JP2002249305A - バナジウム‐リン複合酸化物及びその製造方法 - Google Patents

バナジウム‐リン複合酸化物及びその製造方法

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JP2002249305A
JP2002249305A JP2001043503A JP2001043503A JP2002249305A JP 2002249305 A JP2002249305 A JP 2002249305A JP 2001043503 A JP2001043503 A JP 2001043503A JP 2001043503 A JP2001043503 A JP 2001043503A JP 2002249305 A JP2002249305 A JP 2002249305A
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vanadium
composite oxide
phosphorus
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compound
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JP2001043503A
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English (en)
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Yuichi Kamiya
裕一 神谷
Satoshi Ueki
聡 植木
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Tonen Chemical Corp
Eneos Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 著しく大きな表面積を有する新規なバナジウ
ム‐リン複合酸化物、及び該複合酸化物を簡便に製造す
る方法を提供する。 【解決手段】 バナジウム、リン及び酸素を基本組成と
する層間化合物を加熱してバナジウム‐リン複合酸化物
を製造する方法において、上記層間化合物が、バナジウ
ム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物の層間に
炭素数4〜8個の第二級脂肪族モノアルコールがインタ
ーカレートしている層間化合物であり、かつ全ガス体積
に対して酸素を2.0体積%を超え50体積%以下で含
む不活性ガスから成る雰囲気下において、150〜42
0℃の温度で該層間化合物を加熱することを特徴とする
バナジウム‐リン複合酸化物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バナジウム‐リン
複合酸化物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】バナジウム‐リン複合酸化物は、ブタン
酸化反応による無水マレイン酸製造用触媒又は触媒前駆
体等として広く知られている。通常、該触媒として用い
られているバナジウム‐リン複合酸化物は、バナジウ
ム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物であると
ころのリン酸バナジル又はリン酸水素バナジル0.5水
和物を、窒素雰囲気下、あるいはブタン、窒素及び酸素
を含む反応雰囲気下、350〜700℃において焼成す
ることにより得られたものである。しかし、このように
して得られたバナジウム‐リン複合酸化物の表面積は通
常10〜50m2/gと比較的小さいものであった。
【0003】より高活性の触媒を製造するためにバナジ
ウム‐リン複合酸化物の表面積をより大きくする試みが
なされた。Catal. Today, 16, 113, (1993)には、リン
酸水素バナジル0.5水和物を水又は低級アルコール中
で攪拌後、焼成することにより、得られた焼成物の表面
積を増大せしめ得ることが報告されている。しかし、得
られた焼成物の表面積は最大でも64m2/g程度のも
のであった。また、Appl. Catal., 154, 103, (1997)に
は、リン酸水素バナジル0.5水和物をボールミルで粉
砕することにより、得られた焼成物の表面積を増大せし
め得ることが報告されている。しかし、該方法において
も得られた焼成物の表面積は最大46m 2/g程度であ
った。上記いずれの方法においても得られた焼成物の表
面積は、無水マレイン酸製造用触媒等として使用した際
に必ずしも満足し得るものとは言えなかった。
【0004】Chem.Mater.,7,1429,(1995)には、メソ孔
を有するバナジウム‐リン複合酸化物を得るために、テ
ンプレート剤としてアルキル(C12〜C16)トリメチル
アンモニウムクロリドを用いて、バナジウム、リンを含
むヘキサゴナル構造を有するメソ構造体を合成すること
が開示されている。バナジウム‐リン複合酸化物の表面
積についてはなんら言及されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、著しく大き
な表面積を有する新規なバナジウム‐リン複合酸化物、
及び該複合酸化物を簡便に製造する方法を提供するもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高表面積の
バナジウム‐リン複合酸化物を得るべく種々の検討を行
った。その結果、バナジウム、リン及び酸素を基本組成
とする層間化合物を加熱してバナジウム‐リン複合酸化
物を製造する方法において、バナジウム、リン及び酸素
を基本組成とする層状化合物の層間に炭素数3個以上の
脂肪族モノアルコールがインターカレートしている層間
化合物を用い、これを全ガス体積に対して酸素を0〜
2.0体積%で含む不活性ガスから成る雰囲気下に、2
50℃を超え500℃未満の温度で加熱すれば、BET
比表面積が80m2/g以上であるような従来存在しな
かった著しく大きな表面積を有するバナジウム‐リン複
合酸化物が得られることを見出した(特願2000−6
7377号)。本発明者は該先願に基き更に検討を加え
た。その結果、下記所定の炭素数を有する第二級脂肪族
モノアルコールがインターカレートしている層間化合物
を使用すれば、加熱雰囲気中の酸素含有量を下記のよう
に著しく多くしても、例えば、空気中で加熱しても、同
様に大きな表面積を有するバナジウム‐リン複合酸化物
が得られ、従って、従来のように窒素雰囲気下、あるい
はブタン、窒素及び酸素を含む反応雰囲気下での複雑な
加熱は不要であることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0007】即ち、本発明は、(1)バナジウム、リン
及び酸素を基本組成とする層間化合物を加熱してバナジ
ウム‐リン複合酸化物を製造する方法において、上記層
間化合物が、バナジウム、リン及び酸素を基本組成とす
る層状化合物の層間に炭素数4〜8個の第二級脂肪族モ
ノアルコールがインターカレートしている層間化合物で
あり、かつ全ガス体積に対して酸素を2.0体積%を超
え50体積%以下で含む不活性ガスから成る雰囲気下に
おいて、150〜420℃の温度で該層間化合物を加熱
することを特徴とするバナジウム‐リン複合酸化物の製
造方法である。
【0008】好ましい態様として、(2)層間化合物
が、リン酸水素バナジル0.5水和物[(VO)(HO
P)O 3・0.5H2O]層状化合物に存在するPOHの
一部又は全部が炭素数4〜8個の第二級脂肪族モノアル
コールのリン酸エステルにより置き換えられており、か
つ上記層状化合物に存在するH2Oの一部又は全部が炭
素数4〜8個の第二級脂肪族モノアルコールに置き換え
られている構造を有するところの上記(1)記載の方
法、(3)第二級脂肪族モノアルコールが2−ブタノー
ルであるところの上記(1)又は(2)記載の方法、
(4)加熱温度が160〜400℃であるところの上記
(1)〜(3)のいずれか一つに記載の方法、(5)加
熱温度が170〜390℃であるところの上記(1)〜
(3)のいずれか一つに記載の方法、(6)加熱雰囲気
が、全ガス体積に対して酸素を2.0体積%を超え30
体積%以下で含む不活性ガスから成る雰囲気であるとこ
ろの上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の方法、
(7)加熱雰囲気が空気であるところの上記(1)〜
(5)のいずれか一つに記載の方法、(8)上記(1)
〜(7)のいずれか一つに記載の方法により製造され、
かつそのBET比表面積が80m2/g以上であるとこ
ろのバナジウム‐リン複合酸化物、(9)BET比表面
積が80〜1,000m2/gであるところの上記
(8)記載のバナジウム‐リン複合酸化物、(10)全
細孔容積が100mm3/g以上であるところの上記
(8)又は(9)記載のバナジウム‐リン複合酸化物、
(11)全細孔容積が100〜1,000mm3/gで
あるところの上記(8)又は(9)記載のバナジウム‐
リン複合酸化物、(12)1nm未満の半径を有する細
孔の全細孔容積が30mm3/g以上であるところの上
記(8)〜(11)のいずれか一つに記載のバナジウム
‐リン複合酸化物、(13)1〜100nmの半径を有
する全細孔のうち1〜3nmの半径を有する全細孔の占
める割合が、両者の細孔容積の比率で50%以上である
ところの上記(8)〜(12)のいずれか一つに記載の
バナジウム‐リン複合酸化物、(14)1〜100nm
の半径を有する全細孔のうち1〜3nmの半径を有する
全細孔の占める割合が、両者の細孔容積の比率で70%
以上であるところの上記(8)〜(12)のいずれか一
つに記載のバナジウム‐リン複合酸化物を挙げることが
できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の方法において、バナジウ
ム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物の層間
に、炭素数4〜8個の第二級脂肪族モノアルコールがイ
ンターカレートしているところの層間化合物を加熱する
ことによりバナジウム‐リン複合酸化物が製造される。
上記の層間化合物は好ましくは、リン酸水素バナジル
0.5水和物[(VO)(HOP)O3・0.5H2O]
層状化合物に存在するPOHの一部又は全部が炭素数4
〜8個の第二級脂肪族モノアルコールのリン酸エステル
構造の一部POR(Rは該モノアルコールの残基であ
る)により置き換えられており、かつ上記層状化合物に
存在するH2Oの一部又は全部が炭素数4〜8個の第二
級脂肪族モノアルコールにより置き換えられている構造
を有するものである。
【0010】インターカレートしている脂肪族モノアル
コールは、第二級脂肪族モノアルコールであり、その炭
素数は4〜8個である。好ましくは2‐ブタノールが挙
げられる。脂肪族モノアルコールとして上記の第二級脂
肪族モノアルコールを使用することにより、以下に説明
する高い酸素含有量の不活性ガス雰囲気下において加熱
しても、BET比表面積が80m2/g以上の大きな表
面積を持つバナジウム‐リン複合酸化物を製造すること
ができる。
【0011】本発明において使用される上記の炭素数4
〜8個の第二級脂肪族モノアルコールがインターカレー
トしているところの層間化合物は、特開2000−24
7617号公報記載の方法を使用して製造され得る。即
ち、バナジウムの原子価が5価未満4価以上であるバナ
ジウム酸化物、五酸化リン及びモノアルコールを反応せ
しめて、バナジウム、リン及び酸素を基本組成とする層
状化合物の層間にモノアルコールがインターカレートし
ているところの層間化合物を製造する方法である。
【0012】上記の方法において使用されるバナジウム
酸化物は、バナジウムの原子価が5価未満4価以上のも
のであり、好ましくは4.5価のものであり、特に好ま
しくはV49である。
【0013】該原子価が5価未満4価以上、好ましくは
4.5価のバナジウム酸化物を製造する方法に特に制限
はない。例えば、5価のバナジウム化合物を一部還元し
て、バナジウムの原子価を5価未満4価以上、好ましく
は4.5価まで還元する方法により得られる。該還元
は、気相又は液相で行うことができ、好ましくは液相で
行われる。気相還元においては、還元剤として、例え
ば、水素、ブテン、ブタジエン、二酸化硫黄等が使用さ
れ、一方、液相還元においては、還元剤として、好まし
くは有機媒体が使用される。該有機媒体としては、例え
ば、メタノール、エタノール、1‐プロパノール、イソ
プロパノール、1‐ブタノール、2‐ブタノール、イソ
ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、又
はベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンア
ルデヒド等のアルデヒド類、ヒドラジン類、蓚酸等が挙
げられる。好ましくはアルコール類が使用され、とりわ
けイソブタノール、ベンジルアルコールが好ましい。5
価のバナジウム化合物としては、例えば、五酸化バナジ
ウム、バナジン酸アンモニウム等が挙げられ、好ましく
は五酸化バナジウムが使用される。
【0014】上記の還元法として例えば、5価のバナジ
ウム化合物例えば五酸化バナジウムを、アルコール例え
ばイソブタノール及び/又はベンジルアルコール溶媒中
に混合し、該混合物をリフラックス条件下で好ましくは
0.5〜80時間、更に好ましくは1〜10時間加熱し
て還元を行い、次いで濾過後、例えばアセトン、メタノ
ール、エタノール等の低沸点溶剤により洗浄し乾燥する
方法が挙げられる。このようにして製造された化合物
は、X線回折(対陰極Cu−Kα)の回折パターンから
49であることが確認される。
【0015】このようにして得られたバナジウムの原子
価が5価未満4価以上、好ましくは4.5価のバナジウ
ム酸化物、特に好ましくはV49を、五酸化リン及びモ
ノアルコールと反応させることにより、バナジウム、リ
ン及び酸素を基本組成とする層状化合物の層間に上記モ
ノアルコールがインターカレートしている層間化合物を
製造することができる。
【0016】上記の方法において、使用するモノアルコ
ールの量は、バナジウム1モルに対して、上限が好まし
くは1000モル、特に好ましくは100モルであり、
下限が好ましくは3モル、特に好ましくは5モルであ
る。上記下限未満では、十分にモノアルコールをインタ
ーカレートすることができない。また、五酸化リンの使
用量は、バナジウム原子に対するリン原子の比で、上限
が好ましくは3、特に好ましくは1.5であり、下限が
好ましくは0.7、特に好ましくは1である。上記下限
未満では、十分にモノアルコールをインターカレートす
ることができない。
【0017】モノアルコールをインターカレートした層
間化合物を製造する方法としては、例えば、上記のよう
にして得た、バナジウムの原子価が5価未満4価以上、
好ましくは4.5価のバナジウム酸化物、特に好ましく
はV49と、モノアルコールとを混合し、次いで該混合
物に五酸化リンを加えた後(但し、上記の三種の物質を
混合する順序に特に制限はない)、リフラックス条件下
で反応を行い、濾過後、例えばアセトン、メタノール、
エタノール等の低沸点溶剤により洗浄し乾燥する方法、
あるいはモノアルコールと五酸化リンとの反応生成物
に、バナジウムの原子価が5価未満4価以上、好ましく
は4.5価のバナジウム酸化物、特に好ましくはV49
を加えて、リフラックス条件下で反応を行い、濾過後、
例えばアセトン、メタノール、エタノール等の低沸点溶
剤により洗浄し乾燥する方法が挙げられる。また、5価
のバナジウム化合物例えば五酸化バナジウムを、モノア
ルコール例えばベンジルアルコール中に混合し、リフラ
ックス条件下で還元を行った後、該混合物に、更にモノ
アルコール及び五酸化リンを加えて、リフラックス条件
下で反応を行って製造することもできる。上記の場合、
反応時間はいずれも、好ましくは0.1〜100時間、
特に好ましくは1〜60時間である。上記下限未満で
は、モノアルコールをインターカレートできず、上記上
限を超えては、製造コストが高くなると共に、操作が煩
雑となる。反応温度は、好ましくはリフラックス温度で
ある。
【0018】上記の方法により得られる層間化合物の層
間距離は、インターカレートされるモノアルコールの種
類により決定され、少なくとも9.0オングストローム
であり、好ましくは9.0〜25.0オングストローム
である。第二級脂肪族アルコールがインターカレートし
ている層間化合物においては、好ましくは10〜15オ
ングストロームである。
【0019】上記の方法により製造された層間化合物に
おいて、モノアルコールが層間にインターカレートされ
ていることは、特開2000−247617号公報に詳
述されているように、X線回折により、リン酸水素バナ
ジル0.5水和物の(0 0 1)面の回折ピークの代り
に、2θが2〜10°の間に層間距離が開いたことを示
す回折ピークが確認されること、該層間距離が使用する
モノアルコールの炭素原子数の増加にほぼ比例して増加
すること及び該層間距離が使用するモノアルコールの分
子サイズの増加にほぼ比例して増加すること、該方法で
製造された層間化合物の赤外吸収スペクトルにおいて、
リン酸水素バナジル0.5水和物に存在しないPOCに
帰属される吸収及び孤立COHに帰属される吸収が存在
すること、熱分析により、存在するモノアルコールに起
因すると考えられる低温側の重量減少及びエステル結合
しているモノアルコールの燃焼に起因すると考えられる
高温側の重量減少が確認されること、並びに元素分析値
から推定した構造式が上記の熱分析による重量減少量と
ほぼ一致することにより確認される。
【0020】本発明の方法においては、上記の方法によ
り得られた、炭素数4〜8個の第二級脂肪族モノアルコ
ールがインターカレートしている層間化合物を、全ガス
体積に対して、酸素含有量の上限が50体積%、好まし
くは30体積%であり、下限が2.0体積%を超える不
活性ガスから成る雰囲気下において加熱する。ここで、
不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸
化炭素等が挙げられる。該層間化合物は、特に好ましく
は空気中で加熱される。加熱雰囲気中の酸素濃度が上記
上限を超えては、経済性及び安全性の観点から好ましく
ない。
【0021】本発明の方法において層間化合物を加熱し
てバナジウム‐リン複合酸化物を製造するための温度
は、上限が420℃、好ましくは400℃、より好まし
くは390℃であり、下限が150℃、好ましくは16
0℃、より好ましくは170℃である。上記温度範囲外
では、得られたバナジウム‐リン複合酸化物の表面積、
例えばBET比表面積が小さくなるため好ましくない。
【0022】加熱時間は、加熱温度、インターカレート
しているモノアルコールの種類等により変化するが、好
ましくは0.3〜100時間、より好ましくは0.5〜
10時間である。
【0023】上記の本発明の方法により製造されたバナ
ジウム‐リン複合酸化物のBET比表面積は、下限が8
0m2/g、好ましくは90m2/gである。上限は、好
ましくは1,000m2/g、より好ましくは500m2
/gである。該バナジウム‐リン複合酸化物の全細孔容
積は、下限が好ましくは100mm3/g、より好まし
くは120mm3/g、特に好ましくは140mm3/g
である。上限は、好ましくは1,000mm3/gであ
る。該バナジウム‐リン複合酸化物の1nm未満の半径
を有する細孔の全細孔容積は好ましくは30mm3/g
以上である。また、該バナジウム‐リン複合酸化物の1
〜100nmの半径を有する全細孔のうち1〜3nmの
半径を有する全細孔の占める割合は、両者の細孔容積の
比率でその下限が好ましくは50%、より好ましくは7
0%である。ここで、1nm未満の半径を有する細孔の
容積は、N2吸脱着等温線からt法[J.Colloid Sci.,
21,405(1966年)参照]に従って算出したものであり、
1〜100nmの半径を有する細孔の容積と分布は、N
2吸脱着等温線からDollimore & Heal法
[J.Applied Chem.14,109(1964年)参照]に従って算
出したものである。
【0024】本発明のバナジウム‐リン複合酸化物は、
触媒、触媒前駆体及び触媒担体として使用し得る。ま
た、BET比表面積が著しく大きくかつ細孔径分布が狭
いことから分子篩能を有する吸着剤として使用され得
る。
【0025】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0026】
【実施例】実施例及び比較例において各測定は下記のよ
うにして実施した。 <X線回折>X線源としてCu‐Kα線を使用した。使
用した装置は、理学電機株式会社製、RINT−140
0である。 <赤外分析>測定試料をKBrで1重量%に希釈した
後、ディスク状に加圧成形して使用した。測定は透過法
により実施した。使用した装置は、パーキンエルマー m
odel1600である。 <熱分析>100ミリリットル/分の窒素又は空気気流
中において、5℃/分の昇温速度で測定した。使用した
装置は、セイコー電子工業株式会社製 TG/DTA−
200である。 <BET比表面積及び細孔分布測定>窒素による吸脱着
等温線測定を行い、各細孔容積及び細孔分布は、上記の
t法及びDollimore & Heal法に従って算
出した。測定条件は下記の通りである。 装置:日本ベル株式会社製BELSORP 28SA 前処理:加熱処理温度より50℃低い温度で2時間、脱
気処理を行った。 吸脱着温度:−196℃(窒素の沸点)
【0027】バナジウム、リン及び酸素を基本組成とす
る層状化合物の層間にモノアルコールがインターカレー
トしている層間化合物の製造
【0028】製造例1(2‐ブタノールがインターカレ
ートしている層間化合物) 五酸化バナジウム14.55g(0.08モル)をイソブタノール
90ミリリットル(0.98モル)及びベンジルアルコール60
ミリリットル(0.58モル)の混合溶媒中に懸濁し、リフ
ラックス条件下(105℃)に3時間加熱して五酸化バナジ
ウムを還元した後、室温に冷却した。次いで、沈殿物を
濾別し、アセトン250ミリリットルで洗浄した後、室温
で一晩乾燥して黒色固体(V49)を得た。
【0029】この黒色固体の12.02gを2‐ブタノール15
0ミリリットル(1.62モル)中に懸濁し、これに、
トルエン40ミリリットルに五酸化リン13.53g(0.095モ
ル)を懸濁した液を攪拌下に室温で添加した。添加後、
該懸濁液を攪拌しつつ92℃にて53時間還流して反応
せしめた後、室温に冷却した。次いで、沈殿物を濾別
し、アセトン250ミリリットルで洗浄した後、室温で一
晩乾燥した。
【0030】得られた灰色固体のバナジウムの原子価は
4価であった。X線回折より、回折ピークが2θ=6.
4°に存在し、この層間化合物の層間距離は13.7オ
ングストロームであることが分かった(図1の2‐C4
9OH)。
【0031】製造例2(2−プロパノールがインターカ
レートしている層間化合物) 製造例1と同じく五酸化バナジウムを還元して黒色固体
を得た。その後、2‐ブタノールに代えて2−プロパノ
ールを使用して81℃で53時間還流させ反応せしめた
以外は製造例1と同様にして行った。得られた水色固体
のバナジウムの原子価は4価であった。X線回折より、
回折ピークが2θ=7.6°に存在し、この層間化合物
の層間距離は11.6オングストロームであることが分
かった(図1の2‐C37OH)。
【0032】製造例3(1‐ブタノールがインターカレ
ートしている層間化合物) 製造例1と同じく五酸化バナジウムを還元して黒色固体
を得た。その後、2‐ブタノールに代えて1‐ブタノー
ルを使用して3時間還流して反応せしめた以外は製造例
1と同様にして行った。得られた水色固体のバナジウム
の原子価は4価であった。X線回折より、回折ピークが
2θ=5.4°に存在し、この層間化合物の層間距離は
16.4オングストロームであることが分かった(図1
のC49OH)。
【0033】製造例4(メタノールがインターカレート
している層間化合物) 製造例1と同じく五酸化バナジウムを還元して黒色固体
を得た。その後、2‐ブタノールに代えてメタノールを
使用して72時間還流させ反応せしめた以外は製造例1
と同様にして行った。得られた水色固体のバナジウムの
原子価は4価であった。X線回折より、回折ピークが2
θ=9.7°に存在し、この層間化合物の層間距離は
9.1オングストロームであることが分かった(図1の
CH3OH)。
【0034】製造例5(エタノールがインターカレート
している層間化合物) 製造例1と同じく五酸化バナジウムを還元して黒色固体
を得た。その後、2‐ブタノールに代えてエタノールを
使用して32時間還流させ反応せしめた以外は製造例1
と同様にして行った。得られた水色固体のバナジウムの
原子価は4価であった。X線回折より、回折ピークが2
θ=8.5°に存在し、この層間化合物の層間距離は1
0.4オングストロームであることが分かった。
【0035】製造例6(シクロヘキサノールがインター
カレートしている層間化合物) 製造例1と同じく五酸化バナジウムを還元して黒色固体
を得た。その後、2‐ブタノールに代えてシクロヘキサ
ノールを使用して72.5時間還流させ反応せしめた以
外は製造例1と同様にして行った。得られた水色固体の
バナジウムの原子価は4価であった。X線回折より、回
折ピークが2θ=7.0°に存在し、この層間化合物の
層間距離は12.7オングストロームであることが分か
った(図1のCyhexOH)。
【0036】製造例7(ベンジルアルコールがインター
カレートしている層間化合物) 製造例1と同じく五酸化バナジウムを還元して黒色固体
を得た。その後、2‐ブタノールに代えてベンジルアル
コールを使用して3時間還流させ反応せしめた以外は製
造例1と同様にして行った。得られた水色固体のバナジ
ウムの原子価は4価であった。X線回折より、回折ピー
クが2θ=5.3°に存在し、この層間化合物の層間距
離は16.6オングストロームであることが分かった
(図1のBzOH)。
【0037】リン酸水素バナジル0.5水和物(バナジ
ウム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物)の製
【0038】製造例8(リン酸水素バナジル0.5水和
物) 五酸化バナジウム14.55g(0.08モル)をイソブタノール
90ミリリットル(0.98モル)及びベンジルアルコール60
ミリリットル(0.58モル)の混合溶媒中に懸濁し、リフ
ラックス条件下(105℃)に3時間加熱して五酸化バナジ
ウムを還元した後、室温に冷却した。次いで、99%H3
PO415.8g(0.16ミリモル)を、攪拌下に上記還元後の
懸濁液に添加した。添加後、該懸濁液をリフラックス条
件下(105℃)に3時間加熱して反応せしめた後、室温に
冷却した。次いで、沈殿物を濾別し、アセトン250ミリ
リットルで洗浄した後、室温で一晩乾燥した。
【0039】得られたライトブルー固体のバナジウムの
原子価は4価であった。X線回折より、該沈殿はVOH
PO4・0.5H2Oであり、回折ピークが2θ=15.8°
に存在し、層間距離は5.4オングストロームであること
が分かった(図1のVOHPO4・0.5H2O)。
【0040】上記の製造例1〜7のようにしてバナジウ
ム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物の層間に
各種のモノアルコールがインターカレートしているとこ
ろの層間化合物を製造した。
【0041】上記の製造例1〜7で得られた層間に各種
のモノアルコールがインターカレートした層間化合物
は、製造例8の層状化合物VOHPO4・0.5H2Oに
比較して層間距離が著しく広がっていた。
【0042】次に、赤外線吸収スペクトルを使用して上
記各種の層間化合物の構造解析を行った。図2には、製
造例1で製造した層間化合物(2‐ブタノール)の赤外
線吸収スペクトル、図3には、製造例2で製造した層間
化合物(2−プロパノール)の赤外線吸収スペクトル、
図4には、VOHPO4・0.5H2Oと、製造例4で製
造した層間化合物(メタノール)の赤外線吸収スペクト
ル、図5には、製造例6で製造した層間化合物(シクロ
ヘキサノール)の赤外線吸収スペクトル、及び図6に
は、製造例7で製造した層間化合物(ベンジルアルコー
ル)の赤外線吸収スペクトルを示した。ここで、VOH
PO4・0.5H2Oの吸収バンドの帰属については文献
値に従った[J.Catal.,99,400(1986)及びJ.Catal.,14
1,671(1993)]。製造例1、2、4、6及び7で製造
した層間化合物の吸収バンドの帰属については、VOH
PO4・0.5H2O、2‐ブタノール、2−プロパノー
ル、メタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコ
ール及びトリアルキルホスフェートの赤外線吸収スペク
トルと比較することにより決定した。該赤外線吸収スペ
クトルから、 ・POCに帰属される吸収(2‐ブタノールの場合:88
6cm-1、1015 cm-1;2‐プロパノールの場合:888c
m-1、1026 cm-1;メタノールの場合:810cm-1、1030cm
-1;シクロヘキサノールの場合:894cm-1、1024 cm-1
ベンジルアルコールの場合:744cm-1、1026 cm-1)及び ・孤立COHに帰属される吸収(2‐ブタノールの場
合:3606cm-1、3718cm-1;2‐プロパノールの場合:35
34cm-1、3602cm-1、3721cm-1;メタノールの場合:3531
cm-1、3588 cm-1;シクロヘキサノールの場合:3746cm
-1;ベンジルアルコールの場合:3496 cm-1) は、製造例1、2、4、6及び7で製造した層間化合物
に存在するがVOHPO 4・0.5H2Oには存在しない
ことが分かった。
【0043】図7には、製造例1で得られた層間化合物
(2−ブタノール)についての熱分析の結果を示す。低
温側における重量減少の約27重量%は層間に存在して
いる2−ブタノールに起因するものと考えられ、高温側
における重量減少の約6.2重量%はエステル結合して
いる2−ブタノールの燃焼に起因すると考えられる。全
体としての重量減少は約33.2重量%であった。製造
例1で製造された、2−ブタノールがインターカレート
されている層間化合物の元素分析値(V:21.0重量
%、P:13.7重量%、O:39.9重量%、H:
4.8重量%、C:20.7重量%)から構造式を推定
すると、VO(C49OP)0.10(HOP)0.903
0.95(C49OH)となる。低温側の重量減少によ
り2−ブタノール[0.95(C49OH)]が脱離し
て[VO(C49OP)0.10(HOP)0.903]にな
るとすれば重量減少量の理論値は29.7重量%とな
り、上記の実測値約27重量%とほぼ一致する。これ
は、低温側の重量減少が層間に存在する2−ブタノール
に起因するものであることを裏付けるものである。高温
側の重量減少によりエステル結合している2−ブタノー
ルが燃焼して[VOPO4]になるとすれば重量減少量
の理論値は6.1重量%となり、上記の実測値約6.2
重量%と一致する。これは、高温側の重量減少がエステ
ル結合しているモノアルコールの燃焼に起因するもので
あるとする上記仮定を裏付けるものである。また、低温
側の重量減少は吸熱反応に基くものであり、一方、高温
側の重量減少は発熱反応に基くものであった。以上のこ
とから、該層間化合物において、2−ブタノールはリン
酸エステルの形態及び2−ブタノールの形態で層間にイ
ンターカレートしているとされる。2−ブタノールがイ
ンターカレートされている層間化合物について、リン酸
水素バナジル0.5水和物層状化合物に存在するH2
の全部が2−ブタノールで置換され、更に、より多くの
2−ブタノールが層間にインターカレートしていると推
定される。
【0044】図8〜11には、製造例2、4、6及び7
で得られた層間化合物(夫々、2−プロパノール、メタ
ノール、シクロヘキサノール及びベンジルアルコール)
についての熱分析の結果を示す。いずれも2‐ブタノー
ルと同様に、層間化合物において、各モノアルコールが
リン酸エステルの形態及び各モノアルコールの形態で層
間にインターカレートしていることが分かった。
【0045】以上より、製造例1、2、4、6及び7で
得られた層間化合物におけるモノアルコールの形態は、
リン酸エステル及びアルコールの二種類において存在す
ることが分かった。また、該層間化合物は、(VO)
(HOP)O3・0.5H2O中のPOHの全部又は一部
がモノアルコールのリン酸エステルPOCxyにより、
0.5H2Oの全部又は一部がモノアルコールCxy
Hにより置換された構造を持つことが分かった。
【0046】
【実施例1〜7、比較例1〜13及び参考例1〜2】表1
〜3に示したように上記の製造例において得た化合物を
種々の条件で加熱処理してバナジウム‐リン複合酸化物
を製造した。ここで、加熱処理のために各化合物1.5
gを夫々パイレックス(登録商標)ガラス製チューブに
充填し、20ミリリットル/分の表1〜3に示した酸素
濃度を有する窒素ガス気流中で1時間加熱して実施し、
その後、室温まで冷却して黒色固体であるバナジウム‐
リン複合酸化物を得た。次いで、該黒色固体のBET比
表面積及び細孔容積を測定した。結果を表1〜3に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】表1〜3において、*1、*2、*3、*
4及び*5は以下の内容を示す。 *1:2−BuOHは2−ブタノール、2−PrOHは
2−プロパノール、1−BuOHは1−ブタノール、M
eOHはメタノール、EtOHはエタノール、CyHe
xOHはシクロヘキサノール及びBzOHはベンジルア
ルコールを示す。 *2:不活性ガスとして窒素を使用し、酸素濃度は全ガ
ス体積に対する濃度を示す。 *3:リン酸水素バナジル0.5水和物を使用した比較
例である。 *4:加熱雰囲気は空気(酸素濃度約21体積%)であ
る。 *5:加熱雰囲気は、空気に酸素を加えて酸素濃度30
体積%としたものである。
【0051】実施例1〜4は、製造例1で得た2‐ブタ
ノールがインターカレートしている層間化合物を、全ガ
ス体積に対する酸素濃度を本発明の範囲内の10体積%
一定にして、加熱温度を本発明の範囲内で変化させたも
のである。いずれも著しく大きいBET比表面積、全細
孔容積及び半径1〜3nmの細孔分布が得られた。実施
例5は、酸素濃度を本発明の範囲内の5体積%にしたも
のである。著しく大きいBET比表面積、全細孔容積及
び半径1〜3nmの細孔分布が得られた。実施例6は、
加熱雰囲気として空気(酸素濃度:約21体積%)を使
用したものである。実施例7は、加熱雰囲気を、空気に
酸素を加えて酸素濃度を本発明の範囲内の30体積%
したものである。いずれも著しく大きいBET比表面
積、全細孔容積及び半径1〜3nmの細孔分布が得られ
た。
【0052】一方、比較例1及び2は、製造例1で得た
2‐ブタノールがインターカレートしている層間化合物
を、全ガス体積に対する酸素濃度を本発明の範囲内の1
0体積%一定にして、加熱温度を本発明の範囲外にした
ものである。いずれもBET比表面積は著しく小さくな
り、かつ全細孔容積及び半径1〜3nmの細孔分布も満
足するものではなかった。比較例3は、実施例3と同一
条件で、加熱処理される層間化合物を、製造例2で得た
2‐プロパノールがインターカレートしている層間化合
物に代えたものである。BET比表面積は著しく小さく
なり、かつ全細孔容積及び半径1〜3nmの細孔分布も
満足するものではなかった。比較例4〜7は、製造例3
で得た1‐ブタノールがインターカレートしている層間
化合物を、本発明の範囲の各種の加熱温度及び酸素濃度
で処理したものである。いずれの比較例においても、B
ET比表面積は小さく、全細孔容積及び半径1〜3nm
の細孔分布は満足すべきものではなかった。
【0053】参考例1及び2は、製造例1で得た2‐ブ
タノールがインターカレートしている層間化合物を、本
出願人の先願である特願2000−67377号の方法
に従って処理したものである。また、参考例3及び4
は、製造例3で得た1‐ブタノールがインターカレート
している層間化合物を上記と同様にして処理したもので
ある。いずれも大きいBET比表面積、満足すべき全細
孔容積及び半径1〜3nmの細孔分布が得られた。2‐
ブタノールがインターカレートしている層間化合物は、
全ガス体積に対する酸素濃度を本発明の範囲内に増加さ
せると、BET比表面積、全細孔容積及び半径1〜3n
mの細孔分布は小さくなる傾向にあったが、十分に満足
しうるものであった。これに対して、1‐ブタノールが
インターカレートしている層間化合物は、全ガス体積に
対する酸素濃度を本発明の範囲内に増加させると、BE
T比表面積、全細孔容積及び半径1〜3nmの細孔分布
は著しく小さくなった。
【0054】比較例8〜12は、製造例4〜7で得たメ
タノール、エタノール、シクロヘキサノール、ベンジル
アルコールがインターカレートしている層間化合物を、
酸素を含まない窒素雰囲気下、本発明の範囲の温度範囲
で加熱処理したものである。また、比較例13は、製造
例8で得たリン酸水素バナジル0.5水和物を、上記と
同じく窒素雰囲気下に通常行われている温度で加熱処理
したものである。いずれも、BET比表面積は小さく、
かつ全細孔容積及び半径1〜3nmの細孔分布は満足す
べきものではなかった。これら比較例の化合物を本発明
の範囲内の酸素濃度を有する雰囲気下で加熱すれば、得
られる複合酸化物のBET比表面積は著しく小さくな
り、かつ、全細孔容積及び半径1〜3nmの細孔分布は
著しく悪くなることは明らかである。
【0055】
【発明の効果】本発明は、著しく大きな表面積を有する
新規なバナジウム‐リン複合酸化物、及び該複合酸化物
を簡便に製造する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1〜4及び6〜8おいて得られた層間化
合物のX線回折パターンを示す。
【図2】製造例1で製造した層間化合物の赤外線吸収ス
ペクトルを示す。
【図3】製造例2で製造した層間化合物の赤外線吸収ス
ペクトルを示す。
【図4】VOHPO4・0.5H2Oと製造例4で製造し
た層間化合物の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図5】製造例6で製造した層間化合物の赤外線吸収ス
ペクトルを示す。
【図6】製造例7で製造した層間化合物の赤外線吸収ス
ペクトルを示す。
【図7】製造例1において製造した層間化合物の加熱温
度と重量減少の関係を示した図である。
【図8】製造例2において製造した層間化合物の加熱温
度と重量減少の関係を示した図である。
【図9】製造例4において製造した層間化合物の加熱温
度と重量減少の関係を示した図である。
【図10】製造例6において製造した層間化合物の加熱
温度と重量減少の関係を示した図である。
【図11】製造例7において製造した層間化合物の加熱
温度と重量減少の関係を示した図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA01 AA02 AA08 BA12C BB06A BB06B BB14C BC54A BC54B BC54C BD07A BD07B BE06C CB07 DA05 EC02X EC03X EC04X EC05X EC06Y EC07Y EC08Y EC11Y EC12Y EC13Y EC14Y EC15Y EC16Y FA01 FB29 FC02 FC07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バナジウム、リン及び酸素を基本組成と
    する層間化合物を加熱してバナジウム‐リン複合酸化物
    を製造する方法において、上記層間化合物が、バナジウ
    ム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物の層間に
    炭素数4〜8個の第二級脂肪族モノアルコールがインタ
    ーカレートしている層間化合物であり、かつ全ガス体積
    に対して酸素を2.0体積%を超え50体積%以下で含
    む不活性ガスから成る雰囲気下において、150〜42
    0℃の温度で該層間化合物を加熱することを特徴とする
    バナジウム‐リン複合酸化物の製造方法。
  2. 【請求項2】 第二級脂肪族モノアルコールが2−ブタ
    ノールであるところの請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の方法により製造さ
    れ、かつそのBET比表面積が80m2/g以上である
    ところのバナジウム‐リン複合酸化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011504158A (ja) * 2007-11-09 2011-02-03 ユニヴァースィティ プトラ マレーシア 表面積の大きなナノ粒子バナジウムリン酸化物触媒及びその生成物誘導体の改善された生成工程
CN107983381A (zh) * 2017-11-29 2018-05-04 兰州理工大学 磷酸氧钒催化剂的制备方法及其在催化氧化反应中的应用

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