JP2001249336A - 液晶素子、該液晶素子を備えた液晶装置、及び該液晶素子の製造方法 - Google Patents

液晶素子、該液晶素子を備えた液晶装置、及び該液晶素子の製造方法

Info

Publication number
JP2001249336A
JP2001249336A JP2000061097A JP2000061097A JP2001249336A JP 2001249336 A JP2001249336 A JP 2001249336A JP 2000061097 A JP2000061097 A JP 2000061097A JP 2000061097 A JP2000061097 A JP 2000061097A JP 2001249336 A JP2001249336 A JP 2001249336A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
film
crystal element
alignment
pair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000061097A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Asao
恭史 浅尾
Masahiro Terada
匡宏 寺田
Yoshimasa Mori
省誠 森
Takashi Moriyama
孝志 森山
Takeshi Togano
剛司 門叶
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000061097A priority Critical patent/JP2001249336A/ja
Publication of JP2001249336A publication Critical patent/JP2001249336A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ディスクリネーション等の液晶欠陥の発生を防
止する。 【解決手段】一方の基板1aに配向制御膜4aを形成
し、他方の基板1bに非一軸配向膜4bを形成し、これ
らの膜4a,4bの間にカイラルスメクチック液晶2を
配置した。そして、前記配向制御膜4aにおける表面エ
ネルギーをγとし、前記非一軸配向膜4bにおける表
面エネルギーをγとした場合において、γ >γ
あり、かつ、前記非一軸配向膜4bにおける表面エネル
ギーの分散項γ が、 30dyne/cm<γ <40dyne/cm であるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットパネルデ
ィスプレイ、プロジェクションディスプレイ、ビューフ
ァインダ及びプリンター等に用いられる液晶素子、該液
晶素子を備えた液晶装置、及び該液晶素子の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】(1) 透過型液晶パネルでは、ツイステ
ッドネマチック液晶に比べて応答速度が速いカイラルス
メクチック液晶が用いられている。
【0003】(2) また、このカイラルスメクチック液
晶は反射型液晶パネルにおいても用いられている。以
下、この点について参考までに説明する。
【0004】反射型液晶パネルは、バックライトが不要
で消費電力が少なく、開口率が大きいために精細度を高
くできる等の特徴を有していることから、今後の幅広い
利用が期待されている。
【0005】なお、この反射型液晶パネルにおいても、
画素数が多い大容量ディスプレイの場合には、ネマチッ
ク液晶を用いたアクティブマトリクス型液晶パネル(一
つ一つの画素にトランジスタのようなスイッチング素子
を配置したもの)にすることが好ましいが、用いる液晶
モードとしては以下のものが考えられる。
【0006】透過型液晶パネルに使用される液晶モード
としてツイステッドネマチックモード(Twisted
Nematicモード;「エム・シャット(M.Sc
hadt)とダブリュー・ヘルフリッヒ(W.Helf
rich)著、APPlied Physics Le
tters、第18巻、第4号(1971年2月15日
発行)、第127頁から128頁」参照)があるが、こ
のモードを使用する場合には偏光板を2枚配置しなけれ
ばならないことから光の利用効率が低下するため、バッ
クライトを有さずに光量の少ない反射型液晶パネルには
適しているとは言い難い。偏光板を必要とせずに光利用
効率が高いものとしてGH(ゲストホスト)タイプのも
のがあるが、ヒステリシスの存在による中間調表示特性
の劣化や応答速度が極めて遅い等の問題があって、フル
カラー画像や動画を表示する場合の反射型液晶パネルに
は適していない。したがって、反射型液晶パネルであっ
てフルカラー画像や動画を表示する場合には、複屈折効
果を利用した1枚偏光板タイプのECB(Electr
ically Controlled Birefri
ngence)モードやHAN(Hybrid Ali
gned Nematic)モードが適していると考え
られる。
【0007】しかしながら、このようないずれのモード
を利用するにしても、ネマチック液晶は応答速度が数十
ms程度と遅く、動画表示には不向きであり、近年は、
強誘電性や反強誘電性を示すカイラルスメクチック液晶
を用いることに注目されている。このカイラルスメクチ
ック液晶には、複屈折効果を利用でき偏光板を1枚にす
ることができるため、光の利用効率向上という特徴をも
有している。また、このカイラルスメクチック液晶では
自発分極によって反転スイッチングを行うため、数十μ
sと応答時間が非常に短く、視野角特性にも優れている
という特徴も有している。
【0008】(3) 上述のように、カイラルスメクチッ
ク液晶は透過型及び反射型の液晶パネルに好適である
が、ジグザグ欠陥の発生やそれに伴うコントラストの低
下を防止する点からパーフルオロエーテル側鎖を有する
液晶化合物が好ましい。以下、この点について説明す
る。
【0009】上述のようなカイラルスメクチック液晶を
用いた液晶パネルでは、「強誘電性液晶の構造と物性
(コロナ社、福田敦夫、竹添秀男著、1990年)」に
も記載されているように、ジグザグ欠陥が発生してコン
トラストを著しく低下させてしまうという問題があっ
た。この欠陥が発生する原因は、カイラルスメクチック
液晶が2種類のシェブロン構造を形成していて、その層
の折れ曲がり角度(層の傾斜角δ)がかなり大きいこと
にある。そこで、このようなシェブロン構造の替わりに
ブックシェルフと言われる層状構造やそれに近い構造を
現出させてジグザグ欠陥の発生を防止するようにした液
晶パネルが提案されており(「次世代液晶ディスプレイ
と液晶材料;(株)シーエムシー、福田敦夫編、199
2年」)、液晶材料としてはパーフルオロエーテル側鎖
を持つ液晶性化合物(米国特許 5262082、国際
出願特許 WO93/22396、1993年第4回強
誘電液晶国際会議 P46、Marc D.Radcl
iffeら)が開示されている。
【0010】かかる液晶材料を用いた液晶パネルでは、
ジグザグ欠陥の発生を防止してコントラストを高くでき
るという特徴を有している。また、この液晶性化合物の
場合、他の炭化水素系の強誘電性液晶よりも粘性が低い
ことから、応答速度を速くしたり、自発分極値を小さく
してアクティブマトリクス駆動に適したものとしたりす
ることができる。
【0011】なお、上述のようにパーフルオロエーテル
側鎖を有する液晶性化合物を均一に配向させる手段につ
いては特開平08−036182号公報に開示されてい
る。すなわち、かかる液晶では、ISO状態からスメク
チックA相に転移する際に、ほぼ楕円形のSmA相の島
(以下“バトネ”とする)が発生し、それが成長して接
合することによって相転移が完了する。ところで、この
バトネの成長方向がランダムであったり、バトネどうし
が接合されていない場合にはSmA相にて配向欠陥が発
生して液晶は均一に配向されなくなる。そして、上記公
報には、上下基板それぞれの表面エネルギーγ,γ
の差γ−γを大きく、具体的には、γ−γ>9
dyne/cm、さらにはγ−γ>17dyne/
cmとすることが配向欠陥の抑制に繋がることが開示さ
れている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】(4) しかしながら、
このようなパーフルオロエーテル側鎖を持つ液晶性化合
物ではディスクリネーションライン等の様々な欠陥が発
生する。以下、この欠陥について説明する。
【0013】上述のパーフルオロエーテル側鎖を持つ液
晶性化合物では、層の傾斜角δの大きさは(層間隔の大
きさの温度特性によって必然的に生み出されていて)多
少の値(数度以下と小さいものの0度ではない値)を持
っており、(上述のようなジグザグ欠陥は認められない
ものの)層構造の不連続性に起因した欠陥(ディスクリ
ネーションライン)が発生し、様々な問題を引き起こし
ていた。
【0014】すなわち、黒表示を行う場合には欠陥部分
から光が漏れることによってコントラストが低下してし
まうという問題があった。また、この欠陥には様々な種
類のものがあって、それぞれの見かけのチルト角も異な
ることから、欠陥がランダムに分布してしまうことで、
白表示する際においても最大透過率が変化してしまうと
いう問題があった。
【0015】本発明者はX線解析結果などから、こうし
た欠陥がスメクチック液晶の層構造において、層構造の
折れ曲がり角度(層の傾斜角)を持つシェブロン構造を
有する領域と、液晶の層間隔の大きさの温度特性によっ
て計算される値に比べ著しく小さい層の傾斜角を持つ層
構造を有する領域とが混在していることが原因して、配
向及び駆動特性のムラが発生していることを見出した。
なお、ここでいう欠陥は例えばSmA相内において完全
にブックシェルフ構造を有している場合には観測されな
い。すなわち、層方向は均一に形成されている場合にお
いても、SmC 相に転移した後、数度以下であって
も零ではない有限の層傾斜角(シェブロン角)を有した
ときに初めて観測されるものである。
【0016】(5) ところで、上述した欠陥は、透過型
に比べてセル厚の小さい反射型液晶パネルでは顕著とな
る。以下、その理由について説明する。
【0017】上述した欠陥が反射型液晶パネルで顕著と
なる1つの理由は、上述した欠陥は、セル厚が小さいも
のほど発生し易く、反射型液晶パネルは透過型液晶パネ
ルに比べてセル厚が薄い(半分程度)だからである。す
なわち、複屈折効果を利用した反射型液晶パネルの場
合、コントラストを高くするには、リタデーション(Δ
nd)を可視光波長λの4分の1(可視光の中心波長で
ある550nmの4分の1である140nm)にする必
要がある。また、液晶パネルを斜めから見たときの色付
き(黄色み付き)を抑制するにはリタデーションをさら
に小さくする必要がある。ここで、リタデーションの値
は、液晶材料の複屈折値Δnとセル厚dとによって決定
されるものであるが、複屈折値Δnの方は液晶材料固有
の値(例えば、上述のようなパーフルオロエーテル側鎖
を持つ液晶性化合物の場合には複屈折値Δnは0.08
〜0.10となる)であって、リタデーションの値を1
40nmにするにはセル厚dを1.8μm以下に薄くす
る必要がある。反射型液晶パネルではセル厚がこのよう
に薄いため上記欠陥が顕著となる。
【0018】上述した欠陥が反射型液晶パネルで顕著と
なるもう1つの理由は、反射型液晶パネルでは、入射光
と反射光とが通過するため、欠陥が透過型のものに比べ
て2倍に強調されることにある。
【0019】(6) また、上述した欠陥は、製造直後
(すなわち、液晶を等方相から冷却した直後)の液晶パ
ネルには現れていなくても、液晶に駆動電圧を印加した
場合、特に高周波電圧を印加した場合には現れることも
ある。このことについて、以下説明する。
【0020】透過型/反射型のいずれの液晶パネルにお
いても、中間調表示するために時分割階調制御が用いら
れることがある。いま、液晶を低い周波数でオン・オフ
した場合、人間の眼には画像のチラツキ(単なる光のオ
ン・オフ)としてしか認識されないが、液晶のオン・オ
フを所定以上の高周波で行った場合には、人間の眼には
(画像のチラツキとして認識されず)中間調(オン・オ
フの時間比に応じたレベルの中間調)として認識され
る。時分割階調制御とはこのような現象を利用して液晶
パネルの高周波駆動を行うものである。
【0021】そして、液晶が上述のような欠陥を有する
場合、欠陥の多い領域と、均一配向部分が多い領域とで
は電圧に対する透過率の立ち上がり特性が異なるため、
時分割階調制御の際に階調レベルにずれが生じ、色再現
性が損なわれるという問題があった。
【0022】そこで、本発明は、欠陥の発生等を防止す
る液晶素子、該液晶素子を備えた液晶装置、及び液晶素
子の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は上記事情を考慮
してなされたものであり、所定間隙を開けた状態に配置
された一対の基板と、これら一対の基板の間隙に配置さ
れたカイラルスメクチック液晶と、該カイラルスメクチ
ック液晶を挟み込むように配置された一対の電極と、一
軸配向特性が付与されると共に一方の基板に支持された
配向制御膜と、一軸配向特性が付与されていないと共に
他方の基板に支持された非一軸配向膜と、を備え、か
つ、前記一対の電極を介して前記カイラルスメクチック
液晶に電圧を印加することにより駆動される液晶素子に
おいて、前記カイラルスメクチック液晶が、フルオロカ
ーボン末端鎖及び炭化水素鎖を有し該両末端鎖が中心核
によって結合された、スメクチック中間相又は潜在的ス
メクチック中間相を持つフッ素含有液晶化合物を含有
し、前記配向制御膜における表面エネルギーをγ
し、前記非一軸配向膜における表面エネルギーをγ
した場合において、γ>γであり、かつ、前記非一
軸配向膜における表面エネルギーの分散項γ が、3
0dyne/cm<γ <40dyne/cmであ
る、ことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図6を参照して、
本発明の実施の形態について説明する。 (1) まず、本実施の形態に係る液晶素子の構成につい
て図1及び図2を参照して説明する。
【0025】本実施の形態に係る液晶素子は、図1や図
2に符号P及びPで示すように、所定間隙を開けた
状態に配置された一対の基板1a,1bと、これら一対
の基板1a,1bの間隙に配置されたカイラルスメクチ
ック液晶2と、該カイラルスメクチック液晶2を挟み込
むように配置された一対の電極3a,3bと、一軸配向
特性が付与されると共に一方の基板1aに支持された配
向制御膜4aと、一軸配向特性が付与されていないと共
に他方の基板1bに支持された非一軸配向膜4bと、を
備えており、該液晶素子は、前記一対の電極3a,3b
を介して前記カイラルスメクチック液晶2に電圧を印加
することにより駆動されるようになっている。
【0026】ところで、前記一対の基板1a,1bのい
ずれかに反射層Aを配置して、液晶素子を光反射型にす
ると良い。このような光反射型の場合、カイラルスメク
チック液晶2の厚み(すなわちセル厚)dが、 Δn・d=λ/4 すなわち、d=λ/(4Δ
n) 但し、Δn;液晶2の複屈折異方性 λ ;可視光の波長 を満足するようにすると良く、例えば1.8μm以下に
すると良い。
【0027】また、電極3a,3bには、In
ITO(インジウム・ティン・オキサイド)等の透明材
料を用いれば良いが、上述のように液晶素子を光反射型
にする場合には、反射効率の高い金属材料によって一方
の電極(例えば電極3b)を形成し、該電極を反射層A
として機能させても良い。なお、反射層Aを、電極3
a,3bとは別の部材(光反射のみを行う専用部材)に
て構成しても良い。
【0028】さらに、基板1a,1bには、ガラスやプ
ラスチック等の透明性の高い材料を用いれば良いが、上
述のように液晶素子を光反射型にする場合には一方の基
板1bに、シリコン等の透明性の低い(又は無い)材料
を用いれば良い。
【0029】またさらに、上述した配向制御膜4aや非
一軸配向膜4bには、電極間のショートを防止する機能
を付加しても良い。またさらに、これらの膜4a,4b
とは別に、該ショートを防止するための絶縁膜を形成し
ても良い(図1には液晶2の両側に形成された絶縁膜6
a,6bを図示し、図2には片側に形成された絶縁膜6
bのみ図示)。かかる絶縁膜6a,6bは、SiO
TiO、Ta等にて形成すれば良い。
【0030】また、これらの配向制御膜4a、非一軸配
向膜4b及び絶縁膜6a,6b以外に有機物層や無機物
層を形成しても良い。
【0031】さらに、基板1a,1bの間隙にエポキシ
樹脂等からなる接着粒子(不図示)を分散配置して、両
基板1a,1bの接着性や、液晶素子P,Pの耐衝
撃性を向上させると良い。
【0032】また、基板1a,1bの間隙に、シリカビ
ーズ等からなるスペーサー(図1の符号5参照)を配置
し液晶2の厚みを規定するようにしてもよい。
【0033】さらに、基板1a又は1bに沿うように偏
光板を配置すると良い(図1の符号17参照)。
【0034】一方、本発明に係る液晶素子は単純マトリ
クス型としてもアクティブマトリクス型としても良い
が、単純マトリクス型にする場合には電極3a,3bを
ストライプ状に形成して互いに交差するように配置すれ
ば良く、アクティブマトリクス型にする場合には一方の
電極3bをドット状にマトリクス状に配置し、各電極3
bにスイッチング素子7を接続し、他方の電極3aを基
板全面或は一部に形成すると良い。
【0035】ここで、液晶素子を時分割階調制御(詳細
は後述)で駆動する場合には情報信号電圧は必然的に高
周波になるため、発熱や電力消費を抑える観点から単純
マトリクス型よりもアクティブマトリクス型の方が好ま
しい。また、アクティブマトリクス型の場合のスイッチ
ング素子7としてはアモルファスSiやポリSi等のT
FTを挙げることができるが、液晶2が自発分極を有す
るものである点から後者の方が好ましく、単結晶である
方が好ましい。さらに、スイッチング素子7としては、
二端子型のものでも良く、シリコンウエハー上に形成し
たMOS−FETを駆動基板(バックプレーン)として
用いるタイプ(DRAM使用/通常反射型、SOI(S
ilicon On Insulator)方式/通常
透過型)等を用いても良い。
【0036】また一方、上述した液晶素子P,P
と、該液晶素子P,Pに駆動電圧を印加する駆動
回路(図3の符号20,21参照)とによって液晶装置
を構成すると良い。
【0037】この場合、上述した液晶素子P,P
用いてカラー表示を行うようにしても良い。このような
カラー表示を行う方法としては、各画素にカラーフィル
ターを配置する方法や、そのようなカラーフィルターを
用いず、液晶素子に対して異なる色の単色光を順次照射
する光源(図1の符号18参照)を設け、該光の照射に
同期させて液晶素子の画像を変更する方法(いわゆるフ
ィールドシーケンシャル方式)を挙げることができる。
後者のフィールドシーケンシャル方式の場合、赤・青・
緑の単色光を液晶素子に対して順次照射すると共に該光
の照射に同期させて少なくとも1/180秒毎に前記液
晶素子の画像を切り替えると良い。
【0038】(2) 次に、配向制御膜4a及び非一軸配
向膜4bについて説明する。
【0039】本発明においては、配向制御膜4aにおけ
る表面エネルギーをγとし、非一軸配向膜4bにおけ
る表面エネルギーをγとした場合において、γ>γ
であり、非一軸配向膜4bにおける表面エネルギーの
分散項γ を30dyne/cm<γ <40dy
ne/cmとなるようにすると良い。また、配向制御膜
4aにおける表面エネルギーの分散項γ と非一軸配
向膜4bにおける表面エネルギーの分散項γ との関
係が0dyne/cm<γ −γ <9dyne/
cmとなるようにすると良い。
【0040】さらに、非一軸配向膜4bの表面粗さは、
算術平均粗さ(Ra)で2nm以上、自乗平均粗さ(R
ma)で2.5nm以上、表面粗度(Roughnes
sfactor)で5%以上にすると良く、非一軸配向
膜4bの体積抵抗率は、材料を調整して1×10〜1
×10Ωcmの範囲にすると良い。
【0041】なお、配向制御膜4aは、基板1aの全面
に形成しても、部分的に(選択的に)形成しても良い。
部分的に形成する場合、配向制御膜4aが形成されてい
ない部分(すなわち、一軸配向規制力が存在しない領
域)における表面エネルギーの分散項は30dyne/
cmより大きくすると良い。また、配向制御膜4aが形
成されていない部分(すなわち、一軸配向規制力が存在
しない領域)に、体積抵抗率が1×10〜1×10
Ωcmの範囲となる膜を形成すると良く、該膜の表面粗
さは、算術平均粗さ(Ra)で2nm以上、自乗平均粗
さ(Rma)で2.5nm以上、又は表面粗度(Rou
ghness factor)で5%以上にすると良
い。
【0042】ここで、配向制御膜4aとしては、形成し
た膜に一軸配向処理を施して一軸配向特性を発現させた
ものや、そのような処理を施さなくとも一軸配向特性を
有している膜を用いると良い。
【0043】前者(所定の処理を施すことによって一軸
配向特性を発現するもの)の例としては、無機物(一酸
化珪素、二酸化珪素、酸化アルミニウム、ジルコニア、
フッ化マグネシウム、酸化セリウム、フッ化セリウム、
シリコン窒化物、シリコン炭化物、ホウ素窒化物など)
や有機物(ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリイ
ミドアミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステル
イミド、ポリパラキシレン、ポリカーボネート、ポリビ
ニルアセタール、ポリビニルクロライド、ポリスチレ
ン、ポリシロキサン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、
ウレア樹脂、アクリル樹脂など)の膜を、溶液状にして
直接塗布する方法や、蒸着方法、並びにスパッタリング
方法を用いて基板表面に形成し、その膜表面にビロー
ド、布或は紙等の繊維状のもので行うラビング処理を施
したものを挙げることができる。
【0044】また、後者(処理を施さなくとも一軸配向
特性を有しているもの)の具体例としては、シリコン
(Si)の酸化物や窒化物を斜方蒸着したものを挙げる
ことができる。
【0045】なお、かかる配向制御膜4aの膜厚は、自
発分極Psのスイッチングに伴って発生する反電場の大
きさを抑制して良好なスイッチング性能を有する観点か
ら200Å以下(又は、100Å以下)が好ましい。
【0046】また、ポリイミドからなる配向制御膜4a
の好ましい具体例としては、下式で表される繰り返し単
位からなるものを挙げることができる。
【0047】
【化2】
【0048】さらに、より具体的な構造としては、例え
ば以下の繰り返し単位構造が挙げられる。
【0049】
【化3】
【0050】一方、上述した非一軸配向膜4bとして
は、多結晶又は非昌質の金属酸化膜や、多結晶又は非昌
質半導体や、絶縁性ポリマー膜や、導電性制御不純物が
添加された微粒子を含む絶縁性ポリマー膜を挙げること
ができる。
【0051】ここで、多結晶又は非昌質の金属酸化膜と
しては、ZnO、CdO、ZnCdOx等のII族酸化
膜や、GeO、SnO、GeSnOx、TiO
ZrO、TiZrOx等のIV族酸化膜を挙げること
ができる。また多結晶又は非昌質半導体としては、Si
やSiC等のIV族半導体を挙げることができる。
【0052】さらに絶縁性ポリマー膜の母材には、Si
OxやTiOxやZrOx等の酸化物や、シロキサンポ
リマーを用いれば良い。また、かかるポリマー膜に含有
させる微粒子としては、ZnO、CdO、ZnCdOx
等のII族酸化物からなる微粒子や、GeO、SnO
、GeSnOx、TiO、ZrO、TiZrOx
等のIV族酸化物からなる微粒子を挙げることができ
る。
【0053】さらに、導電性制御不純物としては、II
族酸化物に対しn型不純物(ドナー;電子伝導を高める
不純物)にはIII族元素であるB、Al、Ga、In
が、P型不純物(アクセプター;ホール伝導を高める不
純物)にはI族元素であるCu、Ag、Au、Liを用
いれば良い。また、IV族酸化物又は半導体に対して、
n型不純物にはV族元素であるP、As、Sb、Li
が、P型不純物にはIII族元素であるBi,Al,G
a,Inを用いれば良い。
【0054】(3) 次に、本実施の形態に用いるカイラ
ルスメクチック液晶2について説明する。
【0055】本発明で用いるカイラルスメクチック液晶
2は、上述したように、フルオロカーボン末端鎖及び炭
化水素鎖を有し該両末端鎖が中心核によって結合され
た、スメクチック中間相又は潜在的スメクチック中間相
を持つフッ素含有液晶化合物を含有したものである。
【0056】このようなスメクチック中間相又は潜在的
スメクチック中間相を持つフッ素含有液晶化合物とし
て、好ましい具体例としては以下の一般式(II)で表
されるものを挙げることができる。
【0057】
【化4】
【0058】このような化合物としては、フェニルピリ
ミジンコアからなる化合物が好ましい。
【0059】なお、上述したカイラルスメクチック液晶
には、染料や顔料や酸化防止剤や紫外線吸収剤等の添加
物を含有させても良い。
【0060】(4) 次に、TFTを用いたアクティブマ
トリクス型液晶素子Pの構成の一例を、図2及び図3
を参照して説明する。
【0061】図に示す液晶素子Pは、所定間隙を開け
た状態に配置した一対のガラス基板1a,1b、を備え
ており、一方のガラス基板1aの全面には、均一な厚み
の共通電極3aが形成され、共通電極3aの表面には配
向制御膜4aが形成されている。
【0062】また、他方のガラス基板1bの側には、図
3に示すように、ゲート線G,G ,…が図示X方向
に多数配置され、ゲート線G,G,…とは絶縁され
た状態のソース線S,S,…が図示Y方向に多数配
置されている。そして、これらのゲート線G,G
…及びソース線S,S,…の各交点の画素には、ス
イッチング素子としての薄膜トランジスタ(アモルファ
スSiTFT)7や、金属からなる画素電極3b及び保
持容量電極8等が配置されている。
【0063】このうち、アモルファスSiTFT7は、
図2に示すように、ゲート電極10と、窒化シリコン
(SiNx)からなる絶縁膜(ゲート絶縁膜)6bと、
半導体層であるa−Si層11やna−Si層12,
13と、ソース電極14と、ドレイン電極15と、チャ
ネルを保護するチャネル保護膜16と、によって構成さ
れている。すなわち、ガラス基板1bには各画素毎にゲ
ート電極10が形成され、該ゲート電極10の表面は絶
縁膜6bにて覆われ、絶縁膜6bの表面であってゲート
電極10を形成した位置にはa−Si層11が形成され
ている。また、このa−Si層11の表面には、互いに
離間するようにna−Si層12,13が形成されて
おり、各na−Si層12,13にはソース電極14
やドレイン電極15が互いに離間した状態に接続されて
いる。さらに、これらのa−Si層11や電極14,1
5を覆うようにチャネル保護膜16が形成されている。
【0064】そして、TFT7のゲート電極10は上述
したゲート線G,G,…を介して走査信号ドライバ
20に接続され、TFT7のソース電極14はソース線
,S,…を介して情報信号ドライバ21に接続さ
れ、TFT7のドレイン電極15は画素電極3bに接続
されている。
【0065】ところで、上述した保持容量電極8はガラ
ス基板1bの表面に形成されており、上述した絶縁膜6
bは、この保持容量電極8及びガラス基板1bを覆う位
置まで形成され、上述したソース電極14や画素電極3
bはこの絶縁膜6bの表面に形成されている。これによ
り、保持容量電極8と画素電極3bとは、絶縁膜6bを
挟んだ状態に配置されることとなり、これらによって保
持容量Cが構成されることとなる(図4参照)。
【0066】また、図2に示すように、上述したTFT
7や画素電極3bの表面には非一軸配向膜4bが形成さ
れている。
【0067】さらに、これらのガラス基板1a,1bの
間隙であって、画素電極3bと共通電極3aとの間に
は、自発分極を有するカイラルスメクチック液晶2が配
置されていて、液晶容量Clcが構成されることとなる
(図4参照)。
【0068】(5) 次に、上述した液晶素子Pの駆動
方法の一例について説明する。
【0069】上述した液晶素子Pにおいては、走査信
号ドライバ20から各ゲート線G,G,…にはゲー
ト電圧が線順次に印加され、各画素のTFT7はゲート
電圧が印加されることによってオン状態となる。
【0070】一方、このようなゲート電圧の印加に同期
して、情報信号ドライバ21からソース線S,S
…にはソース電圧が印加される。したがって、TFT7
がオン状態にある画素では、ソース電圧がTFT7及び
画素電極3bを介して液晶2に印加され、液晶2のスイ
ッチングが画素単位で行われる。
【0071】そして、このような駆動を一定期間(フレ
ーム期間であり、通常は1/60sec以内)毎に繰り
返し、画像の書き換えを行うようになっている。
【0072】図5は、そのような液晶素子の駆動方法の
一例を示す図であり、(a)は、ある1本のゲート線G
にゲート電圧Vgが印加される様子を示す図、(b)
は、ある1本のソース線Sにソース電圧が印加される
様子を示す図、(c)は、これらゲート線G及びソー
ス線Sの交差部の画素(すなわち、液晶2)に電圧V
Pix が印加される様子を示す図である。
【0073】いま、ある1本のゲート線Gに一定期間
(選択期間Ton)だけゲート電圧Vgが印加され(同
図(a)参照)、ある1本のソース線Sには、ゲート
電圧Vgの印加に同期した選択期間Tonに、共通電極
3aの電位Vcを基準電位としたソース電圧(V+Δ
V)が印加される(同図(b)参照)。すると、当該画
素のTFT7はゲート電圧Vgの印加によってオンさ
れ、ソース電圧(V+ΔV)がTFT7及び画素電極
3bを介して印加されて液晶容量Clc及び保持容量C
sの充電がなされる。
【0074】ところで、選択期間Ton以外の非選択期
間Toffには、ゲート電圧Vgは他のゲート線G
,…に印加されていて同図(a)に示すゲート線G
には印加されず、当該画素のTFT7はオフとなる。
【0075】したがって、液晶容量Clc及び保持容量
Csは、この間、充電された電荷を保持することとなる
(同図(c)参照)。これにより、1フィールド期間F
を通じて液晶2には電圧VPix が印加され続ける
こととなり、ほぼ同じ透過光量が維持されることとな
る。
【0076】ところで、このような液晶素子Pにおい
て階調表示をする方法としては、 * 液晶2に、例えば図6に示すように印加電圧に応じ
て透過率が緩やかに変化するものを用いると共に、ソー
ス電圧Vの大きさを表示階調に応じて変化させる方法
と、 * ソース電圧Vの大きさを表示階調に応じて変化さ
せるのではなく、所定時間当たりにおける光透過時間を
変化させる方法(いわゆる時分割階調制御方法)、とを
挙げることができる。
【0077】ここで、後者の具体的方法について述べ
る。
【0078】図6に示した駆動方法では、各ゲート線G
,G,…の選択期間Tonは1フレ−ム期間につき
1つだけであり(すなわち、各TFT7は各フレ−ム期
間で1度しかオン・オフされず)、液晶容量Clcの充
電電荷はほぼ1フレ−ム期間の間保持されている。これ
に対して、1フレ−ム期間内に複数回の選択期間を設け
て液晶2を複数回オン・オフした場合、そのオン・オフ
の周波数が十分に高くて画面のチラツキとして認識され
ないような場合には、各画素における液晶2が光を透過
している時間(1フレ−ム期間中における光透過時間の
割合)を調整することによって階調表示が可能となる。
この方法によれば、透過率の印加電圧に応じた変化が緩
やかでない液晶であっても階調表示が可能となる。
【0079】なお、いずれの方法を採るにしろ、ソース
電圧(V+ΔV)の極性は、図5(b)に示すように
交互に反転させると良い。これにより、液晶2に印加さ
れる電圧VPixも反転されて交流化され、液晶2の劣
化が防止される。
【0080】ところで、液晶2に応答速度の速いものを
用いて選択期間Ton中に反転が終了するようにしても
良い。本実施の形態に用いるカイラルスメクチック液晶
2は自発分極によって反転するものであるため、選択期
間Tonが比較的短くて液晶2のスイッチングが該期間
内で完了しない場合(すなわち、非選択期間Toff
始まっても反転が終了していない場)には、非選択期間
offにおける充電電荷(液晶容量Clc及び保持容
量Csに充電されている電荷)は、液晶2のスイッチン
グに伴って消費される(図5(c)の符号ΔV参照)
が、選択期間T 中に反転が終了している場合にはそ
のような非選択期間Toffにおける充電電荷の消費は
防止され、所望の階調画像が表示される。
【0081】(6) 次に、本実施の形態に係る液晶素子
の製造方法について説明する。
【0082】本発明に係る液晶素子を製造するに際して
は、所定間隙を開けた状態に一対の基板1a,1bを配
置する工程と、これら一対の基板1a,1bの間隙にカ
イラルスメクチック液晶2を配置する工程と、該カイラ
ルスメクチック液晶2を挟み込むように一対の電極3
a,3bを配置する工程と、を実施すれば良い。
【0083】この場合、前記液晶素子の、スメクチック
A相の温度範囲内で且つ降温時にスメクチック液晶層間
隔が増加する温度範囲の少なくとも一部を含む温度範囲
で1サイクル以上の昇温及び降温処理を施した後、所定
の温度まで降温させると良い。
【0084】(7) 次に、本実施の形態の作用・効果に
ついて説明する。
【0085】本発明に係る液晶素子のように、配向制御
膜4aと非一軸配向膜4bとを備えたものにあっては、
非一軸配向膜4bの表面エネルギーの分散項が30dy
ne/cmより小さかったり、両膜4a,4bの表面エ
ネルギーの分散項の差(γ −γ )が0dyne
/cmよりも小さい場合にはディスクリネーションライ
ン等の欠陥が顕著となるが、本実施の形態によれば、 30dyne/cm<γ <40dyne/cm 0dyne/cm<γ −γ <9dyne/cm に設定されているため、欠陥の発生を抑制できる。
【0086】また、上述のように配向制御膜4aを部分
的に形成し、かつ、配向制御膜4aが形成されていない
部分(すなわち、一軸配向規制力が存在しない領域)に
おける表面エネルギーの分散項を30dyne/cmよ
り大きくした場合には配向欠陥の発生を抑制して表示特
性を著しく向上させることができる。
【0087】
【実施例】以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説
明する。
【0088】本発明者は、下表の条件で液晶パネルを作
製し、それぞれについて動作を確認した。
【0089】
【表1】
【0090】〈実施例1〉 (液晶組成物の調製)まず、下記液晶性化合物を、それ
ぞれの右側に併記した重量比率で混合し液晶組成物FL
C−1を調製した。
【0091】
【化5】
【0092】(液晶セルの作製)まず、厚さ1.1mm
の一対のガラス基板1a,1bのそれぞれに、透明電極
3a,3bとして70nm厚のITO膜(インジウム・
ティン・オキサイド膜)を形成した。
【0093】そして、一方のガラス基板1aの表面に
は、厚さ50Åの配向制御膜(ポリイミド膜)4aを形
成し、その表面にナイロン布を用いてラビング処理を施
した。なお、この配向制御膜4aの形成に際しては、N
−メチルピロリドン(NMP)とn−ブチルセロソルブ
(nBC)の混合液(4:1)に、下記の繰り返し単位
を有するポリイミド前駆体を0.5wt%に希釈した溶
液を用い、該溶液を1500rpm,30秒の条件でス
ピンコートし、これを80℃の温度で5分間の前乾燥を
行った後、200℃の温度で60分間焼成した。なお、
この配向制御膜4aの表面エネルギーの分散項γ
41.2dyne/cm、極性項は8.0dyne/c
m、水素結合項は1.7dyne/cmであった。
【0094】
【化6】
【0095】また、他方の基板1bの表面には非一軸配
向膜4bを形成した。この非一軸配向膜4bの形成に際
しては、ラダー型のポリシロキサンの母材とアンチモン
ドープのSnOxの酸化物超微粒子(粒径が約100
Å)を分散させた固形分濃度10wt%のエタノール溶
液を用い、該溶液を1500rpm,10秒の条件で2
100Åの厚さにスピンコートし、これを80℃の温度
で5分間の前乾燥を行った後、200℃の温度で60分
間焼成した。なお、この非一軸配向膜4bの表面エネル
ギーの分散項γ は25.7dyne/cm、極性項
は2.9dyne/cm、水素結合項は0.1dyne
/cmであった。
【0096】続いて、配向制御膜4aを形成した方の基
板上には、平均粒径2.0μmのシリカビーズ(スペー
サー)5を散布し、2枚の基板1a,1bを貼り合せて
セル(単画素の空セル)を得た。
【0097】このようなプロセスで作製したセルに液晶
組成物FLC−1を等方相の温度で注入し、80℃の温
度から30℃の温度まで−1℃/minの冷却速度で徐
冷し、液晶パネルを作製した。
【0098】かかる液晶パネルについて、30℃の温度
にて下記の事項の評価を行った。 1.初期配向性 上述のようにして作製した液晶パネルについて、透過光
源を用いた偏光顕微鏡観察を行ったところ、均一配向状
態であることを確認した。
【0099】また、±5Vの電圧を印加した際に透過率
が10%から90%に変化するのに要した時間、及び9
0%から10%に変化するのに要した時間はいずれも1
00μsであった。
【0100】さらに、フリッカ限界周波数としてフレ−
ム周波数を60Hz(1フレ−ム幅16.7m)とし、
1フレ−ム幅内で液晶2をオン・オフすると、そのオン
・オフの時間比に応じた中間調が表示された。
【0101】2.配向安定性 上述のように作製した液晶パネルに、室温(30℃)で
10kHz,±5Vの矩形波電圧を10時間印加し、そ
の後、液晶2の配向状態を偏光顕微鏡にて観察した。そ
の結果、新たに欠陥が発生していたことが分かった。
【0102】〈実施例2〉本実施例においては、非一軸
配向膜4bを形成するに際しては、シリカバインダー母
材とアンチモンドープのSnOxの酸化物超微粒子(粒
径が約100Å)を分散させた固形分濃度5wt%のエ
タノール溶液を用い、該溶液を1100rpm,10秒
の条件で1800Åの厚さにスピンコートし、これを8
0℃の温度で5分間の前乾燥を行った後、200℃の温
度で60分間焼成した。この非一軸配向膜4bの表面エ
ネルギーの分散項γ は35dyne/cm、極性項
は0.8dyne/cm、水素結合項は3.7dyne
/cmであった。その他の製造方法及び条件は実施例1
と同様にして液晶パネルを作製した。
【0103】このようにして作製した液晶パネルについ
て、実施例1と同様に、初期配向性や配向安定性を評価
した。
【0104】1.初期配向性 実施例1と同様に、透過光源を用いた偏光顕微鏡観察を
行ったところ、均一配向状態であることを確認した。
【0105】また、±5Vの電圧を印加した際に透過率
が10%から90%に変化するのに要した時間、及び9
0%から10%に変化するのに要した時間はいずれも1
00μsであった。
【0106】さらに、フリッカ限界周波数としてフレ−
ム周波数を60Hz(1フレ−ム幅16.7m)とし、
1フレ−ム幅内で液晶2をオン・オフすると、そのオン
・オフの時間比に応じた中間調が表示された。
【0107】2.配向安定性 上述のように作製した液晶パネルに、室温(30℃)で
10kHz,±5Vの矩形波電圧を10時間印加し、そ
の後、液晶2の配向状態を偏光顕微鏡にて観察した。そ
の結果、均一配向を維持していることが分かった。
【0108】〈実施例3〉本実施例においては、配向制
御膜を形成する方の基板を図7に示す構成とした。すな
わち、ガラス基板1aの表面に透明電極3aや膜30を
形成し、該膜30の表面にはストライプ状の配向制御膜
31を形成した。
【0109】なお、膜30の形成に際しては、ラダー型
のポリシロキサンの母材中にSnOxの酸化物超微粒子
(粒径が約100Å)を分散させた固形分濃度10wt
%のエタノール溶液を2100Åの厚さにスピンコート
した。
【0110】また、配向制御膜31の形成に際しては、 * 実施例1にて化学式を示したポリイミド前駆体を膜
30の表面にスピンコートし、 * これを80℃の温度で5分間の前乾燥を行った後、
200℃の温度で60分間焼成して、厚さ50Åのポリ
イミド膜を基板全面に形成し、 * その後、このポリイミド膜の表面にポジレジスト
(東京応化社製、OFPR−800)を約2μmの厚さ
にスピンコートし、80℃の温度で5分間の前乾燥を行
い、 * このレジストを覆うように露光マスク(図8に示す
ように、幅が4μmのストライプ状開口部が16μmの
間隔で形成されたもの)を配置した状態で波長が365
nmのUV光を16秒間照射してレジストを露光し、 * 有機系現像液(ジプレー社製、MFCD−26)を
用いて現像し、 * 3分間の流水洗浄を行い、 * 100℃で10分間の乾燥を行った。さらに、 * 東芝ライテック社製のUV照射装置を用いてUVア
ッシング処理を行って、レジストに被覆されていない部
分のポリイミド(配向制御膜4a)を除去し、 * 剥離液(ナガセ産業社製のレジストストリップN−
320)による残存レジストの剥離、 * 流水洗浄、 * 乾燥を順に実施した。さらに、配向制御膜31に
は、その短手方向にナイロン布によってラビング処理を
施した。
【0111】その他の製造方法及び条件(例えば、非一
軸配向膜4bやスペーサ−の材質等)は“実施例1”と
同様にした。
【0112】このようにして作製した液晶パネルについ
て、実施例1と同様に、初期配向性や配向安定性を評価
した。
【0113】1.初期配向性 実施例1と同様に、透過光源を用いた偏光顕微鏡観察を
行ったところ、均一配向状態であることを確認した。
【0114】また、±5Vの電圧を印加した際に透過率
が10%から90%に変化するのに要した時間、及び9
0%から10%に変化するのに要した時間はいずれも1
00μsであった。
【0115】さらに、フリッカ限界周波数としてフレ−
ム周波数を60Hz(1フレ−ム幅16.7m)とし、
1フレ−ム幅内で液晶2をオン・オフすると、そのオン
・オフの時間比に応じた中間調が表示された。
【0116】2.配向安定性 上述のように作製した液晶パネルに、室温(30℃)で
10kHz,±5Vの矩形波電圧を10時間印加し、そ
の後、液晶2の配向状態を偏光顕微鏡にて観察した。そ
の結果、新たに欠陥が発生していたことが分かった。
【0117】〈実施例4〉本実施例においては、実施例
3と同様に、配向制御膜を形成する方の基板を図7に示
す構成とした。
【0118】但し、膜30の形成に際しては、シリカバ
インダー母材とアンチモンドープのSnOxの酸化物超
微粒子(粒径が約100Å)を分散させた固形分濃度5
wt%のエタノール溶液を用い、該溶液を1100rp
m,10秒の条件で1800Åの厚さにスピンコート
し、これを80℃の温度で5分間の前乾燥を行った後、
200℃の温度で60分間焼成した。なお、ストライプ
状の配向制御膜31の形成方法は、実施例3と同様とし
た。
【0119】その他の製造方法及び条件(例えば、非一
軸配向膜4bやスペーサ−の材質等)は“実施例2”と
同様にした。
【0120】このようにして作製した液晶パネルについ
て、実施例1と同様に、初期配向性や配向安定性を評価
した。
【0121】1.初期配向性 実施例1と同様に、透過光源を用いた偏光顕微鏡観察を
行ったところ、均一配向状態であることを確認した。
【0122】また、±5Vの電圧を印加した際に透過率
が10%から90%に変化するのに要した時間、及び9
0%から10%に変化するのに要した時間はいずれも1
00μsであった。
【0123】さらに、フリッカ限界周波数としてフレ−
ム周波数を60Hz(1フレ−ム幅16.7m)とし、
1フレ−ム幅内で液晶2をオン・オフすると、そのオン
・オフの時間比に応じた中間調が表示された。
【0124】2.配向安定性 上述のように作製した液晶パネルに、室温(30℃)で
10kHz,±5Vの矩形波電圧を10時間印加し、そ
の後、液晶2の配向状態を偏光顕微鏡にて観察した。そ
の結果、均一配向を維持していることが分かった。
【0125】〈実施例5〉本実施例においては、一方の
電極3bは、150nm厚のAlSiCu合金にて形成
した。また、スペーサーには平均粒径が1.3μmのシ
リカビーズを用いた。
【0126】その他の構成及び製造方法(例えば配向制
御膜4aや非一軸配向膜4bの材質等)は“実施例1”
と同じにして液晶パネルを作製した。
【0127】かかる液晶パネルについて下記の事項の評
価を行った。 1.初期配向性 落射光源を用い、偏光顕微鏡観察を行ったところ、欠陥
が観察された。
【0128】また、±5Vの電圧を印加した際に透過率
が10%から90%に変化するのに要した時間、及び9
0%から10%に変化するのに要した時間はいずれも8
0μsであった。
【0129】さらに、フリッカ限界周波数としてフレ−
ム周波数を60Hz(1フレ−ム幅16.7m)とし、
1フレ−ム幅内で液晶をオン・オフすると、そのオン・
オフの時間比に応じた中間調が表示された。
【0130】2.電圧−反射率特性曲線の急峻性 図9(a) に示した電圧波形を用い、液晶の光学応答を測
定した。このとき、リセット時の白書き込み時(同図に
おける2番目のパルス印加時)に得られる反射光強度を
100%としスイング光量が10%になる電圧と90%
になる電圧値の比(V90/V10)を測定したとこ
ろ、4.22であった。
【0131】3.配向安定性 上述のように作製した液晶パネルに、室温(30℃)で
10kHz,±5Vの矩形波電圧を10時間印加し、そ
の後、液晶2の配向状態を偏光顕微鏡にて観察した。そ
の結果、欠陥が大幅に増加していたことが分かった。
【0132】〈実施例6〉本実施例においては、一方の
電極3bは、150nm厚のAlSiCu合金にて形成
した。また、スペーサーには平均粒径が1.3μmのシ
リカビーズを用いた。
【0133】その他の構成及び製造方法(例えば配向制
御膜4aや非一軸配向膜4bの材質等)は“実施例2”
と同じにして液晶パネルを作製した。
【0134】かかる液晶パネルについて下記の事項の評
価を行った。
【0135】1.初期配向性 落射光源を用い、偏光顕微鏡観察を行ったところ、均一
配向であることが観察された。
【0136】また、±5Vの電圧を印加した際に透過率
が10%から90%に変化するのに要した時間、及び9
0%から10%に変化するのに要した時間はいずれも8
0μsであった。
【0137】さらに、フリッカ限界周波数としてフレ−
ム周波数を60Hz(1フレ−ム幅16.7m)とし、
1フレ−ム幅内で液晶をオン・オフすると、そのオン・
オフの時間比に応じた中間調が表示された。
【0138】2.電圧−反射率特性曲線の急峻性 図9(a) に示した電圧波形を用い、液晶の光学応答を測
定した。このとき、リセット時の白書き込み時(同図に
おける2番目のパルス印加時)に得られる反射光強度を
100%としスイング光量が10%になる電圧と90%
になる電圧値の比(V90/V10)を測定したとこ
ろ、3.28であった。
【0139】3.配向安定性 上述のように作製した液晶パネルに、室温(30℃)で
10kHz,±5Vの矩形波電圧を10時間印加し、そ
の後、液晶2の配向状態を偏光顕微鏡にて観察した。そ
の結果、均一配向を維持していることが分かった。
【0140】さらに、同じ矩形波電圧を約500時間印
加し続け、同様に液晶の配向状態を観察したところ、微
量の欠陥が観察された。
【0141】〈実施例7〉本実施例においては、一方の
電極3bは、150nm厚のAlSiCu合金にて形成
した。また、スペーサーには平均粒径が1.3μmのシ
リカビーズを用いた。
【0142】その他の構成及び製造方法(例えば配向制
御膜4aや非一軸配向膜4bの材質等)は“実施例3”
と同じにして液晶パネルを作製した。
【0143】かかる液晶パネルについて下記の事項の評
価を行った。
【0144】1.初期配向性 落射光源を用い、偏光顕微鏡観察を行ったところ、欠陥
が観察された。また、±5Vの電圧を印加した際に透過
率が10%から90%に変化するのに要した時間、及び
90%から10%に変化するのに要した時間はいずれも
80μsであった。
【0145】さらに、フリッカ限界周波数としてフレ−
ム周波数を60Hz(1フレ−ム幅16.7m)とし、
1フレ−ム幅内で液晶をオン・オフすると、そのオン・
オフの時間比に応じた中間調が表示された。
【0146】2.電圧−反射率特性曲線の急峻性 図9(a) に示した電圧波形を用い、液晶の光学応答を測
定した。このとき、リセット時の白書き込み時(同図に
おける2番目のパルス印加時)に得られる反射光強度を
100%としスイング光量が10%になる電圧と90%
になる電圧値の比(V90/V10)を測定したとこ
ろ、4.10であった。
【0147】3.配向安定性 上述のように作製した液晶パネルに、室温(30℃)で
10kHz,±5Vの矩形波電圧を10時間印加し、そ
の後、液晶2の配向状態を偏光顕微鏡にて観察した。そ
の結果、欠陥が大幅に増加していたことが分かった。
【0148】〈実施例8〉本実施例においては、一方の
電極3bは、150nm厚のAlSiCu合金にて形成
した。また、スペーサーには平均粒径が1.3μmのシ
リカビーズを用いた。
【0149】その他の構成及び製造方法(例えば配向制
御膜4aや非一軸配向膜4bの材質等)は“実施例4”
と同じにして液晶パネルを作製した。
【0150】かかる液晶パネルについて下記の事項の評
価を行った。
【0151】1.初期配向性 落射光源を用い、偏光顕微鏡観察を行ったところ、均一
配向が維持されていることが観察された。
【0152】また、±5Vの電圧を印加した際に透過率
が10%から90%に変化するのに要した時間、及び9
0%から10%に変化するのに要した時間はいずれも8
0μsであった。
【0153】さらに、フリッカ限界周波数としてフレ−
ム周波数を60Hz(1フレ−ム幅16.7m)とし、
1フレ−ム幅内で液晶をオン・オフすると、そのオン・
オフの時間比に応じた中間調が表示された。
【0154】2.電圧−反射率特性曲線の急峻性 図9(a) に示した電圧波形を用い、液晶の光学応答を測
定した。このとき、リセット時の白書き込み時(同図に
おける2番目のパルス印加時)に得られる反射光強度を
100%としスイング光量が10%になる電圧と90%
になる電圧値の比(V90/V10)を測定したとこ
ろ、3.17であった。
【0155】3.配向安定性 上述のように作製した液晶パネルに、室温(30℃)で
10kHz,±5Vの矩形波電圧を10時間印加し、そ
の後、液晶2の配向状態を偏光顕微鏡にて観察した。そ
の結果、均一配向が維持されていることが分かった。
【0156】さらに、同じ矩形波電圧を約500時間印
加し続け、同様に液晶の配向状態を観察したところ、微
量の欠陥が観察された。
【0157】〈実施例9〉本実施例では、実施例6にて
作製した液晶パネルを、80℃から50℃まで−1℃の
冷却速度にて冷却し、50℃から70℃まで+1℃の昇
温速度にて昇温し、70℃から30℃まで−1℃の冷却
速度にて冷却した。
【0158】このように作製した液晶パネルに、室温
(30℃)で10kHz,±5Vの矩形波電圧を約50
0時間印加し、その後、液晶2の配向状態を偏光顕微鏡
にて観察した。その結果、均一配向が維持されているこ
とが分かった。
【0159】〈実施例10〉本実施例では、実施例8に
て作成した液晶パネルに、実施例9と同様の温度履歴を
与え、実施例9と同様の矩形波電圧を同時間だけ印加し
て、その後、液晶2の配向状態を偏光顕微鏡にて観察し
た。その結果、均一配向が維持されていることが分かっ
た。
【0160】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
非一軸配向膜の表面エネルギーの分散項γ は、30
dyne/cm<γ <40dyne/cmに設定さ
れ、配向制御膜の表面エネルギーの分散項γ と非一
軸配向膜の表面エネルギーの分散項γ との差(γ
−γ )は、0dyne/cm<γ −γ
9dyne/cmに設定されているため、ディスクリネ
ーションライン等の欠陥の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶素子の構造の一例を示す断面
図。
【図2】本発明に係る液晶素子の構造の他の例を示す断
面図。
【図3】本発明に係る液晶素子の構造の他の例を示す平
面図。
【図4】素子構造の等価回路を示す図。
【図5】液晶素子の駆動方法の一例を説明するための
図。
【図6】本発明に用いる液晶の電圧−透過率特性の一例
を示す線図。
【図7】本発明に係る液晶素子の詳細構造を示す断面
図。
【図8】露光マスクの形状を示す図。
【図9】液晶パネルの駆動波形及び光学応答を説明する
ための図。
【符号の説明】
1a,1b ガラス基板(基板) 2 カイラルスメクチック液晶 3a,3b 電極 P,P 液晶パネル(液晶素子) 20 走査信号ドライバ(駆動回路) 21 情報信号ドライバ(駆動回路)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 19/34 C09K 19/34 4H027 19/40 19/40 5C094 G02F 1/13 101 G02F 1/13 101 500 500 1/133 575 1/133 575 1/1335 520 1/1335 520 1/13357 G09F 9/30 338 1/1368 9/35 G09F 9/30 338 G02F 1/1335 530 9/35 1/136 500 (72)発明者 森 省誠 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 森山 孝志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 門叶 剛司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H088 EA15 GA04 HA02 HA08 HA21 HA28 MA13 MA18 2H090 HD07 HD11 KA14 LA04 MB07 2H091 FA14Y FA41Z GA02 GA11 GA13 LA15 LA16 2H092 HA05 JA34 JA41 JB07 JB61 KA05 KA18 NA04 2H093 NA43 NA54 NA55 NA56 NA65 ND06 ND10 ND17 4H027 BA06 BC04 BD03 BD08 BD12 BD19 BD20 BE01 BE04 DE03 DH01 5C094 AA08 AA42 BA03 BA43 CA19 CA25 JA05 JA08

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定間隙を開けた状態に配置された一対
    の基板と、これら一対の基板の間隙に配置されたカイラ
    ルスメクチック液晶と、該カイラルスメクチック液晶を
    挟み込むように配置された一対の電極と、一軸配向特性
    が付与されると共に一方の基板に支持された配向制御膜
    と、一軸配向特性が付与されていないと共に他方の基板
    に支持された非一軸配向膜と、を備え、かつ、前記一対
    の電極を介して前記カイラルスメクチック液晶に電圧を
    印加することにより駆動される液晶素子において、 前記カイラルスメクチック液晶が、フルオロカーボン末
    端鎖及び炭化水素鎖を有し該両末端鎖が中心核によって
    結合された、スメクチック中間相又は潜在的スメクチッ
    ク中間相を持つフッ素含有液晶化合物を含有し、 前記配向制御膜における表面エネルギーをγとし、前
    記非一軸配向膜における表面エネルギーをγとした場
    合において、γ>γであり、かつ、 前記非一軸配向膜における表面エネルギーの分散項γ
    が、 30dyne/cm<γ <40dyne/cm である、 ことを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 前記配向制御膜における表面エネルギー
    の分散項γ と前記非一軸配向膜における表面エネル
    ギーの分散項γ との関係が、 0dyne/cm<γ −γ <9dyne/cm となる、 ことを特徴とする請求項1に記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記非一軸配向膜の表面粗さは、算術平
    均粗さ(Ra)で2nm以上、自乗平均粗さ(Rma)
    で2.5nm以上、又は表面粗度で5%以上である、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記非一軸配向膜の体積抵抗率が1×1
    〜1×10Ωcmの範囲である、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載
    の液晶素子。
  5. 【請求項5】 前記配向制御膜が部分的に形成された、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    の液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記配向制御膜が形成されていない部分
    における表面エネルギーの分散項が30dyne/cm
    より大きい、 ことを特徴とする請求項5に記載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 前記配向制御膜が形成されていない部分
    における表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)で2nm以
    上、自乗平均粗さ(Rma)で2.5nm以上、又は表
    面粗度で5%以上である、 ことを特徴とする請求項6記載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 前記配向制御膜が形成されていない部分
    における体積抵抗率が1×10〜1×10Ωcmの
    範囲である、 ことを特徴とする請求項6又は7に記載の液晶素子。
  9. 【請求項9】 前記フッ素含有液晶化合物が、以下の一
    般式で表される、ことを特徴とする請求項1乃至8のい
    ずれか1項に記載の液晶素子。 【化1】
  10. 【請求項10】 前記フッ素含有液晶化合物がフェニル
    ピリミジンコアからなる、 ことを特徴とする請求項9に記載の液晶素子。
  11. 【請求項11】 前記一対の基板のいずれかに反射層が
    配置されて光反射型に構成され、かつ、 前記カイラルスメクチック液晶の厚みは1.8μm以下
    である、 ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記
    載の液晶素子。
  12. 【請求項12】 前記一対の電極のいずれか一方にスイ
    ッチング素子が接続されてアクティブマトリクス型に構
    成された、 ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記
    載の液晶素子。
  13. 【請求項13】 前記スイッチング素子に接続された電
    極が金属にて形成されて反射層を兼用する、 ことを特徴とする請求項13に記載の液晶素子。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13のいずれか1項に記
    載の液晶素子と、該液晶素子に駆動電圧を印加する駆動
    回路と、 を備えた液晶装置。
  15. 【請求項15】 前記駆動回路が、所定時間当たりにお
    ける前記液晶による光透過時間を変化させることにより
    階調表示を行う、 ことを特徴とする請求項14に記載の液晶装置。
  16. 【請求項16】 前記液晶素子に対して赤、緑、青の単
    色光を順次照射する光源、を備え、かつ、 該単色光の照射に同期するように前記液晶素子の画像を
    切り替えることによりカラー画像を表示する、 ことを特徴とする請求項14又は15に記載の液晶装
    置。
  17. 【請求項17】 所定間隙を開けた状態に一対の基板を
    配置する工程と、これら一対の基板の間隙にカイラルス
    メクチック液晶を配置する工程と、該カイラルスメクチ
    ック液晶を挟み込むように一対の電極を配置する工程
    と、からなる液晶素子の製造方法において、 前記液晶素子の、スメクチックA相の温度範囲内で且つ
    降温時にスメクチック液晶層間隔が増加する温度範囲の
    少なくとも一部を含む温度範囲で1サイクル以上の昇温
    及び降温処理を施した後、所定の温度まで降温する、 ことを特徴とする液晶素子の製造方法。
JP2000061097A 2000-03-06 2000-03-06 液晶素子、該液晶素子を備えた液晶装置、及び該液晶素子の製造方法 Pending JP2001249336A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000061097A JP2001249336A (ja) 2000-03-06 2000-03-06 液晶素子、該液晶素子を備えた液晶装置、及び該液晶素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000061097A JP2001249336A (ja) 2000-03-06 2000-03-06 液晶素子、該液晶素子を備えた液晶装置、及び該液晶素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001249336A true JP2001249336A (ja) 2001-09-14

Family

ID=18581303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000061097A Pending JP2001249336A (ja) 2000-03-06 2000-03-06 液晶素子、該液晶素子を備えた液晶装置、及び該液晶素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001249336A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020230570A1 (ja) * 2019-05-10 2020-11-19 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020230570A1 (ja) * 2019-05-10 2020-11-19 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置
US11798505B2 (en) 2019-05-10 2023-10-24 Japan Display Inc. Multilayered structure of display device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11100577A (ja) 液晶の配向方法、液晶素子の製造方法、該製造方法により得られる液晶素子、液晶装置
JP2814157B2 (ja) カイラルスメクチック液晶素子
JP3466986B2 (ja) カイラルスメクチック液晶素子および液晶装置
JP3371342B2 (ja) 液晶素子の駆動方法
JP2001249336A (ja) 液晶素子、該液晶素子を備えた液晶装置、及び該液晶素子の製造方法
KR100337771B1 (ko) 액정 디바이스
JP3192593B2 (ja) 液晶素子
JP3862473B2 (ja) 液晶素子、液晶性機能材料および液晶装置
JP3308071B2 (ja) 液晶素子
JP3150268B2 (ja) 液晶素子及びそれを用いた液晶装置
JP2004012543A (ja) 液晶素子、及び該液晶素子を備えた液晶装置
JP2000275683A (ja) 液晶素子、及び該液晶素子の駆動方法
JPH09311315A (ja) 強誘電性液晶素子および強誘電性液晶材料
JP3180171B2 (ja) 強誘電性液晶素子
JPH10288786A (ja) 液晶素子及びこれを備えた液晶装置
JP2001125146A (ja) 液晶素子、及び該液晶素子の製造方法
JP2000147510A (ja) 液晶表示装置
JP3912924B2 (ja) 液晶素子
JP2001316666A (ja) 液晶組成物、液晶素子および液晶装置
JP2002003847A (ja) 液晶素子および液晶装置
JP2001249364A (ja) 液晶素子の製造方法
JP2001350161A (ja) 液晶素子
JP2001228495A (ja) 液晶素子及び液晶装置
JP2002006294A (ja) 液晶素子および液晶装置
JP2000336361A (ja) 単安定強誘電液晶表示装置