JP2001240986A - 耐錆性および結束性に優れた防錆剤およびその防錆剤が被覆された鉄鋼線材コイル - Google Patents

耐錆性および結束性に優れた防錆剤およびその防錆剤が被覆された鉄鋼線材コイル

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JP2001240986A
JP2001240986A JP2000380114A JP2000380114A JP2001240986A JP 2001240986 A JP2001240986 A JP 2001240986A JP 2000380114 A JP2000380114 A JP 2000380114A JP 2000380114 A JP2000380114 A JP 2000380114A JP 2001240986 A JP2001240986 A JP 2001240986A
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fatty acid
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rust inhibitor
steel wire
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JP2000380114A
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Shinji Sakashita
真司 阪下
Takenori Nakayama
武典 中山
Kazuhisa Kawada
和久 河田
Masao Toyama
雅雄 外山
Tatsuya Yasunaga
龍哉 安永
Tsunenori Kawabata
恒徳 川端
Daisuke Ogura
大輔 小椋
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄鋼線材コイルを良好に結束することがで
き、しかも製造後から出荷までの間の防錆効果に優れた
防錆剤および鉄鋼線材コイルを提供する。 【解決手段】 本発明の防錆剤は、アルキル基,アルケ
ニル基またはアルキニル基からなるR1を有する脂肪酸
R1−COOHと、孤立電子対,二重結合または三重結
合を有する環状構造の官能基R2を有する環状有機化合
物R2−OHとの脂肪酸エステルR1−COO−R2の
1種または2種以上を本質的成分としてなるものであ
る。前記環状有機化合物としてソルビタンが特に好まし
い。また前記エステルのほか、脂肪酸のアルカリ金属塩
を本質的成分とするのがよい。また、増摩材としてHv
200以上の無機化合物の固体粉末を含有させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、炭素鋼、合金鋼な
どの鉄鋼線材のコイルを結束した場合のコンパクトさや
荷姿の良好さ(線材の整列性)に優れ、また鉄鋼線材の
製造後から出荷あるいはユーザー使用までの防錆(一次
防錆)に優れた防錆剤およびその防錆剤によって鉄鋼線
材が被覆された鉄鋼線材コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼線材メーカーにおいては、1〜2to
n 程度の鉄鋼線材をコイル状に巻き取り、結束して出荷
する場合が多いが、輸送やユーザーでの処理工程(例え
ば熱処理)などを考慮すると、できる限りコンパクト
に、すなわち線材間の隙間を小さく結束することが望ま
れる。
【0003】このような要望から、結束時にはコイルに
外圧を作用させて強制的にコイルをコンパクトにした状
態で鋼帯ストラップで締め付ける場合が多い。このと
き、外圧を大きくすると、荷姿が乱れるのみでなく、線
材表面に擦り傷が付いたり、場合によっては線材が塑性
変形してしまうという問題がある。このため、弾性反発
力が大きい鉄鋼線材(特に太径線材)においては、外圧
によるコンパクト化方法のみでは十分コンパクトに、か
つ荷姿の乱れなしで結束することができない。
【0004】そこで、鉄鋼線材コイルを高外圧を作用さ
せることなく良好に結束する技術として、例えば下記に
示すような種々のものが提案されている。 (1) 線材を酸洗い処理した後、潤滑剤皮膜形成処理を施
した線材をコイル状に巻いて結束する方法(特開平5−
97111号公報) (2) 引き締めベルトを使用する結束方法(特開平5−2
46407号公報) (3) 内側拘束部材を有する結束装置(特開平9−240
620号公報)による方法
【0005】一方、製造後から出荷までの間の倉庫保管
時や、輸出材に関しては海上輸送時に鉄鋼製品は発錆を
起こす場合が多い。鉄鋼材の発錆は外観が見苦しくなる
ことのみでなく、二次加工時の傷付き、寸法精度の低
下、めっきなどの表面処理の不良の原因となるため、製
造後からユーザーが使用するまでの間の防錆(いわゆる
一次防錆)は極めて重要である。
【0006】大気環境における鉄鋼材の一次防錆技術と
しては、梱包や防錆油(JIS−K2246)の塗布が
一般的であるが、さらに例えば下記に示すような技術も
実施されている。 (4) 特定組成の粒状ガラスを繊維または樹脂中に分散さ
せた包装材(特開平6−128765号公報)で包装す
る方法 (5) 鉱油などに有機りん酸エステルカルシウム塩、水お
よびさび止め添加剤を特定比率で添加した組成物(特開
平9−279368号公報)を表面に形成する方法 (6) 亜硝酸塩、PH緩衝剤、ベンゾトリアゾールおよび
樹脂粉末を含有する気化性防錆剤(特開平10−114
892号公報)を用いる方法 (7) 沸点150℃以下の溶剤と樹脂を含有する防錆剤を
表面に形成する方法(特開平10−157003号公
報)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
(1) においては、鉄鋼線材の酸洗いにより、母材の防錆
作用を有するミルスケール(酸化スケール)を除去する
ため、鉄鋼線材は非常に錆びやすくなることに加えて、
線材同士の潤滑作用が過大になる傾向があり、結束後に
コイルの荷姿がかえって乱れるという問題がある。ま
た、(2) の引き締めベルトを使用する方法や、(3) の内
側拘束部材を有する結束装置を用いる方法は、新たな設
備が必要であることに加えて、高強度鋼線材や太径鋼線
材などの弾性反発力が非常に大きい線材に対しては効果
が小さいという問題がある。
【0008】また、上記(4) の場合、梱包が前提とな
り、梱包作業には、時間と労力がかかるため、コストと
生産性の観点から好ましくない。また、(5) のさび止め
油の塗布においては、ユーザー使用時に脱脂処理が必要
であることに加えて、油塗布コイルは埃やゴミをトラッ
プし易いという問題もある。(7) についても、さび止め
油と同様に、ユーザー使用時に被覆剤を除去する必要が
あるため、実用的ではない。また、(6) の気化性防錆剤
を用いる方法は、密閉環境で鉄鋼線材コイルを保管する
場合には有効であるが、工場建家、保管倉庫などの開放
系環境での保管時には防錆成分が大気中に気化・散逸し
てしまうため、防錆効果はすぐに消失するという問題が
ある。以上のように、従来の結束技術および一次防錆技
術には各々の問題点があり、実用上十分に満足できるも
のはない。
【0009】この発明は、鉄鋼線材コイルを良好に結束
することができ、しかも製造後から出荷までの間、開放
系環境下においても防錆効果の優れた実用的な防錆剤お
よびその防錆剤が被覆された鉄鋼線材コイルを提供する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の防錆剤は、請求
項1に記載したように、アルキル基,アルケニル基また
はアルキニル基からなるR1を有する脂肪酸R1−CO
OHと、孤立電子対,二重結合または三重結合を有する
環状構造の官能基R2を有する環状有機化合物R2−O
Hとの脂肪酸エステルR1−COO−R2の1種または
2種以上を本質的成分としてなるものである。
【0011】この防錆剤によると、前記脂肪酸エステル
を構成する環状構造の官能基R2が有する孤立電子対あ
るいは2重、3重結合のπ電子により、当該脂肪酸エス
テルは鉄鋼材表面に化学吸着されやすくなる。これによ
って、鉄鋼材表面は環状有機化合物分子により大気環境
から遮断される。加えて、鉄鋼材表面は脂肪酸のカルボ
キシル基により不働態化する。これらの作用により発錆
が起こりにくくなる。また、当該脂肪酸エステルが化学
吸着した鉄鋼材表面は、未処理の表面に比べて摩擦係数
が小さくなるために、鉄鋼線材の結束時には鉄鋼線材同
士が密集してコンパクトに結束される。一方、潤滑剤
(例えばアミン塩)被膜を形成した鉄鋼線材表面に比べ
て摩擦係数が大きいために、鉄鋼線材同士の滑り過ぎに
よる荷姿の崩れが生じにくい。このため、鉄鋼線材コイ
ルを良好に結束することができる。
【0012】防錆能、結束性をより向上させるには、前
記脂肪酸エステルにおいて、請求項2に記載したよう
に、脂肪酸のRl−COOHの炭素数12〜18のもの
がよい。また、請求項3に記載したように、非イオン性
界面活性を有するものが好ましく、特に請求項4に記載
したように、環状有機化合物としてソルビタンが好まし
い。環状有機化合物としてソルビタンを用いる場合、脂
肪酸としては、請求項5に記載したように、ラウリン
酸、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸の内の1
種を用いるのがよい。さらに、請求項6に記載したよう
に、前記脂肪酸エステルの1種または2種以上と脂肪酸
のアルカリ金属塩とを本質的成分とすることが好まし
い。脂肪酸のアルカリ金属塩を本質的成分とする場合、
請求項7に記載したとおり、脂肪酸のアルカリ金属塩の
分子の大ささは、炭素数で3〜14であるものが好まし
い。
【0013】さらに、他の有効成分として、本発明の防
錆剤には請求項8に記載したように、硬度がHv200
以上である無機化合物からなる固体粉末を含めることが
できる。かかる固体粉末の含有により、防錆剤皮膜の摩
擦係数を適度に向上させることができ、これによって荷
姿崩れをより効果的に防止することができる。この場
合、固体粉末は、請求項9に記載したように、Si
2、Al23、TiO2 、Si34、AlN、Ti
N、BNから選ばれる1種以上の無機化合物粉末が化学
的に安定で高硬度あるため好適である。また、請求項1
0に記載したように、固体粉末の平均粒径は3〜200
nmとし、その含有量は他の防錆成分に対して3〜40
vol%とするのがよい。
【0014】本発明の鉄鋼線材コイルは、請求項11に
記載したように、鉄鋼線材の表面に請求項1〜10のい
ずれか1項に記載した防錆剤が被覆されたものであり、
前記防錆剤の作用効果により、優れたコイル結束性と防
錆効果とを有する。
【0015】
【発明の実施の形態】大気中において、鉄鋼材表面に水
膜や水滴が形成されると、電気化学的に卑である部分が
アノード、貴である部分がカソードとなる。特に、熱間
圧延後の線材のようにミルスケール(酸化スケール)で
覆われた鉄鋼材においては、傷部や欠陥部などのミルス
ケールから露出した鉄素地部が卑(アノード)、スケー
ル部が貴(カソード)となる。このような電気化学的な
不均一が原因となり水膜内において腐食反応が進行し、
アノード反応により溶解したFe2-,Fe3-イオンと水
分や酸素との反応により、水酸化鉄やオキシ水酸化鉄な
どの鉄錆が生成すると一般的に考えられている。
【0016】本発明者らは、分子内に孤立電子対、二重
結合あるいは三重結合を有する環状有機化合物の脂肪酸
エステルを鉄鋼線材表面に付着させることにより結束性
が向上し、著しい防錆効果が得られることを見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明の防錆剤
は、アルキル基,アルケニル基またはアルキニル基から
なるR1を有する脂肪酸R1−COOHと、孤立電子
対,二重結合または三重結合を有する環状構造の官能基
R2を有する環状有機化合物R2−OHとの脂肪酸エス
テルR1−COO−R2の1種または2種以上を本質的
成分としてなるものである。
【0017】前記孤立電子対あるいは2重結合、3重結
合により前記脂肪酸エステルは鉄鋼材表面に容易に化学
吸着されるものと考えられる。このとき、鉄鋼材表面
は、環状有機化合物分子により大気環境から遮断される
ことに加えて、脂肪酸のカルボキシル基によって不働態
化するため、発錆が起こりにくくなるものと考えられ
る。また、前記エステルが化学吸着した鉄鋼材表面は、
摩擦係数が未処理の鉄鋼材表面に比して小さく、一方ア
ミン塩等の潤滑剤を被覆した鉄鋼材表面に比して大きい
ため、鉄鋼線材同士の滑り過ぎによる荷姿の乱れを抑制
しつつ、前記線材同士が密集してコンパクトに結束され
る。
【0018】前記脂肪酸(R1−COOH)としては、
例えばオクタン酸、メタクリル酸、酢酸、デカン酸、ブ
タン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、オ
レイン酸、パルミチン酸、アクリル酸、プロピオン酸、
マルガリン酸などを用いることがででる。一方、前記環
状有機化合物(R2−OH)としては、例えばベンジル
アルコール、ヒドロキシベンジルアルコール、シクロヘ
キサノール、カルボメントール、ベンジルプロパノー
ル、シクロぺンタノール、アニスアルコール、フェニル
エチルアルコール、ニトロベンジルアルコール、バニリ
ルアルコール、サリチルアルコール、クロロベンジルア
ルコール、クミニルアルコール、ショ糖、ソルビタンな
どを用いることができる。
【0019】鉄鋼線材表面に化学吸着した前記脂肪酸エ
ステルにおいて、脂肪酸部分は環状有機化合物の配列の
隙間を埋めて、環境遮断性を向上させる役割を担うと考
えられる。脂肪酸の分子が小さ過ぎれば環状有機化合物
の配列の隙間を埋めきれず、脂肪酸の分子が大き過ぎれ
ば前記脂肪酸エステル分子の表面配列を乱すため、大気
環境の遮断性が低下する。このため、脂肪酸分子は適度
な大きさであることが好ましく、脂肪酸のRl−COO
Hの炭素数は12〜18のものが好適である。具体的に
は、前記脂肪酸の内で例示すると、ラウリン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、パルチミン酸である。
【0020】前記環状有機化合物の脂肪酸エステルとし
ては、特に非イオン性界面活性をもつものが推奨され
る。非イオン性界面活性剤は一般的に洗剤のみならず、
医薬品、化粧品、食品に用いられているが、防錆剤とし
ての効果は本発明において初めて得られた知見である。
非イオン性界面活性をもつものの中でも、ソルビタン
(1,4−ソルビタン、1,5−ソルビタンなど、ある
いはこれらの混合物を含む。)と脂肪酸とのエステルが
最も推奨される。特にソルビタンと脂肪酸とのエステル
が推奨される理由としては、鉄鋼材表面に稠密に配置し
て化学吸着するため、大気環境の遮断性が極めて高く、
防錆効果が優れ、また部位による摩擦係数の差異が小さ
く結束性が安定するからである。環状有機化合物として
ソルビタンを用いる場合、脂肪酸としては、前記ラウリ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルチミン酸が好適
である。ソルビタンとこれらの脂肪酸のエステルは、比
較的親油性が大きいため、水分が鉄鋼材表面に触れにく
くなる結果、防錆性が向上するものと考えられるからで
ある。
【0021】本発明者らは、さらに、脂肪酸(RCOO
H)のアルカリ金属塩(RCOOM、M:アルカリ金
属、例えば、Na、K)を付着させることにより、防錆
効果と結束性が著しく向上することを見出した。脂肪酸
のアルカリ金属塩は鉄鋼材表面の水膜中で解離しやす
く、前記エステルのカルボキシル基による不動態化と、
解離したRCOO- による不働態化との相乗効果により
さらに安定な不働態皮膜が鉄鋼材表面に形成されるから
である。
【0022】前記脂肪酸のアルカリ塩としては、例え
ば、ぎ酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、
アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトウム、ミリス
チン酸カリウム、オクタン酸カリウムなどを用いること
ができる。前記脂肪酸エステル(1種または2種以上の
合計)と前記脂肪酸のアルカリ塩とは、両者の混合組成
物の全量に対して、重量%で前記アルカリ塩を5〜50
%、残部前記エステルを本質的成分とすることが好まし
い。脂肪酸のアルカリ金属塩はごく少量でも効果がある
が、多量の添加は必須成分である前記脂肪酸エステルの
効果を過度に薄めることになるので、脂肪酸のアルカリ
塩の添加量は50%程度以下に止めることが好ましい。
【0023】前記脂肪酸のアルカリ塩については、脂肪
酸のアルカリ金属塩の分子が大き過ぎれば水膜中での分
子の解離が起こり難くなって、水膜中のRCOO- 濃度
が不十分となるため、鉄鋼材表面の不働態化向上作用が
過少となる。一方、脂肪酸のアルカリ金属塩の分子が小
さ過ぎれば、結露などによる水膜形成時に洗い流され易
くなるため、防錆効果が長期間持続され難くなる。この
ような観点より、脂肪酸のアルカリ金属塩の分子の大さ
さは、炭素数で3〜14であるものが好ましい。このよ
うなアルカリ金属塩としては、前記例示したものの内で
は、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトウム、ミ
リスチン酸カリウム、オクタン酸カリウムを挙げること
ができる。
【0024】本発明の防錆剤の特性をより向上させる手
段として、前記脂肪酸エステル、脂肪酸のアルカリ金属
塩の本質的成分ほか、さらに増摩成分として硬度Hv2
00以上の無機化合物からなる固体粉末を含有させるこ
とができる。これによって、防錆剤の被覆後の線材同士
の摩擦係数が向上し、荷姿の崩れをより防止することが
できる。前記固体粉末として、Hv200以上の無機化
合物を用いるのは、摩擦係数を効果的に向上させるため
には鉄鋼材よりも高硬度の粉末が好ましく、また前記脂
肪酸エステル、脂肪酸のアルカリ金属塩と反応せず、ま
た後述の防錆剤溶液を調整する際に使用される溶媒に溶
解しないことを要するためである。好適な固体粉末材料
としては、高硬度で、化学的に安定な無機の酸化物、窒
化物であるSiO2、Al23、TiO2、Si34、A
lN、TiN、BNを挙げることができ、これらの粉末
を単独あるいは複合して用いることができる。なお、こ
れらの酸化物、窒化物の硬度は、Hv200〜3000
程度である。
【0025】前記固体粉末の粒径については、平均粒径
で3〜200nm程度がよい。3nm未満では摩擦係数
増加効果が過小であり、一方200nm超になると摩擦
係数が過大になり、コイルの結束疵が多く生じるように
なる。このため、粉末平均粒径の下限を3nm、好まし
くは6nm、より好ましくは10nmとするのがよく、
一方上限を200nm、好ましくは150nm、より好
ましくは100nmとするのがよい。
【0026】前記固体粉末の添加量については、前記脂
肪酸エステル、あるいはさらに脂肪酸のアルカリ金属塩
の本質的成分の合計量に対して3〜40 vol%程度にす
るのがよい。3 vol%未満では摩擦係数増加効果が過小
であり、一方40 vol%超になると摩擦係数が過大にな
り、コイルの結束疵が多く生じるようになる。このた
め、粉末含有量の下限を3 vol%、好ましくは5 vol
%、より好ましくは10 vol%とするのがよく、一方上
限を40 vol%、好ましくは30 vol%、より好ましく
は20 vol%とするのがよい。
【0027】前記脂肪酸エステルの1種または2種以
上、あるいはさらに前記脂肪酸アルカリ金属塩を本質的
成分とする防錆剤(前記固体粉末が添加される場合を含
む。)の鉄鋼線材表面への付着量に関しては、少な過ぎ
ては防錆能、結束性の向上が期待されず、多すぎても効
果が飽和するのみで、経済的でない。このため、前記防
錆剤の付着量は、前記本質的成分の合計量で0.01〜
10g/m2 とするのが好ましく、0.1〜1g/m2
がさらに好ましい。
【0028】本発明の防錆剤を鉄鋼線材の表面に付着さ
せる方法としては、本発明の防錆剤を適宜の溶媒、例え
ば好ましくは水、湯、低級アルコール、その他必要に応
じてエーテル、四塩化炭素、クロロホルム、ベンゼン、
アセトンなどの有機溶媒で希釈した防錆剤溶液を調製
し、この防錆剤溶液に線材あるいはコイルを浸漬するデ
ィピング方式、防錆剤溶液を線材あるいはコイルに噴霧
するスプレー方式、防錆剤溶液を線材あるいはコイルに
ブラシによって塗布するブラッシング方式などにより鉄
鋼線材表面に塗布し、乾燥させて付着させればよく、そ
の方法は特に限定されるものではない。また、環状有機
化合物の脂肪酸エステルを線材表面に付着させた後、脂
肪酸アルカリ金属塩の溶液を付与して乾燥させるように
してもよい。さらに、防錆剤に増摩材として前記固体粉
末を添加する場合、その添加方法は特に限定されない
が、例えば前記水、湯、低級アルコール等の溶媒にコロ
イド状にした固体粉末を添加するのがよい。
【0029】本発明の防錆剤の被覆対象材としては、好
適には防錆性および結束性が要求される鉄鋼線材である
が、その他の鉄鋼材、例えば板材、鋳鍛造材、管材等に
対しても優れた耐錆性を発揮することができ、被覆対象
に含まれる。また、鉄鋼材表面における前記脂肪酸エス
テルの化学吸着およびカルボキシル基による不働態化
は、鉄鋼材の材質のかかわらず起こるため、前記防錆材
が被覆される対象となる鉄鋼材の材質としては炭素鋼や
合金鋼など、いかなる種類の鉄鋼材であってもよい。以
下、実施例により、本発明をさらに説明するが、本発明
は以下の実施例によって限定的に解釈されるものではな
い。
【0030】
【実施例】実施例A 供試材として、ばね用鋼(SUP7、0.6wt%C−
2.0%Si−0.8wt%Mn鋼)の線材コイル(1to
n )を用いた。前記コイルは、転炉溶製した鋼片を線径
8mmφまで熱間圧延を行い、コイル外径1.3mで巻き
取ったものである。
【0031】表1および表2に示す各試料の防錆剤を水
または適当な有機溶媒(エタノール、ヘキサン、アセト
ンなど)で適宜希釈して防錆剤溶液を調製し、この溶液
をスプレー法により線材コイルに塗布した。各試料の防
錆剤を線材コイルに塗布した後、直ちに結束し、コイル
の荷姿外観を目視チェックした上、コイル高さを測定し
た。コイルの重量には若干バラツキが見られたので、コ
イル高さは実測した高さをコイルの実重量で除してトン
当たりの高さ(mm/ton )で評価した。
【0032】この際、各防錆剤の線材コイルへの付着量
を次のようにして求めた。質量WAの防錆剤を溶解した
防錆剤溶液(容量LA)をコイルヘ塗布した際に、コイ
ル下端から滴下する溶液を回収し、コイルへの塗布量L
Aから回収量LRを減じた量LN(LN=LA−LR)
を付着溶液量とし、付着溶液量に含まれる防錆剤すなわ
ち線材に付着した防錆剤の付着量WN(質量)をWA×
LN/LAとして求めた。さらに、WNを線材の総表面
積で除して単位面積当たりの付着量(g/m2)を求め
た。また、防錆剤として2種以上の脂肪酸エステル、あ
るいはさらに脂肪酸のアルカリ金属塩を含む複合防錆剤
については、防錆剤の調製時の各成分の割合から所定成
分の付着量を求めた。
【0033】また、上記のようにして防錆剤を付着させ
た線材コイルを用いて、防錆試験を次の要領で行った。
結束した線材コイルを株式会社神戸製鋼所、神戸製鉄所
(神戸市灘区)の工場建家内にて暴露し、1カ月および
3ケ月後の鉄鋼線材の発錆状況を目視観察した。防錆能
(耐錆性)の評価は、コイルの所定の面積当たりに発生
している錆の面積、すなわち発錆面積率で行った。これ
らの調査結果を表1および表2に併せて示す。表1およ
び表2中、コイル荷姿の評価については、量産コイル1
00個中の荷姿崩れ発生頻度が20個未満の場合を良好
(○)とし、20個以上の場合を不良(×)とした。ま
た、発錆状況は、発錆なしを◎、軽微な変色(シミ)あ
りを○、軽微な発錆あり(発錆面積率5%未満)を△、
顕著な発錆あり(発錆面積率5%以上)を×とした。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表1、表2より、潤滑被膜を形成するトリ
エタノールアミン、アミン系防錆油およびそれらを併用
した試料No. 1〜4の防錆剤(比較例)では、コイル高
さが高く、荷姿が不良で、暴露1ケ月後に顕著な発錆も
認められることから、結束性、防錆能ともに不十分であ
る。
【0037】これに対して、試料No. 5〜26にかかる
発明例の防錆剤で線材を被覆したコイルは、コイル高さ
が低くコンパクトに結束できており、荷姿も良好であっ
た。また暴露時の発錆は大きく抑制されており、顕著な
防錆効果を発揮した。特に、試料No. 14〜26は暴露
3ケ月後にも発錆は認められず、工場内での長期の裸保
管に対応できることが確認された。
【0038】実施例B 実施例Aと同様の線材コイル供試材に対して、表2の試
料No. 18と同じソルピタンのラウリン酸エステルに表
3、表4に示すように各種固体粉末の所定量(前記エス
テルに対する体積%)を添加混合し、各種防錆剤(全て
発明例)を調製した。線材コイルに対するソルピタンの
ラウリン酸エステルの付着量を0.04g/m2 に固定
して、これらの防錆剤を線材コイルに塗布し、コイル荷
姿、結束痕、発錆状況を調べた。また、線材コイル供試
材と同じ材質の鉄板と鉄球を用いて摺動試験を行い、摩
擦係数を調べた。この際、前記各種防錆剤を潤滑剤とし
て両者の摺動部に付与した。
【0039】これらの調査結果を表3および表4に併せ
て示す。同表中、コイル荷姿の評価は、量産コイル10
0個中の荷姿崩れ発生頻度が1〜2個の場合を超優良
(◎◎◎)、3〜6個の場合を優良(◎◎)、7〜10
個の場合を優(◎)、11〜19個の場合を良(○)と
し、20個以上の場合を不良(×)とした。また、結束
疵の疵数はコイル1ton 当たりの値である。発錆状況の
評価は実施例Aと同様である。なお、基準となる表2の
No. 18の防錆剤を用いた場合、摩擦係数は0.08、
1ton 当たりの結束疵の疵数は7個であった。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】表3より、固体粉末の粒径の増加、添加量
の増加に従って摩擦係数が増加し、これに伴いコイル結
束時の滑りが抑制されることがわかる。特に、摩擦係数
が0.14以上になると荷姿が非常に良くなる。しか
し、固体粉末の粒径増加、添加量増加が過多になり、摩
擦係数が0.20を超えると結束庇が急増してしまう。
このため、良好な荷姿を保持しながら結束庇を少なく維
持するには、摩擦係数が0.14〜0.16付近になる
よう摩擦係数を制御するのがよいことがわかる。これを
固体粉末の条件として見ると、表3の試料No. 31〜4
3より、コイル荷姿を改善し、しかも結束疵を抑制する
には、固体粉末の平均粒径を3nm〜200nm、好ま
しくは6nm〜150nm、さらに好ましくは10nm
〜100nmとするのがよいことがわかる。また、No.
44〜56より、固体粉末の添加量は、防錆剤の本質的
成分であるソルピタンのラウリン酸エステルに対して3
〜40 vol%、好ましくは5〜30 vol%、さらに好ま
しくは10〜20 vol%とすればよいことがわかる。
【0043】また、試料No. 57〜64より、固体粉末
が無機の酸化物、窒化物であるSiO2、Al23、T
iO2、Si34、AlN、TiN、BN及びSiO2
+Al 23混合、TiO2+Si34 混合のいずれの場
合においても同様な効果が得られ、これらの添加による
発錆状況の悪化は認められなかった。一方、No. 65,
66より、アセチルアセトンチタン等の有機物の固体粒
子を添加した場合は、使用中に防錆剤中で固体粒子が溶
けてしまうため、コイル荷姿の改善効果は認められなか
った。また、防錆効果も劣化する傾向が認められた。
【0044】なお、上記実施例A、Bでは、線材の材質
がばね用鋼の場合の例を示したが、その他の炭素鋼や合
金鋼に対しても同様の効果が得られる。また、裸保管材
のみでなく、梱包保管材に対しても本発明の防錆剤によ
る防錆効果は有効に発揮される。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防錆剤お
よびその防錆剤が鉄鋼線材表面に被覆された鉄鋼線材コ
イルによれば、線材コイルをコンパクトで荷姿良好に結
束することができ、しかも製造後から出荷あるいはユー
ザー使用までの一次防錆能力に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河田 和久 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 外山 雅雄 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会 社神戸製鋼所神戸製鉄所内 (72)発明者 安永 龍哉 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 川端 恒徳 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会 社神戸製鋼所神戸製鉄所内 (72)発明者 小椋 大輔 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会 社神戸製鋼所神戸製鉄所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル基,アルケニル基またはアルキ
    ニル基からなるR1を有する脂肪酸R1−COOHと、
    孤立電子対,二重結合または三重結合を有する環状構造
    の官能基R2を有する環状有機化合物R2−OHとの脂
    肪酸エステルR1−COO−R2の1種または2種以上
    を本質的成分としてなる、耐錆性および結束性に優れた
    防錆剤。
  2. 【請求項2】 前記Rl−COOHの炭素数が12〜1
    8である請求項1に記載した防錆剤。
  3. 【請求項3】 前記脂肪酸エステルが非イオン性界面活
    性を有する請求項1又は2に記載した防錆剤。
  4. 【請求項4】 前記環状有機化合物がソルビタンである
    請求項3に記載した防錆剤。
  5. 【請求項5】 前記脂肪酸がラウリン酸、パルチミン
    酸、ステアリン酸、オレイン酸の内の1種からなる請求
    項4に記載した防錆剤。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項に記載さ
    れた脂肪酸エステルの1種又は2種以上と、脂肪酸のア
    ルカリ金属塩とを本質的成分とする、耐錆性および結束
    性に優れた防錆剤。
  7. 【請求項7】 前記脂肪酸の炭素数が3〜14である請
    求項6に記載した防錆剤。
  8. 【請求項8】 硬度がHv200以上である無機化合物
    からなる固体粉末をさらに含む請求項1〜7のいずれか
    1項に記載した防錆剤。
  9. 【請求項9】 前記固体粉末はSiO2、Al23、T
    iO2、Si34、AlN、TiN、BNから選ばれる
    1種以上の無機化合物粉末である請求項8に記載した防
    錆剤。
  10. 【請求項10】 前記固体粉末の平均粒径が3〜200
    nmであり、その含有量が他の防錆成分に対して3〜4
    0 vol%とされた請求項8または9に記載した防錆剤。
  11. 【請求項11】 鉄鋼線材の表面に請求項1〜10のい
    ずれか1項に記載された防錆剤が被覆された、耐錆性及
    び結束性に優れた鉄鋼線材コイル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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