JP2001247946A - 加工性および歪時効硬化特性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

加工性および歪時効硬化特性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性、歪時効硬化特性に優れ、さらに、め
っき性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板およびそれらの製造
方法を提案する。 【解決手段】 C:0.005 〜0.15%、Mn:0.3 〜3.0
%、Mo:0.05〜1.0 %、Al:0.005 〜0.02%、N:0.00
5 〜0.0200%を含み、かつN/Al:0.3 以上を含む組成
を有し、固溶Nが0.0010%以上である鋼板に、2相域温
度に加熱する加熱処理工程と、めっき処理工程と、を順
次施す際に、各工程後の冷却速度を、log CR=−3.50
Mo−1.20Mn−0.16Si− 2.0Cr−0.08(Ni+Cu)−0.32P
+3.50で定義される臨界冷却速度CR(℃/s)以上と
する。なお、加熱処理工程前に、Ac1変態点以上の温度
で焼鈍し冷却する焼鈍処理と、ついで酸洗処理とを施す
のが好ましい。また、Si、P、Cu、Cr、Ni、B等を含有
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体用とし
て好適な加工性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板およ
びその製造方法に係り、特に連続溶融亜鉛めっきライン
で製造される延性、加工性、めっき性、歪時効硬化特性
および耐衝撃特性の良好な高張力溶融亜鉛めっき鋼板お
よびその製造方法に関する。なお、本発明における鋼板
は、鋼板および鋼帯を含むものとする。また、本発明の
溶融亜鉛めっき鋼板は熱延鋼板または冷延鋼板として利
用できるものである。
【0002】また、本発明でいう「歪時効硬化特性に優
れる」とは、引張歪10%の予変形後、170 ℃の温度で20
min 保持する条件で時効処理したとき、この時効処理前
後の変形応力増加量(BH量と記す;BH量=(時効処
理後の降伏応力)−(時効処理前の予変形応力))が80
MPa 以上であり、かつ歪時効処理( 前記予変形+前記時
効処理)前後の引張強さ増加量(ΔTSと記す;ΔTS
=(時効処理後の引張強さ)−(予変形前の引張強
さ))が50MPa 以上であることを意味する。
【0003】
【従来の技術】近年、地球環境の保全という観点から、
自動車の燃費改善が要求されている。さらに加えて、衝
突時に乗員を保護するため、自動車車体の安全性向上も
要求され、自動車車体の軽量化および自動車車体の強化
が積極的に進められている。自動車車体の軽量化と強化
を同時に満足させるには、部品素材を高強度化すること
が効果的であると言われており、最近では自動車部品に
高張力鋼板が積極的に使用される傾向となっている。
【0004】鋼板を素材とする自動車部品の多くがプレ
ス加工によって成形されるため、自動車部品用鋼板には
優れたプレス成形性が要求される。優れたプレス成形性
を実現するには、第一義的には高い延性を確保すること
が肝要である。しかし、高張力鋼を使用すると、強度が
高いことから、形状凍結性が劣化する、延性が不足し成
形時に割れとかネッキングといった不具合が発生する、
などの問題がある。また、さらに、乗員の安全性確保と
いう観点から、自動車部品用鋼板には耐衝撃特性に優れ
ることも要求されている。
【0005】一方、自動車部品は、適用部位によっては
高い耐食性が要求され、このため、溶融亜鉛めっき鋼
板、あるいは合金化溶融亜鉛めっき鋼板が必要となる。
したがって、自動車車体の軽量化および高強度化をより
一層推進するためには、耐食性に優れ、しかも延性、さ
らには耐衝撃特性に優れる高張力溶融亜鉛めっき鋼板が
必要不可欠な素材となる。
【0006】すでに、延性、耐衝撃特性に優れた高張力
鋼板としては、複合組織を有する鋼板が開発されてい
る。この鋼板は、主相と第2相からなる複合組織鋼板で
あり、主相であるフェライト相中に、第2相としてマル
テンサイト相のような硬質な相を分散させた組織強化型
の鋼板である。この複合組織鋼板の製造方法としては、
Mnなどの合金元素を含有した低炭素鋼板を、フェライト
(α)とオーステナイト(γ)の2相域に加熱したの
ち、冷却して、γ相をマルテンサイト相(M)に変態さ
せ、α+Mの複合組織とする。このγ→M変態に際し、
周囲のαにも可動転位が多数導入される。これにより、
降伏強さが低下し、降伏比(=降伏強さ/引張強さ)60
%以下という低降伏比が達成でき、プレス成形時のしわ
発生を抑制しプレス成形性に優れた鋼板であるとされて
いる。さらに、複合組織鋼板は、n値も高く、均一伸び
も大きく加工性に優れた鋼板であるといわれている。し
かしながら、2相域に加熱し冷却してマルテンサイトを
生成させるために、多量の合金元素の含有を必要とす
る。
【0007】例えば、特開昭57-152421 号公報には、
C:0.02〜0.20%、Mn:0.50〜2.00%を含み、必要に応
じCr:1.00%以下、Ni:0.50%以下、Cu:0.50%以下、
Mo:0.20%以下、B:0.0006〜0.010 %を含む鋼を熱間
圧延終了後、Ar3変態点以下の温度で保持したのち、合
金元素含有量に依存する冷却速度以上で300 ℃以下の温
度まで冷却し、フェライト・マルテンサイトの複合組織
を得る、高張力熱延鋼板の製造方法が提案されている。
特開昭57-152421 号公報に記載された技術では、フェラ
イト・マルテンサイトの複合組織を得るために、Mnをは
じめとして、Cr、Ni、Cu、Mo等の合金元素を多量添加し
ている。
【0008】また、多くの連続溶融亜鉛めっきライン
は、焼鈍設備とめっき設備を連続化して設置している。
この連続化されためっき工程の存在により、焼鈍後の冷
却はめっき温度で中断され、工程を通じた平均冷却速度
も必然的に小さくなる。したがって、連続溶融亜鉛めっ
きラインで製造される鋼板では、冷却速度の大きい冷却
条件下で生成するマルテンサイトをめっき後の鋼板中に
含有させることは難しくなる。このため、フェライト・
マルテンサイトの複合組織を有するめっき鋼板を得るた
めに、さらに多量のMn、Cr等の合金元素を含有させる必
要がある。
【0009】しかしながら、Mn、Crはめっき性を阻害す
る元素として知られており、とくに溶融亜鉛めっきで
は、めっき濡れ性を低下させる元素として知られてい
る。したがって、溶融亜鉛めっき処理あるいはさらに合
金化処理を施し、複合組織を有する高張力溶融亜鉛めっ
き鋼板として、非常に低い降伏比を得ることができたと
しても、Mn、Crの多量添加に起因する不めっきが発生
し、めっき外観が不良となると自動車用部品への適用は
困難となる。
【0010】このようなめっき濡れ性の低下を解消し、
不めっきを回避する方法として、例えば、特開平2-1941
56号公報には、Fe−B合金電気めっきを施したのち溶融
亜鉛めっきを施す、難めっき鋼板の溶融亜鉛めっき方法
が提案されている。また、特開平3-199363号公報には、
外層を内層にくらべSi、Mn含有量を低減した鋳込クラッ
ド鋼を用いて、めっき密着性に優れた高強度合金化溶融
亜鉛めっき鋼板を得る方法が提案されている。
【0011】しかしながら、特開平2-194156号公報、特
開平3-199363号公報に記載された技術では、複雑な工程
を必要とするため生産性が低下し、製造コストが上昇す
るなど実操業上問題を残していた。さらに、溶融亜鉛め
っき鋼板におけるMn、Cr等の含有は、めっき濡れ性の低
下に加えて、合金化処理を施した場合に合金化の著しい
遅滞を生じることが知られている。そのため、Mn、Cr等
を含有した高張力溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理にお
いては、合金化加熱温度を高温度とするか、あるいは合
金化時間を長くする(通板速度を低速とする)必要があ
る。しかし、合金化加熱温度を高温度とすると、めっき
層中のFe含有量を適正値に調整することが困難となり、
めっき密着性が低下し、また、合金化時間を長時間とす
る、すなわち通板速度を低速とすると、生産性が低下
し、製造コストが上昇するなどの問題がある。
【0012】このような合金化の遅滞を解消する方法と
して、例えば、特開昭58-120771 号公報には、鋼板の還
元焼鈍前にNi、Cuめっきを施す溶融亜鉛めっき鋼板の合
金化促進方法が提案されている。しかしながら、特開昭
58-120771 号公報に記載された技術では、前処理を必要
とし工程が複雑となるうえ、めっきラインに新たにNi、
Cuめっきのための装置を必要とし、設備費が多大となる
といった問題があった。
【0013】一方、最近では、耐食性の向上と乗員の安
全性向上の観点から、プレス成形時には軟質で加工性に
優れ、加工後に塗装焼付処理等の熱処理により高強度と
なり部品強度を高くできる、加工性と耐衝撃特性がとも
に改善された溶融亜鉛めっき鋼板が要望されている。こ
のような要望に対し、例えば、特開平10-310824 号公
報、特開平10-310847号公報には、C:0.01〜0.08%、S
i:0.005 〜1.0 %、Mn:0.01〜3.0 %、Al:0.001 〜
0.1 %、N:0.0002〜0.01%を含み、さらにW、Cr、Mo
の1種または2種以上を合計量が0.05〜3.0 %含有し、
組織がフェライトあるいはフェライトを主体とする成形
後強度上昇熱処理性能を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼
板およびその製造方法が開示されている。ここでいう、
成形後強度上昇熱処理性能とは、2%以上の歪が加わる
成形加工後、200 〜450 ℃で加熱する熱処理を施して、
熱処理前の引張強さに比べ、熱処理後の引張強さが増加
する性能をいう。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10-310824 号公報、特開平10-310847 号公報に記載され
た技術で製造された鋼板では、塗装焼付け処理を従来
(170 ℃)より高い200 〜450 ℃という温度で行う必要
があり、部品製造の生産性が低下し経済的に不利となる
という問題があった。
【0015】本発明は、上記した従来技術の問題を解決
し、低降伏比で均一伸びが大きく、延性、加工性に優
れ、さらに歪時効硬化特性に優れ、部品成形後の耐衝撃
特性に優れる機械的特性を有するとともに、不めっきも
なく、めっき性に優れ、さらに耐パウダリング性に優れ
た溶融亜鉛めっき鋼板あるいは合金化溶融亜鉛めっき鋼
板およびそれらめっき鋼板を、安定して製造できる方法
を提案することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するため、機械的特性とめっき性の改善につ
いて鋭意研究した。その結果、従来高加工性を要求させ
る分野では積極的に利用されなかったNを強化元素とし
て、鋼板の組成バランスを調整し、さらに合金元素含有
量に応じて溶融亜鉛めっき工程の冷却速度を調整し、溶
融亜鉛めっき前の加熱処理条件を調整することにより、
めっき性に悪影響を及ぼすことなくフェライト相にマル
テンサイト相が分散した複合組織とすることができるこ
とを知見した。これにより、低降伏比が達成できるとと
もに延性、加工性が向上し、さらにNにより発現される
歪時効硬化現象を有利に活用することにより、加工後の
強度が増加し、部品特性としての耐衝撃特性が改善でき
ることを見い出した。さらに、めっき処理前に、合金元
素の表面濃化を促進する焼鈍処理と、その後の酸洗によ
る表面濃化層の除去処理を組み合わせることにより、さ
らにめっき性が改善し、めっき性と機械的特性の両立が
顕著に図れることを見いだした。
【0017】本発明は、上記した知見に基づいて、さら
に検討を加え完成されたものである。すなわち、第1の
本発明は、鋼板表面に溶融亜鉛めっき層または合金化溶
融亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板であって、
前記鋼板が、質量%で、C:0.005 〜0.15%、Mn:0.3
〜3.0 %、Mo:0.05〜1.0 %、Al:0.005 〜0.02%、
N:0.005 〜0.0200%を含み、かつN/Al:0.3 以上、
固溶状態のNを0.0010%以上含有し、あるいはさらに、
Si:0.5 %以下、Cr:1.0 %以下、P:0.005 〜0.1
%、B:0.01%以下、Ni:1.5 %以下、Cu:1.5 %以下
のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部
Feおよび不可避的不純物からなる組成と、フェライトを
主相とし、第2相としてマルテンサイトを体積率で3%
以上含む組織を有することを特徴とする加工性および歪
時効硬化特性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板であ
る。
【0018】また、第2の本発明は、質量%で、C:0.
005 〜0.15%、Mn:0.3 〜3.0 %、Mo:0.05〜1.0 %、
Al:0.005 〜0.02%、N:0.005 〜0.0200%を含み、あ
るいはさらにSi: 0.5%以下、Cr: 1.0%以下、P:
0.005〜 0.1%、B:0.01%以下、Ni: 1.5%以下、C
u: 1.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
を含み、かつN/Al:0.3 以上を含む組成を有し、固溶
N量が0.0010%以上である鋼板に、(Ac1変態点)〜
(Ac3変態点)の温度に加熱する加熱処理工程と、450
〜550 ℃の温度範囲で溶融亜鉛めっきを施し前記鋼板表
層に溶融亜鉛めっき層を形成するめっき処理工程と、を
順次施すにあたり、前記加熱処理工程後めっき処理工程
までの冷却速度、およびめっき処理工程後300 ℃までの
冷却速度を、次(1)式または(2)式B≦0.0006%の
場合には、 log CR=−3.50Mo−1.20Mn−0.16Si− 2.0Cr−0.08(Ni+Cu)−0.32P +3.50 …………(1) B>0.0006%の場合には、 log CR=−3.50Mo−1.20Mn−0.16Si−2.0Cr −0.08(Ni+Cu)−0.32P +3.20 …………(2) (ここで、CR:臨界冷却速度(℃/s)、Mo、Mn、S
i、Cr、Ni、Cu、P:各元素の含有量(質量%))で定
義される臨界冷却速度CR(℃/s)以上とすることを
特徴とする加工性および歪時効硬化特性に優れた高張力
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であり、また、第2の本
発明では、前記加熱処理工程前に、Ac1変態点以上の温
度で焼鈍し冷却する焼鈍処理と、ついで鋼板表層の成分
濃化層を酸洗により除去する酸洗処理とを施すことが好
ましい。
【0019】また、第3の本発明は、質量%で、C:0.
005 〜0.15%、Mn:0.3 〜3.0 %、Mo:0.05〜1.0 %、
Al:0.005 〜0.02%、N:0.005 〜0.0200%を含み、あ
るいはさらにSi: 0.5%以下、Cr: 1.0%以下、P:0.
005 〜 0.1%、B:0.01%以下、Ni: 1.5%以下、Cu:
1.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含
み、かつN/Al:0.3 以上を含む組成を有し、固溶N量
が0.0010%以上である鋼板に、(Ac1変態点)〜(Ac3
変態点)の温度に加熱する加熱処理工程と、450 〜550
℃の温度範囲で溶融亜鉛めっきを施し前記鋼板表層に溶
融亜鉛めっき層を形成するすめっき処理工程と、470 ℃
〜(Ac1変態点)の温度に加熱し前記溶融亜鉛めっき層
の合金化を行う合金化処理工程と、を順次施すにあた
り、前記加熱処理工程後めっき処理工程までの冷却速
度、および前記合金化処理工程後300℃までの冷却速度
を、次(1)式または(2)式B≦0.0006%の場合に
は、 log CR=−3.50Mo−1.20Mn−0.16Si− 2.0Cr−0.08(Ni+Cu)−0.32P +3.50 …………(1) B>0.0006%の場合には、 log CR=−3.50Mo−1.20Mn−0.16Si−2.0Cr −0.08(Ni+Cu)−0.32P +3.20 …………(2) (ここで、CR:臨界冷却速度(℃/s)、Mo、Mn、S
i、Cr、Ni、Cu、P:各元素の含有量(質量%))で定
義される臨界冷却速度CR(℃/s)以上とすることを
特徴とする加工性および歪時効硬化特性に優れた高張力
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であり、また、第
3の本発明は、前記加熱処理工程前に、Ac1変態点以上
の温度で焼鈍し冷却する焼鈍処理と、ついで鋼板表層の
成分濃化層を酸洗により除去する酸洗処理を施すことが
好ましい。
【0020】なお、第2の本発明または第3の本発明に
おいて、(1)式および(2)式を用いてlog CRを計
算する際には、Si、Cr、Ni、Cu、Pを積極的に添加しな
い場合はゼロとして計算してもよいが、不可避的不純物
としてのこれら元素の実含有量を用いて計算するのが好
ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の高張力溶融亜鉛めっき鋼
板は、鋼板表面に溶融亜鉛めっき層または合金化溶融亜
鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板である。まず、
本発明に用いる鋼板の組成限定理由について説明する。
なお、以下、組成における質量%は単に%と記す。
【0022】C:0.005 〜0.15% Cは、鋼板の高強度化に必須の元素であり、さらに第2
相としてマルテンサイト相の生成に寄与するとともに、
マルテンサイト相の強度を高めるのに有効に作用する。
C含有量が0.005 %未満では、このような効果が認めら
れず、とくに溶融亜鉛めっきサイクルでは安定して複合
組織を得ることが困難となる。一方、C含有量が0.15%
を超えると、マルテンサイト変態温度が低下しすぎて、
溶融亜鉛めっきサイクルではマルテンサイト相の生成が
困難となる。このため、Cは0.005 〜0.15%の範囲に限
定した。
【0023】Mn:0.3 〜3.0 % Mnは、固溶強化により鋼を強化するとともに、鋼の焼入
性を向上させ、マルテンサイト相の生成を促進し、複合
組織の形成を容易にする元素である。このような作用を
利用して、溶融亜鉛めっきサイクルで安定して複合組織
を得るためには、少なくとも0.3 %以上のMnの含有を必
要とする。一方、3.0 %を超えて含有すると、加工性が
低下し、めっき性が顕著に低下し、本発明の方法によっ
ても、めっき性の改善が図れなくなる。このため、Mnは
0.3 〜3.0 %の範囲に限定した。なお、好ましくは、
1.0〜 2.5%である。
【0024】Mo:0.05〜1.0 % Moは、鋼の焼入性を向上し、マルテンサイト相の生成を
促進する作用を有する元素であり、かつ溶融亜鉛めっき
性に影響の少ない元素であり本発明では積極的に含有さ
せる。溶融亜鉛めっきサイクルで安定して複合組織を得
るためには、少なくとも0.05%以上の含有を必要とする
が、1.0 %を超えて含有すると、めっき層合金化の遅滞
を生じる。このため、Moは0.05〜1.0 %の範囲に限定し
た。
【0025】Al:0.005 〜0.02% Al含有量の制御は本発明において特に重要である。Al
は、脱酸剤として作用し鋼の清浄度を向上させるのに有
効な元素であり、本発明では0.005 %以上の含有を必要
とする。一方、AlはNと結合するため、過剰のAl含有
は、固溶状態のN量を減少させ、歪時効硬化現象に寄与
する固溶Nを確保し難くする。また、固溶Nを確保でき
たとしてもAlが0.02%を超えると、製造条件の変動によ
る歪時効硬化特性のバラツキが大きくなる。このため、
本発明では、Al含有量は0.02%以下と低く限定した。な
お、歪時効硬化特性向上の観点からは、Alは 0.012%以
下とするのが好ましい。
【0026】N:0.005 〜0.0200% Nは、固溶強化と歪時効硬化により鋼板の強度を増加さ
せる元素であり、本発明において最も重要な元素であ
る。本発明では、適量のNを含有して、さらに製造条件
を制御することにより、最終製品で必要かつ十分な量の
固溶状態のNを確保し、それによって固溶強化と歪時効
硬化による強度(YS、TS)上昇効果を十分に発揮
し、焼付け硬化量(BH量)80MPa 以上、塗装焼付け処
理前後での引張強さの増加量ΔTS50MPa 以上という本
発明鋼板の機械的性質要件を安定して満足することがで
きる。
【0027】Nが0.0050%未満では、上記の強度上昇効
果が安定して現れにくい。一方、Nが0.0200%を超える
と、伸び等の材質低下が著しくなり、鋼板の内部欠陥発
生率が高くなるとともに、連続鋳造時のスラブ割れなど
が多発するようになる。このため、Nは0.0050〜0.0200
%の範囲とした。なお、製造工程全体を考慮した材質の
安定性・歩留り向上、歪時効硬化特性向上の観点から
は、Nは0.0070〜0.0150%の範囲とするのが好ましい。
【0028】固溶状態のN:0.0010%以上 最終製品で十分な強度が確保され、さらにNによる歪時
効硬化が十分に発揮されるには、鋼中に固溶状態のN
(固溶Nともいう)が0.0010%以上の量(濃度)で存在
する必要がある。ここで、固溶N量は、鋼中の全N量か
ら析出N量を差し引いて求めるものとする。なお、析出
N量の分析法としては、本発明者らが種々の分析法を比
較検討した結果によれば、電解抽出を用いた分析法によ
り求めるのが最適である。この分析法は、アセチル・ア
セトンを溶媒として用いて定電位電解により地鉄を溶解
して抽出した残渣について化学分析により析出物となっ
ているN量を求めるものである。
【0029】なお、より高いBH量、ΔTSを得るため
には、固溶状態のN量は0.0020%以上、さらに高い値を
得るためには、0.0030%以上とするのが好ましい。 N/Al(N含有量とAl含有量の比):0.3 以上 前述のように、製造条件の変動によらず安定して固溶N
を0.0010%以上残留させるためには、Nを強力に固定す
る元素であるAlの量を0.02%以下に制限する必要があ
る。本発明の組成範囲内のN含有量とAl含有量の組合せ
を広範囲に変えた鋼板について検討した結果、最終製品
での固溶Nを安定して0.0010%以上とするには、N/Al
を0.3 以上とすることが必要であることがわかった。す
なわち、Al含有量はN/0.3 以下に制限される。
【0030】Si:0.5 %以下、Cr:1.0 %以下、P:0.
005 〜0.1 %、B:0.01%以下、Ni:1.5 %以下、Cu:
1.5 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上 Si、Cr、P、B、Ni、Cuは、いずれも焼入れ性を向上さ
せる元素であり、必要に応じ1種または2種以上を選択
して含有できる。さらに、Siは、焼入れ性を向上させる
だけでなく、固溶強化によっても鋼を強化する作用を有
する元素であり、0.05%以上含有するのがより好まし
い。一方、Siはめっき性のうち濡れ性を阻害する元素で
もあり、添加する場合には0.5 %以下に限定する必要が
ある。
【0031】Crは、焼入れ性を向上させ、強度を増加さ
せる元素であり、0.05%以上含有するのがより好まし
い。また、Crは第2相のマルテンサイト相の分布を均一
とする作用を有し、降伏比を低くする効果を有する。一
方、Crもめっき性のうち濡れ性を阻害する元素であるた
め、添加する場合には1.0 %以下に限定する必要があ
る。
【0032】Pは、焼入れ性を向上させるとともに、伸
びやr値の向上に有効に寄与する元素であり、このため
には0.005 %以上含有するのが好ましい。一方、0.1 %
を超えると加工性、靱性が低下する。このため、添加す
る場合には、Pは0.005 〜0.1 %に限定する必要があ
る。Bは、焼入れ性を向上させ、さらに伸びの改善に有
効に寄与する元素であり、0.0003%以上含有するのがよ
り好ましい。一方、0.01%を超えると硼素化合物が析出
し、加工性が低下する。このため、添加する場合には、
Bは0.01%以下に限定する必要がある。
【0033】Niは、焼入れ性を向上させ、強度を増加さ
せる元素であり、0.05%以上含有するのがより好まし
い。一方、1.0 %を超えて含有すると伸び等の加工性が
低下する。このため、添加する場合には、Niは1.0 %以
下に限定する必要がある。Cuは焼入れ性を向上させ、強
度を増加させる元素であり、0.05%以上含有するのがよ
り好ましい。一方、1.5 %を超えて含有すると熱間加工
性が低下し、スケール疵の原因となる。このため、添加
する場合には、Cuは1.5 %以下に限定する必要がある。
【0034】本発明に用いる鋼板では、上記した化学成
分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。不
可避的不純物としては、S:0.01%以下、P:0.005 %
未満、O:0.0050%以下が許容できる。さらに、本発明
の高張力溶融亜鉛めっき鋼板、あるいは高張力合金化溶
融亜鉛めっき鋼板は、上記した組成と、フェライトを主
相とし、第2相として少なくともマルテンサイト相を含
む複合組織を有する鋼板である。本発明でいう、主相と
は体積率で60%以上を占める相をいう。本発明では、フ
ェライト相である。
【0035】フェライトは、軟質な相であり、高い変形
能を有し、鋼板の延性を向上させる。本発明の鋼板で
は、このようなフェライトを、主相として、体積率で60
%以上含有する。フェライト量が60%未満では、顕著な
延性向上効果が期待できない。なお、フェライト量が97
%を超えると、複合組織化による利点が得にくくなるた
め、フェライト量は97%以下とするのが望ましい。
【0036】第2相としてのマルテンサイト相は、体積
率で3%以上、好ましくは20%以下含まれる。マルテン
サイト相は、主相であるフェライトの主に粒界に分散し
て存在する。マルテンサイトは硬質相であり、組織強化
によって鋼板強度を増加させる作用を有する。さらに、
変態生成時に可動転位の発生を伴うため、延性向上、鋼
板の降伏比を低下させる作用も有する。これらの効果
は、マルテンサイトが3%以上存在した場合に顕著とな
る。なお、20%を超えて含まれると伸びの低下という問
題がある。また、第2相として、マルテンサイト相に加
えて、体積率で20%以下のベイナイトが含有してもなん
ら問題はない。
【0037】上記した組成と、組織を有する本発明の高
張力溶融亜鉛めっき鋼板は、延性、加工性に優れ、さら
に歪時効硬化特性に優れ、加工後の塗装焼付け処理等の
熱処理により、降伏応力、および引張強さが顕著に向上
し、BH量は80MPa 以上、ΔTSは50MPa 以上と、歪時
効硬化特性に優れた鋼板である。つぎに、本発明の高張
力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法について説明する。
【0038】上記した組成の鋼板(薄鋼板)をめっき素
材として使用する。めっき素材となる鋼板は冷延板、あ
るいは熱延板いずれも好適である。ここで、後述する加
熱処理工程および溶融亜鉛めっき工程では、窒化物とし
て析出しているNを再溶解することはできないので、固
溶Nを0.0010%以上含有している素材を用いる必要があ
る。このような素材の製造方法については、特に限定さ
れないが、例えば、熱延板の製造方法としては、上記し
た組成の鋼スラブを熱間圧延して熱延鋼板を製造するに
あたり、1000℃以上に加熱した後に、粗圧延してシート
バーとなし、該シートバーを仕上圧延出側温度を 800℃
以上として仕上圧延を行った後、 0.5s以内に20℃/s
以上で冷却し、 650℃以下で巻取るという方法が挙げら
れ、また、冷延板の製造方法としては、上記のようにし
て得られた熱延板を冷間圧延することが挙げられる。
【0039】所望の板厚に調整されためっき素材鋼板
は、脱脂等の通常公知の前処理を施されたのち、まず、
加熱処理を施される。加熱処理工程は、その後のめっき
処理工程とともに連続溶融亜鉛めっきラインで行うのが
好ましい。加熱処理工程では、めっき素材鋼板は(Ac1
変態点)〜(Ac3変態点)の2相域の温度に加熱され
る。2相域に加熱することにより、Mn、Mo等の置換型の
合金元素がγ相へ濃化しやすくなり、冷却中にそのγ相
がマルテンサイトへ変態して、複合組織を形成する。通
常の焼鈍条件では、これら置換型の合金元素は拡散しに
くく、特定の場所への濃化は困難であるため、第2相と
してのマルテンサイト相を分散形成しにくいのである。
これら置換型の合金元素が濃化しやすい条件を整えるこ
と、すなわち、2相域に加熱することがまず複合組織を
得るために重要となる。一方、加熱温度がAc1変態点未
満、あるいはAc3変態点超えでは、第2相となるγ相へ
の合金元素の濃化が不十分となる。なお、加熱処理の保
持時間は10〜 300sとするのが好ましい。
【0040】(α+γ)2相域で加熱処理された鋼板
は、ついでめっき処理を施される。本発明では、加熱処
理工程後、めっき処理工程までの冷却速度(平均冷却速
度)を、次(1)式または(2)式B≦0.0006%の場合
には、 log CR=−3.50Mo−1.20Mn−0.16Si− 2.0Cr−0.08(Ni+Cu)−0.32P +3.50 …………(1) B>0.0006%の場合には、 log CR=−3.50Mo−1.20Mn−0.16Si−2.0Cr −0.08(Ni+Cu)−0.32P +3.20 …………(2) で定義される臨界冷却速度CR(℃/s)以上とする。
ここで、CRは臨界冷却速度(℃/s)、Mo、Mn、Si、
Cr、Ni、Cu、P:各元素の含有量(質量%)である。な
お、含有しない元素については0として計算するものと
する。
【0041】合金元素含有量に応じ、(1)または
(2)式のうちのいずれかの臨界冷却速度CR以上とす
ることにより、冷却中でのパーライトの析出を防止でき
る。上記した臨界冷却速度未満の冷却速度で冷却する
と、第2相をマルテンサイトとすることができず、所望
のα+Mからなる複合組織を確保することができなくな
る。本発明におけるめっき処理工程は、通常、溶融亜鉛
めっきラインで行われる条件と同様に、450 〜550 ℃の
温度範囲で溶融亜鉛めっきを施し鋼板表層に溶融亜鉛め
っき層を形成する。なお、亜鉛浴は、0.10〜0.15%Alを
含有するZn浴とするのが好ましい。また、めっき処理
後、必要に応じ目付量調整のためのワイピングを行って
もよいのはいうまでもない。
【0042】めっき処理工程後、鋼板は冷却されるが、
めっき処理後300 ℃までの温度域では、合金元素量に応
じ、上記した(1)または(2)式のうちのいずれかで
定義される臨界冷却速度以上の冷却速度で冷却する。こ
れにより、冷却後に所定のマルテンサイト量を確保でき
る。なお、本発明では、めっき性の更なる改善のため
に、上記した加熱処理工程前に、Ac1変態点以上の温度
で焼鈍し冷却する焼鈍処理と、ついで鋼板表層の成分濃
化層を酸洗により除去する酸洗処理とを施すのが好まし
い。
【0043】この加熱処理工程前の焼鈍処理は、連続焼
鈍ライン(CAL)で行うの好ましい。焼鈍処理の雰囲
気は、還元性雰囲気である、2〜5体積%のH2 ガスを
含む窒素ガス中とするのが好ましい。焼鈍処理の加熱温
度は、板温でAc1変態点以上の温度とするのが好まし
い。この焼鈍により、鋼板表面に合金元素の濃化が促進
されるとともに、第2相となるγ相に、あるいは粒界の
3重点近傍に合金元素が濃化する。これにより、一旦複
合組織を形成でき、あるいは合金元素の濃化領域を形成
でき、最終組織を容易に複合組織にすることができる。
加熱温度がAc1変態点未満では、合金元素の濃化度が少
ない。なお、加熱温度の上限は 900℃以下とするのが好
ましい。 900℃を超えると、合金元素の濃化度が少なく
なる。
【0044】上記した焼鈍処理により、鋼板表面には、
Pが析出し、さらにMn、Si、Cr等が酸化物として濃化す
る。本発明では、形成されたこれら鋼板表層の成分濃化
層を、酸洗により除去する。なお、この焼鈍処理によ
り、表面近傍の粒界には、Mn、Si等のミクロな酸化物層
が形成される。これらミクロな酸化物層は、その後の酸
洗処理によっては完全に除去できず、表面近傍に残留
し、その後の焼鈍等の加熱に際して生ずる鋼板内部から
のSi、Mn等の合金元素の表面への拡散を阻止して、Si、
Mnの表面への濃化を防止する。そのため、めっき性が改
善される。
【0045】鋼板表層の成分濃化層を除去する酸洗処理
は、通常行われる酸洗処理と同様としてなんら問題はな
い。使用する酸類は、塩酸水溶液が好ましい。また、本
発明では、めっき処理工程後、めっき層を合金化処理す
る合金化処理工程を施してもよい。合金化処理における
加熱温度は、470 ℃〜(Ac1変態点)の温度とするのが
好ましい。加熱温度が、470 ℃未満では、合金化の進行
が遅く生産性が低下する。一方、加熱温度が、Ac1変態
点を超えると、めっき層の合金化が進行しすぎてめっき
層が脆化する。このため、本発明では、合金化処理の加
熱温度を470 ℃〜(Ac1変態点)の温度とするのが好ま
しい。
【0046】また、本発明では、合金化処理を行う場合
は合金化処理工程後300 ℃までの冷却速度を、合金元素
含有量に応じ、前記(1)または(2)式のうちのいず
れかの臨界冷却速度以上とする必要がある。これによ
り、冷却後に所定のマルテンサイト量を確保できる。な
お、めっき処理工程後、あるいは合金化処理工程後の鋼
板には、形状矯正、表面粗さ等の調整のための調質圧延
を加えてもよい。
【0047】
【実施例】表1に示す組成を有する鋼を転炉にて溶製
し、連続鋳造法にて鋳片とした。得られた鋳片を1150℃
に加熱し、仕上げ圧延終了温度を850 〜900 ℃とし、圧
延終了後 0.5s以内に20℃/s以上の冷却速度で冷却
し、 650℃以下の温度で巻取る熱間圧延により熱延板
( 1.6〜3.2mm 厚)とした。次いで、これら熱延板を酸
洗し、一部はさらに、冷間圧延により板厚 0.8〜1.6 mm
の冷延板とした。
【0048】
【表1】
【0049】次いで、これら熱延板、および冷延板に、
表2に示す条件で連続焼鈍ラインでの焼鈍処理および酸
洗処理からなる前処理を行った後、表2に示す条件で連
続めっきラインでの加熱処理工程、めっき処理工程、合
金化処理工程を施した。なお、めっき処理後は表2に示
す冷却速度で冷却した。めっき処理は、溶融亜鉛めっき
浴に鋼板を浸漬して行い、浸漬した鋼板を引き上げたの
ちガスワイピングにより目付量を調整した。めっき処理
の条件は、 板温度 :475 ℃ めっき浴:0.13%Al−Zn 浴温 :475 ℃ 浸漬時間:3s 目付量 :45g/m2 とした。
【0050】また、一部の鋼板では、前記前処理または
合金化処理工程を省略した。焼鈍処理は、5体積%H2
+N2 雰囲気(露点:−20℃)で、表2に示す温度で、
連続焼鈍ラインで実施した。なお、保持時間は20sとし
た。酸洗処理は、焼鈍処理で生じた鋼板表層の成分濃化
層を除去する目的で、5%HCl 水溶液(液温:60℃)で
実施した。なお、浸漬時間は6sとした。
【0051】得られためっき鋼板について、組織、固溶
N量、引張特性、めっき性、歪時効硬化性を調査した。
組織は、鋼板の圧延方向断面(C断面)について、光学
顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡を用いて、微視組織を
撮像し、画像解析装置を用いて主相であるフェライトお
よび第2相の組織分率(体積率)を求めた。
【0052】固溶N量は、化学分析により求めた鋼中の
全N量から析出N量を差し引いて求めた。析出N量は、
電解抽出を用いた分析法により求めた。ここで、この分
析法は、アセチル・アセトンを溶媒として用いて定電位
電解により地鉄を溶解して抽出した残渣について化学分
析により析出物となっているN量を求める分析方法であ
る。
【0053】引張特性は、鋼板より圧延直角方向に採取
したJIS Z 2204に規定のJIS 5号試験片を用いて、歪速
度:3×10-3/sで引張試験を行い、降伏強さYS、引
張強さTS、伸びElを測定した。めっき性は、鋼板表
面を目視で観察し、不めっき欠陥の存在の有無を判定し
た。判定の結果は、評価「1」を不めっき欠陥が全くな
いもの、評価「5」をもっとも不めっき欠陥の多いもの
とし、不めっきの程度により「1」〜「5」の5段階と
した。
【0054】さらに、めっき層の耐パウダリング性、合
金化度の指標として、めっき層中のFe含有量を調査し
た。めっき層中のFe含有量は、硫酸でめっき層を溶解
し、溶解した溶液について原子吸光法でFeを定量し、め
っき層中のFe含有量に換算した。耐パウダリング性は、
めっき鋼板に90°曲げ戻しを施したのち、めっき面にセ
ロハン粘着テープを貼付し、引き剥がして、テープに付
着した亜鉛粉の量を蛍光X線により測定した。なお、亜
鉛粉量は計数管のカウント(cps)で表示した。
【0055】歪時効硬化特性は、鋼板(製品板)からJI
S 5号試験片を圧延方向に採取し、予変形として10%の
引張歪を与えて予変形応力σ10% を測定し、ついで170
℃×20分の塗装焼付処理相当の熱処理(時効処理)を施
したのち、歪速度:3×10-3/sで引張試験を実施し、
予変形−熱処理後の引張特性(降伏応力YSBH、引張強
さTS)を求め、BH量=YSBH−σ10% 、ΔTS=T
BH−TSを算出した。なお、YSBH、TSBHは予変形
−熱処理後の降伏応力、引張強さであり、TSは製品板
の引張強さである。
【0056】それらの結果を表3に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】本発明例は、いずれもフェライトとマルテ
ンサイトの複合組織を有し、高い延性と、60%以下の低
い降伏比と、BH量:80MPa 以上、ΔTS:50MPa 以上
の高い歪時効硬化特性を有し、加工性および歪時効硬化
特性に優れ、さらに、不めっき欠陥も見られず、めっき
性に優れている。特にめっき層の合金化処理を行った場
合には、めっき層中のFe含有量も9〜11%程度であり、
耐パウダリング性にも優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
となっている。なお、実施例1と同様に加熱処理工程前
に焼鈍処理、酸洗処理を施すことにより、めっき性が格
段に改善される。
【0060】一方、本発明を外れる比較例は、延性が低
下するか、降伏比が高くなるか、歪時効硬化特性が低下
する、めっき性が低下するか、耐パウダリング性が低下
するかして、目標とする特性を満足していない。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、延性、加工性、歪時効
硬化特性に優れ、不めっきもなく、めっき性に優れ、さ
らに耐パウダリング性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板ある
いは合金化溶融亜鉛めっき鋼板を、安定して製造でき、
産業上格段の効果を奏する。なお、本発明のめっき鋼板
は、成形加工時には軟質で、成形加工後歪時効硬化によ
り降伏強さとともに引張強さが向上し、成形後製品の耐
衝撃特性が格段に向上し、自動車部品用として、用途が
拡大するという効果もある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 2/28 C23C 2/28 2/40 2/40 (72)発明者 金子 真次郎 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 登坂 章男 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 古君 修 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K027 AA02 AA23 AB02 AB28 AB42 AC02 AC12 AC73 AE11 AE12 AE18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板表面に溶融亜鉛めっき層または合金
    化溶融亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板であっ
    て、前記鋼板が、質量%で、 C:0.005 〜0.15%、 Mn:0.3 〜3.0 %、 Mo:0.05〜1.0 %、 Al:0.005 〜0.02%、 N:0.005 〜0.0200% を含み、かつN/Al:0.3 以上、固溶状態のNを0.0010
    %以上含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組
    成と、フェライトを主相とし、第2相としてマルテンサ
    イトを体積率で3%以上含む組織を有することを特徴と
    する加工性および歪時効硬化特性に優れた高張力溶融亜
    鉛めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 前記組成に加えてさらに、質量%で、S
    i:0.5 %以下、Cr:1.0 %以下、P:0.005 〜0.1
    %、B:0.01%以下、Ni:1.5 %以下、Cu:1.5%以下
    のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成
    とすることを特徴とする請求項1に記載の高張力溶融亜
    鉛めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 質量%で、 C:0.005 〜0.15%、 Mn:0.3 〜3.0 %、 Mo:0.05〜1.0 %、 Al:0.005 〜0.02%、 N:0.005 〜0.0200% を含み、あるいはさらにSi: 0.5%以下、Cr: 1.0%以
    下、P: 0.005〜 0.1%、B:0.01%以下、Ni: 1.5%
    以下、Cu: 1.5%以下のうちから選ばれた1種または2
    種以上を含み、かつN/Al:0.3 以上を含む組成を有
    し、固溶N量が0.0010%以上である鋼板に、(Ac1変態
    点)〜(Ac3変態点)の温度に加熱する加熱処理工程
    と、溶融亜鉛めっきを施し前記鋼板表層に溶融亜鉛めっ
    き層を形成するめっき処理工程と、を順次施すにあた
    り、前記加熱処理工程後めっき処理工程までの冷却速
    度、およびめっき処理工程後300 ℃までの冷却速度を、
    下記(1)式または(2)式で定義される臨界冷却速度
    CR(℃/s)以上とすることを特徴とする加工性およ
    び歪時効硬化特性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板の
    製造方法。 記 B≦0.0006%の場合には、 log CR=−3.50Mo−1.20Mn−0.16Si− 2.0Cr−0.08(Ni+Cu)−0.32P +3.50 …………(1) B>0.0006%の場合には、 log CR=−3.50Mo−1.20Mn−0.16Si−2.0Cr −0.08(Ni+Cu)−0.32P +3.20 …………(2) ここで、CR:臨界冷却速度(℃/s) Mo、Mn、Si、Cr、Ni、Cu、P:各元素の含有量(質量
    %)
  4. 【請求項4】 前記加熱処理工程前に、Ac1変態点以上
    の温度で焼鈍し冷却する焼鈍処理と、ついで鋼板表層の
    成分濃化層を酸洗により除去する酸洗処理とを施すこと
    を特徴とする請求項3に記載の高張力溶融亜鉛めっき鋼
    板の製造方法。
  5. 【請求項5】 質量%で、 C:0.005 〜0.15%、 Mn:0.3 〜3.0 %、 Mo:0.05〜1.0 %、 Al:0.005 〜0.02%、 N:0.005 〜0.0200% を含み、あるいはさらにSi: 0.5%以下、Cr: 1.0%以
    下、P: 0.005〜 0.1%、B:0.01%以下、Ni: 1.5%
    以下、Cu: 1.5%以下のうちから選ばれた1種または2
    種以上を含み、かつN/Al:0.3 以上を含む組成を有
    し、固溶N量が0.0010%以上である鋼板に、(Ac1変態
    点)〜(Ac3変態点)の温度に加熱する加熱処理工程
    と、溶融亜鉛めっきを施し前記鋼板表層に溶融亜鉛めっ
    き層を形成するすめっき処理工程と、470 ℃〜(Ac1
    態点)の温度に加熱し前記溶融亜鉛めっき層の合金化を
    行う合金化処理工程と、を順次施すにあたり、前記加熱
    処理工程後めっき処理工程までの冷却速度、および前記
    合金化処理工程後300 ℃までの冷却速度を、下記(1)
    式または(2)式で定義される臨界冷却速度CR(℃/
    s)以上とすることを特徴とする加工性および歪時効硬
    化特性に優れた高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
    方法。 記 B≦0.0006%の場合には、 log CR=−3.50Mo−1.20Mn−0.16Si− 2.0Cr−0.08(Ni+Cu)−0.32P +3.50 …………(1) B>0.0006%の場合には、 log CR=−3.50Mo−1.20Mn−0.16Si−2.0Cr −0.08(Ni+Cu)−0.32P +3.20 …………(2) ここで、CR:臨界冷却速度(℃/s) Mo、Mn、Si、Cr、Ni、Cu、P:各元素の含有量(質量
    %)
  6. 【請求項6】 前記加熱処理工程前に、Ac1変態点以上
    の温度で焼鈍し冷却する焼鈍処理と、ついで鋼板表層の
    成分濃化層を酸洗により除去する酸洗処理とを施すこと
    を特徴とする請求項5に記載の高張力合金化溶融亜鉛め
    っき鋼板の製造方法。
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