JP2001245856A - 血管の弾性の測定装置 - Google Patents

血管の弾性の測定装置

Info

Publication number
JP2001245856A
JP2001245856A JP2000063700A JP2000063700A JP2001245856A JP 2001245856 A JP2001245856 A JP 2001245856A JP 2000063700 A JP2000063700 A JP 2000063700A JP 2000063700 A JP2000063700 A JP 2000063700A JP 2001245856 A JP2001245856 A JP 2001245856A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood vessel
blood
measuring
blood pressure
elasticity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000063700A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3694438B2 (ja
Inventor
Masashi Kawamoto
昌志 河本
Noboru Saeki
昇 佐伯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP2000063700A priority Critical patent/JP3694438B2/ja
Publication of JP2001245856A publication Critical patent/JP2001245856A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3694438B2 publication Critical patent/JP3694438B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】血管の緊張度(弾性)を実時間で表示できる簡
単な構成測定装置の提供。 【解決手段】患者血管の血管内圧波形と血管内容量波形
を用いて、一回の心拍毎に、血管の圧力―容量のリサー
ジュ図形を描く。このリサージュ曲線を解析することよ
り、血管の弾性(コンプライアンス、曲線の傾き)を把
握することができる。(a)の図形は、血圧が低下し、
血管は拡張している場合を示す。(d)の図形は、血圧
が上昇しており、血管は収縮している場合を示す。
(b)の図形は、血圧が低下しており、血管は収縮して
いる場合を示している。(c)の図形が標準である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は血管の弾性を測定
する装置に関し、特に人体の循環器系の末梢循環の診断
に有用な監視ができる装置に関する。
【0002】
【技術的背景】手術室や救急医療において、血液循環の
管理は患者の予後を左右する。末梢循環は血管の緊張度
(収縮・拡張)により大きく影響を受ける。にもかかわ
らず、一般的に行われてきた血圧測定法では、血圧の値
を知ることはできても、血管が収縮しているのかそれと
も拡張しているのかの把握は困難であった。例えば、血
圧は血流量(心拍出量)と血管抵抗の積として把握され
るが、出血や心不全により心拍出量の低下が生ずる場合
においても、血管の収縮によって血圧は維持されること
があるため、血圧測定のみでは心拍出量の低下を認識す
ることができないこともある。また、ショック状態を呈
した患者において認められる低血圧の場合において、そ
の原因が血管抵抗の低下(血管拡張)によるものである
か、それとも心拍出量の低下によるものかによって異な
った治療が必要であるにもかかわらず、両者の判別は血
圧測定のみでは不可能である。
【0003】そこで、血管の緊張度を把握するために、
従来、血管の緊張に伴って短縮するとされる圧力波の伝
播時間を測定したり、また、血圧測定とあわせて肺動脈
カテーテルを用いた測定法が併用されてきた。この方法
は、心拍出量などを測定し、血圧状況と総合して循環器
系の各部位血管の緊張度を判断する方法である。肺動脈
カテーテル法をより具体的に述べると、まず、長手方向
の複数部位に圧力センサーが配置されているカテーテル
を、例えば患者の頚静脈から挿入し、X線観察を行いな
がら心臓を経由して、肺動脈部分に配置する。心拍出量
(l/min)は、体温と温度差のある一定量の溶液を
カテーテル近位端から血管内に注入し、カテーテル先端
に到達した時刻とその温度変化を温度センサーで測定す
ることにより求められる。血管の緊張度は、これら圧力
波の伝播時間、心泊出量、血圧を総合的に見て判断され
ていた。しかしながら、上記の肺動脈カテーテル法は、
患者に対する侵襲が大きい、測定器の取扱いに熟練を要
する、一回の測定に時間がかかり判断が遅れる場合があ
る、大がかりな装置を必要とする等の問題点があった。
【0004】血管の緊張度は、血管の弾性の変化であ
る。血管の弾性は、例えば粘弾性(コンプライアンス)
で表現する場合、血管のある部分・ある時刻における圧
力上昇量に対する血管内容量増加量の比(ΔV/ΔP)
で定義される。血管内容量と血圧を連続的に測定するこ
とによって、ある時刻における血管の弾性は、例えば各
測定値の時間微分の比ないし微小時間間隔における前回
値との差分の比として、演算することができる。しかし
ながら、血圧や血管内容積の変化はそれぞれ心臓の鼓動
の周期(数100msから約1s)に同期して上昇後ピ
ークを形成したのち、緩やかに減衰する。したがって時
間軸で表現された波形だけで両者の波形を観測していて
も、血管の弾性(血管の緊張度)に変化が起きているの
かどうかを判断することはきわめて困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するものであって、血管の緊張度(弾性)を、熟
練を要せず大がかりな装置を必要とせず、実時間で表示
でき、しかも安価な構成である測定装置を提供すること
を目的する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、血管の弾性を測定する測定装置であっ
て、身体のある部分における血管の血圧を測定する血圧
測定部と、その近傍血管の血管内容量を測定する血管内
容量測定部と、前記血圧測定部で得られる血圧量と、前
記血管内容量測定部からの血管内容量の関係を、少なく
とも心拍一回分に亙って図形的に表示する表示処理部と
を備えることを特徴とする血管の弾性の測定装置であ
る。本発明は、血管の弾性の変化状況を、例えば時間要
素を除いた相対関係を示す図形で表示すること、また少
なくとも心拍一回に亙って表示することによって、表示
された図形が血管の緊張度(弾性)に対応する特徴的な
形を示すことにより、容易に血管の緊張度の程度を認識
できるものである。前記図形的に表示する表示処理部
は、血圧量と血管内容量とのリサージュ図形を少なくと
も心拍一回分表示することにより、特徴的な形を示すこ
とができる。
【0007】さらに、前記表示される図形の特徴を音の
特徴に変換して出力する音響出力手段を備えることで、
音により血管の緊張度に変化のあったことを診察者に迅
速に伝えることができる。また、心電図におけるR波の
ピーク時刻から、測定している身体部分の血圧の立ちあ
がり時刻までの時間差情報を表示する手段を備えること
で、心臓から被測定部位までの平均的な血管の弾性が測
定できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を、図面を参照
して詳細に説明する。本発明の実施形態の構成の一例
を、図1のブロック図に示す。図1において、1は患者
の手(腕)、2は血圧変換器、3はパルス・オキシメー
タの検出器、4は血圧測定器、5はパルス・オキシメー
タの測定器、6は心電図計、10〜12はA/D変換
器、13はデジタル・レコーダ、21はマイクロ・コン
ピュータのデジタル値を入力する入力インターフェース
部、22は同演算制御部(CPU)、23はスイッチ等
の操作部、24は記憶部(MEM)、25はCRTや液
晶等の表示部、26はスピーカ等の音響出力部である。
この実施形態の構成は、全身麻酔された患者の手を被測
定部位に選択し、手術中の患者の体全体の血管の緊張度
(弾性)を手(腕)に代表させて、連続監視する場合の
例を示している。
【0009】次に、図1の構成における動作を説明す
る。図1における血圧測定は、患者の橈骨動脈波を使用
する例を示している。患者の腕1の橈骨動脈に挿入され
た管(図示せず)によって、血管内の血圧が体外に導か
れ、血圧変換器2で電気信号に変換される。血圧測定器
4は変換された電気信号を演算して、血圧と比例する連
続的な電圧信号を発生する。パルス・オキシメータ5
は、指先にパルス・オキシメータの検出器3を挟むだけ
で動脈血の酸素化の状態が判る測定機器である(詳細は
特公昭53−26437等を参照)。パルス・オキシメ
ータの測定原理は、爪に赤色及び赤外線の光を当て、指
紋側のセンサで2つの波長における光の吸収量を測定す
る。光の吸収量は、光が通過する部分の血液量で変化す
ることから、逆に、吸収量のうち拍動する成分について
色調(すなはち、鮮紅色=酸素結合型か暗赤色=酸素非
結合型かの割合)を算出することにより、組織の部分に
よる吸収に左右されない動脈血ヘモグロビンの酸素結合
の割合が判る。パルス・オキシメータの最終出力は、酸
素結合割合の数値である。しかし、作動状態の監視のた
めに、通常、光の吸収量を演算する部分における連続測
定波形が出力されている。この波形の意味はベースライ
ンが変動なしの部分の演算値、波高は光の吸収量が最小
となる部分に相当する。この波形は、通常、波の大小方
向(±)を反転させて表示される。酸素結合状態がほぼ
一定とみなされるとき、パルス・オキシメータの連続測
定波形は、被測定部分の動脈血の血液量をあらわしてい
る。というのは、動脈血管は外周に筋組織をもつ弾性の
ある管であるから内圧によって伸縮し、連続測定波形の
ベースラインは動脈圧がない場合(最低血圧状態)の動
脈血量に相当するので、同波形の波高部分は脈動が最大
値を含んで変化する時間帯における増加した血液量にあ
たることになる。すなわち、パルス・オキシメータの連
続測定波形は、動脈の血管内容量に対する相対値として
の変化量を示している。一方、指先の血管の近位、すな
わち橈骨動脈で測った血管内圧の変化は、指先
【図1】の血管における血圧変化とほぼ等しいとみなす
ことができる。
【0010】さて一般に、全身、器官、体の一部分の体
積変化を測定する装置をプレチスモグラフ(plethysmog
raph)という。上述の図1に示した実施の形態の構成で
は、パルス・オキシメータをプレチスモグラフとして用
いて、指先の血管体積変化を測定する例を示している。
これはパルス・オキシメータの指先による測定が非侵襲
的であって患者への負担がすくないので、好適な例とし
て示したものである。本発明において、血管の内容量を
測定できるプレスチモグラフであれば、パルス・オキシ
メータに限定するものではない。また、血管内容量に比
例する値が得られるものであれば、必ずしも容積変化装
置に限るものではない。測定部位や、診察状況に応じ
て、任意に選択することができる。本発明において適用
できる他のプレチスモグラフとしては、例えば、超音波
による血管容積測定や、カフを用いた体積変化測定など
がある。血圧計は通常の手術中に常時使われているの
で、その信号を兼用することができる。測定個所も手に
限るものでなく、また血管挿入式の血圧計以外にトノメ
トリ法を使うこともできる。
【0011】図1の構成において、血圧測定器4からの
血圧波形、パルス・オキシメータ5からの血管内容積波
形は、心電図計6の波形とともにA/D変換器10〜1
2でアナログ信号がデジタル信号に変換されて、必要時
に検証するためのデジタル・レコーダ13に記録され
る。マイクロコンピュータのインターフェース部21
は、同演算制御部22の指令によってA/D変換された
デジタル値を取込む。取込んだ値は記憶部24に一時保
存する。少なくとも心拍の1サイクル分が記憶される。
記憶部24には、一連の処理手順(プログラム)も記憶
されており、操作部23の操作で呼び出して、制御部で
繰り返し判断・処理される。判断・処理された結果は、
表示部25や、音響出力部26に送られて、後述するよ
うに処理図形を見ることができ、音の出力を聞くことが
できる。
【0012】図2、3に示す測定結果の波形例を用い
て、図1に示した実施形態の構成における信号処理を説
明する。図2は、血圧測定器4、パルス・オキシメータ
の測定器5における連続波形出力の一例を示す図であ
る。図2(c)は正常時、図2(a)は血管拡張により
血圧が低下した時、図2(d)は血管収縮により血圧が
上昇した時、図2(b)は心拍出量の低下により血管の
収縮にもかかわらず血圧が低下している時の状態を示し
ている。図3は、図2の波形を脈拍に比べて十分短い時
間間隔で記憶部に取込み、血圧の波形をX軸に、血管内
容積波形をY軸にそのまま表示する(いわゆるリサージ
ュ図形)方式で表示させた状態である。図3(a)〜
(d)の各リサージュ図形はそれぞれ図2(a)〜
(d)の同じ時間軸波形に対応している。何度も繰り返
して図形を描くと、各サイクルの微小な変化が積算され
て現在描いている図形が分りにくくなる。そこでこの実
施例では、心拍の1回を描き終わったら次の表示に入る
前に前回の表示を消去する方式としている。図3(a)
に示されているように、血圧の波形をX軸に、血管内容
積波形をY軸に入力して、リサージュ図形を描画させる
ことにより、顕著な差異が明確に表れる。この図形を利
用して末端における血管の収縮・拡張を判断することが
できる。以下にその判断を説明する。
【0013】(図形判断と診察処置の例)図3(a)の
図形は、血圧が低下し、血管は拡張している場合を示
す。この様な図形表示により、血管拡張による血圧低下
と判断して、血管を緊張させる処置を選択する。図3
(d)の図形は、血圧が上昇しており、血管は収縮して
いる場合を示す。この図3(d)の図形表示により、血
管の収縮による血圧上昇と判断して、末梢血管を拡張さ
せる処置を選択する。図3(b)の図形は、血圧が低下
しており、血管は収縮している場合を示している。この
図3(b)の図形表示により、心拍出量の低下による血
圧低下であり、心臓の働きを補強する選択肢があると判
断できる。なお、図3(c)は、異常のない正常時の場
合の図形を示している。
【0014】このように、図形の特徴は、時間波形で立
上り時間の差や血圧・血管内容積の振幅差を見るのに比
べて、形状の特徴として容易に判断できるので、迅速・
的確な判断と処置が可能となる。特に血圧が低下した状
態において、血管の状態が図3(a)(b)の2ケース
ありえるが、この図形表示によれば、図3に示すよう
に、図形の大きさで血管状態を明瞭に識別できるので、
効果が大である。なお、上記は2次元のリサージユ図形
で表示する例を示したが、図形的な表示で迅速かつ的確
に判断できるようにすることがこの発明の要点であっ
て、必ずしも二次元図形表示に限るものではない。後述
する心電図との時間差表示とあわせて、3次元図形の斜
視図的な表現も可能である。
【0015】<他の処理例>また、図3の例では、血圧
を横軸にとる例で示したが、血管内容積と血圧の縦横軸
を入れ替えて血管内容積(X軸)に対する血圧(Y軸)
の形でリサージュ図形表示することも可能である。この
場合には図形の形が縦軸に近い場合に血管の硬直を示す
ことになり、血管の硬さをスティフネスで表現する方法
となる。上述では、表示してその図形を認識することに
よる例を示したが、手術中等で、必ずしも、常時視覚に
よる監視ができるとは限らないので、次に音による表示
の例を説明する。
【0016】<音の表示の実施例>図3に示した図形の
特徴を心拍1回ごとに音で表現する例を、図4を用いて
説明する。 (音による表示 その1)図4は、図3に示したリサー
ジュ図形を音の高低で表現するために、各図形の特徴を
数値化する例である。心電図のR波のピークにおいて
(後述の図5参照)、最初の信号音(周波数1kH:時
間約200ms)を発生する。次に心拍1回ごとにおい
て、図4(a)〜(d)に示すように、上述で説明した
リサージュ図形の水平方向の最大値と最小値との差dX
と、垂直方向の同じ差dYを演算する。演算で得られた
それらの比の値を100倍して二次音の周波数とする。
図4からの例では、図4(a)は2600Hz、図4
(b)(c)(d)はそれぞれ950Hz、1160H
z、330Hzとなる。これらの計算して求めた二次音
を、心拍が終わったときに、最初の信号音と同じく20
0msの長さで発生させる。この様に音を発生させる
と、図4(c)の場合は、1kHzと1160Hzで類
似の高さの音が2回聞こえる、図4(d)(a)では最
初の音が聞こえた後、それぞれ最初の音よりもかなり低
い音、高い音が聞こえることになる。これによって、診
察者が他の図形に気をとられていても、音の変化で血管
の緊張状態が変化した場合に迅速に気づいて図形を確認
し、処置を決めることができる。
【0017】(音による表示 その2)図3に示したリ
サージュ図形において、水平方向の値の増減(血圧上
昇)に従い音の周波数を増減させ、垂直方向の値の増減
(血管内容量変化の増減)に従いその音量を増減させる
ことにより、リサージュ図形の特徴は音程と音量の周期
的な変化により表される。例えば、血管収縮による血圧
上昇は、低い音から鋭く高い音への音量変化の少ない音
として表され、一方、血管の弛緩による血圧低下では低
い音域での豊かな音量変化として表されるため、末梢循
環の違いは音の特徴により容易に判別できる。
【0018】<伝播時間差による血管の弾性測定の例>
心電図におけるR波の直後に、心臓出口における血圧が
最大となる。血圧の上昇は血管内を伝わって末梢動脈に
達する。血管が剛体であれば血液中の音速で圧力波が伝
わると考えられるが、血管が軟らかくなるほど脈動の伝
達速度が低下することが考えられる。これを利用して、
抹消動脈への伝播時間を計測することにより、血管の弾
性を測定することができる。これを図5を用いて説明す
る。図5は、図1の心電図計6で計測される心電図(図
5(a))と、血圧測定4で計測される橈骨動脈波(図
5(b))の関係を示した図である。
【0019】心臓出口における脈波発生時刻の代用とし
て、たとえばそれを心電図におけるR波のピーク時刻と
し、一方、測定部位である末梢動脈において、血圧や血
管内容量の上昇開始時刻か最大値到達時刻を測定し、両
時刻の差を測定することで、心臓から被測定部位までの
平均的な血管の弾性が測定できる。図5において、図5
(a)に示されるR波のピークと、図5(b)に示され
る血圧波の立ち上がりとの、伝播時間差Tを示してい
る。まず、標準的な状態における、図5(a)に示した
R波と、図5(b)に示される血圧波との伝播時間差T
0を測定しておく。平均血管硬さHと、心拍1回ごとに
測定した伝播時間差Tとの関係は、
【数1】H=k1(T−T0)+k21,k2は任意の係数 で表すことができる。この関係式によって、心臓から血
圧測定部分までの平均的な血管硬さHを表現することが
できる。
【0020】図6は、上述の時間差等を表示する表示例
である。図6において、右上端の数字62は伝播時間差
を示す実数値(ms)で、棒グラフ63は、上式によっ
て計算された平均血管硬さを示す棒グラフである。k1
<0とすれば、伝播時間差62が大きくなるほど棒グラ
フ63が短くなる。患者の手の部分で測定されたリサー
ジュ図形61の表示とあわせて表示することで、相互に
相関をもたせて血管の緊張状態を監視することができ
る。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
患者の末梢の血液循環状態が心拍一回毎に把握可能にな
る。このため、血管の診断、及びそれに基づく治療方針
の決定のみならず、治療効果の判定のための有用な情報
を与えることとなる。ショック状態などの危機的状態に
ある患者においては、組織における血液循環の管理が生
命・予後に大きく影響を及ぼす。本発明は、血液循環の
指標となる血管の緊張度に関する情報を連続的に表示す
るできるので、きわめて有効である。肺動脈カテーテル
法のような全身的な情報と異なり、血管緊張度がより敏
感に現れる末梢血管側で血液の循環状況を診断すること
ができるので、連続的で迅速な、かつ感度のよい判断が
可能である。また、被測定部位は1箇所に限られること
なく、複数の血管部位について、それぞれの部分の状態
を別々に診察することができるので、患者の容態・手術
法に応じて適切な個所を被測定部位に選び、総合的な判
断を下すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】血管の弾性を測定する装置の構成例を示す図で
ある。
【図2】本発明の血圧測定器4、パルス・オキシメータ
の測定器5の連続波形出力の一例を示す図である。
【図3】リサージュ図形による表示を示す図である。
【図4】リサージュ図形の特徴を数値化する例である
【図5】心電図と橈骨動脈波(血圧)の関係を示した図
である。
【図6】伝播時間差による平均弾性を表示する表示例で
ある。
【符号の説明】
1 手(腕) 2 血圧変換器 3 検出器 4 血圧測定器 5 パルス・オキシメータ 6 心電図計 10〜12 A/D変換器 13 デジタル・レコーダ 21 インターフェース部 22 演算制御部 23 操作部 24 記憶部 25 表示部 26 音響出力部 61 リサージュ図形 62 伝播時間差 63 棒グラフ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血管の弾性を測定する測定装置であっ
    て、 身体のある部分における血管の血圧を測定する血圧測定
    部と、 その近傍血管の血管内容量を測定する血管内容量測定部
    と、 前記血圧測定部で得られる血圧量と、前記血管内容量測
    定部からの血管内容量の関係を、少なくとも心拍一回分
    に亙って図形的に表示する表示処理部とを備えることを
    特徴とする血管の弾性の測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の血管の弾性を測定する測
    定装置において、前記図形的に表示する表示処理部は、
    血圧量と血管内容量とのリサージュ図形を表示すること
    を特徴とする血管の弾性の測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の血管の弾性の測
    定装置において、さらに、前記表示される図形の特徴を
    音の特徴に変換して出力する音響出力手段を備えること
    を特徴とする血管の弾性の測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか記載の血管の弾
    性を測定する測定装置において、さらに、心電図におけ
    るR波のピーク時刻から、測定している身体部分の血圧
    の立ちあがり時刻までの時間差情報を表示する手段を備
    えることを特徴とする血管の弾性の測定装置。
JP2000063700A 2000-03-08 2000-03-08 血管の緊張度測定装置 Expired - Fee Related JP3694438B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000063700A JP3694438B2 (ja) 2000-03-08 2000-03-08 血管の緊張度測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000063700A JP3694438B2 (ja) 2000-03-08 2000-03-08 血管の緊張度測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001245856A true JP2001245856A (ja) 2001-09-11
JP3694438B2 JP3694438B2 (ja) 2005-09-14

Family

ID=18583525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000063700A Expired - Fee Related JP3694438B2 (ja) 2000-03-08 2000-03-08 血管の緊張度測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3694438B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006110155A (ja) * 2004-10-15 2006-04-27 Fukuda Denshi Co Ltd 血管硬化度算出装置および血管硬化度算出プログラム
JP2006115979A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Yunekusu:Kk 平滑筋弛緩状態評価装置
JP2006181261A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Fukuda Denshi Co Ltd 血管内皮機能測定装置
JP2007007078A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Hiroshima Univ 血管状態測定装置、制御プログラム、記録媒体
WO2007132865A1 (ja) * 2006-05-16 2007-11-22 Retinal Information Diagnosis Research Institute Inc. 血管老化の検出システム
JP2008061910A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Hiroshima Univ 血管弾性モニタリング装置
JP2008516701A (ja) * 2004-10-19 2008-05-22 ザ・ユニバーシティ・オブ・クイーンズランド 生理学的モニタリング方法および装置
JP2018503451A (ja) * 2015-01-28 2018-02-08 グーグル エルエルシー 一貫性のある患者状況についての健康状態傾向
JP2018030003A (ja) * 2017-10-27 2018-03-01 日本光電工業株式会社 生体情報モニタ
US10624545B2 (en) 2013-06-13 2020-04-21 Nihon Kohden Corporation Biological information monitor
US20210085197A1 (en) * 2019-09-25 2021-03-25 Nihon Kohden Corporation Physiological information measurement method, physiological information measurement program, and physiological information measurement apparatus

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006110155A (ja) * 2004-10-15 2006-04-27 Fukuda Denshi Co Ltd 血管硬化度算出装置および血管硬化度算出プログラム
JP4606836B2 (ja) * 2004-10-15 2011-01-05 フクダ電子株式会社 血管硬化度算出装置および血管硬化度算出プログラム
US8475385B2 (en) 2004-10-19 2013-07-02 The University Of Queensland Method and apparatus for physiological monitoring
JP2008516701A (ja) * 2004-10-19 2008-05-22 ザ・ユニバーシティ・オブ・クイーンズランド 生理学的モニタリング方法および装置
JP2006115979A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Yunekusu:Kk 平滑筋弛緩状態評価装置
JP4620423B2 (ja) * 2004-10-20 2011-01-26 株式会社ユネクス 平滑筋弛緩状態評価装置
JP4629430B2 (ja) * 2004-12-28 2011-02-09 フクダ電子株式会社 血管内皮機能測定装置
JP2006181261A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Fukuda Denshi Co Ltd 血管内皮機能測定装置
JP2007007078A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Hiroshima Univ 血管状態測定装置、制御プログラム、記録媒体
WO2007132865A1 (ja) * 2006-05-16 2007-11-22 Retinal Information Diagnosis Research Institute Inc. 血管老化の検出システム
JP2008061910A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Hiroshima Univ 血管弾性モニタリング装置
US10624545B2 (en) 2013-06-13 2020-04-21 Nihon Kohden Corporation Biological information monitor
JP2018503451A (ja) * 2015-01-28 2018-02-08 グーグル エルエルシー 一貫性のある患者状況についての健康状態傾向
US10216905B2 (en) 2015-01-28 2019-02-26 Google Llc Health state trends for a consistent patient situation
JP2018030003A (ja) * 2017-10-27 2018-03-01 日本光電工業株式会社 生体情報モニタ
US20210085197A1 (en) * 2019-09-25 2021-03-25 Nihon Kohden Corporation Physiological information measurement method, physiological information measurement program, and physiological information measurement apparatus
JP2021049119A (ja) * 2019-09-25 2021-04-01 日本光電工業株式会社 生体情報測定方法、生体情報測定プログラム、および生体情報測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3694438B2 (ja) 2005-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7402138B2 (en) Method and apparatus for measuring blood volume, and vital sign monitor using the same
Shriram et al. Continuous cuffless blood pressure monitoring based on PTT
CA2326740C (en) Method and apparatus for determining cardiac output or total peripheral resistance
JP3971457B2 (ja) 末梢動脈緊張の監視による医学的状態の非侵襲検査装置
US6036651A (en) Blood pressure estimating apparatus and method
US6355000B1 (en) Superior-and-inferior-limb blood-pressure index measuring apparatus
US7309313B2 (en) Vascular disease examining system and bypass vascular diagnosing device
JP4742644B2 (ja) 血液量測定方法、測定装置及び生体信号モニタ装置
JP5985355B2 (ja) 血液量測定方法および測定装置
WO2019206813A1 (en) Methods to estimate the blood pressure and the arterial stiffness based on photoplethysmographic (ppg) signals
US7029449B2 (en) Arteriosclerosis inspecting apparatus
JP5806662B2 (ja) 信号通過時間を用いた心血管症状の監視
JP2002253519A (ja) 血液量測定方法及び生体信号モニタ装置
JP2016501055A (ja) 改良された血圧モニタ及び方法
JP3694438B2 (ja) 血管の緊張度測定装置
CN113226161A (zh) 用于导出动脉顺应性的量度的控制单元
JP3779900B2 (ja) 血管の緊張度測定装置
RU2664632C2 (ru) Способ оценки состояния сосудов на каждом сердечном сокращении и устройство для его осуществления
JP4632130B2 (ja) スポーツ用循環機能測定装置及びスポーツ用循環機能測定装置の作動方法
Sidhu et al. Comparison of artificial intelligence based oscillometric blood pressure estimation techniques: a review paper
JP2007252767A (ja) 血中酸素濃度計と心電図計による血圧値計測方法及びその装置
Park et al. Cuffless and noninvasive tonometry mean arterial pressure measurement by physiological characteristics and applied pressure
JP6109514B2 (ja) 生体情報処理装置
Haghayegh et al. Clinical validation of the saadat non-invasive blood pressure module according to the british standard EN ISO 81060-2 protocol
WO1999039634A1 (en) Method and device for arterial blood pressure measurement

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041130

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20041207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050624

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3694438

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090701

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100701

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100701

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110701

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120701

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130701

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees