JP2001251085A - 電磁波シールド層形成方法 - Google Patents

電磁波シールド層形成方法

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JP2001251085A
JP2001251085A JP2000062140A JP2000062140A JP2001251085A JP 2001251085 A JP2001251085 A JP 2001251085A JP 2000062140 A JP2000062140 A JP 2000062140A JP 2000062140 A JP2000062140 A JP 2000062140A JP 2001251085 A JP2001251085 A JP 2001251085A
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film
wave shielding
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Kazuya Sato
一也 佐藤
Haruhiko Okuno
晴彦 奥野
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Okuno Chemical Industries Co Ltd
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Okuno Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラスチック容器に対して、重量増加を極力抑
えた上で、広域周波数帯において良好な電磁波シールド
効果を有し、耐腐食性に優れ、美観も良好な電磁波シー
ルド層を簡単に形成できる方法を提供する。 【解決手段】プラスチック容器に、電気めっき法によっ
て厚さ5〜15μmの銅めっき皮膜を形成することを特
徴とする電磁波シールド層の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】ノートパソコン、携帯電話等
の電子機器に使用されるプラスチック容器に電磁波シー
ルド層を形成する法、及び電磁波シールド層が形成され
たプラスチック容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年における電子機器の発達はめざまし
く、ワープロ、パソコン、テレビゲームさらには携帯電
話などが市場にあふれている。これら機器の筐体(ハウ
ジング,カバーケース等)は、意匠性、量産性、軽量
化、コスト面等を考慮するとき、そのほとんどがプラス
チック製である。
【0003】ところが、プラスチック自体には電磁波を
遮断する能力がないために、電子機器より発生する電磁
波が、電子機器に障害を引き起こす原因となり、これが
大きな問題となっている。特に、携帯電話においては、
軽量化に各社鎬を削り、部品の集積度がますます上がっ
ており、受信感度の確保が重要な問題となっている。ま
た、最近のパソコンのCPUにおける動作周波数は1G
Hzにも達しようとしている。それ故、当業界にとっ
て、他の電子機器からの電磁波による障害、機器本体よ
り発生する電磁波による障害等の防止を、従来より高い
レベルで考慮する必要性に迫られている。特に、数十M
Hz〜数GHzまでの広域周波数帯を一挙にシールドす
る有効な方法が望まれている。
【0004】又、携帯電話においては、機器より発生す
る電磁波の身体に及ぼす影響が懸念されている。
【0005】電磁波をシールドする方法としては、ノイ
ズフィルターやコモンモールドチョークコイル等の部品
を回路に搭載してシールドする方法、樹脂中にフェライ
ト粒子を充填したシート等を必要部分に貼り付けてシー
ルドする方法、プラスチック製の電子機器の容器(筐
体、ハウジング)を導電化してシールドする方法などが
ある。
【0006】これらの方法の内で、プラスチック製の容
器を導電化して電磁波を遮断する能力を付与する方法
(電磁波シールド法)としては、次の様な方法が検討さ
れてきた。
【0007】ニッケル粉末等導電性粉末を混合した塗
料をプラスチックに塗布する方法。
【0008】この方法は簡便ではあるが、シールド効果
が不十分である。また、一般にこの種の塗料の色調は美
感を損なうものであり、人の眼に触れない容器の内側面
に施されているだけである。
【0009】プラスチックそのものに導電性粉末(た
とえばニッケル粉末)を混合して成形し、導電性プラス
チックで容器を作製する方法。
【0010】この方法もシールド効果が不十分であり、
より優れたシールド効果を望む場合、その充填量を増大
させる必要があり、プラスチックの強度劣化を招くとい
う欠点がある。
【0011】物理的にプラスチック表面上に金属皮膜
を形成する方法。
【0012】例えば、真空蒸着法によりアルミニウム膜
を形成する方法があるが、この方法は特別の装置を必要
とし、量産性に乏しく、又密着性についても難点があ
る。また、薄い銅箔をプラスチック容器の内側に貼り付
ける方法もあるが、この方法も量産性に乏しいという欠
点がある。
【0013】最近では、無電解めっき方法によってプラ
スチック容器上に、2μm程度の膜厚の銅又はニッケル
金属皮膜を形成する方法が実際に業界において多く採用
されている。この様な無電解めっきを利用する方法とし
ては、たとえば、シート上に無電解めっきを施したもの
を必要部分に貼り付ける方法(特開平10−16367
3号)、部分的にプラスチックに無電解めっきを施す方
法(特開平5−37172号)、特殊プラスチック成形
品に無電解めっきを施す方法(特開平6−279602
号)などが報告されている。
【0014】これら無電解めっきによる方法では、形成
される皮膜は、電磁波シールド効果を有し、密着性が良
く、量産も可能である。しかしながら、近年、電子機器
の小型化、すなわち半導体素子の小型化、チップコンデ
ンサーやチップ抵抗の小型化、実装技術、配線技術の高
密度化、デジタル化等が増々進行しており、かかる実状
を考慮するとき、より遮蔽性の高い電磁波シールド方法
が要求されており、特に、数十MHzから数GHzまで
の広域周波数帯の電磁波を一挙にシールド可能な方法が
望まれている。
【0015】又、電磁波シールド層の腐食によるシール
ド効果の減少や、容器の内側面にシールド層を形成した
場合には、腐食粒子の脱落による機器故障の発生などが
問題視されている。
【0016】そこで、業界においては、機器全体の重量
増加を極力抑えることが可能であって、より広域の周波
数帯において高いシールド効果を発揮でき、且つ耐腐食
性の良好な電磁波シールド層を形成できる方法を見出す
ことが望まれている。
【0017】また、プラスチック容器の外側面に電磁波
シールド層を形成する場合には、該電磁波シールド層
が、塗装処理を省略できるような良好な外観を有するも
のであれば、より一層有用性の高いものとなる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
プラスチック容器に対して、重量増加を極力抑えた上
で、広域周波数帯において良好な電磁波シールド効果を
付与でき、耐腐食性に優れ美観も良好な電磁波シールド
層を簡単に形成できる方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した目
的を達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、プラスチック
容器に導電性皮膜を形成した後、厚さ5〜15μm程度
の電気銅めっき皮膜を形成することによって、上記した
目的を達成し得る電磁波シールド層を形成できることを
見出した。更に、形成された電気銅めっき皮膜上に、電
気めっき法によって、ニッケルめっき皮膜とクロムめっ
き皮膜を順次形成する場合には、より一層耐腐食性と美
観に優れた電磁波シールド層を形成できることを見出
し、ここに本発明を完成するに至った。
【0020】即ち、本発明は、電磁波シールド層の形成
方法、及び電磁波シールド層が形成されたプラスチック
容器に関する。1.プラスチック容器に導電性皮膜を形
成した後、電気めっき法によって厚さ5〜15μmの銅
めっき皮膜を形成することを特徴とするプラスチック容
器に電磁波シールド層を形成する方法。2.プラスチッ
ク容器に導電性皮膜を形成した後、電気めっき法によっ
て厚さ5〜15μmの銅めっき皮膜を形成し、次いで、
電気めっき法によってニッケルめっき皮膜及びクロムめ
っき皮膜を順次形成することを特徴とする電磁波シール
ド層を形成する方法。3.導電性皮膜を形成する方法
が、貴金属化合物及び第一錫化合物を含有するコロイド
溶液を用いてプラスチック容器に無電解めっき用触媒を
付与した後、該プラスチック容器を、銅化合物、還元性
を有する糖類、錯化剤及びアルカリ金属水酸化物を含有
する無電解銅めっき液に接触させる方法である上記項1
又は2に記載の電磁波シールド層を形成する方法。4.
上記項1〜3のいずれかの方法によって電磁波シールド
層が形成されたプラスチック容器。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプラスチック容器
に電磁波シールド層を形成する方法について詳細に説明
する。
【0022】本発明において処理対象とするプラスチッ
ク容器とは、電子機器において、電磁波の発生源となる
部分を覆う容器である。通常は、電子機器の最外郭を形
成する筐体、ハウジング等と称されるプラスチック製の
容器であるが、電子部品を搭載し回路形成された基板の
中で、特に電磁波をシールドする必要のある部分をカバ
ーするような形態の容器も含まれる。又は、完全に被覆
する形状に限定されず、一部が開放された形状のもので
あっても良い。
【0023】電磁波シールド層は、プラスチック容器の
内側面、即ち部品搭載回路基板側の面又は外側面のいず
れかに形成すればよいが、両面に形成してもよく、或い
は、電磁波シールド効果が要求される部分のみに部分的
に形成してもよい。また、塗料や他の電磁波シールド効
果を有する層と併用しても良い。プラスチック容器の一
部にのみ電磁波シールド層を形成する場合には、例え
ば、常法に従って、電磁波シールド層を形成しない部分
にめっきレジスト皮膜を形成すればよい。
【0024】プラスチック容器の外側面にのみ電磁波シ
ールド層を形成する場合には、美観を有する皮膜が形成
されることから、プラスチック容器の外面に行う塗装処
理を省略することが可能となり、更に、電磁波シールド
層の腐食金属の脱落による故障を回避することができる
という利点がある。また、内側面と外側面の両面に電磁
波シールド層を形成する場合には、めっき処理工程が容
易であり、しかも両面で電磁波シールド効果が奏される
のでめっき膜厚を薄くすることができ、更に、プラスチ
ック容器外面の塗装処理を省略することも可能となる。
【0025】プラスチックの種類については、特に限定
されるものではなく、めっきによって密着力の良好な金
属層の形成が可能なものであれば、何れも使用できる。
たとえば、ABS樹脂、ポリカーボネート(PC)樹
脂、PC/ABSアロイ樹脂、PC/アクリルゴム(A
SA)アロイ樹脂、ナイロン樹脂、ポリオレフィン樹
脂、ノリル樹脂等を例示できる。これらプラスチックの
中でも特にめっき用グレードを選択するのが好ましい。
特にABS樹脂、PC/ABSアロイ樹脂、PC/AS
Aアロイ樹脂等が好ましい。
【0026】本発明で用いるプラスチック容器は、一体
成型して得られるものでなくとも良く、非常に薄いプラ
スチック容器(例えば、厚さ2mm程度以下)の全面又
は片面に本発明方法によって電磁波シールド層を形成し
た後、電子機器本体のプラスチックハウジングにかぶせ
て一体化しても良い。この場合に、例えば、電磁波シー
ルド層を形成するプラスチック容器としてめっき処理が
容易なABS樹脂を用い、電子機器本体のプラスチック
ハウジングとしてPC/ABSアロイ樹脂等の剛性があ
り難燃性のプラスチックを用いることによって、優れた
物性と電磁波シールド特性を兼ね備えたプラスチック容
器を比較的簡単なめっき処理によって作製することがで
きる。
【0027】本発明の電磁波シールド層の形成方法で
は、この様なプラスチック容器に、導電性皮膜を形成し
た後、電気めっき法によって膜厚5〜15μm程度、好
ましくは5〜10μm程度の電気銅めっき皮膜を形成す
る。電気銅めっき皮膜の膜厚がこの範囲内にあることに
よって、電磁波シールド効果、耐腐食性、電子機器の重
量増加の抑制、経済性の全てについて優れた特性を有す
るプラスチック容器となる。この膜厚範囲内において、
プラスチック容器の片面にのみ電磁波シールド層を形成
する場合には、比較的厚い膜厚を選択し、両面に電磁波
シールド層を形成する場合には、比較的薄い膜厚を選択
すればよい。
【0028】電気銅めっき皮膜の膜厚が5μmを下回る
場合には、高周波数域(例えば、1〜3GHz程度)に
おける電磁波シールド効果が不足し、更に、腐食の原因
となりやすいピンホール等の皮膜欠陥を有することが多
いので好ましくない。一方、膜厚が15μmを上回る
と、それ以上のシールド効果の増大を望めないので不経
済であり、しかも機器全体の重量増となるので好ましく
ない。
【0029】導電性皮膜の形成方法については、特に限
定的ではなく、常法に従って、無電解めっきのための前
処理を行った後、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっ
き等の無電解めっき法によって、導電性を有する皮膜を
形成すればよい。導電性皮膜の膜厚については、特に限
定はなく、電気銅めっきを行うために必要な導電性を付
与できる程度の厚さであればよく、通常は、0.01〜
0.3μm程度の無電解銅めっき皮膜又は無電解ニッケ
ルめっき皮膜を形成すればよい。
【0030】無電解めっきのための前処理方法について
は、使用するプラスチックの種類に応じて公知の前処理
方法を適宜採用すればよい。
【0031】通常は、まず、指紋、油脂等の有機物、静
電気作用による塵等の付着物等を除去するために、被処
理物の表面を洗浄する。処理液としては、公知の脱脂剤
を用いればよく、例えば、アルカリタイプの脱脂剤等を
使用して、常法に従って脱脂処理を行えばよい。
【0032】次いで、必要に応じて、被処理物の表面を
エッチングする。この工程は、選択的にプラスチック表
面を溶解してアンカー効果を生じさせるものであり、こ
の処理により、めっき皮膜の密着性、外観などを向上さ
せることができる。
【0033】エッチング処理は、使用するプラスチック
スの種類に応じて、常法に従って行えばよい。例えば、
ABS樹脂のプラスチック容器を被処理物とする場合に
は、クロム酸350g/l〜450g/l程度及び98
%硫酸350g/l〜450g/l程度、好ましくは、
クロム酸380〜420g/l程度及び98%硫酸38
0〜420g/l程度を含有する水溶液からなるエッチ
ング液に、60℃〜70℃程度で5分〜15分程度、好
ましくは、65〜70℃程度で8〜12分程度浸漬すれ
ばよい。
【0034】次に、被処理物表面に残存するクロム酸等
のエッチング液を除去するために洗浄を行う。この場
合、希薄塩酸溶液や重亜硫酸ナトリウム等の還元剤を含
有する溶液を用いて洗浄処理を行うことによって、被処
理物の表面に残存するクロム酸の除去が容易になる。
【0035】次いで、水洗後、プラスチック容器の表面
に無電解めっきにより金属層の析出を可能にする触媒を
付与する。
【0036】触媒を付与する方法としては、通常、無電
解めっき用の触媒付与方法として公知の方法を採用すれ
ばよく、例えば、センシタイジング−アクチベーション
法、キャタリスト−アクセレレーター法、アルカリキャ
タリスト法などの方法により、パラジウム等の触媒活性
を有する金属を含む公知の触媒液に被処理物を浸漬すれ
ばよい。触媒液の具体例としては、塩化パラジウム0.
05g/l〜0.15g/l程度及び塩化第一スズ5g
/l〜10g/l程度を含む塩酸酸性水溶液を挙げるこ
とができ、この触媒液を用いる場合には、液温20℃〜
40℃程度の触媒液中に被処理物を1分〜5分程度浸漬
すればよい。
【0037】次いで、公知の無電解銅めっき液又は無電
解ニッケルめっき液を用いて、無電解めっきを行うこと
によって、電気銅めっきの下地となる導電性皮膜を形成
することができる。
【0038】本発明では、特に、導電性皮膜を形成する
方法として、国際公開WO98/45505号公報に記
載されている方法に従って導電性皮膜を形成することが
好ましい。この方法によれば、有害なホルマリンを含有
する無電解銅めっき液や次亜リン酸塩、ホウ素化合物等
を含有する無電解ニッケルめっき液を用いること無く、
プラスチック容器表面を導体化することが可能である。
又、本発明においてプラスチック容器上に形成する電気
銅めっき皮膜は、5〜15μm程度と比較的薄いことか
ら、導電性皮膜にピンホール、ザラ等の欠陥部が含まれ
ると、電気銅めっき皮膜によりこれを修復することが困
難な場合があり、耐腐食性の悪化や外観の低下を招来し
易いが、国際公開WO98/45505号公報に記載さ
れた方法によれば、形成される導電性皮膜に欠陥が少な
いため、皮膜欠陥がほとんどなく、耐腐食性や外観に優
れた電気銅めっき皮膜を形成できる。
【0039】国際公開WO98/45505号公報に記
載されている方法によれば、まず、必要に応じて、上記
した前処理方法と同様にして、被処理物であるプラスチ
ック容器表面の清浄化とエッチング処理を行なう。次い
で、貴金属化合物及び第一錫化合物を含有するコロイド
溶液を用いてプラスチック容器に無電解めっき用触媒を
付与した後、該プラスチック容器を、銅化合物、還元性
を有する糖類、錯化剤及びアルカリ金属水酸化物を含有
する無電解銅めっき液に接触させることによって、導電
性皮膜を形成することができる。
【0040】この方法では、触媒液として用いるコロイ
ド溶液としては、無電解めっき用の触媒液として公知の
ものを使用できる。この様な公知の触媒液は、通常、無
電解めっきに対する触媒能を有する化合物として知られ
ている白金化合物、金化合物、パラジウム化合物、銀化
合物等の貴金属化合物を含有するものである。この様な
触媒液に配合される白金化合物の具体例としては塩化白
金塩等、金化合物の具体例としては塩化金塩、亜硫酸金
塩等、パラジウム化合物の具体例としては塩化パラジウ
ム、硫酸パラジウム等、銀化合物の具体例としては硝酸
銀、硫酸銀等を挙げることができる。貴金属化合物は、
一種単独又は二種以上混合して用いることができる。特
に、貴金属化合物としてパラジウム化合物を含有する触
媒液を用いることが好ましい。貴金属化合物の配合量に
ついては、特に限定的ではないが、通常、金属量として
100〜500mg/l程度の範囲が好適である。
【0041】上記コロイド溶液に配合する第一錫化合物
としては、塩化第一錫、硫酸第一錫等が好ましく、これ
らを一種単独又は適宜混合して配合することができる。
特に、塩化第一錫が好ましい。第一錫化合物の配合量
は、通常、錫金属として10〜50g/l程度で、貴金
属量の50〜120重量倍程度とすればよい。
【0042】上記コロイド溶液は、一般に、pH1程度
以下の強酸性のコロイド溶液であり、常法に従って製造
することができる。例えば、貴金属化合物と第一錫化合
物を、それぞれ別個に酸溶液に溶解し、これらの溶液を
混合してコロイド溶液とし、使用時に適度な濃度に調整
して用いることができる。この際に用いる酸溶液として
は、塩酸溶液、硫酸溶液、塩酸と硫酸の混酸、塩化ナト
リウムを含有する塩酸、塩化ナトリウムを含有する硫
酸、塩化ナトリウムを含有する塩酸と硫酸の混酸等が挙
げられる。
【0043】上記コロイド溶液には、更に、必要に応じ
て、低級脂肪族モノカルボン酸銅、臭化銅等を配合して
もよい。特に、銅化合物については、溶解性が良好であ
ること等から、2価の銅化合物を用いることが好まし
い。また、低級脂肪族モノカルボン酸銅のうちでは、ギ
酸銅、酢酸銅等が好ましく、これらを用いることによっ
て、安定なコロイド溶液が形成されて、均一なコロイド
膜として被処理物に付着させ易くなる。銅化合物の配合
量は、銅金属として0.2〜3g/l程度が好ましく、
0.5〜2g/l程度がより好ましい。
【0044】特に、触媒液として用いるコロイド溶液と
しては、パラジウム化合物をパラジウム金属量として1
50〜300ppm程度含有し、第一錫化合物を錫金属
量として10〜22g/l程度含有する塩酸水溶液を用
いることが好ましい。
【0045】コロイド溶液による処理方法としては、通
常、10〜50℃程度、好ましくは、25〜45℃程度
のコロイド溶液中に、被処理物を2〜10分程度、好ま
しくは3〜5分程度浸漬すればよい。この処理により、
被処理物の表面に均一な触媒膜を付着させることができ
る。
【0046】次いで、触媒を付与した被処理物に、銅化
合物、還元性を有する糖類、錯化剤及びアルカリ金属水
酸化物を含有する無電解銅めっき液を用いて導電性皮膜
を形成する。
【0047】上記無電解銅めっき液では、銅化合物とし
ては、硫酸銅、塩化銅、炭酸銅、酸化銅、水酸化銅等を
使用できる。銅化合物の含有量は、銅金属量として0.
1〜5g/l程度、好ましくは0.8〜1.2g/l程
度とすればよい。銅金属量が0.1g/lを下回ると、
無電解銅めっき皮膜の形成が不十分となり、次工程での
電気めっきの析出が悪くなるので好ましくない。一方、
銅金属量が5g/lを上回ると、銅濃度を上げた効果が
なく、銅濃度に比例して必要な錯化剤量が増加し、経済
的に不利であり、排水処理性も悪くなる。
【0048】上記無電解銅めっき液に配合する還元性の
ある糖類の具体例としては、ブドウ糖、グルコース、ソ
ルビット、セルロース、ショ糖、マンニット、グルコノ
ラクトン等を挙げることができる。糖類の含有量は3〜
50g/l程度とし、好ましくは10〜20g/l程度
とする。糖類の含有量が3g/l未満では無電解銅めっ
き皮膜の形成が不十分であり、次工程での電気めっきの
析出性が悪くなるので好ましくない。一方、50g/l
を上回ると、無電解銅めっき液の安定性が低下すると共
に、電気めっき皮膜の外観不良を発生し易くなるので好
ましくない。
【0049】該無電解銅めっき液に配合する錯化剤とし
ては、ヒダントイン類、有機カルボン酸類等を用いるこ
とができる。ヒダントイン類の具体例としては、ヒダン
トイン、1−メチルヒダントイン、1,3−ジメチルヒ
ダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、アラント
イン等を挙げることができ、有機カルボン酸類の具体例
としては、クエン酸、酒石酸、コハク酸及びこれらの塩
類等を挙げることができる。錯化剤は、一種単独又は二
種以上混合して用いることができる。
【0050】錯化剤の配合量は、2〜50g/l程度と
し、好ましくは10〜40g/l程度とする。配合量が
2g/l未満では錯化力が不十分となって銅の溶解力が
不足するので好ましくない。一方、50g/lを上回る
と、銅の溶解性は向上するが、経済的に不利であり、排
水処理性も悪くなるので好ましくない。
【0051】特に、上記無電解めっき液では、還元力の
弱い糖類を還元剤として用いることにより、めっき液の
安定性を低下させることなく、比較的弱い錯化力を有す
るヒダントイン類を錯化剤として用いることができる。
この様な比較的弱い錯化力を有するヒダントイン類を錯
化剤として配合しためっき液は、析出性が良好となり、
又排水処理も容易となる。更に、このヒダントイン類
は、前工程の触媒液から持ち込まれる錫塩に対しても弱
い錯化力を示し、錫塩の持ち込みによる弊害を防止する
ことができる。このため、錯化剤としては、ヒダントイ
ン類を単独で用いるか、或いは、ヒダントイン類と有機
カルボン酸類とを混合して用いる場合には、有機カルボ
ン酸類の配合量をヒダントイン類の配合量の50重量%
以下、好ましくは20重量%以下とすることが特に好適
である。
【0052】上記無電解銅めっき液には、更に、アルカ
リ金属水酸化物を配合することが必要である。アルカリ
金属水酸化物としては、入手の容易性、コストなどの点
から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム等を用いることが適当である。アルカリ金属水酸化
物は、一種単独又は適宜混合して用いることができる。
アルカリ金属水酸化物の配合量は、10〜80g/l程
度とし、好ましくは30〜50g/l程度とする。アル
カリ金属水酸化物の配合量が10g/l未満では、無電
解銅めっき皮膜の形成が不十分であり、次工程での電気
めっきにおいて、低電流密度域のめっきの析出性が悪く
なるので好ましくない。一方、アルカリ金属水酸化物の
配合量が80g/lを上回ると、濃度の上昇に従って銅
の溶解性が低下し、めっき液の安定性が悪くなるので好
ましくない。
【0053】尚、該無電解銅めっき液では、上記した各
成分の配合割合の範囲内において、めっき浴のpHが1
0.0〜14.0の範囲、好ましくは11.5〜13.
5の範囲となるように、使用成分の組み合わせ、具体的
な配合割合などを適宜調整することが好ましい。
【0054】上記無電解銅めっき液には、更に、必要に
応じて、安定剤として黄血塩、ロダン塩等を配合できる
が、特に、該無電解めっき液は、安定性が非常に良好で
あるので、安定剤を使用しないか、又は安定剤を使用す
る場合にも、非常に弱い安定剤であるタンニン酸、ロダ
ニン等を数mg/l程度の少量配合するだけで、良好な
安定性を維持できる。
【0055】上記した無電解銅めっき液による処理工程
では、無電解銅めっき液の液温を、20〜70℃程度、
好ましくは35〜50℃程度とし、このめっき液中に被
処理物を30秒〜20分程度、好ましくは3〜5分程度
浸漬すればよい。めっき液の液温が20℃未満では無電
解めっき皮膜の形成が不十分であり、一方70℃を上回
るとめっき液の安定性が低下するので好ましくない。ま
た、めっき液中への浸漬時間が30秒未満では、無電解
銅めっき皮膜の形成が不十分であり、一方、20分を上
回っても、最適範囲以上の効果が認められず、生産性が
低下するので好ましくない。
【0056】この工程により、被処理物であるプラスチ
ック容器表面に非常に薄い膜厚の導電性皮膜が形成さ
れ、この皮膜上に直接電気銅めっきを行うことが可能と
なる。この導電性皮膜は、全体が完全に銅のめっき皮膜
となったものではなく、皮膜を王水で溶解し、これをI
CPを用いて分析した結果によれば、表面析出物中に
は、銅、パラジウム及び錫の存在が確認された。
【0057】上記した方法に従ってプラスチック容器に
導電性皮膜を形成した後、電気銅めっきを行うことによ
って、電磁波シールド層となる電気銅めっき皮膜を形成
できる。
【0058】電気銅めっき皮膜を形成するために用いる
電気銅めっき液については、特に限定はなく、シアン化
銅めっき浴、硫酸銅めっき浴、ピロリン酸銅めっき浴等
の公知の電気銅めっき液を使用できる。このうち、形成
される電気銅めっき皮膜のレベリング性、光沢、排水処
理の容易性等の点からは、硫酸銅めっき浴、ピロリン酸
銅めっき浴等が好ましく、特に硫酸銅めっき浴が好まし
い。
【0059】硫酸銅めっき浴としては、例えば、硫酸銅
200〜250g/l程度、98%硫酸45〜60g/
l程度及び塩素イオン15〜50mg/l程度を含む水
溶液を例示できる。硫酸銅めっき浴を用いる場合のめっ
き条件については、通常のめっき条件と同様でよく、例
えば、浴温度20〜30℃程度、陰極電流密度1〜5A
/dm2程度で空気撹拌下にめっきを行えばよい。硫酸
銅めっき浴には、公知の添加剤を配合することができ
る。例えば、形成される銅めっき皮膜に良好なレベリン
グ特性を付与し、耐腐食性を向上させるためには、アゾ
化アリザリンサフィロールの重合体を0.05〜0.2
g/l程度添加することができる。
【0060】ピロリン酸銅めっき浴としては、例えば、
ピロリン酸銅85〜105g/l(銅分30〜38g/
l)程度、ピロリン酸カリウム300〜375g/l程
度及びアンモニア水2〜5ml/l程度を含むpH8.
5〜9程度の水溶液を例示できる。ピロリン酸銅めっき
浴を用いる場合のめっき条件については、通常のめっき
条件と同様でよく、例えば、浴温度50〜60℃程度、
陰極電流密度1.5〜3A/dm2程度で空気撹拌下に
めっきを行えばよい。
【0061】上記した電気めっき法によって厚さ5〜1
5μm程度の銅めっき皮膜からなる電磁波シールド層を
形成することにより、広域周波数帯にも対応した優れた
電磁波シールド効果を有し、更に、耐腐食性、電子機器
の重量増加の抑制、経済性の全てについて優れた特性を
有するプラスチック容器が得られる。
【0062】本発明では、電気銅めっき皮膜を形成した
プラスチック容器に、更に、電気ニッケルめっき皮膜及
び電気クロムめっき皮膜を順次形成することによって、
電磁波シールド層の耐腐食性をより一層向上させること
ができる。これにより、電磁波シールド層の腐食による
電磁波シールド特性の低下を抑制でき、更に腐食生成物
による機器の故障を防止できる。また、電磁波シールド
層の最外層にクロムめっき層を形成することによって、
塗装等による美観とは異なった優れた美観を有するプラ
スチック容器、ひいては優れた美観を有する電子機器を
得ることができる。
【0063】電気ニッケルめっき皮膜の膜厚は、0.5
〜10μm程度とすることが適切であり、これを下回る
と十分な腐食防止効果を発揮できず、一方、これを上回
っても耐腐食性をより向上させる効果は少なく、機器全
体の重量増となるので、好ましくない。
【0064】電気ニッケルめっき皮膜を形成するために
用いる電気ニッケルめっき液については、特に限定はな
く、ワット浴、スルファミン酸ニッケルめっき浴、ベロ
アニッケルめっき浴、サチライトニッケルめっき浴等の
公知の電気ニッケルめっき液を使用できる。このうち、
光沢の良好なニッケルめっき皮膜を形成するには、ワッ
ト浴に光沢剤を添加しためっき液が好ましい。この様な
めっき液としては、硫酸ニッケル(NiSO4・6H
2O)250〜370g/l程度、塩化ニッケル(Ni
Cl2・6H2O)40〜60g/l程度及びホウ酸(H
3BO3)30〜50g/l程度を含有し、更に、添加剤
として1,4−ブチンジオール0.01〜0.5g/l
程度とサッカリン0.5〜10g/l程度を含有するp
H3.5〜5程度の水溶液を例示できる。このめっき浴
を用いる場合のめっき条件については、通常のめっき条
件と同様でよく、例えば、浴温度40〜70℃程度、陰
極電流密度2〜10A/dm2程度で空気撹拌下にめっ
きを行えばよい。
【0065】電気クロムめっき皮膜の膜厚は、0.02
〜0.5μm程度とすることが適切であり、これを下回
ると十分な腐食防止効果及び美観を発揮できず、一方、
これを上回るとめっき皮膜が硬くなり、めっき皮膜の密
着性が低下するので好ましくない。
【0066】電気クロムめっき皮膜を形成するために用
いる電気クロムめっき液については、公知のめっき液を
使用でき、例えば、サージェント浴を好適に使用でき
る。このめっき液としては、クロム酸200〜300g
/l程度及び98%硫酸2〜3g/l程度を含有する水
溶液を例示できる。サージェント浴を用いる場合のめっ
き条件については、例えば、浴温度45〜55℃程度、
陰極電流密度20〜60A/dm2程度とすればよい。
【0067】上記した方法によって、プラスチック容器
に厚さ5〜15μmの電気銅めっき皮膜を形成し、更
に、電気ニッケルめっき皮膜及び電気クロムめっき皮膜
を順次形成することによって、広域周波数帯にも対応し
た優れた電磁波シールド効果を有し、更に、より一層向
上した耐腐食性と優れた美観を有する電磁波シールド層
が形成されたプラスチック容器が得られる。
【0068】本発明の方法によって電磁波シールド層が
形成されたプラスチック容器は、電磁波シールド効果が
要求される各種電子機器の容器として、或いは、電子部
品を搭載し回路形成された基板の中で、特に電磁波をシ
ールドする必要のある部分のカバー等として、有効に使
用できる。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、広域周波数帯にも対応
した優れた電磁波シールド効果を有し、更に耐腐食性、
電子機器の重量増加の抑制効果、経済性の全ての点につ
いて良好なプラスチック容器が得られる。特に、電気銅
めっき皮膜上に電気ニッケルめっき皮膜と電気クロムめ
っき皮膜を積層する場合には、より一層向上した耐腐食
性と優れた美観を有するプラスチック容器が得られる。
【0070】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げるが、本発明は
本実施例に限定されるものではない。
【0071】実施例1 三菱レイヨン(株)製のABS樹脂成形品(120×1
20×3mm)を被処理物として、次の工程順にめっき
処理を行った。各処理の間には、水洗処理を行った。 (1)脱脂処理 アルカリ性脱脂剤(奥野製薬工業(株)製エースクリー
ンA−220(商標名)50g/l水溶液)中に50℃
で5分間浸漬 (2)エッチング処理 無水クロム酸400g/l及び98%硫酸400g/l
を含む水溶液中にに67℃で10分間浸漬 (3)中和 35%塩酸50ml/l水溶液中に25℃で2分間浸漬 (4)触媒付与 パラジウムの塩化第一錫保護コロイド溶液からなる触媒
液(奥野製薬工業(株)製キャタリストC(商標名)4
0ml/l及び35%塩酸180ml/lを含有する水
溶液)中にに30℃で3分間浸漬 (5)活性化 98%硫酸を100ml/l含有する水溶液中にに40
℃で3分間浸漬 (6)導電性皮膜形成 酒石酸塩タイプのアルカリ性自己触媒型無電解銅めっき
液(奥野製薬工業(株)製、化学銅500A(商標名)
125ml/l及び化学銅500B(商標名)125m
l/lを含有する水溶液)中に25℃で8分間浸漬し
て、膜厚0.2μmの無電解銅めっき皮膜からなる導電
性皮膜を形成 (7)酸活性 98%硫酸を20ml/l含有する水溶液中に25℃で
2分間浸漬 (8)電気銅めっき 硫酸銅220g/l、98%硫酸50g/l及び塩素イ
オン30mg/lを含む水溶液からなる硫酸銅めっき浴
を用いて、浴温度25℃、陰極電流密度3A/dm2
15分間めっきを行ない、膜厚7μmの電気銅めっき皮
膜を形成 上記した(1)〜(8)の処理を順次行った後、純水を
用いて水洗し、乾燥することによって、ABS樹脂成形
品に電磁波シールド層を形成した。
【0072】実施例2 実施例1と同じ素材を用い、(1)〜(8)の処理を実
施例1と同様に行った後、更に、下記の工程でめっき処
理を行った。 (9)電気ニッケルめっき 硫酸ニッケル300g/l、塩化ニッケル50g/l及
びホウ酸40g/lを含有する電気ニッケルめっき浴を
用いて、浴温度50℃、陰極電流密度3A/dm2で1
0分間めっきを行ない、膜厚3μmの電気ニッケルめっ
き皮膜を形成 (10)電気クロムめっき クロム酸250g/l程度及び98%硫酸2.5g/l
程度を含有するサージェント浴を用いて、浴温度40
℃、陰極電流密度15A/dm2で2分間めっきを行な
い、膜厚0.2μmの電気クロムめっき皮膜を形成 上記した(1)〜(10)の処理を順次行った後、純水
を用いて水洗し、乾燥することによって、ABS樹脂成
形品に電磁波シールド層を形成した。
【0073】実施例3 実施例1と同じ素材を用い、下記の工程で導電性皮膜を
形成した。 (1)脱脂処理 アルカリ性脱脂剤(奥野製薬工業(株)製CRPクリー
ナー(商標名)50g/l水溶液)中に50℃で5分間
浸漬 (2)エッチング処理 無水クロム酸400g/l及び98%硫酸400g/l
を含む水溶液中にに67℃で10分間浸漬 (3)中和 35%塩酸50ml/l水溶液中に25℃で2分間浸漬 (4)プリディップ 35%塩酸100ml/l水溶液中に25℃で1分間浸
漬 (5)触媒付与 パラジウム化合物及び第一錫化合物を含有する強酸性コ
ロイド溶液(奥野製薬工業(株)製、CRPキャタリス
ト(商標名))中に35℃で5分間浸漬 (6)導電性皮膜形成 銅化合物、糖類、錯化剤及びアルカリ金属水酸化物を含
有するアルカリ性の自己触媒型無電解銅めっき液(奥野
製薬工業(株)製、CRPセレクター(商標名))中に
40℃で5間浸漬して、厚さ150Åの黒色の導電性皮
膜を形成 以上の方法で導電性皮膜を形成した後、実施例2と同様
にして、(8)電気銅めっき〜(10)電気クロムめっ
きの各処理を順次行った後、純水を用いて水洗し、乾燥
することによって、ABS樹脂成形品に電磁波シールド
層を形成した。
【0074】比較例1 実施例1と同じ素材を用い、(1)〜(5)の処理を実
施例1と同様に行った後、更に、下記の工程でめっき処
理を行った。 (6)無電解銅めっき 高温厚付けタイプの自己触媒型無電解銅めっき液(奥野
製薬工業(株)製TSP−810No.1(商標名)1
5ml/l、TSP−810No.2(商標名)30m
l/l、TSP−810No.3(商標名)1ml/
l、TSP−810No.4(商標名)200ml/l
を含有する水溶液)中に50℃で20分間浸漬して、膜
厚1.5μmの無電解銅めっき皮膜を形成 (7)無電解ニッケルめっき 酸性タイプの自己触媒型無電解ニッケルめっき液(奥野
製薬工業(株)製TSP−48ニッケルA(商標名)1
00ml/l、TSP−48ニッケルC(商標名)20
0ml/lを含有する水溶液)中に55℃で5分間浸漬
して、膜厚0.25μmの無電解ニッケルめっき皮膜を
形成 上記した(1)〜(7)の処理を順次行った後、純水を
用いて水洗し、乾燥することによって、ABS樹脂成形
品に電磁波シールド層を形成した。
【0075】上記した実施例1〜3及び比較例1の各試
料について、アドバンテスト社製TR−17301を用
いて、300MHz及び1GHzにおける電界シールド
効果を測定した。又、下記の条件による塩水噴霧試験又
は耐湿試験を行った後、同様の方法により電界シールド
効果を測定した。結果を下記表1に示す。 *塩水噴霧試験 5%NaCl水溶液を用い、35℃で72時間噴霧試験
を行った。 *耐湿試験 温度40℃、湿度95%RHの条件下に336時間放置
した。
【0076】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB13E AB16D AB17B AB17C AK01A AK74A AR00B BA03 BA05 BA07 BA10C BA10E DA01 EH71C EH71D EH71E EJ15A EJ64A EJ85A GB41 GB48 JB02 JD08 JG01B YY00C 5E321 AA01 BB23 BB25 GG05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック容器に導電性皮膜を形成した
    後、電気めっき法によって厚さ5〜15μmの銅めっき
    皮膜を形成することを特徴とするプラスチック容器に電
    磁波シールド層を形成する方法。
  2. 【請求項2】プラスチック容器に導電性皮膜を形成した
    後、電気めっき法によって厚さ5〜15μmの銅めっき
    皮膜を形成し、次いで、電気めっき法によってニッケル
    めっき皮膜及びクロムめっき皮膜を順次形成することを
    特徴とする電磁波シールド層を形成する方法。
  3. 【請求項3】導電性皮膜を形成する方法が、貴金属化合
    物及び第一錫化合物を含有するコロイド溶液を用いてプ
    ラスチック容器に無電解めっき用触媒を付与した後、該
    プラスチック容器を、銅化合物、還元性を有する糖類、
    錯化剤及びアルカリ金属水酸化物を含有する無電解銅め
    っき液に接触させる方法である請求項1又は2に記載の
    電磁波シールド層を形成する方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかの方法によって電
    磁波シールド層が形成されたプラスチック容器。
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