JP3701475B2 - 耐錆性鋼材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に屋外環境で使用される鋼材、例えばコンクリート補強用鋼材(普通棒鋼、異形棒鋼、バーインコイル)や形鋼、鉄網、PC鋼材、各種鋼板などの鋼製品、あるいは倉庫などの屋内保管においても湿気や結露による水濡れに起因する発錆が問題となる様な各種鋼材、更には、トラックや船舶などによる輸送中での湿気や結露、雨水等による水濡れに起因する発錆が問題となる様々の鋼材(鋼線材、棒鋼、鋼板などの各種鋼製品)に対して有用な耐錆性技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばコンクリート補強用の鋼材としては、JIS G 3112に規定されている棒鋼を始めとして、形鋼、鉄網、PC鋼材などが使用されている。この場合、コンクリートは、連続した毛細管状の空隙を無数に有する多孔質物であり、該空隙内はセメントの水和反応によって生成する水酸化カルシウムで満たされているので、通常pH12〜13程度の高アルカリ性となっている場合が多い。そしてコンクリート内に埋め込まれた鋼材は、この様な高アルカリ性環境下で表面に不働態(Fe34 やFe23 )皮膜を形成するため高い耐食性を示す。
【0003】
ところが、コンクリート内へ埋め込まれるまでの鋼材は、施工場所によっては飛来塩分、亜硫酸ガス、降雨(特に酸性雨)、結露などの腐食環境に曝されるため腐食(酸化・発錆)を受けることが多い。また、鋼材が高い耐食性を示すコンクリート内のアルカリ性環境であっても、部分的に鉄錆を生じた鋼材では、鉄錆部が陰極(カソード)、健全部が陽極(アノード)となって局部電池を形成し、腐食が進行する。そして鉄筋コンクリート内で鋼材の腐食が進行すると、鉄錆生成に伴う体積膨張によりコンクリートにクラックが生じて、コンクリート構造物の早期劣化を招くので、鋼材の発錆防止は、鉄筋コンクリート構造物の寿命を延長する上で極めて重要となる。
【0004】
鋼材に適用される防錆剤としては、通常、亜硝酸ナトリウム、芳香族カルボン酸類、アミン類などが使用されており、特にコンクリート補強用鋼材については、次の様な防食法が知られている。
【0005】
(1) 亜硝酸塩を主成分とする鉄筋コンクリート用防錆剤の使用(腐食防食協会編の「防食技術便覧」)、
(2) セメント内に有機カルボン酸を添加して発錆を抑制する方法(特開平52−120241号公報など)、
(3) 鋼材をエポキシ樹脂で被覆する方法(腐食防食協会編の「防食技術便覧」)、
(4) 鋼材を亜鉛めっきする方法、
(5) 鋼材内へCu、W、Niなどの耐食性向上元素を添加して耐食鋼鉄筋とする方法。
【0006】
ところが、上記(1) 〜(5) の防錆対策には夫々一長一短があり、耐食性向上(発錆防止)手段として必ずしも満足し得るものとはいえない。
【0007】
即ち上記(1)、(2) の方法では、コンクリート内に埋め込まれた鋼材の発錆は防止できるが、埋め込み前の鋼材の腐食は防止できない。そして埋め込み前の鋼材に僅錆が生じていると、前述の如くコンクリート内で発錆部が陰極(カソード)、健全部が陽極(アノード)となって局部電池が形成され、腐食が急速に進行する。そこで、埋め込み前の鋼材に防錆油を塗布することによって発錆を防止することも可能であるが、防錆油を塗布するとコンクリートとの親和性や溶接作業性が著しく阻害されるので好ましくない。
【0008】
これに対し、上記(3) のエポキシ樹脂被覆は優れた防錆効果を有しているので、海浜環境の如く厳しい腐食環境下での防錆に一部で実用化されている。しかしながらエポキシ系樹脂被覆剤は非常に高価であり、しかも保護被膜に一旦傷が入るとその部分から容易に発錆するため、コストと取扱い性(作業性)が最重要視されるコンクリート補強用鋼材に対する防錆法としては汎用性を欠く。
【0009】
また前記(4) に示した亜鉛めっき法は、大気中での鋼材防錆・防食には有効でコンクリート埋め込み前の鋼材の防錆には効果的であるが、亜鉛めっき鋼材をコンクリート補強用として適用した場合、コンクリート内の強アルカリ条件下で、めっき層を構成する亜鉛と水分との反応によって生成する水素ガスにより鋼材が水素脆化を起こす恐れがあり、特に高強度補強用鋼材への適用は安全性の点で問題があるばかりでなく、かなりのコスト増が否めない。
【0010】
更に前記(5) の耐食性鉄筋を使用する方法では、大気中での発錆はある程度抑制できるものの、亜鉛めっきや一般防錆剤ほどの防錆効果は得られず、海浜地域の如く厳しい腐食環境での防錆対策としては満足し得るものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な従来技術の問題点に着目してなされたものであって、その目的は、屋内外の大気雰囲気下で保管したときでも発錆することがなく、且つ取扱い性や溶接性等を阻害することのない表面処理鋼材を提供することにある。殊にコンクリート用鋼材の場合は、埋め込み後もコンクリートとの親和性が良好で且つ優れた耐錆性を示し、しかも安価に提供できる耐錆性鋼材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明にかかる耐錆性鋼材とは、鋼材表面に水に難溶性の有機酸金属塩が1種以上付着しているところに特徴を有している。
【0013】
上記有機酸金属塩を構成する有機酸としては、カルボキシル基を有している化合物が最適であり、また金属塩としては、Fe(II)よりもイオン化傾向の小さい金属の塩が最適である。また上記有機酸の中でも、環状炭化水素を基本骨格として有する化合物、とりわけナフテン酸類は優れた性能を発揮する。
【0014】
そして上記有機酸金属塩を、好ましくは鋼材表面に金属換算で1×10-3g/m2 以上付着させることにより、防錆効果をより確実に発揮させることができる。従って該有機酸金属塩が付着した鋼材は、特にコンクリート強化用鋼材の防錆に極めて有効に活用できる。
【0015】
【作用】
大気中で鋼材表面に水膜や水滴が形成されると、電気化学的な不均一部で局部電池(ミクロセル)が形成され、電気化学的に卑である部分からアノード反応によりFeがFe2+となって溶解し、鉄錆となることが一般的に知られている。
【0016】
熱延棒鋼の如く表面がミルスケールで覆われた鋼材では、傷部や欠陥部などでミルスケールから露出した鉄素地が卑(アノード)、スケール部が貴(カソード)となって局部電池が形成され鉄錆が発生する。また、ミルスケール等の酸化皮膜が形成されていない鋼材では、鋼組織内のフェライト(卑)とセメンタイト(貴)、あるいは結晶粒界や介在物と粒内との間で局部電池が形成され、鉄錆が発生する。こうした大気中での錆の発生と進行速度は、飛来塩分や亜硫酸ガス、降雨(特に酸性雨)、結露などによって顕著な影響を受ける。
【0017】
本発明者らはこうした発錆現象を踏まえ、鋼材の発錆をより効率よく防止する方法の開発を期して鋭意検討を重ねた結果、前述の如く水に難溶性の有機酸金属塩を鋼材表面に存在させれば顕著な防錆効果が発揮されること見出し、本発明に想到した。こうした有機酸金属塩による防錆効果は、有機酸の金属塩部分が鋼材表面に強固に化学吸着すると共に、有機質部分が鋼材表面を被覆して鋼材を腐食環境から遮断することによって発揮されるためと考えられる。
【0018】
ここで使用される有機酸金属塩は、特にコンクリート補強鋼材の如く屋外環境に曝される鋼材に対しては、降雨等により防錆成分が溶解除去されることがない様、水に難溶性のものを選択することが必要となる。尚、本発明において水に難溶性とは、水100g(25℃)への溶解量が1g未満であるものをいう。
【0019】
こうした要求特性に叶う有機酸金属塩を構成する有機酸の具体例としては、例えばエチレンスルホン酸、ヘキシルスルホン酸、オクチルスルホン酸等のスルホン酸類;メタンチオールなどのチオール類;フェノール類;酸イミド類;スルホンアミド類の如きカルボン酸以外の有機酸を使用することもできるが、中でも特に好ましいのは、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸などの飽和脂肪酸;蓚酸、アクリル酸、メタクリル酸、ステアリン酸、こはく酸、セバシン酸などの不飽和脂肪酸の如き鎖状カルボン酸類;安息香酸、アントラニル酸、ナフテン酸、フタル酸、サリチル酸、ユニチン酸などの環状構造を有するカルボン酸の如くカルボキシル基を有する有機酸であり、中でも飽和もしくは不飽和の環状構造を有する有機カルボン酸、とりわけナフテン酸は格別に優れた作用を発揮する。
【0020】
上記の様に、有機酸として環状炭化水素を基本骨格とする化合物を選択すると、金属塩部分が鋼材表面に吸着すると共に、環状炭化水素部分が鋼材表面と平行に配向して表面を被覆し大気からの水分や酸素を遮断するため、一段と優れた防錆効果が発揮される。しかも有機酸としてナフテン酸を選択すると、該ナフテン酸金属塩が、大気中で鋼材表面に形成される水膜中の溶存酸素や水分による鋼材表面の酸化反応の触媒としても有効に作用し、強固な不働態皮膜の形成を助長するので、防錆効果は更に高められる。
【0021】
また、これら有機酸と難溶性の金属塩を構成する金属としては、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属;鉄、コバルト、ニッケルなどの鉄族金属;亜鉛、カドミウム、水銀などの2B族金属;スズ、鉛等の4B族金属;銅等の1B族金属;アルミニウム、タリウム等の3B族金属;ハフニウム、ジルコニウム、タングステンなどの遷移金属、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの白金族元素など、更には金、銀、パラジウム等の貴金属等が例示されるが、いずれにしてもこれら金属としては水に難溶性の金属塩を得る上で多価金属が選択される。これら金属の中でも、防錆能やコストなどを総合的に考えて特に実用性の高いのは鉄、銅、コバルト、ニッケル、スズ等である。
【0022】
尚、上記有機酸としてカルボキシル基が含まれている場合は、該カルボキシル基が、大気中で鋼材表面に形成される水膜中の溶存酸素による鋼材の酸化を助長し、鋼材表面における不働態化(保護性の酸化皮膜形成)を促進するので、防錆能はより優れたものとなる。
【0023】
また、上記有機酸金属塩を構成する金属の中でも、例えばCo、Ni、Cuの如く、イオン化傾向がFe(II)よりも小さい金属の塩が特に好ましい。しかして、この様なイオン化傾向の小さな金属の有機酸塩が鋼材表面に存在すると、鋼材の電位が貴に高められ、鋼材表面におけるFeの酸化が促進されて不働態皮膜の形成が一段と加速されるからである。
【0024】
上記の様に本発明によれば、例えばミルスケール皮膜(熱延時に形成された酸化皮膜)から露出した鉄素地の如く、電気化学的に卑な部分が不働態化してアノード反応が抑制されると共に、外部環境からの遮断効果も加わって、鋼材表面の発錆を可及的に防止することが可能となる。
【0025】
有機酸金属塩の付着による前述した効果を有効に発揮させるには、鋼材表面に対する該金属塩の付着量を金属換算で1×10-3g/m2 以上、より好ましくは3×10-3g/m2 以上、更に好ましくは5×10-3g/m2 以上とするのがよく、付着量が1×10-3g/m2 未満では、その付着量が不足するため前述した作用効果が実用規模で有効に発揮され難くなる。一方、前述した作用効果は付着量が1g/m2 程度で飽和し、それ以上に付着量を増やしてもそれ以上に防錆効果は向上しないので経済的に無駄であるばかりでなく、むしろ過剰量の有機酸金属塩の付着によってコンクリートとの接着性が悪くなる傾向が生じてくるので、好ましくは1g/m2 程度以下、より好ましくは5×10-1g/m2 程度以下に止めることが望ましい。
【0026】
尚、表面が水に濡れたときに酸性を呈する防錆剤をコンクリート補強用鋼材に適用した場合、コンクリート内に埋め込んだときにコンクリートが中性化するという問題を引き起こすが、本発明で使用する前記有機酸金属塩は水に難溶性であるので、コンクリート内に埋め込んだ場合でもpHに影響を及ぼすことがなく、その様な問題も一切生じない。
【0027】
本発明の耐錆性鋼材を得る方法は特に制限されないが、最も一般的なのは、前述した様な有機酸金属塩を、例えばヘキサンやエタノールなどの有機溶媒に溶解し、ディッピング法、スプレー法、ブラッシング法など任意の方法で鋼材表面に付着させればよい。
【0028】
なお棒鋼の場合は、保護皮膜の役割を担うミルスケールが剥離することによって生じる発錆感受性が増す矯正工程で、該矯正機の近傍に塗布設備(スプレーなど)を付設して有機酸金属塩を塗布する方法を採用することが望ましい。
【0029】
【実施例】
以下、実験例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0030】
実験例
(1) 鉄筋の耐錆性評価試験
直線状に加工したバーインコイル(鋼種:SD295A)に本発明を適用し、湿潤試験、塩水噴霧試験および屋外暴露試験を行って耐錆性評価を行った。バーインコイルの寸法は、呼び径D16であり、長さを30cmに切断して試験に供した。
【0031】
湿潤試験は、JIS K 2246−5.34に準じて行い、試験条件は、温度:50℃、相対湿度:95%RH、試験時間:30日間(720時間)とした。塩水噴霧試験は、JIS K 2246−5.35に準じて行い、試験条件は、温度:35℃、NaCl水溶液濃度:5%、供給空気の圧力:100kPa、試験時間:14日間(336時間)とした。屋外暴露は、当社研究所(神戸市西区)において行い、暴露時間を30日間とし、各耐錆性評価試験後の供試材の発錆面積率によって耐錆性を評価した。
【0032】
また、各供試材をJIS A 6205に準じたコンクリート中の鉄筋の促進腐食試験方法に指定されているコンクリート内に埋め込み、1ケ月間屋外放置した後の鉄筋の引抜き強度(コンクリートへの付着強度)も調べた。
【0033】
供試材の構成は表1,2に、また試験結果は表3に示す通りであり、有機酸金属塩を表面に付着させた本発明の耐錆性鋼材は、亜硝酸ナトリウムやベンゾトリアゾールの如き従来の防錆剤を塗布したものよりも優れた防錆効果を示しており、またコンクリートへの付着強度を劣化させることもない。
【0034】
特に、有機酸金属塩としてナフテン酸金属塩を使用し、或いは更に金属換算の付着量を1×10-2g/m2 以上に高めたNo.15〜19の鋼材は、いずれの評価試験においても全く発錆が認められず、極めて優れた耐錆性を示すことを確認できる。
【0035】
【表1】
Figure 0003701475
【0036】
【表2】
Figure 0003701475
【0037】
【表3】
Figure 0003701475
【0038】
結果は表5に示す通りであり、エポキシ樹脂被覆を行ったもの(No.2,3)では、健全部での発錆は認められなかったものの、傷部からは容易に発錆し、全体の発錆面積率は10%以上に達した。また、腐食による重量減少抑制効果に優れたものとされている亜鉛めっき処理材(No.4,5)も、発錆抑制効果は不十分である。
【0039】
これらに対し本発明の有機酸金属塩処理鋼材、特に、有機酸金属塩としてナフテン酸金属塩を使用し、或いは更に金属換算の付着量を1×10-2g/m2 以上に高めたNo.13〜17の耐食性鋼材は、いずれの評価試験においても全く発錆が認められず、極めて優れた耐錆性を示している。
【0040】
【表4】
Figure 0003701475
【0041】
【表5】
Figure 0003701475
【0042】
結果は表6,7に示す通りであり、有機酸金属塩で処理した本発明の耐錆性鋼材は、亜硝酸塩やカルボン酸で処理した鋼材よりも優れた防錆効果を示している。尚、健全部においてはエポキシ樹脂被覆も優れた防錆効果を有しているが、コストが非常に高いことや傷部の防錆効果が小さいことを考慮すると、汎用性において劣るものといわざるを得ない。
【0043】
【表6】
Figure 0003701475
【0044】
【表7】
Figure 0003701475
【0045】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、例えば棒鋼、型鋼などのコンクリート補強用鋼材に適用することにより、施工前およびコンクリート内への埋め込み後の何れにおいても耐錆性に優れた鋼材を安価に提供することができる。そして本発明によれば、鋼材の発錆に起因するコンクリート構造物のひび割れ等を抑制できるので、鋼材強化コンクリート構造物の耐久寿命を著しく延長できる。
【0046】
殊に本発明では、エポキシ系樹脂被覆の如く単なる表面被覆によって防錆を図るものではなく、鋼材表面における不動態皮膜の形成を促進することによって防錆を図るものであるから、鋼材表面に多少の傷がある場合でも優れた防錆性能を確保できる。更に本発明で使用する有機金属塩は水に難溶性であるので、この耐錆性鋼材をコンクリート内に埋め込んだ場合でも中性化を促進することがなく、鋼材とコンクリートとの親和性も高度に維持され、コンクリート構造物としての強度や安全性においても優れた特性を享受できる。

Claims (7)

  1. 鋼材表面に水に難溶性でありかつカルボキシル基を有する有機酸金属塩1種以上が、金属換算で1×10 -3 g/m 2 以上付着していることを特徴とするコンクリート補強用耐錆性鋼材。
  2. 鋼材表面に不働態皮膜が形成されている請求項1に記載のコンクリート補強用耐錆性鋼材。
  3. 前記金属塩が、多価金属の塩である請求項1又は2に記載のコンクリート補強用耐錆性鋼材。
  4. 前記金属塩が、Fe(II)よりもイオン化傾向の小さい金属の塩である請求項1〜3のいずれかに記載のコンクリート補強用耐錆性鋼材。
  5. 前記金属塩が、Co、Ni、又はCuの塩である請求項4に記載のコンクリート補強用耐錆性鋼材。
  6. 前記有機酸が、環状炭化水素を有する化合物である請求項1〜のいずれかに記載のコンクリート補強用耐錆性鋼材。
  7. 前記有機酸がナフテン酸である請求項に記載の耐錆性鋼材。
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