JP2001247292A - ロープ固定装置および建設機械とその作業方法 - Google Patents

ロープ固定装置および建設機械とその作業方法

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JP2001247292A
JP2001247292A JP2000059566A JP2000059566A JP2001247292A JP 2001247292 A JP2001247292 A JP 2001247292A JP 2000059566 A JP2000059566 A JP 2000059566A JP 2000059566 A JP2000059566 A JP 2000059566A JP 2001247292 A JP2001247292 A JP 2001247292A
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wound
winding drum
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Fumio Ono
文男 小野
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英則 松永
Kunio Wakamatsu
邦夫 若松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウインチに巻き付けられたワイヤーロープを
巻き直し作業を行なわずにアタッチメントの変更を行な
う。 【解決手段】 クレーン仕様時からタワー仕様時に仕様
変更を行う際には、クレーン仕様時に使用した第2ロー
プ9を第二ウインチ10の巻胴20aに巻き取ったのち
第一ロープバンド30および、第二ロープバンド40を
用いてドラム周方向か圧縮された状態で固定して、クレ
ーンをタワー仕様時のアタッチメント構成に変更する作
業を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウインチに巻き取
られたワイヤーロープを解けないように固定するロープ
固定装置、および、ワイヤーロープを用いてアタッチメ
ントを動かし作業を行う建設機械とその作業方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】作業用のアタッチメントに繋がれたワイ
ヤーロープをウインチにより操作し、作業を行う建設機
械の代表例としてクレーンがある。この中でも、移動可
能な旋回体に複数のウインチが備えられ作業現場に応じ
てアタッチメントであるジブやブーム等を適宜変更して
作業を行なうラチスブームクローラクレーン(以下、ク
レーン)を基に従来技術を説明する。
【0003】図9は、従来技術における建設機械のクレ
ーン仕様時の概観側面視図である。
【0004】図9において1は、アタッチメントとして
ラチスブームを装着したクレーンであり、作業現場内で
移動するための走行帯としてクローラ2を備えている。
このクローラ2の上部には、旋回ベアリング3を介して
旋回体4が旋回自在に設けられている。この旋回体4に
は、前部側一端に運転室5が設けられ、後部上方には中
央部と後部とで下端が枢支され上端に図示しない複数の
シーブを備えた門形のフレーム部材であるガントリ6が
設けられている。さらに、この旋回体4の幅方向中央に
は、主フック用のワイヤーロープ(以下、第1ロープと
呼ぶ)7が巻付けられた第一ウインチ8、後述する複胴
式ウインチの片側の巻胴に補フック用のワイヤーロープ
(以下、第2ロープと呼ぶ)9が巻付けられた第二ウイ
ンチ10および、ブーム起伏用のワイヤーロープ(以
下、第3ロープと呼ぶ)11が巻付けられた第三ウイン
チ12とが一列に配設されている。
【0005】更に、これらウインチの両側には図示しな
い動力源であるエンジン、このエンジンの動力で回転し
圧油を吐出する油圧ポンプ、この圧油により駆動する油
圧モータ、油圧シリンダー等の各種アクチュエータと減
速機、及びこれら油圧駆動装置類を制御する油圧回路、
電気制御回路等が適宜配設されている。
【0006】そして、この旋回体4の前端部には、クレ
ーンの吊作業を行うための作業用アタッチメントである
ブーム13が着脱可能に設けられている。そして、この
ブーム13の先端側とガントリ6の上端部との間を、伸
縮自在に連結するブーム起伏装置14が設けられてい
る。このブーム起伏装置14は、第三ウインチ12に巻
かれた第3ロープ11をガントリ6の上端部に連結され
た複数のシーブと、ブーム5の先端部からガイライン1
4aを介して連結された複数のシーブとの間に掛け回し
て構成されている。
【0007】さらに、この旋回体4の後端部には積層さ
れた複数のウエイトからなるカウンターウエイト4aが
分解および組立可能に設けられている。
【0008】上記ブーム13は、前端部に連結可能なブ
ラケットを備えた下部ブーム13aと、主フックを複索
で吊持可能なように先端部に複数のシーブを備えた上部
ブーム13bと、補フックを吊持するためにシーブを備
えた補助シーブ13cとが分解/組立可能に連結されて
構成されている。
【0009】なお、図9中15は、複数のシーブを備え
た重量物吊用の主フックであり、16は、軽量物を高速
で吊る為の補フックである。
【0010】図10は、図9中の旋回体4のA−A端面
を示した図である。
【0011】上記第一ウインチ8には、両端にフランジ
17が設けられ、巻胴に図示しないワイヤーロープの一
端を着脱可能に固定するロープ固定部と第1ロープ7の
径(例えばφ30mm)により予め定められた形状のガ
イド溝とを備えたウインチドラム18が備えられてい
る。そして、上記第1ロープ7は、一端を上記ロープ固
定部に固定した状態で、上記ガイド溝に沿って規則正し
く巻き付けられ、フランジに当接させて折り返され、先
に巻き付けられたロープ間の凹みをガイド代わりとして
規則正しく繰返し多層に巻き付けられる。
【0012】一方、この巻き付けられた第1ロープ7の
他端は、ブーム13の背面に沿ってブーム13の先端部
から前方に導かれ、主フック15とブーム13先端部と
の間で複数回掛け回されたのち、ブーム先端部または主
フック15に固定される。以上の構成から、ウインチド
ラム18を回転させることにより第1ロープ7が巻き取
り/繰出され、ブーム先端部から吊持された主フック1
5の巻上げ巻下げが行なわれる。
【0013】また、上記第二ウインチ10には、両端と
中央部とにフランジ19a,19b,19cを設けて巻
胴を2つに区切って、異なる仕様のワイヤーロープを巻
き付けできるよう構成された複胴式のウインチドラム2
0が設けられいる。そして、上記第一ウインチ8と同様
にそれぞれの巻胴には、ロープ固定部と、各々異なる形
状のガイド溝が設けられている。尚、図10中旋回体4
右側の巻胴20aには、第2ロープ9の径(例えばφ2
6mm)により予め定められた形状のガイド溝が設けら
れており、図10に示すように、上記第2ロープ9は、
一端を上記ロープ固定部に固定した状態で、上記ガイド
溝に沿って規則正しく巻き付けられたのち、フランジに
当接させて折り返され、巻き付けられたロープ間の凹み
をガイド代わりとして規則正しく繰返し多層に巻き付け
られている。また、巻胴20bには、上記巻胴20aと
同様にロープ固定部20cが備えられ、後述するタワー
ジブ起伏用のワイヤーロープ(以降、第4ロープと呼
ぶ)が巻き付けられるようこのロープ径(例えばφ22
mm)に応じた形状のガイド溝が設けられている。
【0014】なお、図10に示されるように、通常クレ
ーン仕様時には、第4ロープが巻胴20bに巻付けられ
ていない状態で第二ウインチ10は使用される。
【0015】そして、巻き付けられた第2ロープ9の他
端は、上記第1ロープ7と干渉しないようブーム13の
背面に沿って補助シーブ13cまで導かれ、クレーンの
前方に引き出された状態で補フック16が取付られてい
る。このように、ウインチドラム20の回転により第2
ロープ9が巻き取り/繰出され、補助シーブ13cから
吊持された補フック16の巻上げ/巻下げが行なわれ
る。
【0016】また、上記第三ウインチ12には、両端と
中間位置とにフランジ21が設けられた同じ幅の2つの
巻胴21a、21bを備えたウインチドラム22が設け
られている。そして、巻胴21a、21bの両方に、ロ
ープ固定部と第3ロープ11の径(例えばφ18mm)
に応じたガイド溝が設けられいる。そして、図に示すさ
れるように第3ロープ11は、一端を上記ロープ固定部
に固定した状態で、上記ガイド溝に沿って規則正しく巻
き付けられたのち、フランジに当接させて折り返され、
巻き付けられたロープ間の凹みをガイド代わりとして規
則正しく繰返し多層に巻き付けられている。
【0017】そして、両巻胴21a、21bには、第3
ロープ11の両端が、ガントリ6の上端部に設けられた
ガイドシーブおよび、ブーム起伏装置14を介して各々
固定され、両巻胴に均等に巻き付けられている。このよ
うな構成により、ウインチドラム20の回転を制御する
ことで両巻胴21a,21bから同時に第3ロープ11
が巻き取り/繰出される。そして、ブーム起伏装置14
が伸縮動作するので、ブーム13の起伏が行なわれる。
【0018】尚、上記各ウインチのウインチドラムは、
油圧ポンプからの圧油により油圧モータを回転させ、減
速機や、クラッチ装置からなる駆動装置を介して回転さ
せるよう構成されている。
【0019】上述の記ブーム構成は、例としてクレーン
仕様時の基本的なブーム構成を説明した物である。ラチ
ス式のブームは、作業現場に応じて上記下部ブーム13
aと上部ブーム13bとの間に適宜中間ブームを連結す
ることでブーム長さを変更できるよう構成されている。
【0020】このように、ラチス式のブームを採用する
クレーンは、それぞれの作業現場に応じてブーム長さを
適宜変更したり、また、ジブ、マスト等の別アタッチメ
ントを組み合わせて適宜、仕様変更して作業を行えるよ
う構成されている。
【0021】また、クレーンにおいて使用されるワイヤ
ーロープは、その作業目的すなわちアタッチメント構成
に応じてロープ径及びロープ長等の仕様が予め決められ
る。そして、巻胴には、ワイヤーロープを巻取る際の乱
巻の発生を防ぐ為、ワイヤーロープを規則正しく巻き付
けるためのガイド溝が周方向に設けられている。このガ
イド溝は巻き付けられるワイヤーロープの径に応じて決
められている。このような理由からクレーンでは、ワイ
ヤーロープ径に応じた巻胴を備えたウインチドラムが用
いられることが一般的となっている。
【0022】尚、このようなワイヤーロープの乱巻を防
ぐ為のガイド溝について記載された公知文献としては、
特開平10−139381がある。
【0023】上述のとおり、移動式クレーンでは、作業
現場に応じてクレーンの作業目的が異なり、それぞれの
作業条件に応じてクレーン本体にブーム、ジブまたはタ
ワーブーム等のアタッチメントを適宜装着して作業が行
われる。その際、このアタッチメントに応じてワイヤー
ロープも交換される。
【0024】そのため、クレーン仕様時とタワー仕様時
など、仕様変更時に頻繁にワイヤーロープ径を変更する
必要があるクレーンには、巻胴をフランジで複数に区切
り複数の巻胴が設けられたウインチドラムを備えた複胴
式ウインチが設けられている。
【0025】図9および図10を用いて上述したクレー
ン1では第二ウインチ10にこの複胴式ウインチが採用
されている。図11は、タワー仕様とした際のウインド
ラム20を示したものである。
【0026】図11に示されるように上述のクレーン仕
様時とは逆に、タワー仕様時においては、巻胴20aに
は第2ロープ9を巻付けない状態で、第4ロープ26が
巻胴20bに規則正しく多層に巻付けられている。そし
て、第二ウインチ10の回転を制御することで、タワー
ジブの起伏が制御可能に構成されている。
【0027】以上のように、クレーンでは、複胴式ウイ
ンチの各々巻胴に、良く使われるワイヤーロープに応じ
たガイド溝が設けることで、ウインチを交換することな
く一台のクレーンで複数のアタッチメント構成における
それぞれ最適のワイヤーロープを適用して作業可能な構
成が広く採用されている。そして、従来この複胴式ウイ
ンチを用いたクレーンは、各アタッチメント仕様で使用
するワイヤーロープのみを巻胴に巻付けた状態で作業を
行っている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、複胴式のウ
インチを備えた建設機械では、装着しているアタッチメ
ントで使用しないワイヤーロープを巻胴から取り外して
作業している。このため、アタッチメントの仕様変更時
には、装着しているアタッチメントの分解、組立作業の
一工程として、ワイヤーロープの巻き替え作業が必要と
なっている。そして、このワイヤーロープの巻き替え作
業は、一度巻かれたワイヤーロープをすべて解き、更
に、別のワイヤーロープを巻き替えなければならず、大
変手間と時間のかかるものであった。このように、一度
使用したワイヤーロープをすべて解き、再度巻き替える
ことは、ロープの自転トルクからワイヤーロープ捻れ、
キンク等の乱巻の発生原因を生じ易く巻き付け作業が難
しいものである。このため、大掛かりな巻き替え装置
や、特殊技能が必要となる困難な作業であった。
【0029】一方、大型の建設機械の例えばクレーンで
は分解して作業現場まで運び組み立てることが多く、そ
の際、ワイヤーロープを全てウインチに巻き取った状態
で運ぶことが多い。このため、ワイヤーロープの端をド
ラムのフランジ等に針金で固定することが行なわれてい
る。しかしながら、搬送中の振動等により巻胴にまかれ
たワイヤーロープが弛み易いものであった。一度ワイヤ
ーロープが弛むと組立時には、乱巻を防ぐ為に再度ワイ
ヤーロープの巻き直しを行わなければならず、組立時の
作業時間が大幅に増加するという問題となっていた。
【0030】なお、複胴式ウインチにおいて、搬送時に
使用するロープ端止め金具により使用しないワイヤーロ
ープの端をフランジなど固定して作業を行うことも考え
られれなくもない。しかしながら、仮にこのような方法
で作業を行うと、ウインチの回転により、巻き付けられ
たワイヤーロープに遠心力が生じ、ワイヤーロープが弛
み乱巻状態となるだけでなく、ワイヤーロープの弛みに
より遠心力が急激に増加し、ウインチの制御が困難状態
となる。さらには、ロープが解けて、この解けたワイヤ
ーロープにより機械が破損され、しいては人身事故にも
つながる非常に危険な状態となる。このようなことは当
業者であれば容易に想像される事項であり、従来行なわ
れていなかった。
【0031】そこで本発明は、このような事情に鑑み、
クレーン等のウインチを用いて作業を行う建設機械にお
いて、分解、組立時にワイヤーロープの巻き付け作業を
無くし、組立作業時間を大幅に削減することができるワ
イヤーロープの固定装置および、建設機械とその作業方
法を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明の請求項1の発明は、ウインチの
巻胴に巻取られたロープを巻胴の周方向から押圧し保持
する保持手段で構成されるものである。この構成による
と、巻胴に巻きとられたロープは巻胴の周方向から押圧
されているので、巻胴に巻き取られたロープを弛まない
状態に保つことができる。
【0033】請求項2の発明は、上記保持手段が、巻取
られた最外層のロープを周方向から抱合する押圧手段
と、この押圧手段の両端を締結する締結手段とで構成さ
れたことを特徴とする請求項1記載のものである。この
構成によると、最外層のロープを周方向から抱合するこ
とによりワイヤーロープを均等に押圧することができ
る。
【0034】また、請求項3の発明は、ウインチの巻胴
に巻取られたロープを該巻胴に保持させたまま回転可能
に構成されたロープ固定装置を備えたものである。この
ような構成によると、ウインチの巻胴に巻取られたロー
プを該巻胴で保持されたまま巻胴を回転させることがで
きる。
【0035】また、請求項4の発明は、複胴式ウインチ
と、該ウインチに巻き取られたロープを上記巻胴が回転
可能な状態で保持する固定装置とを備えた建設機械の作
業方法において、一方のロープを巻胴に巻取り、該巻き
取られたロープを上記固定装置により保持し、該巻胴に
巻かれた他方のロープを使用して作業を行なうことであ
る。請求項4の方法によると、巻胴にロープを巻付けた
まま、ウインチを操作することができる。これにより、
従来複胴式ウインチのワイヤーロープ巻き替え作業が必
要であったクレーンの仕様変更時において、このワイヤ
ーロープの巻き替え作業を行なう必要がなくなり、大幅
に組立作業時間を短縮できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
形態を説明する。図1〜3に、本発明に係るロープ固定
装置を備えた建設機械の好適例であるクローラクレーン
を示している。尚、従来例と同一構成、同一機能のもの
は同一符号を付して説明を行なう。
【0037】図1は、本発明を適用した建設機械の好適
例であるクレーンのタワー仕様時の外観側面図であり、
図2は、図1のA−A端面図を示しいる。なお、この図
1は、上記従来技術で説明したクレーン仕様の旋回体4
を用いて、ブーム3の代わりにタワーアタッチメントを
装着したタワー仕様のクレーンを示したものである。
【0038】図1において1は従来例同様のタワー仕様
のクレーンであり、走行装置としてクローラ2を備えて
いる。このクレーン1の上部には、旋回ベアリング3を
介して旋回体4が旋回自在に設けられている。この旋回
体4には、前部側一端に運転室5が設けられ、後部上方
には中央部と後部とで下端が枢支され上端に図示しない
複数のシーブを備えた門形のフレーム部材であるガント
リ6が設けられている。そして、旋回体4の幅方向中央
には、吊荷フック用の第1ロープ7が巻付けられた第一
ウインチ8、後述するタワージブ起伏用の第4ロープ2
6が巻付けられた第二ウインチ10、および、タワー起
伏ロープ用の第3ロープ11が巻付けられた第三ウイン
チ12とが一列に配設されている。
【0039】更に、この旋回体4の門形のフレームであ
るガントリ6が上方に向け張り出されて設けられてい
る。また、この旋回体4の後端部には複数のウエイトを
積層して構成されるカウンターウエイト4aが分解また
は組立可能に設けられている。この他、図示しない動力
源であるエンジン、このエンジンの動力で回転し圧油を
吐出する油圧ポンプ、この圧油により回転する油圧モー
タ、油圧シリンダー、減速機、及びこれら油圧駆動装置
類を制御する油圧回路、電気制御回路等が適宜配設され
ている。そして運転室5内には、各種検出機器、操作装
置等が適宜配置されており、走行体1による走行操作、
旋回体4の旋回、各ウインチの回転、停止等の制御可能
に構成されている。
【0040】そして旋回体4の前端部には、建築吊作業
用のアタッチメントであるタワー23が装着されてい
る。このタワー23は、下部ブーム23aに中間ブーム
23bを複数連結され、更にこの先端にタワーキャップ
23cが連結されている。また、このタワーキャップ2
3cには、前端部にタワージブ23dが枢支され起伏可
能に連結されており、上端部にタワージブ23dを起伏
させるためのストラット23eが揺動可能に連結されて
いる。
【0041】このように連結構成されたタワー23は、
ブーム起伏装置14により、ガントリ6とタワーキャッ
プ23cの後側下端部とが連結され、タワー23が起伏
可能に構成されている。また、旋回体中央部上端に前後
に揺動可能に設けられた複数シーブとタワーキャップ2
3cの先端部からストラット23eを介して連結された
複数のシーブとの間にタワージブ起伏用の第4ロープ2
6を掛け回して構成されるタワージブ起伏装置24によ
り、上記ストラット23eの後部先端と旋回体4の中央
部との間が伸縮自在に連結されている。更に、このスト
ラット23eの上端とタワージブ23dの先端部とがガ
イライン23gを介して連結されている。
【0042】また、図1中25はシーブを備えた吊用の
フックである。そして、このフック25は、上記従来例
クレーン仕様時と同様に、第一ウインチ8から繰出され
た第1ロープ7により吊持されている。
【0043】この第1ロープ7の一端は、旋回体4から
タワー23の背面に沿ってタワー先端側へ導かれ、タワ
ーキャップ23cを経てタワージブ23dの先端部から
繰出され、フック25で折返されたのちタワージブ23
dの先端部で固定されている。
【0044】図2に示すように旋回体4の幅方向中央部
前側に第一ウインチ8が配置され、この第一ウインチ8
は、両端に設けられフランジ17の間に巻胴を設けた単
胴式のウインチドラム18を備えており、このウインチ
ドラム18には、第1ロープ7が整列して多層に巻き付
けられている。
【0045】また、この第一ウインチ8の後方には第二
ウインチ10が配置されており、この第二ウインチ10
は、フランジ19a,19b,19cにより巻胴が2つ
に分割され各々異なる仕様のワイヤーロープを巻付け可
能に構成された巻胴20a、20bとを設けた複胴式の
ウインチドラム20が備えられている。
【0046】図2中右側に示される巻胴20aには、ク
レーン仕様時に補フック用に使用される第2ロープの自
由端が巻ききられた状態で、後述するロープバンドで保
持されている。一方、巻胴20bには、タワージブ起伏
用の第4ロープ26が巻き付けられており、この第4ロ
ープ26の自由端は、ジブ起伏装置24に向け導かれて
いる。
【0047】更に、第二ウインチの後方に第三ウインチ
12が配設され、この第三ウインチ12には、両端と中
間位置とにフランジ21が設けられた同じ幅の2つの巻
胴21a、21bを設けたウインチドラム22が設けら
れている。両巻胴21a、21bには、第3ロープ11
が、左右対称に整列して巻き付けられており、これら第
3ロープ11の自由端は、ガントリ6の上端部に向け引
き出されブーム起伏装置14まで導かれている。
【0048】以上の構成により、タワー仕様時において
は、第一ウインチ8の操作により、フック25が巻上げ
巻下げされ、第二ウインチ10の操作によりタワージブ
23dの起伏が行なわれ、第三ウインチ12の操作によ
りタワー23の起伏が行なわれる。
【0049】図3は、本発明の第一実施形態のロープバ
ンドを第二ウインチ10に装着状態を示した正面視図で
ある。
【0050】また、図2および図3に示すとおり、巻胴
20aには、タワー仕様時には使用しない第2ロープ9
が順番に整列して多層に巻き付けられウインチドラム2
0に巻ききられた状態となった後に、ロープ保持手段で
ある後述する一対の締結金具32を備えたロープバンド
30と、一つの締結金具42を備えたロープバンド40
とにより固定されている。
【0051】図3に示すように巻胴20aにおいては、
第2ロープ9が巻ききられた状態では、自由端側のロー
プ端9bが巻胴20aの途中に位置する状態となってい
る。そして、巻胴20aに巻かれた第2ロープ9の最外
層は、第2ロープ9aが4層巻き付けられた図3中のA
の範囲と、第二ロープ9がフランジ19bで折返されて
5層巻きされロープ端9bで終わるBの範囲とで形成さ
れている。このように、ウインチにロープが巻ききられ
た状態では、巻胴に巻かれたワイヤーロープの最外層と
なるロープ層は、巻き取られたロープ端を含まない範囲
(以下、巻範囲Aと呼ぶ)と、巻き取られたロープ端を
含む範囲(以下、巻範囲Bと呼ぶ)とで、略ロープ径分
の段差が生じた状態となる。このように段差が生じるこ
とから本発明のロープ固定装置の第一実施形態では、ウ
インチドラムに巻かれたワイヤーロープの巻数の異なる
範囲を各々周方向から固定する為に、巻範囲Aを抱合す
る保持手段である第一ロープバンドと巻範囲Bを抱合す
る保持手段である第二ロープバンドとの1組でロープ固
定装置を構成している。
【0052】次に、図4から図6に基づいて本発明のロ
ープ固定装置の第一実施形態である第一及び第二ロープ
バンドの構成を説明する。
【0053】図4は、第一ロープバンド30を展開した
状態を示したものである。尚(a)は正面図であり、
(b)は側面図である。
【0054】図4において、30は、後述する巻胴20
aの4層巻範囲の第2ロープ9を巻胴周方向から押圧し
て保持する保持手段である第一ロープバンドであり、こ
のロープバンド30は、巻胴に巻かれたワイヤーロープ
の押圧手段であるバンド31と、このバンド31の両端
を締結するための締結手段である締結金具32とで構成
される。このバンド31は、長手方向一端を折返し二重
止加工した補強部34a、34bを備えた一対の帯状薄
板部材31aと31bとを、前記補強部34a、34b
の各々他端同士を帯状薄板部材の幅方向で左右両端から
均等な位置に配設された2組の蝶番33で接続し、長手
方向に折り曲げ自在に構成されている。
【0055】このバンドの長さは、対象となる巻胴にワ
イヤーロープを巻ききった状態での巻胴の外周長さに応
じて設定され、ロープの押圧状態を保持するのに必要と
なる締結金具の寸法からその締め代も考慮して設定され
る。すなわち、このバンド31の長さは、対象となる巻
胴20aに第2ロープ9を巻ききった状態での略楕円状
となる最外層の巻範囲Aの外周長さを基に締結金具32
の寸法及びその締め代を考慮して、外周長さよりやや短
めの長さに設定されている。そして、バンド31の一端
の補強部材34aには、一組の締結金具32の雌側部材
であるブラケット32aがバンド幅方向の左右両側の略
均等な位置に各々配設されており、一方この他端の補強
部材34bには、上記締結金具32の雄側部材である連
結軸32bが該ブラケット32aに係合可能な位置に設
けられている。
【0056】この連結軸32bは、補強部材34b上の
幅方向左右両端から均等な位置に上面視矩形状の取付面
部から屈折して張り出た台形状の台座面を備えた板材か
らなる台座35bと、この台座35bに基端部が固定さ
れた所定長さの棒材にネジ山が設けられたボルト軸36
とで構成されいる。このボルト軸36は、締結状態で巻
胴に沿う状態となるようバンド31の長手方向かつ補強
部材34bの面に対して内側にやや傾斜する向きに突出
して設けられている。また、このボルト軸36は、バン
ド締結状態でドラム20のフランジ19の外径からはみ
出さない長さに設定されている。そして、左右各々のボ
ルト軸36の基端上部間には、棒状の取っ手37bが左
右に跨って設けられている。
【0057】一方、雌側金具であるブラケット32a
は、補強部材34a上の幅方向左右両端から均等な位置
に配設された上面視矩形状の板材からなる台座35a
と、この台座35aの上に上記ボルト軸36をバンド長
手方向に挿通させ係合するための係合穴38を備えた略
立方体形状のブロック39とで構成されている。そし
て、これら左右のブラケット32aの上端には、上記雄
側金具32aと同様の棒状の取っ手37aが跨って設け
られている。
【0058】図5は、第一ロープバンド30の締結金具
32の締結状態を示したものである。ロープバンド30
を筒状に折り曲げ、ブラケット32aと連結軸32bと
が突き合わされ、そして、ボルト軸36が係合穴38に
挿通されている。そして、ブラケット32aから突出さ
れた連結軸32bの先端側には、ボルト軸36より大径
の中空穴を備えた筒状部材であるスペーサー51を連通
して締結用のナット50aと緩み止め用のナット50b
とが螺着されている。尚、スペーサー51は、ボルト軸
36の略1/3の長さに設定されている。
【0059】図6は、本発明の第一実施形態の第二ロー
プバンド40を展開した状態を示したものである。尚
(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【0060】図6に示されるこの第二ロープバンド40
は、巻き取られた第二ロープ端9bを含む最外層に巻か
れたワイヤーロープの外周面である巻範囲Bのワイヤー
ロープを全周方向から圧縮した状態に保持しウインチド
ラムに固定させるためのものである。
【0061】上述の第一ロープバンド30と同様に、第
二ロープバンド40は、巻胴に巻かれたワイヤーロープ
の押圧手段であるバンド41と、このバンド41の両端
を締結するための締結手段である締結金具42とで構成
される。このバンド41は、長手方向一端を折返し二重
止加工した補強部44a、44bを備えた一対の帯状薄
板部材41aと41bとを、前記補強部44a、44b
の各々他端同士を帯状薄板部材の幅方向で左右両端から
均等な位置に配設された1組の蝶番43で接続し、長手
方向に折り曲げ自在に構成されている。
【0062】この第二ロープバンド40は、上述した第
一ロープバンド30に対してバンド41の長さが、第2
ロープ9を一層多く巻きつけた分だけ長く設定されてい
る。また、巻胴20aは、固定するワイヤーロープの数
が少ないことからバンド41の幅が狭く設定されてい
る。そして、締結金具42は、上記締結金具32と同一
構成であり、雌側金具であるブラケット42aと、雄側
金具である連結軸42bとを一組用いて構成されてい
る。
【0063】そして、連結軸42bとブラケット42a
とは、上記締結金具32同様にバンド41を筒状に折り
曲げ連結軸42bにブラケット42aとスペーサー51
とを連通させ、締結用のナット50aと緩み止め用のナ
ット50bとで螺着締めすることで締結される。
【0064】以上の構成から図3および図6に示すよう
に第一ロープバンド30は、上記巻範囲Aを全周から抱
合するよう巻き付けられており、締結金具32によりこ
のバンドの両端部が締結されている。この締結金具32
は、上記連結軸32bのボルト軸36をブラケット32
aとスペーサー51とを連通させてナット50a、50
bで螺着することで締結されている。このよう締結構造
により、ロープバンド30が、巻範囲Aのワイヤーロー
プを全周方向から圧縮した状態に保持している。すなわ
ち、この第一ロープバンドにより、巻胴20aの4層巻
された巻範囲Aの第2ロープ9が全周方向から圧縮力が
作用している状態で保持される。
【0065】また、第二ロープバンド40は、ロープ端
9bを含む上記巻範囲Bを全周から抱合するよう巻き付
けられており、締結金具42により両端部が締結されて
いる。上記締結金具32と同様に、この締結金具42
は、上記連結軸42bのボルト軸36をブラケット42
aとスペーサー51とを連通させナット50a、50b
で螺着締めすることで締結されている。このように第二
ロープバンド40が、巻範囲Bのワイヤーロープを全周
方向から圧縮した状態に保持している。すなわち、この
第二ロープバンド40により、巻胴20aの5層巻され
た巻範囲Bの第2ロープ9が全周方向から圧縮力が作用
している状態で保持される。
【0066】次にこれら第一ロープバンドおよび、第二
ロープバンドをウインチに装着する方法を説明する。
【0067】まず、巻胴20aに巻き付けられている第
二ロープ9をやや引張り力を加えて緊張状態としたまま
順番に整列するよう巻きつけてゆき、ロープ端9bまで
巻き取り、巻胴20aに、第二ロープが4層巻き付けら
れた巻範囲Aと、フランジで折返されて更に一層巻かれ
5層巻き付けられた巻範囲Bとが存在している状態とす
る。そして、第二ロープ9のロープ端9bを巻胴20a
に緊張させた状態のまま針金等を用いて、ロープの巻層
が崩れないよう仮止めする。
【0068】そして、取っ手37を用いて第一ロープバ
ンド30のバンド31が、巻範囲Aのワイヤーロープを
全周から抱合するよう覆いかぶせる。そして、バンド3
1の両端の締結金具である連結軸32bとブラケット3
2aとを突き合わせ、ボルト軸36を係合穴38に挿通
させる。そして、ナット50を用いて、ボルト軸36が
係合孔38から抜け外れないよう連結軸32bとブラケ
ット32aとを螺着させる。そして、このナット50a
をボルト軸36に締め付けることでバンド31が巻範囲
Aに沿う第一ロープバンド30が、筒状に曲げられた状
態となるまで締め付けて行く。
【0069】そして、ボルト軸36の中間位置付近まで
係合された状態まで締め付けられたら、一度ナット50
aを弛めて、ボルト軸36から取り外す。この状態で
は、バンド31の反力により、ボルト軸36と係合穴3
8とが係合された状態となった容易にずれない状態とな
っている。そして、このボルト軸36に筒状スペーサー
51を挿通させ、その上から再度ナット50aを用いて
締め付けて連結軸32bとブラケット32aとが更に近
づくように締め込付けていく。そしてバンド31が、上
記巻範囲Aに密着した状態となった所で止める。
【0070】この様に、スペーサー51を介して増し締
めを行うことで、バンド31が、より巻範囲Aに密着し
た状態となるまで締め付けることができると共に、その
締付力が大きくなる状態でナットの締付作業し易い状
態、すなわちバンド31の上面とナット50との空間を
より多く確保した状態とすることができる。
【0071】次に、第二ロープバンド40が巻範囲Bを
全周から抱合するよう覆いかぶせる。この際、ロープ端
がロープバンド40からはみ出さないよう締結金具間の
隙間とはずらした位置でバンド41で上面から押さえけ
つける。そして、上述のロープバンド30と同様にナッ
ト50a,bとスペーサー51とを用いて締結作業を行
なっていく。
【0072】これら第一ロープバンド30、第二ロープ
バンド40の長さは第2ロープをウインチドラム20a
に巻ききった状態の外径より締結ボルトとの長さの約半
分程度短めに設定されているので、この長さ分の締め代
が生じ、ウインチドラムに巻かれたワイヤーロープは、
ロープバンド30、40により全周から均等に締め付け
られたまま固定される。このように、ウインチドラムに
ワイヤーロープを周方向から押圧する圧縮状態のまま固
定するので、ウインチドラムが高速回転しても巻き付け
られたワイヤーロープに弛みや緩みが生じることが無い
状態とすることができる。
【0073】また、上述のロープバンドでは、この締結
金具を左右に一対の二組および一組配設したロープバン
ドを説明したが、この締結金具はバンドの幅に応じて適
宜配置すれば良い。更に、このバンドの幅は固定するワ
イヤーロープの本数に応じて、すなわちウインチドラム
の回転により生じる遠心力を考慮して締結保持するに必
要な強度を算出すればよい。このように、予め巻き付け
られるワイヤーロープの仕様から必要とされるロープ固
定装置のバンド、締結金具の仕様が導きだされる。この
ように帯状のバンドをロープ保持手段としたので、ロー
プ端の位置にとらわれずにワイヤーロープをウインチド
ラムに適宜固定することができる。
【0074】以上のとおり、クレーン仕様時からタワー
仕様時に仕様変更を行う際には、クレーン仕様時に使用
した第2ロープ9を第二ウインチ10の巻胴20aに巻
き取ったのち第一ロープバンド30および、第二ロープ
バンド40を用いてドラム周方向から圧縮された状態で
固定する。そして、クレーンをタワー仕様時のアタッチ
メント構成に変更する作業を行う。そして、ウインチド
ラム20に巻き付けられた第4ロープ26をタワージブ
装置24へ導き、他端をタワージブ23dの起伏操作が
行えるように固定する。
【0075】すなわち、クレーンのタワー仕様時におい
て第2ロープ9は、第二ウインチ10の巻胴20aにロ
ープバンド30とロープバンド40とでドラム周方向か
圧縮された状態で保持されている。一方、第4ロープ2
6は、同ウインチの巻胴20bからジブ起伏装置24へ
導き固定されているので、この状態で第二ウインチ10
の巻取り/繰出し操作を行うことにより、第二ロープを
取り外すことなく、タワージブ23dの起伏操作が行え
る。
【0076】また、これとは逆に、第二ロープ9を巻胴
20aから引き出し、第4ロープ26をロープバンドで
ウインチドラム10の巻胴20bに固定することで、第
4ロープ26を巻胴20bに装着したままクレーン仕様
による作業が行える。
【0077】よって、クレーン仕様とタワー仕様との間
で仕様変更する際に、従来の様に第4ロープ26や、第
2ロープ9を第二ウインチから取り外す必要がなくなる
ので、仕様変更時の作業時間を大幅に短縮できる。
【0078】図7は、この第二ウインチ10を分解して
保管する際の保管状態を示したものである。上記巻胴2
0aには、第二ロープ9が、巻ききられた状態でロープ
バンド30及び40により、周方向から圧縮されて保持
されている。また、巻胴20bには、第4ロープ26が
巻ききられた状態でロープバンド50及び60により、
周方向から圧縮されて保持されている。
【0079】なお、複胴式ウインチにおいて、各々の巻
胴の幅及び径は巻き付けられるワイヤーロープの径およ
び長さ等の仕様によりその配分は決定されている。そこ
で、各々の巻胴に巻き付けられるワイヤーロープに応じ
たロープバンドを設けて、クレーンの分解組立作業時
や、搬送時に、適宜取付ける。これにより、巻胴に巻き
付けられているワイヤーロープが搬送時や、組立時の振
動で弛むことがないので組立時にワイヤーロープを巻き
直す必要がなくなる。さらに、ワイヤーロープを巻付け
たままウインチを搬送、組付ける際に緩みや、弛みを気
にすることなく作業が行えるため、この作業の効率を向
上させることができる。
【0080】次に本発明にかかるロープ固定装置の第二
実施形態を説明する。第一実施形態と同一構成、同一機
能を有するものには同一符号を付して説明を行い、構成
が異なる部位のみ説明を行う。
【0081】図8は、本発明の第二実施形態にかかるロ
ープバンドを装着した複胴式ウインチの概略斜視図であ
る。
【0082】図8においては、上述の第一実施形態と同
様に、複胴式での第二ウインチ10の巻胴20aに、先
の実施形態1とは、異なる長さの第2ロープ69が巻き
付けられ、ロープ端を巻ききった状態となっており、ロ
ープバンド70が巻き付けられている。また、同様に巻
胴20bには、第4ロープ26が巻き付けられ、ロープ
端が引き出されアタッチメント側に導かれている。
【0083】ロープバンド70は、繊維強化された樹脂
製の帯状部材からなるバンド71a、71bとを幅方向
にオフセットさせ重ねあわせ表面に複数のガイド72を
設けてバンド幅方向に伸縮可能に構成されたバンド71
と、このバンド71の両端外面側に適宜配置された金属
製のファスナー73とにより構成されている。このバン
ト71は、縮小した状態で巻胴20bの幅以下となり、
最大伸長状態で巻胴20a幅以上となるよう各々幅が設
定されている。
【0084】この上記ガイド72は、オフセット配置さ
れたバンド71aとバンド71bとの外表面のバンド長
手方向の端部に一端が固定されバンド幅方向に沿って配
置されたスライド軸74と、このスライド軸74に沿っ
て配置されスライド軸を相通状態で係合する側面視矩形
状のブラケット75とで構成されている。このスライド
軸74の端部は、バンド71aとバンド71bとに千鳥
状に交互に固定されており、ブラケット75を貫通させ
た状態でバンド長手方向に一定間隔をあけ複数配設され
ている。
【0085】また、ファスナー73は、バンドの一端に
設けた、鍵形の係合片を複数備えたブラケット73a
と、他端に設けられたループ状の係合片を揺動自在備え
たブラケット73bとで構成され、バンド71aのバン
ド左右両側付近及び、71bの端部とに設されている。
【0086】このロープバンド70を巻胴に取付ける際
は、まず一層分ワイヤーロープの巻が少ない巻範囲Aに
は、ロープ径に肉圧の帯状部材からなるスペーサー76
を巻きつける。そして、このスペーサー76とロープ端
を含んだ巻範囲Bとを一緒に巻胴20aをロープバンド
70により抱合するよう覆いかぶせる。そして、ファス
ナー73により順次締込んでいき両端を締結し、ロープ
が周方向から圧縮された状態で保持する。
【0087】このように巻胴に巻かれた最外層のうち巻
範囲Bは、バンド71により直接押圧されて保持され、
巻範囲Aは、スペーサー76を介して巻胴周方向から圧
縮保持される。
【0088】尚、スペーサー76は、上記帯状部材の
他、例えば矩形状のブロック状のものを巻胴周方向に複
数配置しても良い。このような任意形状のブロック状ス
ペーサーを用いる場合では、磁気や粘度の高いグリス等
でワイヤーロープ表面の周方向にまんべんなく仮止め配
置しておけばロープバンドの取付/取り外し作業をより
容易に行うことができる。
【0089】このように、ワイヤーロープを巻ききった
状態で、ロープ端を含む最外層の巻範囲に対して、一つ
下の層の巻範囲が明らかに小さい場合等は、この巻範囲
に相当する程度の厚みおよび、幅を備えたスペーサーを
配置することで、ロープバンドの締結部を一つとするこ
とができる。これにより締結作業を効率よく行なえる。
【0090】以上のロープバンド70の構成によれば、
バント71aとバンド71bとをガイド72に沿ってバ
ンド幅方向の長さ適宜調整することができるので、一つ
のロープバンドで上述の第二ウインチ10のような幅の
異なる巻胴20a、20bのような複数の巻胴に適宜付
け替えることができる。このように使用しない方の巻胴
に適宜巻き付けておけば、ロープバンドを別途収納する
場所を設ける必要がない。また、締結手段としてファス
ナーを用いたので、容易に締結または解放状態とするこ
とができ、さらにバンド両端間の締込み量も容易に調整
することができる。
【0091】このように、締結手段として、上述のファ
スナー73の他、従来周知の金属製、合成樹脂製、また
は面着式等のファスナーをバンドに応じて適宜採用すれ
ばよい。更に、押圧手段として巻胴に巻き付けるバンド
は、高分子材料からなる合成繊維製の帯を用いても良
く、周方向から押圧可能な構成の物であれば良い。第一
実施形態のロープバンドでは、蝶番により折り曲げ可能
として、収納時やバンドのみの搬送性を良くしたが、こ
のような合成繊維製のバンドであれば、軽量で、折り曲
げ等の自由度が大きく、折り畳みもや容易となることか
ら、締結作業や、ロープバンドの収納場所も取らず、そ
の作業も容易に行える。
【0092】また、ロープバンドを巻胴面に取付ける
際、上記取っ手37のようなバンドの回り止め手段を設
けるとバンドの締結作業をより効率よく行うことができ
る。また、この回り止め手段としては、例えば、バンド
の端すなわち締結金具の裏面側に板状のバンド幅方向磁
石を配置し、巻胴面にロープバンドの一端を仮固定して
おき、バンドが巻胴面を抱合するよう他端を取り回し、
この仮止めされて端と締結させる。
【0093】また、ロープ端を巻締めする巻範囲Bを固
定するバンドにおいては、ロープ端を係合させる係合子
をバンド40の端部裏面に設ける。そして、第二ロープ
バンドを巻胴面Bに巻き付ける際には、この係合子にロ
ープ端を係合させ、ワイヤーロープの巻方向と同じ向き
にロープバンドを巻胴に掛け回す。そして、同方向に引
張りながら締結金具を締結する。このような構成を追加
することで、両端部を締結させる際に、ワイヤーロープ
を締め込ながら作業することができるので、ロープ端部
を強固に巻胴面に押し付けた状態により確実に保持する
ことができると共に、取付作業性が向上する。尚、この
係合子は、バンド端部に設けたが、これに限らず、バン
ド内面のロープ端係合状態でロープ端がバンドからはみ
出さない程度の位置に設ければ良い。
【0094】以上、本発明をクレーンに適用し説明した
が、これに限らず、リーダアタッチメントを用いて作業
を行なう基礎土木機械や、その他、ウインチによりアタ
ッチメントを駆動させ作業を行なう、林業機械などに適
用することもできる。
【0095】
【発明の効果】以上述べたように本発明の請求項1の発
明によるとロープ固定装置によると、巻胴に多層に巻か
れたワイヤーロープが外形表面を周方向から圧縮した状
態で保持されるため、ウインチドラムを回転させても、
ワイヤーロープが弛まない状態に保つことができる。さ
らに請求項2の発明によると、最外層のロープを周方向
から抱合することによりワイヤーロープを均等に押圧す
ることによりワイヤーロープを弛み難く固定することが
できる。
【0096】また、本発明の請求項3の構成及び、請求
項4の方法によると、巻胴に使用しないワイヤーロープ
を巻付けたまま、ウインチを回転操作することができ
る。これにより、従来不使用時には取り外さなければな
らなかったワイヤーロープを取り外すことなく継続して
作業が可能となる。すなわち仕様変更時において、ワイ
ヤーロープの巻き替え作業を行なう必要がなくなり、大
幅に組立作業時間を短縮できる。また、搬送時において
も緩むことがないので組立時にワイヤーロープの巻き直
し作業を行なう必要がなくなり、組立作業時間を大幅に
短縮できる。
【0097】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される一例としての建設機械の側
面図である。
【図2】図1のA−A端面図である。
【図3】本発明の第一実施形態のロープ固定装置の複動
式ウインチへの取付状態の正面視図である。
【図4】本発明の第一実施形態のロープ固定装置の展開
図である。
【図5】本発明の第一実施形態のロープ固定装置の使用
状態の一部拡大図である。
【図6】本発明の第一実施形態のロープ固定装置の展開
図である。
【図7】本発明の第一実施形態のロープ固定装置の使用
状態の正面図である。
【図8】本発明の第二実施形態のロープ固定装置の使用
状態の斜視図である。
【図9】従来技術の建設機械の例であるクレーンの概観
側面図である。
【図10】上記旋回体4のA−A端面を示した図であ
る。
【図11】従来のクレーンにおける複胴式ウインチの使
用状態を示した図である。
【符号の説明】
1 クレーン 4 旋回体 7、9、11、 26 ロープ(ワイヤーロープ) 8、10、 12 ウインチ 13、ブーム 20 ウインチドラム 20a、20b 巻胴 23 タワー 30、40、 70 バンド(ロープバンド) 32、 42、73 締結金具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若松 邦夫 兵庫県明石市大久保町八木740番地 コベ ルコ建機株式会社大久保工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウインチの巻胴に巻取られたロープを巻
    胴の周方向から押圧し保持する保持手段で構成されるこ
    とを特徴とするロープ固定装置。
  2. 【請求項2】 上記保持手段が、巻取られた最外層のロ
    ープを周方向から抱合する押圧手段と、この押圧手段の
    両端を締結する締結手段とで構成されたことを特徴とす
    る請求項1記載のロープ固定装置。
  3. 【請求項3】 ウインチの巻胴に巻取られたロープを該
    巻胴に保持させたまま回転可能に構成されたロープ固定
    装置を備えたことを特徴とする建設機械。
  4. 【請求項4】 複胴式ウインチと、該ウインチに巻き取
    られたロープを上記巻胴が回転可能な状態で保持するロ
    ープ固定装置とを備えた建設機械の作業方法において、
    一方のロープを巻胴に巻取り、該巻き取られたロープを
    上記保持手段により保持し、該巻胴に巻かれた他方のロ
    ープを使用して作業を行なうことを特徴とする建設機械
    の作業方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013193810A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Hitachi Sumitomo Heavy Industries Construction Crane Co Ltd 巻上装置

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