JP2001246417A - フレームの変形制御装置 - Google Patents

フレームの変形制御装置

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JP2001246417A
JP2001246417A JP2000060664A JP2000060664A JP2001246417A JP 2001246417 A JP2001246417 A JP 2001246417A JP 2000060664 A JP2000060664 A JP 2000060664A JP 2000060664 A JP2000060664 A JP 2000060664A JP 2001246417 A JP2001246417 A JP 2001246417A
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JP
Japan
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actuator
frame
magnetic
magnetic field
coil
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JP2000060664A
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English (en)
Inventor
Shunji Suzuki
俊次 鈴木
Yuta Urushiyama
雄太 漆山
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 応答速度を上げると共に設計自由度を高める
ことの可能なフレームの変形制御装置を提供する。 【解決手段】 フレーム材の変形を拘束する向き、ある
いは助長する向きの荷重を発生するアクチュエータを前
記フレーム材に配置して、該フレーム材の変形の抑制、
あるいは予め設定された形状への誘導がなされるように
作動させるフレームの変形制御装置において、アクチュ
エータ1が、フレーム材に入力される外力に応じて相変
態を生じさせることにより所要の荷重を発生する磁性形
状記憶合金からなるものとする。特に、アクチュエータ
は、フレーム材の少なくとも一部を構成し、該アクチュ
エータの内部に配置されたコイル2と、該コイルの中心
に配置された強磁性体3とを有し、該強磁性体は、コイ
ルの中心線方向長さより長尺に形成されたものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車体フレ
ーム等に生じる変形を調整するフレームの変形制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Ti−Ni系合金やTi−Ni−Cu系
合金といった熱弾性型マルテンサイト変態を生じる形状
記憶合金(SMA)は、低温にて安定なマルテンサイト
相(以下、M相と呼称する)と、高温にて安定なオース
テナイト相(以下、A相と呼称する)との2つの相を有
し、これら2つの相間での相変態を温度の変化により生
じさせることができ、M相側で塑性変形を起こした合金
を加熱することでA相に移行して形状が回復する形状記
憶効果を有しており、この形状を回復させる際に大きな
応力を発生することから、アクチュエータとして利用す
ることができる。
【0003】特に、この形状記憶合金によるアクチュエ
ータは、小型で高出力が得られることから、自動車の車
体等を構成するフレーム材の変形状態を調整する用途に
適しており、形状に依存することなく所要の強度特性を
得ることが可能となる。すなわち、フレーム材の変形を
拘束する向き、あるいは助長する向きの荷重を発生する
アクチュエータをフレーム材に配置して、外力に応答し
てアクチュエータを動作させて、フレーム材の変形を抑
制したり、あるいはフレーム材を予め設定された形状へ
誘導したりしてフレームの変形状態を制御することによ
り、形状によって定まる破壊特性や振動特性等の各種の
強度特性を任意に変化させることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、熱弾性型マ
ルテンサイト変態を用いた形状記憶合金において形状記
憶効果を利用するには、M相からA相への変態が終了す
るまで温度を上昇させる必要があり、アクチュエータを
高速に動作させるには、相変態温度までの昇温に要する
エネルギーを短時間で供給する必要がある。形状記憶合
金材に対する加熱方法としては、熱接触法や電流通電法
などが考えられるが、いずれも短時間にエネルギーを供
給するには限界があり、特に熱接触法では、材料の熱伝
導性に依存し、しかも、加熱源を密着させる必要がある
ことから、フレームへの配置態様が制限され、設計自由
度が低い不都合があった。
【0005】本発明は、このような従来技術の問題点を
解消するために案出されたものであり、その主な目的
は、応答速度を上げると共に設計自由度を高めることの
可能なフレームの変形制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を果たす
ために、本発明においては、フレーム材の変形を拘束す
る向き、あるいは助長する向きの荷重を発生するアクチ
ュエータをフレーム材に配置して、このフレーム材の変
形の抑制、あるいは予め設定された形状への誘導がなさ
れるように作動させるようにしたフレームの変形制御装
置において、アクチュエータが、フレーム材に入力され
る外力に応じて相変態を生じさせることにより所要の荷
重を発生する磁性形状記憶合金からなるものとした。
【0007】これによると、M相からA相への相変態を
磁場形成手段による磁場の変化により生起させて作動さ
せる場合には、温度変化による場合に比較して反応が早
いため、アクチュエータの応答速度を上げることがで
き、しかも、温度変化による場合のように加熱手段を密
着させる必要がないため、設計自由度を高めることがで
きる。また、磁場形成手段と加熱手段とを併用して磁界
と温度の双方でアクチュエータの動作を制御することが
できるため、環境温度等の状況に応じた適切な作動を実
現することができる。なお、アクチュエータを構成する
磁性形状記憶合金は、相変態による動作方向に応じて予
めM相側で塑性変形を生じさせておくものとし、例えば
伸長方向の応力を発生させる場合には圧縮変形させてお
く。なお、磁性形状記憶合金としては、Fe−Pd系合
金を挙げることができる。
【0008】特に、前記アクチュエータ1は、フレーム
材の少なくとも一部を構成し、その内部に配置されたコ
イル2と、このコイルの中心に配置された強磁性体3と
を有し、この強磁性体は、コイルの中心線方向長さより
長尺に形成されたものとすると好ましい。これによる
と、アクチュエータに加わる磁場の傾きを大きくして発
生応力を増大することができ、これにより応答性を向上
させることができる。
【0009】その上、前記アクチュエータ(発明の実施
の形態中の磁性SMAアクチュエータ21)は、予め磁
場形成手段(発明の実施の形態中のコイル22)により
形成された磁気状態を解除することにより作動するもの
とすると良い。これによると、通常時はアクチュエータ
に対して傾きのある磁場を磁場形成手段により形成して
アクチュエータをM相に保持しておき、この磁気状態を
解除することによりアクチュエータがA相に移行して相
変態による所要の動作を行う。このため、磁気状態の解
除と同時にアクチュエータが作動し、応答性を飛躍的に
向上させることができる。この場合、想定される環境温
度域での温度変動で相変態を生起しないように、磁場の
傾きの大きさを大きく設定して、いかなる温度状態でも
磁気状態の解除によらずに作動することがないように設
定しておく必要がある。
【0010】また、前記アクチュエータ(発明の実施の
形態中の磁性SMAアクチュエータ31)は、予め磁場
形成手段(発明の実施の形態中のコイル32)により形
成された磁気状態において加熱手段(発明の実施の形態
中の電熱体33)により熱を加えることにより作動する
ものとすると好ましい。これによると、通常時はアクチ
ュエータに対して傾きのある磁場を磁場形成手段により
形成してアクチュエータをM相に保持しておき、この磁
気状態を保持したまま熱を加えることによりアクチュエ
ータがA相に移行して相変態による所要の動作を行う。
このとき、磁場の傾きの大きさを、A相へ移行する相変
態温度までの温度変化量が小さくなるように設定してお
くことで、少ない入熱で相変態を起こすことができ、発
熱量が少なくて済むと共に応答速度の向上を図ることが
できる。
【0011】この場合、特に、前記磁場形成手段は、ア
クチュエータの温度に応じて制御されるものとすると好
ましい。これによると、磁場が相変態を起こす臨界点の
近傍にくるように温度に応じて磁場の傾きの大きさを調
整して、相変態に要する温度の変化量が環境温度の変動
にかかわらずに概ね一定に保たれるように設定すること
により、相変態温度までの温度の変化量をより一層小さ
くして発熱量の低減と応答速度の向上を図ることがで
き、その上に環境温度の変動に左右されない安定した応
答性を得ることができる。なお、前記アクチュエータの
温度は、これを直接計測するものの他、フレーム材等の
アクチュエータの近傍の部材の温度、あるいは雰囲気温
度から推定するものであっても良い。
【0012】また、前記アクチュエータ(発明の実施の
形態中の磁性SMAアクチュエータ101)は、外力に
よるフレーム材(発明の実施の形態中のフレーム材10
2)の変形に伴う磁場形成手段(発明の実施の形態中の
コイル103)との離間距離の変化により作動するもの
とすると良い。これによると、例えば衝突の際にフレー
ム材に作用する外力の入力に応答してアクチュエータを
作動させることができ、特に電気的な制御手段を設けな
くても済む。
【0013】
【発明の実施の形態】 以下に添付の図面を参照して本
発明の構成を詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明におけるアクチュエータの
一例を示している。ここでは、閉断面形状をなす磁性形
状記憶合金からなる磁性SMAアクチュエータ1の内部
に、これに対して傾きのある磁場を形成するコイル(磁
場形成手段)2と、このコイル2の中心に配置されてコ
イル2の形成する磁界を集中させる強磁性体3とが設け
られている。磁性SMAアクチュエータ1は、フレーム
材の一部を兼用する態様でフレーム材4・5間に介装さ
れる。なお、1つのフレーム材全体を磁性形状記憶合金
で形成する態様も可能である。また、ここでは閉断面形
状のものを示したが、開断面形状のものも可能である。
【0015】強磁性体3は、コイル2の中心線方向長さ
より長尺に形成されており、これにより磁性SMAアク
チュエータ1に加わる磁場の傾きを大きくして、発生応
力を増大することができる。すなわち、コイル2により
形成される磁場は、図2に磁束線で示すような状態とな
り、Z方向(コイル2の中心線方向)の磁場の強さは、
図3に示すように、大きな傾きを有し、これにより大出
力を得ることができる。これは、磁性SMAアクチュエ
ータ1の外径をφ50mmとし、コイル2の径をφ46
mmとし、強磁性体3の直径をφ26mm、比透磁率を
1000、コイル2に与える電流密度を2.5×106
(A/m2)とした数値解析によるものである。図3中
Aで示す領域では、磁場の強さH(A/m)の傾きdH
/dZが、3.8×105(A/m2)となっている。
【0016】図4は、本発明におけるアクチュエータの
別の態様を示している。ここでは、パイプ状をなす磁性
SMAアクチュエータ7とコイル8とが同軸状に配置さ
れ、両者間には鉄製プレート(強磁性体)9が介在し、
この鉄製プレート9と磁性SMAアクチュエータ7とは
密着して設けられ、鉄製プレート9とコイル8とは所定
間隔をおいて配置されている。この構成では、鉄製プレ
ート9とコイル8との離間距離を増減することで磁性S
MAアクチュエータ7に加わる磁場の強さを調整するこ
とができる。
【0017】この場合、図5に示すように、磁性SMA
アクチュエータ7を複数並べて設けると良い。ここで
は、強磁性体としての鉄製プレート9が取り付けられた
一対の磁性SMAアクチュエータ7が、1つのコイル8
を挟み込む態様で鉄製プレート9をコイル8側に向けて
同軸的に配置され、このようにして組をなすものが同軸
的に複数並べて設けられる。
【0018】図6は、本発明によるアクチュエータの他
の態様を示している。ここでは、パイプ状をなす磁性S
MAアクチュエータ11が、強磁性体からなる外筒材1
2と、磁性形状記憶合金の並磁性体からなる内筒材13
との間に挟み込まれた態様で設けられ、内筒材13の内
側の中心部にコイル14が配置されている。この構成で
は、強磁性体からなる外筒材12により磁場の強さが増
大され、磁性SMAアクチュエータ11中に形成される
磁場の傾きを大きくすることができる。
【0019】次に、磁性SMAアクチュエータの制御装
置及びその制御方法の例について説明する。まず、図7
に示す例では、磁性SMAアクチュエータ21に対して
コイル(磁場形成手段)22により傾きのある磁場が形
成され、温度センサ23により測定された磁性SMAア
クチュエータ21の温度、並びに外力検出センサ24か
らの信号に応じて、給電部25からコイル22に供給さ
れる駆動電流のオン・オフ並びに大きさをコントローラ
26により調整するようになっている。
【0020】ここでは、予め形成された磁気状態を解除
することで磁性SMAアクチュエータ21にM相からA
相への相変態を生起させ、所要の荷重を発生させる。す
なわち、図8に示すように、通常時は、温度センサ23
によりSMAアクチュエータ21の温度が測定され(S
TEP1)、この温度に基づいてコイル22への印加電
流が決定され(STEP2)、これにより所要の傾きを
有する磁場が形成される(STEP3)。そして、外力
検出センサ24からの信号に基づいて作動判定を行い
(STEP4)、外力が入力したものと判定されると、
コイル22への通電を停止して(STEP5)、磁気状
態を解除し(STEP6)、これにより相変態を生じて
応力が発生する(STEP7)。
【0021】磁性形状記憶合金においては、図9に示す
ように、傾きをもつ磁場を形成することでM相からA相
へ移行する相変態温度を上昇させることができ、点Aで
示すように、所要の傾きをもつ磁場を形成することでM
相に保持され、この磁気状態を解除して磁場がなくなる
とA相に移行する。M相に保持するために要する磁場の
傾きの大きさは温度が上昇するのに応じて大きくする必
要があり、想定される環境温度域での温度変動で相変態
を生起しないように、磁場の傾きの大きさを高く設定し
ておく必要がある。
【0022】これに対し、曲線Iで示すように、磁気状
態が相変態を起こす臨界点の近傍にくるように温度に応
じて磁場の傾きの大きさを調整して、相変態に要する磁
場の傾きの大きさの変化量を小さくすると共に環境温度
の変動にかかわらずに概ね一定に保つようにすると、応
答性を高めると共に、環境温度の変動に左右されない安
定した応答性を得ることができる。例えば温度がT1
らT2に低下すると、磁場の傾きの大きさを小さくし、
温度がT1からT3に上昇すると、磁場の傾きの大きさを
大きくする。これにより点B、点C並びに点Dのいずれ
の状態でも、概ね同一の応答性を得ることができる。
【0023】次に、図10に示す例では、前記図7に示
した実施形態と同様、磁性SMAアクチュエータ31に
対してコイル(磁場形成手段)32により傾きのある磁
場が形成されるが、ここでは、電熱体(加熱手段)33
により磁性SMAアクチュエータ31を加熱する構成が
付加され、温度センサ34により測定された磁性SMA
アクチュエータ31の温度に応じて、給電部35からコ
イル32に供給される駆動電流の大きさが、また外力検
出センサ36からの信号に応じて、給電部37から電熱
体33に供給される駆動電流のオン・オフがそれぞれ、
コントローラ38により制御されるようになっている。
【0024】ここでは、予めコイル32により形成され
た磁場中におかれた磁性SMAアクチュエータ31に対
して電熱体33により熱を加えて相変態を生起させ、こ
れにより所要の荷重を発生させる。すなわち、図11に
示すように、温度センサ34により磁性SMAアクチュ
エータ31の温度を測定し(STEP1)、この温度に
基づいてコイル32への印加電流の大きさを決定し(S
TEP2)、所要の強さの磁場が形成される(STEP
3)。そして、外力検出センサ36からの信号に基づい
て作動判定を行い(STEP4)、外力が入力したもの
と判定されると、電熱体37に電流を印加して(STE
P5)、磁性SMAアクチュエータ31を加熱し(ST
EP6)、これにより相変態を生じて応力が発生する
(STEP7)。
【0025】この場合、磁性SMAアクチュエータ31
においては、図12に曲線Iで示すように、磁場が相変
態を起こす臨界点の近傍にくるように温度に応じて磁場
の傾きの大きさを調整して、相変態温度までの温度の変
化量を小さくすると共にこの温度の変化量が環境温度の
変動にかかわらずに概ね一定に保たれるようにする。こ
れにより、少ない入熱で相変態を起こすことができ、発
熱量が少なくて済むと共に応答速度の向上を図ることが
でき、しかも温度に左右されない安定した応答性を得る
ことができる。例えば温度がT1からT2に低下すると、
磁場の傾きの大きさを小さくし、温度がT1からT3に上
昇すると、磁場の傾きの大きさを大きくする。これによ
り点A、点B並びに点Cのいずれの状態でも、概ね同一
の応答性を得ることができる。
【0026】図13に示す例では、磁性SMAアクチュ
エータ41に対して永久磁石(磁場形成手段)42によ
り傾きのある磁場が形成され、この永久磁石42は、磁
石操作部43により変位可能となっている。磁石操作部
43は、温度センサ44により測定された磁性SMAア
クチュエータ41の温度、並びに外力検出センサ45か
らの信号に基づいてコントローラ(制御手段)46によ
り動作が制御される。
【0027】ここでは、通常時は永久磁石42の磁性S
MAアクチュエータ41に対する距離を増減することで
磁性SMAアクチュエータ41に加わる磁場の強さが調
整され、他方、外力に応答して永久磁石42を磁性SM
Aアクチュエータ41から離れた位置まで一気に変位さ
せることで磁気状態が解除され、これにより相変態を生
起させて所要の荷重を発生させる。すなわち、図14に
示すように、温度センサ44により磁性SMAアクチュ
エータ41の温度を測定し(STEP1)、この温度に
基づいて永久磁石42の位置を決定し(STEP2)、
磁石操作部43により永久磁石42の位置を調整して所
要の強さの磁場が形成される(STEP3)。そして、
外力検出センサ45からの信号に基づいて作動判定を行
い(STEP4)、外力が入力したものと判定される
と、永久磁石42を除去して(STEP5)、磁気状態
を解除し(STEP6)、これにより相変態が生じて応
力が発生する(STEP7)。
【0028】なお、前記の外力検出センサとしては、フ
レーム材自体あるいはこれに結合された他の部材に生じ
る歪みを検出する歪みセンサを挙げることができる。ま
た、車体フレームにおいて衝突外力に対応するものとし
ては、衝突時に車体に発生する加速度を検出する加速度
センサが望ましく、これによると、歪みセンサに比較し
て早期に外力の入力を検出して所要の制御を開始し得
る。この他、部材の変形に伴う適所に定めた測点の変位
を検出する変位センサも可能である。
【0029】次に、磁性SMAアクチュエータのフレー
ム材への配置態様について説明する。まず、図15に示
す例では、閉断面をなすフレーム51内に、磁性SMA
アクチュエータ52とコイル53とが設けられている。
磁性SMAアクチュエータ52は、対向する一対の壁5
1a・51bの内面にそれぞれ複数固着され、この両側
の磁性SMAアクチュエータ群を同時に駆動するコイル
53が、両側の磁性SMAアクチュエータ52に挟まれ
た態様でフレーム51の中心部に設けられている。磁性
SMAアクチュエータ52は、その長手方向、すなわち
動作方向がフレーム51の長手方向に沿うように配置さ
れ、コイル53は、その中心線が磁性SMAアクチュエ
ータ52の長手方向に直交する向きに配置されている。
なお、コイル53は、フレーム51から突出したリブや
フレーム51に内挿されたブラケット等の適宜な支持手
段で支持される。この構成では、フレーム51が強磁性
体として働くことで磁性SMAアクチュエータ52の出
力増加を図ることができる。
【0030】図16に示す例では、角パイプ状のフレー
ム61の四隅に磁性SMAアクチュエータ62がそれぞ
れ設けられ、フレーム61内にコイル63が設けられて
いる。磁性SMAアクチュエータ62は、フレーム61
の外面のコーナ部分に固着され、その長手方向、すなわ
ち動作方向がフレーム61の長手方向に沿うように配置
されている。コイル63は、その中心線が磁性SMAア
クチュエータ62の長手方向に沿う向きに配置されてい
る。ここでは、大きな傾きのある磁場を形成するため、
コイル63の軸線方向長さが磁性SMAアクチュエータ
62よりも短くなるように設定されている。この構成に
おいても、フレーム61が強磁性体として働き、磁性S
MAアクチュエータ62の出力を増大させることができ
る。
【0031】図17に示す例では、角パイプ状のフレー
ム71の一方の壁71aを部分的に切り起こした態様で
設けられた一対のブレス73間に磁性SMAアクチュエ
ータ72が挟設され、フレーム71内にコイル74が設
けられている。この構成では、図18に示すように、フ
レーム71の中心線から側面までの距離をB、ブレス長
さ、すなわちフレーム71の中心線からブレス73の端
縁までの距離をL、フレーム71のコーナの径をRとす
ると、図20に示すように、磁性SMAアクチュエータ
72がフレーム71に作用し得る力が、ブレス長さLが
B−Rを越える付近から急激に増大する。これにより、
磁性SMAアクチュエータ72の出力をフレーム71に
効率良く作用させるには、ブレス73がコーナにかかる
ように形成することが望ましく、さらにフレーム71の
側方の壁71b側に回り込んで側方に張り出す形態とし
ても良い。
【0032】また、図20・21に示すように、フレー
ムの一部をなす部材に磁性SMAアクチュエータとその
駆動に要する部品とが予め組み込まれたアクチュエータ
ユニットをフレームに組み付けるようにしても良い。図
20では、角パイプ状の一対のフレーム81・82間
に、アクチュエータユニット83が介装されるようにな
っている。アクチュエータユニット83は、フレーム8
1・82と同様の口字形状断面をなす取付材84の内部
に磁性SMAアクチュエータ85を組み込んでなってい
る。フレーム81・82並びに取付材84の各接合部分
にはそれぞれ、外向きに突出した態様でフランジ86〜
88が形成され、その所要の部位を接合することで一体
化される。
【0033】図21では、角パイプ状のフレーム91に
形成された切り欠き部92にアクチュエータユニット9
3が埋め込まれるようになっている。アクチュエータユ
ニット93は、コ字形状断面をなす取付材94の内側に
磁性SMAアクチュエータ95を組み込んでなってい
る。フレーム91並びに取付材94の各接合部分にはそ
れぞれ、外向きに突出した態様でフランジ96・97が
形成され、その所要の部位を接合することで一体化され
る。
【0034】なお、前記図15、図16及び図17に示
した例では、アクチュエータが配置されるフレーム材に
閉断面形状をなすものを示したが、本発明は開断面形状
のフレーム材にも同様に適用することができる。また、
前記図15、図16、図17、図20及び図21に示し
た例は、適宜に組み合わせた構成としても良い。
【0035】次に、前記図7〜図14に示した例におけ
るコントローラのような電気的な制御手段を必要としな
い例について説明する。図22に示す例では、パイプ状
をなす磁性SMAアクチュエータ101が、フレーム材
の一部を兼用する態様でフレーム材102に接続され、
このフレーム材102と、コイル(磁場形成手段)10
3が内蔵されたフレーム材104との間に鉄製プレート
(強磁性体)105が挟み込まれており、前記図4に示
した例と同様に、磁性SMAアクチュエータとコイルと
の間に鉄製プレートを介在させた構成となっている。
【0036】この構成では、磁性SMAアクチュエータ
101が、衝突の際の外力によるフレーム材の変形に伴
うコイル103との離間距離の変化により作動する。す
なわち、図22(A)に示す初期状態から外力Fが入力
されると、(B)に示すように、磁性SMAアクチュエ
ータ101とコイル103との間のフレーム材102に
変形(ここでは圧縮変形)が生じて磁性SMAアクチュ
エータ101とコイル103との離間距離が変化(ここ
では短縮)し、これにより磁場の強さが変化して磁性S
MAアクチュエータ101が作動する。
【0037】
【発明の効果】このように本発明によれば、相変態を磁
場形成手段による磁場の変化により生起させて作動させ
る場合には、温度変化による場合に比較して反応が早い
ため、アクチュエータの応答速度を上げることができ、
しかも、温度変化による場合のように加熱手段を密着さ
せる必要がないため、設計自由度を高めることができ
る。また、磁場形成手段と加熱手段とを併用して磁界と
温度の双方でアクチュエータの動作を制御することがで
きるため、環境温度等の状況に応じた適切な作動を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるアクチュエータの例を示す斜視
図である。
【図2】図1に示したアクチュエータにおける磁場の状
態を示す磁束線図である。
【図3】図1に示したアクチュエータにおける磁場の強
さを示すグラフである。
【図4】本発明におけるアクチュエータの例を示す斜視
図である。
【図5】図4に示したアクチュエータの変形例を示す斜
視図である。
【図6】本発明におけるアクチュエータの例を示す斜視
図である。
【図7】本発明によるフレーム変形制御装置の例を示す
概略構成図である。
【図8】図7に示した制御装置のフロー図である。
【図9】図7に示した制御装置における作動原理を説明
するグラフである。
【図10】本発明によるフレーム変形制御装置の例を示
す概略構成図である。
【図11】図10に示した制御装置のフロー図である。
【図12】図10に示した制御装置における作動原理を
説明するグラフである。
【図13】本発明によるフレーム変形制御装置の例を示
す概略構成図である。
【図14】図13に示した制御装置のフロー図である。
【図15】本発明におけるアクチュエータのフレーム材
への配置態様の例を示す斜視図である。
【図16】本発明におけるアクチュエータのフレーム材
への配置態様の例を示す斜視図である。
【図17】本発明におけるアクチュエータのフレーム材
への配置態様の例を示す斜視図である。
【図18】図17に示したフレーム変形制御装置の要部
概念図である。
【図19】図18に基づいて求められたフレームへの作
用力を示すグラフである。
【図20】本発明におけるアクチュエータのフレーム材
への配置態様の例を示す斜視図である。
【図21】本発明におけるアクチュエータのフレーム材
への配置態様の例を示す斜視図である。
【図22】A及びBからなり、本発明におけるアクチュ
エータの例において外力が入力される前後の状態を示す
正面図である。
【符号の説明】
1 アクチュエータ 2 コイル(磁場形成手段) 3 強磁性体 4・5 フレーム材 7 アクチュエータ 8 コイル(磁場形成手段) 9 鉄製プレート(強磁性体) 11 アクチュエータ 14 コイル(磁場形成手段) 21 アクチュエータ 22 コイル(磁場形成手段) 23 温度センサ 24 外力検出センサ 31 アクチュエータ 32 コイル(磁場形成手段) 33 電熱体(加熱手段) 34 温度センサ 36 外力検出センサ 38 コントローラ 41 アクチュエータ 42 永久磁石(磁場形成手段) 43 磁石操作部 44 温度センサ 45 外力検出センサ 101 アクチュエータ 102 フレーム材 103 コイル(磁場形成手段) 105 鉄製プレート(強磁性体)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーム材の変形を拘束する向き、あ
    るいは助長する向きの荷重を発生するアクチュエータを
    前記フレーム材に配置して、該フレーム材の変形の抑
    制、あるいは予め設定された形状への誘導がなされるよ
    うに作動させるフレームの変形制御装置であって、 前記アクチュエータは、前記フレーム材に入力される外
    力に応じて相変態を生じさせることにより所要の荷重を
    発生する磁性形状記憶合金からなることを特徴とするフ
    レームの変形制御装置。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエータは、前記フレーム
    材の少なくとも一部を構成し、該アクチュエータの内部
    に配置されたコイルと、該コイルの中心に配置された強
    磁性体とを有し、該強磁性体は、前記コイルの中心線方
    向長さより長尺に形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載のフレームの変形制御装置。
  3. 【請求項3】 前記アクチュエータは、予め磁場形成
    手段により形成された磁気状態を解除することにより作
    動することを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記
    載のフレームの変形制御装置。
  4. 【請求項4】 前記アクチュエータは、予め磁場形成
    手段により形成された磁気状態において加熱手段により
    熱を加えることにより作動することを特徴とする請求項
    1若しくは請求項2に記載のフレームの変形制御装置。
  5. 【請求項5】 前記磁場形成手段は、前記アクチュエ
    ータの温度に応じて制御されることを特徴とする請求項
    4に記載のフレームの変形制御装置。
  6. 【請求項6】 前記アクチュエータは、外力によるフ
    レーム材の変形に伴う磁場形成手段との離間距離の変化
    により作動することを特徴とする請求項1若しくは請求
    項2に記載のフレームの変形制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003054396A1 (en) * 2001-12-03 2003-07-03 Nokia Corporation A method of releasing an attachment
JP2008532831A (ja) * 2005-03-09 2008-08-21 フォーレシア インネンラオム システム ゲーエムベーハー 衝突により自動車のドアに向かってエネルギーが入力する際の乗員保護のための自動車用の装置
CN102359198A (zh) * 2011-11-09 2012-02-22 湖南科技大学 磁控形状记忆合金伸缩作动器

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