JP2001246505A - 切削工具 - Google Patents

切削工具

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JP2001246505A
JP2001246505A JP2000057783A JP2000057783A JP2001246505A JP 2001246505 A JP2001246505 A JP 2001246505A JP 2000057783 A JP2000057783 A JP 2000057783A JP 2000057783 A JP2000057783 A JP 2000057783A JP 2001246505 A JP2001246505 A JP 2001246505A
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cutting
cutting tool
chip
fixing
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JP2000057783A
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Katsuhiko Wada
勝彦 和田
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造で強固にチップを挟持することがで
きる。 【解決手段】柱状のホルダ先端に形成した曲面状先端面
より先方に突出し、少なくとも2つ切削コーナーを有す
るスローアウェイチップが載置されている幅細の下顎部
と、この下顎部と協同して前記スローアウェイチップを
挟持するための上顎部を備えた押え手段とを有する切削
工具であって、前記切削工具は、前記スローアウェイチ
ップの奥側の少なくとも1つの非切削コーナーが前記曲
面状先端面もしくはその近傍に位置付けられていること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、柱状のワークを切
断(分断加工)したり、或いはワークの外周もしくは内
周に周溝を形成(溝入れ加工)するために用いる切削工
具に関する。
【0002】
【従来の技術】分断加工や溝入れ加工に使用する切削工
具としては、図8に示すように先端上面に切刃31を備
えたチップ32の後端部を押え板33でもってホルダ3
4の先端横面に凹設したチップ座部35に圧接固定する
タイプの切削工具30が、従来から用いられている。
【0003】この種の切削工具30は、チップ座部35
の背面36側が機械から露出するように設置されている
ので、上記背面36から固定ネジ37を挿入し、押え板
33に設けたネジ孔38と固定ネジ37の先端部螺着す
ることにより、押え板33をチップ座部35に圧接固定
するようになっていた。
【0004】ところが、上記従来の切削工具30は押え
板33と固定ネジ37が前記ネジ孔38内でのネジ溝孔
38近傍の非常に狭い領域のみにしか作用しないため、
チップを圧着固定する力が部位により不均一に伝わり、
チップ32の固定が不安定となり、高荷重の切削に際し
ては、ビビリ振動や、それによるチップ32やホルダ3
4の破損の原因となるなどの問題点があった。
【0005】一方、分断加工や溝入れ加工に使用する切
削工具にあっては、分断できるワークの径やワークに対
する溝入れ深さ(有効加工量)はホルダ34からのチッ
プ32の突出量で決まるため、上記従来の切削工具30
の場合には、チップ32の長さに比べて有効加工量も少
ないのが現状である。とりわけ複数の切削コーナーを有
するチップの場合にはなおさらこの傾向が現れていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の問題に
鑑み、本発明は、柱状のワークを切断したり、或いはそ
の外周もしくは内周に周溝を形成するために用いる切削
工具において、チップ固定力が大きく、ビビリ振動が発
生し難いことを特徴とする切削工具を提供することを課
題とする。
【0007】また本発明は、複数の切削コーナーを有す
るチップを使用する場合であっても、チップの長さに対
して十分大きな有効加工量が得られる切削工具を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
した発明は、切削工具が、柱状のホルダ先端に形成した
曲面状先端面より先方に突出し、少なくとも2つ切削コ
ーナーを有するスローアウェイチップが載置されている
幅細の下顎部と、この下顎部と協同して前記スローアウ
ェイチップを挟持するための上顎部を備えた押え手段と
を有する切削工具であって、上記切削工具は、前記スロ
ーアウェイチップの奥側の少なくとも1つの非切削コー
ナーが前記曲面状先端面上もしくはその近傍に位置づけ
られていることを特徴とする。
【0009】この請求項1の発明では、ホルダー先端に
形成した下顎部と押え手段に形成した上顎部とで少なく
とも2つ切削コーナーを有するスローアウェイチップを
挟持する場合に、奥側の非切削コーナーの位置とホルダ
先端に形成した曲面状先端面との位置関係を規定するこ
とで、スローアウェイチップの長さに対して十分大きな
有効加工量を確保しつつ、チップを強固に挟持するもの
である。
【0010】ここで、非切削コーナーとは、スローアウ
ェイチップに切削コーナーを複数形成した場合に、ホル
ダに挟持した状態で切削に寄与しない側の切削コーナー
を意味する。また奥側というのは、スローアウェイチッ
プを挟持する顎部の付け根側を意味する。
【0011】上記したような位置関係により得られる有
効性について、その作用を説明する。
【0012】分断加工や溝入れ加工に使用する切削工具
にあっては、分断できるワークの径やワークに対する溝
入れ深さ(有効加工量)はホルダからのチップの突出量
で決まるため、少しでもチップ全体を顎部の突出部分で
挟持するようにしたい。しかしながら、顎部の突出量を
多くすれば、顎部の強度が低下するためのその分厚みを
大きくする必要がでてくる。この場合、挟持するスロー
アウェイチップ以上に厚くすることは、有効加工量を小
さくすることともなりできない。
【0013】そこで、本発明のホルダは、その先端部を
曲面状の面を形成し、その面より下顎部を突出させるこ
とで、下顎部のホルダ先端面からの突出量を可能な限り
少なくすることができ、挟持強度を低下させることなく
スローアウェイチップ程度の厚みに抑えることが可能と
なる。しかもスローアウェイチップの奥側の非切削コー
ナーを、下顎部が該下顎部と隣接する先端面とでできる
円弧状の交差稜の延長線上もしくはその近傍に位置づけ
ることで、スローアウェイチップの長さを最大限活かす
ことができるため、丁度このような位置関係が確実にな
されるように、ホルダに位置決め手段を設けているもの
である。
【0014】しかも先端面が曲面状の面であるため、加
工中に、回転するワークを先端面ギリギリまで接近させ
ることが可能となる。その結果、切削工具の有効加工量
を最大限に確保することが可能となる。
【0015】なお、この位置決め手段として先端面より
後方に形成したストッパ手段で行えば、ワーク加工中
も、非切削コーナーを有効に保護できるためことが可能
となる。
【0016】以下図面を使用して、本発明を具体的に説
明する。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本実施形態の本発明に係る
切削工具の分解斜視図である。全体として1で示す切削
工具は、角柱状ホルダ(以下ホルダと略称する)2と押
え手段としての押さえ金具6、およびこの押さえ金具6
をホルダ2に固定するための固定ネジ8,8’とから構
成されている。
【0018】ホルダ2は焼き入れした工具鋼や超硬など
から形成されており、切削加工機本体に取り付けるため
のシャンク部Sと切刃を有する交換自在なチップ5を取
り付けるための固定部Lからなっている。
【0019】固定部Lは、その側面がシャンク部Sの側
面100より平面状の段差面101、同じく平面上の押
え金具取付面102を有した凹部Pを形成し、押え金具
6を取り付けるポケットとしている。そしてこの凹部P
には、押え金具6を取り付けるためのネジ孔10,1
0’が形成されている。そしてこの2つのネジ孔10,
10’の間には、ややネジ孔10寄りに溝部Fが形成さ
れている。この溝部Fよりネジ孔10側が第1の固定面
41として、ネジ孔10’側第2の固定面42として機
能させるものである。この押え金具6の取り付け方法に
ついては後述する。
【0020】固定部Lの図中左側、即ち切削工具のチッ
プ5を取り付ける側の先端面(以下単に先端面と略称す
る)103は、円筒面の一部をなす曲面状に形成され、
固定部上面104とで形成される辺稜105よりも下方
側へ行くに従ってより前方へ突出させている。また先端
面103の図中左側面106は、分断加工時に使用する
サブスピンドルとの干渉を防止する目的から斜めにカッ
トされている。
【0021】更に、固定部Lの先端下方側には、側面部
よりチップ5を押え金具6に形成した上顎部6aと共に
挟持するための下顎部2aが設けられている。この両顎
部6a,2aの幅はチップ5と同じ幅を有している。こ
こでチップ5の幅とは切刃部C、C’以外の本体部分の
幅[図3(b)中の符号t]を意味する。
【0022】下顎部2aは図1に示されているように、
略L字を横に寝かせたような形状をしており、チップ5
を載置するチップ載置部21と、チップ載置部21の奥
側上部にチップ5を所定位置に位置づけるための位置づ
け手段としのストッパ手段22とを有している。チップ
載置面24は山形状をしており、後述するチップ5の下
面に形成したV字状の凹部とガタ無く係合できるような
対応した載置面を形成している。またストッパ手段22
は、チップ5の後端面と当接するストッパー面23を有
しており、このストッパー面23にチップ5の後端面を
当接させたとき、チップ5の先端面下端側が下顎部2a
の先端と一致するような関係で、ストッパー面23を位
置付けている。そしてストッパ手段22とチップ載置部
21との間のコーナーには、下顎部2aに応力が作用し
た際に、亀裂が生じないように応力分散のための穴を形
成している。
【0023】かくして下顎部2aは、図2(a)に示し
たように、下方側に突出させた円筒面状の先端面103
を利用して、固定部Lからの突出量を極力抑えること
で、下顎部2a全体の剛性を高め、載置するチップ5と
同様の薄い肉厚とすることを可能にしている。しかも下
顎部2aのチップ5を載置するチップ載置面24を傾斜
させ、下顎部2aの根元側の高さが低くなる場合であっ
ても、上述した先端面103の存在により十分な剛性を
確保することができている。
【0024】次に図1に戻り押え金具6について説明す
る。
【0025】押え金具6は全体として板状であり、図に
示されたような特異な形状に形成されている。具体的に
は、押え金具6は、図中左側より第1の固定部61、ス
リット6b、第2の固定部62、上顎部6aからなり、
焼き入れした工具鋼などの高硬度材料を使用して形成さ
れている。
【0026】そして、第1の固定部61、第2の固定部
62には、固定ネジ8,8’のネジ部のみを貫通させる
貫通孔7、7’が形成されている。そしてこの貫通孔
7、7’の開口側内面形状は、後述するネジ頭11,1
1’としての皿部に対応させると共に、幾分(後述する
偏心量dを考慮した分だけ)大きく形成している。
【0027】この押え金具6の幅lは前述したホルダ2
の凹部Pに形成した段差面101の幅と実質上同一の幅
を有しており、また高さhはホルダ2の高さと実質上同
一の高さを有している。その結果、押え金具6をホルダ
2に取り付けた状態で、ホルダ2の上面および側面と一
体化する形状に形成されている。
【0028】なお、貫通孔7’を形成した第2の固定部
62表面は、第1の固定部61表面よりも幾分肉厚が薄
くなるよう加工が施されている。この理由は、固定ネジ
8’を締め付けた際にネジ頭11’表面がこの肉厚を薄
くすることで、押え金具6の表面より、より内側に設定
でき、後述するチップ5の交換時に固定ネジ8’を弛め
た場合にも押え金具6の表面から突出させることがない
からである。
【0029】一方、押え金具6の先端上部は、高さhよ
りも小高く形成し、この部分より前方に突出させた上顎
部6aを有している。この上顎部6aの幅は、前述した
下顎部2aと同様にチップ5の幅に一致する様、押え金
具6の幅lよりも幅細に形成されている。
【0030】この上顎部6aは、前述した下顎部2aと
協同してチップ5を挟持するクランプ機構を形成するも
のである。具体的には、上顎部6a下面は山形状をして
おり、後述するチップ5の下面に形成したV字状の凹部
とガタ無く係合できるような対応したチップ押圧面65
を形成して、スリット6bおよび第2の固定部62を利
用して、下顎部2a側への移動を実現し、この移動によ
りチップ5を下顎部2aとで挟持するものである。
【0031】このため、上顎部6aにはチップ5を挟持
させるための強い作用力が加えられるが、以下に説明す
る構成により、上顎部6aの剛性を高め解決している。
具体的には、上述したように下顎部2aのチップ載置面
24を傾斜させたことにより、上顎部6aの押圧面65
を傾斜させることができ、その結果、上顎部6aは根元
ほど高さを大きくすることができ、しかも、上顎部6a
を押え金具6の上面よりも小高く形成した部分より突出
させていることとも作用し、この根元部分の剛性は特に
大きくさせることができている。なお、この上顎部6a
並びに下顎部2aのチップ押圧面65およびチップ載置
面24に形成した傾斜角は概ね5度〜20度の範囲であ
ることが望ましい。この理由は上記傾斜角が5度未満の
場合、上顎部6aの根元部分の高さを大きくできず、上
顎部6aの強度が小さくなる傾向がある。他方、上記傾
斜角が20度を超えると、上顎部6aによりチップ5を
押圧する力が横方向に分散され、チップ5をの拘束力が
低下する恐れがあるからである。
【0032】かくして、上顎部6aのチップ挟持部分を
チップ5と同じような薄い幅とすることができている。
【0033】なお、上顎部6aの下方側根元には、第2
の固定部62の先端面よりも後方側に窪み66を形成し
ている。この窪み66は、挟持するチップ5の他方の切
刃部C’を保護するためのものである。
【0034】次に固定ネジについて説明する。
【0035】押え金具6を固定部Lに固定するために使
用する固定ネジ8(第1固定ネジ),8’(第2固定ネ
ジ)は、共にネジ頭が皿状になった皿ネジである。第1
固定ネジ8は押え金具6をホルダ2の固定部Lに強固に
固定させるため固定ネジであり、第2固定ネジ8’はチ
ップ5を挟持させたり、交換時にチップ5を開放するた
めに使用する固定ネジとして機能させるものである。そ
のため、図2(a)(b)に示されるように、特に第2
固定ネジ8’はネジ頭のみならずネジ端部側にもネジの
締め付けや開放を行うための穴、具体的には、この実施
例では六角形の穴があけられている。
【0036】本発明に使用するチップ5は、幅狭の略四
角柱状をしたものであり、上面の先端及び後端側それぞ
れに、切刃稜5aとこれに連続するすくい面5bが形成
された切刃部C、C’を有する、両刃使いのチップとな
っている。即ち、一方の切刃部Cが使用により寿命がく
ると、他方の切刃部C’が使用できるという経済的なも
のである。
【0037】このチップ5の上面および下面はV字状に
形成されており、ホルダ2の下顎部2aの載置面および
押え金具6の上顎部6aに備えた押圧面65の形状と対
応させ、チップ5を強く確実に挟持できる様になってい
る。なお、このV字角度は、使用するチップの材料によ
っても相違するが、チップの大きさや靱性、脆性を考慮
し、概ね90〜150°程度の範囲で任意に設定すれば
よい。
【0038】上記押え金具6の固定方法は次の通りであ
る。まずホルダ2の固定部Lに形成した第1の固定面4
1にのみ接着剤を塗布する。そして固定部Lに押え金具
6を貼り付け、第1固定ネジ8を貫通孔7に通してネジ
孔10に締め付け、押え金具6を固定部Lに固着させ
る。
【0039】このとき、図4に示したように、固定部L
のネジ孔10の中心と、貫通孔7の中心とは偏心距離d
だけずらして形成させている。具体的には押え金具6の
貫通孔7の中心よりも、第1固定面41のネジ孔10の
中心は偏心距離dだけ段差面101側にずれている。そ
のため、図5に示したように、第1固定ネジ8を締め付
けると皿状になったネジ頭11の下面が貫通孔7に作用
し、前記貫通孔7とネジ孔10との中心を一致させるよ
うに、押え金具6を偏心方向、即ち段差面101側へ押
し付けることとなる。かくして押え金具6の後側面6c
と段差面101が密着し、しかも接着剤により押え金具
6とホルダ2とは強固に固着させることが可能となる。
【0040】なお、使用する接着剤の量は、固着時に押
え金具6からはみ出さない程度の少ない量でよい。また
接着剤としては、嫌気性の液状時間硬化型接着剤、二液
混合型アクリル性瞬間接着剤などを使用できる。このと
き、接着剤を多く使用し、第2の固定面42側まで流出
してしまうと、チップ5の固定乃至は開放のために使用
する押え金具6の第2の固定部62をも接着させてしま
うことともなりかねないため、この実施例では、スリッ
ト6bよりも幾分第1の固定面41側に溝部Fを形成
し、流出した接着剤を食い止めるようにしている。
【0041】また、前記偏心距離dは、押え金具6の後
側面6cが段差面101へ押圧させるための力が作用す
る程度の偏心距離であればよく、この実施例では4mm
のネジ孔に対して0.2〜0.5mm程度偏心させてい
る。この偏心量はネジの大きさによっても当然相違する
ものであるが、大きすぎる場合、ネジを最後まで締め付
けることができなくなり、固定部Lより突出させた状態
となるので好ましくない。逆に小さ過ぎる場合には、作
用力が小さくなるため、固定力や挟持力が弱くなってし
まう傾向にある。
【0042】なお、上記したようにして押え金具6をホ
ルダ2に固定した後は、第1固定ネジ8をゆるめる必要
は無いため、第1固定ネジ8のネジ頭11に形成してい
る締付孔はドリルで切削しつぶしておけば、誤ってネジ
を弛めることが無いので好ましい。
【0043】次にチップのクランプ機構について説明す
る。
【0044】チップ5を交換する際のクランプ機構は、
ホルダ2に固定されている下顎部2aと押え金具6に設
けられ、ホルダ2に対して移動可能な上顎部6aとの協
同によってなされ、上顎部6aの移動を第2の固定部6
2によって行うものである。
【0045】まず、押え金具6の第2の固定部62に設
けた貫通孔7’より固定ネジ8’を固定部Lに設けたネ
ジ孔10’に、固定ネジ8’を緩く締め付ける。このと
き図4に示したように、固定部Lのネジ孔10’の中心
と、貫通孔7’の中心とは偏心距離dだけずらして形成
させている。具体的には押え金具6の貫通孔7’の中心
よりも、第2固定面42のネジ孔10’の中心は偏心距
離dだけ下面25側にずれている。そのため、第2固定
ネジ8’を締め付けると皿状になったネジ頭11’の下
面が貫通孔7’に作用し、貫通孔7’とネジ孔10’と
の中心を一致させるように、押え金具6を偏心方向、即
ち下面25側へ押し付ける力が発生する。一方、押え金
具6は、前述したように予め第1の固定面41に固着さ
せた第1の固定部61と第2の固定部62との間にスリ
ット6bを有しているで、この固定ネジ8’が生み出す
下方向の力によって、スリット6c上部にある橋絡部6
dを支点として上顎部6aとともに第2の固定部62を
下方側へ移動することを許容している。
【0046】かくして、押え金具6はスリット6bの下
方端の幅を狭めながら上顎部6aを下顎部2a側へ移動
させることができる。
【0047】しかし、チップ5を装着する場合には、こ
の移動が生じる前に固定ネジ8’の締め付けを一旦停止
し、両顎部2a,6aの間にチップ5をストッパー面2
3に当接するまで挿入する。
【0048】ついで、固定ネジ8’を最後まで締め付
け、下方向に発生する強力な力を利用して、チップ5を
顎部2a,6aの所定位置に挟持することができる。
【0049】このとき、上顎部6aは押え金具6の橋絡
部6dを中心とした旋回運動(図中反時計方向)により
挟持力を発生させているため、チップ5をストッパー面
23に押さえつける方向にも挟持力を作用させることが
でき、チップ5は上下の顎部2a,6aおよびストッパ
ー面23にて確実に挟持されるので、切削加工中のビビ
リや緩むといった心配は全く無い。
【0050】なお、この図に示した実施形態では下方側
が開放されスリット6bを用いて説明したが、上端側を
開放するようにしてもよい。この場合、スリットの下端
側に形成された橋絡部を支点としてスリット上端を幾分
拡げるようにしながら上端部を下顎部方向に移動させる
ことが可能となる。
【0051】使用したチップ5の切刃が摩耗し交換を必
要となった場合には、第2固定ネジ8’を緩め顎部に発
生している挟持力を弛めてやれば、容易にチップを顎部
より引き抜くことが可能となる。なお、この固定ネジ
8’の締め付けや緩め動作は、前述したようにネジ頭1
1’側からでも、ネジ先端側からのいずれからでも可能
となっている。
【0052】本発明は、チップ5と同じ幅を有する上下
顎部2a,6aを利用してチップ5を傾斜させて挟持す
ること、および固定部Lの先端面を円筒面状に形成して
いることから、非常にコンパクトな設計でありながら、
有効な切削加工を実施できる。
【0053】この事実を、分断加工の様子を示した図6
を参照して説明する。
【0054】本発明の切削工具1を回転するワーク(被
削材)Wに、当接させると、チップ5の切刃部(切削コ
ーナー)Cが、ワークWを切削する。切削の進行にとも
なって、相対的にチップ5はワークWの内部に侵入して
いく。このとき、チップ5と両顎部2a,6aは同一の
幅を有しているため、顎部も切削された加工部分に侵入
させることできる。しかも切削工具1の先端面103は
円筒面状をしているので、切削工具の顎部2a,6a
は、回転するワークWの外周軌跡と干渉することなく根
元まで侵入させることが可能となる。このとき、チップ
5の切刃部C’(顎部奥側の非切削コーナー)が、先端
面103と下顎部2aとがつくる円弧状の交差稜26の
延長線上もしくはその近傍に位置づけるように、すなわ
ち曲面状もしくはその近傍に位置づけるように、先端面
103をストッパーの位置や顎部の突出量を設定すれ
ば、スローアウェイチップの長さを最大限活かすことが
できる。
【0055】更に、上記したチップ5の切刃部C’を円
筒面よりもやや後方側に設ければ、切刃部C’が未使用
の場合には、切削加工中も切刃部C’を有効に保護する
ことができる。
【0056】次に、本発明の切削工具の別実施形態を図
7を参照して説明する。
【0057】この切削工具70は、前述した切削工具1
と比べて、チップのクランプ機構における押え手段の形
態が異なっている。すなわち前述した切削工具1はホル
ダー2とは別体の押え金6を押え手段としているのに対
して、この実施形態の切削工具70は後述するように押
え手段が根元部分でホルダ2と一体とされている。
【0058】図7に示すように、切削工具70の上顎部
107はその根元部がホルダーの固定部Lと一体的に連
続するように形成している。また、固定部Lには顎部奥
端に連続し後方に伸びるスリット108を備え、スリッ
ト108の上側に上顎基部109が形成されている。そ
して、このスリット108は、2つの側面100、10
0と曲面状の先端面103とに開口されている。
【0059】さらに、上記上顎基部109にはチップ固
定用の固定ネジ110を挿通するための貫通孔111が
ホルダー2の厚み方向に設けられ、他方、固定部Lの本
体部(スリット108の下側)の対面部位には前記固定
ネジ110の先端部を受入れるためのネジ受孔112が
設けられている。
【0060】この具体例に示した切削工具70では、前
記スリット108をホルダー2の水平方向に設けてある
ため、前記固定ネジ110により、本発明における押え
手段を形成する上顎基部109およびこれに連続する上
顎部107とがホルダ2に対して上下方向に移動可能と
することができる。そして、この上顎部107の移動に
よりチップ5の挟持もしくは開放を行うことができる。
【0061】かかる切削工具70は、非常に簡単なクラ
ンプ機構であり、しかも強固にチップを挟持することが
できる。したがって、ホルダ2の上側に固定ネジ110
を作用させるスペースが十分ある場合には、このような
切削工具を好適に用いることができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明の切削工具
は、曲面状先端面を形成し、その面より下顎部を突出さ
せることで、下顎部のホルダ先端面からの突出量を可能
な限り少なくすることができ、挟持強度を低下させるこ
となくスローアウェイチップ程度の厚みに抑えることが
可能となる。しかもスローアウェイチップの奥側の非切
削コーナーが前記曲面状先端面もしくはその近傍に位置
づけることで、スローアウェイチップの長さを最大限活
かすことができるため、丁度このような位置関係が確実
になされるように、ホルダに位置決め手段を設けている
ものである。
【0063】しかも先端面が曲面状の面であるため、加
工中に、回転するワークを先端面ギリギリまで接近させ
ることが可能となる。その結果、切削工具の有効加工量
を最大限に確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による切削工具の分解斜視
図である。
【図2】(a)(b)は、図1の切削工具の固定部を示
す斜視図である。
【図3】図1の切削工具に固定したチップを示し、
(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図4】図1の切削工具の側面図である(固定ネジを外
した状態)。
【図5】図1の切削工具の側面図である(固定ネジを装
着した状態)。
【図6】(a)(b)は図1の切削工具による分断加工
の様子を示す説明図である。
【図7】(a)(b)は本発明別実施形態による切削工
具の平面図である。
【図8】(a)〜(d)は、従来の切削工具を示す。
【符号の説明】
1 切削工具 2 ホルダ 2a 下顎部 5 チップ 6 押さえ金具 6a 上顎部 6b スリット 24 チップ載置面 25 ホルダ下面 61 第1の固定部 62 第2の固定部 P 凹部 F 溝部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柱状のホルダ先端に形成した曲面状先端面
    より先方に突出し、少なくとも2つ切削コーナーを有す
    るスローアウェイチップが載置されている幅細の下顎部
    と、この下顎部と協同して前記スローアウェイチップを
    挟持するための上顎部を備えた押え手段とを有する切削
    工具であって、前記切削工具は、前記スローアウェイチ
    ップの奥側の少なくとも1つの非切削コーナーが前記曲
    面状先端面もしくはその近傍に位置付けられていること
    を特徴とする切削工具。
  2. 【請求項2】前記スローアウェイチップの奥側の少なく
    とも1つの非切削コーナーを前記曲面状先端面もしくは
    その近傍に位置付けるための手段がストッパ手段である
    請求項1記載の切削工具。
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