に比べて、多少層間距離の小さ
い化合物が得られた。製造例10又は11は、夫々、2
‐プロパノール又は2‐ブタノール(第二級脂肪族モノ
アルコール)を使用したものである。1‐プロパノール
又は1‐ブタノールを使用した製造例5又は6に比べ
て、いずれも多少層間距離の小さい化合物が得られた。
製造例12又は13は、夫々、シクロヘキサノール又は
シクロペンタノール(脂環族モノアルコール)を使用し
たものである。いずれも同一炭素数の第一級脂肪族モノ
アルコールを使用した場合に比べて、層間距離の小さい
化合物が得られた。
【0062】次いで、本発明の出発原料である層間化合
物の構造について検討した。
【0063】図6は、第一級脂肪族モノアルコール、第
二級脂肪族モノアルコール及び脂環族モノアルコールの
炭素数とこれらのアルコールがインターカレートした層
間化合物の層間距離との関係を示したものである。VO
HPO4・0.5H2Oの層間距離5.4オングストローム
(炭素数0の場合)と比較して、本発明の層間化合物に
おける層間距離はいずれもより大きい。また、第一級脂
肪族モノアルコール、第二級脂肪族モノアルコール又は
脂環族モノアルコールの炭素数の増加に従って、モノア
ルコールのタイプごとに層間距離は夫々比例して増大し
ていくことが分かる。これは、いずれも層間に各モノア
ルコールがインターカレートしていることによるものと
考えられる。
【0064】また、第一級脂肪族モノアルコールにおい
て、該アルコールの炭素数が1個増加する毎に層間距離
が約2.1〜2.2オングストローム増加する。C−C結合距
離が約1.4オングストロームであることを考慮すれば、
本発明の層間化合物において、層間にはアルコールが二
列になって存在すると推定される。一方、図2のVOH
PO4・0.5H2OのX線回折パターンと各第一級脂肪
族モノアルコールがインターカレートした層間化合物の
X線回折パターンとを比較すれば分かるように、(11
0)、(220)及び(040)の回折線はいずれもほぼ同じ
位置に観察され、層状面の2次元的な構造はいずれも同
じであると考えられる。このことは、第二級脂肪族モノ
アルコール、脂環族モノアルコール及び芳香族モノアル
コールについても同様である。
【0065】図6によれば、第二級脂肪族モノアルコー
ル(2−プロパノール又は2−ブタノール)では、同一
炭素数の第一級脂肪族モノアルコールに比べて層間距離
はより小さく、むしろ、炭素数が1個少ない第一級脂肪
族モノアルコール(夫々、エタノール又は1−プロパノ
ール)の層間距離により近くなっている。これは、第二
級脂肪族モノアルコールの分岐した脂肪族鎖のうちのよ
り長い鎖の炭素原子数に層間距離が支配されていること
を示唆している。脂環族モノアルコールでは、同一炭素
数の第一級脂肪族モノアルコールに比べて層間距離は更
に小さい。環状構造である故に更に分子サイズが小さい
と考えられるからである。
【0066】そこで、図7には、第一級脂肪族モノアル
コール、第二級脂肪族モノアルコール及び脂環族モノア
ルコールの分子サイズとこれらのアルコールがインター
カレートした層間化合物の層間距離との関係を示した。
ここで、分子サイズには、半経験的分子軌道法(プログ
ラムパッケージ MOPAC93)により構造を最適化
したアルコール分子でのOH基の水素原子と、その水素
原子から最も遠い位置に存在する水素原子までの距離を
用いた。分子サイズと層間距離との関係をとれば、これ
らのアルコールは全て分子サイズと層間距離との間に一
つの直線関係を有することが分かった。層間化合物の層
間距離は、インターカレートしたモノアルコールの分子
サイズに依存すると推定される。
【0067】次に、赤外線吸収スペクトルを使用して本
発明の層間化合物の構造解析を行った。図8には、VO
HPO4・0.5H2Oと、製造例4で製造した層間化合
物(メタノール)の赤外線吸収スペクトル、図9には、
製造例1で製造した層間化合物(ベンジルアルコール)
の赤外線吸収スペクトル、図10には、製造例10で製
造した層間化合物(2−プロパノール)の赤外線吸収ス
ペクトル、図11には、製造例11で製造した層間化合
物(2‐ブタノール)の赤外線吸収スペクトル、図12
には、製造例12で製造した層間化合物(シクロヘキサ
ノール)の赤外線吸収スペクトル、及び図13には、製
造例13で製造した層間化合物(シクロペンタノール)
の赤外線吸収スペクトルを示した。ここで、VOHPO
4・0.5H2Oの吸収バンドの帰属については文献値に
従った[J.Catal.,99,400(1986)及びJ.Catal.,141,67
1(1993)]。製造例1、4、10、11、12及び1
3で製造した層間化合物の吸収バンドの帰属について
は、VOHPO4・0.5H2O、メタノール、ベンジル
アルコール、2−プロパノール、2‐ブタノール、シク
ロヘキサノール、シクロペンタノール及びトリアルキル
ホスフェートの赤外線吸収スペクトルと比較することに
より決定した。該赤外線吸収スペクトルから、 ・POCに帰属される吸収(メタノールの場合:810cm
-1、1030 cm-1、ベンジルアルコールの場合:744cm-1
1026 cm-1、2‐プロパノールの場合:888cm-1、1026 c
m-1、2‐ブタノールの場合:886cm-1、1015 cm-1、シ
クロヘキサノールの場合:894cm-1、1024 cm-1、シクロ
ペンタノールの場合:909cm-1、1019 cm-1)及び ・孤立COHに帰属される吸収(メタノールの場合:35
31cm-1、3588 cm-1、ベンジルアルコールの場合:3496
cm-1、2‐プロパノールの場合:3534cm-1、3602cm-1
3721cm-1、2‐ブタノールの場合:3606cm-1、3718c
m-1、シクロヘキサノールの場合:3746cm-1、シクロペ
ンタノールの場合:3581cm-1、3711 cm-1)は、製造例
1、4、10、11、12及び13で製造した層間化合
物に存在するがVOHPO4・0.5H2Oには存在しな
いことが分かった。
【0068】次に、図14には、製造例1で得られた層
間化合物(ベンジルアルコール)についての熱分析の結
果を示す。低温側における重量減少の約5.7重量%は
層間に存在しているベンジルアルコール及び水に起因す
るものと考えられ、高温側における重量減少の約34.
7重量%はエステル結合しているベンジルアルコールの
燃焼に起因すると考えられる。全体としての重量減少は
約40.4重量%であった。製造例1で製造された、ベ
ンジルアルコールがインターカレートされている層間化
合物の元素分析値(V:19.1重量%、P:12.2
重量%、O:32.7重量%、H:3.1重量%、C:
32.9重量%)から構造式を推定すると、VO(C6
5CH2OP)0.92(HOP)0.083・0.12(C6
5CH2OH)・0.38(H2O)となる。低温側の
重量減少によりベンジルアルコール及び水[0.12
(C65CH2OH)・0.38(H2O)]が脱離して
[VO(C65CH2OP)0.92(HOP)0.083]に
なるとすれば重量減少量の理論値は7.5重量%とな
り、上記の実測値約5.7重量%と若干異なるが、これ
は、元素分析と熱分析との前処理条件が異なるため、物
理吸着したベンジルアルコール若しくは水の量が相違
し、そのために生じる差であり、両者の値はほぼ一致す
ると考えてよい。これは、低温側の重量減少が層間に存
在するベンジルアルコール及び水に起因するものである
とする上記仮定を裏付けるものである。高温側の重量減
少によりエステル結合しているベンジルアルコールが燃
焼して[VOPO4]になるとすれば重量減少量の理論
値は34.6重量%となり、上記の実測値約34.7重
量%とほぼ一致する。これは、高温側の重量減少がエス
テル結合しているモノアルコールの燃焼に起因するもの
であるとする上記仮定を裏付けるものである。また、低
温側の重量減少は吸熱反応に基くものであり、一方、高
温側の重量減少は発熱反応に基くものであった。以上の
ことから、該層間化合物において、ベンジルアルコール
はリン酸エステルの形態及びベンジルアルコールの形態
で層間にインターカレートしているとされる。
【0069】図15には、製造例4で得られた層間化合
物(メタノール)についての熱分析の結果を示す。低温
側における重量減少の約9.0重量%は層間に存在して
いるメタノールに起因するものと考えられ、高温側にお
ける重量減少の約8.6重量%はエステル結合している
メタノールの燃焼に起因すると考えられる。全体として
の重量減少は約17.6重量%であった。製造例4で製
造された、メタノールがインターカレートされている層
間化合物の元素分析値(V:28.1重量%、P:1
7.4重量%、O:44.6重量%、H:6.5重量
%、C:2.0重量%)から構造式を推定すると、VO
(CH3OP)0.50(HOP)0.503・0.50(CH
3OH)となる。低温側の重量減少によりメタノールが
脱離するとすれば重量減少量の理論値は8.6重量%と
なり、上記の実測値約9.0重量%とほぼ一致する。こ
れは、低温側の重量減少が層間に存在するメタノールに
起因するものであるとする上記仮定を裏付けるものであ
る。高温側の重量減少によりエステル結合しているメタ
ノールが燃焼するとすれば重量減少量の理論値は8.6
重量%となり、上記の実測値約8.6重量%と一致す
る。これは、高温側の重量減少がエステル結合している
メタノールの燃焼に起因するものであるとする上記仮定
を裏付けるものである。また、低温側の重量減少は吸熱
反応に基くものであり、一方、高温側の重量減少は発熱
反応に基くものであった。以上のことから、該層間化合
物において、メタノールはリン酸エステルの形態及びメ
タノールの形態で層間にインターカレートしているとさ
れる。
【0070】図16には、製造例10で得られた層間化
合物(2−プロパノール)についての熱分析の結果を示
す。低温側における重量減少の約19.6重量%は層間
に存在している2−プロパノールに起因するものと考え
られ、高温側における重量減少の約6.6重量%はエス
テル結合している2−プロパノールの燃焼に起因すると
考えられる。全体としての重量減少は約26.2重量%
であった。製造例10で製造された、2−プロパノール
がインターカレートされている層間化合物の元素分析値
(V:24.3重量%、P:15.9重量%、O:4
0.2重量%、H:3.5重量%、C:16.2重量
%)から構造式を推定すると、VO(C37OP)0.13
(HOP)0.873・0.92(C37OH)となる。
低温側の重量減少により2−プロパノール[0.92
(C37OH)]が脱離して[VO(C 37OP)0.13
(HOP)0.873]になるとすれば重量減少量の理論
値は25.0重量%となり、上記の実測値約19.6重
量%と若干異なるが、これは上記と同様であり、両者の
値はほぼ一致すると考えてよい。これは、低温側の重量
減少が層間に存在する2−プロパノールに起因するもの
であるとする上記仮定を裏付けるものである。高温側の
重量減少によりエステル結合している2−プロパノール
が燃焼して[VOPO4]になるとすれば重量減少量の
理論値は6.4重量%となり、上記の実測値約6.6重
量%と一致する。これは、高温側の重量減少がエステル
結合しているモノアルコールの燃焼に起因するものであ
るとする上記仮定を裏付けるものである。また、低温側
の重量減少は吸熱反応に基くものであり、一方、高温側
の重量減少は発熱反応に基くものであった。以上のこと
から、該層間化合物において、2−プロパノールはリン
酸エステルの形態及び2−プロパノールの形態で層間に
インターカレートしているとされる。また、詳細な構造
は現在のところ不明であるが、上記において推定した2
−プロパノールがインターカレートされている層間化合
物の構造式から考えれば、該層間化合物にあっては、リ
ン酸水素バナジル0.5水和物[(VO)(HOP)O
3・0.5H2O]層状化合物に存在するH2Oの全てが
2−プロパノールに置換えられ、かつ更に多くの2−プ
ロパノールが層間にインターカレートしていると推定さ
れる。
【0071】図17には、製造例11で得られた層間化
合物(2−ブタノール)についての熱分析の結果を示
す。低温側における重量減少の約27重量%は層間に存
在している2−ブタノールに起因するものと考えられ、
高温側における重量減少の約6.2重量%はエステル結
合している2−ブタノールの燃焼に起因すると考えられ
る。全体としての重量減少は約33.2重量%であっ
た。製造例11で製造された、2−ブタノールがインタ
ーカレートされている層間化合物の元素分析値(V:2
1.0重量%、P:13.7重量%、O:39.9重量
%、H:4.8重量%、C:20.7重量%)から構造
式を推定すると、VO(C49OP)0.10(HOP)
0.903・0.95(C49OH)となる。低温側の重
量減少により2−ブタノール[0.95(C49
H)]が脱離して[VO(C49OP)0.10(HOP)
0.903]になるとすれば重量減少量の理論値は29.
7重量%となり、上記の実測値約27重量%と若干異な
るが、これは上記と同様であり、両者の値はほぼ一致す
ると考えてよい。これは、低温側の重量減少が層間に存
在する2−ブタノールに起因するものであるとする上記
仮定を裏付けるものである。高温側の重量減少によりエ
ステル結合している2−ブタノールが燃焼して[VOP
4]になるとすれば重量減少量の理論値は6.1重量
%となり、上記の実測値約6.2重量%と一致する。こ
れは、高温側の重量減少がエステル結合しているモノア
ルコールの燃焼に起因するものであるとする上記仮定を
裏付けるものである。また、低温側の重量減少は吸熱反
応に基くものであり、一方、高温側の重量減少は発熱反
応に基くものであった。以上のことから、該層間化合物
において、2−ブタノールはリン酸エステルの形態及び
2−ブタノールの形態で層間にインターカレートしてい
るとされる。また、2−ブタノールがインターカレート
されている層間化合物についても、上記の2−プロパノ
ールがインターカレートされている層間化合物と同様
に、リン酸水素バナジル0.5水和物層状化合物に存在
するH2Oの全部が2−ブタノールで置換され、更に、
より多くの2−ブタノールが層間にインターカレートし
ていると推定される。
【0072】図18には、製造例12で得られた層間化
合物(シクロヘキサノール)についての熱分析の結果を
示す。低温側における重量減少の約12.1重量%は層
間に存在しているシクロヘキサノール及び水に起因する
ものと考えられ、高温側における重量減少の約9.8重
量%はエステル結合しているシクロヘキサノールの燃焼
に起因すると考えられる。全体としての重量減少は約2
1.9重量%であった。製造例12で製造された、シク
ロヘキサノールがインターカレートされている層間化合
物の元素分析値(V:24.9重量%、P:16.1重
量%、O:42.6重量%、H:2.9重量%、C:1
3.5重量%)から構造式を推定すると、VO(C6
11OP)0.12(HOP)0.883・0.26(C611
H)・0.24(H2O)となる。低温側の重量減少に
よりシクロヘキサノール及び水[0.26(C611
H)・0.24(H2O)]が脱離して[VO(C611
OP)0.12(HOP)0.883]になるとすれば重量減
少量の理論値は14.9重量%となり、上記の実測値約
12.1重量%と若干異なるが、これは上記と同様であ
り、両者の値はほぼ一致すると考えてよい。これは、低
温側の重量減少が層間に存在するシクロヘキサノール及
び水に起因するものであるとする上記仮定を裏付けるも
のである。高温側の重量減少によりエステル結合してい
るシクロヘキサノールが燃焼して[VOPO4]になる
とすれば重量減少量の理論値は9.8重量%となり、上
記の実測値約9.8重量%と一致する。これは、高温側
の重量減少がエステル結合しているモノアルコールの燃
焼に起因するものであるとする上記仮定を裏付けるもの
である。また、低温側の重量減少は吸熱反応に基くもの
であり、一方、高温側の重量減少は発熱反応に基くもの
であった。以上のことから、該層間化合物において、シ
クロヘキサノールはリン酸エステルの形態及びシクロヘ
キサノールの形態で層間にインターカレートしていると
される。
【0073】図19には、製造例13で得られた層間化
合物(シクロペンタノール)についての熱分析の結果を
示す。低温側における重量減少の約9.8重量%は層間
に存在しているシクロペンタノール及び水に起因するも
のと考えられ、高温側における重量減少の約10.1重
量%はエステル結合しているシクロペンタノールの燃焼
に起因すると考えられる。全体としての重量減少は約1
9.9重量%であった。製造例13で製造された、シク
ロペンタノールがインターカレートされている層間化合
物の元素分析値(V:25.4重量%、P:15.7重
量%、O:39.4重量%、H:2.8重量%、C:1
6.7重量%)から構造式を推定すると、VO(C59
OP)0.16(HOP)0.743・0.3(C59OH)
・0.2(H2O)となる。低温側の重量減少によりシ
クロペンタノール及び水[0.3(C59OH)・0.
2(H2O)]が脱離して[VO(C59OP)
0.16(HOP)0.743]になるとすれば重量減少量の
理論値は14.5重量%となり、上記の実測値約9.8
重量%と若干異なるがこれは上記と同様に考えられ、両
者の値はほぼ一致すると考えてよい。高温側の重量減少
によりエステル結合しているシクロペンタノールが燃焼
して[VOPO4]になるとすれば重量減少量の理論値
は9.8重量%となり、上記の実測値約10.1重量%
とほぼ一致する。また、低温側の重量減少は吸熱反応に
基くものであり、一方、高温側の重量減少は発熱反応に
基くものであった。以上のことから、該層間化合物にお
いて、シクロペンタノールはリン酸エステルの形態及び
シクロペンタノールの形態で層間にインターカレートし
ているとされる。
【0074】以上より、製造例1〜14で得られた層間
化合物におけるモノアルコールの形態は、リン酸エステ
ル及びアルコールの二種類において存在することが分か
った。また、該層間化合物は、(VO)(HOP)O3
・0.5H2O中のPOHの全部又は一部がモノアルコ
ールのリン酸エステルPOCxyにより、0.5H2
の全部又は一部がモノアルコールCxyOHにより置換
された構造を持つことが分かった。
【0075】
【実施例1〜11及び比較例1〜14】表1及び2に示し
たように上記の製造例において得た化合物を種々の条件
で加熱処理してバナジウム‐リン複合酸化物を製造し
た。ここで、加熱処理のために各化合物1.5gを夫々
パイレックス(登録商標)ガラス製チューブに充填し、
20ミリリットル/分の表1に示した酸素濃度を有する
窒素ガス気流中で1時間加熱して実施し、その後、室温
まで冷却して黒色固体であるバナジウム‐リン複合酸化
物を得た。次いで、該黒色固体のBET比表面積及び細
孔容積を測定した。結果を表1及び2に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】 *1:1−BuOHは1−ブタノール、1−PrOHは
1−プロパノール、1−OctOHは1−オクタノー
ル、2−BuOHは2−ブタノール、MeOHはメタノ
ール、EtOHはエタノール、CyhexOHはシクロ
ヘキサノール及びBzOHはベンジルアルコールを示
す。 *2:不活性ガスとして窒素を使用し、酸素濃度は全ガ
ス体積に対する濃度を示す。 *3:リン酸水素バナジル0.5水和物を使用した比較
例である。
【0078】実施例1は、製造例6で得た1‐ブタノー
ルがインターカレートしている層間化合物を窒素雰囲気
下で、その基準温度である338℃で加熱処理したもの
である。著しく大きいBET比表面積、全細孔容積及び
半径1〜2.3nmの細孔分布が得られた。実施例2〜
7は、実施例1の加熱温度を本発明の範囲内で変えたも
のである。BET比表面積、全細孔容積及び半径1〜
2.3nmの細孔分布はいずれも良好であった。実施例
8は、実施例1の加熱雰囲気を、酸素を1.0体積%含
む窒素雰囲気に変えて加熱処理したものである。BET
比表面積、全細孔容積及び半径1〜2.3nmの細孔分
布は多少低下したが、本発明の効果を十分達成し得るも
のであった。実施例9〜11は、夫々、1‐プロパノー
ル、1‐オクタノール、2‐ブタノールがインターカレ
ートしている層間化合物を窒素雰囲気下で、夫々、35
3℃、330℃、330℃で加熱処理したものである。
BET比表面積、全細孔容積及び半径1〜2.3nmの
細孔分布はいずれも良好であった。一方、比較例1〜4
は、実施例1の加熱温度を本発明の範囲外で変えたもの
である。いずれもBET比表面積は80m2/g未満と
小さく、かつ全細孔容積及び半径1〜2.3nmの細孔
分布も満足するものではなかった。比較例5〜7は、実
施例1の加熱雰囲気を、本発明の範囲外に変えて加熱処
理したものである。BET比表面積、全細孔容積及び半
径1〜2.3nmの細孔分布は満足すべきものではなか
った。比較例8は、実施例4の加熱雰囲気を、本発明の
範囲外に変えて加熱処理したものである。BET比表面
積、全細孔容積及び半径1〜2.3nmの細孔分布はい
ずれも悪いものであった。比較例9及び10は、いずれ
もメタノールがインターカレートしているところの層間
化合物を加熱処理したものである。BET比表面積、全
細孔容積及び半径1〜2.3nmの細孔分布はいずれも
満足すべきものではなかった。比較例11〜13は、夫
々、エタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコ
ールがインターカレートしている層間化合物を窒素雰囲
気下で加熱処理したものである。いずれの層間化合物も
モノアルコールのインターカレートされている量が本発
明の範囲未満であり、BET比表面積、全細孔容積及び
半径1〜2.3nmの細孔分布はいずれも満足すべきも
のではなかった。比較例14は、従来から無水マレイン
酸製造用触媒として広く使用されている、製造例15で
得たリン酸水素バナジル0.5水和物を、通常行われて
いる温度で加熱処理したものである。BET比表面積は
低かった。
【0079】図20には、製造例6で得られた1‐ブタ
ノールがインターカレートしている層間化合物を280
℃で加熱処理した酸化物(実施例3)のX線回折パター
ンを示した。また、下記の表3には、その元素分析値を
示した。該酸化物はアモルファス構造であり、ヘキサゴ
ナル構造等に由来する周期構造は観察されなかった。
【0080】
【表3】元素 重量% モル比 V 30.9 1.0 P 18.7 1.0 O 45.4 4.7 C 4.6 0.7 H 0.4 0.7
【0081】
【発明の効果】本発明は、著しく大きな表面積を有する
新規なバナジウム‐リン複合酸化物及びその製造方法を
提供するものである。
【0082】
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1及び2において得られた層間化合物の
X線回折パターンを示す。
【図2】製造例4〜8及び製造例14において得られた
層間化合物のX線回折パターンを示す。
【図3】製造例9において得られた層間化合物のX線回
折パターンを示す。
【図4】製造例10〜11において得られた層間化合物
のX線回折パターンを示す。
【図5】製造例12〜13において得られた層間化合物
のX線回折パターンを示す。
【図6】本発明の層間化合物におけるモノアルコールの
炭素数と層間隔との関係を示す。
【図7】本発明の層間化合物におけるモノアルコールの
分子サイズと層間隔との関係を示す。
【図8】VOHPO4・0.5H2Oと製造例4で製造し
た層間化合物の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図9】製造例1で製造した層間化合物の赤外線吸収ス
ペクトルを示す。
【図10】製造例10で製造した層間化合物の赤外線吸
収スペクトルを示す。
【図11】製造例11で製造した層間化合物の赤外線吸
収スペクトルを示す。
【図12】製造例12で製造した層間化合物の赤外線吸
収スペクトルを示す。
【図13】製造例13で製造した層間化合物の赤外線吸
収スペクトルを示す。
【図14】製造例1において製造した層間化合物の加熱
温度と重量減少の関係を示した図である。
【図15】製造例4において製造した層間化合物の加熱
温度と重量減少の関係を示した図である。
【図16】製造例10において製造した層間化合物の加
熱温度と重量減少の関係を示した図である。
【図17】製造例11において製造した層間化合物の加
熱温度と重量減少の関係を示した図である。
【図18】製造例12において製造した層間化合物の加
熱温度と重量減少の関係を示した図である。
【図19】製造例13において製造した層間化合物の加
熱温度と重量減少の関係を示した図である。
【図20】製造例6において製造した層間化合物を28
0℃で加熱処理した酸化物のX線回折パターンを示す。
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月14日(2000.3.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 バナジウム‐リン複合酸化物および
の製造方法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G048 AA03 AB01 AC08 AD03 4G069 AA08 AA12 BA12A BA12B BA12C BB06A BB06B BC54A BC54B BD07A BD07B BE06A BE06B BE06C CB14 EC01X EC01Y FB29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バナジウム、リン及び酸素を基本組成と
    する層間化合物を加熱してバナジウム‐リン複合酸化物
    を製造する方法において、上記層間化合物が、バナジウ
    ム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物の層間に
    炭素数3個以上の脂肪族モノアルコールがインターカレ
    ートしている層間化合物であり、かつ全ガス体積に対し
    て酸素を0〜2.0体積%で含む不活性ガスから成る雰
    囲気下において、250℃を超え500℃未満の温度で
    該層間化合物を加熱することを特徴とするバナジウム‐
    リン複合酸化物の製造方法。
  2. 【請求項2】 脂肪族モノアルコールの炭素数が3〜8
    個であるところの請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 BET比表面積が80m2/g以上である
    ことを特徴とするバナジウム‐リン複合酸化物。
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