JP2001253707A - リチウムイオン含有ゼオライトおよびその製造方法ならびに窒素選択吸着方法 - Google Patents
リチウムイオン含有ゼオライトおよびその製造方法ならびに窒素選択吸着方法Info
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- JP2001253707A JP2001253707A JP2000062523A JP2000062523A JP2001253707A JP 2001253707 A JP2001253707 A JP 2001253707A JP 2000062523 A JP2000062523 A JP 2000062523A JP 2000062523 A JP2000062523 A JP 2000062523A JP 2001253707 A JP2001253707 A JP 2001253707A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 安価であり、かつ既存のものと同等以上の窒
素吸着量をもつLiイオン含有ゼオライトを製造し、そ
のゼオライトを使用して、酸素/窒素含有混合ガスから
窒素を選択的に吸着する方法を提供する。 【解決手段】 Si/Al比が1.5以下であるNaX
ゼオライトを原料として、Mgイオンを含む溶液中で
NaXゼオライトのNaイオンの一部をMgイオンでイ
オン交換してNaMg―Xとし、該NaMg−XをL
iイオンとMgイオンを含む溶液中でイオン交換してL
iMg−Xとし、Liイオンのみを含む溶液中で、前
記LiMg−X中のMgイオンを放出させるとともに、
該LiMg−XにLiイオンを取り込ませてLiイオン
含有量の高いLiMg−Xとし、該LiMg−Xを、
LiOHによりpHを9〜11に調整した溶液で洗浄す
る。
素吸着量をもつLiイオン含有ゼオライトを製造し、そ
のゼオライトを使用して、酸素/窒素含有混合ガスから
窒素を選択的に吸着する方法を提供する。 【解決手段】 Si/Al比が1.5以下であるNaX
ゼオライトを原料として、Mgイオンを含む溶液中で
NaXゼオライトのNaイオンの一部をMgイオンでイ
オン交換してNaMg―Xとし、該NaMg−XをL
iイオンとMgイオンを含む溶液中でイオン交換してL
iMg−Xとし、Liイオンのみを含む溶液中で、前
記LiMg−X中のMgイオンを放出させるとともに、
該LiMg−XにLiイオンを取り込ませてLiイオン
含有量の高いLiMg−Xとし、該LiMg−Xを、
LiOHによりpHを9〜11に調整した溶液で洗浄す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素と窒素を含む
混合ガスから窒素を選択的に吸着する方法に関し、その
ために使用するゼオライトおよびその製造方法に関す
る。
混合ガスから窒素を選択的に吸着する方法に関し、その
ために使用するゼオライトおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ゼオライトは結晶性アルミノケイ酸塩で
あり、その構成単位はSiO4四面体である。ケイ素原
子が酸素を介して、三次元構造を組み立てているが、ケ
イ素原子の一部はアルミニウム原子で置き換わってお
り、Si原子とAl原子の両方の電荷のアンバランスを
補うために、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属が
カチオンとして存在することが知られている。USP3,
140,933号明細書は、酸素/窒素混合ガスから窒素を吸
着して酸素を分離するための吸着剤として、86%Li
イオン交換したX型ゼオライトを開示している。しか
し、そのイオン交換方法としては、ゼオライト中に存在
するカチオンが通常のイオン交換手法によってイオン交
換可能であるとしか記載されておらず、具体的なイオン
交換方法は開示されていない。特公平5―25527号
公報では、AlO2四面体の少なくとも88%がリチウ
ムカチオンと会合している結晶性ゼオライトXによりガ
ス混合物から窒素を選択的に吸着する方法を開示してい
る。そして、NaXを、LiOHでpH調整した水溶性
塩化Li溶液中でイオン交換する方法を記載している。
あり、その構成単位はSiO4四面体である。ケイ素原
子が酸素を介して、三次元構造を組み立てているが、ケ
イ素原子の一部はアルミニウム原子で置き換わってお
り、Si原子とAl原子の両方の電荷のアンバランスを
補うために、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属が
カチオンとして存在することが知られている。USP3,
140,933号明細書は、酸素/窒素混合ガスから窒素を吸
着して酸素を分離するための吸着剤として、86%Li
イオン交換したX型ゼオライトを開示している。しか
し、そのイオン交換方法としては、ゼオライト中に存在
するカチオンが通常のイオン交換手法によってイオン交
換可能であるとしか記載されておらず、具体的なイオン
交換方法は開示されていない。特公平5―25527号
公報では、AlO2四面体の少なくとも88%がリチウ
ムカチオンと会合している結晶性ゼオライトXによりガ
ス混合物から窒素を選択的に吸着する方法を開示してい
る。そして、NaXを、LiOHでpH調整した水溶性
塩化Li溶液中でイオン交換する方法を記載している。
【0003】特公平8―4704号公報は、「Si/A
l比が≦1.5で、且つリチウム5%〜95%と、B
a、Co、Cu、Cr、Fe、Mg、Mn、Ni、Zn
およびそれらの混合物よりなる群から選択される第2の
イオン5〜95%を含有する交換し得るイオンの少なく
とも二元イオン交換性を有する結晶Xゼオライトとを含
有し、そのリチウムと第二のイオン交換性イオンの合計
が交換性イオン含量の少なくとも60%である」ゼオラ
イトを開示している。その製法として、「NaまたはN
a/K混合のXゼオライトが少なくとも二元イオン交換
材料を調製するのに使用される。イオン類はたとえば、
Na−XゼオライトをMgで交換してMg−Xゼオライ
トを生成し、次いで一部はリチウムとイオン交換して望
ましい吸着を作る継続的交換がなされる」ことを記載し
ている。
l比が≦1.5で、且つリチウム5%〜95%と、B
a、Co、Cu、Cr、Fe、Mg、Mn、Ni、Zn
およびそれらの混合物よりなる群から選択される第2の
イオン5〜95%を含有する交換し得るイオンの少なく
とも二元イオン交換性を有する結晶Xゼオライトとを含
有し、そのリチウムと第二のイオン交換性イオンの合計
が交換性イオン含量の少なくとも60%である」ゼオラ
イトを開示している。その製法として、「NaまたはN
a/K混合のXゼオライトが少なくとも二元イオン交換
材料を調製するのに使用される。イオン類はたとえば、
Na−XゼオライトをMgで交換してMg−Xゼオライ
トを生成し、次いで一部はリチウムとイオン交換して望
ましい吸着を作る継続的交換がなされる」ことを記載し
ている。
【0004】特開平10―113554号公報は、交換
カチオン種としてSr、Ca、Mgおよびそれらの混合
物が10%以上70%未満、Na、Kおよびそれらの混
合物が7%以下、リチウム25%以上85%未満である
結晶性フォージャサイト型ゼオライトを開示している。
Mgイオン交換について、「SiO2/Al2O3モル
比が2.0のナトリウム型ゼオライトXを、10倍等量
の1モル/リットルの塩化マグネシウム水溶液を用い、
70℃で15時間攪拌し、ろ過後水洗し、Mg/Alモ
ル比0.63のMg・Naゼオライトを得た。次に前記
イオン交換で得られたMg・Na型ゼオライトX粉末
を、6倍等量の3モル/リットルの塩化リチウム水溶液
を用い、70℃で15時間攪拌し、ろ過後水洗、この操
作を4回繰り返した後、40℃で乾燥」する方法を記載
している。さらに、Na−Xを原料として第2イオンと
して塩化マグネシウムを含む溶液でイオン交換した場
合、MgNa−Xとなること、そしてこれをイオン交換
すると、MgLiNa−Xが生成することを記載してい
る。前記文献から、酸素/窒素吸着分離用ゼオライトと
して、Liイオン交換ゼオライトの有用性は明らかであ
る。また、Liイオン交換ゼオライトに第2イオンを導
入したゼオライトの提案されていて、優れた性能であ
る。以上の文献において、原料ゼオライトは、X型ゼオ
ライトである。
カチオン種としてSr、Ca、Mgおよびそれらの混合
物が10%以上70%未満、Na、Kおよびそれらの混
合物が7%以下、リチウム25%以上85%未満である
結晶性フォージャサイト型ゼオライトを開示している。
Mgイオン交換について、「SiO2/Al2O3モル
比が2.0のナトリウム型ゼオライトXを、10倍等量
の1モル/リットルの塩化マグネシウム水溶液を用い、
70℃で15時間攪拌し、ろ過後水洗し、Mg/Alモ
ル比0.63のMg・Naゼオライトを得た。次に前記
イオン交換で得られたMg・Na型ゼオライトX粉末
を、6倍等量の3モル/リットルの塩化リチウム水溶液
を用い、70℃で15時間攪拌し、ろ過後水洗、この操
作を4回繰り返した後、40℃で乾燥」する方法を記載
している。さらに、Na−Xを原料として第2イオンと
して塩化マグネシウムを含む溶液でイオン交換した場
合、MgNa−Xとなること、そしてこれをイオン交換
すると、MgLiNa−Xが生成することを記載してい
る。前記文献から、酸素/窒素吸着分離用ゼオライトと
して、Liイオン交換ゼオライトの有用性は明らかであ
る。また、Liイオン交換ゼオライトに第2イオンを導
入したゼオライトの提案されていて、優れた性能であ
る。以上の文献において、原料ゼオライトは、X型ゼオ
ライトである。
【0005】特公平8―4704号公報において、原料
ゼオライトにLiイオンおよび第2イオンを導入する方
法は、一旦Na―Xを二価の第2イオンを含む溶液で処
理した後、塩化リチウム等のLiイオンを含む溶液で処
理してLiMg―Xゼオライトとしている。出発原料は
Na−Xであるために、第2イオンを含む溶液で処理し
た場合、一般的にはNaMg―Xが生成する。前記公報
には、イオン交換によりMg―Xになるとのみ記載さ
れ、NaMg―Xの生成については記載されていない。
しかし、もし100%Mg―Xとするためには、流通法
により多量の第2イオンを含む溶液を使用してイオン交
換を行う必要があり、安価な製法は望めない。酸素/窒
素吸着分離用としては窒素吸着量のなるべく多い吸着剤
が望ましい。一般に、X型ゼオライトの窒素吸着量を増
やすには、Liイオン交換量をできるだけ多くするこ
と、すなわち、Naイオンはできるだけ少なくする必要
がある。一方、リチウムは高価であるから、安価な第2
イオンを導入してリチウム量を減らすことも提案されて
いる。しかるに、適切な方法を用いないと、Li以外の
複数のイオンを含むゼオライトが生成してしまい、期待
する窒素吸着量や酸素/窒素分離性能が得られない問題
がある。
ゼオライトにLiイオンおよび第2イオンを導入する方
法は、一旦Na―Xを二価の第2イオンを含む溶液で処
理した後、塩化リチウム等のLiイオンを含む溶液で処
理してLiMg―Xゼオライトとしている。出発原料は
Na−Xであるために、第2イオンを含む溶液で処理し
た場合、一般的にはNaMg―Xが生成する。前記公報
には、イオン交換によりMg―Xになるとのみ記載さ
れ、NaMg―Xの生成については記載されていない。
しかし、もし100%Mg―Xとするためには、流通法
により多量の第2イオンを含む溶液を使用してイオン交
換を行う必要があり、安価な製法は望めない。酸素/窒
素吸着分離用としては窒素吸着量のなるべく多い吸着剤
が望ましい。一般に、X型ゼオライトの窒素吸着量を増
やすには、Liイオン交換量をできるだけ多くするこ
と、すなわち、Naイオンはできるだけ少なくする必要
がある。一方、リチウムは高価であるから、安価な第2
イオンを導入してリチウム量を減らすことも提案されて
いる。しかるに、適切な方法を用いないと、Li以外の
複数のイオンを含むゼオライトが生成してしまい、期待
する窒素吸着量や酸素/窒素分離性能が得られない問題
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであり、導入する第2カチオンの種
類を特定して、従来よりも安価な方法により、既存のも
のと同等以上の窒素吸着量をもつLiイオン含有ゼオラ
イトを製造し、そのゼオライトを使用して、酸素/窒素
含有混合ガスから窒素を選択的に吸着する方法を提供す
るものである。
鑑みてなされたものであり、導入する第2カチオンの種
類を特定して、従来よりも安価な方法により、既存のも
のと同等以上の窒素吸着量をもつLiイオン含有ゼオラ
イトを製造し、そのゼオライトを使用して、酸素/窒素
含有混合ガスから窒素を選択的に吸着する方法を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のリチウムイオン
含有ゼオライトの製造方法は、Si/Al比が1.5以
下であるナトリウムXゼオライト(NaXゼオライト)
を原料として、マグネシウムイオンを含む溶液中でN
aXゼオライトのNaイオンの一部をMgイオンでイオ
ン交換してNaMg―Xとし、該NaMg−Xをリチ
ウムイオンとマグネシウムイオンを含む溶液中でイオン
交換してLiMg−Xとし、リチウムイオンのみを含
む溶液中で、前記LiMg−X中のマグネシウムイオン
を放出させるとともに、該LiMg−Xにリチウムイオ
ンを取り込ませてリチウムイオン含有量の高いLiMg
−Xとし、該LiMg−Xを、水酸化リチウム(Li
OH)によりpHを9〜11に調整した溶液で洗浄する
ことを特徴とする。前記イオン交換に用いるリチウムイ
オンとマグネシウムイオンを含む溶液は、リチウム塩濃
度が0.1〜1.0mol/リットルであり、かつマグ
ネシウム塩濃度が0.01〜1.0mol/リットルで
あることが好ましい。本発明のリチウムイオン含有ゼオ
ライトの製造方法では、前記リチウムイオン含有ゼオラ
イトのイオン交換可能なカチオンの50〜90%がリチ
ウムイオンであり、50〜10%がマグネシウムイオン
であることが好ましい。本発明の窒素選択吸着方法は、
上記方法により得られたリチウムイオン含有ゼオライト
を用いて、酸素と窒素を含む混合ガスから窒素を選択的
に吸着する窒素選択吸着方法である。また本発明のリチ
ウムイオン含有ゼオライトは、イオン交換可能なカチオ
ンの50〜90%がリチウムイオンであり、50〜10
%がマグネシウムイオンであることを特徴とするリチウ
ムイオン含有ゼオライトである。
含有ゼオライトの製造方法は、Si/Al比が1.5以
下であるナトリウムXゼオライト(NaXゼオライト)
を原料として、マグネシウムイオンを含む溶液中でN
aXゼオライトのNaイオンの一部をMgイオンでイオ
ン交換してNaMg―Xとし、該NaMg−Xをリチ
ウムイオンとマグネシウムイオンを含む溶液中でイオン
交換してLiMg−Xとし、リチウムイオンのみを含
む溶液中で、前記LiMg−X中のマグネシウムイオン
を放出させるとともに、該LiMg−Xにリチウムイオ
ンを取り込ませてリチウムイオン含有量の高いLiMg
−Xとし、該LiMg−Xを、水酸化リチウム(Li
OH)によりpHを9〜11に調整した溶液で洗浄する
ことを特徴とする。前記イオン交換に用いるリチウムイ
オンとマグネシウムイオンを含む溶液は、リチウム塩濃
度が0.1〜1.0mol/リットルであり、かつマグ
ネシウム塩濃度が0.01〜1.0mol/リットルで
あることが好ましい。本発明のリチウムイオン含有ゼオ
ライトの製造方法では、前記リチウムイオン含有ゼオラ
イトのイオン交換可能なカチオンの50〜90%がリチ
ウムイオンであり、50〜10%がマグネシウムイオン
であることが好ましい。本発明の窒素選択吸着方法は、
上記方法により得られたリチウムイオン含有ゼオライト
を用いて、酸素と窒素を含む混合ガスから窒素を選択的
に吸着する窒素選択吸着方法である。また本発明のリチ
ウムイオン含有ゼオライトは、イオン交換可能なカチオ
ンの50〜90%がリチウムイオンであり、50〜10
%がマグネシウムイオンであることを特徴とするリチウ
ムイオン含有ゼオライトである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のリチウムイオン含
有ゼオライトの製造方法を詳しく説明する。本発明のリ
チウムイオン含有ゼオライトの製造方法は、以下の4つ
の工程を有する。 (1)マグネシウムイオンを含む溶液中でNaXゼオラ
イトのNaイオンの一部をMgイオンでイオン交換して
NaMg―Xとする。(以下、第1工程という) (2)該NaMg−Xをリチウムイオンとマグネシウム
イオンを含む溶液中でイオン交換してLiMg−Xとす
る。(以下、第2工程という) (3)リチウムイオンのみを含む溶液中で、前記LiM
g−X中のマグネシウムイオンを放出させるとともに、
該LiMg−Xにリチウムイオンを取り込ませてリチウ
ムイオン含有量の高いLiMg−Xを得る。(以下、第
3工程という) (4)該LiMg−Xを、水酸化リチウム(LiOH)
によりpHを9〜11に調整した溶液で洗浄する。(以
下、第4工程という)
有ゼオライトの製造方法を詳しく説明する。本発明のリ
チウムイオン含有ゼオライトの製造方法は、以下の4つ
の工程を有する。 (1)マグネシウムイオンを含む溶液中でNaXゼオラ
イトのNaイオンの一部をMgイオンでイオン交換して
NaMg―Xとする。(以下、第1工程という) (2)該NaMg−Xをリチウムイオンとマグネシウム
イオンを含む溶液中でイオン交換してLiMg−Xとす
る。(以下、第2工程という) (3)リチウムイオンのみを含む溶液中で、前記LiM
g−X中のマグネシウムイオンを放出させるとともに、
該LiMg−Xにリチウムイオンを取り込ませてリチウ
ムイオン含有量の高いLiMg−Xを得る。(以下、第
3工程という) (4)該LiMg−Xを、水酸化リチウム(LiOH)
によりpHを9〜11に調整した溶液で洗浄する。(以
下、第4工程という)
【0009】以下、これら4つの工程についてさらに詳
しく説明する。 (第1工程)本発明のリチウムイオン含有ゼオライト
の製造方法では、原料として、ナトリウムXゼオライト
(以下、NaXゼオライト)を用いる。本発明で用いる
NaX型ゼオライトは、ゼオライトの骨格を形成するケ
イ素とアルミニウムの比(Si/Al)が1.5以下の
ものである。なお、本発明のリチウムイオン含有ゼオラ
イトの製造方法においては、所望のイオン交換率のゼオ
ライトを調製するため、イオン交換法が用いられる。一
般に、イオン交換方法としては、交換するイオンを含有
する溶液中に原料ゼオライトを浸漬するバッチ法と、原
料ゼオライトをカラムに固定して交換するイオンを含有
する溶液を流通させるフロー法とがある。本発明はいず
れの方法も適用可能であるが、以下の説明ではバッチ式
を例にして説明する。
しく説明する。 (第1工程)本発明のリチウムイオン含有ゼオライト
の製造方法では、原料として、ナトリウムXゼオライト
(以下、NaXゼオライト)を用いる。本発明で用いる
NaX型ゼオライトは、ゼオライトの骨格を形成するケ
イ素とアルミニウムの比(Si/Al)が1.5以下の
ものである。なお、本発明のリチウムイオン含有ゼオラ
イトの製造方法においては、所望のイオン交換率のゼオ
ライトを調製するため、イオン交換法が用いられる。一
般に、イオン交換方法としては、交換するイオンを含有
する溶液中に原料ゼオライトを浸漬するバッチ法と、原
料ゼオライトをカラムに固定して交換するイオンを含有
する溶液を流通させるフロー法とがある。本発明はいず
れの方法も適用可能であるが、以下の説明ではバッチ式
を例にして説明する。
【0010】原料Na−Xをマグネシウムイオンを含む
溶液、たとえばマグネシウム塩溶液(たとえば塩酸塩、
硝酸塩)に浸漬する。これによって、NaXゼオライト
のNaイオンの一部をMgイオンに交換し、NaMg−
Xを得る。ここで用いるMg塩溶液の濃度は、0.1〜
1mol/リットルが適当である。Na−Xを上記溶液
中でイオン交換する際の温度条件は50〜100℃が適
当である。浸漬の時間は5〜30分が適当である。この
操作により得られるNaMg−X中のMg量は、該Na
Mg−X中のイオン交換可能なカチオンの80〜95%
とするのが好ましい。Na−Xを上記溶液に浸漬させる
操作は、1回だけ行ってもよいし、複数回にわたって行
ってもよい。複数回行う場合には、上記溶液をその都度
新しいものに交換するのが好ましい。好ましい交換率の
NaMg−Xを得るには、浸漬操作は3〜10回繰り返
すのが望ましい。
溶液、たとえばマグネシウム塩溶液(たとえば塩酸塩、
硝酸塩)に浸漬する。これによって、NaXゼオライト
のNaイオンの一部をMgイオンに交換し、NaMg−
Xを得る。ここで用いるMg塩溶液の濃度は、0.1〜
1mol/リットルが適当である。Na−Xを上記溶液
中でイオン交換する際の温度条件は50〜100℃が適
当である。浸漬の時間は5〜30分が適当である。この
操作により得られるNaMg−X中のMg量は、該Na
Mg−X中のイオン交換可能なカチオンの80〜95%
とするのが好ましい。Na−Xを上記溶液に浸漬させる
操作は、1回だけ行ってもよいし、複数回にわたって行
ってもよい。複数回行う場合には、上記溶液をその都度
新しいものに交換するのが好ましい。好ましい交換率の
NaMg−Xを得るには、浸漬操作は3〜10回繰り返
すのが望ましい。
【0011】(第2工程)つぎに、第1工程で得ら
れたNaMg−Xを、リチウムイオンとマグネシウムイ
オンを含む混合溶液(たとえば、塩酸塩、硝酸塩)中に
浸漬させ、該混合溶液でNaイオンとLiイオンを交換
させ、ナトリウムを好ましくは4%以下しか含まないL
iMg−Xとする。ここで用いる混合溶液は、リチウム
塩濃度が0.1〜1.0mol/リットルであり、かつ
マグネシウム塩濃度が0.01〜1.0mol/リット
ルであることが望ましい。混合溶液のリチウム濃度が
0.1mol/リットル未満であると、NaとLiが交
換しにくくなる。リチウム濃度を、1mol/リットル
を越えて高くしても、NaとLiの交換の効果は大きく
ならないばかりか、高価なリチウムを浪費するだけであ
る。混合溶液のマグネシウム濃度が0.01mol/リ
ットル未満であると、Liは、Naとではなく、主にM
gと交換してしまい、目的とするLiMg―Xではな
く、LiNa−Xが生成されてしまう。そして、好まし
いMg量(イオン交換可能なカチオン中のMgの含有率)
である10%以上を残すことが困難になることもある。
マグネシウム濃度を、1mol/リットルを越えて高く
してもゼオライトに残存するMg量に変化はない。NaM
g−Xを混合溶液中に浸漬させる操作は、1回だけ行っ
てもよいし、複数回にわたって行ってもよい。複数回行
う場合には、上記混合溶液をその都度新しいものに交換
するのが好ましい。NaMg−Xを、上記混合溶液中で
イオン交換する際の温度条件は50〜100℃が適当で
ある。1回の浸漬時間(NaMg−Xを上記混合溶液中
に浸漬させる時間)は5〜30分が適当である。
れたNaMg−Xを、リチウムイオンとマグネシウムイ
オンを含む混合溶液(たとえば、塩酸塩、硝酸塩)中に
浸漬させ、該混合溶液でNaイオンとLiイオンを交換
させ、ナトリウムを好ましくは4%以下しか含まないL
iMg−Xとする。ここで用いる混合溶液は、リチウム
塩濃度が0.1〜1.0mol/リットルであり、かつ
マグネシウム塩濃度が0.01〜1.0mol/リット
ルであることが望ましい。混合溶液のリチウム濃度が
0.1mol/リットル未満であると、NaとLiが交
換しにくくなる。リチウム濃度を、1mol/リットル
を越えて高くしても、NaとLiの交換の効果は大きく
ならないばかりか、高価なリチウムを浪費するだけであ
る。混合溶液のマグネシウム濃度が0.01mol/リ
ットル未満であると、Liは、Naとではなく、主にM
gと交換してしまい、目的とするLiMg―Xではな
く、LiNa−Xが生成されてしまう。そして、好まし
いMg量(イオン交換可能なカチオン中のMgの含有率)
である10%以上を残すことが困難になることもある。
マグネシウム濃度を、1mol/リットルを越えて高く
してもゼオライトに残存するMg量に変化はない。NaM
g−Xを混合溶液中に浸漬させる操作は、1回だけ行っ
てもよいし、複数回にわたって行ってもよい。複数回行
う場合には、上記混合溶液をその都度新しいものに交換
するのが好ましい。NaMg−Xを、上記混合溶液中で
イオン交換する際の温度条件は50〜100℃が適当で
ある。1回の浸漬時間(NaMg−Xを上記混合溶液中
に浸漬させる時間)は5〜30分が適当である。
【0012】(第3工程)こうして生成したLiMg
−Xを、さらにリチウムイオンのみを含む溶液中に浸漬
させ、該溶液中でマグネシウムイオンを放出させ、同時
にリチウムイオンを取り込ませることで、リチウムイオ
ン含有量の高いLiMg−Xとする。ここで用いるリチ
ウムイオンのみを含む溶液とは、リチウムイオンを含
み、かつマグネシウムなどの他の陽イオンを全く含まな
いか、含んだとしても、0.001mol/リットル以
下である溶液をいう。この溶液としては、リチウム塩
(たとえば、塩酸塩、硝酸塩)溶液が使用可能であり、
その濃度は、0.1〜1.5mol/リットルが望まし
い。LiMg−Xを上記溶液中に浸漬させる操作は、1
回だけ行ってもよいし、複数回にわたって行ってもよ
い。複数回行う場合には、上記溶液をその都度新しいも
のに交換するのが好ましい。イオン交換(上記浸漬操
作)の回数は、マグネシウムイオンを溶出させすぎない
ように制限することが必要である。この工程で得られる
LiMg−Xのリチウムイオン含有量は、任意の値にす
ることができるが、通常は50〜100%である。ま
た、この工程で得られるLiMg―Xのマグネシウムイ
オン含有量は、任意の値にすることができるが、通常は
50〜0%である。
−Xを、さらにリチウムイオンのみを含む溶液中に浸漬
させ、該溶液中でマグネシウムイオンを放出させ、同時
にリチウムイオンを取り込ませることで、リチウムイオ
ン含有量の高いLiMg−Xとする。ここで用いるリチ
ウムイオンのみを含む溶液とは、リチウムイオンを含
み、かつマグネシウムなどの他の陽イオンを全く含まな
いか、含んだとしても、0.001mol/リットル以
下である溶液をいう。この溶液としては、リチウム塩
(たとえば、塩酸塩、硝酸塩)溶液が使用可能であり、
その濃度は、0.1〜1.5mol/リットルが望まし
い。LiMg−Xを上記溶液中に浸漬させる操作は、1
回だけ行ってもよいし、複数回にわたって行ってもよ
い。複数回行う場合には、上記溶液をその都度新しいも
のに交換するのが好ましい。イオン交換(上記浸漬操
作)の回数は、マグネシウムイオンを溶出させすぎない
ように制限することが必要である。この工程で得られる
LiMg−Xのリチウムイオン含有量は、任意の値にす
ることができるが、通常は50〜100%である。ま
た、この工程で得られるLiMg―Xのマグネシウムイ
オン含有量は、任意の値にすることができるが、通常は
50〜0%である。
【0013】(第4工程)最後に、第3工程で得ら
れた、リチウムイオン含有量を高くしたLiMg−X
を、水酸化リチウム(LiOH)によりpHを9〜11
に調整した溶液(水酸化リチウム溶液)で洗浄して、目
的とするLi含有ゼオライトを得る。この工程では、イ
オン交換に使用した塩を除去することのみが目的である
が、pHが小さい(たとえば、pH=7程度)溶液で洗
浄すると、表面のLiイオンとH+イオンが置換してし
まうため、前記pHにする必要がある。またpHが上記
範囲を越える溶液で洗浄すると、LiOH塩が残存して
しまうので、好ましくない。
れた、リチウムイオン含有量を高くしたLiMg−X
を、水酸化リチウム(LiOH)によりpHを9〜11
に調整した溶液(水酸化リチウム溶液)で洗浄して、目
的とするLi含有ゼオライトを得る。この工程では、イ
オン交換に使用した塩を除去することのみが目的である
が、pHが小さい(たとえば、pH=7程度)溶液で洗
浄すると、表面のLiイオンとH+イオンが置換してし
まうため、前記pHにする必要がある。またpHが上記
範囲を越える溶液で洗浄すると、LiOH塩が残存して
しまうので、好ましくない。
【0014】最終的に得られたLiMg−Xゼオライト
(リチウムイオン含有ゼオライト)は、リチウムイオン
の含有率(イオン交換可能なカチオン中の含有率)は、
任意の値にすることができるが、好ましくは50〜90
%であり、より好ましくは70〜90%であり、もっと
も好ましくは80〜90%である。また、最終的に得ら
れたLiMg−Xゼオライト(リチウムイオン含有ゼオ
ライト)は、マグネシウムイオンの含有率(イオン交換
可能なカチオン中の含有率)は、任意の値にすることが
できるが、10〜50%がこのましく、より好ましくは
10〜30%、もっとも好ましくは10〜20%であ
る。
(リチウムイオン含有ゼオライト)は、リチウムイオン
の含有率(イオン交換可能なカチオン中の含有率)は、
任意の値にすることができるが、好ましくは50〜90
%であり、より好ましくは70〜90%であり、もっと
も好ましくは80〜90%である。また、最終的に得ら
れたLiMg−Xゼオライト(リチウムイオン含有ゼオ
ライト)は、マグネシウムイオンの含有率(イオン交換
可能なカチオン中の含有率)は、任意の値にすることが
できるが、10〜50%がこのましく、より好ましくは
10〜30%、もっとも好ましくは10〜20%であ
る。
【0015】窒素を選択的に吸着して分離する圧力変動
吸着分離法(PSA)は、一般に吸着工程と再生工程を
繰り返す方法である。吸着工程は、窒素を含む混合ガ
ス、たとえば空気を加圧下に吸着剤ゼオライトに接触さ
せて窒素を吸着して窒素と酸素を分離する。つぎに、再
生工程においては、圧力を下げて吸着していた窒素を脱
着してゼオライトを再生する。
吸着分離法(PSA)は、一般に吸着工程と再生工程を
繰り返す方法である。吸着工程は、窒素を含む混合ガ
ス、たとえば空気を加圧下に吸着剤ゼオライトに接触さ
せて窒素を吸着して窒素と酸素を分離する。つぎに、再
生工程においては、圧力を下げて吸着していた窒素を脱
着してゼオライトを再生する。
【0016】本発明では、上記LiMg−Xゼオライト
(リチウムイオン含有ゼオライト)を、圧力変動吸着分
離法における吸着剤として用い、酸素と窒素を含む混合
ガスから窒素を選択的に吸着することができる。なお、
本発明において、イオンの含有率はモル数(原子数)×
価数で考え、イオンの含有率を示す%とは等電荷でのモ
ル%を指す。
(リチウムイオン含有ゼオライト)を、圧力変動吸着分
離法における吸着剤として用い、酸素と窒素を含む混合
ガスから窒素を選択的に吸着することができる。なお、
本発明において、イオンの含有率はモル数(原子数)×
価数で考え、イオンの含有率を示す%とは等電荷でのモ
ル%を指す。
【0017】
【実施例】(実施例)出発原料としてNa−Xを使用し
(1次原料と呼ぶ)、この1次原料を硝酸マグネシウム
濃度0.5mol/リットルの水溶液に浸漬した。浸漬
操作を行う際の温度は80℃、1回の浸漬時間は30分
とし、浸漬操作は5回繰り返した。得られたゼオライト
の組成をICP(誘導結合高周波プラズマ)発光分析に
より求めた結果、Na(18)Mg(82)Xであった
(2次原料と呼ぶ)。元素記号に添えたかっこ( )内
に示した数字は、イオン交換量の等電荷での百分率であ
る。
(1次原料と呼ぶ)、この1次原料を硝酸マグネシウム
濃度0.5mol/リットルの水溶液に浸漬した。浸漬
操作を行う際の温度は80℃、1回の浸漬時間は30分
とし、浸漬操作は5回繰り返した。得られたゼオライト
の組成をICP(誘導結合高周波プラズマ)発光分析に
より求めた結果、Na(18)Mg(82)Xであった
(2次原料と呼ぶ)。元素記号に添えたかっこ( )内
に示した数字は、イオン交換量の等電荷での百分率であ
る。
【0018】つぎに、上記2次原料を、リチウムイオン
およびマグネシウムイオンをともに、濃度0.5mol
/リットルを含む硝酸塩溶液に浸漬して、Naをほとん
ど含まないLiMg−Xゼオライトを得た(3次原料と
呼ぶ)。浸漬操作を行う際の温度は80℃とし、1回の
浸漬時間を30分とし、浸漬操作は6回繰り返した。得
られたゼオライトの組成はLi(40)Mg(60)Xであった。
およびマグネシウムイオンをともに、濃度0.5mol
/リットルを含む硝酸塩溶液に浸漬して、Naをほとん
ど含まないLiMg−Xゼオライトを得た(3次原料と
呼ぶ)。浸漬操作を行う際の温度は80℃とし、1回の
浸漬時間を30分とし、浸漬操作は6回繰り返した。得
られたゼオライトの組成はLi(40)Mg(60)Xであった。
【0019】さらに、3次原料を、リチウムイオン濃度
0.5mol/リットルの硝酸塩(硝酸リチウム)溶液
に浸漬して、リチウムイオン含有量の高いゼオライトを
得た(4次原料と呼ぶ)。浸積操作を行う際の温度は8
0℃、1回の浸漬時間は30分とした。溶液の交換回数
(浸漬操作の回数)を変え、1回;Li(59)Mg(41)X(試
料1)、3回;Li(72)Mg(28)X(試料2)、5回;Li(8
0)Mg(20)X(試料3)、7回;Li(84)Mg(16)X(試料
4)、9回;Li(88)Mg(12)X(試料5)11回;Li(91)M
g(9)X(試料6)、15回;Li(95)Mg(6)X(試料7)、
20回;Li(100)Mg(0)の8種類の試料を調製した。最後
に、水酸化リチウム(LiOH)により、pHを9.9
に調整した溶液(水酸化リチウム溶液)で、上記4次原
料を洗浄して、最終生成物試料LiMgX剤を得た。
0.5mol/リットルの硝酸塩(硝酸リチウム)溶液
に浸漬して、リチウムイオン含有量の高いゼオライトを
得た(4次原料と呼ぶ)。浸積操作を行う際の温度は8
0℃、1回の浸漬時間は30分とした。溶液の交換回数
(浸漬操作の回数)を変え、1回;Li(59)Mg(41)X(試
料1)、3回;Li(72)Mg(28)X(試料2)、5回;Li(8
0)Mg(20)X(試料3)、7回;Li(84)Mg(16)X(試料
4)、9回;Li(88)Mg(12)X(試料5)11回;Li(91)M
g(9)X(試料6)、15回;Li(95)Mg(6)X(試料7)、
20回;Li(100)Mg(0)の8種類の試料を調製した。最後
に、水酸化リチウム(LiOH)により、pHを9.9
に調整した溶液(水酸化リチウム溶液)で、上記4次原
料を洗浄して、最終生成物試料LiMgX剤を得た。
【0020】実施例の各試料について、定容法により、
酸素と窒素の吸着等温線を測定した。吸着温度は25℃
とし、測定に先立ち350℃で10―2mbar以下に
なるまで加熱真空引きをおこなった。空気を分離して酸
素を製品とするPSA操作の典型例として、吸着工程を
800Torr、再生工程を230Torrである場合
を想定した。吸着工程、再生工程ともに、吸着塔の気相
のガス組成は空気と同じであると仮定すると、吸着工程
の窒素圧力は640Torr、酸素圧力は160Tor
rであり、脱着工程における窒素圧力は184Tor
r、酸素圧力は46Torrであるから、これらの圧力
における吸着量から、有効窒素吸着量と酸素/窒素分離
比をもとめ、表1に示した。
酸素と窒素の吸着等温線を測定した。吸着温度は25℃
とし、測定に先立ち350℃で10―2mbar以下に
なるまで加熱真空引きをおこなった。空気を分離して酸
素を製品とするPSA操作の典型例として、吸着工程を
800Torr、再生工程を230Torrである場合
を想定した。吸着工程、再生工程ともに、吸着塔の気相
のガス組成は空気と同じであると仮定すると、吸着工程
の窒素圧力は640Torr、酸素圧力は160Tor
rであり、脱着工程における窒素圧力は184Tor
r、酸素圧力は46Torrであるから、これらの圧力
における吸着量から、有効窒素吸着量と酸素/窒素分離
比をもとめ、表1に示した。
【0021】窒素有効吸着量と分離比は、ゼオライトを
使用してPSA操作により、空気から窒素と酸素を分離
するときの、主要な評価因子である。窒素有効吸着量が
大きいほど、少ない吸着剤で多くの空気を処理できる。
酸素/窒素分離比は、酸素回収率に関係する指標であ
り、したがって、動力消費の目安になる。
使用してPSA操作により、空気から窒素と酸素を分離
するときの、主要な評価因子である。窒素有効吸着量が
大きいほど、少ない吸着剤で多くの空気を処理できる。
酸素/窒素分離比は、酸素回収率に関係する指標であ
り、したがって、動力消費の目安になる。
【0022】有効窒素吸着量: ΔqN2=qN2(a)―qN2(d) qN2(a):吸着工程における窒素吸着量[mol/
kg] qN2(d):再生工程における窒素吸着量[mol /
kg] 有効酸素吸着量: ΔqO2=qO2(a)―qO2(d) qO2(a):吸着工程における酸素吸着量[mol/
kg] qO2(d):再生工程における酸素吸着量[mol/
kg] 分離比: α=ΔqO2/ΔqN2
kg] qN2(d):再生工程における窒素吸着量[mol /
kg] 有効酸素吸着量: ΔqO2=qO2(a)―qO2(d) qO2(a):吸着工程における酸素吸着量[mol/
kg] qO2(d):再生工程における酸素吸着量[mol/
kg] 分離比: α=ΔqO2/ΔqN2
【0023】吸着工程と再生工程における吸着塔内のガ
ス組成が空気組成と同じであると仮定して、有効窒素吸
着量は、近似的に、吸着工程の圧力と再生工程の圧力を
0.8倍した圧力における窒素吸着量の差で表すことが
できる。酸素有効吸着量も、同様にして、吸着工程と再
生工程の圧力を0.2倍した圧力における酸素吸着量の
差で表すことができる。
ス組成が空気組成と同じであると仮定して、有効窒素吸
着量は、近似的に、吸着工程の圧力と再生工程の圧力を
0.8倍した圧力における窒素吸着量の差で表すことが
できる。酸素有効吸着量も、同様にして、吸着工程と再
生工程の圧力を0.2倍した圧力における酸素吸着量の
差で表すことができる。
【0024】図1は、上記試料中のリチウムイオン含有
率(イオン交換可能なカチオン中の含有率)と、有効窒
素吸着量との関係を示すものであり、図2は、上記試料
中のリチウムイオン含有率(イオン交換可能なカチオン
中の含有率)と、酸素/窒素分離比との関係を示すもの
である。
率(イオン交換可能なカチオン中の含有率)と、有効窒
素吸着量との関係を示すものであり、図2は、上記試料
中のリチウムイオン含有率(イオン交換可能なカチオン
中の含有率)と、酸素/窒素分離比との関係を示すもの
である。
【0025】(比較例)比較例として、従来から知られ
ているNaLi−Xゼオライトに関して、各種Na/L
i組成の剤(試料21〜27)につき、実施例と同じよ
うにして窒素と酸素の吸着を測定し、有効窒素吸着量と
酸素/窒素分離比を求め、表2に示した。これら試料の
リチウムイオン含有率(イオン交換可能なカチオン中の
含有率)と、有効窒素吸着量との関係、およびリチウム
イオン含有率(イオン交換可能なカチオン中の含有率)
と、酸素/窒素分離比との関係を、図1および図2に併
せて示す。
ているNaLi−Xゼオライトに関して、各種Na/L
i組成の剤(試料21〜27)につき、実施例と同じよ
うにして窒素と酸素の吸着を測定し、有効窒素吸着量と
酸素/窒素分離比を求め、表2に示した。これら試料の
リチウムイオン含有率(イオン交換可能なカチオン中の
含有率)と、有効窒素吸着量との関係、およびリチウム
イオン含有率(イオン交換可能なカチオン中の含有率)
と、酸素/窒素分離比との関係を、図1および図2に併
せて示す。
【0026】試験した範囲で、同じリチウムイオン含有
率で比較した場合、実施例のゼオライトは、比較例に比
べて、有効窒素吸着量、分離比ともに優れている。換言
すると、高価なリチウムは少量であっても、実施例のゼ
オライトは、比較例のゼオライト以上の分離性能を持た
せることができる。リチウムイオン含有率が50%〜1
00%のとき、実施例のゼオライトの有効窒素吸着量と
酸素/窒素分離比は、比較例よりも優れていた。特に、
リチウムイオン含有率が70〜90%、さらには80〜
90%において優れた有効窒素吸着量と酸素/窒素分離
比が得られた。リチウムイオン含有率が90%を越える
と、実施例のゼオライトは、リチウムイオン含有率の増
加とともに有効窒素交換率はなお増加するものの、酸素
/窒素分離比は減少に転じた。すなわち、実施例の製造
方法により製造されたゼオライトは、従来知られている
Liゼオライトに比べて、高価なLi含有量が僅かであ
っても、優れた酸素/窒素吸着分離性能を有することが
認められる。なかでも、得られたゼオライト中のリチウ
ムイオン含有率は、50〜90%が良い。
率で比較した場合、実施例のゼオライトは、比較例に比
べて、有効窒素吸着量、分離比ともに優れている。換言
すると、高価なリチウムは少量であっても、実施例のゼ
オライトは、比較例のゼオライト以上の分離性能を持た
せることができる。リチウムイオン含有率が50%〜1
00%のとき、実施例のゼオライトの有効窒素吸着量と
酸素/窒素分離比は、比較例よりも優れていた。特に、
リチウムイオン含有率が70〜90%、さらには80〜
90%において優れた有効窒素吸着量と酸素/窒素分離
比が得られた。リチウムイオン含有率が90%を越える
と、実施例のゼオライトは、リチウムイオン含有率の増
加とともに有効窒素交換率はなお増加するものの、酸素
/窒素分離比は減少に転じた。すなわち、実施例の製造
方法により製造されたゼオライトは、従来知られている
Liゼオライトに比べて、高価なLi含有量が僅かであ
っても、優れた酸素/窒素吸着分離性能を有することが
認められる。なかでも、得られたゼオライト中のリチウ
ムイオン含有率は、50〜90%が良い。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、従来知られているLi
含有ゼオライトに比べ、僅かのLiの含有量でも優れた
窒素吸着と、酸素/窒素分離性能をもつゼオライトが得
られる。このゼオライトはLi量が少ないから安価であ
る。したがって、このゼオライトを使用して、酸素と窒
素を吸着分離すれば、安価な酸素または窒素を製造する
ことができる。
含有ゼオライトに比べ、僅かのLiの含有量でも優れた
窒素吸着と、酸素/窒素分離性能をもつゼオライトが得
られる。このゼオライトはLi量が少ないから安価であ
る。したがって、このゼオライトを使用して、酸素と窒
素を吸着分離すれば、安価な酸素または窒素を製造する
ことができる。
【図1】 本発明のリチウムイオン含有ゼオライトの製
造方法の実施例により得られたリチウムイオン含有ゼオ
ライトの試験結果を示すグラフである。
造方法の実施例により得られたリチウムイオン含有ゼオ
ライトの試験結果を示すグラフである。
【図2】 本発明のリチウムイオン含有ゼオライトの製
造方法の実施例により得られたリチウムイオン含有ゼオ
ライトの試験結果を示すグラフである。
造方法の実施例により得られたリチウムイオン含有ゼオ
ライトの試験結果を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 Si/Al比が1.5以下であるナトリ
ウムXゼオライト(NaXゼオライト)を原料として、
マグネシウムイオンを含む溶液中でNaXゼオライト
のNaイオンの一部をMgイオンでイオン交換してNa
Mg―Xとし、該NaMg−Xをリチウムイオンとマ
グネシウムイオンを含む溶液中でイオン交換してLiM
g−Xとし、リチウムイオンのみを含む溶液中で、前
記LiMg−X中のマグネシウムイオンを放出させると
ともに、該LiMg−Xにリチウムイオンを取り込ませ
てリチウムイオン含有量の高いLiMg−Xとし、該
LiMg−Xを、水酸化リチウム(LiOH)によりp
Hを9〜11に調整した溶液で洗浄することを特徴とす
るリチウムイオン含有ゼオライトの製造方法。 - 【請求項2】 前記イオン交換に用いるリチウムイオン
とマグネシウムイオンを含む溶液は、リチウム塩濃度が
0.1〜1.0mol/リットルであり、かつマグネシ
ウム塩濃度が0.01〜1.0mol/リットルである
ことを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン含有ゼ
オライトの製造方法。 - 【請求項3】 前記リチウムイオン含有ゼオライトのイ
オン交換可能なカチオンの50〜90%がリチウムイオ
ンであり、50〜10%がマグネシウムイオンであるこ
とを特徴とする請求項1または2記載のリチウムイオン
含有ゼオライトの製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1項記載の
方法により得られたリチウムイオン含有ゼオライトを用
いて、酸素と窒素を含む混合ガスから窒素を選択的に吸
着する窒素選択吸着方法。 - 【請求項5】 イオン交換可能なカチオンの50〜90
%がリチウムイオンであり、50〜10%がマグネシウ
ムイオンであることを特徴とするリチウムイオン含有ゼ
オライト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000062523A JP2001253707A (ja) | 2000-03-07 | 2000-03-07 | リチウムイオン含有ゼオライトおよびその製造方法ならびに窒素選択吸着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000062523A JP2001253707A (ja) | 2000-03-07 | 2000-03-07 | リチウムイオン含有ゼオライトおよびその製造方法ならびに窒素選択吸着方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001253707A true JP2001253707A (ja) | 2001-09-18 |
Family
ID=18582528
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000062523A Withdrawn JP2001253707A (ja) | 2000-03-07 | 2000-03-07 | リチウムイオン含有ゼオライトおよびその製造方法ならびに窒素選択吸着方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001253707A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012512022A (ja) * | 2008-12-17 | 2012-05-31 | ユーオーピー エルエルシー | Li交換ゼオライトを含有する吸着剤媒体 |
-
2000
- 2000-03-07 JP JP2000062523A patent/JP2001253707A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012512022A (ja) * | 2008-12-17 | 2012-05-31 | ユーオーピー エルエルシー | Li交換ゼオライトを含有する吸着剤媒体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070605 |