JP2001245918A - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

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JP2001245918A
JP2001245918A JP2001077126A JP2001077126A JP2001245918A JP 2001245918 A JP2001245918 A JP 2001245918A JP 2001077126 A JP2001077126 A JP 2001077126A JP 2001077126 A JP2001077126 A JP 2001077126A JP 2001245918 A JP2001245918 A JP 2001245918A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パップ剤や硬膏剤等の貼付剤を左右に引張っ
たりこすったりするだけで剥離シートを簡単に分断で
き、剥離シートのめくれた部分を患部に貼着するだけ
で、高齢者でも簡単に手を汚すことなく、かつシワがよ
ったりすることなくきれいに貼着することができる低原
価で量産性に適したパップ剤や硬膏剤等の貼付剤を提供
する。 【解決手段】 伸縮性を有する支持体と、前記支持体の
一面の略全面に展着された膏体と、前記膏体の全面に貼
着された剥離シートと、前記剥離シートに所定間隔を持
って形成された切れ目部と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パップ剤や硬膏剤
等の貼付剤に関する。更に詳しくは、高齢者でも簡単に
手を汚すことなく、またパップ剤や硬膏剤等の貼付剤に
シワがよったりすることなくきれいに患部に貼着するこ
とができる利便性に優れたパップ剤や硬膏剤等の貼付剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高齢化社会が進むと共に、事務の
合理化で各種コンピュータが利用されその結果、腰や
肩、膝、肘等に痛みを訴える人が増加する傾向にあり、
その対症療法として湿布剤や硬膏剤等が広く利用されて
いる。以下に従来のパップ剤や硬膏剤等の貼付剤につい
て、図面を参照しながら説明する。図11は従来のパッ
プ剤や硬膏剤等の貼付剤を示す斜視図である。図11に
おいて、11は従来のパップ剤や硬膏剤等の貼付剤、1
2は白色や肌色の不織布等からなる支持体、13は支持
体12の一面の略全面に展着された薬物等が含有された
膏体、14は膏体13の全面に貼着された極めて薄い柔
軟性を有する透明な合成樹脂フィルム等からなる剥離シ
ートである。以上のように構成された従来のパップ剤や
硬膏剤等の貼付剤について、以下その使用方法を説明す
る。図11に示すように、まず、支持体12の隅部を何
度も爪で探って膏体13と剥離シート14とが剥がれや
すいようにした後、剥離シート14を爪で剥ぎ、次い
で、支持体12がよじれてシップ膏体同士が絡みつかな
いように注意しながら剥離シート14を剥離した後、支
持体12を持って患部に貼付して用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
のパップ剤や硬膏剤等の貼付剤では、以下のような課題
を有していた。すなわち、 (1)パップ剤や硬膏剤等の貼付剤が、支持体の一面の
略全面に膏体を展着した後、この膏体の上面に剥離シー
トを貼着して得られた原反シートを角形状等に裁断して
形成されるため、支持体や膏体,剥離シートの外周断面
が、同一面化されているので、剥離シートを外側縁から
剥がす際、剥がし始める手掛かりがなく、爪先を剥離シ
ートの先端にかけてもうまく掛からず、剥離作業が困難
で使用し難いという問題点を有していた。 (2)膏体には、皮膚等への増粘作用を付与するために
増粘剤が含有されているため、膏体の粘着性が極めて強
く、剥離シートが剥離し難いという問題点を有してい
た。 (3)湿布剤や硬膏剤等の殆どが、例えば、白色の支持
体並びにこの支持体上に貼着された白色又は白色透明の
膏体の表面に、極めて薄くて柔軟な剥離シートで覆って
いるため、剥離シートと膏体の区別がつき難く剥離位置
が不明確なため、剥離シートが摘み難いという問題点を
有していた。 (4)このため、患者がいざ患部に貼ろうとしても、剥
離シートが剥ぎ取り難く剥離シートを剥ぎ取ることにい
たずらに時間を浪費し、イライラすることも多く、剥離
作業が困難で、使用上大変不便であるという問題点を有
していた。 (5)特に、高齢者にとっては、指先が器用ではなく、
しかも視力等も低下していることから、薄肉透明の剥離
シートが膏体と同色化しかつ密着しているため、剥離が
困難で膏体から剥離シートを剥ぎ取ることは大きな負担
を強いるという問題点を有していた。 (6)また、剥離シートも支持体も共に柔軟なため支持
体がよじれて膏体同士が絡み付き使用できないという問
題点も有していた。これらの課題を解決するために、例
えば、 a.剥離シートに切断部や切れ目部を設け、この切断部
や切れ目部より剥離を行うようにしたもの(実公平5−
42811号公報)、 b.膏体より大面積の剥離シートを用いたもの、 c.2枚の剥離シートを膏体の略中央部分で重ね合わ
せ、この膏体に接触しない重ね合わせ部分より剥離を行
うようにしたもの等が提案されている。しかしながら、
上記従来のパップ剤や硬膏剤等の貼付剤は、以下のよう
な問題点を有していた。 (7)上記aの剥離シートに切断部が設けられたもの
は、使用時以外に、剥離シートがこの切断部からめくれ
てしまい、このめくれた部分から膏体に含有された薬効
成分が揮発してしまい、薬効効果が得られないという問
題点を有していた。 (8)また、剥離シートに切れ目部が設けられたもので
は、剥離シートの材質や切れ目部の間隔によっては剥離
シートをきれいに分断することが困難という問題点を有
していた。 (9)上記bの剥離シートが膏体よりも大きな面積で形
成されている場合は、大面積の剥離シートを必要とする
ため、コストが高くなり、また、このパップ剤や硬膏剤
等の貼付剤を製造する場合、原反シートを裁断した後、
更にパップ剤や硬膏剤等の貼付剤の外縁部の支持体や膏
体を切除する作業が必要で、作業性に欠けるとともにそ
の分生産性に劣るという問題点を有していた。 (10)上記cの2枚の剥離シートを膏体の略中央部分
で重ね合わせた場合は、多大の生産工数を要すと共に作
業性に欠け製品得率を下げ生産性に欠けるという問題点
を有していた。 (11)更に、パップ剤や硬膏剤等の貼付剤に使用され
る剥離シートは、通常凹凸等がなく形成されているもの
が多く、剥離シートを摘んだときすべり易く、剥離がし
難いという問題点を有していた。 (12)また、パップ剤や硬膏剤等の貼付剤の製造時
に、膏体上に剥離シートを貼着しようとしてもすべって
うまく貼着できず、また裁断しようとしても裁断機に巻
き込まれ、膏体上からずれ易く、製品得率が低いという
問題点を有していた。 (13)更に、膏体やこの膏体と剥離シートの間に気泡
を生じ易く、歩溜まりが低下するという問題点を有して
いた。
【0004】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、パップ剤や硬膏剤等の貼付剤を左右に引張ったりこ
すったりするだけで剥離シートを簡単に分断でき、剥離
シートのめくれた部分を患部に貼着するだけで、高齢者
でも簡単に手を汚すことなく、かつシワがよったりする
ことなくきれいに貼着することができる低原価で量産性
に適したパップ剤や硬膏剤等の貼付剤を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の貼付剤は、伸縮性を有する支持体と、前記支持体の一
面の略全面に展着された膏体と、前記膏体の全面に貼着
された剥離シートと、前記剥離シートに所定間隔を持っ
て形成された切れ目部と、を備えた構成を有している。
これにより、以下のような作用を有する。 (1)剥離シートと支持体等を左右に引張るだけで、剥
離シートと支持体等との伸び率の違いを利用して、剥離
シートのみを切れ目部で分断できる。 (2)分断時、剥離シートが弾性により分断された部位
がめくれ上がるので、そのめくれ上がった剥離シートの
各片を摘み取ることで、剥離シートを容易に剥ぎ取るこ
とができる。 (3)剥離シートの各片を摘んだ際、膏体の露出した部
分を患部に貼着するだけで手を汚すことなく貼着するこ
とができる。 (4)剥離シートがめくれ、膏体の一部が露出されるの
で、この膏体の露出部を患部にあて、次いで、めくれた
剥離シートの各片をつまんで左右に引張るだけで、高齢
者でも手間をかけずに、また手を汚すことなく、更にパ
ップ剤や硬膏剤等の貼付剤にシワがよったりすることな
くきれいに患部に貼着することができる。 (5)剥離シートに所定間隔を持って形成された切れ目
部を設けたので、剥離シートが分断されたとき、分断面
が突出するので突出片を摘むことができ簡単に剥がすこ
とができる。
【0006】ここで、剥離シートとしては、無延伸ポリ
プロピレン(CPP),延伸ポリプロピレン(OP
P),ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリブ
チレンテレフタレート(PBT),ポリエチレン,ポリ
エステル,ポリウレタン,ポリ塩化ビニル,ポリスチレ
ン等のプラスチックフィルム,合成樹脂や合成紙,合成
繊維等にシリコン加工したシリコン加工紙,アルミ箔,
クラフト紙にポリエチレン等をラミネートしたラミネー
ト加工紙等の無色又は着色したものが用いられる。剥離
シートの引張り強度は、10g/cm〜140g/cm,好
ましくは20g/cm〜100g/cm,更に好ましくは3
0g/cm〜60g/cmの範囲とするのが好ましい。切れ
目部を有する剥離シートの引張り強度が30g/cmより
小さくなるにつれ製造に際して、剥離シートが途中で切
断してしまい、連続して膏体上に剥離シートを貼着する
ことができなくなり、またパップ剤や硬膏剤等の貼付剤
を包装袋の中に入れる場合にも、容易に剥離シートが分
断され、更に歩溜まりが低下する傾向が現れやすいので
好ましくない。引張り強度が60g/cmより大きくなる
につれ使用するに際して容易に剥離シートを分断するこ
とが困難となり、利便性が低下する傾向が現れだすので
好ましくない。切れ目部からの薬効成分や水分の逃散は
剥離シートの張力をかけることにより、切れ目部が重な
り合うことによって防止される。剥離シートの厚みは1
0μm〜75μm,好ましくは12μm〜40μm,更
に好ましくは15μm〜35μmの範囲で形成されるの
が好ましい。剥離シートの厚みが15μmより小さくな
るにつれ、剥離シートが薄くなり過ぎて剥離に際して剥
離シートが膏体に絡んだり、また剥離シートが薄くて滑
り易いため摘みにくかったり、更に、製造に際して剥離
シートが直ぐに分断されてしまい、作業性等が低下した
り、また、膏体上に剥離シートを貼着する場合、剥離シ
ートに皺が寄り易くなる傾向が現れだし、好ましくな
い。また、剥離シートの厚みが35μmより大きくなる
につれ剥離等に際して剥離シートが摘み易くなるもの
の、分断が困難となり、また、製造に際して原反シート
を切断することが困難となり、作業性等が低下する傾向
が現れだし、好ましくない。剥離シートに形成される切
れ目部とは、剥離シートの所定部,例えば剥離シートの
略中央部や周辺部等に点在状に所定間隔の連結部を持っ
て形成される切断部をいうものである。剥離シートに形
成される切れ目部は、連結部(a)とこの切れ目部
(b)の長さの比が、a:b=1:5〜25,好ましく
はa:b=1:8〜20,更に好ましくはa:b=1:
8〜15とされるのが好ましい。切れ目部の長さが連結
部の長さの8倍より小さくなるにつれ使用時以外でも分
断し易くなり、薬効成分が揮発して薬効効果が低下した
り、剥離シートが薄過ぎて摘み難くなり、信頼性や利便
性が低下する傾向が現れだすので好ましくない。切れ目
部の長さが連結部の長さの15倍より大きくなるにつれ
剥離シートの分断が困難となり、製造に際して原反シー
トを切断することが困難となり、利便性や作業性等が低
下する傾向が現れだすので、好ましくない。切れ目部
は、剥離シートの所定部に直線状,S字状,波形状,鋸
刃形状等に形成される。特に、S字状,波形状,鋸刃形
状等に形成されると、一定間隔を空けて形成された突出
片を摘んで剥離シートの剥離をスムーズに行うことがで
き、剥離作業等の利便性を向上させることができる。ま
た、剥離シートの左右部分に引き裂き方法を明確にする
ため、矢印等の図形や文字,記号等の表示部を設けても
よく、また、着色等してもよい。
【0007】支持体としては、織布,編布,不織布,不
織紙等の伸縮性のもの等が挙げられる。支持体に伸縮性
のものを用いた場合は、支持体と剥離シートの伸び率等
の差を利用して、支持体と共に剥離シートを引張るだけ
で、容易に剥離シートを分断して、剥離シートを膏体か
ら剥がすことができる。尚、この伸縮性の支持体は縦方
向及び/又は横方向に10〜100%の伸縮率を有する
ことが望ましい。これらの支持体の具体的な材料として
は、紙,綿,大麻,黄麻等の靱皮繊維,マニラ麻等の葉
脈繊維等のセルロース繊維、羊毛等の獣毛繊維や,絹繊
維,羽毛繊維等のタンパク繊維等の天然繊維、レーヨ
ン,キュプラ等の再生セルロース繊維や再生タンパク繊
維等の再生繊維、酢酸セルロース繊維やプロミックス等
の半合成繊維、ナイロンアラミド繊維,ポリエチレンテ
レフタレート繊維,ポリエステル繊維,アクリル繊維
等,ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン
繊維,ポリビニルアルコール繊維,ポリ塩化ビニル繊
維,ポリ塩化ビニリデン繊維,ポリ塩化ビニル系繊維,
ポリウレタン繊維,ポリオキシメチレン繊維,ポリテト
ラフルオロエチレン繊維,ポリパラフェニレンベンズビ
スチアゾール(PBT)繊維、ポリイミド繊維等が利用
できる。支持体は、厚さ,伸び,引張り強さ,作業性な
どの物理的性質や貼付時の感触、患部の密閉性,薬物の
支持体への移行等を考慮して選択される。膏体は、基材
に薬物を含有または付着等させることにより、外用のパ
ップ剤や硬膏剤等の貼付剤として有効に利用させるもの
である。膏体は、皮膚への薬効効果が十分得られるよう
に水分を含有し、かつ粘着性を有し、常温又はそれ以上
の温度においても軟化し膏体が皮膚に残らない適度な凝
集性を有するように形成される。
【0008】増粘剤としては、水分を30%〜80%安
定に保持でき、かつ保水性を有することが望ましい。こ
の具体例としては、グァーガム,ローカストビーンガ
ム,カラギーナン,アルギン酸,アルギン酸ナトリウ
ム,寒天,アラビアガム,トラガカントガム,カラヤガ
ム,ペクチン,澱粉等の植物系,ザンサンガム,アカシ
アガム等の微生物系,ゼラチン,コラーゲン等の動物系
等の天然高分子,メチルセルロース,エチルセルロー
ス,ヒドロキシエチルセルロース,カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム等のセルロース系,可溶性デンプ
ン,カルボキシメチルデンプン,ジアルデヒドデンプン
等のデンプン系等の半合成高分子,ポリビニルアルコー
ル,ポリビニルピロリドン,ポリビニルメタクリレート
等のビニル系,ポリアクリル酸,ポリアクリル酸ナトリ
ウム等のアクリル系,その他ポリエチレンオキサイド,
メチルビニルエーテル/無水マイレン酸共重合体等の合
成高分子等の水溶性高分子等が好適に用いられる。特
に、ポリアクリル酸ナトリウムが好ましい。ゲル強度が
強く、かつ保水性に優れるからである。更に、平均重合
度20000〜70000のポリアクリル酸ナトリウム
が好ましい。平均重合度が20000より小さくなるに
つれ増粘効果が乏しくなり十分なゲル強度が得られなく
なる傾向が現れだし、平均重合度が70000より大き
くなるにつれ増粘効果が強すぎ作業性が低下する傾向が
現れだし、いずれも好ましくない。また、前記水溶性高
分子を2種類以上併用することにより、例えば、ポリア
クリル酸ナトリウムの強イオン高分子と高分子コンプレ
ックスを形成し、より一層ゲル強度の大きい弾性ゲルを
得ることができる。
【0009】湿潤剤として、グリセリン,プロピレング
リコール,ソルビトール等の多価アルコール等や、充填
剤として、カオリン,酸化亜鉛,タルク,チタン,ベン
トナイト,珪酸アルミニウム,酸化チタン,酸化亜鉛,
メタ珪酸アルミニウム,硫酸カルシウム,リン酸カルシ
ウム等を添加してもい。また、溶解補助剤または吸収促
進剤として、炭酸プロピレン,クロタミトン,l−メン
トール,ハッカ油,リモネン,ジイソプロピルアジペー
ト等や、薬効補助剤として、サリチル酸メチル,サリチ
ル酸グリコール,l−メントール,チモール,ハッカ
油,ノニル酸ワニリルアミド,トウガラシエキス等を添
加してもよい。更に、必要に応じて、安定化剤や抗酸化
剤、乳化剤等を添加してもよい。その他必要に応じて、
架橋剤や重合剤等を添加してもよい。膏体を強固にする
とともに保水性を持たせることができる。この架橋剤や
重合剤は、増粘剤等の種類に応じて適宜選択される。例
えば、増粘剤にポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩
を適用した場合は、分子中に少なくとも2個のエポキシ
基を有する化合物、Ca,Mg,Al等の塩酸塩,硫酸
塩,リン酸塩,炭酸塩等の無機酸塩,クエン酸塩,酒石
酸塩,グルコン酸塩,ステアリン酸塩等の有機酸塩,酸
化亜鉛,無水珪酸等の酸化物,水酸化アルミニウム,水
酸化マグネシウム等の水酸化物等の多価金属化合物等が
好適に用いられる。また、増粘剤にポリビニルアルコー
ルを適用した場合は、アジピン酸,チオグリコール酸,
エポキシ化合物(エピクロルヒドリン),アルデヒド
類,N−メチロール化合物,Al,Ti,Zr,Sn,
V,Cu,B,Cr等の化合物等の錯化物等が好適に用
いられる。また、増粘剤にポリビニルピロリドンを適用
した場合は、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共
重合体,ポリアシッド化合物またはそのアルカリ金属塩
(ポリアクリル酸やタンニン酸およびその誘導体)等が
好適に用いられる。また、増粘剤にポリエチレンオキサ
イドを適用した場合は、パーキオサイド,ポリスルホン
アザイド等が好適に用いられる。また、増粘剤にメチル
ビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体を適用した場
合は、多官能ヒドロキシ化合物,ポリアミン,ヨウ素,
ゼラチン,ポリビニルピロリドン,鉄,水銀,鉛塩等が
好適に用いられる。増粘剤にゼラチンを適用した場合
は、ホルムアルデヒド,グルタルアルデヒド,ジアルデ
ヒドデンプン等のアルデヒド類、グリオキサール、ブタ
ジエンオキシド等のジエポキシド類、ジビニルケトン等
のジケトン類、ジイソシアネート類等が好適に用いられ
る。また、増粘剤にポリアクリル酸ナトリウムを適用し
た場合、架橋剤として、水酸化リチウム,水酸化亜鉛,
水酸化アルミニウム,ほう酸ナトリウム等の多価金属塩
が添加されるのが好ましい。特に、亜鉛塩,アルミニウ
ム塩が好ましい。架橋反応が促進される。架橋剤として
添加される多価金属塩の濃度は、増粘剤(又は水溶性高
分子)1当量に対し0.5〜1.5当量が好ましい。多
価金属塩の濃度が0.5当量より小さくなるにつれ反応
が遅すぎてゲル強度が低くなる傾向が現れだし、多価金
属塩の濃度が1.5当量より大きくなるにつれ反応が速
すぎてゲル化が不均一になり作業性が低下する傾向が現
れだし、いずれも好ましくない。
【0010】パップ剤としては、皮膚密着性がよいこ
と、有効成分の皮膚吸収を高めること、水分を可及的に
多く含有していること、膏体中の水分が蒸発するとき皮
膚から熱を奪うが、この発熱量が清涼感を与え、また角
質層が内部から蒸散してくる水分子によって水和され、
薬物の吸収が促進されること、常温又はその近辺の温度
でもだれないこと、剥がす時に痛くなく汚れが残らない
こと、べとつかないこと等が挙げられる。このため、膏
体は、増粘剤5重量%〜20重量%,好ましくは10重
量%〜15重量%、湿潤剤5重量%〜40重量%、充填
剤20重量%以下、水10重量%〜80重量%、溶解補
助剤0〜8重量%、薬物5重量%以下,好ましくは0.
5重量%〜5重量%とされるのが好ましい。また、硬膏
剤等に適用する場合、この基材としては、アクリル系共
重合体,A−B−A型ブロック共重合体,脂環族系石油
樹脂,軟化剤を有するものが好適に用いられる。更にA
−B型ブロック共重合体やその他のポリブテンゴム,ブ
チルゴム,シリコーンゴム,天然ゴム,スチレン−ブタ
ジエンコポリマー,NBRポリイソブチレン,ポリアル
キアクリレート,合成イソプレン等の熱可塑性弾性剤等
や、テルペン系樹脂,石油系樹脂,ロジン,水添ロジ
ン,ロジン・水添ロジンエステルなどの粘着性付与剤,
流動パラフィン,オリーブ油,大豆油,牛脂,トン脂等
の動植物油、ポリブテン,液状ポリイソブチレン,低級
イソプレン,ワックスなどの接着力・保持力調整剤、酸
化チタン,酸化亜鉛,メタケイ酸アルミニウム,硫酸カ
ルシウム,リン酸カルシウムなどの充填剤等が配合され
る。A−B−A型ブロック共重合体やA−B型ブロック
共重合体としては、モノビニル置換芳香族化合物Aと共
役ジオレフィン共重合体Bとのブロック共重合体が好適
に用いられる。具体的にはシェル化学社製のカリフレッ
クスTR−1101,カリフレックスTR−1107,
カリフレックスTR−1111等、フィリップペトロリ
アム製のソルプレン418やソルプレン311等であ
り、その配合量は膏体組成物中10〜40重量部であ
り、好ましくは15〜30重量部である。A−B型ブロ
ック共重合体を15〜30重量部加えることにより、A
−B−A型ブロック共重合体の薬効成分の相溶性や投錨
力、粘着力を向上させるとともに油状成分による凝集力
を改善することができ、この範囲よりも外れるに従い、
これらの効果を減少させる傾向があるので好ましくな
い。
【0011】薬物としては、サリチル酸メチル,サリチ
ル酸グリコール,l−メントール,トウガラシエキス,
ノニル酸ワニリルアミド,ハッカ油,ジクロフェナク,
イブプロフェン,インドメタシン,ケトプロフェン,ロ
キソプロフェン,スリンダク,トルメチン,ロベンザリ
ット,ペニシラミン,フェンプフェン,フルルビプロフ
ェン,ナプロキセン,プラノプロフェン,チアプロフェ
ン,スプロフェン,フェルビナク,ケトロラク,オキサ
プロジン,エトドラク,ザルトプロフィン,ピロキシカ
ム,ペンタゾシン,塩酸ブプレノルフィン,酒石酸ブト
ルファノール等およびそのエステル誘導体または塩より
選ばれた少なくとも1種の非ステロイド系抗炎症薬や、
プレドニゾロン,デキサメタゾン,ヒドロコルチゾン,
ベタメタゾン,フルオシニド,フルオシノロンアセトニ
ド,吉草酸酢酸プレドニゾロン,ジプロピオン酸デキサ
メタゾン,吉草酸ジフルコルトロン,ジフルプレドナー
ト,吉草酸ベタメタゾン,酪酸ヒドロコルチゾン,酪酸
クロベタゾン,酪酸ベタメタゾン,プロピオン酸クロベ
タゾン,コハク酸デキサメタゾン,プレドニゾロン21
−(2E,6E)ファルネシート,吉草酸ヒドロコルチ
ゾン,酢酸ジフロラゾン,プロピオン酸デキサメタゾ
ン,ジプロピオン酸ベタメタゾン,アムシノニド,吉草
酸デキサメタゾン,ハルシノニド,ブテソニド,プロピ
オン酸アルクロメタゾン等のステロイド系抗炎症薬等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。薬物
は、必要に応じて2種類以上併用することも可能であ
る。また、これらの薬物は必要に応じてエステル体に誘
導された化合物,アミド体に誘導された化合物,アセタ
ール体に誘導された化合物,あるいは医学的に許容され
る無機塩,有機塩の形態でもって膏体に含有または付着
されてもよい。薬物の量は、患者に適用した際にあらか
じめ設定された有効量を患部に適用できるように、パッ
プ剤や硬膏剤等の貼付剤の種類,用途等に応じて適宜選
択される。
【0012】本発明の請求項2に記載の貼付剤は、請求
項1において、前記剥離シートと前記支持体が伸縮率の
差を有する構成を有している。これにより、請求項1で
得られる作用の他、以下の作用が得られる。 (1)剥離シートと支持体等を左右に引張るだけで、剥
離シートと支持体等との伸び率の違いを利用して、剥離
シートのみを切れ目部で分断できる。 (2)分断時、剥離シートが弾性により分断された部位
がめくれ上がるので、そのめくれ上がった剥離シートの
各片を摘み取ることで、剥離シートを容易に剥ぎ取るこ
とができる。 (3)剥離シートの各片を摘んだ際、膏体の露出した部
分を患部に貼着するだけで手を汚すことなく貼着するこ
とができる。 (4)剥離シートがめくれ、膏体の一部が露出されるの
で、この膏体の露出部を患部にあて、次いで、めくれた
剥離シートの各片をつまんで左右に引張るだけで、高齢
者でも手間をかけずに、また手を汚すことなく、更にパ
ップ剤や硬膏剤等の貼付剤にシワがよったりすることな
くきれいに患部に貼着することができる。
【0013】本発明の請求項3に記載の貼付剤は、請求
項1又は2において、前記剥離シートと前記支持体の伸
縮率の差が0.3%以上である構成を有している。これ
により、請求項1又は2で得られる作用の他、以下の作
用が得られる。 (1)剥離シートと支持体等を左右に引張るだけで、剥
離シートと支持体等との伸び率の違いを利用して、剥離
シートのみを切れ目部で極めて容易に分断できる。 (2)分断時、剥離シートが弾性により分断された部位
がめくれ上がるので、そのめくれ上がった剥離シートの
各片を摘み取ることで、剥離シートを容易に剥ぎ取るこ
とができる。 (3)剥離シートの各片を摘んだ際、膏体の露出した部
分を患部に貼着するだけで手を汚すことなく貼着するこ
とができる。 (4)剥離シートがめくれ、膏体の一部が露出されるの
で、この膏体の露出部を患部にあて、次いで、めくれた
剥離シートの各片をつまんで左右に引張るだけで、高齢
者でも手間をかけずに、また手を汚すことなく、更にパ
ップ剤や硬膏剤等の貼付剤にシワがよったりすることな
くきれいに患部に貼着することができる。
【0014】本発明の請求項4に記載の貼付剤は、請求
項1乃至3の内いずれか1において、前記支持体が縦方
向及び/又は横方向に10〜100%の伸縮率を有する
構成を有している。これにより、請求項1乃至3の内い
ずれか1項で得られる作用の他、以下の作用が得られ
る。 (1)支持体が縦方向及び/又は横方向に10〜100
%の伸縮率を有するので、支持体と剥離シートの伸び率
等の差を利用して、支持体と共に剥離シートを引張るだ
けで、容易に剥離シートを分断して、剥離シートを膏体
から剥がすことができる。
【0015】本発明の請求項5に記載の貼付剤は、請求
項1乃至4の内いずれか1において、前記剥離シートが
エンボス加工部を有する構成を有している。これによ
り、請求項1乃至4の内いずれか1項で得られる作用の
他、以下の作用が得られる。 (1)剥離シートの表面にエンボス加工部が形成されて
いることにより、剥離シートを分断するときや、パップ
剤や硬膏剤等の貼付剤を製造するとき等、このエンボス
加工部が指や膏体との摩擦抵抗を大とすることができ、
剥離シートを手で摘み易くしたり、支持体上に展着され
た膏体上に剥離シートを貼着して原反シートを作成する
ときやこの原反シートを裁断するとき等、剥離シートを
膏体上に密着させることができ、剥離シートが膏体から
ずれること等が防止できる。 (2)剥離シートが、剥離シートの表面に形成されたエ
ンボス加工部を備えたので、支持体の隅部を爪で探る等
の剥離開始作業を要することなく、ただこのパップ剤や
硬膏剤等の貼付剤の剥離シートを支持体等とともに外側
に引張るか切れ目部で折り曲げるだけで、容易に剥離シ
ートのみを切れ目部で分断することができる。 (3)剥離シートにエンボス加工部が形成されているの
で、剥離作業の際に滑ったりすることがなく、剥離シー
トの剥離を簡単にかつ円滑に行うことができる。 (4)剥離シートにエンボス加工部が形成されているの
で、パップ剤や硬膏剤等の貼付剤を製造するに際して、
支持体の一面に展着された膏体上に剥離シートを積層す
る場合、剥離シートが膏体上を滑ってずれることがなく
積層することができる。 (5)エンボス加工部の摩擦抵抗が大きいので原反シー
トを裁断する場合、切れ目部刃具に原反シートが巻き込
まれるのを防止し剥離シートがずれ込むことがなく、生
産性を向上させることができる。 (6)膏体やこの膏体と剥離シートの間に気泡が生じた
場合も、この気泡をエンボス加工部によって容易に排出
することができるので、製品歩溜まりを飛躍的に向上さ
せることができる。
【0016】ここで、エンボス加工部は、剥離シートの
全面または局部的な箇所、例えば切れ目部を引き裂く際
に手で摘み易い箇所、例えば切れ目部の両側部に10〜
20mmや、引き裂いた剥離シートを剥離する際に摘み易
い箇所等に形成される。エンボス加工部の形状は、特に
限定されるものではないが、滑ることなく手で摘み易く
するものであれば、例えば、格子状,丸形状,角形状,
星形状等その他種々の形状に形成されてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1における貼
付剤を示す斜視図であり、図2はその正面図であり、図
3はその要部断面図である。図1乃至図3において、1
aは本発明の実施の形態1におけるパップ剤や硬膏剤等
の貼付剤、2は不織布等からなる伸縮性を有する支持
体、3は支持体2の表面の略全面に展着されたポリアク
リル酸ナトリウム等にサリチル酸メチル又はケトプロフ
ェン等の薬物や水分等を含有させた膏体、4は膏体3の
全面に貼着された厚み10μm〜75μmの無延伸ポリ
プロピレン等からなる剥離シート、4aは剥離シート4
の端部、5aは剥離シート4の略中央部を横切って略直
線状に形成された切れ目部、6は切れ目部5aと切れ目
部5aとの間に形成された連結部、7aは剥離シート4
の略全面に菱形状の凸部を持って形成されたエンボス加
工部である。尚、連結部6の長さ(a)と切れ目部5a
の長さ(b)の比は、a:b=1:8〜25とされてい
る。また、切れ目部5aを持った剥離シート4の引張り
強度は、10g/cm 〜140g/cmである。
【0018】以上のように構成された本実施の形態にお
ける貼付剤1aについて、以下その使用方法を説明す
る。図4は本発明の実施の形態1における貼付剤の剥離
シートを分断する作業を示す側面図であり、図5は本発
明の実施の形態1における貼付剤を患部に貼着する作業
を示す側面図である。まず、図4に示すように、パップ
剤や硬膏剤等の貼付剤1aの両端部をつまみ、支持体2
と共に剥離シート4を引っ張り切れ目部5aを少し折り
曲げるだけで、剥離シート4を切れ目部5aに沿って左
右に分断することができる。また、分断された剥離シー
ト4は、切れ目部5aの部分を少し折り曲げるだけで剥
離シート4の弾性によって分断された部分からめくれ上
がり、膏体3が露出される。次に、図5に示すように、
この露出された膏体3を患部にあてながら、めくれた剥
離シート4の各片を左右に引っ張って剥がしながら、患
部にパップ剤や硬膏剤等の貼付剤1aを貼着する。これ
により、手を汚すことなくまたパップ剤や硬膏剤等の貼
付剤1aにシワがよったりすることはなくきれいに貼付
剤1aを貼着することができる。
【0019】以上のように本実施の形態のパップ剤や硬
膏剤等の貼付剤1aは構成されているので、以下の作用
を有する。 1)剥離シート4が引張り強度に優れた材料からなり、
またエンボス加工部7aで補強され腰が強化され、一
方、支持体2が伸縮性に優れた材料からなるので、これ
ら剥離シート4と支持体2の伸び率の違いを利用するこ
とにより、パップ剤や硬膏剤等の貼付剤1aの両端部を
持って支持体2と共に剥離シート4を左右に引張るだけ
で、剥離シート4を切れ目部5aに沿って分断でき、か
つ、分断された剥離シート4がその弾力でめくれ上がり
膏体を露出することができ、手を汚すことなくまたパッ
プ剤や硬膏剤等の貼付剤1aにシワがよったりすること
なくきれいに患部に貼着することができる。 2)片手でパップ剤や硬膏剤等の貼付剤1aの切れ目部
5aを指でこするだけで、エンボス加工部7aの摩擦抵
抗が高く指が掛かり易いので、剥離シート4をきれいに
分断できる。 3)分断された一方の剥離シート4片をめくり患部に貼
付した後、他の剥離片を剥がすだけで貼付できる。
【0020】(実施の形態2)図6は本発明の実施の形
態2における貼付剤の正面図である。4は剥離シート、
4aは剥離シート4の端部、6は連結部であり、これら
は実施の形態1と同様なものであり、同一の符号を付し
て説明を省略する。実施の形態1と異なるのは、本実施
の形態における貼付剤1bが、剥離シート4の略中央部
を横切って略波線状に形成された切れ目部5bと、剥離
シート4の略全面に丸形状の凸部を持って形成されたエ
ンボス加工部7bと、を備えた点である。以上のように
本実施の形態によれば、パップ剤や硬膏剤等の貼付剤を
わずかな力で左右に引張ったり、剥離シート4の表面の
エンボス加工部7bをこすったりして切れ目部5bで容
易に分断され、めくられた剥離シート4の山部は突出し
て突出片となるのでこの突出片を摘んで、膏体から容易
に剥がすことができる。
【0021】(実施の形態3)図7は本発明の実施の形
態3における貼付剤の要部正面図である。4は剥離シー
ト、6は連結部であり、これらは実施の形態1と同様な
ものであり、同一の符号を付して説明を省略する。実施
の形態1と異なるのは、本実施の形態における貼付剤1
cが、剥離シート4の略中央部を横切って略波形状に形
成された切れ目部5cと、剥離シート4の略全面に三角
形状の凸部を持って形成されたエンボス加工部7cと、
を備えた点である。
【0022】(実施の形態4)図8は本発明の実施の形
態4における貼付剤の要部正面図である。4は剥離シー
ト、6は連結部であり、これらは実施の形態1と同様な
ものであり、同一の符号を付して説明を省略する。実施
の形態1と異なるのは、本実施の形態における貼付剤1
dが、剥離シート4の略中央部を横切って略鋸刃形状に
形成された切れ目部5dと、剥離シート4の略全面に星
形状の凸部を持って形成されたエンボス加工部7dと、
を備えた点である。
【0023】(実施の形態5)図9は本発明の実施の形
態5における貼付剤を示す斜視図である。2は支持体、
3は膏体、4は剥離シート、4aは剥離シート4の端
部、6は連結部であり、これらは実施の形態1乃至実施
の形態4と同様なものであり、同一の符号を付して説明
を省略する。実施の形態1と異なるのは、本実施の形態
における貼付剤1eが、剥離シート4の一端部の側部を
横切って略直線状に形成された切れ目部5eと、切れ目
部5eの両側部に幅が10〜20mmに渡って菱形状の凸
部を持って形成されたエンボス加工部を備えた点であ
る。
【0024】(実施の形態6)図10は本発明の実施の
形態6における貼付剤を示す斜視図である。2は支持
体、3は膏体、4は剥離シート、4aは剥離シート4の
端部、5aは切れ目部、6は連結部、7aはエンボス加
工部であり、これらは実施の形態1と同様なものであ
り、同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態1
と異なるのは、本実施の形態における貼付剤1fが、エ
ンボス加工部7aに剥離位置等を印刷で解り易く表示し
た表示部8を備えた点である。
【0025】
【実施例】以下、更に具体化した実施例について説明す
る。 (実施例1)長さ150mm,幅50mm,厚み30μmの
無延伸ポリプロピレン(CPP)製,延伸ポリプロピレ
ン(OPP)製,ポリエチレンテレフタレート(PE
T)製の剥離シートを準備した。次に、各剥離シートの
略中央部に、連結部の長さ(a)と切れ目部の長さ
(b)の比が、a:b=1:5の直線状の切れ目部を設
けた。
【0026】(実施例2)実施例1と同様にして剥離シ
ートを準備した。次に、各剥離シートの略中央部に、連
結部の長さ(a)と切れ目部の長さ(b)の比が、a:
b=1:8の直線状の切れ目部を設けた。
【0027】(実施例3)実施例1と同様にして剥離シ
ートを準備した。次に、各剥離シートの略中央部に、連
結部の長さ(a)と切れ目部の長さ(b)の比が、a:
b=1:15の直線状の切れ目部を設けた。
【0028】(官能試験)各剥離シートを引張って、引
き裂いたときの官能度を調べた。評価方法は、各剥離シ
ートの切れ目部を引き裂く際、非常に切れ易いと感じれ
ば、「□」とし、切れ易いと感じれば、「○」とし、切
れ難いと感じれば、「×」として評価した。その結果を
(表1)に示す。
【0029】
【表1】
【0030】(引張り強度試験)引張り試験機(島津製
作所製;AGS−100B)を用いて、切れ目部を形成
した各剥離シートの引張り強度を測定した。ここで、標
点間距離100mmを持って剥離シートを幅50mmのチャ
ックで挟持させ、100mm/分で引張り、破断時の荷重
を測定した。この結果を(表1)に示す。
【0031】(表1)から明らかなように、連結部の長
さと切れ目部の長さの比が、実施例3(a:b=1:1
5)のときは非常に分断が容易で、実施例2(a:b=
1:8)のときでも分断が容易であった。しかしなが
ら、連結部の長さと切れ目部の長さの比が、実施例1
(a:b=1:5)のときは、分断がし難く一部に非切
断部が確認された。また、剥離シートの引っ張り強度
は、連結部の長さと切れ目部の長さの比が、実施例3
(a:b=1:15)のときは、40g/cm〜58g/
cm、実施例2(a:b=1:8)のときは、69g/cm
〜98g/cm、実施例1(a:b=1:5)のときは、
156g/cm〜187g/cmであった。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば以下の有
利な効果を奏することができる。請求項1に記載の発明
によれば、 (1)剥離シートと支持体等を左右に引張るだけで、剥
離シートと支持体等との伸び率の違いを利用して、剥離
シートのみを切れ目部で分断できる。 (2)分断時、剥離シートが弾性により分断された部位
がめくれ上がるので、そのめくれ上がった剥離シートの
各片を摘み取ることで、剥離シートを容易に剥ぎ取るこ
とができる。 (3)剥離シートの各片を摘んだ際、膏体の露出した部
分を患部に貼着するだけで手を汚すことなく貼着するこ
とができる。 (4)剥離シートがめくれ、膏体の一部が露出されるの
で、この膏体の露出部を患部にあて、次いで、めくれた
剥離シートの各片をつまんで左右に引張るだけで、高齢
者でも手間をかけずに、また手を汚すことなく、更にパ
ップ剤や硬膏剤等の貼付剤にシワがよったりすることな
くきれいに患部に貼着することができる。 (5)剥離シートに所定間隔を持って形成された切れ目
部を設けたので、剥離シートが分断されたとき、分断面
が突出するので突出片を摘むことができ簡単に剥がすこ
とができる。
【0033】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加え、 (1)剥離シートと支持体等を左右に引張るだけで、剥
離シートと支持体等との伸び率の違いを利用して、剥離
シートのみを切れ目部で分断できる。 (2)分断時、剥離シートが弾性により分断された部位
がめくれ上がるので、そのめくれ上がった剥離シートの
各片を摘み取ることで、剥離シートを容易に剥ぎ取るこ
とができる。 (3)剥離シートの各片を摘んだ際、膏体の露出した部
分を患部に貼着するだけで手を汚すことなく貼着するこ
とができる。 (4)剥離シートがめくれ、膏体の一部が露出されるの
で、この膏体の露出部を患部にあて、次いで、めくれた
剥離シートの各片をつまんで左右に引張るだけで、高齢
者でも手間をかけずに、また手を汚すことなく、更にパ
ップ剤や硬膏剤等の貼付剤にシワがよったりすることな
くきれいに患部に貼着することができる。
【0034】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は2の発明の効果に加え、 (1)剥離シートと支持体等を左右に引張るだけで、剥
離シートと支持体等との伸び率の違いを利用して、剥離
シートのみを切れ目部で極めて容易に分断できる。 (2)分断時、剥離シートが弾性により分断された部位
がめくれ上がるので、そのめくれ上がった剥離シートの
各片を摘み取ることで、剥離シートを容易に剥ぎ取るこ
とができる。 (3)剥離シートの各片を摘んだ際、膏体の露出した部
分を患部に貼着するだけで手を汚すことなく貼着するこ
とができる。 (4)剥離シートがめくれ、膏体の一部が露出されるの
で、この膏体の露出部を患部にあて、次いで、めくれた
剥離シートの各片をつまんで左右に引張るだけで、高齢
者でも手間をかけずに、また手を汚すことなく、更にパ
ップ剤や硬膏剤等の貼付剤にシワがよったりすることな
くきれいに患部に貼着することができる。
【0035】請求項4記載の発明によれば、請求項1乃
至3の内いずれか1に記載の発明の効果に加え、 (1)支持体が縦方向及び/又は横方向に10〜100
%の伸縮率を有するので、支持体と剥離シートの伸び率
等の差を利用して、支持体と共に剥離シートを引張るだ
けで、容易に剥離シートを分断して、剥離シートを膏体
から剥がすことができる。
【0036】請求項5記載の発明によれば、請求項1乃
至4の内いずれか1に記載の発明の効果に加え、 (1)剥離シートの表面にエンボス加工部が形成されて
いることにより、剥離シートを分断するときや、パップ
剤や硬膏剤等の貼付剤を製造するとき等、このエンボス
加工部が指や膏体との摩擦抵抗を大とすることができ、
剥離シートを手で摘み易くしたり、支持体上に展着され
た膏体上に剥離シートを貼着して原反シートを作成する
ときやこの原反シートを裁断するとき等、剥離シートを
膏体上に密着させることができ、剥離シートが膏体から
ずれること等が防止できる。 (2)剥離シートが、剥離シートの表面に形成されたエ
ンボス加工部を備えたので、支持体の隅部を爪で探る等
の剥離開始作業を要することなく、ただこのパップ剤や
硬膏剤等の貼付剤の剥離シートを支持体等とともに外側
に引張るか切れ目部で折り曲げるだけで、容易に剥離シ
ートのみを切れ目部で分断することができる。 (3)剥離シートにエンボス加工部が形成されているの
で、剥離作業の際に滑ったりすることがなく、剥離シー
トの剥離を簡単にかつ円滑に行うことができる。 (4)剥離シートにエンボス加工部が形成されているの
で、パップ剤や硬膏剤等の貼付剤を製造するに際して、
支持体の一面に展着された膏体上に剥離シートを積層す
る場合、剥離シートが膏体上を滑ってずれることがなく
積層することができる。 (5)エンボス加工部の摩擦抵抗が大きいので原反シー
トを裁断する場合、切れ目部刃具に原反シートが巻き込
まれるのを防止し剥離シートがずれ込むことがなく、生
産性を向上させることができる。 (6)膏体やこの膏体と剥離シートの間に気泡が生じた
場合も、この気泡をエンボス加工部によって容易に排出
することができるので、製品歩溜まりを飛躍的に向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における貼付剤を示す斜
視図
【図2】本発明の実施の形態1における貼付剤を示す正
面図
【図3】本発明の実施の形態1における貼付剤を示す要
部断面図
【図4】本発明の実施の形態1における貼付剤の剥離シ
ートを分断する作業を示す側面図
【図5】本発明の実施の形態1における貼付剤を患部に
貼着する作業を示す側面図
【図6】本発明の実施の形態2における貼付剤を示す正
面図
【図7】本発明の実施の形態3における貼付剤を示す要
部正面図
【図8】本発明の実施の形態4における貼付剤を示す要
部正面図
【図9】本発明の実施の形態5における貼付剤を示す斜
視図
【図10】本発明の実施の形態6における貼付剤を示す
斜視図
【図11】従来のパップ剤や硬膏剤等の貼付剤を示す斜
視図
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e,1f,11 パップ剤
や硬膏剤等の貼付剤 2,12 支持体 3,13 膏体 4,14 剥離シート 4a 剥離シートの端部 5a,5b,5c,5d,5e 切れ目部 6 連結部 7a,7b,7c,7d,7e エンボス加工部 8 表示部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸縮性を有する支持体と、前記支持体の
    一面の略全面に展着された膏体と、前記膏体の全面に貼
    着された剥離シートと、前記剥離シートに所定間隔を持
    って形成された切れ目部と、を備えたことを特徴とする
    貼付剤。
  2. 【請求項2】 前記剥離シートと前記支持体が伸縮率の
    差を有することを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
  3. 【請求項3】 前記剥離シートと前記支持体の伸縮率の
    差が0.3%以上であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の貼付剤。
  4. 【請求項4】 前記支持体が縦方向及び/又は横方向に
    10〜100%の伸縮率を有することを特徴とする請求
    項1乃至3の内いずれか1に記載の貼付剤。
  5. 【請求項5】 前記剥離シートがエンボス加工部を有
    することを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に
    記載の貼付剤。
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