JP2001246912A - 空気入りラジアルプライタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルプライタイヤ

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JP2001246912A
JP2001246912A JP2001039468A JP2001039468A JP2001246912A JP 2001246912 A JP2001246912 A JP 2001246912A JP 2001039468 A JP2001039468 A JP 2001039468A JP 2001039468 A JP2001039468 A JP 2001039468A JP 2001246912 A JP2001246912 A JP 2001246912A
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tire
cord
underlay
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tread
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Frank Philpott
フィルポ フランク
Laurent Colantonio
コラントニオ ローラン
Gia Van Nguen
ヴァン ヌギュエン ジァ
Alain Emile Francois Roesgen
エミル フランソワ ロエジァン アラン
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Goodyear Tire and Rubber Co
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Goodyear Tire and Rubber Co
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    • B60C9/18Structure or arrangement of belts or breakers, crown-reinforcing or cushioning layers
    • B60C9/20Structure or arrangement of belts or breakers, crown-reinforcing or cushioning layers built-up from rubberised plies each having all cords arranged substantially parallel
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランフラット動作中は著しい剛性を示すが標
準膨張動作中は最小剛性を示すランフラットタイヤを得
る。 【解決手段】 空気入りラジアルランフラットタイヤ
(200)は、トレッド(210)、ベルト構造(21
2)、カーカス(216)、およびベルト構造とカーカ
スとの間に配置されたアンダーレイ(234)を有す
る。カーカスは、2つのサイドウォール(226)、2
つのビード(220)および1つ以上のラジアルプライ
(222,224)を有する。タイヤは、アンダーレイ
がタイヤの赤道面に平行に揃えられたターンを有する補
強コード(236)を有し、このコードがしきい値より
も下の伸びでは無視できる弾性係数(“モジュラス”)
を示し、しきい値よりも上の伸びでは高いモジュラスを
示すことを特徴とする。アンダーレイはランフラット動
作中はタイヤを強化するが標準膨張動作中は強化しな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りラジアル
プライランフラットタイヤに関する。特に、本発明は、
ランフラット動作中はタイヤの剛性を増すが、標準膨張
動作中は剛性を増さない、ラジアルプライランフラット
タイヤのベルトとカーカス間の、改良型アンダーレイに
関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、典型的な従来技術のランフラッ
トタイヤの断面図、図5は、ランフラットモードで運転
する時の図4の従来技術のタイヤの底部のほぼ子午線断
面図である。
【0003】タイヤを交換できる所へ運転しながら、タ
イヤをそれ以上破損させることなくかつ車両のハンドリ
ングを加減することなく、空気を抜いたあるいは膨張不
足(フラット)タイヤの安全な継続動作を可能とするた
めのさまざまな方法が考案されてきている。タイヤ圧力
の損失は、タイヤとリム間のシールの劣化や釘のような
尖った物体によるタイヤのパンク等のさまざまな原因か
ら生じる。
【0004】空気を抜いたあるいは膨張不足状態で継続
動作を行うように設計された空気入りタイヤは、“拡張
移動性技術”タイヤすなわち“EMT”タイヤと呼ばれ
る。それらはフラットな状態で運転することができるの
で、“ランフラット”タイヤとも呼ばれる。ランフラッ
トタイヤは空気を抜いた状態で運転するように設計され
るが、従来の空気入りタイヤのサイドウォールおよびト
レッドは、空気が抜かれている間に車両荷重が掛かると
座屈する。ランフラットタイヤのサイドウォールおよび
内面は崩壊したり座屈したりすることがない。一般的
に、“EMT”および“ランフラット”という用語は、
タイヤが空気を抜いた状態で運転される時にタイヤ構造
だけで車両荷重を支持するのに十分な強度を有すること
を意味する。
【0005】ランフラットタイヤ設計を達成するために
さまざまな他の方法およびタイヤ構造が使用されてきて
いる。例えば、米国特許第4,111,249号は、カ
ーカスの下もしくはカーカス内に埋め込まれてトレッド
の下に配置された、固体高強度金属もしくは補強された
複合体の、典型的には15cm幅の環状圧縮バンド(フ
ープ)を有するランフラットタイヤを開示している。米
国特許第4,059,138号は、金属ハブ周りに、タ
イヤの空気が抜かれる時にカーカスの内部中央部を支持
する弾性のリングを有するランフラットタイヤを開示し
ている。
【0006】一般的に、ランフラットタイヤは崩壊もし
くは座屈しないように十分に剛性である補強されたサイ
ドウォールを内蔵している。このようなサイドウォール
は従来のタイヤよりも厚くより剛性であり、タイヤを修
理もしくは交換できるまで車両ハンドリングを加減する
ことなくタイヤの荷重を空気を抜いたタイヤで支えられ
るようにされている。サイドウォールの強化方法は、一
般的に断面三日月形を有する充填材である、楔形挿入物
(“挿入物”)を内蔵することを含む。このような挿入
物はカーカスのサイドウォール部の内周面内に配置さ
れ、それは荷重下で最大屈曲を受けるタイヤ内の領域で
ある。このようなランフラット設計において、サイドウ
ォール全体がビード領域の厚さに対応するほぼ均一な厚
さを有し、ランフラット支持剛性を提供するようにされ
ている。このようなタイヤのサイドウォールは、空気を
抜いた状態で動作する時に、サイドウォールの外側部分
は曲げ応力により引っ張られ、内側は相応して圧縮され
る正味の圧縮荷重を受けるが、特にタイヤのビード領域
とトレッドの地面接触部との間のサイドウォール中間の
領域においてそのようになる。
【0007】ランフラット動作中に(すなわち、不足膨
張で走行中に)、ランフラットタイヤのサイドウォール
を強化および補強するのに必要なゴムの大きな質量によ
る、サイドウォールの周期的な屈曲からの熱蓄積がタイ
ヤ故障の主要な原因であり、空気を抜いたタイヤが長時
間高速で運転される場合は特にそうである。標準膨張動
作中は、厚くされたランフラットタイヤのサイドウォー
ルの材料のヒステリシスが、その屈曲加熱、カーカス疲
労、およびローリング抵抗に寄与し、それにより車両の
燃料効率が低減する。挿入物の付加重量もランフラット
タイヤをハンドリングおよび搭載する際の欠点である。
【0008】一般的に、ランフラットタイヤ設計は各サ
イドウォール屈曲領域における1つ以上の楔形挿入物の
取付けに基づいている。楔形挿入物は、プライ構造と組
み合わせて、空気圧が無いランフラット動作中にサイド
ウォールに剛性を付加する。しかしながら、この方法
は、タイヤ重量の増加および、特にランフラット動作中
の挿入物内の熱蓄積を含むいくつかの欠点がある。さら
に、ランフラット動作中に曲げ応力がトレッドの地面接
触部へ伝達されて、トレッドの中央部を地面から上向き
に座屈させ、車両ハンドリングを悪化させランフラット
トレッド寿命を低減させる傾向がある。
【0009】補強したサイドウォールからの曲げ応力に
よりフットプリント(トレッドの地面に接触する部分)
は子午線のように曲がったプロフィールで上向きに座屈
する。フットプリントに隣接するトレッド部からの曲げ
応力により、フットプリントは周方向に曲がったプロフ
ィールで上向きに座屈する。
【0010】図4は、前述したPCT/US98/14
054と類似の従来技術の空気入りラジアルランフラッ
トタイヤ100の子午線断面図である。このタイヤ10
0は、トレッド110と、1つ以上のベルトを含むベル
ト構造(“ベルト”)112と、ベルト112上の織物
オーバレイ114と、タイヤの赤道面(EP)に平行に
巻き付けられる高モジュラスコード136(すなわち、
“アンダーレイコード”または“補強コード”)により
補強されたベルト112の下の織物アンダーレイ134
と、アンダーレイ134の下のカーカス116と、を有
する。カーカスは、2つの伸ばせない環状ビード120
と、内側ラジアルプライ122と、外側ラジアルプライ
124と、制限されたランフラット能力をタイヤ100
に与える内側楔形挿入物130および外側楔形挿入物1
32により各々が補強された2つのサイドウォール12
6と、を有する。PCT/US98/14054に従っ
て、ベルト112とプライ122,124との間の間隙
を広げることにより、アンダーレイ134は標準膨張動
作中のトレッドの強化を犠牲にしてランフラット動作中
にトレッドを強化する。
【0011】タイヤ100のサイドウォール領域内の構
造的補強は、ランフラット動作中に最小のサイドウォー
ル変形でタイヤの荷重を支持するために、サイドウォー
ル126の全体の厚さを実質的に増す。このようなラン
フラットタイヤ設計は標準膨張動作中に、理想的ではな
いが、適当な車両ハンドリングおよび性能を提供し、ラ
ンフラット動作中に適当なタイヤ寿命および車両ハンド
リングを提供する。ランフラットタイヤは、サイドウォ
ール内の補強材の付加重量により一般的に同等な非ラン
フラットタイヤよりも重い。この問題のある付加重量
は、より大きいサイドウォール内に、より大きい挿入物
が必要であるので、高プロフィールランフラットタイヤ
では、一般的により大きくなる。
【0012】理想的には、ランフラットタイヤの補強し
たサイドウォールは、標準膨張動作中は可撓性でなけれ
ばならず(対応するサイズの非ランフラットタイヤと同
じぐらい可撓性)、しかもランフラット動作中は剛性で
なければならない。しかしながら、それは従来の楔形挿
入物では達成できず、そのため楔形挿入物の剛性は中間
の折衷した値となるように設計され、標準膨張動作中は
最適剛性よりも大きくなりランフラット動作中は最適剛
性よりも小さくなる。
【0013】図5は、空気を抜いてランフラットモード
で運転している時の、タイヤの赤道面に沿った従来技術
のタイヤ300(図4の従来技術のタイヤ100と同
じ)の底部断面図である。判り易くするために、トレッ
ド310、ベルト312、オーバレイ314、およびア
ンダーレイ334のみが図示されている。フットプリン
ト344は、路面340と接触するトレッドの部分であ
る。
【0014】ランフラットモードにおいて、フットプリ
ント344の中央は、図示するように、周方向上向きに
座屈して地面から持ち上がる。それにより操舵安定性の
低下、逸脱運転、屈曲加熱、トレッド摩損および曲げ疲
労が生じる。フットプリントの内側湾曲は、フットプリ
ントの内面350を引張状態としフットプリントの外面
352を圧縮状態とし、その間に中立曲げ軸342があ
る。アンダーレイの剛性およびフットプリント曲げの急
峻さに応じて、中立曲げ軸342は、アンダーレイ33
4近くのベルト312内(図示するように)またはベル
ト312とアンダーレイ334の間において、ベルトの
圧縮抵抗がタイヤの剛性に殆どまたは全く寄与しないよ
うにすることができる。アンダーレイ334は中立曲げ
軸342の引張側にあり、タイヤの剛性に著しく寄与す
る。フットプリント領域内のオーバレイ314部分は中
立曲げ軸342の圧縮を受ける側にあり、織物にすぎな
いので、それに対してオーバレイ314は抵抗を与えず
したがってフットプリント領域内の剛性に寄与しない。
【0015】ランフラットモードでは、フットプリント
344のいずれかの側で、トレッド310は車両の重量
の下で急峻に曲がる(外向きに座屈する)。トレッドの
外側湾曲により内面360は圧縮され外面362は引っ
張られ、その間に中立曲げ軸342がある。この領域で
も、ベルト312は中立曲げ軸342上にあるので、そ
れらはタイヤ剛性に寄与しない。アンダーレイ334
は、それに対して抵抗を与えない中立曲げ軸342の圧
縮を受ける側にあり、したがってタイヤの剛性に寄与し
ない。この領域内のオーバレイ314は、それに対して
ある抵抗を与える中立曲げ軸342の引張を受ける側に
あるが、オーバレイ314は中立曲げ軸342に非常に
近いので剛性の寄与は無視できる。
【0016】標準膨張モードにおいて、フットプリント
344は路面340に対して平坦であり、アンダーレイ
334はランフラットモードよりは低いが顕著な応力を
受けており、ランフラットモードよりは低いが顕著なモ
ジュラスを示し、したがってランフラットモードよりは
低いが顕著な剛性に寄与し、不快なほど硬直した乗り心
地となる。アンダーレイコード336(不図示)の剛性
を低減して標準膨張モードを和らげると、ランフラット
モード剛性が劣化する。アンダーレイコード336を強
化してランフラットモード剛性を改善すると、標準膨張
モードの乗り心地の柔らかさが劣化する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】挿入物によりサイドウ
ォールを強化することに関連する前記問題点を減少させ
るために、トレッドの下の強化構造部材によりトレッド
を強化することによりタイヤ剛性を達成することができ
る。例えば、米国特許第4,459,167号および第
4,428,411号は、トレッドの下でカーカスの内
面上に“環状構造螺旋形コイル圧縮要素”を有するラン
フラットタイヤを開示している。この設計は標準膨張動
作中のタイヤの強化を犠牲にしてランフラット動作中に
タイヤを強化する。本発明と同じ譲受人の、1998年
7月7日に出願された、PCT特許出願PCT/US9
8/1405はタイヤの赤道面に平行な高モジュラスコ
ードにより補強された、ベルトとラジアルプライ間の、
織物アンダーレイを開示している。このアンダーレイ
は、ベルトとプライ間の間隙を広げることによりトレッ
ドを強化する。この設計も標準膨張動作中のタイヤの強
化を犠牲にしてランフラット動作中にタイヤを強化す
る。米国特許第4,456,048号は、その形状が曲
げ撓みの二重モジュラスを示す、タイヤのクラウン内に
“バンド”(フープ)を有するランフラットタイヤを開
示している。この形状は“スロット”により分離された
多数の“ランド”(プリズム)、“環状ファイバー”に
より接続された“V字型部材”、“ラジアルストラッ
ト” で補強された“波形環状ストリップ”、もしくは
“環状アンチクラスティック形状のバンド要素”のいず
れかとすることができる。この設計はランフラット動作
中だけタイヤを強化する(標準膨張動作中は強化しな
い)所望の効果を達成するが、この設計の製作コストは
手が出ないほど高い。
【0018】したがって、ランフラット動作中は著しい
剛性を示すが標準膨張動作中は最小剛性を示すランフラ
ットタイヤを有することが望ましい。それにより標準膨
張動作中はソフトな乗り心地が得られ、ランフラット動
作中はより剛性の支持が得られる。ランフラットおよび
標準膨張の両方の動作中に、良好なハンドリングが得ら
れローリング抵抗、熱およびタイヤの劣化が低減され
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明はトレッド、トレ
ッド下のベルト構造(“ベルト”)、カーカス、および
ベルトとカーカス間のアンダーレイを有する空気入りラ
ジアルプライのランフラットタイヤに関する。カーカス
は2本の伸びない環状ビード、ラジアルプライ構造およ
び各々が1つ以上の楔形挿入物により補強された2つの
サイドウォールを有する。このタイヤは、その赤道面に
平行に揃えられたターンを有する、ベルト下に周方向に
配置された巻き付け補強コードを有し、このコードは二
重弾性係数(“モジュラス”)−しきい値伸びより下の
無視できる(低いもしくはゼロ)モジュラスおよびしき
い値伸びより上の高いモジュラスを示し、好ましくは著
しい圧縮モジュラスを示す、ことを特徴としている。こ
のような特性を有するコードは“0度高伸びコード”と
も呼ばれる。アンダーレイは全体アンダーレイを形成す
るように螺旋状に巻きつけられた1本の連続コード、も
しくは不連続(ところどころ切れた)コードを有するこ
とができる。
【0020】標準膨張動作中に、アンダーレイはタイヤ
を強化せず、それは低い伸びにおいて低モジュラスを有
するからであり、アンダーレイの無い類似のタイヤに匹
敵するソフトな乗り心地が得られる。
【0021】ランフラット動作中に、フットプリント
(トレッドの地面と接触する部分)のいずれかの側のト
レッドが外側に座屈して、トレッドの外面は引っ張られ
内面は圧縮され、その間に“中立曲げ軸”がある。アン
ダーレイは中立曲げ軸の内部圧縮側にあるので、著しい
圧縮モジュラスを示し、したがってフットプリントのい
ずれかの側のトレッドが強化される。フットプリントは
周方向上向きに座屈して、フットプリントの外面は圧縮
され内面は引っ張られ、その間に“中立曲げ軸”があ
る。アンダーレイは中立曲げ軸の内部引張側にあるの
で、高いモジュラスを示し、したがってフットプリント
におけるトレッドを強化する。
【0022】要約すれば、アンダーレイはランフラット
動作中はタイヤを強化するが、標準膨張動作中は強化し
ない。ランフラット動作中は、それにより曲げ摩損およ
び熱が低減され、地面接触が改善される。標準膨張動作
中は、それによりソフトな乗り心地が得られる。
【0023】アンダーレイ内に二重モジュラスコードを
採用することにより製作が単純化されるので、アンダー
レイは、グリーンカーカスが広げられてアンダーレイと
係合される時にグリーンカーカス周りに容易に伸展され
る。
【0024】(定義)“ビード”は、タイヤをリムに保
持した状態で結合された環状の引張部材を意味する。ビ
ードはプライコードにより被覆されて形作られ、フリッ
パ、チッパ、エイペックスまたはフィラー、トウガード
およびチェーファーのような他の補強部材を有すること
もあれば、有しないこともある。
【0025】“ベルト構造”は、トレッドの下に存在
し、ビードに固定されておらず、タイヤの赤道面に対し
て18°から30°の範囲の左および右のコード角を有
する織物または不織布の平行なコードの少なくとも2つ
の環状の層すなわちプライを意味する。
【0026】“カーカス”は、ベルト構造およびトレッ
ドと離れたタイヤ構造を意味する。その主構成要素はサ
イドウォール、プライおよびビード領域である。
【0027】“周方向”は、最も頻繁には軸線方向に垂
直な環状トレッドの表面の周囲に沿って延びている円形
ラインまたは方向を意味する。それは、断面から見て、
その半径がトレッドの軸線方向曲率を規定する1組の隣
接円曲線の方向を示すこともある。
【0028】“コード”は、タイヤのプライおよび他の
コード補強構成要素が構成される補強撚り糸の1つを意
味する。
【0029】“赤道面”は、タイヤの回転軸線に垂直で
そのトレッドの中心を通る平面、またはトレッドの周方
向中心線を含む平面を意味する。
【0030】“フットプリント”は、速度が零でかつ標
準荷重および空気圧下において平坦な面と接触するタイ
ヤトレッドの接触領域を意味する。
【0031】“グリーンカーカス”は、ベルト構造およ
びトレッドを取り付ける前の未硬化タイヤカーカスを意
味する。
【0032】“楔形挿入物”または“挿入物”は、典型
的にランフラット型タイヤのサイドウォールの補強に使
用される断面三日月型または楔形補強材を意味する。
【0033】“子午線方向”は、軸線方向に平行な方
向、特に、タイヤの軸線を含む平面内にある横方向に配
置された曲線のことである。
【0034】“標準膨張動作”または“標準膨張モー
ド”は、タイヤの使用条件についての適切な標準化機構
によって決められた膨張圧および荷重下でのタイヤ使用
を意味する。
【0035】“プライ”は、ゴム被覆され半径方向に配
置されたコード補強層または平行なコードを意味する。
【0036】“半径方向の”および“半径方向に”は、
タイヤの回転軸線に半径方向に向かうかタイヤの回転軸
線から半径方向に離れる方向を意味する。
【0037】“ラジアルプライ構造”は、少なくとも1
つのプライがタイヤの赤道面に対して65°から90°
の間の角度をなす補強コードを有する1つ以上のカーカ
スプライを意味する。
【0038】“ラジアルプライタイヤ”は、少なくとも
1つのプライがビードからビードへ延びタイヤの赤道面
に対して65°から90°の間のコード角度で配置され
たコードを有する、ベルトが巻かれ、または周方向に制
限された空気入りタイヤを意味する。
【0039】“ランフラット動作”または“ランフラッ
トモード”は、空気を抜いて運転されている時のタイヤ
の使用を意味する。
【0040】“サイドウォール”はトレッドとビードと
の間のタイヤの部分を意味する。
【0041】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0042】図1は、本発明を内蔵するランフラットタ
イヤの断面図、図2は、ランフラットランフラットモー
ドで運転する時の図1のタイヤの底部の略子午線断面
図、図3は、荷重下の梁の斜視図である。
【0043】図面は説明用であって、制約的意味合いは
ない。ある図面のある要素は判り易くするために縮尺ど
おりとはされないことがある。
【0044】図面において、各参照番号の下二桁は、同
じ要素は通常同じ参照番号で示されている。例えば、図
1の要素234、図4の要素134、および図5の要素
334は対応するまたは実質的に同じ要素を示す。
【0045】異なる図面に現れる同じ要素には通常全て
の図面をとおして同じ参照番号が与えられている。
【0046】1つの図面内で、同じ要素に同じ番号が割
り当てられてもよい。例えば、同じタイヤの両方のビー
ドに同じ番号が割り当てられてもよい。
【0047】判り易くするために、断面図は“近視”断
面図として真の断面図ならば見えるある背景ラインが省
かれてもよい。
【0048】添付図と共に下記の説明を読めば、本発明
の構造、動作、および利点がさらに明らかになる。
【0049】(実施例)図1は、本発明の空気入りラン
フラットタイヤ200の子午線断面を示し、図4の従来
技術のランフラットタイヤと同様な構造であるが、異な
るタイプのアンダーレイを有する。このタイヤ200
は、トレッド210と、1つ以上のベルトを含むベルト
構造(“ベルト”)212と、タイヤの赤道面(EP)
に平行に巻き付けられる1本以上のコード236(すな
わち、“アンダーレイコード”または“補強コード”)
により補強されたベルト212の下のアンダーレイ23
4と、カーカス216と、を有する。カーカスは2つの
伸ばせない環状ビード220と、インナーラジアルプラ
イ222,アウターラジアルプライ224等の1つ以上
のプライと、タイヤ剛性に寄与する内側楔形挿入物23
0,外側楔形挿入物232等の1つ以上の挿入物により
各々が補強された2つのサイドウォール226と、を有
する。本発明のタイヤはオーバレイを有することができ
るが、オーバレイは本発明に必要なものではなく好まし
い実施例には図示されていない。
【0050】タイヤ200は、引っ張られると二重の弾
性係数(“モジュラス”)を、すなわち、しきい値伸び
よりも下の無視できるモジュラスおよびしきい値よりも
上の高モジュラスを示し、かつ圧縮されると必ずしも高
くは無いが顕著なモジュラスを示すアンダーレイ補強コ
ード236を有することを特徴としている。アンダーレ
イ補強コード236の折返しはタイヤの赤道面にほぼ平
行でありゴムマトリクス内に埋め込まれる。
【0051】二重モジュラス能力はさまざまな任意の方
向で達成することができる。例えば、コードを本質的に
二重モジュラスを有する材料で作ることができる。ある
いは、コードを単一鞘内の高モジュラス撚り糸および短
い低モジュラス撚り糸で作ることができる。二重モジュ
ラスコードのもう1つの設計として、米国特許第5,4
19,383号は高モジュラス有機撚り糸および短い低
モジュラス有機撚り糸が一緒に撚り合わされたベルトコ
ードを有するタイヤを開示している。(この設計はラン
フラット能力を提供せず、かつコードがベルトの下では
ない点で、本発明とは異なる)。同様に、米国特許第
5,558,144号は一緒に撚り合わされた有機低モ
ジュラス糸および有機高モジュラス糸を有する、“ブレ
イカベルト”の半径方向外側の、ジョイントレス“バン
ドベルト” を開示している。(この設計はランフラッ
ト能力を提供せず、“バンドベルト”が“ブレイカベル
ト”の下ではなく、かつその低モジュラス動作が標準膨
張動作において明白には機能しない点で本発明とは異な
る)。同様に、米国特許第4,877,073号は2本
の糸を有し、一方の糸は第1の方向に捩り合わされるこ
ともあれば捩り合わされないこともあり、他方の糸は反
対方向に撚り合わされている、二重モジュラス非金属ケ
ーブルであって、このケーブルは最大撚りを有する糸の
捩じれとは反対方向に捩じられているケーブルを有する
オーバレイプライを開示している。(この設計はランフ
ラット能力を提供せず、ケーブルがベルトの下ではない
点において本発明とは異なる)。同様に、本発明と同じ
譲受人の99年5月に出願されたPCT/US99/1
1081は、高モジュラスコードが巻き付けられた低モ
ジュラスコア材料を含む、ランフラットタイヤの最外部
プライ内で使用する可変モジュラスコードを開示してい
る。
【0052】アンダーレイ234は、横方向インチ当た
り典型的に8から18ターンのコード236を有し、こ
のコードは典型的に0.35から1.50mm間隔がと
られている。コード236は典型的に円形または多角形
断面形状であり、断面直径は典型的に0.65から1.
85mmである。各コード236のモジュラスは典型的
に0.5〜3%(好ましくは、1〜2%)の下しきい値
伸びよりも下では5000Mpaよりも小さく、典型的
に1〜3%の上しきい値伸びよりも上では80,000
〜210,000Mpa(好ましくは、90,000〜
150,000Mpa)である。コード236の環状タ
ーンは互いに平行であり、赤道面に対して典型的に0〜
5°に揃えられている。コード236のターンは、通常
のブレイカ被覆等の、グリーンゴム内に埋め込まれてい
る。
【0053】コード236の材料はポリマーまたは金属
または両方の組合せとすることができる。鋼線(モノフ
ィラメント)またはケーブルは真っ直ぐではない形状
(コイルまたはジグザグ)に予め形成されると所要の二
重モジュラス特性を示すことができ、低い伸びでは低モ
ジュラスを示し真っ直ぐな形状に伸ばされると高モジュ
ラスを示す。一緒に撚り合わされたモジュラスの異なる
線フィラメントの3本の撚り糸からなるコード236
は、本発明で使用するのに良好な二重モジュラス特性を
もたらすことが判っている。
【0054】本発明のタイヤ200の製作工程中に、ア
ンダーレイ234は周方向螺旋巻層としてベルト212
とグリーンカーカス216との間に装着される。次に、
グリーンカーカス216は、膨らまされ、アンダーレイ
234、ベルト212およびトレッド210と係合して
完成されたグリーンタイヤ200を形成する。得られた
グリーンタイヤ200は次に硬化用モールド内で膨らま
される。
【0055】図1に示すこの実施例は2つのプライ22
2,224を有するが、それよりも多いまたは少ないプ
ライを有することも本発明の範囲内である。この実施例
は各サイドウォール226内に2つの楔形挿入物23
0,232を有するが、それよりも多いまたは少ない楔
形挿入物を有することも本発明の範囲内である。この実
施例のコード236は二重モジュラスを示すが、コード
236が標準膨張モードにおいて無視できるモジュラス
を示しランフラットモードにおいて高モジュラスを示す
限り、コード236が3つ以上のモジュラスレベルを示
すこともさらには滑らかに変化するモジュラスを示すこ
とも本発明の範囲内である。この実施例のアンダーレイ
234は、螺旋巻きされて全体のアンダーレイ234を
形成する1本の連続コード236を含んでいるが、コー
ド236が不連続(ところどころ切れている)であるこ
とも本発明の範囲内である。この実施例のアンダーレイ
234は1層であるが、1つの長いプライ材料または別
々の長さのプライ材料から形成された、多数の半径方向
に重畳する層により構成することができ、重畳する層の
コードはその積重ね密度を高くするために互いに重畳さ
れる(コードの上にコード)または挿し込まれる(“五
つ目型”;各コードが下層内の2本のコード間のスペー
ス上に配置される)向きとすることができる。アンダー
レイ幅は、ブレイカパッケージ幅よりも大きいまたは狭
いまたは等しくすることができる。複合挿入物をアンダ
ーレイとブレイカパッケージ間に置くことができる。
【0056】(動作原理)本発明の動作原理は、図3に
示すように、曲げ応力下の細長い構造に関する下記の一
般的原理に基づいている。図3はその中央において荷重
Lから曲げ応力を加えられた状態でその2つの端部にお
いて2つのサポートAおよびB上に静止する細長い構造
梁500を示す。頂上フランジ572を含む梁500の
全体上部は圧縮され、底部フランジ574を含む梁50
0の下部は引っ張られる。中立曲げ軸542は圧縮部と
引張部間の境界である。中立曲げ軸542に沿って圧
縮,引っ張りいずれの応力もない。
【0057】梁500のような細長い構造部材は、圧縮
側の材料が増大された圧縮モジュラスを有するかまたは
引張側の材料が増大された引張モジュラスを有する場合
に強化される。図5および図2に示すように、この原理
は本発明の動作原理を説明するのに使用される。
【0058】図2は、空気を抜いてランフラットモード
で運転される時の、タイヤの赤道面に沿った、本発明の
タイヤ400(図1のタイヤ200と同じ)の底部断面
図である。判り易くするために、トレッド410、ベル
ト412およびアンダーレイ434のみが図示されてい
る。フットプリント444は、トレッドの路面440に
接触する部分である。
【0059】二重モジュラスであることが可能であるの
で、コード436(不図示)は、高い伸びの下で従来技
術のコード336(不図示)よりも遥かに剛性で設計さ
れ、低い伸びの下で従来技術のコード336よりも柔軟
に設計されることができる。
【0060】ランフラットモードにおいて、フットプリ
ント444は周方向上向きに座屈して、それに対向する
タイヤの内側450を引っ張り状態としそれに沿ったタ
イヤの外面452を圧縮状態とし、中立曲げ軸442は
その間にあり、ベルト412とアンダーレイ434との
間の境界にほぼ沿っている。アンダーレイ434は、高
引張領域内にあり高い引張モジュラスを示すので、フッ
トプリント領域を強化する。
【0061】フットプリント444のいずれかの側で、
トレッドの外側湾曲はトレッドの内面460を圧縮状態
とし外面462を引っ張り状態とし、中立曲げ軸442
はその間にある。アンダーレイ434は、中立曲げ軸4
42の内部圧縮側にあり著しい圧縮モジュラスを示すの
で、フットプリント444のいずれかの側のトレッド4
10を強化する。
【0062】要約すると、ランフラットモードにおい
て、アンダーレイ434はタイヤ400をフットプリン
ト領域およびフットプリントのいずれかの側の両方で強
化する。
【0063】標準膨張動作において、フットプリント4
44は路面に対して平坦でありフットプリント444の
いずれかの側のトレッドは著しく曲げられることがな
く、アンダーレイ434は無視できる応力状態であり無
視できるモジュラスを示すので、剛性には寄与せず、ソ
フトな乗り心地が得られる。
【0064】要約すると、二重モジュラスアンダーレイ
434は、ランフラット動作中にタイヤを強化するが、
標準膨張動作中には強化しない。ランフラット動作中に
は、この特別な剛性がタイヤの撓み応力をタイヤ周辺に
分布させて、ローリング抵抗、疲労、摩損および屈曲に
よる熱を低減させ、地面接触をより安定な乗り心地に改
善する。標準膨張動作中には、剛性の欠落がよりソフト
な乗り心地を生じ、屈曲による破損および熱を少なくす
る。また、アンダーレイ434により寄与される特別な
剛性は、より薄くかつ/またはより少ない楔形挿入物を
使用させることを可能にし、したがって重量、コストお
よび屈曲熱を低減させる。
【0065】また、アンダーレイに対してグリーンカー
カスを広げる時に二重モジュラスコードをグリーンカー
カス周りに容易に伸展することができるので、ベルト構
造412とカーカス416間に二重モジュラスコード4
34を採用すると製作が簡単になる。
【0066】実施例について本発明を説明してきたが、
当業者ならば上述の教示に照らして多くの代案、修正、
および変更が明白であることが自明であろう。したがっ
て、本発明はこのような代案、修正、および変更は全て
本特許請求の範囲の精神および範囲に含まれるもの積も
りである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を内蔵するランフラットタイヤの断面図
である。
【図2】ランフラットランフラットモードで運転する時
の図1のタイヤの底部のほぼ子午線断面図である。
【図3】荷重下の梁の斜視図である。
【図4】典型的な従来技術のランフラットタイヤの断面
図である。
【図5】ランフラットモードで運転する時の図4の従来
技術のタイヤの底部のほぼ子午線断面図である。
【符号の説明】
100,200,300,400 空気入りラジアル
ランフラットタイヤ 110,210,310,410 トレッド 112,212,312,412 ベルト構造 114,314 オーバレイ 116,216 カーカス 120,220 環状ビード 122,222 内側ラジアルプライ 124,224 外側ラジアルプライ 126,226 サイドウォール 130,230 内側楔形挿入物 132,232 外側楔形挿入物 134,234,334,434 アンダーレイ 136,236,336,436 コード 340,440 路面 342,442,542 中立曲げ軸 344,444 フットプリント 350,450 フットプリント内面 352,452 フットプリント外面 360,460 タイヤ内面 362,462 タイヤ外面 500 構造梁 572 頂上フランジ 574 底部フランジ EP 赤道面 A,B サポート
フロントページの続き (71)出願人 590002976 1144 East Market Stre et,Akron,Ohio 44316− 0001,U.S.A. (72)発明者 フランク フィルポ リュクサンブール国 エル−5465 ヴァル ドブレディミュ ル ド プリンシパル 2 (72)発明者 ローラン コラントニオ ベルギー国 ビー−6600 コブル 55 (72)発明者 ジァ ヴァン ヌギュエン ベルギー国 ビー−6730 ロシニョール 243 ル デ エコール (72)発明者 アラン エミル フランソワ ロエジァン リュクサンブール国 エル−2175 ル ア ルフレ ド ミュセ 11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド(210)と、ベルト構造(2
    12)と、2つのサイドウォール(226),2つのビ
    ード(220)および少なくとも1つのラジアルプライ
    (222)を含むカーカス(216)と、カーカス(2
    16)とベルト構造(212)との間に配置されたアン
    ダーレイと、を有する空気入りラジアルプライタイヤ
    (200)において、 該タイヤ(200)は、 ベルト構造(212)とカーカス(216)との間に配
    置され、タイヤの赤道面(EP)にほぼ平行に巻き付け
    られた1本以上の補強コード(236)を有するアンダ
    ーレイ(234)を有し、 前記補強コード(236)はしきい値伸びよりも下では
    無視できるモジュラスを示し、しきい値伸びよりも上で
    は高いモジュラスを示し、それにより前記アンダーレイ
    (234)は標準膨張動作中はトレッドを実質的に強化
    しないがランフラット動作中はトレッドを強化する、こ
    とを特徴とする空気入りラジアルプライタイヤ(20
    0)。
  2. 【請求項2】 前記コード(236)は0.5〜3%の
    下しきい値伸びよりも下では5,000Mpaよりも小
    さい引張モジュラスを有し、1〜3%の上しきい値伸び
    よりも上では80,000〜210,000Mpaの引
    張モジュラスを有する、請求項1記載の空気入りラジア
    ルプライタイヤ(200)。
  3. 【請求項3】 前記コード(236)は予め真っ直ぐで
    はない形状とされたスチールモノフィラメントまたはコ
    ードである、請求項1記載の空気入りラジアルプライタ
    イヤ(200)。
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