JP2001245890A - ヘリコバクター・ピロリ菌採取システム - Google Patents

ヘリコバクター・ピロリ菌採取システム

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JP2001245890A
JP2001245890A JP2000063766A JP2000063766A JP2001245890A JP 2001245890 A JP2001245890 A JP 2001245890A JP 2000063766 A JP2000063766 A JP 2000063766A JP 2000063766 A JP2000063766 A JP 2000063766A JP 2001245890 A JP2001245890 A JP 2001245890A
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endoscope
helicobacter pylori
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filter
suction
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Toshio Nakamura
俊夫 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、患者への負担も少ないようにして、
ヘリコバクター・ピロリ菌の採取が可能なシステムを提
供することを目的とする。 【解決手段】本発明は、人体内に導入される内視鏡1の
挿入部に形成した注入用チャンネル24を通じて体外か
ら体内に流体を注入すると共に、内視鏡1を通じて体内
に導入された超音波振動子74により体内に注入された
液体を介して体内壁に超音波振動を加え、さらに吸引器
58により体内の液体の吸引を行なって吸引する吸引管
路の一部に上記吸引器58により吸引される体内の液体
から菌をろ過する菌収集用フィルター52を設け、ヘリ
コバクター・ピロリ菌を採取する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、胃内のヘリコバク
ター・ピロリ菌を採取するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、胃癌あるいは胃潰瘍の原因になる
と考えられているヘリコバクター・ピロリ菌が胃に存在
するか否かを確認する方法としては、胃の中に内視鏡を
挿入し、この内視鏡に具備されたチャンネルを通じて胃
の中に挿入した生検鉗子を使って、2mm四方程度の微小
な胃の組織片を採取し、この組織片に含まれる菌を血液
や結成を加えた培地上で培養し、コロニーの出現の有無
によりヘリコバクター・ピロリ菌の存在を判定する培養
法や、同様にして採取した組織片を、酸性からアルカリ
性に変化すると色が変わる色素の中に入れて色の変化に
よりヘリコバクター・ピロリ菌の存在を判定する迅速ウ
レアーゼ試験等が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】(従来技術の問題点)
これら従来の検査方法は基本的に内視鏡により採取した
微小な組織片を使用する為、たまたまヘリコバクター・
ピロリ菌の存在する組織を採取すれば陽性となるが、既
に除菌療法によって除菌が進み、胃内のヘリコバクター
・ピロリ菌の絶対数が少なくなっている患者の場合には
たまたま菌の存在しない領域の組織を採取してしまうこ
とも多々あり得る。このため、ヘリコバクター・ピロリ
菌がいるにも拘わらず、陰性の判定を出す可能性があっ
た。
【0004】そこで、信頼性の高い検査を実現する為、
組織片を胃の内部表面からできるだけ多く広範囲にわた
って万遍なく採取する必要があるが、多量の生検採取に
は時間がかかり、また組織片を採取したところから出血
する虞もあり、検査する医師及び患者双方に負担を強い
ていた。
【0005】(目的)本発明は上記課題に着目してなさ
れたもので、その目的とするところは、ヘリコバクター
・ピロリ菌の検査が簡便であり、ヘリコバクター・ピロ
リ菌の採取が短時間に完了し、患者への負担やダメージ
が少ないヘリコバクター・ピロリ菌の採取システムを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】(手段)本発
明は、人体内に導入される挿入部を持つ内視鏡と、上記
内視鏡の挿入部の内部あるいは外部に沿って具備され一
端が体内側に位置して開口し得ると共に他端が体外側に
位置するチャンネルと、上記チャンネルを通じて吸引が
かけられるように接続された吸引器と、上記チャンネル
の体外側の端部を上記吸引器と接続する吸引管路と、上
記吸引管路の一部に設けられたろ過フィルターと、上記
内視鏡の挿入部の先端あるいは上記内視鏡の体内に導入
される部分に具備され、あるいは上記内視鏡の挿入部に
形成された挿通用チャンネルを経由して体内に挿入され
た超音波振動子と、を具備したことを特徴とするヘリコ
バクター・ピロリ菌採取システムである。
【0007】(作用)胃内に注入した流体に胃の粘膜表
面に付着しているヘリコバクター・ピロリ菌を液中に浮
遊させる。また、流体として生体の浸透圧に影響を与え
ない生理食塩水あるいはリン酸緩衝液を使用することに
より採取する菌にダメージを与えることなく、粘膜から
菌を確実に剥離することが出来る。また、これら緩衝液
を界面活性を混入すると、生体膜の電荷変異が起き、更
に剥離効果を持たせることができる。
【0008】しかしながら、ヘリコバクター・ピロリ菌
は螺旋状の形態で菌体の一端に鞭毛を有している為、粘
膜表面への付着力が強く、流体で洗い流しただけでは菌
の剥離力が足りない場合が想定できるが、本発明では、
このような場合であっても内視鏡の挿入部に具備し、あ
るいはチャンネルより挿入した超音波振動子より上記流
体内で超音波を発生させるため、その超音波振動により
さらに高い剥離効果を得ることができる。
【0009】また、流体注入と超音波により液中に浮遊
したヘリコバクター・ピロリ菌は胃内の流体とともに、
吸引器の接続されたチャンネルにより体外に吸引され
る。吸引された液体は吸引管路の途中にあるヘリコバク
ター・ピロリ菌のサイズより孔径が小さいフィルターに
よりろ過されて、ヘリコバクター・ピロリ菌が採取され
る。
【0010】ヘリコバクター・ピロリ菌は嫌気性細菌な
ので空気に触れると生存が難しい。そのため、フィルタ
ーを外気より密封することにより採取した菌が死んでし
まわないようにする。
【0011】このろ過フィルターで採取したヘリコバク
ター・ピロリ菌の存在を、培養法、あるいは迅速ウレア
ーゼ法等で判断する。
【0012】この方法は内視鏡を用いての粘膜生検の組
織片によらない為、迅速に、患者への出血等のリスクや
負担無しに検査を完了することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜図4に基づいて本発明の一
実施形態のヘリコバクター・ピロリ菌採取システムにつ
いて説明する。
【0014】(構成)図1はヘリコバクター・ピロリ菌
採取システムに使用する内視鏡システムの一例を示して
いる。
【0015】内視鏡1は人間の体内に挿入する為の軟性
の挿入部2を有し、挿入部2の手元端には手元操作部3
が連結されている。挿入部2には手元操作部3に設けら
れた湾曲操作ノブで自由に湾曲がかけられる湾曲部4
と、その先端に設けられた先端部5が設けられている。
手元操作部3には各種の操作スイッチ6が設けられ、ま
た、光源装置7に接続するためのコード8が連結されて
いる。
【0016】内視鏡1の先端部5には体内を観察する為
の観察レンズ系と、この観察レンズ系で光学的に像を結
んだ観察像を電気信号に変える為の固体撮像素子(図示
せず)が具備されている。上記電気信号は挿入部2、手
元操作部3及びコード8の中を経由して設けられた図示
しない電気ケーブルを介し、さらにコネクター部9から
導出した外部導出用電気ケーブル11を介してビデオプ
ロセッサー12に送られ、ビデオプロセッサー12にお
いて電気的に処理される。ビデオプロセッサー12には
モニター13が接続され、このモニター13は上記ビデ
オプロセッサー12により得られた映像信号によって内
視鏡1で観察した像を映し出すようになっている。
【0017】上記光源装置7より発する光は内視鏡1内
の光伝達用のグラスファイバーにより先端部5に伝送さ
れ、観察に十分な光量で体内に出射される。
【0018】図2は図1に示された上記内視鏡システム
を組み込んだ本実施形態のヘリコバクター・ピロリ菌採
取システムの具体的な形態を示している。
【0019】患者20の口には歯で内視鏡1を傷つけな
いように、マウスピース21が咥えさせられている。こ
のマウスピース21を通じて内視鏡1の挿入部2が患者
の体内に挿入されている。具体的には内視鏡1の先端部
5は患者の食道部22を超えて胃23内に達している。
【0020】内視鏡1には先端部5で先端が開口してい
る注入用チャンネル24が設けられ、この注入用チャン
ネル24を通じて流体を胃23内に注入するようになっ
ている。この注入用チャンネル24の他端(基端)側は
手元操作部3において開口する接続口25に通じてい
る。
【0021】そして、接続口25に、シリンジ26を接
続し、シリンジ26で注入用チャンネル24を通じて胃
23内に流体を注入できるようになっている。シリンジ
26で注入する流体としては、例えば滅菌水、生理食塩
水あるいはリン酸緩衝液等であるが、菌剥離効果のある
薬液が望ましい。
【0022】なお、上記緩衝液にドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS)、ポリエチレングリコールソルビタンアルキ
ルエチレン類の界面活性剤をヘリコバクター・ピロリ菌
が死なない程度に混入すると菌の剥離効果が高まる。
【0023】内視鏡1には挿入部2の先端部5で先端が
開口している吸引用チャンネル31が設けられている。
吸引用チャンネル31は内視鏡1の先端部5からコネク
ター部9にある接続口金32までに渡って内装されたチ
ューブ状の部材によって形成されている。
【0024】吸引用チャンネル31において特に挿入部
2の先端部5から手元操作部3に渡る先端側部分は処置
具を挿通する処置具用挿通チャンネル33を兼ねてい
る。処置具用挿通チャンネル33の手元側は上記吸引用
チャンネル31から分岐して上記手元操作部3に設けた
処置具挿通口34に接続されている。処置具挿通口34
には通常閉塞状態にある栓(図示せず)が装着されてい
る。そして、栓に貫通するように差し込むようにして処
置具挿通口34から鉗子や超音波プローブ等の処置具が
挿入され、処置具用挿通チャンネル33を通じて先端部
5から体腔内に先端を突き出せるようになっている。こ
こで、処置具用挿通チャンネル33は処置具を挿通する
のに十分な内径を有し、一般には注入用チャンネル24
や吸引用チャンネル31の内径よりも太径のものであ
る。
【0025】本実施形態では処置具用挿通チャンネル3
3を利用しても胃23内に流体を注入することができる
ようになっている。すなわち、処置具挿通口34に、上
記同様のシリンジ26を接続し、そのシリンジ26を使
って処置具用挿通チャンネル33を通じて胃23内に緩
衝液等の流体を注入できるようになっている。この場合
は内視鏡1に注入用チャンネル24を独立して設ける必
要は必ずしもない。
【0026】また、処置具用挿通チャンネル33は後に
説明する超音波振動子74を先端に具備した超音波プロ
ーブ73が処置具挿通口34から挿入して先端部5まで
挿通するのに十分な内径を有している。
【0027】上記吸引用チャンネル31のコネクター部
9側の開口部である接続口金32には三方活栓36の第
一接続部41に繋がるチューブ37が接続されている。
三方活栓36の第二接続部42は三叉コネクタ43の第
一接続部44に接続されたチューブ45に接続されてい
る。三方活栓36の第三接続部46はチューブ47を介
してフィルターユニット50の上流側接続部48に接続
されている。
【0028】このフィルターユニット50はこれに流れ
込む体液を一旦溜めておくタンク49を備える。タンク
49の下流にはメンブランフィルターに代表される細菌
ろ過収集用のスクリーニングフィルター51を内蔵する
フィルターホルダー52が設けられ、フィルターホルダ
ー52の下流側に設けられた接続口部53にはチューブ
54を介して上記三叉コネクタ43の第二接続部55に
接続されている。三叉コネクタ43の第三接続部56は
チューブ57を介して吸引器58が接続されている。
【0029】上記スクリーニングフィルター51の下流
側において、例えばチューブ54の途中には内視鏡1か
ら吸引器58の方へは流れるが、反対方向には流れない
ように機能する逆止弁59が設けられている。
【0030】そして、上記三方活栓36は三方弁60を
操作することにより、第一接続部41、第二接続部42
及び第三接続部46のどの管路をオープンにするか、ま
たはクローズにするかを任意に選択することができるよ
うになっている。
【0031】次に、図3を参照して、上記フィルターホ
ルダー51付近部分の具体的な構成について説明する。
【0032】上記タンク49の下端口部外周にはフィル
ターホルダー52をねじ込むねじ部61が螺刻されてい
る。上記スクリーニングフィルター51はフィルターホ
ルダー52内に形成されたチャンバー部62に収納され
ている。フィルターホルダー52の下端にはチューブ5
4を接続するための接続口部53が形成されている。
【0033】フィルターホルダー52のチャンバー部6
2内には上記スクリーニングフィルター51と、このス
クリーニングフィルター51を支持すると共にスクリー
ニングフィルター51の孔径より大きい孔径のメッシュ
部65を中心部に持つサポートスクリーン66と、上流
側からの体液等の流体がスクリーニングフィルター51
を通さずにフィルター外周より漏れて下流側に流れ込む
ことを防ぐ弾性体で作られたシール用のリング67が重
ね合わされた状態で設置されている。
【0034】上記スクリーニングフィルター51とサポ
ートスクリーン66とシール用リング67の積層体は上
記タンク49の口部下端68とチャンバー部62の内底
面69との間に挟み込まれている。つまり、スクリーニ
ングフィルター51はフィルターホルダー52内に外気
より密封する状態で収納されている。このため、採取す
るヘリコバクター・ピロリ菌が嫌気性細菌であっても生
存可能である。
【0035】ところで、ヘリコバクター・ピロリ菌は一
般に縦長の桿菌であり、菌サイズは長手方向で4μmと
いわれている。このため、スクリーニングフィルター5
1の孔径は上記菌サイズより小さい、例えば4μm以下
であることが望ましい。
【0036】図4は内視鏡1の先端部5が胃23の中に
ある状態を示している。図4(a)で示す内視鏡1は先
端部5に超音波を発生させる超音波振動子74を具備し
たものである。また、図4(b)で示す内視鏡1は処置
具用挿通チャンネル33を通じて超音波プローブ73を
挿入し、その処置具用挿通チャンネル33の先端開口よ
り胃23の中に突き出している。上記超音波プローブ7
5はその先端に超音波振動子74を設けている。
【0037】いずれの超音波振動子74も注入用チャン
ネル24より注入された流体の中に浸された状態にあ
り、超音波振動子74より発生した超音波はこの流体を
通じて胃23のヘリコバクター・ピロリ菌71のいる粘
膜72に達し、粘膜72に振動を与え得るようになって
いる。
【0038】(作用)内視鏡1における注入用チャンネ
ル24、あるいは吸引用チャンネル31の処置具用挿通
チャンネル33の部分を通じ、シリンジ26等から、滅
菌水、生理食塩水あるいはリン酸緩衝液を、胃23の中
を十分満たすまで注入する。その結果、図4で示すよう
に、胃23の粘膜72の表面に存在しているヘリコバク
ター・ピロリ菌71はこれらの緩衝液により粘膜72よ
り浮き上がり緩衝液内に剥離される。生理食塩水、リン
酸緩衝液は生体の浸透圧を変えない為、菌に与えるダメ
ージを最小限にして剥離することが出来る。
【0039】また、これらの緩衝液にドデシル硫酸ナト
リウム、ポリエチレングリコールソルビタンアルキルエ
チレン類の界面活性剤を追加することにより生体膜の電
荷を変化させ、緩衝液のみを使用したときの物理的な力
による菌の剥離効果に加え、電荷の変化による菌の剥離
効果を期待することができる。
【0040】また、内視鏡1の処置具用挿通チャンネル
33を通じて超音波プローブ73を挿入し、胃内に挿入
された超音波プローブ73の先端部分に具備された超音
波振動子74から発する超音波により、粘膜72等を振
動させ、粘膜72に付着したヘリコバクター・ピロリ菌
71に物理的な衝撃を与える。すると、さらに菌の剥離
を容易にする効果が得られる。
【0041】また、内視鏡1の湾曲部4により先端部5
をさまざまな方向に向けたり、超音波プローブ73の先
端部分の位置を変えたりすることにより、超音波を胃2
3の粘膜72の隅々に万遍なく当てることが出来る。
【0042】このように流体の注入、超音波の振動によ
り剥離したヘリコバクター・ピロリ菌71は流体内に浮
遊している。この流体を内視鏡1の吸引用チャンネル3
1を通じて吸引し、スクリーニングフルター51にてろ
過して、ヘリコバクター・ピロリ菌71を回収する。
【0043】具体的には次のように行なわれる。まず、
体内から吸引した液体をスクリーニングフィルター51
で回収する場合、三方活栓36の三方弁60により第一
接続部41と第三接続部46をオープンとし、第二接続
部42をクローズとするように設定しておく。
【0044】なお、通常の内視鏡検査(菌採集を行わな
い)を行なっている場合は三方活栓36の三方弁60を
ひねり、第一接続部41と第二接続部42をオープンに
し、第三接続部46を閉じることにより不必要な菌のサ
ンプリングを避けることができる。
【0045】菌採集を行なう場合、吸引器58を作動さ
せると、吸引用チャンネル31の内部が陰圧になり、患
者の胃内に挿入した内視鏡1の先端部5から胃内の流体
を吸引することができる。この時、吸引用チャンネル3
1に通じる処置具挿通口34は図示しない栓によってシ
ールされているので陰圧が逃げることがない。
【0046】吸引用チャンネル31を介して吸引された
流体は吸引チューブ用接続口金32、チューブ37およ
び第一接続部41を通じて三方活栓36に流れ込む。三
方活栓36の三方弁60により第三接続部46側がオー
プン、第二接続部42側がクローズになっている為、吸
引された体液はチューブ47を通じてフィルターユニッ
ト50のタンク49内に引導される。
【0047】液体が短時間で大量に吸引され、スクリー
ニングフィルター51のろ過能力を超えてしまうと、吸
引した液体が三方活栓36を超えて溢れてしまう虞があ
るが、本実施形態ではフィルターユニット50にタンク
49を設け、ろ過能力を超えた分はタンク49に一旦溜
まる。このため、吸引した液体が三方活栓36を超えて
溢れてしまうことがない。つまり、タンク49は体液の
流れのバッファの役割を担う。
【0048】通常のろ過作業ではスクリーニングフィル
ター51を通過するサンプル液体の流量を増加させる
為、スクリーニングフィルター51の上流側から加圧す
る加圧ろ過方式か、下流側から陰圧で吸引する吸引ろ過
方式がとられる。
【0049】本実施形態の場合、スクリーニングフィル
ター51の下流側に吸引器58による陰圧がかかる為、
スクリーニングフィルター51では吸引ろ過が行われる
ことになる。
【0050】この吸引ろ過により、タンク49に引導さ
れた吸引液はスクリーニングフィルター51を通じて下
流側に吸引されていく。この際、上記スクリーニングフ
ィルター51は膜厚200μm以下のセルロース混合エ
ステルで作られている為、単独では下流側からの陰圧に
より変形あるいは破損する可能性もある。そこで、スク
リーニングフィルター51のすぐ下流側にメッシュのサ
ポートスクリーン66を配置してスクリーニングフィル
ター51を受け止めることで、スクリーニングフィルタ
ー51の変形を防いでいる。
【0051】また、シール用リング67はスクリーニン
グフィルター51の脇から体液が下流側に漏れ出すこと
を防ぐ。その結果、体液がスクリーニングフィルター5
1を通過して下流側に流れることになる。
【0052】ろ過された後の液体は下流側の接続口部5
3、チューブ54、三叉コネクタ43およびチューブ5
7を通過して吸引器58の図示しない廃棄用タンク内に
回収される。
【0053】スクリーニングフィルター51よりも下流
側に設けられた逆止弁59は吸引器58側からの大気が
スクリーニングフィルター51側に流入する逆流を防い
でいる。これにより嫌気性で大気の中では生存が難しい
ヘリコバクター・ピロリ菌が、外気に触れることが無く
なり、後の菌培養の結果に及ぼす悪影響を最小限にとど
めることができる。
【0054】ろ過後のスクリーニングフィルター51は
そのままあるいはそこからサンプリングして菌培養用の
培地に載せ、適切な培養条件の下で培養し、コロニーが
出来れば陽性、無ければ陰性と判断することになる。ま
た、ろ過して採集したサンプルを迅速ウレアーゼ試験に
より菌の存在を確認することも可能である。
【0055】(効果)本実施形態によれば、簡便に患者
の胃内にあるヘリコバクター・ピロリ菌を採集可能であ
り、ヘリコバクター・ピロリ菌の存在の判別を容易に行
うことが可能である。
【0056】本発明は上記の実施形態のものに限定され
るものではない。上記説明によれば以下の付記に挙げる
各項およびそれらの項を任意に組み合わせた事項が得ら
れる。
【0057】〔付記〕 (1)人体内に導入される挿入部を持つ内視鏡と、上記
内視鏡の挿入部の内部あるいは外部に沿って具備され一
端が体内側に位置して開口し得ると共に他端が体外側に
位置するチャンネルと、上記チャンネルを通じて吸引が
かけられるように接続された吸引器と、上記チャンネル
の体外側の端部を上記吸引器と接続する吸引管路と、上
記吸引管路の一部に設けられたろ過フィルターと、上記
内視鏡の挿入部の先端あるいは上記内視鏡の体内に導入
される部分に具備され、あるいは上記内視鏡の挿入部に
形成された挿通用チャンネルを経由して体内に挿入され
た超音波振動子と、を具備したことを特徴とするヘリコ
バクター・ピロリ菌採取システム。
【0058】(2)上記(1)におけるろ過フィルター
がスクリーンフィルターであることを特徴としたヘリコ
バクター・ピロリ菌採取システム。
【0059】(3)上記(1)におけるろ過フィルター
の孔径サイズがヘリコバクター・ピロリ菌のサイズより
小さいことを特徴としたヘリコバクター・ピロリ菌採取
システム。
【0060】(4)上記(1)におけるろ過フィルター
の孔径サイズが4μm以下であることを特徴としたヘリ
コバクター・ピロリ菌採取システム。
【0061】(5)上記(1)におけるろ過フィルター
が外部空気から密封された状態にあることを特徴とした
ヘリコバクター・ピロリ菌採取システム。
【0062】(6)体内に注入する流体が、細菌の剥離
効果があり菌が死なない程度の濃度である緩衝液、ある
いは緩衝液に界面活性剤を混入した液体であることを特
徴としたヘリコバクター・ピロリ菌採取システム。
【0063】(7)上記(6)における緩衝液が生理食
塩水あるいはリン酸緩衝液(PBS)であることを特徴
とした緩衝液。
【0064】(8)上記(6)において界面活性剤がド
デシル硫酸ナトリウム(SDS)、ポリエチレングリコ
ールソルビタンアルキルエチレン類であることを特徴と
した界面活性剤。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、患
者体内から生検サンプルを取る必要が無い為、患者の体
にダメージを与えない。また、胃全体を液体で満たして
サンプリングするので、広範囲からの菌の採取が可能と
なり、以前の生検によるサンプリングよりもテスト結果
の精度が高くなった。さらに、短時間での菌の採取が可
能であり、患者、試験者双方の疲労が少なく試験を完了
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るヘリコバクター・ピ
ロリ菌採取システムに使用する内視鏡システムの一例の
説明図。
【図2】本発明の一実施形態に係るヘリコバクター・ピ
ロリ菌採取システムに使用する内視鏡システムの一例の
説明図。
【図3】(a)は上記ヘリコバクター・ピロリ菌採取シ
ステムのフィルターホルダーの部分の展開斜視図、
(b)は同じくフィルターホルダーの部分の縦断面図。
【図4】上記ヘリコバクター・ピロリ菌採取システムの
使用状態の説明図。
【符号の説明】
1…内視鏡、2…挿入部、3…手元操作部、23…胃、
24…注入用チャンネル、26…シリンジ、31…吸引
用チャンネル、33…処置具用挿通チャンネル、50…
フィルターユニット、52…スクリーニングフィルタ
ー、58…吸引器、52…フィルターホルダー、62…
チャンバー部、73…超音波プローブ、74…超音波振
動子。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人体内に導入される挿入部を持つ内視鏡
    と、 上記内視鏡の挿入部の内部あるいは外部に沿って具備さ
    れ一端が体内側に位置して開口し得ると共に他端が体外
    側に位置するチャンネルと、 上記チャンネルを通じて吸引がかけられるように接続さ
    れた吸引器と、 上記チャンネルの体外側の端部を上記吸引器と接続する
    吸引管路と、 上記吸引管路の一部に設けられたろ過フィルターと、 上記内視鏡の挿入部の先端あるいは上記内視鏡の体内に
    導入される部分に具備され、あるいは上記内視鏡の挿入
    部に形成された挿通用チャンネルを経由して体内に挿入
    された超音波振動子と、 を具備したことを特徴とするヘリコバクター・ピロリ菌
    採取システム。
JP2000063766A 2000-03-08 2000-03-08 ヘリコバクター・ピロリ菌採取システム Withdrawn JP2001245890A (ja)

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