JP2012083487A - フォーカス検出装置および該フォーカス検出装置によるフォーカス検出方法 - Google Patents

フォーカス検出装置および該フォーカス検出装置によるフォーカス検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明では、フォーカス検出精度を向上させたフォーカス検出装置およびフォーカス検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】対物レンズを介して試料に光を投射する投光手段と、前記試料を載置するステージと前記対物レンズとの相対的位置を変化させる駆動手段と、前記試料側からの反射光強度を前記対物レンズを介して検出する光検出手段と、前記相対的位置に応じて検出した前記光強度に基づきフォーカス信号を生成する信号生成手段と、前記対物レンズに起因した補正値を取得する取得手段と、前記補正値に応じて前記フォーカス信号を補正し補正済フォーカス信号を生成する信号補正手段と、前記補正済フォーカス信号に基づいてフォーカス位置検出を行うフォーカス位置検出手段と、を備えたフォーカス位置検出装置により対物レンズによる収差やフレアの影響を除去し、上記課題の解決を図る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、顕微鏡などの光学装置におけるフォーカス検出装置およびフォーカス検出方法に関する。
従来、長時間のタイムラプス観察において顕微鏡のフォーカスを安定に維持する手段として、レーザ投射式のフォーカス検出装置が考案されている。このようなフォーカス検出装置においては、対物レンズを介してフォーカスを検出するいわゆるTTL(Through The Lens)方式が採用されているため、対物レンズ自身の温度変化による光学的なフォーカスドリフトが発生してもその影響を受けずにフォーカスを検出し維持することができる。
このTTL方式のフォーカス検出装置のフォーカス検出は、カバーガラスと、観察対象の試料となる例えば細胞との境界面でのレーザ光ビームの反射を利用している。しかし、試料の屈折率よりもNAの大きいレーザ光ビームを入射すると、入射光はカバーガラスと試料との境界面で全反射してしまい、全反射領域をレーザ光ビームの多くが通過する。よって、試料の屈折率より小さいNAである全反射領域以外を通過するレーザ光ビームは少なく、そのため全反射領域以外を通過するレーザ光ビームの強度は、全反射領域を通過するレーザ光ビームの強度と比較して極めて小さくなり、全反射領域を通るレーザ光ビームがフォーカスの検出において支配的になってしまう。この全反射領域を通るレーザ光ビームは球面収差の大きい対物レンズの枠付近を通過するため、収差による影響が大きく、フォーカス精度を低下させるという問題があった。
この問題を解決する手段として、レボルバに装着され光路中に挿入された対物レンズを検出し、検出された対物レンズが試料の屈折率よりも大きいNAの対物レンズだった場合は、シボリを挿入する方法が考案されている。この方法によれば、フォーカス検出用のレーザ光ビーム径は、試料となる例えば細胞や培養液の屈折率よりも小さいNAに相当するレーザ光ビーム径となる。このため、球面収差の大きい全反射領域を通過することなくフォーカスを検出することができ、フォーカス精度の低下を防止することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−107302号公報
しかしながら、フォーカス検出をするためのレーザ光のビーム径をシボリによって絞ると、対物レンズの反射に起因する対物レンズ固有のスポットフレアの影響が大きくなりフォーカス検出の精度が低下することが生じる。このようなフォーカス検出の精度の低下について、図10を参照しながら説明する。図10は、2分割の光検出器を用いてフォーカス検出を行う際に得られる光信号の一例を、対物レンズと試料との距離に対して示した図である。図10において、縦軸は、光検出器の2つの検出部、光検出部Aおよび光検出部Bにより検出された入射光強度I、横軸は、焦点距離に対する対物レンズと試料との距離の差をデフォーカス量dとして表している。ここで、信号A1および信号A1’は、光検出部Aから得られた信号、信号B1および信号B1’は、光検出部Bから得られた信号とする。このとき、焦点位置は、光検出部Aから得られた信号と光検出部Bから得られた信号とが等しい位置となる。
図10に示すように、理想的には信号A1と信号B1は、入射光強度が「0」となる部分を有し、点F0において、信号A1=信号B1となるような山形の波形が得られる。しかし、スポットフレアの影響が大きくなると、信号A1’、信号B1’のように入射光強度「0」を有さず、オフセットがかかった信号となる。その結果、点F0より「E」の分だけフォーカス位置よりずれた点F1を焦点位置と判断してしまうといった問題が生ずる。
上記課題に鑑み、本発明では、カバーガラスと試料である例えば細胞など生物系物質との境界面での全反射による球面収差およびフレア等の影響や、フォーカス検出レーザ光ビームをシボリによって絞ったときに生じる対物レンズ固有のフレアによる影響等を除去する。これにより、フォーカス検出の精度を向上させることが可能なフォーカス検出装置およびフォーカス検出方法を提供する。
本発明にかかるフォーカス検出装置は、対物レンズを介して試料を観察する顕微鏡に用いられるフォーカス検出装置であって、前記対物レンズを介して前記試料に光を投射する投光手段と、前記試料を載置するステージと前記対物レンズとの少なくとも一方を前記光の光軸方向に移動させることにより、前記ステージと前記対物レンズとの相対的位置を変化させる駆動手段と、前記試料により反射された前記光に応じた光強度を前記対物レンズを介して検出する光検出手段と、前記ステージと前記対物レンズとの相対的位置に応じて前記光検出手段が検出した前記光強度に基づきフォーカス信号を生成する信号生成手段と、前記対物レンズに起因して発生する前記フォーカス信号に対する補正値を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記補正値に応じて前記フォーカス信号を補正し補正済フォーカス信号を生成する信号補正手段と、前記補正済フォーカス信号に基づいてフォーカス位置検出を行うフォーカス位置検出手段と、を備えることを特徴としている。
ここで、前記対物レンズを複数装着できる対物レンズ取り付け部と、前記対物レンズ取り付け部に装着された前記対物レンズの識別情報を検出する対物レンズ識別手段と、前記補正値を記憶する記憶手段と、をさらに有し、前記記憶手段は、前記対物レンズ識別手段から得られた複数の前記対物レンズの識別情報と、前記取得手段が取得した複数の前記対物レンズに応じた前記補正値とを互いに関連付けて記憶するようにしてもよい。
前記取得手段は、前記試料を前記ステージと前記対物レンズとの間から取り除いた状態で前記光検出手段が検出した入射光強度を補正値として取得することができる。また、前記取得手段は、前記ステージと前記対物レンズとの距離が所定距離以上となる位置において前記光検出手段が検出した入射光強度を補正値として取得することもできる。
前記取得手段に前記補正値の取得を開始させる開始指示信号を出力する取得開始指示手段をさらに有し、前記駆動手段は、前記取得開始指示手段が前記開始指示信号を出力すると、前記ステージと前記対物レンズとの距離を前記所定距離以上になるように前記ステージまたは前記対物レンズの少なくとも一方を移動させ、前記取得手段は、前記移動の後に前記補正値の取得を開始するようにしてもよい。
前記光路中に配置された前記対物レンズの識別情報を検出する配置レンズ識別手段、をさらに有し、前記取得手段は、前記配置レンズ識別手段から得られた前記識別情報に対応する前記補正値を前記記憶手段から取得することもできる。前記識別情報に対応する前記補正値が前記記憶手段に記憶されていない場合には警告を発する警告手段をさらに有するようにしてもよい。
前記光検出器は、少なくとも2つに分割された独立して光を検出可能な部分検出部を有しており、前記取得手段は、少なくとも2つの前記部分検出部の各々について補正値を取得することが好ましい。
前記取り付け部に装着された複数の前記対物レンズの中のひとつを前記光路中に配置するレンズ配置手段と、前記配置レンズ識別工程で得られた前記識別情報に対応する前記補正値が、前記記憶手段に記憶されているか否かを判別する記憶判別手段と、前記記憶判別手段が前記補正値が記憶されていないと判別すると、前記取得手段は前記補正値の取得を行い、前記補正値が記憶されていると判別すると、前記レンズ配置手段が前記対物レンズとは別の対物レンズを前記光路中に配置したのち、前記取得手段が前記補正値の取得を行うようにしてもよい。
前記フォーカス位置検出手段の検出結果に基づき、前記フォーカス位置に前記ステージと前記対物レンズとの少なくとも一方を移動させるように前記駆動手段を制御するフォーカス制御手段、をさらに有することもできる。
本発明にかかるフォーカス検出方法は、対物レンズと、前記対物レンズを介して観察する対象の試料とを、所定距離以上離した取得位置に配置する配置工程と、前記取得位置において、前記対物レンズを介して前記試料側に投射された光の反射光の強度を前記対物レンズを介して検出し補正値として取得する取得工程と、前記対物レンズと前記観察試料との距離を変化させ前記距離に応じて前記光検出手段が検出した前記光強度に基づきフォーカス信号を生成する信号生成工程と、前記補正値により前記フォーカス信号を補正し、補正済フォーカス信号を生成する信号補正工程と、前記補正済フォーカス信号に基づいてフォーカス位置検出を行うフォーカス位置検出工程と、を備えることを特徴としている。
前記補正値を前記対物レンズの種類と関連付けて記憶する記憶工程をさらに含むことができる。また、前記光の光路中に配置された前記対物レンズの識別情報を検出する配置レンズ識別工程と、前記配置レンズ識別工程で得られた前記識別情報に対応する前記補正値が、前記記憶手段に記憶されているか否かを判別する記憶判別工程と、前記記憶判別工程において前記補正値が記憶されていなければ、前記取得工程を実行し、前記補正値が記憶されていれば、前記対物レンズとは別の対物レンズを前記光路中に配置し、前記配置工程に戻ることを特徴とするようにしてもよい。
さらに、前記フォーカス位置検出方法により検出された前記フォーカス位置に、前記試料を載置するステージと前記対物レンズとの少なくとも一方を前記光の光軸方向に移動させるフォーカス調整工程、を有することもできる。
本発明によるフォーカス検出装置およびフォーカス検出方法によれば、対物レンズにより生ずる収差や固有のフレアの影響を除去することにより、顕微鏡などの光学装置におけるフォーカス検出の精度を向上させることが可能となる。
本発明の一実施の形態による顕微鏡用フォーカス検出装置の構成を示すブロック図。 本発明の一実施の形態によるフォーカス検出時の結像状態を説明する図であり、(a)は、図1の紙面上方から見た光線の概念図、(b)は、受光センサを集光レンズ側から見た場合の結像状態を示す図、(c)は、横軸を受光センサの図1における左右方向、縦軸を光の強度とした場合の光の強度分布を示す図。 本発明の一実施の形態によるフォーカス検出時の結像状態を説明する図であり、(a)は、図1の紙面上方から見た光線の概念図、(b)は、受光センサを集光レンズ側から見た場合の結像状態を示す図、(c)は、横軸を受光センサの図1における左右方向、縦軸を光の強度とした場合の光の強度分布を示す図。 本発明の一実施の形態によるフォーカス検出時の結像状態を説明する図であり、(a)は、図1の紙面上方から見た光線の概念図、(b)は、受光センサを集光レンズ側から見た場合の結像状態を示す図、(c)は、横軸を受光センサの図1における左右方向、縦軸を光の強度とした場合の光の強度分布を示す図。 本発明の一実施の形態によるフォーカス検出信号の一例を示す図。 本発明の一実施の形態によるフォーカス検出信号の補正値を取得する手順を示すフローチャート。 本発明の一実施の形態によるフォーカス検出信号の補正値の一例を示す図。 本発明の一実施の形態による補正値を示すデータテーブルの一例を示す図。 本発明の一実施の形態によるフォーカス検出の手順を示すフローチャート。 本発明の一実施の形態によるフォーカス検出信号の補正方法を説明する図。 変形例1による補正値を取得する手順を説明する図。 従来のフォーカス検出信号を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明のフォーカス検出装置およびフォーカス検出方法について説明する。図1から図8を参照しながら、本発明の一実施の形態による顕微鏡用フォーカス検出装置(以下、単にフォーカス検出装置という)100について説明する。図1は、本実施形態におけるフォーカス検出装置100の全体構成を示す。本実施の形態によるフォーカス検出装置100は、対物レンズ3を介して観察試料Sを観察する際に、観察試料Sと対物レンズ3との距離を調整することにより観察試料Sに焦点を合わせるための装置である。本明細書において、観察試料Sに対して対物レンズ3側を下、逆側を上という。
図1に示すように、フォーカス検出装置100は、アクティブ型の自動フォーカス光学系を有している。アクティブ型のフォーカス光学系は、基準光源13、レーザ駆動部19、ビーム径シボリ12、偏光ビームスプリッタ(以下、PBSという)9、投光側ストッパ10、集光レンズ群8、オフセットレンズ群7、オフセットレンズ駆動部24、オフセットレンズ駆動用モータ16、λ/4板6、ダイクロイックミラー5、集光レンズ群14、及び受光センサ15から構成されている。アクティブ型自動フォーカスのための基準光源13としては、例えば赤外線レーザが使用される。基準光源13は、レーザ駆動部19により制御される。レーザ駆動部19は、基準光源13のパルス点灯等を行い、光源の強弱を制御する。
ビーム径シボリ12は、基準光源13からのレーザ光の径を所望の値に制限する。コリメートレンズ11は、入射したレーザ光を平行光にする。投光側ストッパ10は、レーザ光の光束径の半分をカットするために設けられている。PBS9は、P偏光成分を透過し、S偏光成分を反射する。集光レンズ群8は、少なくとも1つのレンズより構成され、平行光を集光し、集光された光を平行光に戻す。オフセットレンズ群7は、少なくとも1つのレンズより構成され、平行光を集光し、集光された光を平行光に戻す。オフセットレンズ群7は、レーザ光の光軸に沿って移動可能であり、後述するフォーカス信号のオフセット調整に用いられる。λ/4板6は、偏光状態を変化させるために設けられている波長板である。ダイクロイックミラー5は、基準光源13からの光を反射するために設けられている。
集光レンズ群14は、観察試料Sからの反射光を受光センサ15上に集光するためのレンズである。受光センサ15は、光軸を中心に図1における左右方向に光検出部Aおよび光検出部Bに2分割されたフォトダイオードである。
ダイクロイックミラー5と観察試料Sとの間には、複数の対物レンズ3a、対物レンズ3b等(以下、まとめて対物レンズ3ともいう)をレーザ光の光軸に対して挿脱可能な電動レボルバが配置されている。電動レボルバは、レボルバ本体4、複数の対物レンズ3、レボルバ回転用モータ18、レボルバ用モータ駆動部21、及びレボルバ位置検出部22から構成されており、コントロール部25により制御される。対物レンズ3としては、対物レンズ3a、対物レンズ3b等、倍率の異なる対物レンズが複数備えられ、それぞれレボルバ本体4に固定されている。レボルバ本体4は、コントロール部25からの信号により駆動され、回転する。レボルバ本体4の回転によって、対物レンズ3は光路中に挿入され、または脱出される。レボルバ位置検出部22は、レボルバ本体4のどの対物レンズ取り付け穴が現在光路中に挿入されているかを検出する。図1においては、対物レンズ3aが光路中に挿入されている。
コントロール部25は、レボルバ位置検出部22から出力される現在光路中に挿入されている対物レンズを示す信号に応じて、レボルバ用モータ駆動部21を制御する。レボルバ用モータ駆動部21は、レボルバ回転用モータ18を駆動し、レボルバ本体4を回転させる。
レボルバ本体4には、焦準用モータ17が接続され、焦準用モータ17には、焦準用モータ駆動部20が接続されている。焦準用モータ17は、焦準用モータ駆動部20により電気的に駆動され、レボルバ本体4を光軸cに沿った方向に上下動させる。
コントロール部25には、外部操作部26、記憶装置27、補正値取得開始指示部28、表示部29が接続されている。外部操作部26は、ユーザがフォーカス検出装置100に指示を与えるために用いられる。フォーカス検出装置100は、ユーザが外部操作部26を用いて操作指示を与えると、コントロール部25により各構成要素の各部を制御される。記憶装置27は、コントロール部25へ入力された各情報を記憶する。補正値取得開始指示部28は、後述するフォーカス信号の補正値の取得を開始する指示を行う。表示部29は、観察試料Sの画像などを表示する。
さらに、コントロール部25には、信号処理部23およびオフセットレンズ駆動部24が接続されている。信号処理部23は、受光センサ15で検出した信号を用いてフォーカス制御信号を生成するなどの処理を行う。オフセットレンズ駆動部24は、コントロール部25の指示に従いモータ16を駆動し、オフセットレンズ群7の位置を光軸に沿って移動させる。
観察対象の標本は、例えば、ガラス容器1に配置された観察試料Sから構成される。ここではガラス容器1を例として示しているが、プレパラートのような、ガラスを材料とし観察用途として用いるものであれば他のものでもよい。観察試料Sは移動ステージ2の上に載置され、対物レンズ3を介して観察される。
上記のようなフォーカス検出装置100において、基準光源13からのレーザ光は、ビーム径シボリ12によってビームを絞られた後、平行光を保つ為のコリメートレンズ11を通り、光束径の半分が投光側ストッパ10によりカットされる。その後、そのレーザ光は、PBS9でP偏光成分のみがそのまま透過され、観察試料S側に導かれる。
集光レンズ群8により一旦集光された光束は、オフセットレンズ群7を通過する。コントロール部25は、オフセットレンズ駆動部24を介してオフセットレンズ駆動用モータ16を制御する。その結果、このオフセットレンズ群7は、光軸cに沿った方向への移動、すなわちフォーカス位置のオフセットが可能となる。
オフセットレンズ群7を通過した光は、λ/4板6を通過する時に円偏光に偏光され、ダイクロイックミラー5に入射する。ここで、ダイクロイックミラー5は赤外域の光のみ反射する為、基準光源13が発するレーザ光束は反射される。反射された光束は、対物レンズ3により観察試料Sを入れるガラス容器1の底面にスポット形状の像を形成する。
観察試料Sにより反射された光束は、対物レンズ3を介してダイクロイックミラー5に入射する。ダイクロイックミラー5で反射された光束は、λ/4板6を再び通過する時に直線偏光に偏光され、S偏光成分に切り換えられる。さらに光束は、オフセットレンズ群7と集光レンズ群8を通り、PBS9へ入射される。このとき光束はS偏光成分になっているので、PBS9で反射され、集光レンズ群14を通過した後に光軸を中心に設置された2分割フォトダイオードからなる受光センサ15に結像される。
次に図2A〜図2Cを参照しながら、フォーカス検出信号について説明する。図2A〜図2Cは、受光センサ15の結像の状態を示す。受光センサ15への結像状態は、対物レンズ3と観察試料S間との距離によって変化する。さらには、オフセットレンズ群7の位置によってもその結像状態は変化する。
図2A〜図2Cは、オフセットレンズ群7をある位置に固定し、対物レンズ3と観察試料Sとの間の距離を変化させたとき、つまり、焦準用モータ駆動部20によりレボルバ本体4を光軸cに沿って移動させたときの受光センサ15への結像状態を示したものである。図2A〜図2Cの(a)は、図1の紙面上方から見た光線の概念図、(b)は、受光センサ15を集光レンズ群14側から見た場合の結像状態を示す図、(c)は、横軸を受光センサ15の図1における左右方向、縦軸を光の強度とした場合の光の強度分布を示す図、(d)は(a)のX方向矢視図である。
観察試料Sがピント位置にある場合には、図2B(a)、(d)に示すように、試料S側からの光は集光レンズ群14により受光センサ15の中央部に結像される。よって、受光センサ15に結像されたスポット光は、図2B(b)、(c)に示すように、ピークが光検出部Aと光検出部Bとの境界付近にあり、横軸の範囲が狭く縦軸方向に高い強度分布になる。
観察試料Sがピント位置から下側(後ピン位置)にある場合は、図2A(a)、(d)に示すように、試料S側からの光は集光レンズ群14により受光センサ15より集光レンズ群14側に集光される。よって、受光センサ15に結像されたスポット光は、図2A(b)、(c)に示すように、光検出部Bの範囲に偏った強度分布になる。
観察試料Sがピント位置から上側(前ピン位置)にある場合は、図2C(a)、(d)に示すように、試料S側からの光は集光レンズ群14により受光センサ15より集光レンズ群14から遠い側に集光される。よって、受光センサ15に結像されたスポット光は、図2C(b)、(c)に示すように光検出部Aの範囲に偏った強度分布になる。このように、受光センサ15に結像されたスポット光は、それぞれ図2A〜図2C(c)中に示した検出信号に変換される。
図3は、上記検出信号から算出される信号の強度分布を示す図である。ここで、受光センサ15の光検出部Aで検出された信号を信号A、検出器Bで検出された信号を信号Bという。受光センサ15で変換された検出信号は、信号処理部23で、図2A〜図2C(c)に示した光検出部Aと光検出部Bの範囲に分割され、それぞれの範囲における強度の総和が算出される。従って、図3の信号Aおよび信号Bに示す様に、横軸を対物レンズ3の焦点位置からの上下方向の距離をデフォーカスdとして示すと、ピント位置を挟んで左右対称な信号Aおよび信号Bの2つのカーブからなる信号が算出される。信号処理部23は算出された信号Aおよび信号Bから、さらに誤差信号(A−B)/(A+B)をフォーカス検出信号FSとして算出する。このフォーカス検出信号FSはコントロール部25へ入力され、この信号に基づきフォーカス検出を行う。
次に、本実施の形態によるフォーカス検出装置100におけるフォーカス検出動作について図4〜図5を参照しながら説明する。本実施の形態によるフォーカス検出動作においては、上述のようなフォーカス検出信号FSを補正し、補正した後の信号でフォーカス位置を検出する。
図4は、本実施形態における対物レンズ固有のスポットフレアの影響等を除去するための補正値の取得方法の動作を示すフローチャートである。まず、ユーザは観察試料S及びガラス容器1を移動ステージ2から取り外し、観察試料S及びガラス容器1からの反射光が受光センサ15へと入力されないようにする(S401)。次に、ユーザは補正値を取得する対象の対物レンズ3を、外部操作部26を操作することで選択する(S402)。このとき、対物レンズ3はレボルバ本体4に複数装着されており、上述のようにレボルバ位置検出部22によって、レボルバ本体4に複数設けられた穴のどれにどの対物レンズが装着されているかを判別できる。
ユーザが対物レンズ3を選択した後、コントロール部25は、対物レンズ3を光路に挿入し、外部操作部26を操作して信号Aおよび信号Bを取得する(S403)。このときのオフセットレンズ群7の位置は光学上の原点にする。この信号Aと信号Bから信号の補正値を信号処理部23で取得する(S404)。尚、取得する信号Aおよび信号Bは図5に示すような波形形状となっている。
図5は、フォーカス検出信号FSの補正値の一例を示す図である。横軸は、デフォーカスdを紙面左側が上側へのデフォーカスとなるように表し、縦軸は検出した入射光強度Iを示す。図5に示すように、ガラス容器1および観察試料Sを移動ステージ2から取り外した状態においては、デフォーカスdの量にかかわらず光検出部Aで検出された信号A0は、I=a1、光検出部Bで検出された信号B0は、I=b1となる。このとき、光路中に配置されている対物レンズ3を対物レンズ3aとすると、取得する補正値は、図5に示す信号A0に対する補正値a1と信号B0に対する補正値b1である。ここで取得した補正値は、記憶装置27に記憶させる(S405)。
図6は、記憶装置27に記憶する各対物レンズ3に対する補正値を示すデータテーブル70である。図6に示すように、列75は対物レンズ3の種類、列76は光検出部Aに対する補正値、列78は、光検出部Bに対する補正値を示している。例えば、行72に示すように、対物レンズ3aについて、光検出部Aで検出された信号に対する補正値がa1、光検出部Bで検出された信号に対する補正値がb1であることを記憶させる。
続いてS406に進み、ユーザは、レボルバ本体4に装着されており、且つ、フォーカス検出を行う対物レンズ3毎に補正値を取得する作業を、全てのレンズについて終了したか否かを判定する(S406)。S406の判定がNoの場合には、S402に戻って繰り返し行う。フォーカス検出を行う全ての対物レンズに関して補正値を記憶装置27へ記憶させることが完了したら、スポットフレアの影響等を除去するための信号Aおよび信号Bの補正値の取得は完了である(S406で「Yes」)。
図7は、図4の方法で取得した補正値を適用してフォーカス検出を行う方法を示すフローチャートである。まず、ユーザは外部操作部26を操作して、図1に示すフォーカス検出装置100にフォーカス検出を開始させる。フォーカス検出が開始されると、コントロール部25は、レボルバ位置検出部22より、装着されている対物レンズ3の情報を取得し、対物レンズ3の種類を検出する(S501)。その後、コントロール部25は、図6に示す補正値のデータテーブルを記憶装置27から読出し、装着されている対物レンズ3に対応した補正値を、コントロール部25から信号処理部23へ送信する(S502)。
信号処理部23では、記憶装置27から読み出したデータテーブル70に基づき、信号の補正を行う。ここでは、図6に示す対物レンズ3aを例にして補正の方法と補正値の適用方法を説明する。上述のように、対物レンズ3aについて、図6のデータテーブル70に示すように信号Aに対して補正値a1、信号Bに対して補正値b1という値が記憶されている。
図8は、デフォーカスdに対する光検出部Aおよび光検出部Bで検出された入射光強度Iの変化を示す図である。信号A2は、光検出部Aで得られた入射光強度変化、信号B2は、光検出部Aで得られた入射光強度変化である。また、信号(A2−a1)、信号(B2−b1)は、補正値を適用した後の信号を示している。信号処理部23では、フォーカス検出信号を算出する前に、信号A2は信号(A2−a1)、信号B2は信号(B2−b1)といったように、信号Aの各デフォーカス値に対する信号強度と補正値a1との差分、および信号Bの各デフォーカス値に対する信号強度と補正値b1との差分を演算する。
このとき、差分の演算を行いながら補正値を適用した信号(A2―a1)、信号(B2−b1)信号の取得を行う。そして図8に示すように、信号処理部23では取得した信号(A2−a1)、信号(B2−b1)を基にフォーカス検出信号FS2=((A2−a1)−(B2−b1))/((A2−a1)+(B2−b1))の演算を行う。信号処理部23は、このフォーカス検出信号FS2が「0」となるレボルバ本体4の位置を、フォーカス位置として検出する。このフォーカス位置は、補正値を適用しない場合のフォーカス検出信号FS1=(A2−B2)/(A2+B2)により検出したフォーカス位置とは「E」だけ異なっている。
信号処理部23は、演算されたフォーカス検出信号FS2を基に検出したフォーカス位置に応じた焦点位置情報をコントロール部25へ出力する(S503)。コントロール部25は、信号処理部23で演算された焦点位置情報を基に焦準用モータ駆動部20へ命令を与え、焦準用モータ17を動かし、レボルバ本体4をフォーカス位置へ動かす。(S504)。なお、補正値取得時はレーザ駆動部19によりレーザを点灯させ、取得終了時はレーザ駆動部19により消灯させる。
以上説明したように、本発明の一実施の形態によれば、ガラス容器1および試料Sを取り外した状態で受光センサ15の光検出部Aおよび光検出部Bにより検出される入射光強度を補正値として取得する。この補正値の取得は、レボルバ本体4に装着されている複数の対物レンズ3について個々に行い、対物レンズ3の種類毎に光検出部Aおよび光検出部Bのそれぞれについて互いに関連付けてデータテーブル70に記録する。フォーカス検出を行う際には、レボルバ本体4に装着された対物レンズ3の種類を検出し、データテーブル70から補正値を取得する。次に、ガラス容器1および試料Sを移動ステージ2に載置した状態で、レボルバ本体4を光軸Cに沿って移動させながら、光検出部Aおよび光検出部Bにより入射光強度Iを検出する。検出した光検出部Aおよび光検出部Bの入射光強度Iは、それぞれの検出器毎の補正値によって補正する。補正した入射光強度を用いてフォーカス検出信号FSを算出し、フォーカス検出信号FSに基づきフォーカス位置を検出する。
以上のように、本実施の形態によるフォーカス検出装置およびフォーカス検出方法によれば、観察試料Sの透過率や対物レンズの収差および固有のスポットフレアの影響を最小限に抑制することにより、精度の高いフォーカス検出を行うことが可能になる。
(変形例1) 次に、変形例1について図1および図9を参照しながら説明する。変形例1において、上記実施の形態と同様の構成および動作については、同一の符号を付し、重複説明を省略する。変形例1は、上記実施の形態による補正値取得方法に関する変形例である。上記実施の形態による補正値の取得は、図4に示したように、移動ステージ2からガラス容器1と観察試料Sとを外した状態で行った。本変形例では、ガラス容器1と観察試料Sとが移動ステージ2の上部に載置されている状態で補正値の取得を行う。
図9は、ガラス容器1と観察試料Sが移動ステージ2の上部に載置されている場合における補正値の取得方法を示すフローチャートである。まず、ユーザは外部操作部26を操作し、ガラス容器1および観察試料Sからの反射光が受光センサ15へ入力されないように、レボルバ本体4を下限リミットまで移動させる(S901)。下限リミットとは、対物レンズ3が、ガラス容器1および観察試料Sから離れ、光検出部Aおよび光検出部Bの入射光強度Iが図5に示したように一定になっている位置のことをいう。この後、図9に示すS902〜S906は、図7に示すS502〜S506に示す処理と同様である。すなわち、光路中に配置する対物レンズ3を選択し(S902)、レボルバ本体4を下限リミットに移動させて光検出部Aおよび光検出部Bの入射光強度Iに対応する信号を取得し(S903)、それぞれ光検出部A、光検出部Bの補正値とし(S904)、記憶装置27に記憶する(S905)。この補正値の取得および記憶を、レボルバ本体4に装備されているすべての対物レンズ3に対して繰り返す(S906)。
以上説明したように、変形例1によれば、移動ステージ2にガラス容器1および観察試料2が載置されている場合に、光路中に配置する対物レンズ3を選択し、レボルバ本体4を受光センサ15で検出される信号がレボルバ本体4のc軸方向の移動に対して一定となる下限リミットまで移動させる。この状態で、光検出部Aおよび光検出部Bの入射光強度Iを取得し、それぞれの検出器の補正値とし、記憶装置27に記憶する。この補正値の取得をすべての対物レンズ3について繰り返し行い、対物レンズ3および光検出部A、光検出部Bと関連付けてテーブルに記憶する。
この後、所望の対物レンズ3を光路中に配置し、レボルバ本体4を光軸Cに沿って移動させながら、光検出部Aおよび光検出部Bの信号を取得し、さらに記憶装置27に記憶された補正値を用いて信号を補正する。得られた補正後の信号を用いて、フォーカス検出信号FSを算出し、フォーカス検出を行う。
以上のように、変形例1によれば、移動ステージ2上に観察試料Sを載置した状態でレボルバ本体4を下限リミットに一旦移動させることにより、補正値を取得することができる。また、補正値の取得後にフォーカス検出を行うことにより、記憶装置27に記憶された補正値を用いて補正した信号に基づいてフォーカス検出を行うことが可能になる。よって、補正により対物レンズ3による収差やスポットフレアの影響を最小限に抑制することができ、より正確なフォーカス検出ができる。また、補正値の取得のために観察試料Sを取り外す手間が不要となり、より簡便にフォーカス検出を行うことができる。
(変形例2) 以下、変形例2について図1および図4を参照しながら説明する。変形例2において、上記実施の形態または変形例1と同様の構成および動作については、同一の符号を付し、重複説明を省略する。変形例2は、補正値の自動取得方法を用いる例である。ここでは、図1に示したフォーカス検出装置100における、補正値取得開始指示部28を用いる。
まず、補正値を取得しようとする対物レンズ3が光路中に配置された状態で、ユーザは補正値取得開始指示部28を操作し、補正値取得を開始するための指示を行う。コントロール部25は、補正値取得開始指示部28の操作を検知すると、焦準用モータ駆動部20へ指令を送出し、焦準用モータ17により下限リミットまでレボルバ本体4を下げる。レボルバ本体4が下限リミットに配置された状態で、現在レボルバ本体4に装着されており光路中に挿入されている対物レンズ3に関して、図4のS403〜S405の通りに自動的に補正値を取得するとともに、記憶装置27に記憶させる。補正値取得の済んでいない対物レンズ3がある場合には、コントロール部25によりレボルバ本体4を操作して光路中に配置される対物レンズ3を交換し、補正値取得開始指示部28を操作して再び補正値取得開始の指示を行う。
すべての対物レンズ3に対して補正値の取得が完了し、フォーカス検出を行うときには、レボルバ本体4を光軸cに沿って情報に移動させながら、光検出部Aおよび光検出部Bの入射光強度Iを取得し、補正値で補正を行う。補正を行った信号を用いてフォーカス検出信号FSを算出することにより、フォーカス位置検出を行う。
以上説明したように、変形例2において、移動ステージ2にガラス容器1および観察試料2を載置した状態で、補正値を取得する対物レンズ3が光路中に配置されるようにレボルバ本体4を調整する。補正値取得開始指示部28から補正値取得を開始する指示が入力されると、コントロール部25は開始指示を検知し、焦準用モータ駆動部20へ指示を送出し、焦準用モータ17を駆動し、下限リミットまでレボルバ本体4を移動する。この状態で、補正値の取得および記憶を行う。補正値の取得および記憶は、同様の手順で全ての対物レンズ3について行う。フォーカス検出は、受光センサ15の信号を、取得した補正値で補正した信号に基づいて算出したフォーカス検出信号FSを用いて行う。
以上のように、変形例2によれば、開始の指示を与えるだけで、補正値の取得および記憶を行うことが可能であり、対物レンズによる収差やスポットフレアの影響を最小限に抑制することにより正確なフォーカス検出が可能であるとともに、操作がより簡便な顕微鏡用フォーカス検出装置とすることができる。
(変形例3) 次に、変形例3について、図1、図4および図7を参照しながら説明する。変形例2において、上記実施の形態または変形例1と同様の構成および動作については、同一の符号を付し、重複説明を省略する。
変形例3として、装着されている対物レンズ3に関して補正値の取得からフォーカス検出までの流れを自動で行う例について説明する。まず、観察に用いる対物レンズ3が光路中に配置された状態で、ユーザは補正値取得開始指示部28を操作する。コントロール部25は、補正値取得開始指示部28からの開始指示を検知すると、焦準用モータ駆動部20へ指令を送出し、焦準用モータ17によりガラス容器1と観察試料Sから離れる下限リミットまでレボルバ本体4を下げる。次に、図4のフローで示したS403〜S405で補正値を記憶装置27へ記憶させ、続いて図7のフローで示したS502〜S504のステップでフォーカス検出を行う。
以上説明したように、変形例3においては、移動ステージ2上にガラス容器1および観察試料2を載置し、観察に用いる対物レンズ3を光路中に配置した状態で、ユーザは補正値取得開始指示部28を操作することにより、開始指示を入力する。コントロール部25は、開始指示を検知すると、レボルバ本体4を下限リミットに移動させ、補正値を取得し記憶する。続いて、レボルバ本体4を光軸cに沿って上方に移動させながら、光検出部Aおよび光検出部Bで検出される入射光強度Iをそれぞれ検出し、記憶装置27に記憶された補正値で補正する。さらに補正した信号を用いてフォーカス検出信号FSを算出し、算出した信号に基づきフォーカス検出を行う。
以上のように、変形例3によれば、補正値取得開始指示部28で開始指示を行うことにより、補正値の取得およびフォーカス検出の一連の動作を自動的に行うことが可能になる。また、ユーザが装着した任意の対物レンズを用いて試料Sの観察を行う際にも、フォーカス検出を行う前に使用する対物レンズに対応した補正値を取得することが可能になる。よって、さらに簡便で、ユーザによる対物レンズの変更にも柔軟に対応可能な顕微鏡用フォーカス検出装置とすることができる。
(変形例4) 次に、変形例4について、図1、図4および図7を参照しながら説明する。変形例4において、上記実施の形態、変形例1、変形例2または変形例3と同様の構成および動作については、同一の符号を付し、重複説明を省略する。変形例4は、レボルバ本体4に装着されている対物レンズ3に対応する補正値を、記憶装置27が記憶しているかどうかを表示部26に表示させる動作を含む例である。
ユーザは、レボルバ本体4に装着されている任意の対物レンズ3を光路中に挿入する。任意の対物レンズ3が光路中に挿入されると、レボルバ位置検出部22は、光路中に挿入されている対物レンズ3の情報を検出し、コントロール部25へ送信する。コントロール部25は、送信されてきた対物レンズ3の情報に応じて記憶装置27へ信号を送り、記憶装置27が対物レンズ3に関して図6に示すようなデータテーブル70を記憶しているか否かの確認を行う。記憶装置27に、対物レンズ3に関する図6に示すようなデータテーブル70を記憶していない場合には、コントロール部25は表示部29へ命令を送り、表示部29はユーザに、光路中の対物レンズ3に関して補正値を取得していないことを認識させる表示、または警告を行う。記憶装置27が光路中の対物レンズ3に関してデータテーブル70を記憶していると、コントロール部25から表示部29へ命令を送り、表示部29はユーザに光路中の対物レンズ3に関して補正値を取得済みであることを認識させる表示を行う。
補正値が取得済みでない場合、表示部29に取得済みでないことを表示するとともに、上記実施の形態または変形例1〜3のような方法で補正値を取得するようにする。その後、検出器15で検出した信号を補正した信号に基づきフォーカス検出を行う。
以上説明したように、変形例4によれば、コントロール部25は、光路中に挿入された対物レンズ3を検知し、その対物レンズ3に対する補正値が記憶装置27に記憶されているか否かを確認する。補正値が記憶されていれば、補正値が取得済みであることを表示部29に表示する。補正値が記憶されていなければ、表示部29に取得済みでないことの表示を行い、任意の方法で補正値を取得した後、フォーカス検出を行う。
以上のように、変形例4によれば、光路中に挿入された対物レンズ3をコントロール部25が検知し、記憶装置27に補正値が記憶されているか否か確認して表示するので、少なくとも予め使用する対物レンズ3に関する補正値が取得されていればよく、使用しない対物レンズ3の補正値を取得する手間を省くことができる。また、補正値を取得していない対物レンズ3を使用するときには、取得されていないことが表示されるので、確実に補正値の取得を行うことができる。
上記実施形態および変形例1〜変形例4は、高NA対物レンズのフォーカス検出に関して特に有効である。例えば、高NA対物レンズとはNAが1.38以上のものを指す。また、上記実施形態および変形例1〜変形例4において、基準光源13は本発明の投光手段に相当し、焦準用モータ駆動部20は、駆動手段およびフォーカス制御手段に相当し、受光センサ15は、光検出手段に相当し、信号処理部23は、取得手段、信号補正手段、およびフォーカス位置検出手段、に相当する。レボルバ本体4は、対物レンズ取り付け部に相当し、レボルバ位置検出部22は、対物レンズ識別手段および配置レンズ識別手段に相当し、記憶装置27は、記憶手段に相当し、補正値取得開始指示部28は、取得開始指示手段に相当し、表示部29は、警告手段に相当する。光検出部Aおよび光検出部Bは、部分検出部に相当し、レボルバ用モータ駆動部21は、レンズ配置手段に相当し、コントロール部25は、フォーカス制御手段および記憶判断手段に相当する。
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。すなわち、例えば、上記実施形態および変形例のフォーカス検出装置およびフォーカス検出方法では複数の光検出部を有する瞳分割方式のフォーカス検出装置を例に説明を行ったが、これに限定されない。公知のフォーカス検出方式であるピンホール法などのアクティブ方式のフォーカス検出装置であってもよい。
また、上記実施形態および変形例においては、ユーザが手動で対物レンズ3を選び、外部操作部26を操作して補正値を繰り返し取得する方式を示したが、補正値の取得を自動化してもよい。ユーザは外部操作部26を操作することでレボルバ本体4に装着されている対物レンズ3の全てをレボルバ位置検出部22で検出し、補正値を自動的に取得する方式でもよい。さらに、補正値の検出およびフォーカス検出信号の取得の際には、レボルバ本体4を移動させることにより移動ステージ2と対物レンズ3との相対的位置を変化させたが、例えば移動ステージ2を移動させるなど、観察試料Sと対物レンズ3との距離を変化させる他の方法を用いてもよい。
上記実施の形態および変形例においては、オフセットレンズ群7を光学上の原点とし、対物レンズ3ごとの補正値を取得する方法を示したが、オフセットレンズ群7は光学上の原点になくてもよい。オフセットレンズ群7を光軸方向へ動かすことで任意の位置へフォーカスをオフセットさせることができるので、ユーザはオフセットさせたいフォーカス位置に対応した位置へオフセットレンズ群7を動かしてから、補正値を取得してもよい。また、フォーカスのオフセット量に対するオフセットレンズ群7の位置の制御を自動化し、オフセット位置に応じて補正値を取得する方式としてもよい。
さらに、上記実施の形態および変形例においては、信号Aと信号Bの両方から各補正値a1と補正値b1とを減ずる方法を示した。しかし、この例では投光側ストッパ10の影響により信号A、信号Bの片側にオフセットが大きくかかることがわかっている。よって、上記実施の形態のように信号Bに大きくオフセットがかかる場合には、フォーカス検出信号FSは、FS≒(A2−(B2−b1))/(A2+(B2−b1))と演算してもよい。
なお、上記実施の形態および変形例では、細胞の観察といった生物分野の試料の観察を例としたが、これに限らず、フォーカス検出光学系に対し透過率が所定以上の試料である場合、例えば工業用分野や検査装置分野にも適用が可能である。また、顕微鏡用フォーカス検出装置として、図1に示すような倒立型顕微鏡を例に挙げて説明したが、本発明は、上述した構成例への適用に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、対物レンズを使用し、光を照射してフォーカスを検出する正立顕微鏡や検査装置のような各種光学装置に対して広く適用できる。
1 ガラス容器
2 移動ステージ
3 対物レンズ
4 レボルバ本体
5 ダイクロイックミラー
6 λ/4板
7 オフセットレンズ群
8 集光レンズ群
9 偏光ビームスプリッタ
10 投光側ストッパ
11 コリメートレンズ
12 ビーム径シボリ
13 基準光源
14 集光レンズ
15 受光センサ
16 オフセットレンズ駆動用モータ
17 焦準用モータ
18 レボルバ回転用モータ
19 レーザ駆動部
20 焦準用モータ駆動部
21 レボルバ用モータ駆動部
22 レボルバ位置検出部
23 信号処理部
24 オフセットレンズ駆動部
25 コントロール部
26 外部操作部
27 記憶装置
28 補正値取得開始指示部
29 表示部
100 顕微鏡用フォーカス検出装置

Claims (14)

  1. 対物レンズを介して試料を観察する顕微鏡に用いられるフォーカス検出装置であって、
    前記対物レンズを介して前記試料に光を投射する投光手段と、
    前記試料を載置するステージと前記対物レンズとの少なくとも一方を前記光の光軸方向に移動させることにより、前記ステージと前記対物レンズとの相対的位置を変化させる駆動手段と、
    前記試料により反射された前記光に応じた光強度を前記対物レンズを介して検出する光検出手段と、
    前記ステージと前記対物レンズとの相対的位置に応じて前記光検出手段が検出した前記光強度に基づきフォーカス信号を生成する信号生成手段と、
    前記対物レンズに起因して発生する前記フォーカス信号に対する補正値を取得する取得手段と、
    前記取得手段が取得した前記補正値に応じて前記フォーカス信号を補正し補正済フォーカス信号を生成する信号補正手段と、
    前記補正済フォーカス信号に基づいてフォーカス位置検出を行うフォーカス位置検出手段と、
    を備えることを特徴とするフォーカス検出装置。
  2. 前記対物レンズを複数装着できる対物レンズ取り付け部と、
    前記対物レンズ取り付け部に装着された前記対物レンズの識別情報を検出する対物レンズ識別手段と、
    前記補正値を記憶する記憶手段と、
    をさらに有し、
    前記記憶手段は、前記対物レンズ識別手段から得られた複数の前記対物レンズの識別情報と、前記取得手段が取得した複数の前記対物レンズに応じた前記補正値とを互いに関連付けて記憶することを特徴とする請求項1記載のフォーカス検出装置。
  3. 前記取得手段は、前記試料を前記ステージと前記対物レンズとの間から取り除いた状態で前記光検出手段が検出した入射光強度を補正値として取得することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォーカス検出装置。
  4. 前記取得手段は、前記ステージと前記対物レンズとの距離が所定距離以上となる位置において前記光検出手段が検出した入射光強度を補正値として取得することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォーカス検出装置。
  5. 前記取得手段に前記補正値の取得を開始させる開始指示信号を出力する取得開始指示手段をさらに有し、
    前記駆動手段は、前記取得開始指示手段が前記開始指示信号を出力すると、前記ステージと前記対物レンズとの距離を前記所定距離以上になるように前記ステージまたは前記対物レンズの少なくとも一方を移動させ、
    前記取得手段は、前記移動の後に前記補正値の取得を開始することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフォーカス検出装置。
  6. 前記光路中に配置された前記対物レンズの識別情報を検出する配置レンズ識別手段、
    をさらに有し、
    前記取得手段は、前記配置レンズ識別手段から得られた前記識別情報に対応する前記補正値を前記記憶手段から取得することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載のフォーカス検出装置。
  7. 前記識別情報に対応する前記補正値が前記記憶手段に記憶されていない場合には警告を発する警告手段
    をさらに有することを特徴とする請求項6に記載のフォーカス検出装置。
  8. 前記光検出器は、少なくとも2つに分割された独立して光を検出可能な部分検出部を有しており、
    前記取得手段は、少なくとも2つの前記部分検出部の各々について補正値を取得することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のフォーカス検出装置。
  9. 前記取り付け部に装着された複数の前記対物レンズの中のひとつを前記光路中に配置するレンズ配置手段と、
    前記配置レンズ識別工程で得られた前記識別情報に対応する前記補正値が、前記記憶手段に記憶されているか否かを判別する記憶判別手段と、
    前記記憶判別手段が前記補正値が記憶されていないと判別すると、前記取得手段は前記補正値の取得を行い、前記補正値が記憶されていると判別すると、前記レンズ配置手段が前記対物レンズとは別の対物レンズを前記光路中に配置したのち、前記取得手段が前記補正値の取得を行うことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載のフォーカス検出方法。
  10. 前記フォーカス位置検出手段の検出結果に基づき、前記フォーカス位置に前記ステージと前記対物レンズとの少なくとも一方を移動させるように前記駆動手段を制御するフォーカス制御手段、
    をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のフォーカス検出装置。
  11. 対物レンズと、前記対物レンズを介して観察する対象の試料とを、所定距離以上離した取得位置に配置する配置工程と、
    前記取得位置において、前記対物レンズを介して前記試料側に投射された光の反射光の強度を前記対物レンズを介して検出し補正値として取得する取得工程と、
    前記対物レンズと前記観察試料との距離を変化させ前記距離に応じて前記光検出手段が検出した前記光強度に基づきフォーカス信号を生成する信号生成工程と、
    前記補正値により前記フォーカス信号を補正し、補正済フォーカス信号を生成する信号補正工程と、
    前記補正済フォーカス信号に基づいてフォーカス位置検出を行うフォーカス位置検出工程と、
    を備えることを特徴とするフォーカス検出方法。
  12. 前記補正値を前記対物レンズの種類と関連付けて記憶する記憶工程をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のフォーカス検出方法。
  13. 前記光の光路中に配置された前記対物レンズの識別情報を検出する配置レンズ識別工程と、
    前記配置レンズ識別工程で得られた前記識別情報に対応する前記補正値が、前記記憶手段に記憶されているか否かを判別する記憶判別工程と、
    前記記憶判別工程において前記補正値が記憶されていなければ、前記取得工程を実行し、前記補正値が記憶されていれば、前記対物レンズとは別の対物レンズを前記光路中に配置し、前記配置工程に戻ることを特徴とする請求項12に記載のフォーカス検出方法。
  14. 前記フォーカス位置検出方法により検出された前記フォーカス位置に、前記試料を載置するステージと前記対物レンズとの少なくとも一方を前記光の光軸方向に移動させるフォーカス調整工程、
    をさらに有することを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項に記載のフォーカス位置検出方法。
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