JP2001250214A - 薄膜磁気ヘッド用スライダの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド用スライダの製造方法

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JP2001250214A
JP2001250214A JP2000060879A JP2000060879A JP2001250214A JP 2001250214 A JP2001250214 A JP 2001250214A JP 2000060879 A JP2000060879 A JP 2000060879A JP 2000060879 A JP2000060879 A JP 2000060879A JP 2001250214 A JP2001250214 A JP 2001250214A
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JP2000060879A
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Yoshitaka Sasaki
芳高 佐々木
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜磁気ヘッド用スライダの低浮上化を可能
とし、且つ薄膜磁気ヘッド用スライダの媒体対向面を所
望の形状に形成することを可能にする。 【解決手段】 本発明のスライダの製造方法は、薄膜磁
気ヘッド素子22を含むスライダ用の素材に対してエア
ベアリング面30を形成する工程と、エアベアリング面
30において、薄膜磁気ヘッド素子22に対応する部分
と他の部分との間の段差が減少するように、エアベアリ
ング面30の少なくとも一部を集束イオンビーム100
によってエッチングする工程とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体に対向す
る媒体対向面と、媒体対向面の近傍に配置された薄膜磁
気ヘッド素子とを有する薄膜磁気ヘッド用スライダの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型
電磁変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵
抗(以下、MR(Magnetoresistive)とも記す。)素子
を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気
ヘッドが広く用いられている。MR素子としては、異方
性磁気抵抗(以下、AMR(Anisotropic Magnetoresis
tive)と記す。)効果を用いたAMR素子と、巨大磁気
抵抗(以下、GMR(Giant Magnetoresistive )と記
す。)効果を用いたGMR素子とがあり、AMR素子を
用いた再生ヘッドはAMRヘッドあるいは単にMRヘッ
ドと呼ばれ、GMR素子を用いた再生ヘッドはGMRヘ
ッドと呼ばれる。AMRヘッドは、面記録密度が1ギガ
ビット/(インチ)2を超える再生ヘッドとして利用さ
れ、GMRヘッドは、面記録密度が3ギガビット/(イ
ンチ)2を超える再生ヘッドとして利用されている。近
年は、ほとんどGMRヘッドが利用されるようになって
きている。
【0003】再生ヘッドの性能を向上させる方法として
は、MR膜をAMR膜からGMR膜等の磁気抵抗感度の
優れた材料に変える方法や、MR膜のパターン幅、すな
わち、再生トラック幅やMRハイトを適切化する方法等
がある。MRハイトとは、MR素子のエアベアリング面
側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をいう。
また、エアベアリング面は、薄膜磁気ヘッドにおける磁
気記録媒体と対向する面である。
【0004】一方、再生ヘッドの性能向上に伴って、記
録ヘッドの性能向上も求められている。記録ヘッドの性
能のうち面記録密度を高めるには、記録トラック密度を
上げる必要がある。このためには、記録ギャップ層を挟
んでその上下に形成された下部磁極および上部磁極のエ
アベアリング面での幅を数ミクロンからサブミクロン寸
法まで狭くした狭トラック構造の記録ヘッドを実現する
必要があり、これを達成するために半導体加工技術が利
用されている。また、記録ヘッドの性能を決定する他の
要因としては、パターン幅、特に、スロートハイト(Th
roat Height)がある。スロートハイトは、2つの磁極
層が記録ギャップ層を介して対向する部分、すなわち磁
極部分の、エアベアリング面側の端部から反対側の端部
までの長さ(高さ)をいう。記録ヘッドの性能向上のた
めには、スロートハイトの縮小化が望まれている。この
スロートハイトは、エアベアリング面の加工の際の研磨
量によって決定される。
【0005】このように、薄膜磁気ヘッドの性能の向上
のためには、記録ヘッドと再生ヘッドをバランスよく形
成することが重要である。
【0006】高密度記録を可能にする薄膜磁気ヘッドに
要求される条件としては、再生ヘッドについては、再生
トラック幅の縮小、再生出力の増加、ノイズの低減等が
あり、記録ヘッドについては、記録トラックの縮小、記
録媒体上の既にデータを書き込んである領域にデータを
重ね書きする場合の特性であるオーバーライト特性の向
上、非線形トランジションシフト(Non-linear Transit
ion Shift)の向上等がある。
【0007】ところで、ハードディスク装置等に用いら
れる浮上型薄膜磁気ヘッドは、一般的に、後端部に薄膜
磁気ヘッド素子が形成されたスライダによって構成され
るようになっている。スライダは、記録媒体の回転によ
って生じる空気流によって記録媒体の表面からわずかに
浮上するようになっている。
【0008】ここで、図17ないし図21を参照して、
従来の薄膜磁気ヘッド素子の製造方法の一例について説
明する。なお、図17ないし図20において、(a)は
エアベアリング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部
分のエアベアリング面に平行な断面を示している。
【0009】この製造方法では、まず、図17に示した
ように、例えばアルティック(Al 23・TiC)より
なる基板101の上に、例えばアルミナ(Al23)よ
りなる絶縁層102を、約5〜10μm程度の厚みで堆
積する。次に、絶縁層102の上に、磁性材料よりなる
再生ヘッド用の下部シールド層103を形成する。
【0010】次に、下部シールド層103の上に、アル
ミナ等の絶縁材料よりなるシールドギャップ膜104
を、例えばスパッタリングにより、例えば100〜20
0nmの厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ
膜104の上に、再生用のMR素子105を、数十nm
の厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜10
4の上に、MR素子105に電気的に接続される一対の
電極層106を形成する。
【0011】次に、下部シールドギャップ膜104、M
R素子105および電極層106の上に、アルミナ等の
絶縁材料よりなるシールドギャップ膜107を、例えば
スパッタリングによって形成し、MR素子105をシー
ルドギャップ膜104,107内に埋設する。
【0012】次に、上部シールドギャップ膜107の上
に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方
に用いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部
磁極層と記す。)108を、約3μmの厚みに形成す
る。
【0013】次に、図18に示したように、下部磁極層
108の上に、絶縁膜、例えばアルミナ膜よりなる記録
ギャップ層109を0.2μmの厚みに形成する。次
に、磁路形成のために、記録ギャップ層109を部分的
にエッチングして、コンタクトホール109aを形成す
る。次に、磁極部分における記録ギャップ層109の上
に、記録ヘッド用の磁性材料よりなる上部磁極チップ1
10を、0.5〜1.0μmの厚みに形成する。このと
き同時に、磁路形成のためのコンタクトホール109a
の上に、磁路形成のための磁性材料からなる磁性層11
9を形成する。
【0014】次に、図19に示したように、上部磁極チ
ップ110をマスクとして、イオンミリングによって、
記録ギャップ層109と下部磁極層108をエッチング
する。図19(b)に示したように、上部磁極部分(上
部磁極チップ110)、記録ギャップ層109および下
部磁極層108の一部の各側壁が垂直に自己整合的に形
成された構造は、トリム(Trim)構造と呼ばれる。
【0015】次に、全面に、例えばアルミナ膜よりなる
絶縁層111を、約3μmの厚みに形成する。次に、こ
の絶縁層111を、上部磁極チップ110および磁性層
119の表面に至るまで研磨して平坦化する。
【0016】次に、平坦化された絶縁層111の上に、
例えば銅(Cu)よりなる誘導型の記録ヘッド用の第1
層目の薄膜コイル112を形成する。次に、絶縁層11
1およびコイル112の上に、フォトレジスト層113
を、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジスト
層113の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理
する。次に、フォトレジスト層113の上に、第2層目
の薄膜コイル114を形成する。次に、フォトレジスト
層113およびコイル114上に、フォトレジスト層1
15を、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジ
スト層115の表面を平坦にするために所定の温度で熱
処理する。
【0017】次に、図20に示したように、上部磁極チ
ップ110、フォトレジスト層113,115および磁
性層119の上に、記録ヘッド用の磁性材料、例えばパ
ーマロイ(NiFe)よりなる上部磁極層116を形成
する。次に、上部磁極層116の上に、例えばアルミナ
よりなるオーバーコート層117を形成する。最後に、
上記各層を含むスライダの機械加工を行って、記録ヘッ
ドおよび再生ヘッドのエアベアリング面118を形成し
て、薄膜磁気ヘッド素子が完成する。
【0018】図21は、図20に示した薄膜磁気ヘッド
素子の平面図である。なお、この図では、オーバーコー
ト層117や、その他の絶縁層および絶縁膜を省略して
いる。
【0019】次に、図22ないし図24を参照して、ス
ライダの構成とその製造方法について説明する。図22
はスライダのエアベアリング面の構成の一例を示す底面
図である。この図に示したように、スライダ120にお
けるエアベアリング面は、磁気ディスク等の記録媒体の
回転によって生じる空気流によってスライダ120を記
録媒体の表面からわずかに浮上させるために必要な形状
に形成されている。なお、図22において、符号121
aは凸部を表し、121bは凹部を表している。また、
また、スライダ120におけるエアベアリング面の空気
流出側(図22における上側)の端部近傍には薄膜磁気
ヘッド素子122が配置されている。この薄膜磁気ヘッ
ド素子122の構成は、例えば図20に示したようにな
っている。図22におけるC部が、図20(b)に対応
する。
【0020】スライダ120は、以下のようにして製造
される。まず、それぞれ薄膜磁気ヘッド素子122を含
むスライダとなる部分(以下、スライダ部分と言う。)
が複数列に配列されたウェハを一方向に切断して、スラ
イダ部分が一列に配列されたバーと呼ばれるブロックを
形成する。次に、このバーに対して研磨加工を行ってエ
アベアリング面を形成し、更に、凸部121aおよび凹
部121bを形成する。次に、バーを切断して各スライ
ダ120に分離する。
【0021】図23は図22のD−D線断面図である。
図23では、薄膜磁気ヘッド素子122のうちの主要な
部分のみを示している。図23に示したように、スライ
ダ120の大部分は、例えばアルティックよりなる基板
101で構成されている。スライダ120のうちの残り
の部分は、例えばアルミナよりなる絶縁層127と、こ
の絶縁層127内に形成された薄膜磁気ヘッド素子12
2等で構成されている。絶縁層127の大部分はオーバ
ーコート層117である。
【0022】スライダ120におけるエアベアリング面
には、下部シールド層103、下部磁極層108、上部
磁極チップ110、上部磁極層116等の腐食等を防止
するために、例えば特開平9−63027号公報に示さ
れるように、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等
を用いた保護膜を形成してもよい。図24は、このよう
にエアベアリング面に保護膜128を形成したスライダ
120が、記録媒体140の表面からわずかに浮上して
いる状態を示す断面図である。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ハードディ
スク装置の性能、特に面記録密度を向上させる方法に
は、線記録密度を高める方法とトラック密度を高める方
法とがある。高性能のハードディスク装置を設計する際
には、線記録密度とトラック密度のどちらに重点を置く
かによって、記録ヘッド、再生ヘッド、あるいは薄膜磁
気ヘッド全体における具体的な方策が異なる。すなわ
ち、トラック密度に重点を置いた設計の場合には、例え
ば、記録ヘッドと再生ヘッドの双方においてトラック幅
の縮小が求められる。
【0024】一方、線記録密度に重点を置いた設計の場
合には、例えば、再生ヘッドにおいて、再生出力の向上
や、再生出力における半値幅の縮小が求められる。線記
録密度に重点を置いた設計の場合には、更に、ハードデ
ィスクとスライダとの間の距離(以下、磁気スペースと
言う。)の縮小が求められる。20〜30ギガビット/
(インチ)2の面記録密度を実現する場合には、磁気ス
ペースとしては、例えば15〜25nmであることが必
要となる。
【0025】磁気スペースの縮小は、スライダの浮上量
の縮小によって達成される。磁気スペースの縮小は、再
生ヘッドにおける再生出力の向上や半値幅の縮小に寄与
する他に、記録ヘッドにおけるオーバーライト特性の向
上に寄与する。
【0026】以下、磁気スペースを縮小する場合におけ
る問題点について説明する。従来、スライダ120のエ
アベアリング面の研磨は、例えば、ダイヤモンドスラリ
ーを用い、回転するスズ定盤上で行っていた。
【0027】ところで、スライダ120を構成する複数
の材料には硬度に差がある。例えば、基板101に使用
されるセラミックス材であるアルティックと、下部シー
ルド層103、下部磁極層108、上部磁極チップ11
0、上部磁極層116等に使用される磁性材料、例えば
NiFeと、絶縁層127に使用されるアルミナとで硬
度を比較すると、アルティックの硬度が最も大きく、N
iFeの硬度が最も小さく、アルミナの硬度はアルティ
ックの硬度とNiFeの硬度の中間である。
【0028】このように互いに硬度の異なる複数の層を
含むスライダ120を、研磨剤としてダイヤモンドスラ
リーを用いてスズ定盤上で研磨すると、硬度の異なる複
数の層の間で段差が生じることがあった。例えば、図2
3に示したように、NiFe等の磁性材料よりなる層、
例えば上部磁極層116と絶縁層127との間では、絶
縁層127に対して上部磁極層116が引っ込んだ状態
で1〜2nm程度の段差が生じ、絶縁層127と基板1
01との間では、基板101に対して絶縁層127が引
っ込んだ状態で4〜5nm程度の段差が生じていた。こ
の場合、薄膜磁気ヘッド素子122のエアベアリング面
側の面と、保護膜128を除いた状態の基板101のエ
アベアリング面側の面との間の段差は5〜7nm程度と
なる。
【0029】ここで、図24に示したように、保護層1
28の厚みを5nmとすると、薄膜磁気ヘッド素子12
2のエアベアリング面側の面と、基板101に対応する
部分における保護層128のエアベアリング面側の面と
の間の段差は10〜12nm程度となる。そして、スラ
イダ120の浮上時におけるスライダ120と記録媒体
140との間の距離を10nmとすると、スライダ12
0の浮上時における薄膜磁気ヘッド素子122のエアベ
アリング面側の面と記録媒体140との間の距離、すな
わち磁気スペースは20〜22nm程度となる。この程
度の磁気スペースでは、達成可能な面記録密度は30ギ
ガビット/(インチ)2程度が限界となる。
【0030】このように、従来の薄膜磁気ヘッドでは、
スライダ120のエアベアリング面において、薄膜磁気
ヘッド素子122に対応する部分が他の部分よりも引っ
込んだ状態で段差が生じることから、磁気スペースを縮
小することが困難であり、その結果、記録密度を向上さ
せることが難しいという問題点があった。
【0031】また、従来の薄膜磁気ヘッドでは、上述の
ように、磁気スペースを縮小することが困難であること
から、特に、再生ヘッドにおける再生出力の向上や半値
幅の縮小といった再生ヘッドの特性の向上を十分に図る
ことができなかった。そのため、従来は、高密度記録用
のハードディスク装置のエラーレートが高くなり、ハー
ドディスク装置の歩留りが低くなるという問題点があっ
た。
【0032】特開平7−230615号公報には、スラ
イダの浮上面を平坦化するために、スライダの浮上面の
加工時にスライダとヘッド素子との間に生じる凹み部
に、絶縁膜よりなる保護膜を設ける技術が示されてい
る。特開平7−230615号公報には、凹み部に保護
膜を設ける方法として、次のような第1の方法と第2の
方法とが示されている。第1の方法は、スライダの浮上
面とヘッド素子部の浮上面とを含む面の全面にスパッタ
リングにより保護膜を形成した後、スライダの浮上面を
ラッピングすることにより、スライダの浮上面における
保護膜を除去する方法である。第2の方法は、スライダ
の浮上面とヘッド素子部の浮上面とを含む面の全面に感
光性有機膜を形成し、ヘッド素子部の浮上面における感
光性有機膜のみを感光させて取り除き、その後、全面に
スパッタリングにより保護膜を形成し、最後に、残りの
感光性有機膜を取り除く方法である。
【0033】一方、磁気スペースを縮小してゆくと、ス
ライダと記録媒体との衝突が生じやすくなり、記録媒体
の損傷が生じやすくなる。これを防止するには、記録媒
体の表面の平滑性を高めることが必要になる。しかし、
記録媒体の表面の平滑性を高めると、スライダと記録媒
体との吸着が生じやすくなる。
【0034】そこで、特開平11−185418号公報
には、スライダと記録媒体との吸着を防止するために、
スライダのエアベアリング面における空気流入側に凸部
を設けると共に空気流出端の角部を取り除き、記録媒体
の停止時にエアベアリング面が記録媒体面に対し平行で
はない所定の角度で接触するようにした技術が示されて
いる。
【0035】しかしながら、特開平7−230615号
公報に示された技術では、スライダの浮上面すなわち媒
体対向面は平坦化されるが、例えばスライダと記録媒体
との吸着を防止するためにスライダの媒体対向面を所望
の形状に形成することは困難であるという問題点があ
る。一方、特開平11−185418号公報に示された
技術では、スライダと記録媒体との吸着を防止すること
はできるが、エアベアリング面において薄膜磁気ヘッド
素子に対応する部分と他の部分との間に生じる段差をな
くすことはできず、磁気スペースを縮小することが困難
であるという問題点がある。
【0036】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、薄膜磁気ヘッド用スライダの低浮上
化を可能とし、且つ薄膜磁気ヘッド用スライダの媒体対
向面を所望の形状に形成することを可能にした薄膜磁気
ヘッド用スライダの製造方法を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
用スライダの製造方法は、記録媒体に対向する媒体対向
面と、媒体対向面の近傍に配置された薄膜磁気ヘッド素
子とを有する薄膜磁気ヘッド用スライダの製造方法であ
って、薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダ用の素材に対
して媒体対向面を形成する工程と、媒体対向面におい
て、薄膜磁気ヘッド素子に対応する部分と他の部分との
間の段差が減少するように、媒体対向面の少なくとも一
部を集束イオンビームによってエッチングする工程とを
備えたものである。
【0038】本発明の薄膜磁気ヘッド用スライダの製造
方法では、媒体対向面において、薄膜磁気ヘッド素子に
対応する部分と他の部分との間の段差が減少するよう
に、媒体対向面の少なくとも一部が集束イオンビームに
よってエッチングされる。
【0039】本発明の薄膜磁気ヘッド用スライダの製造
方法において、媒体対向面を形成する工程は、スライダ
用の素材における媒体対向面となる面の研磨を含んでい
てもよい。
【0040】また、本発明の薄膜磁気ヘッド用スライダ
の製造方法において、エッチングする工程では、媒体対
向面の端部を基準にして集束イオンビームの位置合わせ
を行うようにしてもよい。
【0041】また、本発明の薄膜磁気ヘッド用スライダ
の製造方法は、更に、エッチングする工程の後に、媒体
対向面に保護膜を形成する工程を備えていてもよい。こ
の場合、保護膜はダイヤモンドライクカーボンによって
形成されてもよい。また、本発明の薄膜磁気ヘッド用ス
ライダの製造方法は、更に、保護膜の上に凸部を形成す
る工程を備えていてもよい。
【0042】また、本発明の薄膜磁気ヘッド用スライダ
の製造方法において、エッチングする工程では、媒体対
向面の形状を、媒体対向面における空気流入側端部およ
び空気流出側端部に比べてそれらの中間部分が記録媒体
側に突出した形状とするようにしてもよい。この場合、
エッチングする工程では、媒体対向面の形状を、媒体対
向面における空気流入側端部から空気流出側端部にかけ
て弧状をなす形状としてもよい。
【0043】また、本発明の薄膜磁気ヘッド用スライダ
の製造方法において、薄膜磁気ヘッド素子は磁気抵抗素
子を有し、エッチングする工程では、磁気抵抗素子の媒
体対向面側の端部から反対側の端部までの長さを制御す
るようにしてもよい。
【0044】また、本発明の薄膜磁気ヘッド用スライダ
の製造方法において、薄膜磁気ヘッド素子は、互いに磁
気的に連結され、媒体対向面側において互いに対向する
磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層を含む第
1および第2の磁性層と、第1の磁性層の磁極部分と第
2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャップ層
と、少なくとも一部が第1および第2の磁性層の間に、
第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設け
られた薄膜コイルとを有し、エッチングする工程では、
磁極部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの
長さを制御するようにしてもよい。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 [第1の実施の形態]本発明の第1の実施の形態が適用
される薄膜磁気ヘッド用スライダ(以下、単にスライダ
と記す。)は、記録媒体に対向する媒体対向面としての
エアベアリング面と、エアベアリング面の近傍に配置さ
れた薄膜磁気ヘッド素子とを有している。
【0046】まず、図1ないし図7を参照して、本発明
の第1の実施の形態が適用されるスライダにおける薄膜
磁気ヘッド素子の製造方法の一例について説明する。な
お、図1ないし図6において、(a)はエアベアリング
面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリ
ング面に平行な断面を示している。
【0047】本例における薄膜磁気ヘッド素子の製造方
法では、まず、図1に示したように、例えばアルティッ
ク(Al23・TiC)よりなる基板1の上に、例えば
アルミナ(Al23)よりなる絶縁層2を、約5μmの
厚みで堆積する。次に、絶縁層2の上に、磁性材料、例
えばパーマロイよりなる再生ヘッド用の下部シールド層
3を、約3μmの厚みに形成する。下部シールド層3
は、例えば、フォトレジスト膜をマスクにして、めっき
法によって、絶縁層2の上に選択的に形成する。次に、
図示しないが、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層
を、例えば4〜5μmの厚みに形成し、例えばCMP
(化学機械研磨)によって、下部シールド層3が露出す
るまで研磨して、表面を平坦化処理する。
【0048】次に、図2に示したように、下部シールド
層3の上に、絶縁膜としての下部シールドギャップ膜4
を、例えば約20〜40nmの厚みに形成する。次に、
下部シールドギャップ膜4の上に、再生用のMR素子5
を、数十nmの厚みに形成する。MR素子5は、一端部
がエアベアリング面30に配置される。MR素子5は、
例えば、スパッタによって形成したMR膜を選択的にエ
ッチングすることによって形成する。なお、MR素子5
には、AMR素子、GMR素子、あるいはTMR(トン
ネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜
を用いた素子を用いることができる。次に、下部シール
ドギャップ膜4の上に、MR素子5に電気的に接続され
る一対の電極層6を、数十nmの厚みに形成する。次
に、下部シールドギャップ膜4およびMR素子5の上
に、絶縁膜としての上部シールドギャップ膜7を、例え
ば約20〜40nmの厚みに形成し、MR素子5をシー
ルドギャップ膜4,7内に埋設する。シールドギャップ
膜4,7に使用する絶縁材料としては、アルミナ、窒化
アルミニウム、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)
等がある。また、シールドギャップ膜4,7は、スパッ
タ法によって形成してもよいし、化学的気相成長(CV
D)法によって形成してもよい。
【0049】次に、上部シールドギャップ膜7の上に、
磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用
いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部磁極
層と記す。)8の第1の層8aを、約1.0〜1.5μ
mの厚みで、選択的に形成する。なお、下部磁極層8
は、この第1の層8aと、後述する第2の層8b、第3
の層8cとで構成される。下部磁極層8の第1の層8a
は、後述する薄膜コイルの少なくとも一部に対向する位
置に配置される。
【0050】次に、下部磁極層8の第1の層8aの上
に、下部磁極層8の第2の層8bおよび第3の層8c
を、約1.5〜2.5μmの厚みに形成する。第2の層
8bは、下部磁極層8の磁極部分を形成し、第1の層8
aの後述する記録ギャップ層側(図2において上側)の
面に接続される。第3の層8cは、第1の層8aと後述
する上部磁極層とを接続するための部分であり、後述す
る薄膜コイルの中心の近傍の位置に配置される。第2の
層8bのうち上部磁極層と対向する部分におけるエアベ
アリング面30とは反対側の端部の位置は、スロートハ
イトを規定する。
【0051】下部磁極層8の第2の層8bおよび第3の
層8cは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重
量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:
45重量%,Fe:55重量%)等を用い、めっき法に
よって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるF
eN,FeZrN等の材料を用い、スパッタによって形
成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料である
CoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。
【0052】次に、図3に示したように、全体に、例え
ばアルミナよりなる絶縁膜9を、約0.3〜0.6μm
の厚みに形成する。
【0053】次に、フォトレジストをフォトリソグラフ
ィ工程によりパターニングして、薄膜コイルをフレーム
めっき法によって形成するための図示しないフレームを
形成する。次に、このフレームを用いて、フレームめっ
き法によって、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイル1
0を、例えば約1.0〜2.0μmの厚みおよび1.2
〜2.0のコイルピッチで形成する。次に、フレームを
除去する。なお、図中、符号10aは、薄膜コイル10
を、後述する導電層(リード)と接続するための接続部
を示している。
【0054】次に、図4に示したように、全体に、例え
ばアルミナよりなる絶縁層11を、約3〜4μmの厚み
で形成する。次に、例えばCMPによって、下部磁極層
8の第2の層8bおよび第3の層8cが露出するまで、
絶縁層11を研磨して、表面を平坦化処理する。ここ
で、図4(a)では、薄膜コイル10は露出していない
が、薄膜コイル10が露出するようにしてもよい。
【0055】次に、露出した下部磁極層8の第2の層8
bおよび第3の層8cと絶縁層11の上に、絶縁材料よ
りなる記録ギャップ層12を、例えば0.2〜0.3μ
mの厚みに形成する。記録ギャップ層12に使用する絶
縁材料としては、一般的に、アルミナ、窒化アルミニウ
ム、シリコン酸化物系材料、シリコン窒化物系材料、ダ
イヤモンドライクカーボン(DLC)等がある。また、
記録ギャップ層12は、スパッタ法によって形成しても
よいし、CVD法によって形成してもよい。
【0056】次に、磁路形成のために、下部磁極層8の
第3の層8cの上において、記録ギャップ層12を部分
的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。ま
た、薄膜コイル10の接続部10aの上の部分におい
て、記録ギャップ層12および絶縁層11を部分的にエ
ッチングしてコンタクトホールを形成する。
【0057】次に、図5に示したように、記録ギャップ
層12の上において、エアベアリング面30から下部磁
極層8の第3の層8cの上の部分にかけて上部磁極層1
3を約2.0〜3.0μmの厚みに形成すると共に、薄
膜コイル10の接続部10aに接続されるように導電層
16を約2.0〜3.0μmの厚みに形成する。上部磁
極層13は、下部磁極層8の第3の層8cの上の部分に
形成されたコンタクトホールを介して、下部磁極層8の
第3の層8cに接触し、磁気的に連結されている。
【0058】上部磁極層13は、NiFe(Ni:80
重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料で
あるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)
等を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和
磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用
い、スパッタによって形成してもよい。この他にも、高
飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス
材等を用いてもよい。また、高周波特性の改善のため、
上部磁極層13を、無機系の絶縁膜とパーマロイ等の磁
性層とを何層にも重ね合わせた構造としてもよい。
【0059】次に、上部磁極層13をマスクとして、ド
ライエッチングにより、記録ギャップ層12を選択的に
エッチングする。このときのドライエッチングには、例
えば、BCl2,Cl2等の塩素系ガスや、CF4,SF6
等のフッ素系ガス等のガスを用いた反応性イオンエッチ
ング(RIE)が用いられる。次に、例えばアルゴンイ
オンミリングによって、下部磁極層8の第2の層8bを
選択的に約0.3〜0.6μm程度エッチングして、図
5(b)に示したようなトリム構造とする。このトリム
構造によれば、狭トラックの書き込み時に発生する磁束
の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止するこ
とができる。
【0060】次に、図6に示したように、全体に、例え
ばアルミナよりなるオーバーコート層17を、20〜4
0μmの厚みに形成し、その表面を平坦化して、その上
に、図示しない電極用パッドを形成する。最後に、上記
各層を含むスライダの研磨加工を行って、記録ヘッドお
よび再生ヘッドのエアベアリング面30を形成して、薄
膜磁気ヘッド素子が完成する。
【0061】図7は、図6に示した薄膜磁気ヘッド素子
の主要部分を示す平面図である。なお、図7では、オー
バーコート層17や、その他の絶縁層および絶縁膜を省
略している。
【0062】本例における薄膜磁気ヘッド素子は、再生
ヘッドと記録ヘッド(誘導型電磁変換素子)とを備えて
いる。再生ヘッドは、MR素子5と、記録媒体に対向す
る媒体対向面すなわちエアベアリング面30側の一部が
MR素子5を挟んで対向するように配置され、MR素子
5をシールドする下部シールド層3および上部シールド
層(下部磁極層8)とを有している。
【0063】記録ヘッドは、互いに磁気的に連結され、
エアベアリング面30側において互いに対向する磁極部
分を含み、それぞれ少なくとも1つの層を含む下部磁極
層8および上部磁極層13と、下部磁極層8の磁極部分
と上部磁極層13の磁極部分との間に設けられた記録ギ
ャップ層12と、少なくとも一部が下部磁極層8および
上部磁極層13の間に、これらに対して絶縁された状態
で設けられた薄膜コイル10とを有している。
【0064】次に、図8を参照して、本実施の形態に係
るスライダの製造方法が適用されるスライダの一例につ
いて説明する。図8はスライダのエアベアリング面の構
成の一例を示す底面図である。この図に示したように、
スライダ20におけるエアベアリング面は、磁気ディス
ク等の記録媒体の回転によって生じる空気流によってス
ライダ20を記録媒体の表面からわずかに浮上させるた
めに必要な形状に形成されている。なお、図8におい
て、符号21aは凸部を表し、21bは凹部を表してい
る。また、スライダ20におけるエアベアリング面の空
気流出側(図8における上側)の端部近傍には薄膜磁気
ヘッド素子22が配置されている。この薄膜磁気ヘッド
素子22の構成は、例えば図6に示したようになってい
る。図8におけるA部が、図6(b)に対応する。
【0065】次に、図9ないし図11を参照して、本実
施の形態に係るスライダの製造方法について説明する。
図9は本実施の形態に係るスライダの製造方法における
一工程を説明するための断面図である。図10は図9に
続く工程を示す断面図である。図11は図10に続く工
程を示すと共に、スライダが記録媒体の表面からわずか
に浮上している状態を示す断面図である。図9ないし図
11は、図8におけるB−B線で表される断面を表して
いる。また、図9ないし図11では、薄膜磁気ヘッド素
子22のうちの主要な部分のみを示している。
【0066】本実施の形態に係るスライダの製造方法で
は、まず、それぞれ薄膜磁気ヘッド素子22を含むスラ
イダ20となる部分(以下、スライダ部分と言う。)が
複数列に配列されたウェハを一方向に切断して、スライ
ダ部分が一列に配列されたバーと呼ばれるブロックを形
成する。バーは、本発明におけるスライダ用の素材に対
応する。
【0067】次に、図9に示したように、スライダ20
となる部分を含むバーに対して研磨加工を行ってエアベ
アリング面30を形成する。スライダ20の大部分は、
例えばアルティックよりなる基板1で構成されている。
スライダ20のうちの残りの部分は、例えばアルミナよ
りなる絶縁層27と、この絶縁層27内に形成された薄
膜磁気ヘッド素子22等で構成されている。絶縁層27
の大部分はオーバーコート層17である。
【0068】上記研磨加工の後、スライダ20のエアベ
アリング面30には、硬度の異なる複数の層の間で段差
が生じている。研磨加工は、例えば、研磨剤としてのダ
イヤモンドにアルカリ系潤滑液を加えたアルカリ系スラ
リーを用い、回転するスズ定盤上で行われる。この場合
には、アルカリ系スラリーによってアルミナよりなる絶
縁層27を化学エッチングしながら、絶縁層27と、磁
性材料よりなる下部シールド層3、下部磁極層8および
上部磁極層13を機械的に研磨することができるので、
絶縁層27と、下部シールド層3、下部磁極層8および
上部磁極層13と間の段差をほぼゼロにすることができ
る。
【0069】しかしながら、上記のアルカリ系スラリー
を用いた研磨によっても、絶縁層27と基板1との間で
生じる段差を解消することはできず、絶縁層27と基板
1との間では、基板1に対して絶縁層27が引っ込んだ
状態で4〜5nm程度の段差が生じる。この場合、薄膜
磁気ヘッド素子22のエアベアリング面30側の面と、
基板1のエアベアリング面30側の面との間の段差は4
〜5nm程度となる。
【0070】本実施の形態では、次に、図10に示した
ように、スライダ20のエアベアリング面30におい
て、薄膜磁気ヘッド素子22に対応する部分と他の部分
との間の段差が減少するように、エアベアリング面30
の少なくとも一部を集束イオンビーム(Focused Ion Be
am;以下、FIBと記す。)100によってエッチング
する。FIB100によるエッチングは、スライダ20
のエアベアリング面30のうち基板1に対応する部分の
みに対して行ってもよいし、エアベアリング面30の全
面について行ってもよい。
【0071】FIB100によるエッチングを、エアベ
アリング面30のうち基板1に対応する部分のみに対し
て行う場合には、例えば、始めに、エアベアリング面3
0において基板1と絶縁層27との境界位置を基準にし
てFIB100の位置合わせを行い、次に、FIB10
0を走査して基板1をエッチングする。FIB100の
走査の方向は、図10における左右方向でもよいし、紙
面に直交する方向でもよいし、他の方向でもよい。ま
た、FIB100による基板1のエッチング量は、薄膜
磁気ヘッド素子22のエアベアリング面30側の面と、
基板1のエアベアリング面30側の面との間の段差の量
またはそれに近い量、例えば5nmとする。
【0072】FIB100によるエッチングを、エアベ
アリング面30の全面について行う場合には、例えば、
始めに、エアベアリング面30における空気流出側(図
10における左側)の端部を基準にしてFIB100の
位置合わせを行い、次に、FIB100を走査してエア
ベアリング面30の全面をエッチングする。この場合、
始めは、エアベアリング面30において、基板1に対し
て薄膜磁気ヘッド素子22および絶縁層27が引っ込ん
だ状態で段差が生じているので、この段差がなくなるま
では、FIB100によってほぼ基板1のみがエッチン
グされる。段差がなくなった後は、基板1、薄膜磁気ヘ
ッド素子22および絶縁層27がエッチングされる。F
IB100の走査の方向は、図10における左右方向で
もよいし、紙面に直交する方向でもよいし、他の方向で
もよい。また、FIB100による基板1のエッチング
量は、薄膜磁気ヘッド素子22のエアベアリング面30
側の面と、基板1のエアベアリング面30側の面との間
の段差の量またはそれに近い量、例えば5nmとする。
FIB100によって薄膜磁気ヘッド素子22および絶
縁層27もエッチングする場合には、エッチング量は上
記段差の量よりも多くする。
【0073】また、FIB100によって薄膜磁気ヘッ
ド素子22および絶縁層27もエッチングする場合に
は、エッチング量を制御することにより、MR素子5の
エアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの
長さ(高さ)であるMRハイトと、記録ヘッドの磁極部
分のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部ま
での長さ(高さ)であるスロートハイトとを制御するよ
うにしてもよい。
【0074】上記のFIB100によるエッチングによ
り、図11に示したように、保護膜28の形成前におけ
るスライダ20のエアベアリング面30において、基板
1と薄膜磁気ヘッド素子22および絶縁層27との間の
段差がゼロまたはほぼゼロになり、エアベアリング面3
0の全体を平面度の優れた面とすることができる。
【0075】次に、スライダ20のエアベアリング面3
0に、例えば図8に示したような凸部21aおよび凹部
21bを形成して、エアベアリング面30を、記録媒体
の回転によって生じる空気流によってスライダ20を記
録媒体の表面からわずかに浮上させるために必要な形状
とする。
【0076】次に、図11に示したように、スライダ2
0のエアベアリング面30の全面に、薄膜磁気ヘッド素
子22を保護するための保護膜28を形成する。この保
護膜28の材料には、例えばダイヤモンドライクカーボ
ン(DLC)が用いられる。保護膜28の厚みは、例え
ば3〜5nmとする。
【0077】最後に、バーを切断して各スライダ20に
分離する。なお、本実施の形態では、スライダ20のエ
アベアリング面30に凸部21aおよび凹部21bを形
成する工程において、図11に示したように、スライダ
20のエアベアリング面30側のエッジのうち、薄膜磁
気ヘッド素子22の近傍である空気流出側(図11にお
ける左側)のエッジを面取りしている。
【0078】図11に示したように、本実施の形態に係
る製造方法によって製造されたスライダ20では、保護
層28の厚みを5nmとし、スライダ20の浮上時にお
けるスライダ20と記録媒体40との間の距離を10n
mとすると、スライダ20の浮上時における薄膜磁気ヘ
ッド素子22のエアベアリング面30側の面と記録媒体
40との間の距離、すなわち磁気スペースは15nmと
なる。このスライダ20における磁気スペースは、図2
4に示した従来のスライダ120における磁気スペース
に比べて、5〜7nmほど縮小されている。
【0079】以上説明したように、本実施の形態では、
保護膜28の形成前におけるスライダ20のエアベアリ
ング面30において、薄膜磁気ヘッド素子22に対応す
る部分と他の部分との間の段差が減少するように、エア
ベアリング面30の少なくとも一部をFIB100によ
ってエッチングし、その後、エアベアリング面30の全
面に保護膜28を形成するようにしている。
【0080】これにより、本実施の形態によれば、薄膜
磁気ヘッド素子22のエアベアリング面30側の面と、
基板1のエアベアリング面30側の面との間の段差をゼ
ロまたはほぼゼロにすることができる。その結果、本実
施の形態によれば、スライダ20の低浮上化、すなわち
磁気スペースの縮小が可能になる。また、本実施の形態
によれば、磁気スペースの縮小により、再生ヘッドにお
ける再生出力の向上や半値幅の縮小が可能になり、その
結果、記録密度を向上させることができる。図12は、
本実施の形態に係る製造方法によって製造されたスライ
ダ20の薄膜磁気ヘッド素子22における再生出力の波
形の一例を示したものである。この図において、符号P
W50は再生出力における半値幅を表している。半値幅
PW50は、再生出力がピーク時の50%以上となる時
間である。
【0081】また、本実施の形態によれば、磁気スペー
スの縮小により、記録ヘッドにおけるオーバーライト特
性を向上させることが可能になる。
【0082】また、本実施の形態によれば、FIB10
0によってスライダ20のエアベアリング面30の少な
くとも一部をエッチングするようにしたので、スライダ
20のエアベアリング面30を所望の形状、例えば、エ
アベアリング面30のうち、薄膜磁気ヘッド素子22に
対応する部分が、基板1に対応する部分よりも記録媒体
40に近づく位置に配置されるような形状に形成するこ
とも可能になる。
【0083】また、本実施の形態によれば、スライダ2
0のエアベアリング面30側のエッジのうち、薄膜磁気
ヘッド素子22の近傍である空気流出側(図11におけ
る左側)のエッジを面取りしたので、スライダ20のよ
り低浮上化が可能になる。
【0084】また、本実施の形態によれば、FIB10
0によって薄膜磁気ヘッド素子22および絶縁層27も
エッチングすると共に、そのエッチング量を制御するこ
とによってMRハイトとスロートハイトを制御すること
ができるので、MRハイトとスロートハイトを精度よく
制御することが可能になる。
【0085】また、本実施の形態によれば、例えば、エ
アベアリング面30における空気流出側の端部を基準に
してFIB100の位置合わせを行い、FIB100を
走査してエアベアリング面30の全面をエッチングする
ことにより、定盤を用いた研磨加工によって形成された
面と比べて、エアベアリング面30の平面度を向上させ
ることができる。
【0086】[第2の実施の形態]次に、図13および
図14を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るス
ライダの製造方法について説明する。図13は本実施の
形態に係るスライダの製造方法における一工程を説明す
るための断面図である。図14は図13に続く工程を示
すと共に、スライダが記録媒体の表面からわずかに浮上
している状態を示す断面図である。図13および図14
は、図8におけるB−B線で表される断面を表してい
る。また、図13および図14では、薄膜磁気ヘッド素
子22のうちの主要な部分のみを示している。
【0087】本実施の形態に係るスライダの製造方法で
は、図9に示したように、スライダ20となる部分を含
むバーに対して研磨加工を行ってエアベアリング面30
を形成し、更に、図13に示したように、スライダ20
のエアベアリング面30において、薄膜磁気ヘッド素子
22に対応する部分と他の部分との間の段差が減少する
ように、エアベアリング面30の少なくとも一部をFI
B100によってエッチングする工程までは、第1の実
施の形態と同様である。
【0088】本実施の形態では、次に、スライダ20の
エアベアリング面30に、例えば図8に示したような凸
部21aおよび凹部21bを形成して、エアベアリング
面30を、記録媒体の回転によって生じる空気流によっ
てスライダ20を記録媒体の表面からわずかに浮上させ
るために必要な形状とする。
【0089】次に、図14に示したように、スライダ2
0のエアベアリング面30の全面に、薄膜磁気ヘッド素
子22を保護するための保護膜28を形成する。この保
護膜28の材料には、例えばダイヤモンドライクカーボ
ン(DLC)が用いられる。
【0090】次に、基板1に対応する部分における保護
膜28の上の一部に、吸着防止等の機能を有する凸部3
3を、例えばリフトオフ法によって形成する。この凸部
33の材料には、例えばダイヤモンドライクカーボン
(DLC)が用いられる。
【0091】最後に、バーを切断して各スライダ20に
分離する。なお、本実施の形態では、スライダ20のエ
アベアリング面30に凸部21aおよび凹部21bを形
成する工程において、図14に示したように、スライダ
20のエアベアリング面30側のエッジのうち、薄膜磁
気ヘッド素子22の近傍である空気流出側(図14にお
ける左側)のエッジを面取りしている。
【0092】本実施の形態によれば、スライダ20のエ
アベアリング面30のうち、基板1に対応する部分の一
部に凸部33を設けたので、記録媒体40の回転開始時
におけるスライダ20と記録媒体40との吸着を防止す
ることができると共に、記録媒体40が回転している状
態から回転を停止した状態に移行し、スライダ20が記
録媒体40に接触する際における衝撃を軽減することが
できる。
【0093】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0094】[第3の実施の形態]次に、図15および
図16を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るス
ライダの製造方法について説明する。図15は本実施の
形態に係るスライダの製造方法における一工程を説明す
るための断面図である。図16は図15に続く工程を示
すと共に、スライダが記録媒体の表面からわずかに浮上
している状態を示す断面図である。図15および図16
は、図8におけるB−B線で表される断面を表してい
る。また、図15および図16では、薄膜磁気ヘッド素
子22のうちの主要な部分のみを示している。
【0095】本実施の形態に係るスライダの製造方法で
は、図9に示したように、スライダ20となる部分を含
むバーに対して研磨加工を行ってエアベアリング面30
を形成する工程までは、第1の実施の形態と同様であ
る。
【0096】本実施の形態では、次に、図15に示した
ように、エアベアリング面30の全面をFIB100に
よってエッチングする。ただし、本実施の形態では、F
IB100によるエッチング量を、空気流入側および空
気流出側の各端部側ほど多くすることにより、図16に
示したように、エアベアリング面30の形状を、エアベ
アリング面30における空気流入側端部および空気流出
側端部に比べてそれらの中間部分が記録媒体40側に突
出した形状(以下、クラウン形状と言う。)とする。こ
の場合、エアベアリング面30の形状は、エアベアリン
グ面30における空気流入側端部から空気流出側端部に
かけて弧状をなす形状、すなわち円筒面形状またはそれ
に近い形状とするのが好ましいが、屋根型、ドーム型、
円錐状等の他の形状としてもよい。
【0097】次に、スライダ20のエアベアリング面3
0に、例えば図8に示したような凸部21aおよび凹部
21bを形成して、エアベアリング面30を、記録媒体
の回転によって生じる空気流によってスライダ20を記
録媒体の表面からわずかに浮上させるために必要な形状
とする。
【0098】次に、図16に示したように、スライダ2
0のエアベアリング面30の全面に、薄膜磁気ヘッド素
子22を保護するための保護膜28を形成する。この保
護膜28の材料には、例えばダイヤモンドライクカーボ
ン(DLC)が用いられる。
【0099】最後に、バーを切断して各スライダ20に
分離する。なお、本実施の形態では、スライダ20のエ
アベアリング面30に凸部21aおよび凹部21bを形
成する工程において、図16に示したように、スライダ
20のエアベアリング面30側のエッジのうち、薄膜磁
気ヘッド素子22の近傍である空気流出側(図16にお
ける左側)のエッジを面取りしている。
【0100】本実施の形態によれば、FIB100によ
ってスライダ20のエアベアリング面30をエッチング
するようにしたので、FIB100によるエッチング量
を部分毎に制御することにより、スライダ20のエアベ
アリング面30の形状を所望の形状、例えば、上述のよ
うなクラウン形状とすることが可能になる。
【0101】また、本実施の形態によれば、エアベアリ
ング面30の形状をクラウン形状とすることにより、記
録媒体40の回転開始時におけるスライダ20と記録媒
体40との吸着を防止することができると共に、記録媒
体40が回転している状態から回転を停止した状態に移
行し、スライダ20が記録媒体40に接触する際におけ
る衝撃を軽減することができる。
【0102】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0103】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明は、
誘導型電磁変換素子を有しない再生専用の薄膜磁気ヘッ
ドや、誘導型電磁変換素子のみを有する記録専用の薄膜
磁気ヘッドや、誘導型電磁変換素子によって記録と再生
を行う薄膜磁気ヘッドにも適用することができる。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし10
のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド用スライダの製造方
法によれば、媒体対向面において、薄膜磁気ヘッド素子
に対応する部分と他の部分との間の段差が減少するよう
に、媒体対向面の少なくとも一部を集束イオンビームに
よってエッチングするようにしたので、薄膜磁気ヘッド
用スライダの低浮上化が可能になり、且つ薄膜磁気ヘッ
ド用スライダの媒体対向面を所望の形状に形成すること
が可能になるという効果を奏する。
【0105】また、請求項6記載の薄膜磁気ヘッド用ス
ライダの製造方法によれば、媒体対向面に保護膜を形成
し、保護膜の上に凸部を形成するようにしたので、スラ
イダと記録媒体との吸着を防止することが可能になると
いう効果を奏する。
【0106】また、請求項7または8記載の薄膜磁気ヘ
ッド用スライダの製造方法によれば、エッチングする工
程において、媒体対向面の形状を、媒体対向面における
空気流入側端部および空気流出側端部に比べてそれらの
中間部分が記録媒体側に突出した形状とするようにした
ので、スライダと記録媒体との吸着を防止することが可
能になるという効果を奏する。
【0107】また、請求項9記載の薄膜磁気ヘッド用ス
ライダの製造方法によれば、エッチングする工程におい
て、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端
部までの長さを制御するようにしたので、この長さを精
度よく制御することが可能になるという効果を奏する。
【0108】また、請求項10記載の薄膜磁気ヘッド用
スライダの製造方法によれば、エッチングする工程にお
いて、磁極部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部
までの長さを制御するようにしたので、この長さを精度
よく制御することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄膜磁気ヘッド素子の製造方法の一例における
一工程を示す断面図である。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図6】薄膜磁気ヘッド素子の一例の構成を示す断面図
である。
【図7】図6に示した薄膜磁気ヘッド素子の主要部分を
示す平面図である。
【図8】スライダのエアベアリング面の構成の一例を示
す底面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るスライダの製
造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図10】図9に続く工程を示す断面図である。
【図11】図10に続く工程を示すと共にスライダが記
録媒体の表面からわずかに浮上している状態を示す断面
図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る製造方法に
よって製造されたスライダの薄膜磁気ヘッド素子におけ
る再生出力の波形の一例を示す特性図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るスライダの
製造方法における一工程を説明するための断面図であ
る。
【図14】図13に続く工程を示すと共にスライダが記
録媒体の表面からわずかに浮上している状態を示す断面
図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係るスライダの
製造方法における一工程を説明するための断面図であ
る。
【図16】図15に続く工程を示すと共にスライダが記
録媒体の表面からわずかに浮上している状態を示す断面
図である。
【図17】従来の薄膜磁気ヘッド素子の製造方法におけ
る一工程を説明するための断面図である。
【図18】図17に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図19】図18に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図20】従来の薄膜磁気ヘッド素子の断面図である。
【図21】従来の薄膜磁気ヘッド素子の平面図である。
【図22】スライダのエアベアリング面の構成の一例を
示す底面図である。
【図23】図22のD−D線断面図である。
【図24】スライダが記録媒体の表面からわずかに浮上
している状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、5…MR
素子、8…下部磁極層、10…薄膜コイル、12…記録
ギャップ層、13…上部磁極層、17…オーバーコート
層、20…スライダ、22…薄膜磁気ヘッド素子、27
…絶縁層、28…保護膜、30…エアベアリング面、4
0…記録媒体。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対向する媒体対向面と、前記
    媒体対向面の近傍に配置された薄膜磁気ヘッド素子とを
    有する薄膜磁気ヘッド用スライダの製造方法であって、 薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダ用の素材に対して媒
    体対向面を形成する工程と、 前記媒体対向面において、薄膜磁気ヘッド素子に対応す
    る部分と他の部分との間の段差が減少するように、前記
    媒体対向面の少なくとも一部を集束イオンビームによっ
    てエッチングする工程とを備えたことを特徴とする薄膜
    磁気ヘッド用スライダの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記媒体対向面を形成する工程は、前記
    スライダ用の素材における媒体対向面となる面の研磨を
    含むことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド用
    スライダの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記エッチングする工程では、媒体対向
    面の端部を基準にして集束イオンビームの位置合わせを
    行うことを特徴とする請求項1または2記載の薄膜磁気
    ヘッド用スライダの製造方法。
  4. 【請求項4】 更に、前記エッチングする工程の後に、
    前記媒体対向面に保護膜を形成する工程を備えたことを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁
    気ヘッド用スライダの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記保護膜はダイヤモンドライクカーボ
    ンによって形成されることを特徴とする請求項4記載の
    薄膜磁気ヘッド用スライダの製造方法。
  6. 【請求項6】 更に、前記保護膜の上に凸部を形成する
    工程を備えたことを特徴とする請求項4または5記載の
    薄膜磁気ヘッド用スライダの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記エッチングする工程では、前記媒体
    対向面の形状を、媒体対向面における空気流入側端部お
    よび空気流出側端部に比べてそれらの中間部分が記録媒
    体側に突出した形状とすることを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド用スライダの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記エッチングする工程では、前記媒体
    対向面の形状を、媒体対向面における空気流入側端部か
    ら空気流出側端部にかけて弧状をなす形状とすることを
    特徴とする請求項7記載の薄膜磁気ヘッド用スライダの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記薄膜磁気ヘッド素子は磁気抵抗素子
    を有し、前記エッチングする工程では、前記磁気抵抗素
    子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さを
    制御することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか
    に記載の薄膜磁気ヘッド用スライダの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記薄膜磁気ヘッド素子は、互いに磁
    気的に連結され、媒体対向面側において互いに対向する
    磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層を含む第
    1および第2の磁性層と、前記第1の磁性層の磁極部分
    と前記第2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャ
    ップ層と、少なくとも一部が前記第1および第2の磁性
    層の間に、前記第1および第2の磁性層に対して絶縁さ
    れた状態で設けられた薄膜コイルとを有し、 前記エッチングする工程では、前記磁極部分の媒体対向
    面側の端部から反対側の端部までの長さを制御すること
    を特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の薄膜
    磁気ヘッド用スライダの製造方法。
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