JP2001247646A - 硬質ポリウレタン・ウレアフォームの製造方法 - Google Patents
硬質ポリウレタン・ウレアフォームの製造方法Info
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Abstract
フォーム(RPUF)の製造に際してフロン系発泡剤の
使用量を大幅に削減できる特定のポリエーテルポリオー
ルを使用したRPUFの製造方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 本発明に係るRPUFの製造方法は、蔗
糖、1分子中に4個以上の水酸基を有する糖アルコール
類及び1分子中に3個の水酸基を有する水酸基価600
mgKOH/g以上のポリエーテルポリオールの混合物
で、その平均官能基数が4.0〜6.0である出発物質
に、エチレンオキサイド2〜50質量%、プロピレンオ
キサイド98〜50質量%からなるアルキレンオキサイ
ドを付加して得られるポリエーテルポリオールまたは該
ポリエーテルポリオール50質量%以上と、1分子中に
3〜6個の水酸基を有するポリエーテルポリオール50
質量%以下とからなる混合ポリエーテルポリオールと、
ポリイソシアネートとを、水とフロンの混合系からなる
発泡剤、触媒の存在下に反応させることを特徴とする。
Description
ルポリオールを用いた硬質ポリウレタン・ウレアフォー
ム(以下、RPUFという)の製造方法に関する。
ル、発泡剤、整泡剤、触媒を主とする成分と、ポリメリ
ックMDIなどを代表とするポリイソシアネート成分を
混合し、発泡プロセスとポリウレタン化プロセスを同時
進行させてフォームを形成するワンショット法により製
造されている。
にフロンCFC−11(またはCFC−12:フロス
用)が用いられてきた。水はイソシアネートと反応して
ウレア結合を生じ、炭酸ガスを発生するため、反応型の
発泡剤としてフロンと併用して、補助的に用いられてき
た。
たCFC−11などの特定のフロンは大気中で安定であ
り、成層圏まで拡散到達して地球のオゾン層を破壊する
ため、世界的に削減、全廃のスケジュールが決定してお
り、これに対応するために代替の発泡剤が緊急に必要と
なっている。
替フロン(HCFC−141b、HCFC−123な
ど)、メチレンクロライドなどの種々の物質が検討され
ているが、現在までCFC−11に代わる優れた発泡剤
は出現していない。
23などは、近い将来実際に使用可能となっても、コス
トアップのため水との併用が避けられない。更にオゾン
破壊係数が0でないため、いずれは廃止される可能性が
ある。また、メチレンクロライドは毒性が強く、ポリウ
レタン樹脂を強く侵すため、ごく部分的にしか使用でき
ない。
加(水/CFC−11のモル比を30〜100/70〜
0、特に水が50%以上の領域)すると、 (a)ポリエーテルポリオールサイドの粘度が上昇し
て、作業性が悪くなり、混合不良を引き起こす; (b)反応性のバランスが悪く、著しく粗泡なフォーム
となる; (c)脆くなり、フライアビリティーが消えない; (d)機械的強度が低下する; (e)熱伝導率が高くなる; などの問題を生じるため、従来から使用していたRPU
F用ポリエーテルポリオールでは良好なRPUFが製造
できない。
ルについては、多数の特許が出されているが、かかるポ
リエーテルポリオールを製造するに当たり、出発物質、
PO、EOの付加割合などをある範囲に規定することに
より、平均水酸基官能数、水酸基価が同等程度の従来の
ポリエーテルポリオールよりも低粘性で、水、CFC−
11、ポリメックMDIと相溶性が良く、水との反応バ
ランスが良好になることについて、記載されたものはな
い。更にまた、上記出発物質などを特定したポリエーテ
ルポリオールを、主ポリエーテルポリオールとして使用
し、かつ発泡剤として水とフロンCFC−11の混合系
を用いた場合、水/CFC−11のモル比が30〜10
0/70〜0、特に水が50%以上の領域で、前記
(a)〜(e)の問題点を解決または軽減できることに
ついて言及しているものもない。
状況を熟考して、社会的要求に対応すべく、水を主たる
発泡剤として使用可能な特定のポリエーテルポリオール
を使用したRPUFの製造方法について種々検討を重ね
た結果、本発明に到達した。
に際して上記した問題点を生じることなくフロン系発泡
剤の使用量を大幅に削減できる特定のポリエーテルポリ
オールを使用したRPUFの製造方法を提供することに
ある。
の製造方法は、蔗糖、1分子中に4個以上の水酸基を有
する糖アルコール類及び1分子中に3個の水酸基を有す
る水酸基価600mgKOH/g以上のポリエーテルポ
リオールの混合物で、その平均官能基数が4.0〜6.
0である出発物質に、エチレンオキサイド2〜50質量
%、プロピレンオキサイド98〜50質量%からなるア
ルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポ
リオールと、ポリイソシアネートとを、水とフロンの混
合系からなる発泡剤、触媒の存在下に反応させることを
特徴とする。
糖、1分子中に4個以上の水酸基を有する糖アルコール
類及び1分子中に3個の水酸基を有する水酸基価600
mgKOH/g以上のポリエーテルポリオールの混合物
で、その平均官能基数が4.0〜6.0である出発物質
に、エチレンオキサイド2〜50質量%、プロピレンオ
キサイド98〜50質量%からなるアルキレンオキサイ
ドを付加して得られるポリエーテルポリオール50質量
%以上と、1分子中に3〜6個の水酸基を有するポリエ
ーテルポリオール50質量%以下とからなる混合ポリエ
ーテルポリオールと、ポリイソシアネートとを、水とフ
ロンの混合系からなる発泡剤、触媒の存在下に反応させ
ることを特徴とする。
する。本発明のRPUFの製造方法に使用するポリエー
テルポリオールの出発物質となるのは、蔗糖、1分子中
に4個以上の水酸基を有する糖アルコール類及び1分子
中に3個の水酸基を有する水酸基価600mgKOH/
g以上のポリエーテルポリオールの混合物である。
有する糖アルコール類とは、ソルビトール、ペンタエリ
スリトール、メチルグルコシドなどで、これらは単独で
用いても混合して用いてもよい。
600mgKOH/g以上のポリエーテルポリオールと
は、グリセリンなどの1分子中に3個の水酸基を有する
ポリオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ドなどのアルキレンオキサイドを付加して得られるポリ
エーテルポリオールで、その水酸基価が600mgKO
H/g以上、好ましくは600〜850mgKOH/g
のものである。これらも単独で用いても混合して用いて
もよい。
る糖アルコール類及び1分子中に3個の水酸基を有する
水酸基価600mgKOH/g以上のポリエーテルポリ
オールは、その混合物の平均官能基数が4.0〜6.0
となるように混合する。混合物の平均官能基数が4.0
〜6.0を外れると、4.0未満の場合は物性不足とな
り、フォームに収縮が現れ、6.0を越えると生成物の
粘度が増大し(数万cps以上)となり不適当である。
イドを付加して、本発明のポリエーテルポリオールを得
る。アルキレンオキサイドはエチレンオキサイド2〜5
0質量%、プロピレンオキサイド98〜50質量%から
なる。エチレンオキサイド含量が2質量%より低いと生
成物(ポリエーテルポリオール)の粘度が上昇し、原液
の粘度が上昇したり、フォーム化した場合セルが粗くな
り面材との密着性に問題が生じたりして好ましくなく、
50質量%を越えるとフォーム化した場合、圧縮強度が
低下するなどの問題があり不適当である。
い、水酸化カリウム等のアルカリ触媒0.05〜0.5
0%(対出発原料)の存在下に温度110〜130℃、
圧力2.5〜6.0kg/cm2の条件下で行い、その
付加方法はランダムでもブロックでもよい。得られたポ
リエーテルポリオールの水酸基価が250〜500mg
KOH/gの範囲にあると、その粘度が3500cps
以下となり、フォーム化した場合の原液粘度も低下して
マシン発泡が容易となり、フォーム物性においても摩耗
減量(フライアビリティー)、微細セル化、圧縮強度、
熱伝導率、面材との密着性等も良好となり好ましい。
触媒、その他通常RPUF製造の際に用いられる助剤の
存在下に、ポリイソシアネートと反応させることによ
り、RPUFを与える。
単独で用いてもよいが、前記ポリエーテルポリオール5
0質量%以上(好ましくは60質量%以上)と、1分子
中に3〜6個の水酸基を有するポリエーテルポリオール
50質量%以下(好ましくは10〜40質量%)からな
る混合ポリエーテルポリオールを使用してもよい。この
ように1分子中に3〜6個の水酸基を有するポリエーテ
ルポリオールを併用することにより、フォーム物性中の
摩耗減量(フライアビリティー)と圧縮強度が更にアッ
プするという効果が得られる。
ポリイソシアネートとしては、例えばポリメリックMD
I(ポリメチレンポリフェニルイソシアネート)、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、トリメチレンジイソシ
アネート、及びこれらを部分的に種々の方法や化合物で
変性したものなどが挙げられる。
発泡剤は、水とフロン(CFC−11など)の混合系
で、[水]/[水+フロン]のモル比が0.3〜0.5
となるような範囲で用いるのが好ましい。
トリメチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジ
アミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、ペンタメ
チルジエチレントリアミンなどを代表として第3級アミ
ン類が挙げられる。触媒の使用量は、ポリオール成分1
00質量%に対して0.2〜1.5質量%の範囲で用い
るのが好ましい。
用いられる有機シリコーン系化合物が好ましく、その他
フッ素系界面活性剤などの使用も好ましい。整泡剤の使
用量は、ポリオール成分100質量%に対して0.5〜
2.0質量%の範囲で用いるのが好ましい。
難燃剤であるトリスクロロエチルフォスフェート(TC
EP)、トリスジクロロプロピルフォスフェート、ビス
(2,3−ジブロモプロピル)ジクロロプロピルフォス
フェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)フォス
フェートなどの助剤も適宜使用できる。
法の常法により、NCO/OH(NCO Index)を1
00〜130として製造できる。
(30リットル)に、蔗糖3.62kg、ソルビット
1.09kg、旭電化工業株式会社製ポリエーテルポリ
オールG−260(グリセリンにプロピレンオキサイド
を付加した分子量260、水酸基価650mgKOH/
gの3官能性ポリエーテルポリオール)8.68kgを
仕込み(混合物の平均水酸基官能基数4.5)、触媒と
して水酸化カリウム55gを加え、温度120℃、圧力
2.5〜6.0kg/cm2で、エチレンオキサイド
2.8kg、プロピレンオキサイド11.3kgを、仕
込み質量の割合で同時にフィードした。フィード後1時
間熟成し、残留する微量のエチレンオキサイドとプロピ
レンオキサイドをストリップした。次いで、常温により
精製し、水分を0.1%以下にして、安定剤2,6−ジ
ターシャリーブチル−4−メチルフェノール(BHT)
500ppmを加えた。得られたポリエーテルポリオー
ル(A)は、平均水酸基官能基数4.5、水酸基価45
0mgKOH/g、粘度3400cp/25℃であっ
た。
(30リットル)に、蔗糖3.42kg、ソルビット
1.82kg、旭電化工業株式会社製ポリエーテルポリ
オールG−200(グリセリンにプロピレンオキサイド
を付加した分子量200、水酸基価842mgKOH/
gの3官能性ポリエーテルポリオール)2.0kgを仕
込み(混合物の平均水酸基官能数5.7)、触媒として
水酸化カリウム48gを加え、温度120℃、圧力2.
5〜6.0kg/cm2で、エチレンオキサイド5.0
kg、プロピレンオキサイド11.7kgを、仕込み質
量の割合で同時にフィードした。フィード後1時間熟成
し、残留する微量のエチレンオキサイドとプロピレンオ
キサイドをストリップした。次いで、常温により精製
し、水分を0.1%以下にして、安定剤2,6−ジター
シャリーブチル−4−メチルフェノール(BHT)50
0ppmを加えた。得られたポリエーテルポリオール
(B)は、平均水酸基官能基数5.7、水酸基価400
mgKOH/g、粘度3600cp/25℃であった。
レーブに仕込み、触媒として水酸化カリウム55gを加
え、温度120℃、圧力0.2〜6.0kg/cm
2で、プロピレンオキサイド19.3kgをフィードし
た。フィード後1時間熟成し、残留する微量のプロピレ
ンオキサイドをストリップした。次いで、常法により精
製し、水分を0.1%以下にして、安定剤BHTを50
0ppm加えた。得られたポリエーテルポリオール
(C)は平均水酸基官能基数4.5、水酸基価450m
gKOH/g、粘度6500cp/25℃であった。
レーブに仕込み、触媒として水酸化カリウム55gを加
え、温度120℃、圧力2.5〜6.0kg/cm
2で、エチレンオキサイド3.86kg、プロピレンオ
キサイド15.4kgを、仕込み重量の割合で同時にフ
ィードした。フィード後1時間熟成し、残留する微量の
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドをストリッ
プした。次いで、常法により精製し、水分を0.1%以
下にして、安定剤BHTを500ppm加えた。得られ
たポリエーテルポリオール(D)は、平均水酸基官能基
数4.5、水酸基価450mgKOH/g、粘度400
0cp/25℃であった。
で使用したG−260の8.68kgをオートクレーブ
に仕込み、触媒として水酸化カリウム55gを加え、温
度120℃、圧力0.2〜6.0kg/cm2で、プロ
ピレンオキサイド14.1kgをフィードした。フィー
ド後1時間熟成し、残留する微量のプロピレンオキサイ
ドをストリップした。次いで、常法により精製し、水分
を0.1%以下にして、安定剤BHTを500ppm加
えた。得られたポリエーテルポリオール(E)は、平均
水酸基官能数4.5、水酸基価450mgKOH/g、
粘度4600cp/25℃であった。
ルポリオールを用いて、ハンドミキシング法によるフリ
ー発泡でRPUFを製造した。即ち、ポリエーテルポリ
オール300g(発泡スケール3倍)に対して、発泡
剤、整泡剤、触媒などの添加剤を前以てブレンドしてプ
レミックスを作り、液温を23±2℃にコントロールし
ておく。別に液温を23±2℃にコントロールしたポリ
イソシアネートを前記プレミックスに加え、素早くター
ビン型2段ミキサー(2000〜2500rpm)を用
いて12秒間撹拌し、ミックスチャーを上方が開口した
30cm×30cm×30cmのボックスに注入してR
PUFを製造した。処方及び物性を次の表1に示した。
基価450mgKOH/g L−5420:日本ユニカー製 有機シリコン系整泡剤 TEPA−L33:東ソー製触媒 トリエチレンジアミ
ンの33%DPG溶液 TOYOCATMR:東ソー製触媒 N,N,N’,N’テトラ
メチルヘキサメチレンジアミン CFC−11:ダイキン製発泡剤 DF−11U(トリ
クロロモノフルオロメタン) スミジュール44V20:住友バイエルウレタン製 ポ
リメリックMDI 面材:アスファルトルーフィング紙 ポリエーテルポリオール粘度:単位cp/25℃ 原液粘度:単位cp/25℃ コア密度:単位kg/cm3 摩耗減量:単位mg/10回 圧縮強度:単位kgf/cm2 熱伝導率:単位kcal/m・時間・℃
テルポリオールを使用することによりプレミックスの粘
度が低くなり、得られたフォームのセル状態も微細であ
り、フライアビリティーも少ない(摩耗減量を参照)。
また、熱伝導率の低い安定なフォームが得られる。
ると、RPUFの製造に際してフロン使用量が30%以
上削減でき、しかも製造されたRPUFの物性は非常に
良好である。
Claims (2)
- 【請求項1】 蔗糖、1分子中に4個以上の水酸基を有
する糖アルコール類及び1分子中に3個の水酸基を有す
る水酸基価600mgKOH/g以上のポリエーテルポ
リオールの混合物で、その平均官能基数が4.0〜6.
0である出発物質に、エチレンオキサイド2〜50質量
%、プロピレンオキサイド98〜50質量%からなるア
ルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポ
リオールと、ポリイソシアネートとを、水とフロンの混
合系からなる発泡剤、触媒の存在下に反応させることを
特徴とする硬質ポリウレタン・ウレアフォームの製造方
法。 - 【請求項2】 蔗糖、1分子中に4個以上の水酸基を有
する糖アルコール類及び1分子中に3個の水酸基を有す
る水酸基価600mgKOH/g以上のポリエーテルポ
リオールの混合物で、その平均官能基数が4.0〜6.
0である出発物質に、エチレンオキサイド2〜50質量
%、プロピレンオキサイド98〜50質量%からなるア
ルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポ
リオール50質量%以上と、1分子中に3〜6個の水酸
基を有するポリエーテルポリオール50質量%以下とか
らなる混合ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネ
ートとを、水とフロンの混合系からなる発泡剤、触媒の
存在下に反応させることを特徴とする硬質ポリウレタン
・ウレアフォームの製造方法。
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