JP2001242375A - 焦点調節装置及び顕微鏡 - Google Patents

焦点調節装置及び顕微鏡

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JP2001242375A
JP2001242375A JP2000055007A JP2000055007A JP2001242375A JP 2001242375 A JP2001242375 A JP 2001242375A JP 2000055007 A JP2000055007 A JP 2000055007A JP 2000055007 A JP2000055007 A JP 2000055007A JP 2001242375 A JP2001242375 A JP 2001242375A
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signal
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signals
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Takashi Shionoya
孝 塩野谷
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    • G02B21/241Devices for focusing
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】オートフォーカスのステージ自動制御範囲を広
くする。 【解決手段】結像光学系と被検体との光軸方向の距離の
変化に応じて互いに逆方向の大きさに変化する第1及び
第2の光量信号S29、S30を生成する第1及び第2
の検出手段とを有する。更に、オートフォーカスの制御
手段は、結像光学系の焦点位置近傍の第1の領域L5に
おいて、結像光学系による合焦位置における第1及び第
2の光量信号の差分に相当するオフセットV0を加えた
第1及び第2の光量信号の大小関係に基づいて結像光学
系の焦点調節を行い、第1の領域L5よりも焦点位置か
ら遠い第2の領域L3,L4において、オフセットV0
を加えない第1及び第2の光量信号の大小関係に基づい
て結像光学系の焦点調節を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動焦点合わせを
行う焦点調節装置及びそれを利用した顕微鏡に関し、特
に、自動焦点制御領域を広くして焦点ぼけを少なくした
焦点調節装置及びそれを利用した顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】顕微鏡等に使用される焦点検出方法とし
ては、例えば、差動スポットサイズ法、ナイフエッジ
法、横ずらし法、フーコー法、非点収差法と呼ばれる方
法が知られている。これらの焦点検出方法では、例え
ば、焦点検出用の光源から対物レンズを通過して被検体
の面に光を照射し、被検体面からの反射光を焦点検出部
の光検出器に結像させ、光検出器からの光量信号を焦点
検出部の信号処理回路で信号処理する。即ち、光検出器
を焦点検出用の光学系における焦点の前後に挿入し、顕
微鏡の結像光学系と被検体との距離の変化に応じて互い
に逆方向の大きさに変化する第1及び第2の光量信号を
生成させ、それらを信号処理してS字形状のフォーカス
エラー信号を得る。
【0003】図16(A)は、そのS字形状のフォーカ
スエラー信号Saを示す図である。このグラフにおい
て、縦軸はフォーカスエラー信号強度、横軸は被検体面
の位置である。結像光学系が合焦位置にあるときは、第
1及び第2の光量信号が等しくなり、フォーカスエラー
信号Saは0になる。従って、顕微鏡のステージに設置
されたモーターを駆動させて、フォーカスエラー信号S
aが0になるようにステージを駆動することにより自動
的に焦点合せを行うことができる。
【0004】図16(B)は、第1及び第2の光量信号
の和信号Sbを示す図であり、和信号Sbは、結像光学
系が合焦位置にあるときに最大になり、合焦位置から離
れるに従い減少する。従って、従来例では、和信号Sb
が所定の閾値T1以上の範囲L1において、図16
(A)のフォーカスエラー信号Saを利用した自動焦点
制御を行っている。
【0005】具体的に説明すると、自動焦点調節におけ
るステージ駆動方法は、図16(B)の和信号Sbが閾
値T1以上になる範囲L1内にステージを駆動させた
後、図16(A)のフォーカスエラー信号Saを用い、
フォーカスエラー信号の極性が+であればステージに設
置モーターを駆動してステージを+方向に動かし、フォ
ーカスエラー信号Saの極性が−であればステージに設
置されたモーターを駆動してステージを−方向に動か
す。そして、焦点位置ではフォーカスエラー信号が0と
なるので、フォーカスエラー信号が0の時にステージ2
5を静止させる。このようにステージを制御することに
より、被検体面が焦点位置になるようにステージの光軸
方向の位置を追い込むことができる。但し、光検出器か
らの信号の総和Sbが閾値T1より小さい範囲L1の外
に位置する場合は、上記のステージ制御は行わない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしがなら、観察に
利用される可視光と焦点検出用の光とを区別するため
に、焦点検出用の光源の波長に不可視光、例えば赤外光
を用いる。かかる場合に、顕微鏡の対物レンズの色収差
により、可視光と赤外光で対物レンズの焦点距離に差が
生じる。しかも、対物レンズの色収差は対物レンズ毎に
異なり、顕微鏡の倍率を変更することに伴って対物レン
ズの変更を行うと、その都度赤外光の合焦位置が異なる
ことになる。
【0007】図17(A)の破線は、上記の色収差によ
り赤外線の合焦位置が−側の位置にずれた場合のフォー
カスエラー信号Scを示す。この信号Scを利用する
と、ゼロクロス点が可視光の合焦位置とずれてしまう。
そこで、従来は、対物レンズ毎にフォーカスエラー信号
に補正を行っている。この補正の方法の1つとして、フ
ォーカスエラー信号Scに直流オフセット信号を加えた
補正信号Sdを利用して、目視で観察している状態の焦
点位置でフォーカスエラー信号Sdが0となるようにす
る。
【0008】しかしながら、図17(A)の補正された
フォーカスエラー信号Sdは、可視光の合焦位置でゼロ
クロス点Z1を有するが、それに加えて、被検体面の位
置が範囲L2の外側であって+側の範囲にも別のゼロク
ロス点Z2を有する。ゼロクロス点Z2の近傍では、焦
点位置から遠ざかるとフォーカスエラー信号Sdの極性
が−から+に変化するため、上記のステージ駆動制御に
よれば、ステージが焦点位置と逆方向へ動いてしまい、
合焦させることができない。従って、上記のステージ駆
動方法を利用するためには、図17(B)に示される通
り、和信号Sbのより高い閾値T2を利用して、被検体
面の位置を第2のゼロクロス点Z2が含まれない範囲L
2に追い込む必要がある。そして、領域L2内で、上記
のフォーカスエラー信号Sdがゼロになるようにステー
ジを駆動する必要がある。この範囲L2は、図16の範
囲L1より狭くなっている。
【0009】このように、従来例によれば、合焦位置調
節のためのステージ駆動制御ができる範囲を広くするこ
とができず、観察時に被検体面が焦点ボケになりやすい
という課題があった。
【0010】本発明は、この課題を解決し、自動合焦調
節範囲が広く、観察時に被検体面が焦点ボケになりにく
い焦点調節装置及びそれを利用した顕微鏡を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の一つの側面は、複数の結像光学系が交換
可能な取付手段と、前記結像光学系と被検体との光軸方
向の距離の変化に応じて互いに逆方向の大きさに変化す
る第1及び第2の光量信号を生成する第1及び第2の検
出手段と、前記結像光学系の焦点位置近傍の第1の領域
において、前記結像光学系による合焦位置における前記
第1及び第2の光量信号の差分に相当するオフセットを
加えた前記第1及び第2の光量信号の大小関係に基づい
て前記結像光学系の焦点調節を行い、前記第1の領域よ
りも前記焦点位置から遠い第2の領域において、前記オ
フセットを加えない前記第1及び第2の光量信号の大小
関係に基づいて前記結像光学系の焦点調節を行う制御手
段とを有することを特徴とする焦点調節装置である。
【0012】上記の焦点調節装置によれば、結像光学系
と被検体との距離が第2の領域ではオフセットを加えな
いオートフォーカス信号を利用して距離を変更する制御
を行い、第1の領域ではオフセットを加えたオートフォ
ーカス信号を利用して合焦位置に追い込む制御を行う。
従って、従来例に比較して、自動焦点制御可能な領域を
広くすることができる。
【0013】本発明の好ましい実施例の焦点調節装置
は、上記第1の側面において、前記第1及び第2の光量
信号の差分が前記オフセットになる前記光軸上の点であ
って、前記合焦位置にある第1の点と、前記合焦位置に
ない第2の点のうち、前記第1の領域は、前記第2の点
より前記合焦位置側に位置することを特徴とする。
【0014】更に、本発明の好ましい実施例の焦点調節
装置は、上記第1の側面において、前記第1及び第2の
検出手段は、不可視光を前記結像光学系を介して前記被
検体に照射して得られる前記被検体からの反射光を検出
することを特徴とする。
【0015】更に、本発明の好ましい実施例の焦点調節
装置は、上記第1の側面において、前記第1及び第2の
検出手段は、スリット光を前記結像光学系を介して前記
被検体に照射して得られる前記被検体からの反射光を検
出することを特徴とする。
【0016】更に、本発明の好ましい実施例の焦点調節
装置は、上記第1の側面において、前記第1及び第2の
検出手段は、複数の光量検出素子をライン状に並べたラ
インセンサで構成され、前記第1及び第2の光量信号
は、それぞれ前記ラインセンサの中央部領域からの光量
信号とその両側領域からの光量信号の差分であり、前記
制御手段は、前記結像光学系が第1の開口数の場合の前
記中央部領域を、前記結像光学系が第1の開口数より大
きい第2の開口数の場合の前記中央部領域より大きくす
ることを特徴とする。
【0017】上記の目的を達成するために、本発明の別
の側面は、複数の対物レンズが交換可能な観察光学系
と、前記対物レンズと被検体との光軸方向の距離の変化
に応じて互いに逆方向の大きさに変化する第1及び第2
の光量信号を生成する第1及び第2の検出手段と、前記
対物レンズの焦点位置近傍の第1の領域において、前記
対物レンズによる合焦位置における前記第1及び第2の
光量信号の差分に相当するオフセットを加えた前記第1
及び第2の光量信号の大小関係に基づいて前記対物レン
ズの焦点調節を行い、前記第1の領域よりも前記焦点位
置から遠い第2の領域において、前記オフセットを加え
ない前記第1及び第2の光量信号の大小関係に基づいて
前記対物レンズの焦点調節を行う制御手段とを有するこ
とを特徴とする顕微鏡にある。
【0018】この顕微鏡でも、自動焦点制御の領域を従
来例より広くすることができる。従って、例えば凹凸の
ある被検体面を観察する場合に、ピンぼけになりにくく
なる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に従って説明する。
【0020】図1は、第1の実施の形態における焦点調
節装置を備えた顕微鏡の構成図である。図1の装置は、
顕微鏡の観察光学系100と、照明光学系200と、オ
ートフォーカス光学系300とから構成されている。図
1の装置は、焦点検出の方法として差動スポットサイズ
法を用いる。顕微鏡の観察光学系100は、第1対物レ
ンズ2と、第2対物レンズ3と、俯視プリズム4と、接
眼レンズ5とを有する。第1対物レンズ2と第2対物レ
ンズ3との間には、光軸1に沿って平行光路が形成され
る。この平行光路にはダイクロイックミラー7と、ビー
ムスプリッタ8とが、光軸1に対してそれぞれ45度の
角度で設置されている。ダイクロイックミラー7は赤外
光を反射し、可視光を透過する特性を有する。
【0021】顕微鏡の照明光学系200は、可視光を出
射する照明光源10と集光レンズ11とを有し、照明光
束はビームスプリッタ8によって反射され、上記の観察
光学系100の平行光路に導かれる。
【0022】オートフォーカス光学系300は、赤外光
を出射する光源13と、コリメータレンズ14と、ビー
ムスプリッタ15と、集光レンズ16と、ビームスプリ
ッタ17と、第1の光検出器18と、第2の光検出器1
9を有する。第1の光検出器18は、オートフォーカス
光学系内の収束点20より被検体24から離間する位置
に設置されている。一方、第2の光検出器19は、収束
点21より被検体24に近接する位置に設置されてい
る。収束点20は、集光レンズ16によって収束され、
ビームスプリッタ17を透過した光が収束する点であ
り、もう一方の収束点21は、集光レンズ16によって
収束されて、ビームスプリッタ17で反射した光が収束
する点である。このオートフォーカス光学系300とス
テージ駆動の制御装置26とで焦点調節装置を構成し、
それには、観察光学系100を交換取り付け可能な手段
が設けられている。
【0023】図1の構成において、光源13から出射
し、コリメータレンズ14を通った光束は、ビームスプ
リッタ15によって反射され、さらにダイクロイックミ
ラー7によって反射され、対物レンズ2へ入射し、被検
体24の被検体面23上で結像する。被検体24の被検
体面23からの反射光束は、対物レンズ2を通過し、ダ
イクロイックミラー7によって反射され、ビームスプリ
ッタ15を透過し、ビームスプリッタ17へ入射し、第
1の光検出器18と、第2の光検出器19へ入射する。
【0024】図2は、第1および第2の光検出器18、
19の光検出部の形状と、信号処理回路を有する制御装
置26を示す図である。図示される通り、第1の光検出
器18の光検出部と第2の光検出器19の光検出部は、
それぞれ中央部に円形の光検出部18a、19aと、こ
れを取り囲む光検出部18b、19bとを有している。
これらの光検出部18a、18b、19a、19bは、
それぞれ光量信号α1、α2、β1、β2を出力する。
【0025】これらの光検出部18a、18b、19
a、19bは、演算増幅器29、30、32、33に接
続され、演算増幅器29、30は演算増幅器31に接続
され、演算増幅器32、33は演算増幅器34に接続さ
れ、演算増幅器31、34は割算器35に接続され、割
算器35からの信号線の一部と直流オフセット信号発生
手段42は演算増幅器43に接続される。ここで、演算
増幅器29は光検出部18aの信号α1と光検出部18
bの信号α2との差を演算し、演算増幅器30は光検出
部19aの信号β1と光検出部19bの信号β2との差
を演算し、演算増幅器32は光検出部18aの信号α1
と光検出部18bの信号α2との和を演算し、演算増幅
器33は光検出部19aの信号β1と光検出部19bの
信号β2との和を演算し、演算増幅器31は演算増幅器
29の信号S29(α1−α2)と演算増幅器30の信
号S30(β1−β2)の差を演算し、演算増幅器34
は演算増幅器32の信号(α1+α2)と演算増幅器3
3の信号(β1+β2)の和を演算し、割算器35は演
算増幅器31の信号{(α1−α2)−(β1−β
2)}を演算増幅器34の信号(α1+α2+β1+β
2)で割り算し、演算増幅器43は割算器35の信号と
直流オフセット信号発生手段42のオフセット信号V0
の和を演算する。
【0026】演算増幅器29、30、31、32、3
3、34、43、割算器35、直流信号発生手段42
は、制御装置26内に配置される。また、図1に示した
通り、被検体24は、光軸1方向に移動可能な移動ステ
ージ25に搭載されている。ステージ25には図示しな
いモーターが設置されていて、制御装置26からの信号
により、ステージ25内のモーターが駆動し、光軸1方
向にステージ25を移動させる。
【0027】光検出器18、19上には、ビームスプリ
ッタ17で分割された第1及び第2の光線束によって、
図2に示すように、光スポット40及び41が夫々形成
される。第1の光検出器18上に形成される光スポット
40は、対物レンズ2と試料24とが離間すれば大きく
なり、接近すれば小さくなる。一方、第2の光検出器1
9上に形成される光スポット41は、光スポット40と
は逆に、対物レンズ2と試料24とが離間すれば小さく
なり、接近すれば大きくなる。
【0028】従って、第1の光検出器18から出力され
る光量信号α1とα2の差である演算増幅器29の出力
信号S29は、ステージ25が(−)側に移動すると小
さくなり、(+)側に移動すると大きくなる特性を有す
る。但し、ステージ25が極端に(+)側に移動すると
再び光スポット40は大きくなり、信号S29は小さく
なる。一方、第2の光検出器19から出力される光量信
号β1とβ2の差である演算増幅器30の出力信号S3
0は、ステージ25が(+)側に移動すると小さくな
り、(−)側に移動すると大きくなる特性を有する。但
し、ステージ25が極端に(−)側に移動すると再び光
スポット41は大きくなり、信号S30は小さくなる。
【0029】そこで、信号S29と信号S30とは、観
察光学系100と被検体24との距離の変化に応じて互
いに逆方向の大きさに変化する光量信号に対応し、それ
らの差分(S29−S30)を求めると、合焦位置でゼ
ロクロスするフォーカスエラー信号を得ることができ
る。
【0030】図2に示される通り、光検出器18、19
の検出信号から演算増幅器29、30、31、32、3
3、34、割算器35により、 {(α1−α2)−(β1−β2)}/(α1+α2+
β1+β2) を求めて、この信号S35をフォーカスエラー信号とす
れば、図3(A)のグラフに示すS字特性をもつフォー
カスエラー信号S35が得られる。図3(A)のグラフ
の縦軸は信号強度、横軸は被検体面23の光軸1方向の
位置で、対物レンズ2に近づく方向を+、対物レンズ2
から遠ざかる方向を−としている。図3(A)のグラフ
では、対物レンズの色収差により、フォーカスエラー信
号S35が0となるのは、被検体面23が焦点位置(横
軸が0の位置)から左側にずれた位置である。尚、検出
信号の総和(α1+α2+β1+β2)で除すのは、差
信号を正規化するためである。
【0031】このため、図3(B)に示すように、割算
器35の信号S35に直流オフセット信号発生手段42
から直流オフセット信号V0を加えた補正フォーカスエ
ラー信号S43を生成し、被検体面23が焦点位置(横
軸が0の位置)にある時にフォーカスエラー信号S43
が0となるようにする。このオフセット信号値V0は、
図3に示される通り、合焦位置における信号S29とS
30との差を総和(α1+α2+β1+β2)で除算し
た値に対応する。図3(B)のグラフも、縦軸は信号強
度、横軸は被検体面23の光軸1方向の位置で、対物レ
ンズ2に近づく方向を+、対物レンズ2から遠ざかる方
向を−としている。直流オフセット信号発生手段42か
らの直流オフセット信号の値をV0とすると、補正を行
ったフォーカスエラー信号S43は、 [{(α1−α2)−(β1−β2)}/(α1+α2
+β1+β2)]+V0 となる。
【0032】また、受光部18a、18b、19a、1
9bからの信号の総和(α1+α2+β1+β2)の信
号S34を、図4のグラフに示す。図4のグラフにおい
て、縦軸は信号強度、横軸は図3(a)、(b)のグラ
フと同様に被検体面23の光軸1方向の位置で、対物レ
ンズ2に近づく方向を+、対物レンズ2から遠ざかる方
向を−としている。受光部18a、18b、19a、1
9bからの信号の総和(α1+α2+β1+β2)は被
検体面23の位置が0となる焦点位置にピークを持つ。
【0033】上記の第1及び第2の光検出器18,19
から得られる信号S29,S30の差信号S35と、そ
れにオフセットを加えた補正された差信号S43と、総
和信号S34とが、合焦のためのステージ制御を行う制
御部47に供給される。制御部47は、これらの3つの
信号を利用して、合焦位置にステージを駆動する。
【0034】次に、本実施の形態の焦点調節装置を備え
た顕微鏡におけるステージ25の制御方法について説明
する。図5は、制御部47によるステージ25の駆動制
御方法を説明するフローチャートである。図4に示すよ
うに受光部18a、18b、19a、19bからの信号
の総和(α1+α2+β1+β2)に2つの閾値T3、
T4を設ける。全受光部の総和(α1+α2+β1+β
2)が閾値T3、T4の間にあるときは、被検体面23
の位置は−側の範囲L3と+側の範囲L4に分け、全受
光部の総和(α1+α2+β1+β2)が閾値T4より
大きいときの被検体面23の位置を範囲L5とする。
【0035】第1に、受光部18a、18b、19a、
19bからの信号の総和(α1+α2+β1+β2)が
閾値T3より小さい場合は、被検体面23の位置が範囲
L3、L4、L5以外にあるので、ステージ25の制御
は行わない(工程S1,S2)。
【0036】第2に、受光部18a、18b、19a、
19bからの信号の総和(α1+α2+β1+β2)が
閾値T3とT4の間にあるときは、図3(A)のフォー
カスエラー信号S35の {(α1−α2)−(β1−β2)}/(α1+α2+
β1+β2) を用い、フォーカスエラー信号S35の極性が+であれ
ばステージ25を+方向に動かし、フォーカスエラー信
号S35の極性が−であればステージ25を−方向に動
かす(工程S4,S5,S6)。この後は、図5のフロ
ーチャートで示すように工程S3へ戻り、再度、受光部
18a、18b、19a、19bからの信号の総和(α
1+α2+β1+β2)と閾値T3、T4との関係を調
べる。
【0037】そして、受光部18a、18b、19a、
19bからの信号の総和a1+a2+b1+b2が、閾
値T4以上になった場合は(工程S3のYES)、ステー
ジ25が範囲L5内に位置するので、図3(B)の補正
されたフォーカスエラー信号S43の [{(α1−α2)−(β1−β2)}/(α1+α2
+β1+β2)]+V0 を用いてステージ駆動制御を行う。即ち、このフォーカ
スエラー信号S43が0になっているかを調べ(工程S
7)、0でない場合はフォーカスエラー信号S43の極
性を調べ(工程S8)、フォーカスエラー信号S43の
極性が+であればステージ25を+方向に動かし(工程
S9)、フォーカスエラー信号S43の極性が−であれ
ばステージ25を−方向に動かす(工程S10)。この
後は、工程S7に戻り、再度、補正されたフォーカスエ
ラー信号S43が0になっているかを調べる。0でない
場合は、上記の補正されたフォーカスエラー信号S43
の極性に応じて上記と同様のステージ駆動制御を行う。
補正されたフォーカスエラー信号S43が0になった
ら、被検体面23が焦点位置にあると判断し、ステージ
25を停止する。
【0038】このようにステージ25を駆動することに
より、被検体面23が焦点位置に来るようにステージ2
5の光軸方向の位置を追い込むように焦点調整をするこ
とができる。図5のフローチャートは、工程S9,S1
0から工程S7へ戻るように構成されているが、工程S
9,S10から工程S3又は工程S1へ戻るように構成
しても良い。
【0039】上記のステージの制御方法は、被検体面2
3のうちの観察している一カ所に対するものであるが、
ステージ25が光軸1と垂直な平面内の1以上の方向に
移動可能である場合は、ステージ25を光軸1と垂直な
平面内方向で移動させ、被検体面23の観察している部
分を変更できる。その場合は、被検体面23の凹凸や、
ステージ25が傾斜していることにより、被検体面23
が焦点ボケとなることがあるが、図5のフローチャート
によるステージ駆動制御を再度行えば、ステージ25の
光軸方向の位置が制御され、被検体面23が焦点位置へ
移動する。ステージ25を水平方向に移動させても資料
面23の位置が範囲L5の範囲内にあれば、図5の駆動
制御の工程S7〜S10の制御を行うだけでよい。または、
範囲L3,L4,L5の範囲内の場合は、工程S3〜S10
の制御を行うだけでよい。
【0040】以上説明した通り、従来例では、図3
(B)の範囲L6でしかステージ駆動制御を行うことが
できなかったのに対して、本実施の形態例によれば、図
3(B)の領域L3、L4、L5のすべての範囲でステ
ージの駆動制御ができるようになり、焦点調節の範囲を
広くすることができる。これにより、観察時に被検体面
が焦点ボケとなるのを低減することができる。特に、大
きな凹凸を持つ被検体の被検体面を変更した場合に、被
検体面に凹凸が存在することによる焦点ボケを、従来例
より少なくすることができる。
【0041】更に、種類の異なる複数の対物レンズを備
えて、対物レンズを入れ替えることにより観察倍率を変
える顕微鏡においても、制御手段26内に記憶装置を設
けて、対物レンズ毎に最適の直流オフセット信号V0の
値を記憶させておき、対物レンズを入れ替える時に記憶
装置から、対物レンズの直流オフセット信号を呼び出す
ことにより、上記実施の形態と同様の自動焦点合わせを
行うことが可能である。
【0042】なお、本実施の形態では、焦点検出の方法
として差動スポットサイズ法を用いた場合について説明
したが、ナイフエッジ法や横ずらし法やフーコー法や非
点収差法等の他の焦点検出方法を用いた装置でもフォー
カスエラー信号を用いて同様のステージ制御方法を適用
できる。即ち、観察光学系と被検体との距離の変化に応
じて互いに逆方向の大きさに変化する第1及び第2の光
量信号を生成する第1及び第2の光検出手段を設け、焦
点位置近傍の第1の領域L5では第1及び第2の光量信
号の差信号にオフセットを加えたフォーカスエラー信号
S43を利用してステージ駆動制御を行い、第1の領域
L5より焦点位置から遠い第2の領域L3,L4では第
1及び第2の光量信号の差信号S35を利用してステー
ジ駆動制御を行うことで、より広い範囲にわたり自動焦
点調節の制御を行うことが可能になる。
【0043】[第2の実施の形態]図6は、第2の実施
の形態における、第1および第2の光検出器18、19
の光検出部の形状と制御装置26を示す図である。第1
の実施の形態と同様に、第1の光検出器18と第2の光
検出器19も光検出部はそれぞれ中央部に円形の光検出
部18a、19aと、これを取り囲む光検出器18b、
19bとを有している。
【0044】第1の実施の形態では、光検出器18から
の第1の光量信号S29と光検出器19からの第2の光
量信号S30との差信号を、光量信号の総和(α1+α
2+β1+β2)で除算した信号S35と、それにオフ
セット信号V0を加えた補正信号S43とを利用して、
より広い範囲での自動焦点調節を実現した。それに対し
て、第2の実施の形態は、第1の光量信号S29を光検
出器18の光量信号の合計(α1+α2)で除した信号
S35Aと、第2の光量信号S30を光検出器19の光
量信号の合計(β1+β2)で除した信号S35Bとの
差信号S31と、それにオフセット信号V0を加えた補
正信号S43とを利用する。
【0045】つまり、第2の実施の形態は、信号処理に
おける正規化の方法が異なるのみであり、原理的には第
1の実施の形態と同じである。従って、第2の実施の形
態では、図6に示される制御装置26は、割り算器35
A,35Bが設けられ、それぞれの出力信号S35A,
S35Bの差信号S31と、それにオフセット値V0を
加えた補正信号S43とが、総和信号S34と共に制御
部47に与えられる。又は、出力信号S35A,S35
Bの大小関係を検出する演算処理部37を設け、その検
出結果を制御部47に与えても良い。
【0046】光検出器18、19の検出信号から演算増
幅器29、30、31、32、33、34、割算器3
5、36により、差信号S31は、光量信号S35Aと
S35Bの差信号の、 {(α1−α2)/(α1+α2)}−{(β1−β
2)/(β1+β2)} になる。この信号は、図8に示される通り、光量信号S
35AとS35Bとが、被検体面の位置に対してずれた
関係にあり、被検体面の位置が(−)の領域では、光量
信号S35Aが単純増加の特性を有し、被検体面の位置
が(+)の領域では、光量信号S35Bが単純減少の特
性を有する。つまり、光量信号S35A,S35Bは、
被検体面と観察光学系との距離の変化に応じて、逆方向
の変化を有する光量信号である。
【0047】従って、この光量信号S35A,S35B
の差信号S31は、理想的には、図16(A)の特性を
有するが、赤外線の利用による色収差により、図3
(A)の破線の如くずれた特性を有する場合もある。
【0048】そこで、第2の実施の形態でも、差信号S
31にオフセット信号V0を加えた補正されたフォーカ
スエラー信号S43を生成する。この補正されたフォー
カスエラー信号S43は、図7(A)に示される通りで
ある。正規化の信号処理の方法は異なるが、第2の実施
の形態のフォーカスエラー信号S31と補正されたフォ
ーカスエラー信号S43は、第1の実施の形態例の信号
S35とS43とほぼ同じ特性を有する。また、受光部
18a、18b、19a、19bからの信号の総和S3
4(α1+α2+β1+β2)は、図7(B)に示され
る通り、第1の実施の形態の総和信号S34と同じであ
る。
【0049】図9は、第2の実施の形態における焦点調
節のステージ駆動方法を説明するフローチャートであ
る。第1の実施の形態の図5のフローチャートと同じ工
程には同じ番号を与えている。図9のフローチャートで
図5と異なるのは、工程S4’と工程S7’,S8’と
で判断に利用する信号が異なるだけであり、全体の構成
は同じである。
【0050】第2の実施の形態においても、受光部18
a、18b、19a、19bからの信号の総和α1+α
2+β1+β2に2つの閾値T3、T4を設け、全受光
部の総和がT3、T4の間にあるときは、ステージ25
の位置は+側の範囲L3と−側の範囲L4に分けられ、
全受光部の総和がT4より大きいときのステージ25の
位置は範囲L5とする。
【0051】そして、工程S4’では、割算器35A、
35Bからの出力S35A=(α1−α2)/(α1+
α2)とS35B=(β1−β2)/(β1+β2)と
の大小関係に応じて、工程S5,S6でのステージ25
の駆動制御を行う。また、工程S7’,S8’では、差
信号S31にオフセット値V0を加えた補正された信号
S43が0か、+か−かにより、ステージ停止(工程S
11)、ステージ駆動(工程S9,S10)の制御を行
う。
【0052】第2の実施の形態でも、図7に示される通
り、広い範囲L3,L4,L5においてオートフォーカ
スのためのステージ駆動制御を行うことができる。
【0053】[第3の実施の形態]第3の実施の形態
は、オートフォーカス光学系において、スポット光では
なくスリット光を使用する。第1及び第2の実施の形態
で利用したスポット光の場合は、被検体面の段差部分に
スポット光が照射された場合、その反射光が散乱して、
理想的な光量信号を得ることができない。そこで、凹凸
を有する被検体を観察する顕微鏡では、スポット光に代
えてスリット光を利用する場合がある。第3の実施の形
態でも、同様の理由によりスリット光を利用してオート
フォーカスを行う。
【0054】図10は、第3の実施の形態における焦点
調節装置を備えた顕微鏡のブロック図である。図1と同
じ部分には同じ引用番号を与えている。図10の構成で
は、オートフォーカス光学系300において、光源13
とコリメータレンズ14の間に、コリメータレンズ50
とスリット51を配置し、スリット光に対応する光検出
部52、53がそれぞれ収束点20の後ろ側と収束点2
1の手前側に配置される。それ以外の構成は、図1と同
様である。
【0055】図11は、スリット51の平面図であり、
スリット51は、長方形の開口部51aを有する。図1
2は、第1の光検出器52と第2の光検出器53の光検
出部と、制御装置26とを示す図である。光検出器5
2,53は、図12に示すように、それぞれ中央部に矩
形の光検出部52a、53aと、これと隣り合う矩形の
光検出部52b、52c、53b、53cとを有してい
る。そして、スリット51により成形されたスリット光
が、ビームスプリッタ17を通過してスリット像54と
して光検出器52に照射され、ビームスプリッタ17を
反射してスリット像55として光検出器53に照射され
る。
【0056】光検出器52上に形成されるスリット像5
4のX方向の幅(図12参照)は、対物レンズ2と被検
物体24とが離間すれば細くなり、接近すれば太くな
る。一方、光検出器53上に形成されるスリット像55
のX方向の幅は、スリット像54とは逆に対物レンズ2
と被検物体24とが離間すれば太くなり、接近すれば細
くなる。
【0057】制御装置26において、周辺部の光検出部
52b、52c、53b、53cは、演算増幅器56、
57に接続され、中央部の光検出部52a、53a、演
算増幅器56、57は、演算増幅器29、30、32、
33に接続される。演算増幅器56は、周辺部52b,
52cからの信号の合計α2を出力し、演算増幅器57
は、周辺部53b、53cからの信号の合計β2を出力
する。そして、中央部の光検出部52a,53aからの
信号をそれぞれα1,β1とすると、それ以降の信号処
理回路は、図6に示した第2の実施の形態と同じにな
る。
【0058】光検出器52、53の検出信号から演算増
幅器29、30、31、32、33、34、56、5
7、割算器35A、35Bにより、フォーカスエラー信
号S31として、 {(α1−α2)/(α1+α2)}−{(β1−β
2)/(β1+β2)} が求められる。この差信号S31は、図3(A)の差信
号S35と同じ特性を有する。理想的には図16(A)
のような信号であるが、赤外線に対して色収差が発生す
る場合は、図3(A)のようなゼロクロス点が可視光の
合焦位置からずれた信号である。演算処理部37は、信
号S35A,S35Bの大小関係を検出し、その結果を
制御部47に与える。
【0059】また、上記の差信号S31にオフセット信
号V0を加えた補正された信号S43は、図7(A)に
示されたフォーカスエラー信号と同じ特性を有する。更
に、光検出器からの全ての信号の総和信号S34は、図
7(B)に示された信号と同様に、合焦位置で最大とな
る特性を有する。
【0060】第3の実施の形態例でのオートフォーカス
のためのステージの駆動制御の方法は、第2の実施の形
態と同様である。つまり、図9のフローチャートによっ
てステージが駆動制御されるので、駆動制御の範囲L
3,L4,L5を従来例より広くすることができる。
【0061】第3の実施の形態では、被検物体24の被
検面23上にスリット光を照射するため、スリット状の
光像の一部が被検面内の段差部にかかっても、他の部分
において正常なフォーカスエラー信号を得ることができ
る。よって、被検面23に段差がある場合にも、フォー
カスエラー信号は段差の影響を受けにくくなる。
【0062】また、第3の実施の形態の構成において、
コリメータレンズ50とスリット51によってスリット
状の光像を形成しているが、光源13から出射した光を
シリンドリカルレンズで集光することにより、図6のス
リット51の位置にスリット状の像を結像する構成とす
ることでも良い。この場合は、コリメータレンズ50と
スリット51の代わりにシリンドリカルレンズが設けら
れる。
【0063】[第4の実施の形態]図13は、第4の実
施の形態による焦点調節装置を備えた顕微鏡の構成を示
す図である。第4の実施の形態の焦点調節装置は、第1
の実施の形態の焦点調節装置の変形例であり、同一部分
には同一の符号を与えている。この顕微鏡は、オートフ
ォーカス光学系300の光検出器にCCDリニアセンサ
やMOSリニアイメージセンサ等のラインセンサ61を
用い、第1の実施の形態のビームスプリッタ17の代わ
りに、ビームスプリッタ59とミラー60が設置されて
いる。そして、集光レンズ16とビームスプリッタ59
の間にシリンドリカルレンズ58が設置されている。そ
れ以外の構成は、第1の実施の形態と同じである。
【0064】図14は、シリンドリカルレンズ58の斜
視図である。図14において、Z方向からシリンドリカ
ルレンズ58へ入射する光束62は、シリンドリカルレ
ンズ58により座標のY方向に収束され、X方向には収
束されずに出射する。従って、シリンドリカルレンズ5
8を通過した光63は、スリット形状になり、ラインセ
ンサ61の両側にそれぞれ結像する。
【0065】図15は、ラインセンサ61の光検出部を
示す図である。図15(A)に示される通り、ラインセ
ンサ61の光検出部は、Z方向にアレイ状に配列した多
数の光検出部から構成されている。第3実施の形態と同
様に、ラインセンサ62の光検出部上にはスリット像6
4、スリット像65が形成される。そして、このスリッ
ト光64,65は、Z軸方向の長さが、ステージの上下
動に応じて、逆方向に伸長する。従って、ラインセンサ
61の左側において、領域61aを中央部、領域61
b、61cを周辺部とすることにより、第3の実施の形
態と同様の信号を得ることができる。同様に、ラインセ
ンサ61の右側において、領域61dを中央部、領域6
1e,61fを周辺部とすることにより、同様の信号を
得ることができる。
【0066】制御装置26の構成は、図12の構成と同
じにすることができる。即ち、図15(A)に示したよ
うにラインセンサ61の光検出部を、スリット像64に
対しては61a、61b、61cの3つの領域に分け
て、領域61a内の全ての光検出部の光量の和をβ1、
領域61b、61c内の全ての光検出部の光量の和をβ
2とする。また、スリット像65に対しては61d、6
1e、61fの3つの領域に分けて、領域61d内の全
ての光検出部の光量の和をα1、領域61e,61f内
の全ての光検出部の光量の和をα2とする。そして、図
12と同じ信号処理により、差信号 {(α1−α2)/(α1+α2)}−{(β1−β
2)/(β1+β2)} と、それにオフセット信号V0を加えた補正された信号
を求めると、それぞれ図3(A),(B)に示したフォ
ーカスエラー信号になる。また、それらの信号の総和
(α1+α2+β1+β2)は、図4に示した信号にな
る。
【0067】従って、オートフォーカス制御のためのス
テージ駆動制御は、第2の実施の形態と同じように図9
のフローチャートに従って行われる。
【0068】ビームスプリッタ59およびミラー60か
らラインセンサ61へ入射するスリット像の光は、シリ
ンドリカルレンズ58によりスリットの幅方向(Y方
向)に収束されるので、ラインセンサ61の光検出部の
Y方向の幅が狭くても、十分な光量を得ることができ
る。従って、被検物体24の反射率が小さい場合にも感
度良くフォーカスエラー信号を検出することができる。
【0069】図15(B)には、ラインセンサの感度を
上げる方法が示される。顕微鏡では、低倍率では低倍の
対物レンズ2が使用され、高倍率では高倍の対物レンズ
2が使用される。即ち、対物レンズ2は、適宜選択され
切り替えられる。一般に、低倍の対物レンズはその開口
数が小さく、ラインセンサ上に結像するスリット像の長
さは、(1)に示される通り長くなる傾向にある。実線
64は例えば合焦位置のスリット像であり、破線は合焦
位置から外れた時のスリット像である。一方、高倍の対
物レンズはその開口数が大きく、ラインセンサ上に結像
するスリット像の長さは、(2)に示される通り短くな
る傾向にある。
【0070】そこで、ラインセンサから生成される第1
及び第2の光量信号(α1−α2)、(β1−β2)を
大きくして感度を高めるためには、対物レンズの開口数
に応じて、中央領域61aの大きさを変えることが望ま
しい。即ち、開口数が大きい時は中央領域61aを小さ
くし、開口数が小さい時は中央領域61aを大きくする
ことにより、それぞれの対物レンズにおいてラインセン
サから感度の高い光量信号(α1−α2)、(β1−β
2)を得ることができる。
【0071】上記の実施の形態では、オートフォーカス
光学系300での光源13に、赤外光を利用したが、本
発明はそれに限定されず、可視光以外の不可視光であれ
ば良い。また、上記の実施の形態では、観察光学系10
0を有する顕微鏡を例にして説明したが、本発明は、観
察光学系100等の結像光学系を交換可能に取り付ける
手段を有する焦点調節装置であっても良い。
【0072】尚、本発明の保護範囲は、上記の実施の形
態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とそ
の均等物に及ぶものである。
【0073】
【発明の効果】以上、本発明によれば、オートフォーカ
ス制御における自動制御可能な範囲を従来例より広くす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による焦点調節装置を備えた
顕微鏡のブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における光検出器と制御装置
の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態におけるフォーカスエラー信
号と補正されたフォーカスエラー信号と被検体面の位置
との関係を示す図である。
【図4】第1の実施の形態における全光検出部からの信
号の和と被検体面の位置との関係を示す図である。
【図5】第1の実施の形態におけるステージ駆動制御方
法を示すフローチャート図である。
【図6】第2の実施の形態における光検出器と制御装置
の構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態における補正されたフォーカ
スエラー信号と光検出部からの信号の総和と被検体面の
位置との関係を示す図である。
【図8】第2の実施の形態における第1及び第2の光検
出部からの第1及び第2の光量信号と被検体面の位置と
の関係を示す図である。
【図9】第2の実施の形態におけるステージ駆動制御方
法を示すフローチャート図である。
【図10】第3の実施の形態による焦点調節装置を備え
た顕微鏡のブロック図である。
【図11】第3の実施の形態におけるスリット51の平
面図である。
【図12】第3の実施の形態における光検出器と制御装
置の構成を示すブロック図である。
【図13】第4の実施の形態による焦点調節装置を備え
た顕微鏡のブロック図である。
【図14】第4の実施の形態におけるシリンドリカルレ
ンズ58の斜視図である。
【図15】第4の実施の形態におけるラインセンサ61
の構成を示す図である。
【図16】従来の理想的なフォーカスエラー信号及び光
検出部からの信号の総和と被検体面の位置との関係を示
す図である。
【図17】従来の補正されたフォーカスエラー信号及び
光検出部からの信号の総和と被検体面の位置との関係を
示す図である。
【符号の説明】
100 観察光学系 200 照明光学系 300 オートフォーカス光学系 7 ダイクロイックミラー 13 オートフォーカス用光源 18、19 光検出器 18a、18b、18c、19a、19b、19c
光検出部 23 被検体面 24 被検体 25 ステージ 26 制御装置 51 スリット 58 シリンドリカルレンズ 61 ラインセンサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の結像光学系が交換可能な取付手段
    と、 前記結像光学系と被検体との光軸方向の距離の変化に応
    じて互いに逆方向の大きさに変化する第1及び第2の光
    量信号を生成する第1及び第2の検出手段と、 前記結像光学系の焦点位置近傍の第1の領域において、
    前記結像光学系による合焦位置における前記第1及び第
    2の光量信号の差分に相当するオフセットを加えた前記
    第1及び第2の光量信号の大小関係に基づいて前記結像
    光学系の焦点調節を行い、前記第1の領域よりも前記焦
    点位置から遠い第2の領域において、前記オフセットを
    加えない前記第1及び第2の光量信号の大小関係に基づ
    いて前記結像光学系の焦点調節を行う制御手段とを有す
    ることを特徴とする焦点調節装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の光量信号の差分が前
    記オフセットになる前記光軸上の点であって、前記合焦
    位置にある第1の点と、前記合焦位置にない第2の点の
    うち、前記第1の領域は、前記第2の点より前記合焦位
    置側に位置することを特徴とする請求項1に記載の焦点
    調節装置。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の検出手段は、不可視
    光を前記結像光学系を介して前記被検体に照射して得ら
    れる前記被検体からの反射光を検出することを特徴とす
    る請求項1に記載の焦点調節装置。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の検出手段は、スリッ
    ト光を前記結像光学系を介して前記被検体に照射して得
    られる前記被検体からの反射光を検出することを特徴と
    する請求項1に記載の焦点調節装置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の検出手段は、複数の
    光量検出素子をライン状に並べたラインセンサで構成さ
    れ、前記第1及び第2の光量信号は、それぞれ前記ライ
    ンセンサの中央部領域からの光量信号とその両側領域か
    らの光量信号の差分であり、 前記制御手段は、前記結像光学系が第1の開口数の場合
    の前記中央部領域を、前記結像光学系が第1の開口数よ
    り大きい第2の開口数の場合の前記中央部領域より大き
    くすることを特徴とする請求項1に記載の焦点調節装
    置。
  6. 【請求項6】 複数の対物レンズが交換可能な観察光学
    系と、 前記対物レンズと被検体との光軸方向の距離の変化に応
    じて互いに逆方向の大きさに変化する第1及び第2の光
    量信号を生成する第1及び第2の検出手段と、 前記対物レンズの焦点位置近傍の第1の領域において、
    前記対物レンズによる合焦位置における前記第1及び第
    2の光量信号の差分に相当するオフセットを加えた前記
    第1及び第2の光量信号の大小関係に基づいて前記対物
    レンズの焦点調節を行い、前記第1の領域よりも前記焦
    点位置から遠い第2の領域において、前記オフセットを
    加えない前記第1及び第2の光量信号の大小関係に基づ
    いて前記対物レンズの焦点調節を行う制御手段とを有す
    ることを特徴とする顕微鏡。
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