JP2001250971A - 太陽電池とその製造方法及びそれを用いた時計 - Google Patents

太陽電池とその製造方法及びそれを用いた時計

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JP2001250971A
JP2001250971A JP2000062947A JP2000062947A JP2001250971A JP 2001250971 A JP2001250971 A JP 2001250971A JP 2000062947 A JP2000062947 A JP 2000062947A JP 2000062947 A JP2000062947 A JP 2000062947A JP 2001250971 A JP2001250971 A JP 2001250971A
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solar cell
power generation
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lower electrode
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Osamu Sugiyama
杉山  修
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽電池の発電効率を向上させる。 【解決手段】 透明基板表面に凹凸を形成すると、透明
基板側から入射した光は、凹凸の斜面で屈折、反射を繰
り返し、その進行方向が変わる。凹凸面で反射された光
の一部は、単純に透明基板の外に出るのではなく、屈
折、反射を繰り返して進行方向が変わり、発電層の方向
に進行するようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の一次電
池としての太陽電池の構成に関するものであり、特に時
計を駆動させるための太陽電池の構成と、その製造方
法、および時計の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電池交換のわずらわしさを解消するため
や、地球環境を汚染しないクリーンエネルギー源とし
て、一次電池に太陽電池を使用している電子機器が増え
ている。しかしながら太陽電池が独特の濃紫色を呈する
ために、電子機器のデザインに制約を受けてしまう問題
点がある。
【0003】電子機器として、時計を用いた例を説明す
る。太陽電池を時計の一次電池として用いる例が、たと
えば実開昭57−26090号に記載されている。ガラ
スからなる文字板の裏面に太陽電池を形成する構成にな
っている。しかしこのような構成では、太陽電池の色が
外から見えてしまうため、時計としての外観的な調和を
取ろうとすると、時計のデザインに大きな制約を受ける
ことになり、装飾品としての価値を落としてしまう。
【0004】また、太陽電池の色を見えなくするため
に、太陽電池の受光面側を覆い隠す被覆部材を太陽電池
上に配置して、被覆部材を文字板にすることが提案され
ている。しかしながら、この被覆部材はセラミック材料
やプラスチック材料やガラスのように、透光性を有する
必要があり、金属などの透光性の低い材料は使えない。
したがって、時計のデザインに大きな制約を受けること
となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
課題を解決して、太陽電池素子の色が現れず、電子機器
の外観デザインに制約を与えない太陽電池構造と、その
製造方法と、それを用いた電子機器として時計の構造を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の太陽電池およびその製造方法は、下記記載
の手段を採用する。
【0007】表面平滑な透明基板上に所定の範囲で、設
けてなる下部電極と該下部電極上に設けてなる発電層と
該発電層上に設けてなる上部電極とからなる太陽電池素
子と、当該太陽電池素子に接続する共通電極を有し、全
面に透明保護膜を有する太陽電池であって、下部電極と
接する透明基板表面は凹凸面に形成されてなることを特
徴とする太陽電池を提供可能にする。
【0008】さらに、表面平滑な透明基板上に所定の範
囲で、設けてなる下部電極と該下部電極上に設けてなる
発電層と該発電層上に設けてなる上部電極とからなる太
陽電池素子と、当該太陽電池素子に接続する共通電極を
有し、全面に透明保護膜を有する太陽電池であって、前
記太陽電池素子は所定の間隔を有して線状に形成され、
下部電極と接する透明基板表面は凹凸面に形成されてな
ることを特徴とする太陽電池を提供可能にする。
【0009】ここで、前記透明基板表面の凹凸面は、該
凹凸面の線幅が前記発電層の線幅とほぼ同じに形成され
てなることを特徴とする太陽電池を提供可能にする。
【0010】また、前記透明基板表面の凹凸面は、該凹
凸面の線幅が前記発電層の線幅よりも片側0.5μ〜2
0μ広いことを特徴とする太陽電池を提供可能にする。
【0011】表面平滑な透明基板上に所定の範囲で、設
けてなる下部電極と該下部電極上に設けてなる発電層と
該発電層上に設けてなる上部電極とからなる太陽電池素
子と、当該太陽電池素子に接続する共通電極を有し、全
面に透明保護膜を有する太陽電池であり、前記太陽電池
素子は所定の間隔を有して線状に形成され、下部電極と
接する透明基板表面は凹凸面に形成されてなることを特
徴とする太陽電池の製造方法において、前記透明基板の
表面に凹凸状に凹凸面を形成する工程と、該凹凸面上に
下部電極を形成し発電層を形成しさらに上部電極を形成
する工程と、保護膜を形成する工程とを有することを特
徴とする太陽電池の製造方法を提供可能にする。
【0012】さらに、前記凹凸面を形成する工程は、セ
ラミックス微粒子を前記透明基板上に吹き付ける乾式ブ
ラスト法、セラミックス微粒子と液体の混合物を前記透
明基板に吹き付ける湿式ブラスト法、あるいはエッチン
グ処理であることを特徴とする太陽電池の製造方法を提
供可能にする。ここで、凹凸面は、四角すいや円すいが
並んだような荒れた面を形成すれば足りる。
【0013】上記、製造方法により、透明基板表面に凹
凸を形成することにより、透明基板側から入射した光
は、凹凸の斜面で屈折、反射を繰り返し、その進行方向
が変わる。凹凸面で反射された光の一部は、単純に透明
基板の外に出るのではなく、屈折、反射を繰り返して進
行方向が変わり、発電層の方向に進行するようになる。
すなわち、凹凸を形成することは、透明基板側から入射
した光の反射光量を低減し、発電層に入射する光の量を
増やす効果がある。したがって、太陽電池の発電効率が
向上することにつながる。
【0014】また、凹凸面で屈折、反射されて散乱され
た光は、散乱を受けずに直進する光に比べ、複雑な経路
を通って発電層中を長い距離通過する。これにより、発
電層に吸収される光の量が増え、太陽電池の発電効率が
向上する。
【0015】また、透明基板の表面全部に凹凸を形成す
るのではなく、線状に形成された下部電極の下に凹凸を
形成し、それ以外の下部電極のないところの透明基板表
面は平滑面であるので、凹凸面の面積に対し平滑面の面
積を十分に大きく取れば、透明基板の凹凸によるくもり
は目立たなくなる。したがって外観上、太陽電池全体の
くもりは肉眼で知覚されないないために、製品仕様を満
足させることになる。
【0016】最後に、風防ガラスを有するケースと、指
針を駆動するムーブメントと、文字板を備え、風防ガラ
スと指針の間に、太陽電池を配置してなることを特徴と
する時計であって、前記太陽電池は、表面平滑な透明基
板上に所定の範囲で設けてなる下部電極と該下部電極上
に設けてなる発電層と該発電層上に設けてなる上部電極
とからなる太陽電池素子と、当該太陽電池素子に接続す
る共通電極と、全面に透明保護膜を有する太陽電池であ
り、前記太陽電池素子は所定の間隔を有して線状に形成
され、下部電極と接する透明基板表面は凹凸面状に形成
されてなることを特徴とする太陽電池を用いた時計を提
供することが可能となる。
【0017】以上、述べてきたように、本発明の一つの
態様として太陽電池素子を線状に形成し、それを所定の
間隔で並べた構成では、太陽電池素子の線幅、太陽電池
素子同士の間隔、面積によっては、太陽電池の色の見え
方が変化する。太陽電池素子を透明基板上に並べる間隔
に対し、線状に形成された太陽電池素子の線幅を充分に
小さくすることによって、太陽電池素子の発電層の色
を、肉眼で知覚できなくすることが可能となる。
【0018】したがって、太陽電池全体を外観上、ほぼ
無色透明にすることができ、かつ、発電効率も確保され
ることとなるために、効率のよい時計並びに太陽電池を
提供することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を実施
するための最良な形態における太陽電池の構造について
説明する。
【0020】本実施の形態では、電子機器として時計を
想定し、時計を駆動するに最良の太陽電池構造を説明す
る。さらに、太陽電池素子とは、下部電極と発電層と上
部電極とが順次積層され、かつ線状に形成された各々の
単位を太陽電池素子とする。また、太陽電池とは、透明
基板とその上に形成された複数の太陽電池素子と複数の
共通電極と複数の共通電極と出力端子の全体的構成物を
指すこととする。具体的には、風防ガラスを有するケー
スと、指針を駆動するムーブメントと、文字板を備え、
風防ガラスと指針の間に、太陽電池を配置してなること
を特徴とする時計であって、前記太陽電池は、表面平滑
な透明基板上に所定の範囲で設けてなる下部電極と該下
部電極上に設けてなる発電層と該発電層上に設けてなる
上部電極とからなる太陽電池素子と、当該太陽電池素子
に接続する共通電極と、全面に透明保護膜を有する太陽
電池であり、前記太陽電池素子は所定の間隔を有して線
状に形成され、下部電極と接する透明基板表面は凹凸面
状に形成されてなることを特徴とする時計を提供するこ
とができる。以下に説明していく。
【0021】(第1の実施形態の太陽電池構造の説明:
図1、図3)太陽電池構造を図1と図3を用いて説明す
る。図3は本発明の実施形態の太陽電池を示す平面図で
ある。
【0022】図3において太陽電池は、円盤状の形状を
した透明基板11と、複数の円弧状の共通電極と、複数
の線状の太陽電池素子と、複数の共通電極と、出力端子
から構成されている。共通電極31は透明基板11の円
周に沿って配置されており、かつ4分割されている。共
通電極31の内側の円内には、複数の線状の太陽電池素
子32が並んで配置されている。図3において線状の太
陽電池素子32は、構成を明確にするために12本図示
してあるが、実際は100本以上存在する。
【0023】そして隣り合った一対の太陽電池素子32
a、32bは、同じ長さで同じ面積であり、それぞれ別
の共通電極31a、31dに接続されている。また他の
隣り合った一対の太陽電池素子も同様に、それぞれ別の
共通電極31に接続されている。このように、それぞれ
の共通電極31には複数本の太陽電池素子が電気的に並
列に接続される。そして、それぞれの共通電極31に接
続された太陽電池素子32の面積の合計は等しくなるよ
うに構成されている。これは、各共通電極31に接続さ
れた太陽電池素子32の発電量を等しくするためであ
る。
【0024】さらに、それぞれの共通電極31は共通電
極33によって、電気的に直列に接続されている。出力
は出力端子35aと35bから得られる。このように、
本実施形態の太陽電池は、直列4段の出力が得られ、時
計を駆動するに充分な電力が得られる構成となってい
る。
【0025】図1は図3のA−A線における断面図であ
る。図1において、太陽電池素子32は、透明基板11
上に線状にバターニングして形成された下部電極12
と、下部電極12と同じ線幅にパターニングして形成さ
れた発電層13と、発電層13と同じ線幅にパターニン
グして形成された上部電極14から構成される。そして
太陽電池素子32が複数本形成された透明基板11の上
に、透明保護膜16が形成されている構成となってい
る。
【0026】ここで、透明基板11はガラスであり、下
部電極12と上部電極14は酸化インジウムスズ(以下
ITOと記載)からなっている。発電層13は、アモル
ファスシリコンであり、透明基板11側から5〜20n
mのp型と、100〜1000nmのi型と、10〜1
00nmのn型の積層されたダイオード構造となってい
る。また、透明保護膜16は、シリコン樹脂である。
【0027】隣り合った太陽電池素子32同士の間隔に
対し、線状に形成された太陽電池素子32の線幅を充分
に小さくし、太陽電池素子32の面積を小さくすること
によって、太陽電池素子の発電層の色が肉眼で知覚でき
なくなる。透明基板11には、下部電極12とほぼ等し
い線幅で、凹凸面11aが形成されている。この凹凸面
11aの表面粗さは0.5μ〜10μの範囲であれば良
い。下限は、発電に寄与する波長と同程度であり、上限
は凹凸が肉眼で知覚できない範囲である。
【0028】また太陽電池素子32は、下部電極12と
発電層13と上部電極14を合わせて、300nm〜1
500nmの膜厚で形成されているので、下部電極の表
面12aの形状ならびに上部電極の表面14aの形状
は、透明基板の凹凸面11aの形状どおりの凹凸とな
る。
【0029】本実施形態の太陽電池に、透明基板側から
光を入射させて、起電力を得る場合、透明基板11側か
ら入射した光は、透明基板の凹凸面11aと下部電極1
2の2箇所で散乱され、反射光が低減して発電層に入射
する光量が増える効果、および光路長の増大により発電
層中をより多くの光が通過する効果により、太陽電池の
発電効率が向上する。
【0030】以下、図4に示す発電特性のグラフを用い
て説明する。本実施形態の太陽電池の発電特性を曲線4
2に示す。また、比較例として、透明基板11に凹凸面
を形成しない場合の発電特性を曲線41に示してある。
曲線41と曲線42の違いは、透明基板11の凹凸面の
有無だけであり、発電層の線幅や膜厚は同じである。
【0031】このときの太陽電池素子32は、透明基板
11側より、pin型ダイオード構造となっていて膜厚
はそれぞれp型10nm、i型500nm、n型20n
mである。太陽電池素子32の線幅は、10μであり、
太陽電池素子32の間隔は100μである。下部電極1
2は膜厚100nmのITOであり、また上部電極14
も膜厚100nmのITOである。
【0032】図4から明らかなように、透明基板11に
凹凸面11aを形成することにより、発電特性の特に電
流値が向上する。また、本実施形態の太陽電池に、素子
形成面から光を入射させて、起電力を得る場合、上部電
極14側から入射した光は、凹凸形状の上部電極14で
散乱され、反射光が低減して発電層に入射する光量が増
える効果、および光路長の増大により発電層中をより多
くの光が通過する効果により、太陽電池の発電効率が向
上する。
【0033】本実施形態の太陽電池の平面構造を、再び
図3を用いて詳しく説明する。時計を駆動するに充分な
発電量を確保するためには、複数本の太陽電池素子の面
積を大きくする必要があり、そのためには線幅を広くす
る、あるいは本数を増やすことが有効である。しかしな
がら極端に線幅を広くしたり、本数を増やすと、外観上
発電層の色が見えてしまう。
【0034】実験によれば、図3の形状の太陽電池で、
通常の蛍光灯の照度500lxで時計を駆動させさせる
に充分な発電量が得られ、かつ外観上発電層の色が肉眼
で知覚できないようにするには、φ30の透明基板で、
太陽電池素子32aの線幅が5μ〜20μ、隣り合った
太陽電池素子同士の間隔が100μ〜80μであった。
このとき透過率は70%以上であった。
【0035】共通電極31a、31b、31c、31d
も下部電極12、発電層13、上部電極14が積層され
た断面構造を有している。そして共通電極31の幅は2
00μ〜700μと、太陽電池素子32よりもかなり広
くなっている。これは、複数の太陽電池素子を並列に接
続するために、抵抗値が低い必要があるからである。し
かしながら、このように線幅を広くすると、外観上はっ
きりと発電層の色が見えてしまう。そこで、実際に電子
機器に組み込むときは、電子機器のケースで共通電極を
隠し、目に触れないようにする必要がある。
【0036】このように、共通電極31a、31b、3
1c、31dの発電層13は、電子機器のケースに隠れ
て、発電を行わないので、共通電極の下の透明基板は凹
凸面であっても、平滑面であっても良い。
【0037】さらに、共通電極31aの上部電極14の
表面と、共通電極31bの下部電極12の表面にまたが
るように、共通電極33aを形成し、接続する。他の共
通電極33b、33cも、上部電極14の表面と下部電
極12の表面を接続する。
【0038】共通電極33の材質は、共通電極33と下
部電極12の接触、ならびに共通電極33と上部電極1
4の接触において、接触抵抗が小さく、また半導体接触
しないことが望ましい。その観点から共通電極33の材
料は、導電性材料であるカーボンペーストを用いる。
【0039】(第1の実施形態の製造方法の説明)つぎ
に本実施形態の太陽電池構造を形成するための製造方法
であるが、透明基板の表面に凹凸状に凹凸面を形成する
工程と、該凹凸面上に下部電極を形成し発電層を形成し
さらに上部電極を形成する工程と、保護膜を形成する工
程とを有することを特徴とし、以下に図6と図7と図8
と図9と図10を用いて説明する。
【0040】まず、透明基板の表面に凹凸状に凹凸面を
形成する工程であるが、透明基板11は透光性があり、
かつ絶縁であることが望ましいため、ガラスを用いる。
そして、図6に示すように、透明基板11上に、形成し
たい太陽電池素子と逆のパターンに、感光性ドライフィ
ルム61をフォトリソ工程により形成する。
【0041】そして、乾式ブラスト法によりセラミック
ス微粒子を透明基板11に吹き付け、透明基板11の表
面に凹凸を形成する。このときの砥粒の大きさは3μ〜
5μの炭化珪素セラミックスであり、凹凸面11aはR
a5μになる。
【0042】また、乾式ブラスト法などで透明基板11
に凹凸面を形成するときに、感光性ドライフィルム61
の、セラミックス微粒子への耐性が低い場合はパターン
が崩れてしまうときがある。そのようなときは、感光性
ドライフィルム61の代わりに、同じ形状に形成した金
属膜や、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を用
いても良い。
【0043】つぎに、凹凸面上に下部電極を形成し発電
層を形成しさらに上部電極を形成する工程の説明である
が、図7に示すように、感光性ドライフィルム61を剥
離し、透明基板11全面に下部電極12としてITO
を、スパッタ法により膜厚100nm形成する。
【0044】このときのスパッタ条件は、スパッタリン
グ装置内に100sccmのアルゴンガスと2sccm
の酸素ガスを導入し、圧力を70mPa〜4Paに調整
して、ITOターゲットに0.5〜3kWの高周波電力
を印加する。
【0045】さらに、下部電極12の上にフォトレジス
ト63を形成し、太陽電池素子のパターンにパターニン
グする。つぎに図8に示すように、フォトレジスト63
をマスクパターンとして下部電極12をドライエッチン
グする。
【0046】このときのドライエッチング条件は、ドラ
イエッチング装置内に臭化水素ガスを100sccm導
入し、圧力を1Pa〜10Paに調整して、透明基板1
1に1kW〜3kWの高周波電力を印加する。
【0047】その後、フォトレジスト63を剥離する。
つぎに図9に示すように、発電層13としてアモルファ
スシリコンを、透明基板11側からpin型ダイオード
構造になるように、プラズマCVD法により形成する。
【0048】このときのp型のアモルファスシリコンの
形成条件は、プラズマCVD装置内にシランガス100
sccmと0.1sccm〜1sccmのジボランガス
を導入し、圧力を50Pa〜300Paに調整し、対向
電極に50W〜300Wの高周波電力を印加する。そし
て膜厚10nm形成する。
【0049】i型のアモルファスシリコンの形成条件
は、プラズマCVD装置内にシランガス100sccm
を導入し、圧力を50Pa〜300Paに調整し、対向
電極に50W〜300Wの高周波電力を印加する。そし
て膜厚500nm形成する。
【0050】n型のアモルファスシリコンの形成条件
は、プラズマCVD装置内にシランガス100sccm
と0.1〜1sccmのホスフィンガスを導入し、圧力
を50Pa〜300Paに調整し、対向電極に50W〜
300Wの高周波電力を印加する。そして膜厚20nm
形成する。
【0051】さらに上部電極14としてITOを、スパ
ッタ法により膜厚100nm形成する。このときのスパ
ッタ条件は、スパッタリング装置内に100sccmの
アルゴンガスと2sccmの酸素ガスを導入し、圧力を
70mPa〜4Paに調整して、ITOターゲットに
0.5〜3kWの高周波電力を印加する。
【0052】さらに上部電極14の上に、フォトレジス
ト65を形成し、太陽電池素子のパターンにパターニン
グする。つぎに、図9に示すように、フォトレジスト6
5をマスクパターンとして、上部電極14と発電層13
を連続的にドライエッチングする。
【0053】このときの上部電極14であるITOのド
ライエッチング条件は、ドライエッチング装置内に10
0sccmの臭化水素ガスを導入し、圧力を1Pa〜1
0Paに調整して、透明基板11に1kW〜3kWの高
周波電力を印加する。
【0054】発電層13であるアモルファスシリコンの
ドライエッチング条件は、ドライエッチング装置内に1
00sccm〜300sccmの六フッ化イオウガス
と、10sccm〜100sccmの塩素ガスを導入
し、圧力を0.5Pa〜20Paに調整して、透明基板
11に100W〜1kWの高周波電力を印加する。
【0055】さらにフォトレジスト65を剥離した後、
各共通電極31を、共通電極33である導電性を有する
カーボンペーストで接続する。
【0056】最後に、保護膜を形成する工程については
図1に示すように、透明保護膜16としてシリコン樹脂
を形成して、太陽電池が完成する。なお、この透明保護
膜16は省略することもできる。
【0057】(第1の実施形態の第1の変形例の説明)
第1の実施形態の太陽電池に、透明基板11側から光を
入射させて、起電力を得る場合、上部電極14は光透過
性のない金属膜でも良く、例えば10nm〜200nm
のTi膜でもよい。
【0058】なお、太陽電池の平面形状は第1の実施形
態と全く同じであるので説明を省略する。また、発電層
の色が見えなくなる作用効果も同じであるので説明を省
略する。
【0059】隣り合った太陽電池素子32同士の間隔に
対し、上部電極14の幅を充分に小さくすれば、上部電
極14の金属色は肉眼で知覚できなくなる。
【0060】また、発電層13に入射した光のうち、発
電層13で吸収されずに上部電極14まで到達した光
が、上部電極14で反射されて、再び発電層13を通過
するので、発電層13での光の吸収量が多くなり、さら
に発電効率が向上する。
【0061】また、上記構造の製造方法と、第1の実施
形態の製造方法の違いは、上部電極14をTi膜に変え
ることと、エッチング条件をアモルファスシリコンと同
じ条件で行うことである。それ以外の工程は、第1の実
施形態の製造方法と同じであるので説明を省略する。
【0062】(第1の実施形態の第2の変形例の説明)
第1の実施形態の太陽電池に、素子形成面側から光を入
射させて、起電力を得る場合、下部電極12は光透過性
のない金属でも良く、例えば10nm〜200nmのT
i膜でもよい。
【0063】なお、太陽電池の平面形状は第1の実施形
態と全く同じであるので説明を省略する。また、発電層
の色が見えなくなる作用効果も同じであるので説明を省
略する。
【0064】隣り合った太陽電池素子32同士の間隔に
対し、下部電極12の線幅を充分に小さくすれば、下部
電極12の金属色は肉眼で知覚できなくなる。
【0065】また、発電層13に入射した光のうち、発
電層13で吸収されずに下部電極12まで到達した光
が、下部電極12で反射されて、再び発電層13を通過
するので、発電層13での光の吸収量が多くなり、さら
に発電効率が向上する。
【0066】また、上記構造の製造方法と、第1の実施
形態の製造方法の違いは、下部電極12をTi膜に変え
ることと、エッチング条件をアモルファスシリコンと同
じ条件で行うことである。それ以外の工程は、第1の実
施形態の製造方法と同じであるので説明を省略する。
【0067】(第2の実施形態の太陽電池構造の説明:
図2)つぎに以上の説明と異なる実施形態の太陽電池の
構造を、図2を用いて説明する。なお、太陽電池の平面
形状は第1の実施形態と全く同じであるので説明を省略
する。
【0068】図2において、第1の実施形態の発明との
違いは、透明基板の凹凸面11aの幅が、下部電極12
および発電層13および上部電極14の幅よりも広いこ
とである。
【0069】図2において太陽電池素子は、透明基板1
1上に線状にバターニングして形成された下部電極12
と、下部電極12と同じ線幅でパターニングして形成さ
れた発電層13と、発電層13と同じ線幅でパターニン
グして形成された上部電極14から構成される。そして
太陽電池素子32が複数本形成された透明基板11の上
に、透明保護膜16が形成されている構成となってい
る。
【0070】隣り合った太陽電池素子32同士の間隔に
対し、線状に形成された太陽電池素子32の線幅を充分
に小さくし、太陽電池素子32の面積を小さくすること
によって、太陽電池素子の発電層の色が肉眼で知覚でき
なくなる。
【0071】また、本実施形態では、透明基板の凹凸面
11aと発電層13は同じ線幅でなく、透明基板の凹凸
面11aの線幅を発電層13の線幅よりも広くする構造
になっていために太陽電池の発電効率が向上する。以下
にこの理由を説明する。
【0072】本実施形態の太陽電池に、透明基板11側
から光を入射させて、起電力を得る場合、透明基板11
側から入射した光のうち、発電層13のないところを通
過する光であっても、透明基板の凹凸面11aで屈折、
多重反射により散乱して、発電層13の側面13aから
発電層13に入射させることができる。下部電極12か
ら入射する光と、発電層の側面13aから入射する光の
両方で発電するので、太陽電池の効率が向上する。
【0073】以下、図5に示す発電特性のグラフを用い
て説明する。本実施形態の太陽電池の発電特性を曲線5
2に示す。また、第1の実施形態の発電特性を曲線51
に示してある。
【0074】太陽電池素子32の線幅は、10μであ
り、太陽電池素子32の間隔は100μである。そして
透明基板11の凹凸面11aの線幅は、20μと、片側
5μづつ広くなっている。下部電極12は膜厚100n
mのITOであり、また上部電極14も膜厚100nm
のITOである。また太陽電池素子32は、透明基板1
1側より、pinダイオード構造となっていて膜厚はそ
れぞれp:10nm、i:500nm、n:20nmで
ある。
【0075】図5から明らかなように、透明基板11の
凹凸面11aの線幅を発電層13の線幅よりも広くする
と、発電層13のないところに入射した光の一部が、凹
凸面11aで散乱されて、発電層13の側面13aより
入射する効果により、発電層13で吸収される光量が増
えて特性が向上する。
【0076】本実施形態の太陽電池に、素子形成面側か
ら光を入射させて、起電力を得る場合、発電層13のな
いところに当たった光であっても、透明基板の凹凸面1
1aで反射により散乱して、発電層13の側面13aか
ら発電層13に入射させることができる。上部電極14
から入射する光と、発電層の側面13aから入射する光
の両方で発電するので、太陽電池の効率が向上する。
【0077】この凹凸面11aの表面粗さは0.5μ〜
10μの範囲であれば良い。下限は、発電に寄与する波
長と同程度であり、上限は凹凸が肉眼で知覚できない範
囲である。
【0078】この透明基板の凹凸面11aの線幅は、発
電層13の線幅よりも片側で0.2μ〜20μ広くす
る。0.2μよりも小さいと、光の散乱がほとんどな
く、発電層13の側面入射効果が現れない。また、片側
で20μよりも大きい場合は、凹凸面11aのくもりが
外観上目立ってしまう。
【0079】凹凸面11aの線幅に対し平滑面11bの
幅を充分に大きくすると、透明電極11の凹凸によるく
もりが目立たなくなる。したがって外観上太陽電池全体
のくもりが見えることはない。
【0080】また、本実施形態の構造の製造方法と、第
1の実施形態の製造方法の違いは、図6に示すドライフ
ィルム61のパターン幅を太陽電池素子32よりも広く
して、透明基板11に太陽電池素子の線幅よりも広い凹
凸面11aを形成することである。それ以外の工程は第
1の実施形態の製造方法と同じであるので、説明を省略
する。
【0081】(第2の実施形態の第1の変形例の説明)
第2の実施形態の太陽電池に、透明基板11側から光を
入射させて、起電力を得る場合、上部電極14は光透過
性のない金属膜でも良く、例えば10nm〜200nm
のTi膜でもよい。
【0082】なお、太陽電池の平面形状は第1の実施形
態と全く同じであるので説明を省略する。また、発電層
の色が見えなくなる作用効果も同じであるので説明を省
略する。
【0083】隣り合った太陽電池素子32同士の間隔に
対し、上部電極14の幅を充分に小さくすれば、外観
上、上部電極14の金属色は肉眼で知覚できなくなる。
【0084】透明基板11側から入射した光のうち、発
電層13のないところを通過する光であっても、透明基
板の凹凸面11aで屈折、多重反射により散乱して、発
電層13の側面13aから発電層13に入射させること
ができる。下部電極12から発電層13に入射する光
と、発電層の側面13aから入射する光の両方で発電す
るので、太陽電池の効率が向上する。
【0085】また、発電層13に入射した光のうち、発
電層13で吸収されずに上部電極14まで到達した光
が、上部電極14で反射されて、再び発電層13を通過
するので、発電層13での光の吸収量が多くなり、さら
に発電効率が向上する。
【0086】また、上記構造の製造方法と、第2の実施
形態の製造方法の違いは、上部電極14をTi膜に変え
ることと、エッチング条件をアモルファスシリコンと同
じ条件で行うことである。それ以外の工程は、第2の実
施形態の製造方法と同じであるので説明を省略する。
【0087】(第2の実施形態の第2の変形例の説明)
第2の実施形態の太陽電池に、素子形成面側から光を入
射させて、起電力を得る場合、下部電極12は光透過性
のない金属でも良く、例えば10nm〜200nmのT
i膜でもよい。
【0088】なお、太陽電池の平面形状は第1の実施形
態と全く同じであるので説明を省略する。また、発電層
の色が見えなくなる作用効果も同じであるので説明を省
略する。
【0089】隣り合った太陽電池素子32同士の間隔に
対し、下部電極12の線幅を充分に小さくすれば、外観
上、下部電極12の金属色は肉眼で知覚できなくなる。
【0090】発電層13のないところに当たった光であ
っても、透明基板の凹凸面11aで反射により散乱し
て、発電層13の側面13aから発電層13に入射させ
ることができる。上部電極14から発電層13に入射す
る光と、発電層の側面13aから入射する光の両方で発
電するので、太陽電池の効率が向上する。
【0091】また、発電層13に入射した光のうち、発
電層13で吸収されずに下部電極12まで到達した光
が、下部電極12で反射されて、再び発電層13を通過
するので、発電層13での光の吸収量が多くなり、さら
に発電効率が向上する。
【0092】また、上記構造の製造方法と、第2の実施
形態の製造方法の違いは、下部電極12をTi膜に変え
ることと、エッチング条件をアモルファスシリコンと同
じ条件で行うことである。それ以外の工程は、第2の実
施形態の製造方法と同じであるので説明を省略する。
【0093】次に、本発明の太陽電池を使用した電子機
器として、時計の構造について図1から図3と図11、
図12を参照しながら説明する。
【0094】図11に示すように、透明ガラスやサファ
イアから構成する風防ガラス83を設ける時計ケース8
5内に、ムーブメント87を設ける。このムーブメント
87は指針89を駆動する。
【0095】このムーブメント87内には、図11には
図示しないが、太陽電池の起電力を貯蔵する二次電池
や、時間基準源である水晶振動子や、水晶振動子の発振
周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半
導体集積回路や、この駆動パルスを受けて駆動するステ
ップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達
する輪列機構などを設けている。
【0096】時計ケース85には、樹脂材料からなる第
2のパッキング99を介して、風防ガラス83を取りつ
け、時計内にチリやホコリや水分の侵入を防止する気密
密閉構造にしている。
【0097】さらに時計ケース85の風防ガラス83と
反対側の面に溝を設け、その溝内にゴム材料からなる第
1のパッキング97を設ける。そして裏蓋95と時計ケ
ース85との間に配置する第1のパッキング97によっ
て、時計内にチリやホコリや水分の侵入を防止する気密
密閉構造にしている。
【0098】そして時計の時刻表示手段として文字板8
1は、ムーブメント87の上に配置する。
【0099】中枠93はムーブメント87と文字板81
とを時計ケース85に保持する働きを持ち、中枠93は
樹脂材料で構成する。そして時計ケース85の開口内に
中枠93を介して、文字板81とムーブメント87とを
収納する。
【0100】そして文字板81とムーブメント87とを
保持する中枠93の、風防ガラス83と反対側の端面領
域を裏蓋95で押圧することにより、見きり91と時計
ケース85に文字板81を押しつけるように接触させて
いる。
【0101】見きり91は文字板81の外周領域を覆い
隠す、時計の化粧板としての役割を持つ。そしてこの見
きり91は、時計ケース85と異なる材料で構成した
り、見きり91の表面をダイヤモンド工具を用いて研削
加工して、その表面を鏡面状態にして、装飾品としての
時計の価値を高めている。
【0102】そして、風方ガラス83と指針89の間
に、本発明の太陽電池(図1、図3)をスペーサー90
を介して取りつける。このとき、太陽電池素子32を下
向きにして、透明基板11側から光が入射して起電力を
発生させるようにする。また、共通電極31はスペーサ
ー90の下に配置されるので、外から見えることはな
い。
【0103】見きり91には、透明基板11の板厚とス
ペーサー90の板厚の合計と同じ寸法の段差を設け、こ
の見きり91の段差に透明基板11とスペーサー90を
落とし込むように収納している。そして見きり91で、
透明基板11とスペーサー90を風防ガラス83に押し
つける構成になっている。
【0104】なお、図11には図示していないが、太陽
電池の出力端子35a、35bとムーブメント87は電
気的に接続されている。
【0105】本実施形態の太陽電池は、発電層13の色
が肉眼で知覚できず、外観上無色透明であるので、図1
1の構成で時計に組みこんでも、時計の外観やデザイン
に何ら影響を与えない。したがって時計の見栄えが悪く
なることはない。
【0106】スペーサー90によってつくられる、風防
ガラス83と透明基板11の間のすきまは、透明な樹脂
や透明な接着剤で埋めてもよい。また、スペーサー90
を設けずに、風防ガラス83と透明基板11直接当たる
ように構成してもよい。さらに、時計の内部は気密密閉
構造であるので、太陽電池の透明保護膜16は、省略し
てもよい。
【0107】また、図12に示すように、太陽電池素子
32が上向きになるように構成してもよい。このときは
太陽電池素子32の上部電極14側から光が入射して起
電力を発生させる。
【0108】また、別の時計の構成例を図1から3と図
13、図14を参照して説明する。図13に示す様に文
字板81と指針89の間に、本発明の太陽電池をスペー
サー90を介して取りつける。このとき、太陽電池素子
32を下向きにして、透明基板11側から光が入射して
起電力を発生させる。そして、図13には図示していな
いが、共通電極31はスペーサー90の下に配置される
ので、外から見えることはない。
【0109】見きり91には、透明基板11の板厚とス
ペーサー90の板厚の合計と同じ寸法の段差を設け、こ
の見きり91の段差に透明基板11とスペーサー90を
収納している。そして見きり91で、透明基板11とス
ペーサー90を文字板81に押しつける構成になってい
る。なお、図13には図示していないが、太陽電池の出
力端子35a、35bとムーブメント87は電気的に接
続されている。
【0110】文字板81と指針89の間に取りつけると
きは、風方ガラス83と指針89の間に取りつけるとき
と異なり、指針89を駆動する軸を通すための穴をあけ
る。
【0111】本発明の太陽電池は、発電層13の色が肉
眼で知覚できず、外観上無色透明であるので、図13の
構成で時計に組みこんでも、時計の外観やデザインに何
ら影響を与えない。したがって時計の見栄えが悪くなる
ことがない。
【0112】スペーサー90によってつくられる、文字
板81と透明基板11の間のすきまは、透明な樹脂や透
明な接着剤で埋めてもよい。また、スペーサー90を設
けずに、文字板81と透明基板11が直接当たるように
構成してもよい。さらに、時計の内部は気密密閉構造で
あるので、太陽電池の透明保護膜16は、省略してもよ
い。
【0113】また、図14に示すように、太陽電池素子
32が上向きになるように構成してもよい。このときは
太陽電池素子32の上部電極14側から光が入射して起
電力を発生させる。
【0114】以上の説明において本発明の太陽電池は、
4段の直列接続で説明したが、4段に規制されるもので
はなく、使用する電子機器を駆動するのに十分な電圧、
電流が得られれば、何段でも良い。
【0115】使用する電子機器の機密性が高く、水分や
ほこりが侵入しなければ、太陽電池の透明保護膜16は
なくてもよい。
【0116】透明基板はガラスで説明したが、絶縁性が
あれば透明な樹脂でも良い。透明な樹脂としては、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリスチレンなどが挙げられ
る。
【0117】下部電極12および上部電極14は、透明
な電極としては、ITOに限らずSnO2、ZnOなど
でもよい。また発電層13としては、多結晶シリコン、
cdSeなどでもよい。また共通電極はカーボンペース
トに限らず、TiやNiなどの金属膜でも良い。また透
明保護膜16は、ポリエチレンなどの透明な樹脂、Si
O2などの透明な酸化物、Si3N4などの透明な窒化
物でもよい。
【0118】透明基板11に凹凸を形成する方法は、乾
式ブラスト法以外に、セラミックス微粒子を水などの液
体とともに吹き付ける湿式ブラスト法でもよい。また、
フッ化アンモニウムを用いたウェットエッチング法や、
エッチングガスとして六フッ化イオウをを用いたドライ
エッチング法によっても、凹凸を形成することができ
る。
【0119】下部電極12および上部電極14の形成方
法は、スパッタに限らず、蒸着など一般的な膜形成方法
を用いることができる。またそのエッチング方法は、ウ
ェットエッチングによって行っても良く、下部電極12
および上部電極14がITOであれば、例えば酸化鉄と
塩酸と水の混合比が3:5:2となるように混合した溶
液を用いる。
【0120】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の太陽電池では、太陽電池素子を透明基板上に並べる間
隔に対し、線状に形成された太陽電池素子の線幅を充分
に小さくすることによって、太陽電池素子の発電層の色
を、肉眼で知覚できなくすることができる。したがっ
て、太陽電池全体を外観上、ほぼ無色透明にすることが
できる。
【0121】さらに、本発明の太陽電池においては、下
部電極と接する透明基板表面は凹凸面に形成されてなる
構成とする。ここで、凹凸面は四角すいや円すいが並ん
だような荒れた面であれば構わない。
【0122】このように透明基板表面に凹凸面を形成す
ると、透明基板側から入射した光は、凹凸の斜面で屈
折、反射を繰り返し、その進行方向が変わる。凹凸面で
反射された光の一部は、単純に透明基板の外に出るので
はなく、屈折、反射を繰り返して進行方向が変わり、発
電層の方向に進行するようになる。すなわち、凹凸を形
成することは、透明基板側から入射した光の反射光量を
低減し、発電層に入射する光の量を増やす効果がある。
したがって、太陽電池の発電効率が向上する。
【0123】また、凹凸面で屈折、反射されて散乱され
た光は、散乱を受けずに直進する光に比べ、複雑な経路
を通って発電層中を長い距離通過する。これにより、発
電層に吸収される光の量が増え、太陽電池の発電効率が
向上する。
【0124】また、透明基板の表面全部に凹凸を形成す
るのではなく、線状に形成された下部電極の下に凹凸を
形成し、それ以外の下部電極のないところの透明基板表
面は平滑面であるので、凹凸面の面積に対し平滑面の面
積を十分に大きく取れば、透明基板の凹凸によるくもり
は目立たなくなる。したがって外観上、太陽電池全体の
くもりは肉眼で知覚されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における太陽電池の断面図
である。
【図2】本発明の実施の形態における太陽電池の断面図
である。
【図3】本発明の実施の形態における太陽電池の平面図
である。
【図4】本発明の実施の形態における太陽電池の発電特
性を示すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態における太陽電池の発電特
性を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態における太陽電池の製造方
法を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態における太陽電池の製造方
法を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態における太陽電池の製造方
法を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態における太陽電池の製造方
法を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態における太陽電池の製造
方法を示す断面図である。
【図11】本発明の実施形態における太陽電池を適用し
た時計を示す断面図である。
【図12】本発明の実施形態における太陽電池を適用し
た時計を示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態における太陽電池を適用し
た時計を示す断面図である。
【図14】本発明の実施形態における太陽電池を適用し
た時計を示す断面図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面平滑な透明基板上に所定の範囲で、
    設けてなる下部電極と該下部電極上に設けてなる発電層
    と該発電層上に設けてなる上部電極とからなる太陽電池
    素子と、当該太陽電池素子に接続する共通電極を有し、
    全面に透明保護膜を有する太陽電池であって、 前記透明基板表面は凹凸面に形成されてなることを特徴
    とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 表面平滑な透明基板上に所定の範囲で、
    設けてなる下部電極と該下部電極上に設けてなる発電層
    と該発電層上に設けてなる上部電極とからなる太陽電池
    素子と、当該太陽電池素子に接続する共通電極を有し、
    全面に透明保護膜を有する太陽電池であって、 前記太陽電池素子は所定の間隔を有して線状に形成さ
    れ、 下部電極と接する透明基板表面は凹凸面に形成されてな
    ることを特徴とする太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記透明基板表面の凹凸面は、該凹凸面
    の線幅が前記発電層の線幅とほぼ同じに形成されてなる
    ことを特徴とする請求項2記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記透明基板表面の凹凸面は、該凹凸面
    の線幅が前記発電層の線幅よりも片側0.5μ〜20μ
    広いことを特徴とする請求項2記載の太陽電池。
  5. 【請求項5】 表面平滑な透明基板上に所定の範囲で、
    設けてなる下部電極と該下部電極上に設けてなる発電層
    と該発電層上に設けてなる上部電極とからなる太陽電池
    素子と、当該太陽電池素子に接続する共通電極を有し、
    全面に透明保護膜を有する太陽電池であり、前記太陽電
    池素子は所定の間隔を有して線状に形成され、下部電極
    と接する透明基板表面は凹凸面に形成されてなることを
    特徴とする太陽電池の製造方法において、 前記透明基板の表面に凹凸状に凹凸面を形成する工程
    と、該凹凸面上に下部電極を形成し発電層を形成しさら
    に上部電極を形成する工程と、保護膜を形成する工程と
    を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記凹凸面を形成する工程は、セラミッ
    クス微粒子を前記透明基板上に吹き付ける乾式ブラスト
    法、セラミックス微粒子と液体の混合物を前記透明基板
    に吹き付ける湿式ブラスト法、あるいはエッチング処理
    であることを特徴とする請求項5記載の太陽電池の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 風防ガラスを有するケースと、指針を駆
    動するムーブメントと、文字板を備え、風防ガラスと指
    針の間に、太陽電池を配置してなることを特徴とする時
    計であって、前記太陽電池は、表面平滑な透明基板上に
    所定の範囲で設けてなる下部電極と該下部電極上に設け
    てなる発電層と該発電層上に設けてなる上部電極とから
    なる太陽電池素子と、当該太陽電池素子に接続する共通
    電極と、全面に透明保護膜を有する太陽電池であり、前
    記太陽電池素子は所定の間隔を有して線状に形成され、
    下部電極と接する透明基板表面は凹凸面状に形成されて
    なることを特徴とする太陽電池を用いた時計。
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