JP2001241493A - 車両用制振装置とそれに用いられる独立マス部材の成形用型および製造方法 - Google Patents

車両用制振装置とそれに用いられる独立マス部材の成形用型および製造方法

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JP2001241493A
JP2001241493A JP2000055459A JP2000055459A JP2001241493A JP 2001241493 A JP2001241493 A JP 2001241493A JP 2000055459 A JP2000055459 A JP 2000055459A JP 2000055459 A JP2000055459 A JP 2000055459A JP 2001241493 A JP2001241493 A JP 2001241493A
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housing
vibration damping
vibration
molding
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Koichi Hasegawa
浩一 長谷川
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハウジング内の収容空所に独立マス部材が収
容配置されて、独立マス部材のハウジングへの打ち当た
り当接に基づいて制振効果を発揮する車両用制振装置に
おいて、独立マス部材のハウジングに対する当接面にお
ける成形バリの発生を完全に回避すること。 【解決手段】 独立マス部材16の少なくともハウジン
グ14に対する当接面を弾性材24で構成すると共に、
弾性材24における成形バリの発生位置を防振すべき振
動入力方向での当接面をさけて設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、車両の振動部材に装着されて該
振動部材の振動を低減する車両用制振装置に係り、例え
ば、自動車のサスペンションアーム,サブフレーム,ボ
デーパネル,エンジンユニット,マウントブラケット,
排気系部材などの振動部材に適用されることにより制振
効果を発揮し得る、新規な構造の車両用制振装置に関す
るものである。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車等の車両において問題と
なる振動を低減する手法としては、振動部材にマス材
を固設するマスダンパや、振動部材にバネ材を介して
マス材を連結支持せしめるダイナミックダンパ、更に、
振動部材の表面にシート状弾性材を貼着した制振材
が、知られている。ところが、上記マスダンパとダ
イナミックダンパは、何れも、大きなマス材の質量が必
要になることに加えて、有効な制振効果の発揮される周
波数域が狭いという問題があった。また、上記制振材
は、広い貼着面積が必要になると共に、重量が嵩むとい
う問題があった。更に、上記ダイナミックダンパと
制振材は、制振効果の温度依存性が高いために、目的と
する制振効果を安定して得ることが難しいという問題も
あったのである。
【0003】そこで、本出願人は、先の国際出願(PC
T/JP98/05530)において、振動部材に固定
されるハウジングに対して、隙間を隔てて非接着で相対
変位可能に独立マス部材を配設せしめて、振動入力時
に、かかる独立マス部材を、ゴム等の弾性体を介して、
ハウジングに当接させることにより、当接時における滑
り摩擦と衝突によるエネルギ損失を利用して制振効果を
得るようにした、新規な構造の車両用制振装置を提案し
た。このような構造の車両用制振装置においては、小さ
なマス質量により、広い周波数域に亘る振動に対して有
効な制振効果を得ることが出来るのである。
【0004】ところで、かかる先の国際出願に記載され
た車両用制振装置について、本発明者等が実験と検討を
行ったところ、発揮される制振効果が、独立マス部材の
質量と、独立マス部材とハウジングの反発係数と、独立
マス部材とハウジングの当接面間の隙間寸法との影響を
受けることから、有効な制振効果を得るためには、それ
らの諸元を精度良く設定することが重要であることが確
認された。
【0005】そして、本発明者等が更なる実験と検討を
行った結果、従来では見過ごされていた微小な成形時の
バリが、前述の如き先の国際出願に記載された車両用制
振装置において発揮される制振効果に対しては、大きな
影響を与えることが明らかとなったのであり、本発明
は、かかる新たな知見に基づいて完成されたものであ
る。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、目的とする制振効果を有効に且つ安定して
得ることの出来る、改良された構造の車両用制振装置
と、かかる車両用制振装置に用いられる新規な構造の独
立マス部材の成形用型および新規な成形方法を提供する
ことにある。
【0007】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様で採用される各構成要素は、何れも、可能な限り任
意の組み合わせで採用することが出来る。また、本発明
の態様および技術的特徴は、以下に記載のものに限定さ
れることなく、明細書全体および図面に記載され、或い
はそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明
思想に基づいて認識されるものであることが理解される
べきである。
【0008】すなわち、車両用制振装置に関する本発明
の第一の態様は、振動部材に固定的に設けられた剛性の
ハウジングに対して、独立マス部材を、振動入力方向に
隙間を隔てて相対変位可能に非接着で対向配置せしめ
て、該独立マス部材が該ハウジングに対して振動入力方
向の対向面で当接せしめられるようにする一方、かかる
独立マス部材における少なくとも該ハウジングに対する
当接面を弾性材で構成すると共に、該弾性材における成
形バリの発生位置を、防振すべき振動の入力方向におけ
る該ハウジングに対する当接面を避けて設定した車両用
制振装置を、特徴とする。
【0009】このような本態様に従う構造とされた車両
用制振装置においては、独立マス部材のハウジングに対
する当接面における成形バリの発生が完全に回避される
ことから、成形バリの存在に起因する特性のバラツキが
防止されて、目的とする制振効果を有効に且つ安定して
得ることが可能となるのである。また、弾性材の成形後
における面倒なバリ取り作業等も不要となって、車両用
制振装置の生産性の向上も図られ得るのである。なお、
当接面における成形バリの存在を防止することに基づい
て制振効果の大幅な向上と安定化が達成される理由は、
特に、独立マス部材とハウジングの当接面が、一般に数
mm以下、好適には1mm以下、より好適には0.1〜0.
8mmの小さな隙間寸法で対向位置せしめられることか
ら、微小な成形バリの存否が、隙間寸法や反発係数だけ
でなく独立マス部材の挙動等に対しても、大きな影響を
及ぼすものと考えられる。
【0010】なお、弾性材における成形バリの発生位置
を、防振すべき振動の入力方向における当接面を避けて
設定するには、具体的には、例えば、独立マス部材にお
いて当接面を構成する弾性材が、防振すべき振動の入力
方向とは異なる面にまで延び出して形成されている場合
や、防振すべき振動の入力方向であるがハウジングへの
当接面よりも広い範囲にまで延び出して形成されている
場合には、それらの当接面を外れた位置に成形バリの発
生位置、即ち成形型の型合わせ面を設定することによっ
て実現され得る。
【0011】また、車両用制振装置に関する本発明の第
二の態様は、振動部材に固定的に設けられた剛性のハウ
ジングに対して、独立マス部材を、振動入力方向に隙間
を隔てて相対変位可能に非接着で対向配置せしめて、該
独立マス部材が該ハウジングに対して振動入力方向の対
向面で当接せしめられるようにする一方、かかる独立マ
ス部材における少なくとも該ハウジングに対する当接面
を弾性材で構成すると共に、該弾性材における成形バリ
の発生位置を、防振すべき振動の入力方向における該ハ
ウジングに対する当接面の端部角部に設定して、かかる
端部角部を除去せしめたことを、特徴とする。
【0012】このような本態様に従う構造とされた車両
用制振装置においては、独立マス部材のハウジングに対
する当接面の端部角部だけに成形バリが生ぜしめられる
ことから、かかる端部角部を除去することによって、当
接面における成形バリの発生が完全に回避され得るので
あり、それ故、第一の実施形態と同様に、成形バリの存
在に起因する特性のバラツキが防止されて、目的とする
制振効果を有効に且つ安定して得ることが可能となるの
である。特に、本態様においては、成形バリの発生部位
を、切除等による除去が容易な当接面の端部角部に設定
したことにより、弾性材の成形後におけるバリ取り作業
が容易となって、車両用制振装置の生産性の向上も図ら
れ得るのである。
【0013】なお、上記第一又は第二の態様に従う構造
とされた車両用制振装置においては、何れも、ハウジン
グは、例えば鉄,アルミニウム合金等の金属材や合成樹
脂材等で形成することが可能であり、独立マス部材を支
持するための剛性と制振効果を有利に確保するために、
弾性率が5×104 MPa以上の剛性材が好適に採用さ
れる。また、独立マス部材は、その全体をゴム弾性体や
合成樹脂材、或いはそれらの発泡材の如き弾性材で形成
したり、そのような弾性材に対して補強的に金属等の剛
性材を固着することも可能であるが、その他、独立マス
部材を金属や石等の高比重の剛性材で形成することも可
能であり、その場合には、独立マス部材の表面に弾性材
が被着されて当接面が形成される。ここにおいて、独立
マス部材の質量は、振動部材の質量の5〜10%とする
ことが望ましい。蓋し、独立マス部材の合計質量が振動
部材の質量の5%に満たないと有効な制振効果を得るこ
とが難しい場合があり、一方、10%を超えると装置全
体の重量化が問題となるからである。更に、かかる弾性
材からなる独立マス部材の当接面は、当接音の軽減等の
ために、ASTM規格D2240のショアD硬さを80
以下とすることが好ましく、より好ましくは20〜40
とされる。また、独立マス部材とハウジングの対向面間
における隙間寸法は、有効な制振効果を得るために、
0.1〜0.8mmとすることが望ましい。さらに、独立
マス部材の弾性材は、打音の低減と制振効果の向上のた
めに、圧縮弾性率が好ましくは1〜104 MPa、より
好ましくは1〜103 MPaで、損失正接(tanδ)
が好ましくは10-3以上、より好ましくは0.01〜1
0とされる。なお、ハウジングを、弾性率が5×103
〜5×104 MPaである合成樹脂材等の剛性材によっ
て形成することも可能であり、例えば、打音の低減や制
振特性のチューニングなどに有効である。また、そのよ
うな比較的剛性が低いハウジングを採用する場合には、
独立マス部材における弾性材の弾性率をハウジングの弾
性率よりも低くすることが望ましく、より好適には、か
かる弾性材の弾性率が1〜102 MPaとされることと
なり、それによって、ハウジングの強度や耐久性が有利
に確保されると共に、例えば低周波数域の制振効果の向
上等も可能となる。
【0014】また、車両用制振装置に関する本発明の第
三の態様は、前記第一又は第二の態様に従う構造とされ
た車両用制振装置において、前記当接面が、前記独立マ
ス部材の外周面を周方向に連続して延びる環状外周面に
よって構成されていることを、特徴とする。このような
本態様に従う構造とされた制振装置においては、例え
ば、円筒形状の当接面を有する独立マス部材など、弾性
材の外周面が全周に亘って当接面とされる場合において
も、かかる当接面におけるバリの存在が回避されて、目
的とする防振性能を有効に且つ安定して得ることが出来
るのである。
【0015】さらに、車両用制振装置に用いられる独立
マス部材の成型用型に関する本発明の第一の態様は、振
動部材に固定的に設けられた剛性のハウジングに対し
て、振動入力方向に隙間を隔てて相対変位可能に非接着
で対向配置せしめられて、該ハウジングに対して振動入
力方向の対向面で当接せしめられる、少なくとも該ハウ
ジングに対する当接面が弾性材で構成された、車両用制
振装置に用いられる独立マス部材の成形用型であって、
前記弾性材における当接面の軸方向および周方向の全体
に亘って連続して延びる筒状成形面を備えた筒状成形型
を含んで構成されており、該弾性材が、その成形後に該
筒状成形型から軸方向に離型されるようにしたことを、
特徴とする。
【0016】このような本態様に従う構造とされた成型
用型においては、筒状成型面が全面に亘って単一の連続
した成型面とされていることから、弾性材の当接面を周
方向および軸方向で連続した一つの面として形成するこ
とが可能であり、当接面上に成型バリの無い弾性材を有
利に形成することが出来るのである。
【0017】ところで、本態様においては、独立マス部
材の全体を、一般的なゴム弾性体や高比重ゴム弾性体、
或いは発泡ゴム弾性体、合成樹脂材などによって一体形
成することも可能であるが、剛性の高比重材からなるマ
ス本体に対して少なくともハウジングに対する当接面に
弾性材を被着することによって独立マス部材を構成する
ことも可能である。
【0018】そこにおいて、剛性の高比重材からなるマ
ス本体を用いて独立マス部材を構成するに際しては、例
えば、剛性の高比重材からなる長手ロッド形状のマス本
体を、長手方向の中間部分において、軸直角方向に分割
される型割構造の支持分割型で直接に挟持して固定的に
支持せしめると共に、該マス本体に対して、該支持分割
型による支持部位を外れた部分に前記筒状成形型を外挿
状態で配設することにより、かかるマス本体の軸方向で
部分的に位置する状態で、前記当接面を有する前記弾性
材を、該マス本体の外周面上に突出形成するようにした
独立マス部材の成形用型が、好適に採用される。
【0019】或いはまた、剛性の高比重材からなるマス
本体を用いて独立マス部材を構成するに際しては、例え
ば、剛性の高比重材からなる長手ロッド形状のマス本体
を、長手方向の両端面と、長手方向両端部の外周面とに
おいて、それぞれ直接に位置決め支持することにより、
該マス本体の軸方向中間部分に前記筒状成形型を外挿状
態で配設して、前記当接面を有する前記弾性材を突出形
成するようにした独立マス部材の成形用型が、好適に採
用される。
【0020】或いはその他、剛性の高比重材からなるマ
ス本体を用いて独立マス部材を構成するに際しては、例
えば、剛性の高比重材からなる長手ロッド形状のマス本
体を、長手方向の両端面の各中央で直接に軸方向に位置
決め支持する一対の軸方向支持突部と、該マス本体にお
ける長手方向の少なくとも一端部の外周角部を周上の複
数箇所で直接に径方向に位置決め支持する複数の径方向
突部とを備え、前記当接面を有する前記弾性材を、該マ
ス本体の外周面を実質的に軸方向全長に亘って覆うと共
に、軸方向両端面の外周縁部を所定幅で覆う状態で、該
マス本体の表面上に突出形成するようにした独立マス部
材の成形用型が、好適に採用される。
【0021】また、上述の如き何れの態様の成型用型に
おいても、底部中央にノックアウトピンが配設された成
形凹所を備えた下型と、該成形凹所の開口部を閉塞する
上型とからなる構造が、好適に採用され得ることとな
り、それによって、型開き後の成型品の離型を容易に行
うことが可能となる。
【0022】更にまた、上述の如き何れの態様の成型用
型においても、前記当接面を構成する前記弾性材の成形
材料の注入用ゲートを、前記筒状成形型の前記筒状成形
面を避けて設定することが望ましく、それによって、注
入用ゲートに発生する突起によって当接面の寸法制度が
低下すること等に起因する、パーティングラインにおけ
るバリの発生と同様な問題が回避され得て、性能の向上
と安定化が一層有利に達成され得る。
【0023】さらに、独立マス部材の製造方法に関する
本発明の特徴とするところは、振動部材に固定的に設け
られた剛性のハウジングに対して、振動入力方向に隙間
を隔てて相対変位可能に非接着で対向配置せしめられ
て、該ハウジングに対して振動入力方向の対向面で当接
せしめられる、少なくとも該ハウジングに対する当接面
が弾性材で構成された、車両用制振装置に用いられる独
立マス部材を製造するに際して、上述の如き本発明に従
う構造とされた独立マス部材の成形用型を用い、該成形
用型の成形キャビティ内に前記弾性材の成形材料を充填
せしめて、前記独立マス部材を構成する弾性材を成形す
るようにしたことにある。
【0024】このような本発明方法に従えば、独立マス
部材のハウジングに対する当接面における成形バリの発
生を完全に防止することが出来るのであり、それによっ
て、当接面における成形バリの存在に起因する特性のバ
ラツキが防止されて、目的とする制振効果を有効に且つ
安定して得ることが可能となるのである。
【0025】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0026】先ず、図1には、本発明の第一の実施形態
としての自動車用制振装置10が、示されている。この
制振装置10は、中空の収容空所12を備えた中空円筒
形状を有するハウジング部材14に対して、その収容空
所12にマス部材16を収容配置せしめた構造とされて
いる。そして、かかる制振装置10は、自動車のボデー
等の防振すべき振動部材に対して、ハウジング部材14
が固着されることによって、装着されるようになってい
る。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則と
して、図1中の上下方向を言うものとする。
【0027】より詳細には、ハウジング部材14は、ハ
ウジング本体18と蓋体20,20によって構成されて
いる。ハウジング本体18は、一定の内外径方向寸法で
ストレートに延びる円筒形状とされており、例えば、ア
ルミニウム合金等の剛性材を押出成形した押出成形品を
適当な長さ寸法で切断することによって有利に製造され
得る。なお、所望の制振効果を発揮すると共に、マス部
材16を支持するための剛性を確保するため、採用され
る剛性材の弾性率は、5×104 MPa以上であること
が望ましい。また、ハウジング本体18の軸方向両端の
開口部には、該開口部を覆うカバーとしての蓋体20,
20がそれぞれ装着されており、これによって、ハウジ
ング本体18の内部に、ハウジング本体18の内周面と
蓋体20,20の各端面によって画成されて外部から遮
断された収容空所12が形成される。なお、各蓋体20
は、ボルト等の締結手段や、接着材を用いることによ
り、ハウジング本体18の各開口部に対して取り付けら
れている。また、各蓋体20は、合成樹脂製のものが好
適に採用される。
【0028】そして、このようなハウジング部材14
は、図示はされていないが、例えば、適当な取付ブラケ
ットが外周面に取り付けられて、かかる取付ブラケット
を介して、図示しない振動部材に対して固定的に装着さ
れるようになっている。
【0029】一方、マス部材16は、図1に示されてい
る如く、マス本体としてのマス金具22と、該マス金具
22の外周面に被着された弾性材としてのゴム弾性体層
24から構成されている。マス金具22は、鉄等の高比
重な金属材で形成されており、ハウジング本体18の内
径寸法よりも所定寸法だけ小さな外径寸法を有する中実
の円形ブロック形状とされていると共に、収容空所12
の軸方向長さ、即ち、両蓋体20,20の対向面間距離
よりも小さな軸方向寸法を有している。
【0030】さらに、かかるマス金具22の外周面に
は、ハウジング部材14に対する当接面に対してゴム弾
性体層24が被着されている。このゴム弾性体層24
は、天然ゴムや合成ゴム等の各種のゴム材で形成され
得、好ましくは、ジエン系ゴム、塩素系ゴム、或いはそ
れらのブレンドゴム等が採用される。ここにおいて、所
望の制振効果を発揮すると共に、マス部材16とハウジ
ング部材14の当接時における当接音を消失乃至は軽減
するため、ゴム弾性体層24は、ショアD硬さ80以
下、より好ましくは20〜40のショアD硬さを有する
ことが望ましい。更に、ゴム弾性体層24は、好ましく
は圧縮弾性率が1〜104 MPaに設定されると共に、
tanδ(損失正接)が10-3以上に設定され、より好
ましくはtanδ=0.01〜10に設定される。
【0031】そして、かかるゴム弾性体層24は、全体
として略一定の肉厚で、マス金具22の外周面に被着さ
れており、マス金具22の軸方向両端部分を除く外周面
が、略全長に亘ってゴム弾性体層24で覆われている。
なお、ゴム弾性体層24の肉厚は、特に限定されるもの
ではないが、マス金具22の外径寸法とハウジング本体
18の内径寸法とを考慮し、マス部材16をハウジング
部材14の収容空所12内に収容配置して、変位方向の
中央に位置せしめた際に、ゴム弾性体層24の外周面と
ハウジング本体18の内周面との隙間寸法:αが、全周
に亘って0. 05〜0.4mmとなるように決定され
る。また、マス部材の質量は、有効な制振効果を得るた
め、制振装置10が取り付けられる振動部材の質量の5
〜10%となるように設定される。
【0032】上述の如き構成とされたマス部材16は、
ハウジング本体18の開口部から収容空所12内に挿入
されて収容配置されており、マス部材16の外周面の全
体がハウジング部材16に対して隙間を隔てて相対変位
可能に非接着で配設されている。ここにおいて、本実施
形態では、マス部材16の軸直角方向(図1中、上下方
向)が制振すべき主たる振動の入力方向とされており、
ハウジング本体18に対して、マス部材16が、収容空
所12内で軸直角方向に隙間寸法:2α=0.1〜0.
8mm、より好ましくは0.1〜0.5mmだけ相対変位可
能とされている。なお、マス部材16とハウジング部材
14の隙間寸法:2αが0.1mmより小さいとマス部
材16とハウジング部材14との当接によるエネルギー
変換が少なくなる一方、0.8mmを超えるとマス部材
16とハウジング部材14が当接した際の当接音が大き
くなる。
【0033】このような構成とされた自動車用制振装置
10は、自動車のボデー等の防振すべき振動部材に取り
付けられて使用されることとなるが、その装着状態下で
制振装置10に対して振動部材から振動が入力される
と、収容空所12内において、マス部材16がハウジン
グ部材14に対して振動入力方向に飛び跳ねるように相
対変位せしめられて、マス部材16におけるゴム弾性体
層24がハウジング本体18に打ち当たることとなる。
換言すれば、マス部材16がゴム弾性体層24を介し
て、弾性的にハウジング本体18に当接されることとな
る。
【0034】なお、自動車用制振装置10の振動部材に
対する取付位置は、特に限定されるものでないが、有効
な制振効果を得るために、好ましくは、振動部材が振動
した際の最大振幅となる位置(振動の腹となる位置)
に、最大振幅の方向に合わせて取り付けられる。
【0035】そして、マス部材16のハウジング本体1
8への打ち当たり(当接)に伴う滑り摩擦や衝突の作用
に基づいて、振動部材における振動エネルギの損失乃至
は消失が生起されることとなり、これにより振動部材に
対して制振効果が発揮されるのである。また特に、かか
る制振装置10にあっては、制振効果が共振作用のみに
基づくものでないことから、従来のダイナミックダンパ
に比して、小さな質量のマス部材によって、広い周波数
域の振動に対して有効な制振効果を発揮し得るのであ
り、温度変化による制振特性が影響を受け難く、安定し
た制振効果を発揮し得るという利点もある。更に、本実
施形態の制振装置10においては、マス部材16のハウ
ジング本体18への当接面がゴム弾性体層30で構成さ
れていることから、マス部材16のハウジング本体18
への当接時における打音も抑えられる。
【0036】ここにおいて、本実施形態のマス部材16
では、成形時のバリの発生位置が、ゴム弾性体層24の
端部角部:Aに設定されている。即ち、かかるゴム弾性
体層24の形成に際しては、例えば、図2に示されてい
るように、軸直角方向に延びるパーティングライン30
で相互に型合わせされる第一の分割体32と第二分割体
34から構成された成形用金型28が用いられる。
【0037】より詳細には、第一の分割体32は、全体
として矩形ブロック形状を有していると共に、その内部
において、円形断面で軸方向に直線的に延びる第一の円
形凹所36が形成されており、この第一の円形凹所36
が、第二の分割体34と型合わせされる側の軸方向一方
の端面に開口せしめられている。また、かかる第一の円
形凹所36の内径寸法:D1は、マス金具22の外径寸
法よりも所定寸法大きく設定されており、該第一の円形
凹所36の内周面によって、目的とするゴム弾性体層2
4の外周面形状に対応する円筒形状のキャビティ形成面
26が構成されている。更に、第一の円形凹所36の底
壁部分には、第一の円形凹所36の底面中央に開口する
第二の円形凹所38が形成されている。この第二の円形
凹所38は、第一の円形凹所36の内径寸法:D1より
も小さな内径寸法:D2を有する浅底の円形凹所とされ
ている。なお、第一の円形凹所36と第二の円形凹所3
8との境界部分には、軸直角方向に広がる円環形状の段
差面40が形成されている。
【0038】また、第一の分割体32における第二の凹
所38の底壁部分には、その中心軸上を貫通して延びる
ピン収容孔42が形成されており、このピン収容孔42
に対して、ノックアウトピン44が挿通されて、軸方向
に移動可能に配設されている。なお、かかるノックアウ
トピン44の内側(第二の凹所38側)端部は、第二の
凹所38に向かって次第に拡径するテーパ形状とされて
いると共に、ピン収容孔42も、第二の凹所38側の開
口部分が、それに対応したテーパ形状とされている。そ
して、ノックアウトピン44がピン収容穴42内に引き
込まれた際に、ピン収容孔42のテーパ面への当接で位
置決めされることにより、ノックアウトピン44の内側
先端面が第二の凹所38の底面と面一となる位置に保持
されるようになっている。
【0039】一方、第二の分割体34の中央部分には、
第一の分割体32と型合わせされる側の軸方向一方の端
面に開口する第三の円形凹所50が、第二の円形凹所3
8と同一の外径寸法:D2を有して形成されている。ま
た、かかる第二の分割体34には、図示はされていない
が、外表面から貫通して延びる注入用ゲートが形成され
ており、かかる注入用ゲートが、第三の円形凹所50の
外周縁部の点:Aに開口せしめられている。
【0040】そして、このような構造とされた金型28
を使用してゴム弾性体層24を形成するに際しては、先
ず、例えば鉄等のロッド状金属材を適当な長さで切断す
ることによって、前述の如きマス金具22を準備する。
なお、かかるマス金具22には、必要に応じて、ゴム弾
性体層24の被着面に対して、脱脂等の洗浄処理や、化
成皮膜処理、接着処理が施される。そして、かかるマス
金具22を、第一分割体32の第一の円形凹所36に差
し込んで、その軸方向一端部を第二の円形凹所38に嵌
入することによって、かかる第一の円形凹所36内の中
心軸上に位置せしめる。その後、第一の分割体32に第
二の分割体34を重ね合わせて、第一の分割体32の第
一の円形凹所36から外方に飛び出した、マス金具22
の軸方向他端部を、第二の分割体34の第三の円形凹所
52に嵌め込む。これにより、第一及び第二の分割体3
2,34によって成形用金型28が構成されると共に、
かかる成形用金型28内にマス金具22が固定的に位置
決め配置せしめられ、以て、第一の分割体32内の第一
の円形凹所36により、マス金具22の外周面上に一定
の厚さで広がる円筒形状の成形キャビティ52が形成さ
れる。要するに、かかる成形用金型28においては、マ
ス金具22が、その軸方向両端部を第二及び第三の円形
凹所38, 52によって、径方向及び軸方向で位置決め
支持されているのである。
【0041】そして、このように型合わせして型締めし
た状態下で、第二の分割体32に形成された図示しない
注入用ゲートを通じて、成形キャビティ52にゴム材料
を注入して充填し、その後、所定の加硫処理を施すこと
によって、マス金具22の外周面上にゴム弾性体層24
を加硫成形する。
【0042】このようにして得られたマス部材16は、
金型28におけるパーティングライン30に対応する部
位、即ち、ゴム弾性体層24の軸方向一方(図2中右
側)の端部角部に成形バリの発生位置が設定されること
から、成形後にマス部材16の端部角部を除去せしめる
ことによって、バリのない平滑な外表面を有するゴム弾
性体層24を容易に得ることが可能となる。即ち、たと
え型合わせ面にバリが発生しても、例えば、成形品(マ
ス部材16)の中心軸回りにカッタ部材を相対回転させ
ることにより、ゴム弾性体層24の外周角部に生じたバ
リを容易に除去することが出来るのである。
【0043】従って、かかるマス部材16を用いて自動
車用制振装置10を構成する場合においては、マス部材
16のハウジング部材14に対する当接面、即ち、ゴム
弾性体層24の外表面におけるバリの発生が完全に回避
されていることから、成形バリの存在に起因する制振装
置10の特性のバラツキ等の不具合が防止されて、目的
とする制振効果を有効に且つ安定して得ることが出来る
のである。また、ゴム弾性体層24の成形後におけるバ
リ取り作業が容易となることから、自動車用制振装置1
0の生産性の向上も有利に図られ得るのである。
【0044】因みに、上述の如き本実施形態に従う構造
とされた自動車用制振装置10を、振動部材たるパネル
材に取り付けて、パネル材を周波数スイープ加振した場
合の該パネル材の振動を測定した結果を、図3に示す。
また、制振装置を装着しないパネル材について同様な測
定試験を行った結果を、比較例1として、図3に併せ示
す。更にまた、マス金具22の軸直角方向両側にそれぞ
れ軸方向に平行に延びる一対の型合わせ面をもって、マ
ス金具22を軸直角方向両側から挟み込むようにして重
ね合わせられる成形金型を用いてゴム弾性体層24を形
成したマス部材(16)を採用した自動車用制振装置に
ついて、同様な測定試験を行った結果を、比較例2とし
て、図3に併せ示す。なお、比較例2で用いたマス部材
は、ゴム弾性体層24の外周面上を軸方向に延びる2本
のバリが、目視によって明らかに認められるものであっ
た。
【0045】かかる図3に示された実測データからも、
本実施形態の制振装置10においては、成形バリに起因
する防振特性のバラツキが十分に回避乃至は軽減され
て、有効な制振効果が発揮され得ることが、明らかであ
る。
【0046】次に、図4〜6には、本発明の第二の実施
形態としての自動車用制振装置60が示されている。な
お、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部
位については、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同
一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省
略する。
【0047】本実施形態の制振装置60にあっては、主
振動入力方向が水平方向、即ち、図4中の左右方向に設
定されており、そのような水平方向の入力振動に対し
て、前記第一の実施形態と同様に制振効果を発揮し得る
ものである。また、本実施形態における制振装置60の
ハウジング部材14は、中空円筒形状を有するハウジン
グ本体18と、該ハウジング本体18の軸方向両側開口
部を覆蓋する蓋体64,64が、何れも5×104 MP
a以上の弾性率を有するアルミニウム合金で形成されて
おり、蓋体64, 64がハウジング本体18に対して圧
入やボルト、溶接等で固定されている。
【0048】また、図4に示されているように、マス部
材62には、その断面形状において、マス金具22の軸
方向全長に亘ってゴム弾性体層24が被着されており、
かかるゴム弾性体層24の軸方向端縁部が、マス金具2
2の軸方向両端面まで回り込んで被着せしめられてい
る。より詳細には、マス金具22の軸方向両端面には、
その外周縁部において、ゴム弾性体層24が周方向に略
環状に被着形成されている。そして、マス金具22を変
位方向の中央となる収容空間12内の中央に位置せしめ
た状態下で、マス金具22の周囲には、ゴム弾性体層2
4の表面とハウジング部材14の内周面(収容空間12
の画成面)65の間において、周方向の全周と軸方向両
側の何れにおいても、隙間寸法:2αの半分の大きさの
隙間:αが形成されるようになっている。
【0049】このような構造の制振装置60にあって
は、主入力振動としての水平方向の振動が入力される場
合のみばかりでなく、鉛直方向の振動が入力された場合
でも、ハウジング部材14に対してマス部材62がゴム
弾性体層24を介して弾性的に当接せしめられるのであ
り、何れの方向の振動が入力された場合であっても、第
一実施形態の制振装置10と同様な優れた制振効果が発
揮され得るのである。
【0050】ところで、このようなマス部材62は、図
6に示されているように、成形用金型68を用いて、マ
ス金具22の外周面上にゴム弾性体層24を被着形成す
ることによって有利に形成され得る。
【0051】すなわち、かかるゴム弾性体層24の成形
用金型68は、軸直角方向に延びるパーティングライン
70で相互に型合わせされる上型72と下型74から構
成されている。下型74は、全体として厚肉の有底円筒
形状を有しており、その中心軸上には、上型72と対向
する軸方向上端面(図6中の上端面)に開口する円形凹
所76が形成されている。この円筒形凹所76の内径寸
法:D3は、マス金具22の外径寸法:D4よりも所定
寸法大径とされており、マス金具22の軸方向長さより
も僅かに大きな軸方向長さとされている。
【0052】また、円形凹所76の底面の中央部分は、
軸方向内方に突出する円形の中央凸部78とされてい
る。更に、円形凹所76の底壁部には、軸方向に貫通す
るピン収容孔42が形成されており、前記第一の実施形
態と同様に、このピン収容孔42にノックアウトピン4
4が挿通配置されている。そして、ノックアウトピン4
4がピン収容孔42に収容された状態下で、ノックアウ
トピン44の先端面が、中央凸部78の突出先端面と面
一となるようにされている。
【0053】更にまた、中央凸部78の周り、即ち円形
凹所76の外周縁部には、中心軸周りで略90度ずつず
れたの相対位置関係をもって、円形凹所76の内周面及
び底面から所定寸法だけ径方向内方及び軸方向内方に突
出した、全体としてL字形状を為す4個の支持突起8
0, 80, 80, 80が設けられている。各支持突起8
0の径方向内方への突出寸法は、径方向で対向位置する
支持突起80, 80の突出先端面間の距離が、マス金具
22の外径寸法と同一となるように設定されている。ま
た、各支持突起80の軸方向内方への突出高さは、その
突出先端面が中央凸部78の突出先端面と面一となるよ
うに設定されている。これにより、支持突起80, 8
0, 80, 80によって、マス金具22の軸方向一方の
端部が、金型68内において、軸方向乃び径方向で位置
決め支持されるようになっている。なお、各支持突起8
0がマス金具22の軸方向下側端面と当接することによ
って、図5に示されるように、成形されるゴム弾性体層
24には、マス金具22の軸方向一端部の外周角部にお
いて、4個の切欠部66が形成されるようになってい
る。
【0054】一方、上型72の中央部分には、下型74
と対向する軸方向下側端面から軸方向下方に突出すると
共に、マス金具22の外径寸法よりも小さな外径寸法を
有する円形凸部84が形成されている。そして、上型7
2と下型74がパーティングライン30において相互に
当接せしめられると、円形凸部84がマス金具22の軸
方向上側端面に当接せしめられるようになっている。そ
して、各支持突起80と円形凸部84との間でマス金具
22が軸方向に挟持されることによって、マス金具22
が金型68内で軸方向に位置決め支持されるようになっ
ている。
【0055】このような構造とされた金型68を使用し
てゴム弾性体層24を形成するに際しては、先ず、下型
74の円形凹所76に、別途形成したマス金具22をセ
ットせしめた後、上型72を下型74に重ね合わせて型
合わせすることにより、金型68内で、マス金具22を
軸方向および径方向に位置決め支持すると共に、金型6
8のキャビティ成形面26とマス金具22の外周面によ
ってゴム弾性体層24の成形キャビティ82を画成す
る。そこにおいて、ゴム弾性体層24の成形キャビティ
82は、マス金具22をその軸方向全長に亘って覆う形
状で、且つ軸方向端縁部がマス金具22の軸方向両端面
に回り込むようにして形成される。
【0056】そして、かかる成形キャビティ82に対し
て、上型72に貫設された図示しない注入用ゲートを通
じて、ゴム材料を注入充填し、その後、加硫等の処理を
加えることによって、目的とするゴム弾性体層24を、
加硫成形すると同時にマス金具22の外周面に加硫接着
する。なお、注入用ゲートは、下型74のキャビティ成
形面26を避けた軸方向端部(図6中点A)に開口して
形成されている。
【0057】このようにして得られたマス部材62は、
金型68におけるパーティングライン70に対応する部
位、即ち、ゴム弾性体層24の軸方向一方(図6中上
側)の端部角部に成形バリの発生位置が設定されること
から、成形後にマス部材62の端部角部を除去すること
によって、バリのない平滑な外表面を有するゴム弾性体
層24を容易に得ることが可能となる。それ故、かかる
マス部材62を用いて自動車用制振装置60を構成する
場合においては、マス部材62のハウジング部材14に
対する当接面、即ち、ゴム弾性体層24の外表面におけ
るバリの発生が完全に回避されていることから、成形バ
リの存在に起因する制振装置60の特性のバラツキが防
止されて、前記第一の実施形態と同様の制振効果を有効
に且つ安定して得ることが出来るのである。また、前記
第一の実施形態と同様に、ゴム弾性体層24の成形後に
おけるバリ取り作業が容易となることから、自動車用制
振装置60の生産性の向上も有利に図られ得る。
【0058】次に、図7〜9には、本発明の第三の実施
形態としての自動車用制振装置90が示されている。な
お、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部
位については、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同
一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省
略する。
【0059】本実施形態の自動車用制振装置90にあっ
ては、防振すべき振動入力方向が、図7中の上下方向と
なる軸直角方向(鉛直方向)と、図7中の左右方向とな
る軸方向(水平方向一方向)に設定されている。そし
て、そのような入力振動に対して、マス部材91がゴム
弾性体層24を介してハウジング部材14に当接せしめ
られることによって、前記第一の実施形態と同様の制振
効果を発揮し得るようになっている。
【0060】ところで、本実施形態のマス部材91にお
けるゴム弾性体層24は、マス部材91の軸方向中央部
分において、軸方向両側に分断されており、左側ゴム弾
性体層92及び右側ゴム弾性体層94から構成されてい
る。各ゴム弾性体層92, 94は、マス金具22の軸方
向中央部分から所定寸法軸方向外方に移動した位置か
ら、軸方向外方に略一定の肉厚で延び出しており、その
延び出し端がマス金具22の軸方向端部の角部を回り込
んで軸方向先端面の外周縁部に被着されている。これに
より、マス金具22は、その軸方向中央部分を除く軸方
向全長に亘る外周面と、軸方向両端面の外周縁部が、そ
れぞれ左右側ゴム弾性体層92, 94によって覆蓋され
ている。
【0061】上述の如き構成とされたマス部材91は、
ハウジング本体18の開口部から収容空所12内に挿入
されて収容配置されており、マス部材91の外周面の全
体がハウジング部材14に対して隙間を隔てて相対変位
可能に非接着で配設されている。そして、マス金具22
を変位方向の中央となる収容空間12内の中央に位置せ
しめた状態下で、マス金具22の周囲には、左右側ゴム
弾性体層92, 94の表面とハウジング部材14の内周
面(収容空間12の画成面)95の間において、周方向
の全周と軸方向両側の何れにおいても、隙間寸法:2α
の半分の大きさ:αの隙間が形成されるようになってい
る。
【0062】このような構造の制振装置90にあって
は、主入力振動としての鉛直方向の振動が入力される場
合のみばかりでなく、水平方向の振動が入力された場合
でも、ハウジング部材14に対してマス部材91がゴム
弾性体層24を介して弾性的に当接せしめられるのであ
り、何れの方向の振動が入力された場合であっても、第
一実施形態の制振装置10と同様な優れた制振効果が発
揮され得るのである。
【0063】ここにおいて、本実施形態における左右側
ゴム弾性体層92, 94は、図8〜9に示されているよ
うに、成形用金型96を用い、以下の如くして形成され
る。
【0064】すなわち、かかる成形用金型96は、軸直
角方向に延びる二つのパーティングライン98a, 98
bで相互に型合わせされる第一乃至第三の分割体10
0, 102, 104から構成されている。そして、第一
の分割体100と第三の分割体104がパーティングラ
イン98aで相互に軸方向に重ね合わされて型合わせさ
れると共に、第二の分割体102と第三の分割体104
がパーティングライン98bで軸方向に相互に重ね合わ
されて型合わせされることによって、全体として、金型
96が、矩形ブロック形状をもって形成されるようにな
っている。
【0065】より詳細には、第一の分割体100の中央
部分には、第三の分割体104と型合わせされる側の軸
方向一方の端面に開口する第一の円形凹所106が設け
られており、かかる凹所106の内周面によって目的と
する左側ゴム弾性体層92の外表面形状に対応する第一
のキャビティ形成面108が構成されるようになってい
る。この第一の円形凹所106の内径寸法:D5は、マ
ス金具22の外径寸法:D6よりも所定寸法大きく設定
されている。また、第一の円形凹所106の底面には、
その中央部分において、軸方向内方に突出する円形の第
一の中央凸部110が形成されており、マス金具22の
軸方向一方の端面と当接されるようになっている。
【0066】また、第二の分割体102は、第一の分割
体と同様な構成とされており、その中央部分には、第三
の分割体104と型合わせされる側の軸方向一方の端面
に開口する第二の円形凹所112が設けられており、か
かる凹所112の内周面によって目的とする右側ゴム弾
性体層94の外表面形状に対応する第二のキャビティ形
成面114が構成されるようになっている。なお、第二
の円形凹所112の内径寸法は、第一の円形凹所106
の内径寸法:D5と同一とされている。また、第二の円
形凹所112の底面には、その中央部分において、軸方
向内方に突出する円形の第二の中央凸部116が形成さ
れており、マス金具22の軸方向他方の端面と当接せし
められるようになっている。なお、第一及び第二の中央
凸部110, 116は、第一乃至第三の分割体100,
102, 104が相互に型合わせされた際に対向位置す
るように設定されている。
【0067】さらに、第三の分割体104は、中心軸を
挟んだ両側に位置して軸方向に平行に延びるパーティン
グライン120によって二分される半割体104a, 1
04bから構成されている。これら半割体104a, 1
04bは、相互に型合わせされる当接面の中央部分に開
口する半円形状の溝部122a, 122bを有してお
り、それら半割体104a, 104bが型合わせされる
ことによって、第三の分割体104の中央部分を貫通す
る円形の貫通孔118が、溝部122a, 122bによ
り協働して形成されるようになっている。なお、各溝部
122の内周面には、周方向中央部分を軸方向に連続し
て延びる凹溝124a, 124bが設けられており、こ
れにより、第一乃至第三の分割体100, 102, 10
4が相互に型合わせされた際に、第一の円形凹所106
と第二の円形凹所112を相互に連通する連通孔126
a, 126bが形成されるようになっている。
【0068】ここにおいて、貫通孔118の内径寸法
は、マス金具の外径寸法:D6と同一とされている。そ
して、この第三の分割体104を構成する半割体104
a, 104bがマス金具22の径方向両側から相互に接
近せしめられてパーティングライン120において型合
わせされることにより、マス金具22の軸方向中央部分
の外周面が、溝部122a, 122bの協働によって形
成される貫通孔118の内周面によって挟持されるよう
になっている。これにより、マス金具22の金型96内
での径方向の位置合わせが為され得るようになってい
る。
【0069】このような構成とされた金型96を使用し
て左右側ゴム弾性体層92, 94を成形するに際して
は、先ず、第三の分割体104を構成する半割体104
a, 104bを、マス金具22の軸方向中央部分を径方
向の両側から挟むようにして相互に重ね合わせる。これ
により、マス金具22を、第三の分割体104の中央部
分に設けられた貫通孔118によって、径方向に固定的
に位置決め支持せしめる。次いで、マス金具22の軸方
向両側の端部から第一及び第二の分割体100,102
をそれぞれ外挿して、両分割体100,102を、第三
の分割体104の軸方向両端面に対して重ね合わせて型
合わせする。これにより、マス金具22の軸方向両端面
を、第一及び第二の中央凸部110, 116に当接せし
めて、マス金具22を軸方向に固定的に位置決め支持せ
しめる。
【0070】このようにして組み合わされて型締された
成形用金型96においては、マス金具22の左側部分の
外周面と第一のキャビティ形成面108の間に、左側ゴ
ム弾性体層92を成形する第一の成形キャビティ128
が形成されていると共に、マス金具22の右側部分の外
周面と第二のキャビティ形成面114の間に、右側ゴム
弾性体層94を成形する第二の成形キャビティ130が
形成されている。なお、前記第二の実施形態と同様、マ
ス金具22には、必要に応じて、洗浄処理や化成皮膜処
理、接着処理が行われる。
【0071】かかる構成とされた金型96においては、
図示はされていないが、第一及び第二の成形キャビティ
128, 130内にゴム組成物を充填する注入用ゲート
が設けられており、第一の成形キャビティ128の軸方
向端面、即ち、第一のキャビティ形成面108を避けた
軸方向端部(図8中、点A)に開口せしめられている。
そして、所定の成形用ゴム組成物を射出等によって注入
ゲートから第一の成形キャビティ128内に充填せしめ
ると、第三の分割体104に設けられた連通孔126
a, 126bを通って、ゴム材料が第一の成形キャビテ
ィ128から第二の成形キャビティ130へ導かれて充
填されるようになっており、このようにして、第一及び
第二の成形キャビティ128, 130が所定の成形用ゴ
ム材料によって充填せしめられた後、加硫等の処理を加
えて、成形用金型96から成形品を取り出すことによっ
て、所望の構成とされたマス部材91が形成されること
となる。なお、連通孔118に充填されたゴム材料によ
って形成された、左右側ゴム弾性体層92, 94を連結
する連結ゴム弾性体132a, 132bの径方向突出高
さは、左右側ゴム弾性体層92, 94の径方向突出高さ
と同一又はそれ以下とされており、パーティングライン
120を避けた部分に形成されている。
【0072】このようにして得られたマス部材91は、
金型96におけるパーティングライン98a, 98bに
対応する部位、即ち、左右側ゴム弾性体層92, 94の
軸方向内方(図8の中央部分)の端部角部に成形バリの
発生位置が設定されることから、成形後にマス部材91
の端部角部を除去することによって、バリのない平坦な
外表面を有する左右側ゴム弾性体層92, 94を得るこ
とが可能となる。従って、かかるマス部材91を用いて
自動車用制振装置90を構成する場合においては、マス
部材91のハウジング部材14に対する当接面、即ち、
左右側ゴム弾性体層92, 94の外表面におけるバリの
発生が完全に回避されていることから、成形バリの存在
に起因する制振装置90の特性のバラツキが防止され
て、前記第一及び第二の実施形態と同様の制振効果を有
効に且つ安定して得ることが出来るのである。
【0073】次に、図10〜12には、本発明の第四の
実施形態としての自動車用制振装置140が示されてい
る。なお、第一の実施形態と同様な構造とされた部材お
よび部位については、それぞれ、図中に、第一の実施形
態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説
明を省略する。
【0074】本実施形態の自動車用制振装置140にあ
っては、主振動入力方向が鉛直方向、即ち、図11中上
下方向に設定されている。そして、そのような鉛直方向
の入力振動に対して、マス部材142がゴム弾性体層2
4を介してハウジング部材14に当接せしめられること
によって、前記第一の実施形態と同様の制振効果を発揮
し得るものである。
【0075】ところで、図10から明らかなように、本
実施形態のマス部材142は、平板形状のマス金具22
と、該マス金具22の外表面における長手方向両端部を
除く中間部分の全周に亘って被着されたゴム弾性体層2
4から構成されている。本実施形態においては、マス金
具22の板厚方向両端面、即ち図11中上下側端面が、
ハウジング14に対する当接面とされていることから、
成形時のバリの発生位置が、マス金具22の板厚方向両
端面上を被覆せしめるゴム弾性体層24の外表面を避け
た位置、即ち、板幅方向の両端面に設定されている。
【0076】ところで、このようなバリ等の存しない当
接面を有する、マス部材142の成形は、特に、本実施
形態に従う以下の手法によって有利に為され得るのであ
る。
【0077】すなわち、図12に示されているように、
マス部材142の成形用金型144は、長手方向に延び
るパーティングライン146で相互に型合わせされる上
型148及び下型150から構成されており、全体とし
て、矩形ブロック形状を呈している。また、パーティン
グライン146は、マス金具22の板幅方向の両端面に
位置せしめられている。
【0078】より詳細には、上型148には、下型との
対向面の中央部分に開口する矩形断面形状を有する上側
第一凹所152が設けられており、マス金具より小さな
長手方向寸法をもって長手方向に連続して形成されてい
る。また、第一の凹所の長手方向両端部には、図示はさ
れていないが、上型第一凹所152よりも小さな矩形断
面を有する上側第二凹所がそれぞれ設けられている。一
方、下型150には、上型との対向面の中央部分に開口
する矩形断面形状を有する下側第一凹所154が設けら
れており、上側第一凹所152と同様の寸法とされてい
る。また、下側第一凹所154の長手方向両端部には、
上側第二凹所と同様な形状とされた下側第二凹所がそれ
ぞれ設けられている。
【0079】このような構造とされた上下型148, 1
50をパーティングライン146で重ね合わせて型合わ
せすると、上下側第一凹所152, 154の協働によっ
て目的とするゴム弾性体層24の外表面形状に対応する
キャビティ形成面156が画成されると共に、上下側第
二凹所の協働によってマス金具の軸方向両端部を、それ
ぞれ軸方向及び径方向に位置決め保持する支持凹所が提
供するようになっている。ここにおいて、キャビティ形
成面156の内形形状は、マス金具22の外形形状より
も所定寸法だけ大きく設定されている。そして、金型1
44内にマス金具22がセットされると、キャビティ形
成面156とマス金具144の長手方向中間部分の外表
面との協働によって、ゴム弾性体層24の成形キャビテ
ィ158が画成されるようになっている。なお、前記第
一乃至第三の実施形態と同様、マス金具22におけるゴ
ム弾性体層24が被着される面、即ち、成形キャビティ
158を部分的に規定するマス金具22の長手方向中間
部分の外表面に対して、必要に応じて脱脂等の洗浄処理
を行った後、化成皮膜を形成し接着材を塗布する接着処
理が行われる。これにより、金型144内で加硫せしめ
られるゴム弾性体層24がマス金具22に対して強固に
固着せしめられるのである。
【0080】かかる構成とされた金型96においては、
図示はされていないが、第一及び第二の成形キャビティ
128, 130内にゴム組成物を充填する注入用ゲート
が設けられており、成形キャビティ158の長手方向端
面のキャビティ形成面156を避けた軸方向端部(図示
せず)に開口せしめられている。そして、所定の成形用
ゴム組成物を射出等によって注入ゲートから成形キャビ
ティ158内に充填せしめた後、加硫等の処理を加え
て、成形用金型144から成形品を取り出すことによっ
て、所望の構成とされたマス部材142が形成されるこ
ととなる。
【0081】このような本実施形態に従う構成とされた
マス部材142をハウジング部材14の収容空間12内
に収容配置せしめた本実施形態の制振装置140にあっ
ては、成形バリの存在に起因する特性の制振特性のバラ
ツキが防止されて、所望の制振効果を有効に且つ安定し
て得ることが出来るのである。また、ゴム弾性体層成形
後における面倒なバリ取り作業等も不要となって、制振
装置140の製造が容易となり、生産性の向上が図られ
得るのである。
【0082】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、
かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、
限定的に解釈されるものではない。
【0083】例えば、前記第一乃至第四の実施形態にお
いては、マス金具22の当接面に対してゴム弾性体層2
4が被着せしめられた形式のマス部材16, 62, 9
1, 142を用いた自動車用制振装置10, 60, 9
0, 140に対して本発明を適用して具体例について詳
述したが、特に限定されるものではなく、マス部材全体
が弾性材によって形成された形式のマス部材を用いた自
動車用制振装置に対しても本発明が適用可能であること
は、勿論である。その場合、前記第一乃至第三の実施形
態に従う構造のマス部材16の成形用金型28, 68,
96, 144をそのまま使用して、マス金具を配置しな
いで弾性材を充填することによって、所望の特性を備え
たマス部材を得ることが可能である。
【0084】また、前記第一乃至第四の実施形態におい
ては、マス金具のゴム弾性体層が被着される面に対して
接着材を塗布する接着処理を行った後、ゴム弾性体層の
加硫成形を行っていたが、このような接着処理は、必ず
しも必要ではなく、接着処理を行わないでゴム弾性体層
の加硫成形を行ってもよい。なお、ゴム弾性体層と独立
マス部材やハウジングとの間には、例えば、それら両者
間に、凹凸状の機械的な係止構造を採用することも可能
である。
【0085】更にまた、本発明において、独立マス部材
とハウジングの間の隙間寸法は、打音低減のためには、
独立マス部材の全周囲で0.1〜0.8mmに設定される
ことが望ましいが、防振すべき振動入力方向以外におけ
る独立マス部材とハウジングの間の隙間寸法は、0.8
mm以上であっても、特に問題ない。
【0086】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
【0087】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた車両用制振装置においては、マス部
材のハウジング部材に対する当接面に被着された弾性材
の表面に、成形バリが発生することが完全に回避される
ことから、成形バリの存在に起因する制振装置の特性の
バラツキが防止されて、目的とする制振効果を有効に且
つ安定して得ることが可能となる。
【0088】また、本発明に従う構造とされた独立マス
の成形用型に従えば、軸方向および周方向の全体に亘っ
て連続して延びる筒状成形面によって、マス部材のハウ
ジングに対する当接面を構成する弾性材を成形すること
ができることから、成形バリの存しない弾性材を容易に
得ることが可能となる。
【0089】さらに、本発明に従う独立マス部材の製造
方法においては、本発明に従う成型用型を用いることに
よって、当接面における成形バリの発生が完全に回避さ
れた所望のマス部材を容易に成形することが出来ること
から、弾性材の成形後における面倒なバリ取り作業等が
不要乃至は容易となって、車両用制振装置の生産効率の
向上が図られ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての自動車用制振
装置を示す縦断面図である。
【図2】図1に示される自動車用制振装置に採用され得
るマス部材の成形用金型の一具体例を示す縦断面図であ
る。
【図3】図1に示される自動車用制振装置の振動伝達関
数の周波数特性を示すグラフである。
【図4】本発明の第二の実施形態としての自動車用制振
装置を示す縦断面図である。
【図5】図4に示される自動車用制振装置に採用され得
るマス部材の底面図である。
【図6】図4に示される自動車用制振装置に採用され得
るマス部材の成型用金型の位置具体例を示す縦断面図で
ある。
【図7】本発明の第三の実施形態としての自動車用制振
装置を示す縦断面図である。
【図8】図7に示される自動車用制振装置に採用され得
るマス部材の成型用金型の一具体例を示す縦断面図であ
る。
【図9】図8におけるIX−IX断面図である。
【図10】本発明の第四の実施形態としての自動車用制
振装置を示す一部切欠平面図である。
【図11】図10におけるXI−XI断面図である。
【図12】図10に示される自動車用制振装置に採用さ
れ得るマス部材の成形用金型の一具体例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
10, 60, 90, 140 自動車用制振装置 12 収容空間 14 ハウジング部材 16, 62, 91, 142 マス部材 22 マス金具 24 ゴム弾性体層 28, 68, 96, 144 成型用金型 30, 70, 98, 120, 146 パーティングライ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動部材に固定的に設けられた剛性のハ
    ウジングに対して、独立マス部材を、振動入力方向に隙
    間を隔てて相対変位可能に非接着で対向配置せしめて、
    該独立マス部材が該ハウジングに対して振動入力方向の
    対向面で当接せしめられるようにする一方、かかる独立
    マス部材における少なくとも該ハウジングに対する当接
    面を弾性材で構成すると共に、該弾性材における成形バ
    リの発生位置を、防振すべき振動の入力方向における該
    ハウジングに対する当接面を避けて設定したことを特徴
    とする車両用制振装置。
  2. 【請求項2】 振動部材に固定的に設けられた剛性のハ
    ウジングに対して、独立マス部材を、振動入力方向に隙
    間を隔てて相対変位可能に非接着で対向配置せしめて、
    該独立マス部材が該ハウジングに対して振動入力方向の
    対向面で当接せしめられるようにする一方、かかる独立
    マス部材における少なくとも該ハウジングに対する当接
    面を弾性材で構成すると共に、該弾性材における成形バ
    リの発生位置を、防振すべき振動の入力方向における該
    ハウジングに対する当接面の端部角部に設定して、かか
    る端部角部を除去せしめたことを特徴とする車両用制振
    装置。
  3. 【請求項3】 前記当接面が、前記独立マス部材の外周
    面を周方向に連続して延びる環状外周面によって構成さ
    れている請求項1又は2に記載の車両用制振装置。
  4. 【請求項4】前記独立マス部材の質量が、前記振動部材
    の質量の5〜10%である請求項1乃至3の何れかに記
    載の車両用制振装置。
  5. 【請求項5】 前記弾性材で構成された前記当接面が、
    ショアD硬さ80以下とされている請求項1乃至4の何
    れかに記載の車両用制振装置。
  6. 【請求項6】 前記独立マス部材と前記ハウジングの前
    記当接面間における隙間寸法が、0.1〜0.8mmとさ
    れている請求項1乃至5の何れかに記載の車両用制振装
    置。
  7. 【請求項7】 振動部材に固定的に設けられた剛性のハ
    ウジングに対して、振動入力方向に隙間を隔てて相対変
    位可能に非接着で対向配置せしめられて、該ハウジング
    に対して振動入力方向の対向面で当接せしめられる、少
    なくとも該ハウジングに対する当接面が弾性材で構成さ
    れた、車両用制振装置に用いられる独立マス部材の成形
    用型であって、 前記弾性材における当接面の軸方向および周方向の全体
    に亘って連続して延びる筒状成形面を備えた筒状成形型
    を含んで構成されており、該弾性材が、その成形後に該
    筒状成形型から軸方向に離型されるようにしたことを特
    徴とする独立マス部材の成形用型。
  8. 【請求項8】 剛性の高比重材からなる長手ロッド形状
    のマス本体を、長手方向の中間部分において、軸直角方
    向に分割される型割構造の支持分割型で直接に挟持して
    固定的に支持せしめると共に、該マス本体に対して、該
    支持分割型による支持部位を外れた部分に前記筒状成形
    型を外挿状態で配設することにより、かかるマス本体の
    軸方向で部分的に位置する状態で、前記当接面を有する
    前記弾性材を、該マス本体の外周面上に突出形成するよ
    うにした請求項7に記載の独立マス部材の成形用型。
  9. 【請求項9】 剛性の高比重材からなる長手ロッド形状
    のマス本体を、長手方向の両端面と、長手方向両端部の
    外周面とにおいて、それぞれ直接に位置決め支持するこ
    とにより、該マス本体の軸方向中間部分に前記筒状成形
    型を外挿状態で配設して、前記当接面を有する前記弾性
    材を突出形成するようにした請求項7に記載の独立マス
    部材の成形用型。
  10. 【請求項10】 剛性の高比重材からなる長手ロッド形
    状のマス本体を、長手方向の両端面の各中央で直接に軸
    方向に位置決め支持する一対の軸方向支持突部と、該マ
    ス本体における長手方向の少なくとも一端部の外周角部
    を周上の複数箇所で直接に径方向に位置決め支持する複
    数の径方向突部とを備え、前記当接面を有する前記弾性
    材を、該マス本体の外周面を実質的に軸方向全長に亘っ
    て覆うと共に、軸方向両端面の外周縁部を所定幅で覆う
    状態で、該マス本体の表面上に突出形成するようにした
    請求項7に記載の独立マス部材の成形用型。
  11. 【請求項11】 底部中央にノックアウトピンが配設さ
    れた成形凹所を備えた下型と、該成形凹所の開口部を閉
    塞する上型とからなる請求項7乃至10の何れかに記載
    の独立マス部材の成形用型。
  12. 【請求項12】 前記当接面を構成する前記弾性材の成
    形材料の注入用ゲートを、前記筒状成形型の前記筒状成
    形面を避けて設定した請求項7乃至11の何れかに記載
    の独立マス部材の成形用型。
  13. 【請求項13】 振動部材に固定的に設けられた剛性の
    ハウジングに対して、振動入力方向に隙間を隔てて相対
    変位可能に非接着で対向配置せしめられて、該ハウジン
    グに対して振動入力方向の対向面で当接せしめられる、
    少なくとも該ハウジングに対する当接面が弾性材で構成
    された、車両用制振装置に用いられる独立マス部材を製
    造するに際して、 請求項7乃至12の何れかに記載の成形用型を用い、該
    成形用型の成形キャビティ内に前記弾性材の成形材料を
    充填せしめて、前記独立マス部材を構成する弾性材を成
    形することを特徴とする独立マス部材の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003097634A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Tokai Rubber Ind Ltd 制振装置
JP2003294069A (ja) * 2002-03-29 2003-10-15 Tokai Rubber Ind Ltd コイルスプリング用制振装置
US7267740B2 (en) 2004-05-14 2007-09-11 Tokai Rubber Industries, Ltd. Vibration-damping device for vehicles and method of manufacturing the same

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