JP2001247962A - 基板処理装置及び方法 - Google Patents

基板処理装置及び方法

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JP2001247962A
JP2001247962A JP2000062242A JP2000062242A JP2001247962A JP 2001247962 A JP2001247962 A JP 2001247962A JP 2000062242 A JP2000062242 A JP 2000062242A JP 2000062242 A JP2000062242 A JP 2000062242A JP 2001247962 A JP2001247962 A JP 2001247962A
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substrate
film
heat treatment
unit
substrate processing
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JP2000062242A
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English (en)
Inventor
Toshio Kudo
利雄 工藤
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平坦な膜を形成することができ、溝や穴の埋
め込みが容易な基板処理装置及び方法を提供すること。 【解決手段】 イオンプレーティングユニットによって
基板W上に金属膜MLを形成すると、金属が微小な液滴
状となって基板W上に付着し、ドロップレットDLを形
成することがある。このようなドロップレットDLは、
基板W上に高アスペクト比で形成された溝TRを埋める
ことなく、溝TRの開口を塞ぐ(図4(a))。熱処理
ユニットによって基板W上の金属膜MLをアニールする
と、ドロップレットDLが流体化し、溝TRを完全に埋
めることになる(図4(b))。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、プラズマビーム
を用いて成膜等の処理を行う基板処理装置及び方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】成膜を行うための装置として、例えば圧
力勾配型のプラズマガンからのプラズマビームをハース
に導き、ハース上の蒸発ルツボ中の蒸着物質を蒸発・イ
オン化し、このように蒸発・イオン化した蒸着物質をハ
ースと対向して配置された基板の表面に付着させるイオ
ンプレーティング装置が知られている。
【0003】特開平7−138743号公報には、この
種のイオンプレーティング装置において、ハース内に配
置された棒磁石とハースの周囲に同心に配置された永久
磁石とからなる入射ビーム方向調整手段を組み込むこと
によってハースの入射面上方にカスプ磁場を形成するも
のが開示されている。このイオンプレーティング装置で
は、ハース上方のカスプ磁場によってハースに入射する
プラズマビームを修正し、プラズマビームをハースの真
上から直線的に入射させるので、基板の表面に形成され
る膜の厚みを均一にすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のイオン
プレーティング装置で金属等の物質を蒸発させる場合、
蒸着物質が微小な粒子又は液滴状となって蒸発ルツボか
ら飛び出してそのまま基板上に付着することがある。こ
のような付着物はスプラッシュやドロップレットと呼ば
れ、膜上に局所的な突起を形成するので、微小であって
も平坦な成膜が困難になるだけでなく、高アスペクト比
の溝や穴に対し金属の配線膜を形成する用途では、溝や
穴が完全には埋め込まれない場合がある。また、成膜に
際して溝や穴にボイドが形成され、最終的に得られる配
線の電気特性を劣化させる場合もある。
【0005】さらに、上記のイオンプレーティング装置
で半達体材料等の成膜を行う場合、膜表面上のスプラッ
シュやドロップレットによって、基板上に形成される膜
の結晶状態を十分に制御することができないことがあ
り、得られたデバイスの特性が劣化する。例えばシリコ
ン(Si)等の半導体材料の成膜では、形成された半導
体層がアモルファス状となり、高い移動度を示す良好な
電気特性の半導体膜が得られていない。
【0006】そこで、本発明は、平坦な膜を形成するこ
とができ、溝や穴の埋め込みが容易な基板処理装置及び
方法を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、基板上に形成される膜の
結晶状態を制御してより良好な特性を有する膜を形成し
得る基板処理装置及び方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の基板処理装置は、(a)プラズマビームを成
膜室中に供給するプラズマ源と、膜材料を収容可能な材
料蒸発源を有するとともに前記成膜室中に配置されて前
記プラズマビームを導くハースと、前記成膜室中で前記
ハースに対向して基板を保持する保持手段とを有する成
膜ユニットと、(b)処理室中に配置された基板上に形成
された膜を加熱するためのレーザ光を発生するレーザ光
源と、前記レーザ光を所定のビーム形状にして前記基板
上に入射させるビーム整形光学系とを有する熱処理ユニ
ットとを備える。
【0009】上記装置では、熱処理ユニットが、処理室
中に配置された基板上に形成された膜を加熱するための
レーザ光を発生するレーザ光源と、レーザ光を所定のビ
ーム形状にして基板上に入射させるビーム整形光学系
と、前記レーザ光を基板上で低温で走査させる走査手段
とを有するので、成膜ユニットによって得られた膜の状
態を簡易に改善することができる。すなわち、成膜ユニ
ットによる成膜に際してドロップレットやスプラッシュ
が形成された場合にも、所定のビーム形状を有するレー
ザ光の走査によって形成直後の膜に対して局所的アニー
ルの走査が行われ、基板全体を高温化することなくドロ
ップレットやスプラッシュを簡易に平坦化することがで
きる。また、成膜ユニットにおいて所望の状態に結晶化
した膜が得られなかった場合にも、所定のビーム形状を
有するレーザ光の走査によって形成直後の膜に対して局
所的アニールの走査が行われ、基板全体を高温化するこ
となく膜の結晶状態を簡易に制御することができる。
【0010】上記基板処理装置の好ましい態様では、前
記成膜ユニットから成膜済みの基板を搬出するとともに
当該成膜済みの基板を前記熱処理ユニットに搬入する搬
送装置をさらに備える。
【0011】上記装置では、基板への成膜と形成された
膜のレーザアニールとを一連の処理として円滑かつ迅速
に行うことができる。
【0012】上記基板処理装置の好ましい態様では、前
記成膜ユニットが、磁石及びコイルの少なくとも一方を
前記ハースの周囲に環状に配置してなるとともに前記ハ
ースの近接した上方の磁界を制御する磁場制御部材をさ
らに備え、前記プラズマ源が、圧力勾配型のプラズマガ
ンである。
【0013】上記装置では、磁場制御部材によってハー
スに入射するプラズマビームをカスプ状磁場で修正して
より均一な厚みの膜を形成することができる。
【0014】上記基板処理装置の好ましい態様では、ビ
ーム整形装置が、所定のビーム形状として線条のビーム
を形成するホモジナイザであり、走査手段が、線条ビー
ムの長手方向に対して所定角度を成す方向に基板を移動
させる移動ステージを含む。
【0015】この場合、走査装置である移動ステージが
線条ビームの長手方向に対して所定角度を成す方向に基
板を移動させるので、効率的で均一なレーザアニールが
可能になる。
【0016】上記基板処理装置の好ましい態様では、前
記膜材料が、金属若しくは合金の配線材料であり、前記
熱処理ユニットが、前記基板上に形成された配線膜を軟
化させて形状的な均一化を行う。
【0017】上記装置では、前記熱処理ユニットが前記
基板上に形成された配線膜を軟化させて形状的な均一化
を行うので、平坦で均一な配線膜を形成することができ
る。特に、高アスペクト比の溝や穴に対し金属の配線膜
を形成する用途等において、ドロップレットやスプラッ
シュが溝や穴の開口部を塞いだ場合や、溝や穴にボイド
が形成された場合にも、熱処理ユニットにおける上記の
ような基板全体としては低温のレーザアニールによって
開口部付近の配線膜を流動化することができるので、溝
や穴を完全に埋め込むことができ、配線工程に関する歩
留りを高めることができる。しかも、大きな起伏である
ドロップレット等を平坦化することができるので、後の
CMP(化学的機械研磨法)の工程が迅速となり、配線
形成の処理のスループットが高まる。なお、ドロップレ
ットやスプラッシュとは、プラズマと溶融した配線材料
との相互作用や、配線材料の融液中で発生したガスによ
り、融液の表面から小さな液滴が飛び出すことによって
形成されるものであり、かかる液滴が基板表面に付着す
ることによってできる形状的不均一(凹凸)を意味す
る。
【0018】上記基板処理装置の好ましい態様では、前
記膜材料が、半導体材料であり、前記熱処理ユニット
が、前記基板上に形成された半導体膜の結晶化の状態を
調節する。
【0019】上記装置では、前記熱処理ユニットが前記
基板上に形成された半導体膜の結晶化の状態を調節する
ので、ガラス基板上にSi、SiGe、Ge等の半導体
膜を形成する用途等において、所望の状態に結晶化した
半導体膜を得ることができる。特に、プラズマビームを
用いた場合、配線膜の場合と同様に迅速な成膜が可能で
あるだけでなく、下地を浄化するセルフクリーニング効
果が期待できるので、ステップカバレージがよく、結果
的に得られる半導体膜が比較的高い配向性を示す。ま
た、水素レスの半導体膜では、脱水素処理を省略して結
晶化が可能である。よって、プラズマビームを利用して
形成した半導体膜を真空を破らずに上記のようなレーザ
アニールによって処理することにより、極めて良好な特
性を有する半導体膜を簡易に得ることができる。
【0020】上記基板処理装置の好ましい態様では、前
記熱処理ユニットが、前記基板に形成された膜を熱処理
する領域を制御する処理範囲制御手段をさらに備える。
【0021】上記装置では、処理範囲制御手段が前記基
板に形成された膜を熱処理する領域を制御するので、所
望の領域で膜の状態を改善できる。例えば、配線膜や半
導体膜を形成する場合、要求される電気特性に応じ、高
い膜質を要求される領域のみに必要なレーザアニールを
施すことで迅速な処理を達成できる。
【0022】上記基板処理装置の好ましい態様では、前
記成膜ユニットが、前記成膜室中の雰囲気を設定すると
ともに前記基板の温度を調節する手段をさらに備える。
【0023】上記装置では、雰囲気や温度を制御しなが
ら成膜を行えるので、膜中の成分や結晶状態をより精密
に制御することができる。
【0024】また、本発明の基板処理方法は、(a)陽極
として配置された材料蒸発源に向けてプラズマビームを
供給することによって前記材料蒸発源の膜材料を蒸発さ
せて基板上に膜を付着させる成膜工程と、(b)前記基板
上に所定のビーム形状のレーザ光を入射させることによ
って前記基板上に付着した膜を熱処理する熱処理工程と
を備える。
【0025】上記方法では、熱処理工程で、前記基板上
に所定のビーム形状のレーザ光を入射させることによっ
て前記基板上に付着した膜を熱処理するので、成膜ユニ
ットによって得られた膜の状態を簡易に改善することが
できる。すなわち、成膜ユニットによる成膜に際してド
ロップレットやスプラッシュが形成された場合にも、こ
れらを簡易に平坦化することができる。また、成膜ユニ
ットにおいて所望の状態に結晶化した膜が得られなかっ
た場合にも、膜の結晶状態を簡易に制御することができ
る。
【0026】上記基板処理方法の好ましい態様では、前
記成膜工程で、前記膜材料として金属若しくは合金を用
いて前記基板上に配線膜を形成し、前記熱処理工程で、
当該配線膜を軟化させて形状的な均一化を行う。
【0027】上記方法では、前記熱処理工程でユニット
が前記基板上に形成された配線膜を軟化させて形状的な
均一化を行うので、平坦で均一な配線膜を形成すること
ができる。
【0028】上記基板処理方法の好ましい態様では、前
記成膜工程で、前記膜材料として半導体を用いて前記基
板上に半導体膜を形成し、前記熱処理工程で、当該半導
体膜を結晶化する。
【0029】上記方法では、前記熱処理工程で当該半導
体膜を結晶化するので、ガラス基板上に半導体膜を形成
する用途等において、所望の状態に結晶化した半導体膜
を得ることができる。
【0030】上記基板処理方法の好ましい態様では、前
記熱処理工程で、前記基板上の膜を所定の領域で多結晶
化する。
【0031】上記方法では、前記基板上の膜を所定の領
域で多結晶化するので、所望の領域で膜の状態を改善で
きる。
【0032】また、本発明のマイクロデバイスは、上記
基板処理方法によって形成した膜からなる配線、若しく
はpoly−Si TFT等の半導体素子を備える。
【0033】上記マイクロデバイスは、上記基板処理方
法を利用することによって得られるので、歩留りが高く
優れた電気特性を有する。
【0034】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕図1は、本発明
に係る第1実施形態の基板処理装置の全体構造を示す平
面図である。この基板処理装置は、半導体ウェハ等の基
板に一連の処理工程を一括して行うクラスタツールタイ
プの半導体処理装置であり、基板Wに所定の処理を施す
複数の処理装置として、搬送装置10を中心に、基板W
の表面クリーニングを行うクリーニングユニット11
と、基板Wにイオンプレーティングを利用した成膜を行
う成膜ユニットであるイオンプレーティングユニット1
2と、基板Wの温度を調節する温調ユニット13と、基
板Wにレーザを利用した熱処理(アニール)を行う熱処
理ユニット14と、2つの搬出入室15、16とを備え
る。
【0035】クリーニングユニット11は、基板Wに前
処理を施すためのものであり、図示を省略するが、基板
Wを支持して加熱する加熱プレート、基板Wを加熱プレ
ートとともに収容するチャンバ、基板Wの周囲を真空に
吸引する真空ポンプ等を備える。このクリーニングユニ
ット11は、熱処理するものに限定されない。例えば基
板Wの表面をアルゴン等の粒子でスパッタリングする装
置とすることもできる。さらに、クリーニングユニット
11自体を省略することもできる。すなわち、上記のイ
オンプレーティングユニット12を利用したイオンプレ
ーティングによれば、成膜前に下地の表面をクリーニン
グするセルフサーフェスクリーニング効果があるので、
極めて汚染されている基板Wを取り扱うような特別の場
合を除き、通常はクリーニングユニット11を設ける必
要がない。
【0036】イオンプレーティングユニット12は、後
に詳細に説明するが、材料蒸発源に向けてプラズマビー
ムを供給することによって材料蒸発源の膜材料を蒸発さ
せ、蒸発した材料の膜を基板W上に付着させるためのも
のである。
【0037】温調ユニット13は、イオンプレーティン
グユニット12等に基板Wを搬入する直前に基板Wを適
当な温度に暖めたり、イオンプレーティングユニット1
2等から搬出した直後の基板Wを適当な速度で冷却する
ためのものであり、図示を省略するが、基板Wを載置し
て加熱・冷却する温調プレート等を備える。
【0038】熱処理ユニット14は、後に詳細に説明す
るが、所定のビーム形状のレーザ光を基板W上で走査す
ることによって基板W上に付着した膜を熱処理するため
のものである。
【0039】搬出入室15、16は、基板処理装置の外
部との間で基板Wをやりとりするためのもので、複数の
基板Wを収納するカセットCAを載置するカセットステ
ージ、このカセットステージを昇降移動させるステージ
駆動装置等を備える。
【0040】なお、搬送装置10と各処理装置11〜1
4は、ゲート弁24を介して開閉可能に接続されてお
り、搬送装置10と各搬出入室15、16も、ゲート弁
25を介して搬送装置10と開閉可能に接続されてい
る。なお、搬送装置10を構成する搬送室の中央には多
関節型の搬送手段である搬送用真空ロボット26が配置
されており、この搬送装置10の周囲に固定された処理
装置11〜14や搬出入室15、16との間で基板Wの
受け渡しが可能になっている。
【0041】以下、図1に示す基板処理装置の動作につ
いて説明する。この基板処理装置で処理すべき未処理の
基板Wを収納するカセットCAは、一旦搬出入室15、
16のいずれかに搬入され、ここで一時的に保管され
る。その後、搬送装置10に設けた搬送用真空ロボット
26によって、搬出入室15、16中に配置したカセッ
トCA中の基板Wを一枚一枚搬送装置10内部に取り込
み、続いて各処理装置11〜14の内部に順次搬送す
る。これらの処理装置11〜14では、必要な成膜、ア
ニール等が所望の手順で進行する。
【0042】具体的な処理手順について説明すると、ま
ずイオンプレーティングユニット12で、プラズマビー
ムを利用して膜材料を蒸発させるとともに材料蒸気をイ
オン化させて基板W上に所望の膜を形成する。
【0043】なお、成膜前の基板Wを洗浄する必要があ
る場合、イオンプレーティングユニット12で成膜する
前にクリーニングユニット11で基板Wを加熱して基板
W表面に吸着した汚染物質を脱離する。また、スループ
ットが優先される場合、イオンプレーティングユニット
12で成膜する前後に、温調ユニット13で成膜前の基
板Wを予め適当な温度に加熱し、或いは成膜後の比較的
高温の基板Wを適当な速度で冷却し常温にすることもで
きる。
【0044】次に熱処理ユニット14で、レーザ光の線
条ビームを基板W上で走査することによって基板W上に
形成された膜を一端側から他端側に向けて一様にアニー
ルする。
【0045】必要な処理が終了した基板Wは、搬送装置
10を経て一旦搬出入室15、16に搬入され、カセッ
トCAに順次収納される。搬出入室15、16中の処理
済みの基板Wを収容したカセットCAは、適当なタイミ
ングで基板処理装置外に搬出される。
【0046】図2は、図1に示す搬送装置10及びイオ
ンプレーティングユニット12の構造を説明する図であ
る。
【0047】搬送用真空ロボット26は、伸縮するとと
もに中心軸CXの回りに回転可能であるアーム26a
と、アーム26aの先端に固定されて基板Wを支持する
ハンド26bとを備える。基板Wを支持するハンド26
bは、アーム26aに送られて、周囲のイオンプレーテ
ィングユニット12等の内部に基板Wを進退させること
ができる。
【0048】イオンプレーティングユニット12は、真
空気密を保ち得る密閉構造の成膜室41で構成される。
成膜室41内部の下方には、蒸発物質を収容する凹部を
有する蒸発物質源でありかつ陽極であるハース42a
と、このハース42aを中心としてその周囲に環状に配
置される環状補助陽極42bとからなる陽極部材42の
ほか、磁場制御部材として環状補助陽極42bの直下に
配置される環状磁石42cが配置されている。成膜室4
1の下部側壁の一側面には、成膜室41の内部を臨むよ
うにプラズマ源であるプラズマガン43が設けられてい
る。このプラズマガン43は、特開平8−232060
号公報等に開示されている圧力勾配型のプラズマガンで
あり、モリブデン製の外筒とAr等のキャリアガスを導
入するタンタル製の内パイプとからなる2重円筒の一端
を円盤状の陰極で固定し他端にLaB6製の円盤を配置
することによって形成したガン本体43aと、ガン本体
43aから出射するプラズマビームを引き出す電極とし
ての役割とともにプラズマビームを収束させる役割を有
する環状の電磁極部43bと、電磁極部43bを成膜室
41に連結する筒状部43cとを備える。また、プラズ
マガン43は、筒状部43cの周囲にプラズマビームを
成膜室41内に導くための環状のステアリングコイル4
3dを有している。
【0049】成膜室41の上部であってプラズマガン4
3上方には、成膜室41中を適当な真空度に維持する排
気系45が設けられている。この排気系45は、排気室
45aと、排気遮断弁45bと、高真空用排気ポンプ4
5cとから構成される。なお、排気系45の近くには、
成膜室41中のガス雰囲気を適宜設定するガス供給制御
装置56を設けている。このガス供給制御装置56は、
成膜室41のガス雰囲気を計測しつつ、成膜室41中に
Ar、N2、H2、O2、CH4等の所望の雰囲気ガスを所
望の密度で供給できるようになっている。
【0050】成膜室41の中間部であってプラズマガン
43と排気系45との間の側壁には、成膜室41中で基
板Wを保持するチャック50を必要なタイミングで動作
させるチャック駆動機構51が設けられている。このチ
ャック駆動機構51は、チャック50を基板Wを保持す
る保持状態と基板Wの保持を解除する解除状態との間で
開閉動作させることができるとともに、基板Wを保持し
た保持状態のチャック50をその場で基板Wの中心線の
回りに回転させることができる。なお、チャック50
は、一対の開閉可能なハンド(図示を省略)からなり、
これらが閉状態にあるとき上記の保持状態となり、開状
態にあるとき上記の解除状態となる。
【0051】成膜室41内部の上方には、成膜中におけ
る基板Wの温度や電位を調節する温度調節部材53が配
置されている。この温度調節部材53は、温調板駆動機
構54によって上下に駆動され、チャック50に保持さ
れた基板Wの上面(裏面)に接して基板Wの温度や電位
を調節する下方の動作位置と、チャック駆動機構51に
よる基板Wの反転を許容する上方の待避位置(図示の状
態)との間で進退可能である。
【0052】以下、動作について説明する。搬送用真空
ロボット26のハンド26bは、イオンプレーティング
ユニット12中に基板Wを被処理面すなわち成膜面を上
向きにして搬入し、この基板Wを水平状態のチャック5
0の直下に配置する。この状態で、チャック50が離間
して解除状態となると、ハンド26bは、基板Wととも
に上昇し、基板Wをチャック50の高さまで上昇させ
る。この状態で、チャック50が閉じて保持状態となる
と、チャック50によって基板Wの縁が支持される。そ
の後、ハンド26bは、一旦わずかに降下し、イオンプ
レーティングユニット12外に退出する。
【0053】次に、温度調節部材53が最上端の待避位
置まで移動しているか否かを確認し、温度調節部材53
が待避位置にないときは温調板駆動機構54を駆動して
温度調節部材53を最上端の待避位置まで移動させ、被
処理面すなわち成膜面を上にしてチャック50に保持さ
れた状態の基板Wを水平軸回りに回転させる。これによ
り、基板Wは反転し、成膜面が下向きとなる。次に、温
度調節部材53が最下端の動作位置に移動し、成膜面を
下向きとして配置された基板Wの上面(裏面)に温度調
節部材53の下面が一様に接して基板Wの温度や電位が
調節される。
【0054】イオンプレーティングによる成膜は、この
ように成膜面を下向きとし所望の温度や電位に調節され
た状態の基板Wに対して行われる。具体的な成膜につい
て説明すると、ハース42aの凹部には、Cu等の配線
金属である蒸発物質が加熱され溶融状態で溜まってい
る。この状態で、プラズマガン43からのプラズマビー
ムを環状補助陽極42bに入射させている待機状態から
ハース42aに入射させる成膜状態にスイッチする。こ
れにより、基板Wの下面すなわち被処理面に金属被膜が
形成され成長する。基板Wの被処理面に形成された膜が
所定の膜厚になった段階で、プラズマビームを環状補助
陽極42bに入射さる待機状態にスイッチする。以上に
より、基板Wの被処理面への薄膜形成処理は終了する。
なお、本実施形態のプラズマガン43を用いることによ
り、強力なプラズマビームを連続的に安定して供給する
ことができ、基板W上に高品質の膜が迅速に形成される
ことになる。また、環状磁石42cによってハース42
aの上方にカスプ磁場を形成しハース42aに入射する
プラズマビームを修正するので、基板W上により均一な
厚さの膜が形成されることになる。
【0055】なお、イオンプレーティングユニット12
を利用したイオンプレーティングには、成膜の開始に際
して下地のバリア膜等の表面に付着した汚染物質を除去
するセルフサーフェスクリーニング効果がある。このセ
ルフサーフェスクリーニング効果を利用すれば、(11
1)配向性が良い膜を形成することができ、特に金属配
線用の膜を形成する場合、導電性が高くエレクトロマイ
グレーション耐性がある配線膜となる。
【0056】次に、温調板駆動機構54は、温度調節部
材53を最上端の待避位置に移動させる。チャック駆動
機構51は、チャック50を回転させて基板Wを反転さ
せ成膜面を上側にする。この状態で、ハンド26bは、
イオンプレーティングユニット12内に進入し、基板W
を支持するチャック50の直下に移動する。次に、ハン
ド26bは、基板Wの裏面にほとんど接するまで上昇す
る。この状態で、チャック50が解除状態となると、チ
ャック50からハンド26bに基板Wが渡される。ハン
ド26bは、成膜後の被処理面を上側にした基板Wをイ
オンプレーティングユニット12外に搬出する。
【0057】図3は、図1に示す熱処理ユニット14の
構造を説明する図である。この熱処理ユニット14は、
密閉構造の処理室60中に、金属薄膜を形成した直後の
基板Wを載置して移動する移動ステージ61と、基板W
上の金属薄膜を加熱するためのエキシマレーザその他の
レーザ光LBを発生するレーザ光源62と、このレーザ
ビームを線条にして所定の照度で基板W上に入射させる
ビーム整形光学系63と、基板Wを載置した移動ステー
ジ61をビーム整形光学系63等に対して必要量だけ相
対的に移動させるステージ駆動装置65と、処理室60
中を適当な真空度に維持する排気系66とを備える。な
お、移動ステージ61とステージ駆動装置65は、走査
手段を構成する。移動ステージ61の動作は、ステージ
駆動装置65を介して制御装置68によって制御されて
おり、移動ステージ61の移動速度や移動範囲(走査範
囲を含む)を適宜調節できるようになっている。また、
ビーム整形光学系63は、ビーム調節装置63aに駆動
されて、基板W上に入射させるレーザ光LBのビーム形
状を適宜調節することができるようになっている。ここ
で、ステージ駆動装置65、ビーム調節装置63a及び
制御装置68は、基板W表面に形成された膜を熱処理す
る領域を制御する処理範囲制御手段を構成する。
【0058】レーザ光源62からのレーザ光LBは、ミ
ラー71を経て光量調節部72に入射する。光量調節部
72を通過して適当に減光されたレーザ光LBは、ミラ
ー74を経てビーム整形光学系63に入射する。ビーム
整形光学系63は、ホモジナイザとして、矩形断面のレ
ーザ光LBを線条ビームに変換する。つまり、ビーム整
形光学系63を通過したレーザ光LBは、処理室60上
部に形成したウィンドウ60aを経て基板W上において
Y軸方向に延びる線条ビームとして投影される。
【0059】以下、図3の熱処理ユニット14の動作に
ついて説明する。まず、図2に示す搬送用真空ロボット
26を利用して、熱処理ユニット14中に基板Wを搬入
する。搬入される基板Wは、成膜直後の冷却が終了した
状態で、被処理面を上側にしての開口60bを介して処
理室60中に搬入され、移動ステージ61上に載置され
る。なお、基板Wを移動ステージ61上に載置する際に
は、移動ステージ61上から複数のピン等が突出して一
時的に基板Wを支持し、ハンド26bが処理室60外に
退出した段階でピン等を降下させて基板Wを移動ステー
ジ61上にセットする。次に、ステージ駆動装置65を
動作させることにより、ビーム整形光学系63に対して
移動ステージ61をX軸方向に一定速度で移動させる。
ビーム整形光学系63からのレーザ光LBは、Y方向に
延びる線条ビーム像として、例えば基板Wの一端から他
端に移動するので、基板W全面の走査が行われることに
なる。これにより、基板W上の膜が迅速にアニールさ
れ、基板W上に形成された溝等を迅速、かつ、確実に埋
め込むことができる。
【0060】図4は、図1〜図3に示す基板処理装置に
よる基板Wの処理を説明する図である。図4(a)は、
成膜直後の状態の一例を示し、図4(b)は、アニール
後の状態の一例を示し、図4(c)は、比較例を示す。
図4(a)に示すように、イオンプレーティングユニッ
ト12によって基板W上に金属膜MLを形成すると、金
属が微小な液滴状となって基板W上に付着し、ドロップ
レットDLを形成することがある。このようなドロップ
レットDLは、基板W上に高アスペクト比で形成された
溝TRを埋めることなく、溝TRの開口を塞ぐ。図4
(b)に示すように、熱処理ユニット14でレーザ光を
走査することによって基板W上の金属膜MLを局所的に
アニールすると、ドロップレットDLを構成する金属を
低粘性化・流動化させることができ、基板W全体を低温
で処理するだけで溝TRを完全に埋めることができる。
図4(c)に示すように、金属膜MLの形成後の基板W
を熱処理ユニット14によるレーザアニールを用いない
で高温高圧でリフロー処理すると、ドロップレットDL
を十分に流動化させることが困難となって溝TRの内部
にボイドすなわち空洞部V等が形成されることがある。
さらに、このような高温処理を用いた場合、配線膜だけ
でなく他の半導体素子等にダメージを与える可能性があ
る。
【0061】〔第2実施形態〕図5は、本発明に係る第
2実施形態の基板処理装置の全体構造を示す平面図であ
る。この基板処理装置は、第1実施形態の基板処理装置
を変形した半導体処理装置であり、搬送装置10を中心
に、基板Wにイオンプレーティングを利用した成膜を行
う成膜ユニットであるイオンプレーティングユニット1
2と、基板Wにレーザを利用した熱処理を行う熱処理ユ
ニット14と、2つの搬出入室15、16とを備える。
【0062】この場合、イオンプレーティングユニット
12は、配線膜ではなく半導体膜を形成するためのもの
であり、熱処理ユニット14は、レーザ光によって半導
体膜をアモルファス状の状態から多結晶状の状態に変換
するアニーリングを行う。ただし、イオンプレーティン
グユニット12や熱処理ユニット14自体の構造は、第
1実施形態の場合と同様であるので、同一の符号を付し
て構造についての説明を省略する。
【0063】以下、第2実施形態の基板処理装置の動作
を説明する。この基板処理装置で処理すべき未処理の基
板W(具体的には、SiO2等の絶縁膜を表面に形成し
たガラス基板)を収納するカセットCAは、一旦搬出入
室15、16のいずれかに搬入され、ここで一時的に保
管される。その後、搬送装置10に設けた搬送用真空ロ
ボット26によって、搬出入室15、16のいずれかに
配置したカセットCA中の基板Wを一枚一枚搬送装置1
0内部に取り込み、続いてイオンプレーティングユニッ
ト12内部に搬送して成膜し、次いで熱処理ユニット1
4内部に搬送して熱処理する。
【0064】イオンプレーティングユニット12での成
膜は、チャック50とチャック駆動機構51とからなる
反転機構によって成膜面を下向きとし温度調節部材53
によって所望の温度や電位に調節された状態のガラス基
板等の基板Wに対して行われる。ハース42aの凹部に
は、予めSi等の半導体である蒸発物質が配置されて加
熱されている。この状態で、プラズマガン43からのプ
ラズマビームを環状補助陽極42bに入射させている待
機状態からハース42aに入射させる成膜状態にスイッ
チする。これにより、基板Wの下面すなわち被処理面に
半導体被膜が形成されて成長する。基板Wの被処理面に
形成された半導体膜が所定の膜厚になった段階で、プラ
ズマビームを環状補助陽極42bに入射させる待機状態
にスイッチする。以上により、基板Wの被処理面への半
導体膜の成膜処理は終了する。その後は、反転機構を利
用して基板Wの成膜面を下向きとする。
【0065】熱処理ユニット14での熱処理、すなわち
アニーリングは、半導体膜を形成した被処理面を上側に
した基板Wに対して行われる。基板Wを移動ステージ6
1上にセットし、ステージ駆動装置65を動作させるこ
とにより、ビーム整形光学系63に対して移動ステージ
61をX軸方向に一定速度で又はレーザパルスに同期さ
せてステップ状に移動させる。ビーム整形光学系63か
らのレーザ光LBは、Y方向に延びる線条ビーム像とし
て、例えば基板Wの一端から他端に移動し、基板W全面
の走査が行われる。これにより、基板W上の半導体膜が
迅速にアニールされ、アモルファス状態に近い膜を多結
晶からなる膜に変質させることができる。
【0066】以下では、イオンプレーティングユニット
12及び熱処理ユニット14を用いた第1の処理例につ
いて具体的に説明する。まず、イオンプレーティングユ
ニット12において、成膜室41を水素と希ガス例えば
アルゴンとからなる雰囲気とし、基板Wを室温〜450
℃程度にする。成膜前の基板Wは、例えば平板状のガラ
ス板の表面に1000〜3000Å程度の厚みを有する
SiO2等の絶縁膜を形成したものである。次に、Si
を収容するハース42aにプラズマビームを入射させ、
基板Wの下面すなわち絶縁膜上に300〜500Å程度
の厚みを有するSi膜を形成する。
【0067】このSi膜は、基本的にはアモルファス状
態に近い構造からなるが、本実施形態のプラズマビーム
を用いた成膜の特性として、内部に(111)配向を示
す微結晶を有している。つまり、Si膜を形成する場
合、温度条件にもよるが金属膜の成膜の場合のように
(111)配向を示すグレインが集まった多結晶ではな
く、逆に完全なアモルファス状態でもなく、アモルファ
ス状のSi中に(111)配向の微結晶が分散したよう
な状態になっているものと考えられる。なお、Si膜の
成膜に際して水素雰囲気を用いているので、Siのダン
グリングボンドを水素で終端処理することによって欠陥
を減らしている。このように、欠陥を減らすことでアモ
ルファスSi TFTの移動度を高めることができる。
また、この多結晶Si膜は、高い(111)配向性を有
するので従来のpoly−Si TFTより高い移動度
を示す。
【0068】以上のようにして成膜した基板Wは、熱処
理ユニット14でレーザの走査によってアニールされ
る。アニールに使用するレーザ光は、波長308nmの
エキシマレーザ光とした。このようなレーザアニールに
より、基板W上のSi膜がポリSi化する。つまり、基
板W上でレーザ光LBを走査することにより、基板W上
のレーザ光LBが入射した部位でSi膜が局所的に溶融
するとともに、このように溶融した部位が基板W上を一
定速度で移動する。これにより、Si膜のうち(11
1)配向性を有する微結晶の一部は消失して間引かれる
が、残りの微結晶は成長して高い(111)配向性を有
するポリSi層が得られる。このSi膜は、高い(11
1)配向性を有するポリSiからなるので、高い移動度
を得ることができる。
【0069】図6は、上記の基板Wを更に加工すること
によって最終的に得られるマイクロデバイスの一部を示
す。ガラス基板GP上には、SiO2膜IL1が形成され
ており、このSiO2膜IL1上には、上記のイオンプレ
ーティング及びレーザアニーリングによってポリSi層
が形成され、このポリSi層がパターニングされて活性
層ALとなる。この活性層ALの上には、SiO2絶縁
層IL2を介してゲート電極GEが形成されてMOS構
造となる。なお、活性層ALの左右両端に電極を形成す
れば、TFTとなる。このようにして得たTFTは、結
晶品質の高い活性層ALからなることから、高い移動度
が期待できる。
【0070】なお、この実施形態では、図6に示すトッ
プゲートタイプのマイクロデバイスの製造について説明
したが、ゲート電極上にSiO2絶縁層を介して活性層
を形成するボトムゲートタイプのマイクロデバイスの製
造についても本発明の適用が可能であり、この場合も高
い移動度が期待できる。
【0071】また、イオンプレーティングユニット12
における成膜に際して基板Wの温度を450℃程度以下
としたが、ボトムゲートタイプのマイクロデバイスの製
造に際しては、ゲート金属が加熱されて周囲を含めて膜
質が劣化することを防止するため、基板Wを350℃程
度以下の低温で処理することが望ましい。
【0072】以下、第2の処理例について説明する。ま
ず、イオンプレーティングユニット12において、成膜
室41をアルゴンのみからなる雰囲気とし、基板Wを室
温〜450℃程度にする。この場合、成膜室41中には
水素ガスを導入しない。成膜前の基板Wは、第1の処理
例と同様にガラス板の表面にSiO2等の絶縁膜を形成
したものである。次に、プラズマビームをSiを収容す
るハース42aに入射させ、基板Wの下面すなわち絶縁
膜上にSi膜を形成する。
【0073】このSi膜は、基本的にはアモルファス状
態に近い構造からなるが、プラズマビームを用いた成膜
の特性として、内部に(111)配向を示す微結晶を有
している。ただし・イオンプレーティングに際して水素
雰囲気を用いていないので、この段階ではダングリング
ボンドが終端されないで残留したままとなっている。
【0074】以上のようにして成膜した基板Wは、熱処
理ユニット14において、波長308nmのエキシマレ
ーザを走査することによって所定領域でアニールされ、
基板W上の所定領域のSi膜がポリSi化する。なお、
この膜は水素レスのSi膜であるため、p−Si化前の
脱水素処理を省略できる。この際、Si膜のうち(11
1)配向性を有する微結晶の一部は消失して間引かれる
が、残りの微結晶は成長するので、アニーリングされた
所定領域は高い(111)配向性を有するポリSi層と
なり、高品質のSi多結晶が得られる。
【0075】図7は、基板W上でレーザアニールを行う
所定領域を示す。基板W上には、表示素子等を形成する
画素形成領域A1と、表示素子等の動作を制御する制御
回路を組み込んだドライバ領域A2とを備える。この場
合、画素形成領域A1についてはレーザアニールを行わ
ない。一方、ドライバ領域A2では、上記のようなレー
ザアニールを行う。つまり、画素形成領域A1では、S
i膜がアモルファス状に近い構造のままとなり、ドライ
バ領域A2では、Si膜が(111)配向を有して多結
晶化する。なお、熱処理ユニット14では、ドライバ領
域A2のみをアニールするため、制御装置68による制
御下で、ビーム整形光学系63によって基板W上に照射
するビームサイズを調整するとともに、ステージ駆動装
置65を介して移動ステージ61の動作を制御する。こ
れにより、ドライバ領域A2のみでSi膜を多結晶化す
ることができる。また、基板Wであるパネル全面をレー
ザアニールすることによって画素形成領域A1とドライ
バ領域A2の両領域をpoly−Si化することができ
る。
【0076】上記の基板Wを更に加工することによっ
て、図6と同一構造のMOSTFTデバイスを得る。な
お、MOSTFTデバイスの形成の最終段階に、基板W
を水素プラズマにさらすことにより、デバイス中に水素
を拡散させる。これにより、アモルファス状Siのダン
グリングボンドを水素で終端処理することになり、欠陥
を減らしてSi膜すなわち活性層の移動度を高めること
ができる。なお、ドライバ領域A2のSi膜は、イオン
プレーティングユニット12によって形成され、熱処理
ユニット14でレーザアニーリングされているので、高
い(111)配向性を有するポリSiとなっており、結
果的に高い移動度を示す。具体的には、CVD等によっ
て形成し、熱処理ユニット14でレーザアニールしたポ
リSiが100cm2/sV程度の移動度を示すのに対
し、本実施形態のポリSiは、従来以上の移動度が期待
できる。
【0077】以上、実施形態に即してこの発明を説明し
たが、この発明は上記実施形態に限定されるものではな
い。例えば、基板W上に形成する配線膜は、銅のみなら
ずアルミ、金、銀、白金等の金属、更にそれらの少なく
とも1つを主成分とする合金等、各種材料とすることが
できる。
【0078】また、レーザアニールの方法についても、
レーザ光LBの波長、形状等を対象の膜の性質に応じて
任意に設定することができる。
【0079】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の基板処理装置によれば、熱処理ユニットが、処理室中
に配置された基板上に形成された膜を加熱するためのレ
ーザ光を発生するレーザ光源と、レーザ光を所定のビー
ム形状にして基板上に入射させるビーム整形光学系と、
前記レーザ光を基板上で走査させる走査手段とを有する
ので、成膜ユニットによって得られた膜の状態を簡易に
改善することができる。
【0080】また、本発明の基板処理方法によれば、熱
処理工程で前記基板上に所定のビーム形状のレーザ光を
入射させることによって前記基板上に付着した膜を熱処
理するので、成膜ユニットによって得られた膜の状態を
簡易に改善することができる。
【0081】また、本発明のマイクロデバイスは、上記
基板処理方法を利用することによって得られるので、歩
留りが高く優れた電気特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の基板処理装置の全体構造を説明
する平面図である。
【図2】図1の装置を構成するイオンプレーティングユ
ニット等の構造の説明図である。
【図3】図1の装置を構成する熱処理ユニット等の構造
の説明図である。
【図4】(a)は、成膜直後の状態の一例を示し、
(b)は、アニール後の状態の一例を示し、(c)は、
比較例を示す。
【図5】第2実施形態の基板処理装置の全体構造を説明
する平面図である。
【図6】図6の装置を利用することによって得たマイク
ロデバイスの断面構造である。
【図7】基板上の処理領域を説明する図である。
【符号の説明】
10 搬送装置 11 クリーニングユニット 12 イオンプレーティングユニット 13 冷却ユニット 14 熱処理ユニット 15,16 搬出入室 26 搬送用真空ロボット 41 成膜室 42 陽極部材 43 プラズマガン 45 排気系 50 チャック 51 チャック駆動機構 53 温度調節部材 60 処理室 60a ウィンドウ 61 ステージ 62 レーザ光源 63 ビーム整形光学系 65 ステージ駆動装置 72 光量調節部 CA カセット DL ドロップレット LB レーザ光 ML 金属膜 TR 溝 V 空洞部 W 基板

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマビームを成膜室中に供給するプ
    ラズマ源と、膜材料を収容可能な材料蒸発源を有すると
    ともに前記成膜室中に配置されて前記プラズマビームを
    導くハースと、前記成膜室中で前記ハースに対向して基
    板を保持する保持手段とを有する成膜ユニットと、 処理室中に配置された基板上に形成された膜を加熱する
    ためのレーザ光を発生するレーザ光源と、前記レーザ光
    を所定のビーム形状にして前記基板上に入射させるビー
    ム整形光学系と、前記レーザ光を基板上で走査させる走
    査手段とを有する熱処理ユニットと、を備える基板処理
    装置。
  2. 【請求項2】 前記成膜ユニットから成膜済みの基板を
    搬出するとともに、当該成膜済みの基板を前記熱処理ユ
    ニットに搬入する搬送装置をさらに備えることを特徴と
    する請求項1記載の基板処理装置。
  3. 【請求項3】 前記成膜ユニットは、磁石及びコイルの
    少なくとも一方を前記ハースの周囲に環状に配置してな
    るとともに前記ハースの近接した上方の磁界を制御する
    磁場制御部材をさらに備え、前記プラズマ源は、圧力勾
    配型のプラズマガンであることを特徴とする請求項1及
    び請求項2のいずれか記載の基板処理装置。
  4. 【請求項4】 前記ビーム整形装置は、前記所定のビー
    ム形状として線条のビームを形成するホモジナイザであ
    り、前記走査手段は、前記線条ビームの長手方向に対し
    て所定角度を成す方向に基板を移動させる移動ステージ
    を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれ
    か記載の基板処理装置。
  5. 【請求項5】 前記膜材料は、金属若しくは合金の配線
    材料であり、前記熱処理ユニットは、前記基板上に形成
    された配線膜を軟化させて形状的な均一化を行うことを
    特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  6. 【請求項6】 前記膜材料は、半導体材料であり、前記
    熱処理ユニットは、前記基板上に形成された半導体膜の
    結晶化の状態を調節することを特徴とする請求項1記載
    の基板処理装置。
  7. 【請求項7】 前記熱処理ユニットは、前記基板に形成
    された膜を熱処理する領域を制御する処理範囲制御手段
    をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の基板処
    理装置。
  8. 【請求項8】 前記成膜ユニットは、前記成膜室中の雰
    囲気を設定するとともに前記基板の温度を調節する手段
    をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の基板処
    理装置。
  9. 【請求項9】 陽極として配置された材料蒸発源に向け
    てプラズマビームを供給することによって前記材料蒸発
    源の膜材料を蒸発させて基板上に膜を付着させる成膜工
    程と、 前記基板上に所定のビーム形状のレーザ光を入射させる
    ことによって前記基板上に付着した膜を熱処理する熱処
    理工程とを備える基板処理方法。
  10. 【請求項10】 前記成膜工程では、前記膜材料として
    金属若しくは合金を用いて前記基板上に配線膜を形成
    し、前記熱処理工程では、当該配線膜を軟化させて形状
    的な均一化を行うことを特徴とする請求項9記載の基板
    処理方法。
  11. 【請求項11】 前記成膜工程では、前記膜材料として
    半導体を用いて前記基板上に半導体膜を形成し、前記熱
    処理工程では、当該半導体膜を結晶化することを特徴と
    する請求項10記載の基板処理方法。
  12. 【請求項12】 前記熱処理工程では、前記基板上の膜
    を所定の領域で多結晶化することを特徴とする請求項1
    0記載の基板処理方法。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の基板処理方法によっ
    て形成した膜からなる配線若しくは半導体素子を備える
    マイクロデバイス。
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