JP2001247662A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JP2001247662A
JP2001247662A JP2000060970A JP2000060970A JP2001247662A JP 2001247662 A JP2001247662 A JP 2001247662A JP 2000060970 A JP2000060970 A JP 2000060970A JP 2000060970 A JP2000060970 A JP 2000060970A JP 2001247662 A JP2001247662 A JP 2001247662A
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厚 原
Kimihiro Mizushima
公博 水島
Yoshiro Sugitani
佳郎 杉谷
Nobutake Kimura
修武 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形体の透明性や口栓部結晶化が良好で、成
形時での金型汚れを発生させにくいポリエステルを提供
すること。 【解決手段】 赤外吸収スペクトルにおいて550cm
-1の吸光度(A550cm-1)に対する515cm-1
吸光度(A515cm-1)の比D(A515cm -1/A
550cm-1)が、0.70以下の結晶性二酸化ゲルマ
ニウムを重縮合触媒として使用することを特徴とするポ
リエステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボトルをはじめと
して、フィルム、シート成形用などに用いられるポリエ
ステルの製造方法に関し、さらに詳しくは、成形時に金
型汚れが発生しにくく、成形体の透明性に優れ、かつ成
形体に異味、異臭が発生しにくいポリエステルの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】調味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの
容器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用
目的に応じて種々の樹脂が採用されている。
【0003】これらのうちでポリエステルは機械的強
度、耐熱性、透明性およびガスバリヤー性に優れている
ので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充
填用のボトルなどの容器の素材として最適である。この
ような飲料用容器では特に透明性が重要であり、この改
良が要求されている。
【0004】ポリエステルの製造には種々の触媒が使用
されているが、得られたポリエステルの価格や色調の点
より、一般にアンチモン化合物が使用される。しかし、
ポリエステルの重縮合中にアンチモン化合物が還元され
て不溶物が生じ、これが成形体のヘイズ上昇の原因とな
り、透明性が悪い成形体しか得られない。
【0005】また、ゲルマニウム化合物は価格が高い
が、これを用いて得られたポリエステルからの成形体の
透明性や結晶化特性が良好なために飲料容器用のポリエ
ステルの製造に使用されている。
【0006】近年、ポリエチレンテレフタレ−トを中心
とするポリエステル製容器は、ミネラルウォ−タ−やニ
アウォ−タ−等の透明飲料用の容器として使用されるよ
うになってきた。このような飲料の場合はゲルマニウム
化合物を触媒として用いて得たポリエステルでも透明性
が不十分で、さらに透明性を改良することが要求されて
いる。
【0007】このようなポリエステルは射出成形機械な
どの成形機に供給して中空成形体用プリフォームを成形
し、このプリフォームを所定形状の金型に挿入し延伸ブ
ロー成形した後、ボトルの胴部を熱処理(ヒートセッ
ト)して中空成形容器に成形され、さらには必要に応じ
てボトルの口栓部を熱処理(口栓部結晶化)させるのが
一般的である。ところが、従来のポリエステルには、環
状三量体などのオリゴマー類が含まれており、このオリ
ゴマー類が金型内面や金型のガスの排気口、排気管に付
着することによる金型汚れが発生しやすかった。
【0008】このような金型汚れは、得られるボトルの
表面肌荒れや白化の原因となる。もしボトルが白化して
しまうと、そのボトルは廃棄しなければならない。この
ため金型汚れを頻繁に除去しなければならず、ボトルの
生産性が低下してしまうという問題点があった。
【0009】これらの解決方法として、特開平3−17
4441号公報にはポリエステルを水処理する方法が開
示されている。
【0010】しかし、この方法を工業的に実施する場合
には、処理用の水として蒸留水を用いるとコストの面か
ら不利であるため、河川からの水や地下水、排水等を簡
易処理した工業用水を用いることが一般的である。しか
しながら、工業用水を用いて水処理をした場合、しばし
ば成型時での結晶化が早過ぎ、透明性の悪いボトルにな
ってしまうという問題があった。また口栓部結晶化によ
る口栓部の収縮が規格内に納まらずにキャッピング不良
となる問題もあった。
【0011】本発明者らの検討によると、これは水処理
の段階において、工業用水に含まれているナトリウムや
マグネシウム、カルシウム、珪素等の金属含有物質の含
有量が一定値より多い場合、これらの金属の酸化物や水
酸化物等の金属含有物質が処理水中に浮遊、沈殿、さら
には処理槽壁や配管壁に付着したりし、これがポリエス
テルチップに付着、浸透して、成形時での結晶化が促進
され、透明性の悪いボトルとなることがわかった。さら
には金属含有物質が配管を詰まらせたり、処理槽や配管
の洗浄を困難にさせる等の問題が生じた。特にナトリウ
ムの含有はスケ−ルの発生は起こらないものの、ナトリ
ウムイオンがチップ表面層に浸透し、このナトリウムイ
オンを核として結晶化が進むため、ボトルを白化させる
大きな要因となっていた。これらの金属含有物質の含有
量は雨の後に増加したり、季節により変動し、しばしば
非常に大きな値となることもあった。さらには、工業用
水の水源をどこの求めるかでも大きく異なるものであっ
た。
【0012】したがって、透明性の良好な成形体を与え
る水処理したポリエステルを得るために、工業用水をイ
オン交換処理装置によって処理をしたイオン交換水を使
用してポリエステルを水処理するが、この場合であって
も透明性の悪い成形体しか得られない場合があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を解決することにあり、成形時での金型汚れを発
生させにくく、またさらにはボトルの透明性の良好で、
かつ成形体に異味、異臭が発生しにくいポリエステルを
提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らが検討した結果、特定の触媒を用いるこ
とにより常に安定して透明性、風味の良好なポリエステ
ルが得られることがわかった。すなわち本発明は、赤外
吸収スペクトルにおいて550cm-1の吸光度(A55
0cm-1)に対する515cm-1の吸光度(A515c
-1)の比D(A515cm-1/A550cm-1)が、
0.70以下の結晶性二酸化ゲルマニウムを重縮合触媒
として使用することを特徴とするポリエステルの製造方
法である。
【0015】ここで、赤外吸収スペクトルにおいて55
0cm-1の吸光度(A550cm-1)に対する515c
-1の吸光度(A515cm-1)の比D(A515cm
-1/A550cm-1)は、後記した方法により求めるこ
とができる。
【0016】また、本発明は、ポリエステルのチップを
処理槽中で水処理するポリエステルの製造方法におい
て、該ポリエステルが赤外吸収スペクトルにおいて55
0cm -1の吸光度(A550cm-1)に対する515c
-1の吸光度(A515cm-1)の比D(A515cm
-1/A550cm-1)が、0.70以下の結晶性二酸化
ゲルマニウムを重縮合触媒として使用して得られたもの
であることを特徴とするポリエステルの製造方法であ
る。
【0017】この場合において、処理槽から排出された
処理水の少なくとも一部を処理槽に戻して繰り返し使用
することができる。
【0018】この場合において、ポリエステルチップ
を、処理槽に継続的にまたは間欠的に供給することがで
きる。この場合において、ポリエステルチップの全量を
処理層に充填し、水処理終了後ポリエステルチップの全
量を抜き出すことができる。
【0019】この場合において、処理槽からの処理水の
排出と、排出した処理水の処理槽へのもどりが継続的ま
たは間欠的であることができる。かかる本発明のポリエ
ステルの製造方法によれば、成形時での金型汚れを発生
させにくく、またさらには、ボトルの透明性の良好なポ
リエステルを有利に製造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明におけるポリエステルは、好ましくは、主
として芳香族ジカルボン酸成分とグリコ−ル成分とから
得られる結晶性ポリエステルであり、さらに好ましく
は、芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の85モル%以上
含むポリエステルであり、特に好ましくは、芳香族ジカ
ルボン酸単位が酸成分の95モル%以上含むポリエステ
ルである。
【0021】本発明におけるポリエステルを構成する芳
香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2、6
−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ−ル−4,4'−
ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体等が挙げられ
る。
【0022】また本発明におけるポリエステルを構成す
るグリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、シク
ロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等が挙げ
られる。
【0023】前記ポリエステル中に共重合して使用され
る酸成分としては、テレフタル酸、2、6−ナフタレン
ジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニ−ル−4,4'
−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、オキシカプ
ロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン
酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマ−酸等
の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその
機能的誘導体などが挙げられる。
【0024】前記ポリエステル中に共重合して使用され
るグリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族
グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのア
ルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、シク
ロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ポリエ
チレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−ル等のポリア
ルキレングリコ−ルなどが挙げられる。
【0025】さらにポリエステルが実質的に線状である
範囲内で多官能化合物、例えばトリメリット酸、トリメ
シン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール、トリメチロ−ルプロパン等
を共重合してもよく、また単官能化合物、例えば安息香
酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
【0026】本発明におけるポリエステルの好ましい一
例は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートか
ら構成されるポリエステルであり、さらに好ましくはエ
チレンテレフタレート単位を85モル%以上含む線状ポ
リエステルであり、特に好ましいのはエチレンテレフタ
レート単位を95モル%以上含む線状ポリエステル、即
ち、ポリエチレンテレフタレ−ト(以下、PETと略
称)である。
【0027】また本発明におけるポリエステルの好まし
い他の一例は、主たる繰り返し単位がエチレン−2、6
−ナフタレートから構成されるポリエステルであり、さ
らに好ましくはエチレン−2、6−ナフタレート単位を
85モル%以上含む線状ポリエステルであり、特に好ま
しいのは、エチレン−2、6−ナフタレート単位を95
モル%以上含む線状ポリエステル、即ち、ポリエチレン
ナフタレ−トである。
【0028】上記のポリエステルは、従来公知の製造方
法によって製造することが出来る。即ち、PETの場合
には、テレフタール酸とエチレングリコール及び必要に
より他の共重合成分を直接反応させて水を留去しエステ
ル化した後、減圧状態で重縮合触媒の存在下に重縮合を
行う直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチル
とエチレングリコール及び必要により他の共重合成分を
反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させ
た後、減圧状態で重縮合触媒の存在下に重縮合を行うエ
ステル交換法により製造される。さらに極限粘度を増大
させ、アセトアルデヒド含有量等を低下させる為に固相
重合を行ってもよい。
【0029】前記溶融重縮合反応は、回分式反応装置で
行っても良いしまた連続式反応装置で行っても良い。こ
れらいずれの方式においても、溶融重縮合反応は1段階
で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。
固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や
連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合
は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
【0030】前記の重縮合触媒としては、得られたポリ
エステルからの成形体の透明性や結晶化特性が良好なた
めに二酸化ゲルマニウムがジュ−スやウ−ロン茶などの
飲料の容器用のポリエステルの製造に使用されている。
近年、ポリエチレンテレフタレ−トを中心とするポリエ
ステル製容器は、ミネラルウォ−タ−やニアウォ−タ−
等の透明飲料用の容器として使用されるようになってき
た。このような飲料の場合は二酸化ゲルマニウムを触媒
として用いて得たポリエステルでも透明性が不十分で、
さらに透明性を改良することが要求されている。特に、
近年良く用いられる500ml以下の小型ボトルのよう
に、高速、大量の射出成形をした場合、特に水で触媒を
失活させた樹脂を用いた場合には、十分な透明性が得ら
れないものであり、強く透明性が求められていた。
【0031】このような問題を解決するために種々検討
した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、芳
香族ジカルボン酸ジメチルエステルとエチレングリコ−
ルとのエステル交換反応により生成したオリゴマ−また
は芳香族ジカルボン酸とエチレングリコ−ルとの直接エ
ステル化反応により生成したオリゴマ−を、赤外吸収ス
ペクトルにおいて550cm-1の吸光度(A550cm
-1)に対する515cm-1の吸光度(A515cm-1
の比D(A515cm-1/A550cm-1)が、0.7
0以下、好ましくは0.69以下、さらに好ましくは
0.68以下の結晶性二酸化ゲルマニウムを重縮合触媒
として用いて重縮合することによって上記の問題を解決
するものである。
【0032】赤外吸収スペクトルにおいて550cm-1
の吸光度(A550cm-1)に対する515cm-1の吸
光度(A515cm-1)の比D(A515cm-1/A5
50cm-1)が、0.70を超える結晶性二酸化ゲルマ
ニウムを用いて得られたポリエステルの場合は、得られ
た中空成形体の透明性が非常に悪くなり、商品価値がな
くなる。近年良く用いられる小型ボトルのように、高
速、大量の射出成形をした場合、特に水で触媒を失活さ
せた樹脂を用いた場合には、十分な透明性が得られない
ものであった。本発明者らは、用いられる結晶性二酸化
ゲルマニウム触媒を詳細に検討した結果、上記のような
限られた結晶性二酸化ゲルマニウムを用いることで問題
を解決できることを見出した。
【0033】本発明における結晶性二酸化ゲルマニウム
は、六方晶型の二酸化ゲルマニウムであり、粉末または
エチレングリコ−ルのスラリ−、水に加熱溶解した溶液
またはこれにエチレングリコ−ルを添加加熱処理した溶
液、あるいはカルボン酸と共にエチレングリコ−ルに溶
解した溶液等として、本発明におけるポリエステルの製
造時に使用されるが、特に本発明で用いるポリエステル
を得るには二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶
液、またはこれにエチレングリコールを添加加熱し、水
を溜去した溶液として使用するのが好ましい。
【0034】これらの触媒溶液は、エステル交換工程中
またはエステル交換反応終了後から重縮合反応開始まで
の段階、あるいはエステル化工程中またはエステル化反
応終了後から重縮合反応開始までの段階において添加す
ることができる。その使用量はポリエステル中のGe残
存量として10〜150ppm、好ましくは13〜10
0ppm、さらに好ましくは15〜70ppmである。
【0035】なお、4塩化ゲルマニウムを焼成して二酸
化ゲルマニウムを製造する際の製造条件や原料の4塩化
ゲルマニウムの不純物等でこのような赤外線吸収スペク
トルの差が現れると考えられるが、この赤外線吸収スペ
クトルが何に帰属するものかや、この原因の詳細は定か
ではない。前記の赤外スペクトル特性を持つ二酸化ゲル
マニウムを重縮合触媒として用いた場合、添加時の水溶
液、グリコール溶液などでの溶解性が高く、結果として
得られたポリエステル中に二酸化ゲルマニウムが均一に
溶解されるためではないかと推定される。
【0036】また重縮合触媒として、前記の品質の結晶
性二酸化ゲルマニウムとTi化合物の混合使用も好都合
である。使用可能なTi化合物としては、テトラエチル
チタネ−ト、テトライソプロピルチタネ−ト、テトラ−
n−プロピルチタネ−ト、テトラ−n−ブチルチタネ−
ト等のテトラアルキルチタネ−トおよびそれらの部分加
水分解物、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、
蓚酸チタニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸
チタニルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の
蓚酸チタニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタ
ン、塩化チタン等が挙げられる。Ti化合物は、ポリエ
ステル中のTi残存量として0.1〜10ppmの範囲
になるように添加する。
【0037】また、本発明におけるポリエステルの製造
時に、安定剤として、燐酸、ポリ燐酸やトリメチルフォ
スフェート等の燐酸エステル類等を使用するのが好まし
い。これらの安定剤は、エステル交換終了後から重縮合
開始までの工程中、あるいはテレフタル酸とエチレング
リコールのスラリー調合槽からエステル化反応工程中に
添加することができる。P化合物は、ポリエステル中の
P残存量として5〜100ppmの範囲になるように添
加する。また、本発明におけるポリエステルに共重合さ
れたジエチレングリコ−ル含有量を制御するためにエス
テル化工程に塩基性化合物、たとえば、トリエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン等の第3級アミン、水酸化
テトラエチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩等
を加えることが出来る。
【0038】本発明におけるポリエステル、特に、主た
る繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成され
るポリエステルの極限粘度は0.50〜1.30デシリ
ットル/グラム、好ましくは0.55〜1.20デシリ
ットル/グラム、さらに好ましくは0.60〜0.90
デシリットル/グラムの範囲である。極限粘度が0.5
0デシリットル/グラム未満では、得られた成形体等の
機械的特性が悪い。また、1.30デシリットル/グラ
ムを越える場合は、成型機等による溶融時に樹脂温度が
高くなって熱分解が激しくなり、保香性に影響を及ぼす
遊離の低分子量化合物が増加したり、成形体が黄色に着
色する等の問題が起こる。
【0039】また本発明におけるポリエステル、特に、
主たる繰り返し単位がエチレン−2、6−フタレートか
ら構成されるポリエステルの極限粘度は0.40〜1.
00デシリットル/グラム、好ましくは0.42〜0.
95デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.45
〜0.90デシリットル/グラムの範囲である。極限粘
度が0.40デシリットル/グラム未満では、得られた
成形体等の機械的特性が悪い。また、1.00デシリッ
トル/グラムを越える場合は、成型機等による溶融時に
樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に影
響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形体
が黄色に着色する等の問題が起こる。
【0040】ポリエステルのチップの形状は、シリンダ
−型、角型、または扁平な板状等の何れでもよく、その
大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.6〜3.5
mm、好ましくは1.8〜3.5mmの範囲である。例
えばシリンダ−型の場合は、長さは1.8〜3.5m
m、径は1.8〜3.5mm程度であるのが実用的であ
る。また、チップの重量は15〜30mg/個の範囲が
実用的である。
【0041】また、本発明におけるポリエステルのアセ
トアルデヒド含有量は10ppm以下、好ましくは8p
pm以下、さらに好ましくは5ppm以下、ホルムアル
デヒド含有量は7ppm以下、好ましくは6ppm以
下、さらに好ましくは4ppm以下である。本発明でお
けるポリエステルのアセトアルデヒド含有量を10pp
m以下、またホルムアルデヒド含有量を7ppm以下に
する方法は特に限定されるものではないが、例えば低分
子量のポリエステルを減圧下または不活性ガス雰囲気下
において170〜230℃の温度で固相重合する方法を
挙げることが出来る。
【0042】また、本発明におけるポリエステルに共重
合されたジエチレングリコール量は該ポリエステルを構
成するグリコール成分の1.0〜5.0モル%、好まし
くは1.3〜4.5モル%、さらに好ましくは1.5〜
4.0モル%である。ジエチレングリコール量が5.0
モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、成型時に
分子量低下が大きくなったり、またアセトアルデヒド含
有量やホルムアルデヒド含有量の増加量が大となり好ま
しくない。またジエチレングリコ−ル含有量が1.0モ
ル%未満の場合は、得られた成形体の透明性が悪くな
る。
【0043】また、本発明におけるポリエステルの環状
3量体の含有量は0.50重量%以下、好ましくは0.
45重量%以下、さらに好ましくは0.40重量%以下
である。本発明のポリエステルから耐熱性の中空成形体
等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行うが、環状
3量体の含有量が0.50重量%以上含有する場合に
は、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加し、
得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
【0044】また、ポリエステルは、環状三量体などの
オリゴマー類が成形時に金型内面や金型のガスの排気
口、排気管等に付着することによる金型汚れ等を防止す
るために、前記の溶融重縮合または固相重合の後に水と
の接触処理を行なう。
【0045】水との接触処理の方法としては、水中に浸
ける方法が挙げられる。水との接触処理を行う時間とし
ては5分〜2日間、好ましくは10分〜1日間、さらに
好ましくは30分〜10時間であり、水の温度としては
20〜180℃、好ましくは40〜150℃、さらに好
ましくは50〜120℃である。
【0046】ポリエステルチップを工業的に水処理する
場合、処理に用いる水が大量であること及び経済的に水
処理を実施するために天然水(工業用水)や排水を再利
用して使用することが多い。通常この天然水は、河川
水、地下水などから採取したもので、水(液体)の形状
を変えないまま、殺菌、異物除去等の処理をしたものを
言う。また、一般的に工業用に用いられる天然水にはナ
トリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素等の金属含
有物質を多く含有している。天然水を用いて水処理を行
うと、ポリエステルチップに付着、浸透して結晶核とな
り、このようなポリエステルチップを用いた中空成形容
器の透明性が非常に悪くなる。
【0047】したがって、透明性の良好な成形体を与え
るポリエステルを得るために、前記の工業用水をイオン
交換処理装置によって処理をした水を使用してポリエス
テルを水と接触処理するが、この場合でも時には透明性
の悪い成形体しか得られない場合があった。
【0048】このような問題を解決するために種々検討
した結果、芳香族ジカルボン酸ジメチルエステルとエチ
レングリコ−ルとのエステル交換反応により生成したオ
リゴマ−または芳香族ジカルボン酸とエチレングリコ−
ルとの直接エステル化反応により生成したオリゴマ−
を、赤外吸収スペクトルにおいて550cm-1の吸光度
(A550cm-1)に対する515cm-1の吸光度(A
515cm-1)の比D(A515cm-1/A550cm
-1)が、0.70以下、好ましくは0.69以下、さら
に好ましくは0.68以下の結晶性二酸化ゲルマニウム
を重縮合触媒として用いて重縮合して得たポリエステル
を水処理することによって上記の問題を解決することが
できることが分かった。
【0049】赤外吸収スペクトルにおいて550cm-1
の吸光度(A550cm-1)に対する515cm-1の吸
光度(A515cm-1)の比D(A515cm-1/A5
50cm-1)が、0.70を超える結晶性二酸化ゲルマ
ニウムを用いて得られたポリエステルの場合は、得られ
た中空成形体の透明性が非常に悪くなり、商品価値がな
くなる。以下に水処理を工業的に行なう方法を例示する
が、これに限定するものではない。また処理方法は連続
方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えないが、
工業的に行なうためには連続方式の方が好ましい。
【0050】水処理の方法が連続的に、又はバッチ的の
いずれの場合であっても、処理槽から排出した処理水の
すべて、あるいは殆どを工業排水としてしまうと、新し
い水が多量に入用であるばかりでなく、排水量増大によ
る環境への影響が懸念される。即ち、処理槽から排出し
た少なくとも一部の処理水を、水処理槽へ戻して再利用
することにより、必要な水量を低減し、また排水量増大
による環境への影響を低減することが出来、さらには水
処理槽へ返される排水がある程度温度を保持していれ
ば、処理水の加熱量も小さく出来るため、処理層から排
出された処理水は水処理層へ戻して再利用されることが
好ましい。また、水を再利用させることで処理層中の処
理水の流量を上げることができ、結果としてポリエステ
ルチップに付着したファインを洗い流すことができるた
め、ファイン除去効果も生まれる。
【0051】処理槽から排出された水およびポリエステ
ルとともに排出された水の80%以上は再利用されるこ
とが好ましい。より好ましくは90%以上、さらに好ま
しくは95%以上の水が再利用される。
【0052】ポリエステルのチップを連続的に水処理す
る場合は、塔型の処理槽に継続、あるいは断続的にポリ
エステルのチップを上部より受け入れ、並流又は向流で
水を連続供給して水処理させることができる。処理され
たポリエステルチップは処理層の下部から継続、あるい
は断続的に抜き出す。
【0053】ポリエステルチップをバッチ方式で水処理
をする場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。す
なわち、バッチ方式でポリエステルのチップをサイロへ
受け入れ水処理を行なう。あるいは回転筒型の処理槽に
ポリエステルのチップを受け入れ、回転させながら水処
理を行ない水との接触をさらに効率的にすることもでき
る。
【0054】この場合、ポリエステルチップは全量を処
理槽内に投入、充填すると共に処理水を満たし、処理水
は必要により継続的又は断続的(総称して連続的という
ことがある)に循環し、また、継続的又は断続的に一部
の処理水を排出して新しい処理水を追加供給する。水処
理後はポリエステルチップの全量を処理層から抜き出
す。
【0055】そして、水処理方法が連続方式の場合であ
ってもバッチ方式の場合であっても、系外から導入する
水の中に存在する粒径が1〜25μmの粒子の個数を
X、ナトリウムの含有量をN、マグネシウムの含有量を
M、カルシウムの含有量Cを、珪素の含有量をSとした
場合、下記(1)〜(5)の少なくとも一つを満足させ
て水処理を行う。 1 ≦ X ≦ 50000 (個/10ml) (1) 0.001 ≦ N ≦ 1.0 (ppm) (2) 0.001 ≦ M ≦ 0.5 (ppm) (3) 0.001 ≦ C ≦ 0.5 (ppm) (4) 0.01 ≦ S ≦ 2.0 (ppm) (5)
【0056】水処理槽に導入する水中の粒子個数、ナト
リウム、マグネシウム、カルシウム、珪素の含有量のい
ずれかを上記範囲に設定することにより、スケールと呼
ばれる酸化物や水酸化物等の金属含有物質が処理水中に
浮遊、沈殿、さらには処理槽壁や配管壁に付着したり
し、これがポリエステルチップに付着、浸透して、成形
時での結晶化が促進され、透明性の悪いボトルとなるこ
とを防ぐことができる。
【0057】以下に水処理に用いる、粒径1〜25μm
の粒子を1〜50000個/10ml含む水を得る方法
を例示する。水中の粒子数を50000個/10ml以
下にする方法としては、工業用水等の自然水を処理槽に
供給するまでの工程の少なくとも1ヶ所以上に粒子を除
去する装置を設置する。好ましくは自然界の水の採取口
から、前記した処理槽、処理槽から排水した水を再度処
理槽に戻す配管、ファイン除去装置等、水処理に必要な
付帯設備を含めた処理装置に至るまでの間に粒子を除去
する装置を設置し、処理装置に供給する水中の、粒径1
〜25μmの粒子の含有量を1〜50000個/10m
lにすることが好ましい。粒子を除去する装置としては
フィルター濾過装置、膜濾過装置、沈殿槽、遠心分離
器、泡沫同伴処理機等が挙げられる。例えばフィルター
濾過装置であれば、方式としてベルトフィルター方式、
バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、遠
心濾過方式等の濾過装置が挙げられる。中でも連続的に
行うにはベルトフィルター方式、遠心濾過方式、バグフ
ィルター方式の濾過装置が適している。またベルトフィ
ルター方式の濾過装置であれば濾材としては、紙、金
属、布等が挙げられる。また粒子の除去と処理水の流れ
を効率良く行なうため、フィルターの目のサイズは5〜
100μm、好ましくは10〜70μm、さらに好まし
くは15〜40μmがよい。
【0058】また系外からの水中のナトリウムやマグネ
シウム、カルシウム、珪素を低減させるために、処理槽
に工業用水が送られるまでの工程で少なくとも1ヶ所以
上にナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を除
去する装置を設置する。また、粒子状になった二酸化珪
素やアルミノ珪酸塩等の粘土鉱物を除去するためにはフ
ィルターを設置する。ナトリウムやマグネシウム、カル
シウム、珪素を除去する装置としては、イオン交換装
置、限外濾過装置などが挙げられる。
【0059】水処理において処理槽から排出される処理
水には、処理槽にポリエステルチップを受け入れる段階
で既にポリエステルチップに付着しているファインや、
水処理時にポリエステルチップ同士あるいは処理槽壁と
の摩擦で発生するポリエステルのファインが含まれてい
る。従って、処理槽から排出した処理水を再度処理槽へ
戻して再利用すると、処理槽内の処理水に含まれるファ
イン量は次第に増えていく。そのため、処理水中に含ま
れているファインが処理槽壁や配管壁に付着して、配管
を詰まらせることがある。また処理水中に含まれている
ファインが再びポリエステルチップに付着し、この後、
水分を乾燥除去する段階でポリエステルチップにファイ
ンが静電効果により付着するため、ポリエステルのファ
イン含有量が非常に多くなる。
【0060】ポリエステル製造工程において発生するフ
ァインには結晶化促進効果があるが、水処理工程を経た
ポリエステルチップから前記のような工程で発生したフ
ァインの結晶化促進効果は非常に高いことが判明した。
このようなファインによりポリエステルの結晶性が促進
されて、得られたボトルの透明性は悪くなり、またボト
ル口栓部結晶化時の結晶化度が過大となって口栓部の寸
法が規格に入らなくなり、そのため口栓部のキャッピン
グ不良、したがって内容物の漏れの原因になる。
【0061】また本発明において、ポリエステルチップ
の連続式水処理法の場合は処理槽からポリエステルチッ
プと共に排水する処理水の微粉量を1000ppm以
下、好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは3
00ppm以下に維持しながら処理槽から排出される処
理水の一部を処理槽に戻して繰り返し使用するのが望ま
しい。またバッチ式水処理法の場合は、水処理の終了時
点での水中の微粉量は1000ppm以下、好ましくは
500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下
にするように処理槽から排出された処理水の少なくとも
一部を処理槽に戻して繰り返し使用する。ここで、微粉
量は下記の測定法によって求めたものである。
【0062】処理槽内の処理水の微粉量の増加を抑える
ために、処理槽から排出した処理水が再び処理槽に返さ
れるまでの工程で少なくとも1ヶ所以上にファインを除
去する装置を設置する。ファインを除去する装置として
はフィルター濾過装置、膜濾過装置、沈殿槽、遠心分離
器、泡沫同伴処理機等が挙げられる。例えばフィルター
濾過装置であれば、方式としてベルトフィルター方式、
バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、遠
心濾過方式等の濾過装置が挙げられる。中でも連続的に
行うにはベルトフィルター方式、遠心濾過方式、バグフ
ィルター方式の濾過装置が適している。またベルトフィ
ルター方式の濾過装置であれば濾材としては、紙、金
属、布等が挙げられる。またファインの除去と処理水の
流れを効率良く行なうため、フィルターの目のサイズは
5〜100μm、好ましくは10〜70μm、さらに好
ましくは15〜40μmがよい。
【0063】水処理したポリエステルチップは振動篩
機、シモンカーターなどの水切り装置で水切りし、乾燥
工程へ移送する。当然のことながら水切り装置でポリエ
ステルチップと分離された水は前記のファイン除去の装
置へ送られ、再度水処理に用いることができる。
【0064】ポリエステルチップの乾燥は通常用いられ
るポリエステルチップの乾燥処理を用いることができ
る。連続的に乾燥する方法としては上部よりポリエステ
ルチップを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパ
ー型の通気乾燥機が通常使用される。乾燥ガス量を減ら
し、効率的に乾燥する方法としては回転ディスク型加熱
方式の連続乾燥機が選ばれ、少量の乾燥ガスを通気しな
がら、回転ディスクや外部ジャケットに加熱蒸気、加熱
媒体などを供給した粒状ポリエステルチップを間接的に
乾燥することができる。
【0065】バッチ方式で乾燥する乾燥機としてはダブ
ルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えない
が、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子量
低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好まし
い。
【0066】本発明におけるポリエステルには、必要に
応じて他の添加剤、例えば、公知の紫外線吸収剤、外部
より添加する滑剤や反応中に内部析出させた滑剤、離型
剤、核剤、安定剤、帯電防止剤、顔料などの各種の添加
剤を配合してもよい。
【0067】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、本明細書中における主な特性値の測定法を以
下に説明する。
【0068】(1)ポリエステルの極限粘度(IV) 1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
【0069】(2)密度 硝酸カルシウム/水混合溶媒の密度勾配管で30℃で測
定した。
【0070】(3)ポリエステルの環状3量体の含有量 試料をヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロフォル
ム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈
する。これにメタノールを加えてポリマ−を沈殿させた
後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムア
ミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテ
レフタレ−ト単位から構成される環状3量体を定量し
た。
【0071】(4)ファインの含有量測定 樹脂約0.5kgをJIS−Z−8801による呼び寸
法1.7mmの金網を張った篩(直径30cm)の上に
乗せ、上から0.1%のカチオン系界面活性剤(アルキ
ルトリメチルアンモニウムクロライド)水溶液を2L/
分の流量でシャワ−状にかけながら、全振幅幅約7c
m、60往復/1分で1分間篩った。この操作を繰り返
し、樹脂を合計10〜30kg篩った。篩い落とされた
ファインは界面活性剤水溶液と共に岩城硝子社製1G1
ガラスフィルタ−(細孔100〜120μm)で濾過し
て集め、イオン交換水で洗った。これをガラスフィルタ
−ごと乾燥器内で100℃で2時間乾燥後、冷却して秤
量した。再度、イオン交換水で洗浄、乾燥の同一操作を
繰り返し、恒量になったことを確認し、この重量からガ
ラスフィルタ−の重量を引き、ファイン重量を求めた。
ファイン含有量は、ファイン量/篩にかけた全樹脂量重
量、である。
【0072】(5)ヘイズ(霞度%) 中空成形容器の胴部(肉厚約0.45mm)より試料を
切り取り、日本電色(株)製ヘイズメ−タ−で測定。
【0073】(6)処理水中の微粉量(ppm) 処理槽の処理水中の排出口からJIS規格20メッシュ
のフィルターを通過した処理水を1000cc採取し、
岩城硝子社製1G1ガラスフィルターで濾過後、100
℃で2時間乾燥し室温下で冷却後、重量を測定して算出
する。
【0074】(7)水中の粒子径および粒子数測定 光遮光式の粒子測定器パシフィックサイエンティフィッ
クカンパニー社製HIAC/ROYCO.カウンター4
100型、サンプラー3000型を用いて測定した。
【0075】(8)二酸化ゲルマニウムの赤外吸収スペ
クトルにおける550cm-1の吸光度(A550c
-1)に対する515cm-1の吸光度(A515c
-1)の比D(A515cm-1/A550cm-1)の測
定 1)赤外吸収スペクトルの測定 試料約0.5mgを約400mgの臭化カリとともに錠
剤とし、比率記録式赤外分光光度計(日立製作所製27
0−30型)で赤外吸収スペクトルを測定した。 2)吸光度比の算出 図1のごとく、515cm-1吸収帯はその吸収帯の上端
と下端に、また550cm-1吸収帯はその吸収帯の上端
と515cm-1吸収帯の下端にそれぞれ接線を引き、い
わゆるベ−スライン法で515cm-1吸収帯と550c
-1吸収帯の吸光度(A515cm-1及びA550cm
-1)を求め、両者の吸光度比D(A515cm-1/A5
50cm-1)を算出した。
【0076】(実施例1)予め反応物を含有している第
1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグ
リコ−ルとのスラリ−を連続的に供給し、撹拌下、約2
50℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反
応を行った。この反応物を第2エステル化反応器に送付
し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cmGで所
定の反応度まで反応を行った。また、赤外吸収スペクト
ルにおいて550cm-1の吸光度(A550cm-1)に
対する515cm-1の吸光度(A515cm-1)の比D
(A515cm-1/A550cm-1)が、0.55の結
晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解し、これにエチ
レングリコ−ルを添加加熱処理した触媒溶液、および燐
酸のエチレングリコ−ル溶液を別々にこの第2エステル
化反応器に連続的に供給した。このエステル化反応生成
物を連続的に第1重縮合反応器に供給し、撹拌下、約2
65℃、25torrで1時間、次いで第2重縮合反応
器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに
最終重縮合反応器で撹拌下、約275℃、0.5〜1t
orrで1時間重縮合させた。重縮合反応物をチップ化
し、ひきつづき窒素雰囲気下、約155℃で結晶化し、
さらに窒素雰囲気下で約200℃に予熱後、連続固相重
合反応器に送り窒素雰囲気下で約205℃で固相重合し
た。固相重合後篩分工程およびファイン除去工程で連続
的に処理しファインを除去した。得られたPET樹脂の
極限粘度は0.74デシリットル/グラム、環状3量体
の含有量は0.30重量%、密度は1.431g/cm
であった。ISP社製のGAFフィルターバッグPE
−1P2S(ポリエステルフェルト、濾過精度1μm)
である水中の粒子除去装置(9)を設置し、この装置
(9)を経由したイオン交換水の導入口(8)、処理槽
上部の原料チップ供給口(1)、処理槽の処理水上限レ
ベルに位置するオーバーフロー排出口(2)、処理槽下
部のポリエステルチップと処理水の混合物の排出口
(3)、オーバーフロー排出口から排出された処理水
と、処理槽下部の排出口から排出されたポリエステルチ
ップの水切り装置である(連続式遠心分離機)(4)を
経由した処理水が、濾材が紙製の30μmのベルト式フ
ィルターである濾過装置(5)を経由して再び水処理槽
へ送る配管(6)、これらのファイン除去済み処理水の
導入口(7)およびファイン除去済み処理水中のアセト
アルデヒドやグリコ−ル等を吸着処理させる吸着塔(1
0)を備えた内容量500リットルの塔型の、図1に示
す処理槽を使用して上記のPETチップを水処理した。
この装置で水の97%は再利用される。水処理装置のイ
オン交換水の導入口(8)で採取した水中の粒径1〜2
5μmの粒子含有量は約1800(個/10ml)であ
った。PETチップを処理水温度95℃にコントロール
された水処理槽へ50kg/時間の速度で処理槽の上部
(1)から連続投入を開始した。投入開始から5時間経
過後に、PETチップの水処理槽への投入を続けたまま
水処理槽の下部(3)からPETチップを50kg/時
間の速度で処理水ごと抜出しを開始すると共に、風力を
利用した連続式遠心脱水装置(4)を経由した処理水を
濾過装置(5)を経由して再び水処理槽に戻して繰り返
し使用を開始した。なお、処理槽より排出する処理水中
の微粉量は約20ppmであった。水処理前のPETチ
ップ(ファイン含有量は約5ppm)および100時間
連続運転後の水処理したPETチップ(ファイン含有量
は約4ppm)を減圧乾燥し、名機製作所製M−150
C(DM)射出成形機によりボトルの予備成形体を成形
した。射出成形温度は295℃とした。次にこの予備成
形体の口栓部を、近赤外線ヒーター方式の自家製口栓部
結晶化装置で加熱して口栓部を結晶化した。次にこの予
備成形体をCOPOPLAST社製のLB−01E成形
機で縦方法に約2.5倍、周方向に約5倍の倍率に二軸
延伸ブローし、引き続き約150℃に設定した金型内で
約10秒間熱固定し、容量が2000ccの容器を成形
した。延伸温度は100℃にコントロールした。未処理
PETおよび水処理PETから得られた容器のヘイズ
は、0.6%および0.9%で優れた透明性を示す。
【0077】(比較例1)重縮合触媒として、赤外吸収
スペクトルにおいて550cm-1の吸光度(A550c
-1)に対する515cm-1の吸光度(A515c
-1)の比D(A515cm-1/A550cm-1)が、
0.85の結晶性二酸化ゲルマニウムを使用する以外は
実施例1と同様にして固相重合PET(IV=0.7
4、デシリットル/グラム、環状3量体の含有量=0.
31重量%、密度は1.429g/cm3)を得た後、
同様の方法で水処理を実施した。ファイン含有量は約5
ppmであった。実施例1と同様にして得られた容器の
ヘイズは、それぞれ6.9%および7.3%と非常に悪
かった。
【0078】
【発明の効果】本発明は、赤外吸収スペクトルにおいて
550cm-1の吸光度(A550cm-1)に対する51
5cm-1の吸光度(A515cm-1)の比D(A515
cm-1/A550cm-1)が、0.70以下の結晶性二
酸化ゲルマニウムを重縮合触媒として使用するポリエス
テルの製造方法および該ポリエステルのチップを処理槽
中で水処理するポリエステルの製造方法であって、透明
性の優れた成形体を与え、また成形時での金型汚れを発
生させにくく、従って成形体の透明性が良好となるポリ
エステルを有利に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 二酸化ゲルマニウムの550cm-1の吸光度
(A550cm-1)に対する515cm-1の吸光度(A
515cm-1)の比D(A515cm-1/A550cm
-1)を求めるための赤外吸収スペクトル
【図2】 本発明のポリエステルの製造方法に用いる装
置の概略図。
【符号の説明】
1 原料チップ供給口 2 オーバーフロー排出口 3 ポリエステルチップと処理水との排出口 4 連続式遠心脱水装置 5 ファイン除去濾過装置 6 配管 7 処理水導入口 8 イオン交換水導入口 9 粒子除去装置 10 吸着塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 修武 滋賀県大津市赤尾町26番21号 Fターム(参考) 4J029 AA03 AB04 AC02 AD01 AE01 BA03 BA04 BA05 BA10 BB13A BF09 BF24 BF25 CA02 CA04 CA06 CB05A CB06A CB10A CC06A CD03 CE03 EA02 EB04A JA091 JF361 KB02 KH05 KJ02 KJ06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外吸収スペクトルにおいて550cm
    -1の吸光度(A550cm-1)に対する515cm-1
    吸光度(A515cm-1)の比D(A515cm-1/A
    550cm-1)が、0.70以下の結晶性二酸化ゲルマ
    ニウムを重縮合触媒として使用することを特徴とするポ
    リエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリエステルのチップを処理槽中で水処
    理するポリエステルの製造方法において、該ポリエステ
    ルが赤外吸収スペクトルにおいて550cm -1の吸光度
    (A550cm-1)に対する515cm-1の吸光度(A
    515cm-1)の比D(A515cm-1/A550cm
    -1)が、0.70以下の結晶性二酸化ゲルマニウムを重
    縮合触媒として使用して得られたものであることを特徴
    とするポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 処理槽から排出された処理水の少なくと
    も一部を処理槽に戻して繰り返し使用することを特徴と
    する請求項2に記載のポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリエステルチップを、処理槽に継続的
    に供給することを特徴とする請求項2または3に記載の
    ポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリエステルチップを、処理槽に間欠的
    に供給することを特徴とする請求項2または3に記載の
    ポリエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリエステルチップの全量を処理層に充
    填し、水処理終了後ポリエステルチップの全量を抜き出
    すことを特徴とした請求項2または3に記載のポリエス
    テルの製造方法
  7. 【請求項7】 処理槽からの処理水の排出と、排出した
    処理水の処理槽への戻りが継続的であることを特徴とす
    る請求項2から6のいすれかに記載のポリエステルの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 処理槽からの処理水の排出と、排出した
    処理水の処理槽への戻りが間欠的であることを特徴とす
    る請求項2から6のいずれかに記載のポリエステルの製
    造方法。
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