JP2001248216A - 水洗式大便器 - Google Patents

水洗式大便器

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JP2001248216A
JP2001248216A JP2000059794A JP2000059794A JP2001248216A JP 2001248216 A JP2001248216 A JP 2001248216A JP 2000059794 A JP2000059794 A JP 2000059794A JP 2000059794 A JP2000059794 A JP 2000059794A JP 2001248216 A JP2001248216 A JP 2001248216A
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flush toilet
rim
toilet
cross
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JP2000059794A
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English (en)
Inventor
Makoto Hayakawa
信 早川
Hirotaka Ishibashi
弘孝 石橋
Masaaki Ito
正昭 伊藤
Tomoyasu Ichiki
智康 一木
Atsushi Yoshida
篤史 吉田
Masami Ando
正美 安藤
Koichi Hayashi
浩一 林
Mitsuyoshi Machida
町田  光義
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 便鉢面の水垢汚れ除去性と油性汚れ除去性の
双方に対して優れた特性を有する水洗式便器を提供する
こと。 【解決手段】 リム通水路を備え、リム通水路形成部の
下部にリム通水路からボール面へ洗浄水を吐水するため
の吐水口が複数形成された大便器であって、前記ボール
面は釉薬からなる表面層により形成されており、かつ該
表面層の水との接触角が30°未満であり、前記リム通
水路形成部の下部の少なくとも上面は便器前方側のほう
が便器後方側よりも上方に位置するように傾斜してお
り、かつ前記吐水口のうちの少なくとも溜水部よりも後
方側に位置する後方吐水口の下端部の断面積は上端部の
断面積よりも大きいことを特徴とする水洗式大便器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水洗式大便器に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、サニタリー空間に対する清潔志向
が高まっており、便器表面を衛生的に清浄に保つことは
広く望まれている。水洗式便器の便鉢面の汚れの1つ
に、水垢汚れがある。便鉢面の水垢汚れを防止する方法
としては、便鉢全面に撥水被膜を形成する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では便等の油性汚れが固着しやすく、かつ洗浄水が便
鉢全面に行き渡らなくなるために上記油性汚れの除去性
が充分に発揮できなかった。そこで、本発明では、便鉢
面の水垢汚れ除去性と油性汚れ除去性の双方に対して優
れた特性を有する水洗式便器を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】長期間使用した水洗式便
器の便鉢表面を観察すると、吐水口下に残水が供給され
続けて表面の光沢が失われている部分があり、この部分
にはシリカ質を主成分とする薄膜からなる水垢が形成さ
れていることが判明した。さらに水垢が付着した部分は
表面粗さが大きくなるため汚れが付着しやすく、黴など
の微生物も繁殖しやすい表面状態になっていた。上記観
察より、長期にわたって使用した便鉢表面の汚れとして
水垢の付着が挙げられ、その発生のメカニズムは以下の
通りであると推定される。 (1)吐水口直下の便鉢表面に、吐水口から水洗後の残
水が長時間垂れ続けて、その付近に滞留する(残水が垂
れる方向及び滞留水が滞留する箇所は、毎回ほとんど同
じ位置になる)。 (2)上記滞留水がその箇所で乾燥して、水垢による被
膜が形成される(水中に含有されるミネラル成分である
SiO2、CaO等の無機質からなる被膜が形成され
る。この被膜をタワシ等でこすっても完全に除去するこ
とはできない)。 従って、水垢汚れを生じなくするには、リム通水路又は
リム孔に吐水口からの残水の供給を短時間で止める手段
を設けることが最もよい方法であると考えられる。ま
た、便鉢面とは無関係な位置に設けられた上記手段によ
り水垢汚れを防止することにより、便鉢面では特に油性
汚れ除去性に優れた手段を併設すれば、水垢、油性汚れ
の双方の除去性に優れた水洗式便器が提供可能となる。
【0005】本発明では、上記観察とそのメカニズムに
関する考察に基づき、リム通水路を備え、リム通水路形
成部の下部にリム通水路からボール面へ洗浄水を吐水す
るための吐水口が複数形成された便器であって、前記ボ
ール面は釉薬からなる表面層により形成されており、か
つ該表面層の水との接触角が30°未満であり、前記リ
ム通水路形成部の下部の少なくとも上面は便器前方側の
ほうが便器後方側よりも上方に位置するように傾斜して
おり、かつ前記吐水口のうちの少なくとも溜水部よりも
後方側に位置する後方吐水口の下端部の断面積は上端部
の断面積よりも大きいことを特徴とする水洗式大便器を
提供する。リム通水路形成部を傾斜させて便器後方側よ
り残水が排出されるように誘導し、かつその誘導した部
分の吐水口(後方吐水口)の吐水口下端部の断面積を上
端部の断面積よりも大きいようにすることで、リム通水
路内の便器洗浄後の残水が速やかに後方吐水口へ誘導さ
れ、さらに上記残水を誘導した吐水口の毛細管力が低減
されるので、リム通水路内の残水が後方吐水口内に残留
しにくくなり、筋状の水垢汚れが形成されにくくなる。
さらに便器前方のボール面の水との接触角を30°以下
にすることで、便等の油性汚れが付着しやすい便器前方
のボール面において油性汚れとの親和性よりも洗浄水と
の親和性が強くなるので、洗浄水による油性汚れ除去性
に優れるようになる。上記2つの作用により、水垢、油
性汚れの双方の除去性に優れた水洗式便器が提供可能と
なる。
【0006】本発明の好ましい態様においては、前記便
鉢面は、JIS−B0651(1996年)に準拠した
触針式表面粗さ測定装置により測定された中心線平均粗
さRaが70nm未満であるようにする。そうすること
で、油性汚れ及び水垢汚れの便鉢面への固着性が低下す
るので、水垢、油性汚れの双方の除去性がより優れるよ
うになる。
【0007】本発明の好ましい態様においては、後方吐
水口には撥水性被膜及び/又は滑水性被膜が形成されて
いるようにする。そうすることで、便器洗浄後の残水が
後方吐水口内に残留しにくくなり、筋状の水垢汚れが一
層形成されにくくなる。
【0008】本発明の好ましい態様においては、後方吐
水口下端部の断面積は他の吐水口の下端部の断面積より
も大きいようにする。後方吐水口下端部の断面積を大き
くする(好ましくは毛細管現象の生じにくい1cm2
10cm2程度にする)ことにより、そこに残水が滞留
することなく除去されるので、筋状の水垢汚れが一層形
成されにくくなる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、リム通
水路形成部の下部の少なくとも上面にも、撥水性被膜及
び/又は滑水性被膜が形成されているようにする。そう
することで、リム通水路内の便器洗浄後の残水が、後方
吐水口により誘導されやすくなり、残水がより速やかに
除去されるようになる。従って、残水に基づく筋状の水
垢汚れが一層形成されにくくなる。
【0010】本発明の好ましい態様においては、撥水性
被膜及び/又は滑水性被膜はシリコーン含有被膜である
ようにする。そうすることで、釉薬や陶器表面に撥水性
被膜及び/又は滑水性被膜が密着しやすくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の具体的構成につい
て説明する。図1は、本発明に係る水洗式大便器の一実
施態様を示す図であり、大便器のボール面1の上側には
リム通水路形成部2によりリム通水路3が形成されてお
り、リム通水路形成部2の下部4には複数の吐水口5が
穿たれている。ボール面1は、釉薬からなる表面層が形
成されており、かつ該表面層の水との接触角が30°未
満となっている。また、ボール面1bのJIS−B06
51(1996年)に準拠した触針式表面粗さ測定装置
により測定された中心線平均表面粗さRaは70nm未
満になっている。吐水口5のうち、溜水部6よりも便器
後方側に位置する後方吐水口5aには撥水性被膜及び/
又は滑水性被膜が形成されており、かつ後方吐水口5a
の下端部の断面積は上端部の断面積よりも大きくしてあ
る。また、後方吐水口5aの下端部の断面積は5cm2
であり、溜水部6よりも便器前方側に位置する前方吐水
口5bの下端部の断面積の0.5cm2よりも大きくな
っている。リム通水路形成部2の下部4の上面側は便器
前方側から便器後方側に向けて下方へ傾斜しており、か
つ撥水性被膜及び/又は滑水性被膜が形成されている。
便器の洗浄操作を行うと、給水バルブが開いて洗浄水が
リム通水路2へ供給され、吐水口5を経由してボール面
1が洗浄される。ここで、ボール面1は水との接触角が
30°未満となっているので、便等の油性汚れが固着残
留することなく除去される。また、洗浄後の残水もリム
通水路形成部2の下部4の上面には撥水性被膜及び/又
は滑水性被膜が形成されているので滞留できず、かつリ
ム通水路形成部2の下部4の上面の傾斜により便器後方
側の吐水口5aへと誘導される。さらに、吐水口5aは
他の吐水口5bよりも断面積が大きく、かつ下端部の断
面積を上端部の断面積よりも大きくしてあるので毛細管
力が働きにくく、かつ撥水性被膜及び/又は滑水性被膜
が形成されているので残水が滞留しにくくなっている。
従って、残水はこの部分よりボール面へと速やかに流下
され、さらに溜水部6へと除去される。従って、筋状の
水垢が形成されにくい。
【0012】図1において、吐水口5はリム通水路形成
部2の下部4の長手方向に一定のピッチで穿たれるよう
にしてもよいし、水勢等を考慮して異なったピッチで穿
たれるようにしてもよい。一定のピッチで穿つ場合には
その間隔は1〜5cmが好ましく、より好ましくは1.
2〜3.5cmである。
【0013】また、吐水口5の口径は全て揃っていても
よいし、水勢等を考慮して大きな孔が穿たれているよう
にしてもよい。吐水口5の断面形状としては、製造上、
角のない円又は楕円状が好ましい。また、吐水口5を真
横から見たときの断面形状は、図2のいずれの台形形状
でもよいし、その組合せでもよい。
【0014】吐水口5は、成形型に吐水口5に上記形状
の着肉しない凸部を形成しておいて鋳込み成形する方法
や、鋳込み成形後の成形体を切削加工する方法等により
作製することができる。また、上記凸部や凹部は一重鋳
込み成形と二重鋳込み成形を適宜組合せることにより作
製可能である。例えば、凹部の場合は、凹部の外側(肉
厚側)を二重鋳込み、内側(薄肉側)を一重鋳込み成形
することで作製可能である。このようにして、リム通水
路形成部2の下部4の下面側の面積を上面側の面積より
も大きくすることで、大便器の焼成体の吐水口5部分に
クラックが生じにくくなる。
【0015】以下に、本発明において好適に利用可能な
撥水性被膜、滑水性被膜について説明する。本発明にお
ける撥水性被膜とは、接触角測定器による水との接触角
が90度以上である被膜をいう。好ましくは110度以
上であり、より好ましくは140度以上である。
【0016】本発明における滑水性被膜とは、例えば、
フッ素系高分子とシリコン系樹脂をグラフトさせ、かつ
親水性原子団を結合させてナノ層分離構造を構成した被
膜、水酸基含有シロキサンポリマーと架橋剤から構成さ
れた被膜、又はゾルーゲル法で製膜された被膜表面をC
3―基とCF3―基を持つシラン誘導体で修飾した構成
を持つ被膜等であり、50mm3の水滴の転落角に換算
して10度以下、好ましくは5度以下、より好ましくは
1度以下の被膜をいう。より好適には20mm 3の水滴
の転落角に換算して20度以下、好ましくは10度以
下、より好ましくは5度以下の被膜である。
【0017】本発明における撥水性被膜には、シリコー
ン被膜、フッ素樹脂被膜、フッ素化合物被膜等が利用で
きる。
【0018】本発明におけるシリコーン被膜とは、シリ
コーン中のケイ素原子に1つ以上の有機基が結合されて
いるシリコーン、すなわち、平均組成式RpSiXqO
(4−p−q)/2(式中、Rは、炭素数1〜18の一
価の有機基、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、
p及びqは、0<p<2、0<q<4、0<p+q<4
を満足する数である)で表されるシリコーンを硬化させ
て得た被膜である。
【0019】上記シリコーンは、2官能シラン誘導体モ
ノマー(分子当り2個の加水分解性基を有し、各ケイ素
原子に2つの酸素原子が結合した2官能シロキサン結合
を形成するモノマー)及び/又は3官能シラン誘導体モ
ノマー(分子当り3個の加水分解性基を有し、各ケイ素
原子に3つの酸素原子が結合した3官能シロキサン結合
を形成するモノマー)を必須成分とし、必要に応じて4
官能シラン誘導体モノマー(分子当り4個の加水分解性
基を有し、各ケイ素原子に4つの酸素原子が結合した4
官能シロキサン結合を形成するモノマー)を配合させた
組成物を、加水分解、縮重合させることにより得られ
る。
【0020】ここで、2官能シラン誘導体としては、ジ
メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシ
ラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチ
ルジエトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γーアミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γーアミノプロピルメチルジエト
キシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルメチルジメト
キシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルメチルジエト
キシシラン、トリフルオロプロピルメチルジクロロシラ
ン等が好適に利用できる。
【0021】3官能シラン誘導体としては、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルト
リイソプロポキシシラン、メチルトリtーブトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt
ーブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラ
ン、ビニルトリtーブトキシシラン、n−プロピルトリ
メトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n
−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルト
リtーブトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラ
ン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルト
リイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリtーブトキ
シシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシル
トリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシ
ラン、n−デシルトリtーブトキシシラン、n−オクタ
デシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエト
キシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラ
ン、n−オクタデシルトリtーブトキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリtー
ブトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γーグリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γーグリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラ
ン、γーグリシドキシプロピルトリtーブトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリイソプロポキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リtーブトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシ
プロピルトリイソプロポキシシラン、γー(メタ)アク
リロキシプロピルトリtーブトキシシラン、γーアミノ
プロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリ
エトキシシラン、γーアミノプロピルトリイソプロポキ
シシラン、γーアミノプロピルトリtーブトキシシラ
ン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γー
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γーメルカプ
トプロピルトリイソプロポキシシラン、γーメルカプト
プロピルトリtーブトキシシラン、トリフルオロプロピ
ルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエト
キシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシ
シラン、トリフルオロプロピルトリtーブトキシシラ
ン、ヘプタデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、
ヘプタデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプ
タデカフルオロオクチルトリイソプロポキシシラン、ヘ
プタデカフルオロオクチルトリtーブトキシシラン等が
好適に利用できる。
【0022】4官能シラン誘導体としては、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポ
キシシラン、テトラtーブトキシシラン、ジメトキシジ
エトキシシラン等が好適に利用できる。
【0023】上記シリコーンのうち、γーグリシドキシ
プロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
基、γー(メタ)アクリロキシ基等を有するものは、シ
ロキサン架橋以外の有機架橋が形成可能であり、常温硬
化性を得る上で好ましい。
【0024】また、常温硬化性を高めるために、硬化剤
を添加してもよい。硬化剤としては、例えば、水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウ
ムメチラート、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸
カリウム、ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、テト
ラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド等の塩基性化合物類;n−ヘキシル
アミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセ
ン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ベンタミン、エタノールアミン類、γーアミノプロピル
トリメトキシシラン、γーアミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γー(2ーアミノメチル)ーアミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γー(2ーアミノメチル)ーア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン化合
物;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタ
ネート等のチタン化合物;アルミニウムトリイソブトキ
シド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウ
ムアセチルアセトナート、過塩素酸アルミニウム、塩化
アルミニウム等のアルミニウム化合物;錫アセチルアセ
トナート、ジブチル錫オクチレート等の錫化合物;コバ
ルトオクチレート、コバルトアセチルアセトナート、鉄
アセチルアセトナート等の含金属化合物類;リン酸、硝
酸、フタル酸、pートルエンスルホン酸、トリクロル酢
酸等の酸性化合物類などが好適に利用できる。
【0025】更に、硬化被膜の硬度、耐擦傷性を向上さ
せるために、或いは、高屈折率化させて光沢性を向上さ
せるために、金属酸化物微粒子を添加してもよい。金属
酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化セリウム、酸
化錫、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化アンチ
モン、酸化鉄、酸化チタン、希土類酸化物等が利用でき
る。
【0026】常温硬化性シリコーンを含有する水洗式便
器用コーティング組成物においては、コーティング組成
物の保存安定性を向上させるために非水系の溶媒に分散
されているのが望ましい。非水系の溶媒としては、アル
コール、ケトン、エステル、トルエン、キシレン、ヘキ
サン等が好適に利用できる。
【0027】水洗式便器の吐水口5aにシリコーン被膜
を形成させる方法は、必要に応じてマスキングした後
に、上記シリコーン及び/又はその前駆体を含有する塗
料をスプレー等の方法で塗布した後に、シリコーンを硬
化させることによる。また、シリコーンの硬化には、常
温放置、加熱、紫外線照射等の方法が利用できる。
【0028】本発明に用いられるフッ素樹脂としては、
例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポ
リ塩化三フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ
四フッ化エチレンー六フッ化プロピレンコポリマー、エ
チレンーポリ四フッ化エチレンコポリマー、エチレンー
ポリ塩化三フッ化エチレンコポリマー、四フッ化エチレ
ンーパーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー、
パーフルオロシクロポリマー、ビニルエーテルーフルオ
ロオレフィンコポリマー、ビニルエステルーフルオロオ
レフィンコポリマー等が好適に利用できる。
【0029】本発明に用いられるフッ素化合物には、フ
ッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウ
ム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化ス
カンジウム、フッ化イットリウム、フッ化ジルコニウ
ム、フッ化ハフニウム、フッ化マンガン、フッ化鉄、フ
ッ化コバルト、フッ化ニッケル、フッ化銅、フッ化アル
ミニウム、フッ化ガリウム、フッ化インジウム、フッ化
ビスマス、フッ化ランタン、フッ化セリウム、フッ化プ
ラセオジウム、フッ化ネオジウム、フッ化サマリウム、
フッ化ユーロピウム、フッ化テルビウム、フッ化ジスプ
ロシウム、フッ化ホルミウム、フッ化エルビウム、フッ
化ツリウム、フッ化イッテルビウム、フッ化ルテチウム
等が好適に利用できる。
【0030】水洗式便器の吐水口5aにシリコーン被膜
を形成させる方法は、必要に応じてマスキングした後
に、上記フッ素樹脂又はフッ素化合物を含有する塗料を
スプレー等の方法で塗布した後に、フッ素樹脂又はフッ
素化合物を硬化させることによる。フッ素樹脂又はフッ
素化合物の硬化には、常温放置、加熱、紫外線照射等の
方法が利用できる。
【0031】ボール面1の水との接触角を30°以下、
好ましくは20°以下、さらに好ましくは10°以下に
するには、疎水性物質を吸着しやすいジルコン等の遷移
金属酸化物粒子が表面に露出しにくい面を形成するよう
に便鉢部を作製するようにするのがよい。その方法とし
ては、例えば、陶器素地表面にジルコン等の乳濁剤や顔
料を含む着色性の釉薬層を形成し、さらにその上に透明
性の釉薬層を形成して、遷移金属酸化物からなる着色料
を透明釉薬で覆う。
【0032】ボール面1は、JIS−B0651(19
96年)に準拠した触針式表面粗さ測定装置により測定
された中心線平均粗さRaが0.07μm未満、好まし
くは0.05μm以下であるようにするとよい。それに
より、洗浄水の乾燥により堆積する水垢汚れや、便等の
油性汚れの双方がボール面1に固着しにくくなり、水洗
による上記汚れ除去性が向上する。ボール面1の中心線
平均粗さRaを0.07μm未満、好ましくは0.05
μm未満であるようにするには、例えば、便鉢表面に表
面釉薬層を形成する際に使用する釉薬原料の主成分をフ
リット等の非晶質原料にするか、平均粒径6μm未満の
微粒原料を用いるようにして、塗布後1100〜130
0℃で焼成する。
【0033】本発明の水洗式便器における撥水性被膜及
び/又は滑水性被膜には、抗菌剤が含有されていてもよ
い。抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛等の抗菌性金属及び
その化合物微粒子またはシリカゲルやゼオライトなどの
担体へ担持物、第四級アンモニウム塩、ニトリル誘導
体、イミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、イ
ソチアゾール誘導体、チアジチアゾール誘導体、トリア
ジン誘導体、スルホン誘導体、フェノール誘導体、フェ
ノールエステル誘導体、ピロール誘導体等が好適に利用
できる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、便鉢面の水垢汚れ除去
性と油性汚れ除去性の双方に対して優れた特性を有する
水洗式大便器を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリム通水路を有する大便器を示す
図。
【図2】 本発明の吐水口を真横から見たときの断面形
状を示す図。
【符号の説明】
1…ボール面、1a…ボール面(便器後方側)、2…リ
ム通水路形成部、3…リム通水路、4…リム通水路形成
部の下部、5…吐水口、5a…吐水口(便器後方側)、
6…溜水部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一木 智康 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 吉田 篤史 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 安藤 正美 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 林 浩一 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 町田 光義 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D039 AA02 AC03 AD01 DB04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リム通水路を備え、リム通水路形成部の
    下部にリム通水路からボール面へ洗浄水を吐水するため
    の吐水口が複数形成された大便器であって、前記ボール
    面は釉薬からなる表面層により形成されており、かつ該
    表面層の水との接触角が30°未満であり、前記リム通
    水路形成部の下部の少なくとも上面は便器前方側のほう
    が便器後方側よりも上方に位置するように傾斜してお
    り、かつ前記吐水口のうちの少なくとも溜水部よりも後
    方側に位置する後方吐水口の下端部の断面積は上端部の
    断面積よりも大きいことを特徴とする水洗式大便器。
  2. 【請求項2】 JIS−B0651(1996年)に準
    拠した触針式表面粗さ測定装置により測定された前記表
    面層の中心線平均表面粗さRaが70nm未満であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の水洗式大便器。
  3. 【請求項3】 前記後方吐水口には撥水性被膜及び/又
    は滑水性被膜が形成されていることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の水洗式大便器。
  4. 【請求項4】 前記後方吐水口下端部の断面積は他の吐
    水口の下端部の断面積よりも大きいことを特徴とする請
    求項1〜3に記載の水洗式大便器。
  5. 【請求項5】 前記リム通水路形成部の下部の少なくと
    も上面にも、撥水性被膜及び/又は滑水性被膜が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4に記載の水洗式
    大便器。
  6. 【請求項6】 前記撥水性被膜及び/又は滑水性被膜は
    シリコーン含有被膜であることを特徴とする請求項1〜
    5に記載の水洗式大便器。
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