JP2001251084A - 電磁波シールド層の形成方法 - Google Patents

電磁波シールド層の形成方法

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JP2001251084A
JP2001251084A JP2000062137A JP2000062137A JP2001251084A JP 2001251084 A JP2001251084 A JP 2001251084A JP 2000062137 A JP2000062137 A JP 2000062137A JP 2000062137 A JP2000062137 A JP 2000062137A JP 2001251084 A JP2001251084 A JP 2001251084A
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plating
film
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Kazuya Sato
一也 佐藤
Haruhiko Okuno
晴彦 奥野
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Okuno Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Okuno Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラスチック容器に対して、高い電磁波シール
ド特性と優れた耐食性を兼備する電磁波シールド層を簡
単に形成できる方法を提供する。 【解決手段】プラスチック容器に、無電解銅めっき皮膜
及び無電解ニッケルめっき皮膜を順次形成し、次いで、
無電解金めっき皮膜及び無電解銀めっき皮膜から選ばれ
た少なくとも一種のめっき皮膜を形成することを特徴と
するプラスチック容器に電磁波シールド層を形成する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】ノートパソコン、携帯電話等
の電子機器に使用されるプラスチック容器に電磁波シー
ルド層を形成する法、及び電磁波シールド層が形成され
たプラスチック容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年における電子機器の発達はめざまし
く、ワープロ、パソコン、テレビゲームさらには携帯電
話などが市場にあふれている。これら機器の筐体(ハウ
ジング,カバーケース等)は、意匠性、量産性、軽量
化、コスト面を考慮するとき、そのほとんどがプラスチ
ック製である。
【0003】ところが、プラスチック自体には電磁波を
遮断する能力がないために、電子機器より発生する電磁
波が、電子機器に障害を引き起こす原因となり、これが
大きな問題となっている。又、携帯電話においては特に
電話機より発生する電磁波の身体に及ぼす影響が懸念さ
れている。
【0004】従来、プラスチック製の容器に電磁波を遮
断する能力を付与する方法(電磁波シールド法)とし
て、次の様な方法が検討されてきた。
【0005】ニッケル粉末等導電性粉末を混合した塗
料をプラスチックに塗布する方法。
【0006】この方法は簡便ではあるが、シールド効果
が不十分である。また、一般にこの塗料の色調は美感を
損なうものであり、人の眼に触れない容器の裏面に施さ
れているだけである。
【0007】プラスチックそのものに導電性粉末(た
とえばニッケル粉末)を混合して成形し、導電性プラス
チックで容器を作成する方法。
【0008】この方法もシールド効果が不十分であり、
より優れたシールド効果を望む場合、その充填量を増大
させす必要があり、プラスチックの強度劣化を招くとい
う欠点がある。
【0009】物理的にプラスチック表面に金属皮膜を
形成する方法。
【0010】例えば、真空蒸着法によりアルミニウム膜
を形成する方法があるが、この方法は特別の装置を必要
とし、量産性に乏しく、又密着性についても難点があ
る。また、薄い銅箔をプラスチック容器の内側に貼り付
ける方法もあるが、この方法も量産性に乏しいという欠
点がある。
【0011】最近では、無電解めっき方法によってプラ
スチック容器上に銅又はニッケル金属皮膜を形成させる
方法が実際に業界において多く採用されている。この様
な無電解めっきを利用する方法としては、たとえば、シ
ート上に無電解めっきを施したものを必要部分に貼り付
ける方法(特開平10−163673号)、部分的にプ
ラスチックに無電解めっきを施す方法(特開平5−37
172号)、特殊プラスチック成形品に無電解めっきを
施す方法(特開平6−279602号)などが報告され
ている。
【0012】これら無電解めっきによる方法は、形成さ
れる皮膜は、電磁波シールド効果を有し、密着性も良
く、量産も可能である。しかしながら、近年、電子機器
の小型化、すなわち半導体素子の小型化、チップコンデ
ンサーやチップ抵抗の小型化、実装技術、配線技術の高
密度化が増々進行している。かかる実状を考慮すると
き、より遮蔽性の高い電磁波シールド方法が望まれてい
る。又電磁波シールド層の腐食による金属粒子等の脱落
は機器の故障の原因ともなり問題視されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
プラスチック容器に対して、高い電磁波シールド特性と
優れた耐食性を兼ね備えた電磁波シールド層を簡単に形
成できる方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した目
的を達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、プラスチック
容器表面の最上層に、金めっき皮膜又は銀めっき皮膜を
形成することにより、高い電磁波シールド効果が得られ
ることを見出した。そして、斯かる知見に基づいて更に
検討を重ねた結果、プラスチック容器の表面に無電解銅
めっき層を形成した後、無電解ニッケルめっき層を形成
し、その後、金めっき皮膜及び銀めっき皮膜から選ばれ
た少なくとも一種のめっき皮膜を形成することによっ
て、高い電磁波シールド特性と優れた耐食性を兼ね備え
た電磁波シールド層を簡単に形成できることを見出し、
ここに本発明を完成するに至った。
【0015】即ち、本発明は、下記の電磁波シールド層
を形成する法、及び電磁波シールド層が形成されたプラ
スチック容器に関する。 1.プラスチック容器に、無電解銅めっき皮膜及び無電
解ニッケルめっき皮膜を順次形成し、次いで、無電解金
めっき皮膜及び無電解銀めっき皮膜から選ばれた少なく
とも一種のめっき皮膜を形成することを特徴とするプラ
スチック容器に電磁波シールド層を形成する方法。 2.プラスチック容器に、無電解銅めっき皮膜及び無電
解ニッケルめっき皮膜を順次形成し、次いで、無電解金
めっき皮膜及び無電解銀めっき皮膜から選ばれた少なく
とも一種のめっき皮膜を形成した後、クロメート皮膜を
形成することを特徴とするプラスチック容器に電磁波シ
ールド層を形成する方法。 3.上記項1又は上記項2の方法によって、電磁波シー
ルド層が形成されたプラスチック容器。 4.無電解銅めっき皮膜の膜厚が0.5〜3μm、無電
解ニッケルめっき皮膜の膜厚が0.2〜1.5μm、無
電解金めっき皮膜及び無電解銀めっき皮膜から選ばれた
少なくとも一種のめっき皮膜の膜厚が0.05〜0.2
μmである上記項3に記載のプラスチック容器。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプラスチック容器
に電磁波シールド特性を付与する方法について詳細に説
明する。
【0017】本発明において処理対象とするプラスチッ
ク容器とは、電子機器において、電磁波の発生源となる
部分を覆う容器である。通常は、電子機器の最外郭を形
成する筐体、ハウジング等と称されるプラスチック製の
容器であるが、電子部品を搭載し回路形成された基板の
中で、特に電磁波をシールドする必要のある部分をカバ
ーするような形態の容器も含まれる。又は、完全に被覆
する形状に限定されず、一部が開放された形状のもので
あっても良い。
【0018】電磁波シールド層は、プラスチック容器の
内側面、即ち部品搭載回路基板側の面又は外側面のいず
れかに形成すればよいが、両面に形成してもよく、或い
は、電磁波シールド効果が要求される部分のみに部分的
に形成してもよい。また、塗料や他の電磁波シールド効
果を有する層と併用しても良い。プラスチック容器の一
部にのみ電磁波シールド層を形成する場合には、例え
ば、常法に従って、電磁波シールド層を形成しない部分
にめっきレジスト皮膜を形成すればよい。
【0019】プラスチックの種類については、特に限定
されるものではなく、無電解めっきによって密着力の良
好な金属層の形成が可能なものであれば、何れも使用で
きる。たとえば、ABS樹脂、ポリカーボネート(P
C)樹脂、PC/ABSアロイ樹脂、PC/アクリルゴ
ム(ASA)アロイ樹脂、ナイロン樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、ノリル樹脂等を例示できる。これらプラスチッ
クの中でも特にめっき用グレードを選択するのが好まし
い。無電解めっきの容易性からすると特にABS樹脂、
PC/ABSアロイ樹脂、PC/ASAアロイ樹脂が好
ましい。
【0020】以下、プラスチック容器に電磁波シールド
層を形成する工程を説明する。
【0021】まず、常法に従って、プラスチック容器に
対して無電解めっきのための前処理を行う。前処理方法
については、特に限定的ではなく、使用するプラスチッ
クの種類に応じて公知の前処理方法を採用すればよい。
【0022】通常は、まず、指紋、油脂等の有機物、静
電気作用による塵等の付着物等を除去するために、被処
理物の表面を洗浄する。処理液としては、公知の脱脂剤
を用いればよく、例えば、アルカリタイプの脱脂剤等を
使用して、常法に従って脱脂処理を行えばよい。
【0023】次いで、必要に応じて、被処理物の表面を
エッチングする。この工程は、選択的にプラスチック表
面を溶解してアンカー効果を生じさせるものであり、こ
の処理により、めっき皮膜の密着性、外観などを向上さ
せることができる。
【0024】エッチング処理は、使用するプラスチック
スの種類に応じて、常法に従って処理を行えばよい。例
えば、ABS樹脂のプラスチック容器を被処理物とする
場合には、クロム酸350g/l〜450g/l程度及
び98%硫酸350g/l〜450g/l程度、好まし
くは、クロム酸380〜420g/l程度及び98%硫
酸380〜420g/l程度を含有する水溶液からなる
エッチング液に、60℃〜70℃程度で5分〜15分程
度、好ましくは、65〜70℃程度で8〜12分程度浸
漬すればよい。
【0025】次に、被処理物表面に残存するクロム酸等
のエッチング液を除去するために洗浄を行う。この場
合、希薄塩酸溶液や重亜硫酸ナトリウム等の還元剤を含
有する溶液を用いて洗浄処理を行うことによって、被処
理物の表面に残存するクロム酸の除去が容易になる。
【0026】次いで、水洗後、プラスチック容器の表面
に、無電解めっきにより金属層の析出を可能にする触媒
を付与する。
【0027】触媒を付与する方法としては、通常、無電
解めっき用の触媒付与方法として公知の方法を採用すれ
ばよく、例えば、センシタイジング−アクチベーション
法、キャタリスト−アクセレレーター法、アルカリキャ
タリスト法などの方法により、パラジウム等の触媒活性
を有する金属を含む公知の触媒液に被処理物を浸漬すれ
ばよい。触媒液の具体例としては、塩化パラジウム0.
05g/l〜0.15g/l程度及び塩化第一スズ5g
/l〜10g/l程度を含む塩酸酸性水溶液を挙げるこ
とができ、この触媒液を用いる場合には、液温20℃〜
40℃程度の触媒液中に被処理物を1分〜5分程度に浸
漬すればよい。
【0028】ついで、無電解銅めっきを行う。無電解銅
めっき浴の種類については特に限定はなく、公知の無電
解銅めっき液を用いることができる。この様な無電解銅
めっき液としては、銅金属塩、錯化剤、還元剤、水酸化
アルカリ及び安定剤を含む自己触媒型無電解銅めっき液
を例示できる。特に、無電解銅めっき液としては、でき
るだけ単位時間あたりの銅の析出量の大きいものが好ま
しい。
【0029】無電解銅めっき皮膜の膜厚は、0.5μm
〜3μm程度とすることが好ましく、1μm〜2μm程
度とすることがより好ましい。無電解銅めっき皮膜の膜
厚が薄すぎる場合には、電磁波シールド効果が不足し易
いので好ましくない。一方、無電解銅めっき皮膜が厚す
ぎてもシールド効果の増大がそれ程望めなく不経済であ
る。
【0030】無電解銅めっき液の具体例としては、硫酸
銅6〜12g/l程度、EDTA塩15〜30g/l程
度、ホルマリン(37%ホルムアルデヒド溶液)2〜5
g/l程度、苛性ソーダ5〜10g/l程度、安定剤
0.2〜2ppm程度を含む水溶液を挙げることができ
る。
【0031】無電解銅めっきの条件は、使用する無電解
銅めっき液の種類に応じて、必要な膜厚の無電解銅めっ
き皮膜が形成されるように適宜決めれば良く、例えば、
上記した無電解銅めっき液を用いる場合には、液温40
℃〜55℃程度で、めっき時間10分〜20分程度の範
囲において、必要な膜厚の銅めっき皮膜が形成されるま
でめっきを行えばよい。
【0032】次いで、無電解銅めっき皮膜を形成した
後、無電解ニッケルめっき皮膜を形成する。
【0033】この場合、無電解銅めっき皮膜上に無電解
ニッケルめっき皮膜を直接形成することは困難であるた
め、通常は、無電解ニッケルめっきに先立って、無電解
銅めっき皮膜上に無電解めっき用の触媒を付与する。触
媒の付与方法は、無電解銅めっき処理の前に行う触媒付
与方法と同様でよいが、特に、塩化パラジウムを10〜
500ppm程度、好ましくは50〜100ppm程度
含有する塩酸水溶液を用い、10〜35℃程度の処理液
中に被処理物を1〜5分間程度浸漬して触媒を付与する
方法によれば、簡単な方法によって、密着性の良好な無
電解ニッケルめっき皮膜を形成できる。また、触媒を付
与する方法に代えて、無電解ニッケルめっき液中に被処
理物を浸漬して、めっき反応が開始されるまで、0.2
〜0.5A/dm2程度の微電流を通電し、その後通電
を停止して無電解ニッケルめっきを行っても良い。
【0034】無電解ニッケルめっき皮膜は、銅めっき皮
膜の腐食防止とともに、次工程における無電解金めっき
皮膜又は無電解銀めっき皮膜の析出性を良好にする働き
をするものと考えられる。
【0035】無電解ニッケルめっき皮膜の膜厚は、0.
2μm〜1.5μm程度とすることが好ましく、0.3
μm〜1μm程度とすることがより好ましい。膜厚が薄
すぎると耐腐食性向上の効果が十分でなく、しかも次工
程において無電解金めっき又は無電解銀めっきの析出が
スムーズに進行しない。一方、膜厚が厚すぎても、これ
らの効果の向上を望めないので、不経済である。
【0036】無電解ニッケルめっき液の種類についても
特に限定はなく、公知の自己触媒型無電解ニッケルめっ
き液を用いればよく、例えば、ニッケル金属塩、錯化
剤、還元剤及び安定剤を含む、酸性タイプの浴又はアル
カリ性タイプの浴を用いることができる。
【0037】アンモニアアルカリ性の無電解ニッケルめ
っき浴の具体例としては、硫酸ニッケル20〜30g/
l程度、クエン酸ナトリウム10〜30g/l程度、次
亜リン酸ナトリウム10〜25g/l程度、硫酸アンモ
ニウム5〜10g/l程度及びチオ尿素0.5〜2mg
/l程度含み、アンモニア水でpHを8〜10程度に調
整した浴を例示でき、酸性の無電解ニッケルめっき浴と
しては、硫酸ニッケル20〜30g/l程度、乳酸5〜
20g/l程度、プロピオン酸5〜20g/l程度、次
亜リン酸ナトリウム10〜25g/l程度及びジチオカ
ルバミン酸ソーダ0.2〜2mg/l程度を含む、pH
4.5〜5.5程度の浴を例示できる。
【0038】無電解ニッケルめっきの条件は、使用する
無電解ニッケルめっき液の種類に応じて、必要な膜厚の
無電解ニッケルめっき皮膜が形成されるように適宜決め
れば良く、例えば、上記したアンモニアアルカリ性の無
電解ニッケルめっき浴では、液温35℃〜45℃程度、
酸性の無電解ニッケルめっき浴では、液温50〜60℃
程度として、めっき時間は5分〜10分程度の範囲より
必要膜厚に応じて適宜決めればよい。
【0039】ついで、無電解銅めっき皮膜及び無電解ニ
ッケルめっき皮膜を順次形成した後、無電解金めっき皮
膜及び無電解銀めっき皮膜から選ばれた少なくとも一種
のめっき皮膜を形成する。これにより、めっき皮膜の耐
腐食性が向上するとともに、電磁波シールド効果も増大
する。無電解金めっき皮膜と無電解銀めっき皮膜は、い
ずれか一方だけを形成しても良く、或いは、両方を任意
の順に積層しても良い。
【0040】無電解金めっき皮膜及び無電解銀めっき皮
膜から選ばれた少なくとも一種のめっき皮膜の膜厚は、
0.05μm〜0.2μm程度とすることが好ましく、
0.05μm〜0.1μm程度とすることがより好まし
い。膜厚が薄すぎる場合には、耐腐食性や電磁波シール
ド効果が十分でなく、膜厚があまり厚すぎても、これら
の効果のそれ以上の増大を望めず不経済である。
【0041】無電解金めっき液の種類については、特に
限定はなく、置換反応により金を析出させる置換型無電
解金めっき液、還元剤を用いる自己触媒型無電解金めっ
き液のいずれを用いても良い。
【0042】置換型の無電解金めっき液としては、シア
ン化金カリウム3〜7g/l程度、チオ尿素20〜30
g/l程度、クエン酸アンモニウム20〜30g/l程
度、塩化コバルト20〜30g/l程度を含む水溶液を
例示できる。自己触媒型の無電解金めっき液としては、
シアン化金カリウム3〜7g/l程度、シアン化カリウ
ム10〜15g/l程度、水酸化カリウム10〜15g
/l程度及びジメチルアミンボラン10〜20g/l程
度を含む水溶液を例示できる。
【0043】無電解金めっきの条件についても、使用す
る無電解金めっき液の種類に応じて、必要な膜厚の無電
解金めっき皮膜が形成されるように適宜決めれば良く、
例えば、上記した置換型の無電解金めっき液では、液温
60℃〜90℃程度のめっき液中に被処理物を10分〜
30分程度浸漬すれば良く、自己触媒型の無電解金めっ
き液については、液温60℃〜75℃程度のめっき液中
に被処理物を10分〜20分程度浸漬すればよい。
【0044】無電解銀めっき液の種類についても、特に
限定はなく、公知の無電解銀めっき液を用いればよい。
無電解銀めっき液としては、硝酸銀25〜35g/l程
度、アンモニア水5〜10g/l程度及びロッシエル塩
20〜30g/l程度を含む水溶液を例示できる。
【0045】無電解銀めっきの条件についても、使用す
る無電解銀めっき液の種類に応じて、必要な膜厚の無電
解金めっき皮膜が形成されるように適宜決めれば良く、
例えば、上記した無電解銀めっき液では、液温20℃〜
40℃程度のめっき液中に被処理物を10分〜20分程
度浸漬すれば良い。
【0046】尚、各無電解めっき処理の間には、形成さ
れためっき皮膜の表面を活性化するために、例えば、希
硫酸水溶液等の希酸溶液に被処理物を浸漬することが好
ましい。
【0047】上記した方法によって、無電解銅めっき皮
膜及び無電解ニッケルめっき皮膜を形成し、次いで、無
電解金めっき皮膜及び無電解銀めっき皮膜から選ばれた
少なくとも一種のめっき皮膜を形成することによって、
電磁波シールド層を有するプラスチック容器が得られ
る。このプラスチック容器は、優れた電磁波シールド効
果を有し、かつ形成されためっき皮膜は良好な耐腐食性
を有するものとなる。
【0048】本発明では、上記した方法によって無電解
金めっき皮膜及び無電解銀めっき皮膜から選ばれた少な
くとも一種のめっき皮膜を形成した後、更に、この上に
クロメート皮膜を形成することによって、電磁波シール
ド皮膜の耐腐食性をより向上させることができる。これ
により、めっき皮膜にピンホールが形成された場合に
も、ピンホールから腐食が局部的に進行する現象である
孔食が生じ難くなり、電磁波シールド層の腐食による金
属粒子等の脱落に伴う故障の発生を未然に防止すること
ができる。
【0049】クロメート皮膜の形成方法については特に
限定はなく、公知の方法に従えばよく、通常は、クロム
酸塩を含む水溶液からなるクロメート液に被処理物を浸
漬することによってクロメート皮膜を形成できる。
【0050】クロメート液の具体例としては、重クロム
酸カリウム2〜10g/l程度を含む水溶液を例示でき
る。処理条件としては、液温30℃〜50℃程度のクロ
メート液中に被処理物を1分〜5分程度浸漬すればよ
く、この様な処理によって、金めっき皮膜又は銀めっき
皮膜上に均一なクロメート皮膜を形成できる。クロメー
ト皮膜の形成量については特に限定的ではないが、被処
理物の単位面積あたりのクロメート皮膜量は、0.5〜
1.5g/m2程度が適当である。
【0051】本発明の方法により、高い電磁波シールド
特性と優れた耐腐食性を兼ね備えた電磁波シールド層を
有するプラスチック容器を得ることができる。得られた
プラスチック容器は、電磁波シールド効果が要求される
各種電子機器の容器として、或いは、電子部品を搭載し
回路形成された基板の中で、特に電磁波をシールドする
必要のある部分のカバー等として、有効に使用できる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、プラスチック容器に対
して、高い電磁波シールド特性と優れた耐食性を兼ね備
えた電磁波シールド層を簡単に形成できる。また、クロ
メート皮膜を形成した場合には、より優れた耐腐食性を
付与できる。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げるが、本発明は
本実施例に限定されるものではない。
【0054】実施例1 三菱レイヨン(株)製のABS樹脂成形品(120×1
20×3mm)を被処理物として、次の工程順にめっき
処理を行った。各処理の間には、水洗処理を行った。 (1)脱脂処理 アルカリ性脱脂剤(奥野製薬工業(株)製エースクリー
ンA−220(商標名)50g/l水溶液)中に50℃
で5分間浸漬 (2)エッチング処理 無水クロム酸400g/l及び98%硫酸400g/l
を含む水溶液中にに67℃で10分間浸漬 (3)中和 35%塩酸50ml/l水溶液中に25℃で2分間浸漬 (4)触媒付与 パラジウムの塩化第一錫保護コロイド溶液からなる触媒
液(奥野製薬工業(株)製キャタリストC(商標名)4
0ml/l及び35%塩酸180ml/lを含有する水
溶液)中にに30℃で3分間浸漬 (5)活性化 98%硫酸を100ml/l含有する水溶液中にに40
℃で3分間浸漬 (6)無電解銅めっき 高温厚付けタイプの自己触媒型無電解銅めっき液(奥野
製薬工業(株)製TSP−810No.1(商標名)1
5ml/l、TSP−810No.2(商標名)30m
l/l、TSP−810No.3(商標名)1ml/
l、TSP−810No.4(商標名)200ml/l
を含有する水溶液)中に50℃で20分間浸漬して、膜
厚1μmの無電解銅めっき皮膜を形成 (7)酸活性 98%硫酸を20ml/l含有する水溶液中に25℃で
2分間浸漬 (8)触媒活性付与 塩化パラジウムの塩酸水溶液からなる触媒活性化液(奥
野製薬工業(株)製TSPアクチベーターコンク(商標
名)10ml/lを含有する水溶液)中に25℃で2分
間浸漬 (9)無電解ニッケルめっき アンモニアアルカリタイプの自己触媒型無電解ニッケル
めっき液(奥野製薬工業(株)製化学ニッケルA(商標
名)160ml/l、化学ニッケルB(商標名)160
ml/lを含有するpH9の水溶液)中に40℃で5分
間浸漬して、膜厚0.3μmの無電解ニッケルめっき皮
膜を形成 (10)酸活性 98%硫酸を20ml/l含有する水溶液中に25℃で
2分間浸漬 (11)無電解金めっき 自己触媒型無電解金めっき液(奥野製薬工業(株)製O
PCムデンゴールド(商標名)100ml/lを含有す
る水溶液)中に70℃で15分間浸漬して、膜厚0.0
8μmの無電解金めっき皮膜を形成 (12)クロメート皮膜形成 重クロム酸カリウムを5g/l含有する水溶液中に50
℃で2分間浸漬上記した(1)〜(12)の処理を順次
行った後、純水を用いて水洗し、乾燥することによっ
て、ABS樹脂成形品に電磁波シールド層を形成した。
【0055】実施例2 実施例1と同じ素材を用い、(1)〜(5)の処理を実
施例1と同様に行った後、下記の工程でめっき処理を行
った。 (6)無電解銅めっき 中温厚付けタイプの自己触媒型無電解銅めっき液(奥野
製薬工業(株)製OPCカッパーT−G X(商標名)
14ml/l、OPCカッパーT−G Y(商標名)1
00ml/lを含有する水溶液)中に45℃で15分間
浸漬して、膜厚1.2μmの無電解銅めっき皮膜を形成 (7)酸活性 98%硫酸を20ml/l含有する水溶液中に25℃で
2分間浸漬 (8)触媒活性付与 触媒活性化液(奥野製薬工業(株)製TSPアクチベー
ターコンク(商標名)10ml/lを含有する水溶液)
中に25℃で2分間浸漬 (9)無電解ニッケルめっき 酸性タイプの自己触媒型無電解ニッケルめっき液(奥野
製薬工業(株)製TSP−48ニッケルA(商標名)1
00ml/l、TSP−48ニッケルC(商標名)20
0ml/lを含有する水溶液)中に55℃で6分間浸漬
して、膜厚0.5μmの無電解ニッケルめっき皮膜を形
成 (10)酸活性 98%硫酸を20ml/l含有する水溶液に25℃で2
分間浸漬 (11)無電解金めっき 自己触媒型無電解金めっき液(奥野製薬工業(株)製O
PCムデンゴールド(商標名)100ml/lを含有す
る水溶液)中に70℃で20分間浸漬して、膜厚0.0
5μmの無電解金めっき皮膜を形成 (12)クロメート皮膜形成 重クロム酸カリウムを5g/l含有する水溶液中に50
℃で2分間浸漬 上記した(1)〜(12)の処理を順次行った後、純水
を用いて水洗し、乾燥することによって、ABS樹脂成
形品に電磁波シールド層を形成した。
【0056】実施例3 実施例1と同じ素材を用い、実施例1と同条件にて
(9)の無電解ニッケルめっきまで行った後、以下の工
程で処理を行った。 (10)酸活性 98%硫酸を20ml/l含有する水溶液中に25℃で
2分間浸漬 (11)無電解銀めっき 自己触媒型無電解銀めっき液(奥野製薬工業(株)製ム
デンシルバーKSS浴)に35℃で15分間浸漬して、
膜厚0.1μmの無電解銀めっき皮膜を形成 (12)クロメート皮膜形成 重クロム酸カリウムを5g/l含有する水溶液に50℃
で2分間浸漬 上記した(1)〜(12)の処理を順次行った後、純水
を用いて水洗し、乾燥することによって、ABS樹脂成
形品に電磁波シールド層を形成した。
【0057】実施例4 実施例1と同じ素材を用い、実施例1と同様にして
(6)の無電解銅めっきまでの処理を行った後、実施例
1で用いたものと同じ無電解ニッケルめっき液に被処理
物を浸漬し、該被処理物に0.2A/dm2の電流を通
電し、めっき反応がスタートした時点で電流を切断し、
その後、液温40℃で5分間無電解ニッケルめっきを行
った。
【0058】その後、実施例1と同様にして(10)〜
(12)の処理を順次行った後、純水を用いて水洗し、
乾燥することによって、ABS樹脂成形品に電磁波シー
ルド層を形成した。
【0059】比較例1 実施例1と同じ素材を用い、実施例1と同条件にて無電
解ニッケルめっきまで行ったものを比較例1の試料とし
た。
【0060】上記した実施例1〜4及び比較例1の各試
料について、アドバンテスト社製TR−17301を用
いて、300MHzにおける電界シールド効果を測定し
た。又、下記の条件による塩水噴霧試験又は耐湿試験を
行った後、同様の方法により電界シールド効果を測定し
た。結果を下記表1に示す。 *塩水噴霧試験 5%NaCl水溶液を用い、35℃で72時間噴霧試験
を行った。 *耐湿試験 温度40℃、湿度95%RHの条件下に336時間放置
した。
【0061】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA22D AB16C AB17B AB24D AB25D AK01A AK74A BA04 BA07 DA01 EJ15A EJ64A EJ69D EJ85A GB41 GB48 JB02 JD08 YY00B YY00C YY00D 5E321 AA01 BB23 BB25 GG05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック容器に、無電解銅めっき皮膜
    及び無電解ニッケルめっき皮膜を順次形成し、次いで、
    無電解金めっき皮膜及び無電解銀めっき皮膜から選ばれ
    た少なくとも一種のめっき皮膜を形成することを特徴と
    するプラスチック容器に電磁波シールド層を形成する方
    法。
  2. 【請求項2】プラスチック容器に、無電解銅めっき皮膜
    及び無電解ニッケルめっき皮膜を順次形成し、次いで、
    無電解金めっき皮膜及び無電解銀めっき皮膜から選ばれ
    た少なくとも一種のめっき皮膜を形成した後、クロメー
    ト皮膜を形成することを特徴とするプラスチック容器に
    電磁波シールド層を形成する方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2の方法によって、電
    磁波シールド層が形成されたプラスチック容器。
  4. 【請求項4】無電解銅めっき皮膜の膜厚が0.5〜3μ
    m、無電解ニッケルめっき皮膜の膜厚が0.2〜1.5
    μm、無電解金めっき皮膜及び無電解銀めっき皮膜から
    選ばれた少なくとも一種のめっき皮膜の膜厚が0.05
    〜0.2μmである請求項3に記載のプラスチック容
    器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101563880B1 (ko) * 2015-07-13 2015-10-28 엄명옥 전자기기를 위한 기능성 차단소재를 적용한 카드 제조 방법
JP2021082501A (ja) * 2019-11-20 2021-05-27 セーレン株式会社 導電テープおよびその製造方法

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