JP2001240839A - ラミネート接着剤用ポリイソシアネート硬化剤及びその製造方法 - Google Patents

ラミネート接着剤用ポリイソシアネート硬化剤及びその製造方法

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JP2001240839A
JP2001240839A JP2000055930A JP2000055930A JP2001240839A JP 2001240839 A JP2001240839 A JP 2001240839A JP 2000055930 A JP2000055930 A JP 2000055930A JP 2000055930 A JP2000055930 A JP 2000055930A JP 2001240839 A JP2001240839 A JP 2001240839A
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isocyanate
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Yukihiro Morikawa
幸弘 森川
Ichiro Higashikubo
一郎 東久保
Koji Yoshida
孝治 吉田
Toshiaki Sasahara
俊昭 笹原
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポットライフを短くすることなしでエージン
グ時間を短縮し、かつ、接着性が良好なラミネート接着
剤用ポリイソシアネート硬化剤を提供する。 【解決手段】 (a1)芳香族ジイソシアネートと(a
2)数平均分子量100〜2,000のジオール化合物
から得られ、(A)イソシアヌレート基とウレタン基を
有するイソシアネート基末端プレポリマー、及び(b
1)有機ジイソシアネートと(b2)多価アルコールと
のウレタン化反応によって得られる、(B)ウレタン基
を有するイソシアネート基末端プレポリマー、を含有す
るラミネート接着剤用ポリイソシアネート硬化剤により
解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラミネート接着剤
用硬化剤及びその製造方法に関する。更に詳細には、ポ
ットライフを短くすることなしに、エージング時間を短
縮でき、かつ、接着性が良好なラミネート接着剤用硬化
剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、包装方法として、その強度、商品
保護性、包装時の作業適性、包装による宣伝効果、プラ
スチック材料の大量、安価な供給による包装コストの低
減等の理由から、複合フレキシブルパッケージングが著
しく発展してきている。このようなフィルムやシートの
ラミネートに用いられる接着剤としては、接着性能や耐
寒、耐熱性に優れている点、各種プラスチック、金属箔
等の基材への適応範囲の広さ等から、一般には、水酸基
等の活性水素基を有する主剤とイソシアネート基を有す
る硬化剤からなる二液型ポリウレタン系接着剤が主流と
なっている。このようなラミネート接着剤として、特開
平5−51574号公報には、ポリエステルポリウレタ
ンポリオール、分子末端にカルボキシル基を含有するポ
リエステル樹脂よりなる混合物、オルトリン酸又はその
エステル化合物、及び有機イソシアネート化合物、更に
必要であればシランカップリング剤を含有してなる接着
剤組成物が挙げられ、有機イソシアネートにはトリレン
ジイソシアネートのウレタン変性体やイソシアヌレート
変性体が使用できる旨の記載がある。
【0003】しかしながら、ラミネート工程における接
着剤の硬化時間の短縮が求められているにもかかわら
ず、従来のラミネート接着剤用硬化剤は、主剤と硬化剤
の反応性を考慮したものが少ない。すなわち、塗布後の
接着剤の硬化反応が非常に遅いため、いわゆるエージン
グと称する硬化促進工程が必要となっている。具体的に
いえば、ラミネート加工したフィルムを35〜60℃の
保温室にて3〜5日間程度保管してエージングすること
により接着剤を硬化させることが必要となってくる。こ
の際、エージング条件によって接着剤の硬化の度合いが
変ってくるため、ラミネートフィルムの接着強度に影響
を及ぼすことがあり、エージングが不十分な場合には、
接着剤の硬化不良によるデラミネーション(層剥離)を
引き起こすことがある。特に脂肪族ポリウレタン系接着
剤では、この硬化反応にかなりの長時間を要する。従っ
て、このようなエージング工程は、ドライラミネーショ
ンプロセスにおいて不可欠の工程であり、短納期化への
対応を困難としていた。また,エージング用の保温室設
置のための設備投資及びその後の保温のためのユーティ
リティー等の費用が必要であった。
【0004】エージング時間を短縮するためには、触媒
の添加が効果的である。このような技術としては、特開
平9−316422号公報記載の技術が挙げられる。し
かしながら、特開平9−316422号公報では、単に
ポリウレタン樹脂(溶液)に触媒を配合したものである
ため、エージング時間は短縮されたが、今度は、主剤と
硬化剤を配合した後のポットライフ(可使時間)まで短
くなってしまうという新たな問題が発生してしまう。ポ
ットライフが短いと、接着剤にロスが出るだけでなく、
しばしば固化した接着剤による塗布装置の故障の原因に
なりやすい。
【0005】なお、特開昭60−15419号公報に
は、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性
体と数平均分子量5,000以下の多価アルコールとを
反応させて得られるポリイソシアネート樹脂に関する記
載がある。特開平5−51574号公報に記載されてい
る硬化剤としての有機ポリイソシアネートとしては、低
分子量イソシアネート化合物、低分子量イソシアネート
化合物と水もしくは多価アルコールとを反応させて得ら
れるポリウレタンイソシアネート、低分子量イソシアネ
ート化合物の二量体や三量体、が挙げられている。
【0006】しかし、特開昭60−15419号公報に
は、このポリイソシアネート樹脂は、塗料用硬化剤とし
て有用である旨の記載はあるが、ラミネート接着剤の硬
化剤として用いることを示唆する記載はない。特開平5
−51574号公報には、ジイソシアネートと高分子ポ
リオールからなる、ウレタン基及びイソシアヌレート基
を有するポリイソシアネートを示唆する記載はない。特
開平5−51574号公報記載のポリイソシアネート硬
化剤では、ポットライフを短くすることなしにエージン
グ時間を短縮するという問題を解決することは困難であ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポットライ
フを短くすることなしにエージング時間を短縮し、か
つ、接着性が良好なラミネート接着剤用のポリイソシア
ネート硬化剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等が鋭意検討し
た結果、特定のポリイソシアネートと特定のポリオール
から得られるポリイソシアネート硬化剤が上記目的を達
成することができることを見いだし、本発明を完成させ
るに至った。
【0009】すなわち本発明は、以下の(1)〜(4)
に示されるものである。 (1) (a1)芳香族ジイソシアネートと(a2)数
平均分子量100〜2,000のジオール化合物から得
られ、(A)イソシアヌレート基とウレタン基を有する
イソシアネート基末端プレポリマー、及び(b1)有機
ジイソシアネートと(b2)多価アルコールとのウレタ
ン化反応によって得られる、(B)ウレタン基を有する
イソシアネート基末端プレポリマー、を含有するラミネ
ート接着剤用ポリイソシアネート硬化剤。
【0010】(2) 以下の工程を含むことを特徴とす
る前記(1)のラミネート接着剤用ポリイソシアネート
硬化剤の製造方法。 (イ):(a1)芳香族ジイソシアネートと、(a2)
数平均分子量100〜2,000のジオール化合物を反
応させて、ウレタン変性ポリイソシアネートを得る工
程。 (ロ):(イ)で得られたウレタン変性ポリイソシアネ
ートをイソシアヌレート化して、(A)イソシアヌレー
ト基とウレタン基を有するイソシアネート基末端プレポ
リマーを得る工程。 (ハ):(ロ)で得られた(A)と、(B)ウレタン基
を有するイソシアネート基末端プレポリマーを混合する
工程。
【0011】(3) 以下の工程を含むことを特徴とす
る前記(1)のラミネート接着剤用ポリイソシアネート
硬化剤の製造方法。 (ニ):(a1)芳香族ジイソシアネートをイソシアヌ
レート化して、イソシアヌレート変性ポリイソシアネー
トを得る工程。 (ホ):(ニ)で得られたイソシアヌレート変性ポリイ
ソシアネートと、(a2)数平均分子量100〜2,0
00のジオール化合物を反応させて、(A)イソシアヌ
レート基とウレタン基を有するイソシアネート基末端プ
レポリマーを得る工程。 (ヘ):(ホ)で得られた(A)と、(B)ウレタン基
を有するイソシアネート基末端プレポリマーを混合する
工程。
【0012】(4) 以下の工程を含むことを特徴とす
る前記(1)のラミネート接着剤用ポリイソシアネート
硬化剤の製造方法。 (ト):(a1)芳香族ジイソシアネートと(a2)数
平均分子量100〜2,000のジオール化合物の存在
下で、ウレタン化反応とイソシアヌレート化反応を併行
して行い、(A)イソシアヌレート基とウレタン基を有
するイソシアネート基末端プレポリマーを得る工程。 (チ):(ト)で得られた(A)と、(B)ウレタン基
を有するイソシアネート基末端プレポリマーを混合する
工程。
【0013】
【発明の実施の形態】最初に、本発明に使用する原料に
ついて説明する。
【0014】本発明に使用される(A)ウレタン基とイ
ソシアヌレート基を有するイソシアネート基末端プレポ
リマーは、(a1)芳香族ジイソシアネートと(a2)
ジオール化合物から得られるものである。
【0015】この(a1)芳香族ジイソシアネートとし
ては、2,4−トリレンジイソシアネート(以後2,4
−TDIと略称する)、2,6−トリレンジイソシアネ
ート(以後2,6−TDIと略称する)、キシリレン−
1,4−ジイソシアネート(以後1,4−XDIと略称
する)、キシレン−1,3−ジイソシアネート(以後
1,3−XDIと略称する)、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(以後4,4′−MDIと略称す
る)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
(以後2,4′−MDIと略称する)、2,2′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(以後2,2′−MDI
と略称する)、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシ
アネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシ
アネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−
ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタ
ン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニ
ルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレ
ン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−
ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−
4,4′−ジイソシアネート、(a)のウレタン変性体
(但し、ポリオールは後述する(b)以外)、ウレア変
性体、ビウレット変性体、ダイマー変性体、トリマー変
性体、ダイマー・トリマー変性体、カルボジイミド変性
体、ウレトンイミン変性体等が挙げられ、これらは単体
又は2種類以上の混合物として用いられる。
【0016】本発明で好ましい(a1)芳香族ジイソシ
アネートは、主剤との反応性、硬化剤の生産性、接着性
等を考慮すると、2,4−TDI、2,6−TDI単品
又は任意の混合物であり、特に好ましくは2,4−TD
I単品である。
【0017】本発明では、必要に応じて(a1)以外の
有機ポリイソシアネートを併用することができ、例え
ば、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、
クルードTDI等の芳香族ポリイソシアネート、テトラ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート(以後HDIと略称する)、デカメチレンジイソ
シアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート(以後IPD
Iと略称する)、水素添加TDI、水素添加キシリレン
ジイソシアネート(以後H6 XDIと略称する)、水素
添加ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチル
キシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート
等のジイソシアネート、(a1)以外のポリイソシアネ
ートのウレタン変性体、ウレア変性体、ビウレット変性
体、ダイマー(ウレトジオン)変性体、トリマー(イソ
シアヌレート)変性体、ダイマー・トリマー変性体、カ
ルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体等が挙げら
れる。
【0018】(a2)ジオール化合物は、数平均分子量
100〜2,000、好ましくは500〜1,800で
あり、1分子中に水酸基を実質的に2個有する化合物で
ある。このようなジオール化合物としては、ポリエステ
ルジオール、ポリエステルアミドジオール、ポリエーテ
ルジオール、ポリエステルエーテルジオール、ポリカー
ボネートジオール、ポリカーボネートエステルジオー
ル、ポリカーボネートエーテルジオール、ポリオレフィ
ンジオール等が挙げられる。これらは単独で又は2種以
上混合して使用してもよい。
【0019】(a2)ジオール化合物の数平均分子量が
下限未満の場合は、接着剤の接着性が低下しやすい。ま
た、上限を越える場合は、接着時間が長くなりやすい。
【0020】なお、「水酸基を実質的に2個有する」と
は、1分子中に水酸基をほぼ2個有するということであ
る。例えばポリエステルの場合、厳密には、末端の一部
はカルボキシル基となっているが、通常、カルボキシル
基は水酸基のモル数の1%以下程度となっており、実質
上、完全ジオール化合物と見なして差し支えない。
【0021】(a2)が有する水酸基が、実質的には2
個を越える場合は、ポリイソシアネート硬化剤の製造中
にゲル化する場合がある。1個未満の場合は、ラミネー
ト接着剤の物性が低下する場合がある。
【0022】ポリエステルジオール、ポリエステルアミ
ドジオールとしては、公知のコハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキ
サヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸、酸エステ
ル、又は酸無水物等の1種以上と、エチレングリコー
ル、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオ
ール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、
2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−n−
ヘキサデカン−1,2−エチレングリコール、2−n−
エイコサン−1,2−エチレングリコール、2−n−オ
クタコサン−1,2−エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのアルキレン
オキサイド付加物、水素添加ビスフェノールA、水素添
加ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の
低分子ジオール類、ヘキサメチレンジアミン、キシリレ
ンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子ジアミン類
と低分子ジオール類との混合物、モノエタノールアミ
ン、N−メチルエタノールアミン等の低分子アミノアル
コール類(但し、1分子に有する水酸基とアミノ基の和
は2)の1種以上又は低分子アミノアルコールと低分子
ジオール類との混合物、との脱水縮合反応で得られるも
のが挙げられる。また、低分子ジオール、低分子ジアミ
ン、低分子アミノアルコールを開始剤として、ε−カプ
ロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラ
クトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリ
エステルジオールが挙げられる。
【0023】ポリカーボネートジオールとしては、前述
のポリエステルジオールの合成に用いられる低分子ジオ
ールと、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート
等、分子中にカーボネート基を1個有する低分子化合物
との脱アルコール反応、脱フェノール反応等で得られる
ものが挙げられる。
【0024】ポリエーテルジオールとしては、前述のポ
リエステルジオールに用いられる低分子ジオール、低分
子ジアミン、低分子アミノアルコール(但し、1分子に
有する水酸基とアミノ基の和は2)を開始剤として、エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒド
ロフラン等を開環重合させたポリ(オキシエチレン)ジ
オール、ポリ(オキシプロピレン)ジオール、ポリ(オ
キシテトラメチレン)ジオール等、及びこれらを共重合
したポリエーテルジオール、更に、前述のポリエステル
ジオール、ポリカーボネートジオールを開始剤としたポ
リエステルエーテルジオールが挙げられる。
【0025】ポリオレフィンジオールとしては、1分子
中に水酸基を実質的に2個有する、ポリブタジエン、水
素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリ
イソプレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレ
ン等が挙げられる。
【0026】本発明で好ましい(a2)ジオール化合物
は、接着性等を考慮すると、側鎖アルキル基を有するも
のである。このようなジオール化合物は、側鎖を有する
低分子ジオールとジカルボン酸から得られるポリエステ
ルジオール、側鎖を有する低分子ジオールとジエチレン
カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、ジフェニルカーボネート等との脱アルコール反
応、脱フェノール反応等で得られるポリカーボネートジ
オール、2官能の活性水素基含有化合物に炭素数3以上
のアルキレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドを
付加させたポリエーテルジオール等が挙げられる。特に
好ましいジオール化合物は、3−メチル−1,5−ペン
タンジオールとアジピン酸から得られるポリエステルジ
オール、ポリ(オキシプロピレン)ジオールである。
【0027】その他、接着性の向上、主剤との相溶性の
改良等のため、必要に応じて(a2)以外の活性水素基
含有化合物、例えば前述の低分子ジオールそのもの、低
分子ジアミン、低分子アミノアルコール、グリセリン、
トリメチロールプロパン(以後TMPと略称する)、ペ
ンタエリスリトール等の低分子ポリオール、これらを用
いたポリオール、数平均分子量2,000超のポリオー
ル等を併用することができる。
【0028】この(A)ウレタン基及びイソシアヌレー
ト基を有するイソシアネート基末端プレポリマーのイソ
シアヌレート基含有量は、固形分換算で5〜25質量%
が好ましく、更には7〜23質量%がより好ましい。イ
ソシアヌレート基含有量が少なすぎる場合、接着剤の硬
化速度が遅くなり、ひいてはエージングが長くなりやす
い。また、多すぎる場合は、ポリイソシアネート硬化剤
の粘度が大きくなり、作業性が低下しやすい。
【0029】また、(A)ウレタン基及びイソシアヌレ
ート基を有するイソシアネート基末端プレポリマーにお
いて、(a2)の含有量は、固形分換算で10〜90質
量%が好ましく、更には15〜85質量%がより好まし
い。(a2)の含有量がこの範囲外の場合は、接着強度
が低下しやすくなる。
【0030】(A)のイソシアネート含量は、固形分換
算で3〜15質量%が好ましく、更には5〜13質量%
がより好ましい。イソシアネート含量が小さすぎる場合
は、接着強度が不十分となりやすい。イソシアネート含
量が大きすぎる場合は、接着剤の柔軟性が低下したり、
接着剤の硬化速度が遅くなりやすい。
【0031】本発明に用いられる(B)ウレタン基を有
するイソシアネート基末端プレポリマーは、(b1)有
機ジイソシアネートと(b2)多価アルコールとのウレ
タン化反応によって得られるものである。なお、(B)
は、イソシアヌレート基は有さないものである。
【0032】(b1)有機ジイソシアネートとしては、
前記の(a1)芳香族ジイソシアネート、(a1)以外
の脂肪族ジイソシアネートや脂環族ジイソシアネート、
これらのウレア変性体、ビウレット変性体、カルボジイ
ミド変性体、ウレトンイミン変性体等が挙げられる。本
発明で好ましい(b1)は反応性を考慮すると、(a
1)であり、特にTDIが好ましい。
【0033】(b2)多価アルコールとしては、前述の
(a2)ジオール化合物の他、グリセリン、TMP、ペ
ンタエリスリトール等の低分子ポリオール、低分子ポリ
オールを用いたポリエステルポリオール、ポリカーボネ
ートポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられ
る。本発明で好ましい(b2)は、架橋効率等を考慮す
ると、実質的に水酸基を2〜5個有するものであり、
(数平均)分子量が62〜300のものである。
【0034】(B)のイソシアネート含量は、固形分換
算で5〜30質量%が好ましく、更には7〜25質量%
がより好ましい。イソシアネート含量が小さすぎる場合
は、接着強度が不十分となりやすい。イソシアネート含
量が大きすぎる場合は、接着剤の柔軟性が低下しやす
い。
【0035】なお、(B)に相当するものとしては、以
下に示すものが挙げられる。 TDIのTMP変性のポリイソシアネート: 日本ポリウレタン工業製のコロネート(登録商標)L 住友バイエルウレタン製のスミジュール(登録商標)L
−75 武田薬品工業製のタケネート(登録商標)D−102 HDIのTMP変性のポリイソシアネート: コロネートHL(HDIのTMP変性のポリイソシアネ
ート) 住友バイエルウレタン製のスミジュールHT 武田薬品工業製のタケネートD−160N IPDIのTMP変性のポリイソシアネート: 武田薬品工業製のタケネートD−140N 三菱化学製のマイテック(登録商標)NY215A XDIのTMP変性のポリイソシアネート: 武田薬品工業製のタケネートD−110N H6 XDIのTMP変性のポリイソシアネート: 武田薬品工業製のタケネートD−120N
【0036】本発明のラミネート接着剤用ポリイソシア
ネート硬化剤の、(A)ウレタン基及びイソシアヌレー
ト基を有するイソシアネート基末端プレポリマーと、
(B)ウレタン基を有するイソシアネート基末端プレポ
リマーの混合比は、(固形分換算における)質量比で
(A)/(B)=100/5〜100/100が好まし
く、特に(A)/(B)=100/10〜100/80
が好ましい。(A)が多すぎる場合は、接着性が低くな
る場合がある。(A)が少なすぎると、エージング時間
が長くなる場合がある。
【0037】本発明のラミネート接着剤用ポリイソシア
ネート硬化剤のイソシアネート含量は、固形分換算で5
〜20質量%が好ましく、更には7〜18質量%がより
好ましい。イソシアネート含量が小さすぎる場合は、接
着強度が不十分となりやすい。イソシアネート含量が大
きすぎる場合は、接着剤の柔軟性が低下したり、接着剤
の硬化速度が遅くなりやすい。
【0038】本発明のラミネート接着剤用ポリイソシア
ネート硬化剤には、必要に応じて、各種添加剤を配合し
てもよい。添加剤としては例えば、顔料、染料、溶剤、
揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、
分散剤、界面活性剤、防かび剤、抗菌剤、防腐剤、触
媒、充填剤等が挙げられる。配合方法は特に制限はな
く、公知の方法が用いられる。
【0039】次に、本発明の製造手順について述べる。
本発明のラミネート接着剤用ポリイソシアネート硬化剤
の製造手順は以下に示す工程を含むものである。
【0040】A法) (イ):(a1)芳香族ジイソシアネートと、(a2)
数平均分子量100〜2,000のジオール化合物を反
応させて、ウレタン変性ポリイソシアネートを得る工
程。 (ロ):(イ)で得られたウレタン変性ポリイソシアネ
ートをイソシアヌレート化して、(A)イソシアヌレー
ト基とウレタン基を有するイソシアネート基末端プレポ
リマーを得る工程。 (ハ):(ロ)で得られた(A)と、(B)ウレタン基
を有するイソシアネート基末端プレポリマーを混合する
工程。
【0041】B法) (ニ):(a1)芳香族ジイソシアネートをイソシアヌ
レート化して、イソシアヌレート変性ポリイソシアネー
トを得る工程。 (ホ):(ニ)で得られたイソシアヌレート変性ポリイ
ソシアネートと、(a2)数平均分子量100〜2,0
00のジオール化合物を反応させて、(A)イソシアヌ
レート基とウレタン基を有するイソシアネート基末端プ
レポリマーを得る工程。 (ヘ):(ホ)で得られた(A)と、(B)ウレタン基
を有するイソシアネート基末端プレポリマーを混合する
工程。
【0042】C法) (ト):(a1)芳香族ジイソシアネートと(a2)数
平均分子量100〜2,000のジオール化合物の存在
下で、ウレタン化反応とイソシアヌレート化反応を併行
して行い、(A)イソシアヌレート基とウレタン基を有
するイソシアネート基末端プレポリマーを得る工程。 (チ):(ト)で得られた(A)と、(B)ウレタン基
を有するイソシアネート基末端プレポリマーを混合する
工程。
【0043】まず、A法について述べる。A法は、
(イ)ウレタン化反応工程後、(ロ)イソシアヌレート
化反応工程を行って(A)ウレタン基及びイソシアヌレ
ート基を有するイソシアネート基末端プレポリマーを製
造し、(ハ)この(A)と(B)ウレタン基を有するイ
ソシアネート基末端プレポリマーを混合する方法であ
る。
【0044】(イ)ウレタン化反応工程は、(a1)芳
香族ジイソシアネートと、(a2)数平均分子量100
〜2,000のジオール化合物を反応させる工程であ
る。この際、必要に応じて公知のウレタン化触媒を用い
ることができるが、本発明においては特に用いることな
く反応は進行する。これは、ウレタン化反応時には、活
性水素基よりイソシアネート基が過剰に存在し、かつ、
このイソシアネート基は、芳香族環に直結しているため
反応性が高いためである。なお、ウレタン化の反応温度
は0〜120℃、好ましくは20〜100℃である。
【0045】その後、(ロ)イソシアヌレート化反応工
程に進む。(ロ)イソシアヌレート化反応工程は、
(イ)で得られたポリイソシアネートにイソシアヌレー
ト化触媒を添加して行う。
【0046】このイソシアヌレート化触媒としては、テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエ
チルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルア
ンモニウムハイドロオキサイド等のテトラアルキルアン
モニウムハイドロオキサイド、酢酸テトラメチルアンモ
ニウム塩、酢酸テトラエチルアンモニウム塩、酢酸テト
ラブチルアンモニウム塩等の有機弱酸塩、トリメチルヒ
ドロキシプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、ト
リメチルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサ
イド、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウムハイ
ドロオキサイド、トリエチルヒドロキシエチルアンモニ
ウムハイドロオキサイド等のトリアルキルヒドロキシキ
ルアンモニウムハイドロオキサイド、酢酸トリメチルヒ
ドロキシプロピルアンモニウム塩、酢酸トリメチルヒド
ロキシエチルアンモニウム塩、酢酸トリエチルヒドロキ
シプロピルアンモニウム塩、酢酸トリエチルヒドロキシ
エチルアンモニウム塩等の有機弱酸塩、トリエチルアミ
ン、トリエチレンジアミン、1,5−ジアザ−ビシクロ
[4.3.0]ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−ウンデセン−7、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン、
酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアル
キルカルボン酸の金属塩等、公知の物は全て使用可能で
ある。
【0047】イソシアヌレート化触媒の添加量は、反応
系に対して10〜10,000ppmの範囲から選択さ
れる。触媒の添加方法としては、一括仕込みの他に、分
割添加等が挙げられる。分割添加の場合、各触媒仕込量
は、同量でもよいし、異なっていてもよい。なお、イソ
シアヌレート化反応の反応温度は0〜120℃、好まし
くは20〜100℃である。
【0048】イソシアネート含量が目標値に達したとこ
ろで、イソシアヌレート化反応の停止剤を添加して、反
応を停止させる。この停止剤としては、リン酸、塩酸等
の無機酸、スルホン酸、スルファミン酸等を有する有機
酸及びこれらのエステル類、アシルハライド等公知の物
が使用できる。
【0049】停止剤の添加量は、イソアヌレート化触媒
に対して0.5〜2倍モル、更には0.8〜1.8倍モ
ルが好ましい。停止剤の添加量が少なすぎる場合は、イ
ソシアヌレート化反応が停止せず、ポリイソシアネート
硬化剤のイソシアネート含量の低下や、ゲル化を起こす
可能性がある。また、多すぎる場合はポリイソシアネー
ト硬化剤の濁りや接着強度の低下を引き起こす可能性が
ある。
【0050】その後、(ハ)混合工程に進む。(ハ)
は、(イ)から(ロ)を経て得られた(A)ウレタン基
及びイソシアヌレート基を有するイソシアネート基末端
プレポリマーと、(B)ウレタン基を有するイソシアネ
ート基末端プレポリマーを混合する工程である。混合条
件は、特にないが温度を30〜80℃にすると粘度が低
くなるので、混合効率が上がり好ましい。
【0051】続いて、B法について述べる。B法は、
(ニ)イソシアヌレート化反応工程後、(ホ)ウレタン
化反応工程を行って(A)ウレタン基及びイソシアヌレ
ート基を有するイソシアネート基末端プレポリマーを製
造し、(ヘ)この(A)と(B)ウレタン基を有するイ
ソシアネート基末端プレポリマーを混合する方法であ
る。
【0052】(ニ)イソシアヌレート化反応工程は、
(a1)芳香族ジイソシアネートにイソシアヌレート化
触媒を添加して行う。
【0053】このイソシアヌレート化触媒の種類及び添
加量、停止剤の添加時機及び添加量については、前述の
(ロ)と同様である。
【0054】その後、(ホ)ウレタン化反応工程に進
む。(ホ)ウレタン化反応工程は、(ハ)で得られたポ
リイソシアネートに、(a2)数平均分子量100〜
2,000のジオール化合物を仕込んで反応させる工程
である。
【0055】このウレタン化反応も公知のウレタン化触
媒を用いることができるが、本発明では特に用いなくて
もよい。また、ウレタン化反応時におけるイソシアネー
ト基と活性水素基のモル比は、前述の(イ)の場合と同
様である。
【0056】その後、(ヘ)混合工程に進む。(ヘ)
は、前述の(ハ)と同様である。
【0057】C法は、(ト)ウレタン化反応とイソシア
ヌレート化反応を同時に行う工程を行って(A)ウレタ
ン基及びイソシアヌレート基を有するイソシアネート基
末端プレポリマーを製造し、(チ)この(A)と(B)
ウレタン基を有するイソシアネート基末端プレポリマー
を混合する方法である。
【0058】(ト)の工程は、(a1)芳香族ジイソシ
アネートと(a2)数平均分子量100〜2,000の
ジオール化合物を仕込んだ後、イソシアヌレート化触媒
を添加することで行う。ウレタン化反応は、A法、B法
のところで述べたように、ウレタン化触媒は特に存在し
なくても進むので、イソシアヌレート化反応とウレタン
化反応が同時に進行することになる。
【0059】このイソシアヌレート化触媒の種類及び添
加量、停止剤の添加時期及び添加量については、前述の
(ロ)と同様である。
【0060】その後、(チ)混合工程に進む。(チ)
は、前述の(ハ)と同様である。
【0061】A法、B法、C法において、原料の(a
1)芳香族ジイソシアネートと(a2)ジオール化合物
との根本的な仕込みモル比は、(a1)/(a2)=2
/1〜100/1、好ましくは3/1〜50/1であ
る。(a2)が多すぎる場合は、硬化剤の粘度が大きく
なりすぎやすい。また、(a2)が少なすぎる場合は、
接着剤の接着性が低下しやすい。
【0062】なお、A法、B法、C法とも、有機溶剤を
仕込んでから、イソシアヌレート化反応を行うのが好ま
しい。これは、イソシヌレート化反応は、生成物が三次
元化して溶剤に溶解しにくくなっているためである。こ
の有機溶剤としては、イソシアネート基と不活性であれ
ばよく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶
剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系溶剤、エチレングリコールエチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、
エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエ
ーテルエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、フルフラール
等の非プロトン性極性溶剤の単品又は2種以上の混合物
が挙げられる。なお、固形分は、10〜90質量%、好
ましくは20〜80質量%である。固形分が低すぎる場
合は、反応時間が長くなりやすい。固形分が高すぎる場
合は、生成物が固化しやすくなり、作業性が低下する。
本発明においては、ラミネート後の残留溶剤の少ないエ
ステル系溶剤、特に酢酸エステル系溶剤が好ましい。
【0063】このようにして得られたポリイソシアネー
ト硬化剤における遊離(未反応)のジイソシアネート含
有量は、1質量%以下が好ましい。遊離のジイソシアネ
ート含有量が多すぎる場合は、臭気のため作業環境が低
下する場合がある。
【0064】A法、B法、C法とも、反応後、又は反応
前に各種添加剤を配合してもよい。添加剤としては、前
述のものが挙げられる。配合方法は特に制限はなく、公
知の方法が用いられる。
【0065】本発明の硬化剤の使用方法は、主剤用の活
性水素基含有樹脂に、前述の硬化剤を配合してから、被
着体に塗布して用いる。この主剤に用いられる樹脂とし
ては、活性水素基を有しているものであれば特に制限は
なく、具体的には、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹
脂、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、飽和脂肪酸又は
不飽和脂肪酸で変性したアルキッド樹脂、アクリル樹
脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂等が挙
げられる。好ましい主剤用樹脂は、他種類の被着体との
接着性が良好であり、耐久性にも優れるポリウレタン樹
脂である。
【0066】好ましい主剤用樹脂としてのポリウレタン
樹脂では、更にはポリエステル系ポリウレタン樹脂の有
機溶剤の溶液タイプが好ましい。また、このポリウレタ
ン樹脂は、ラミネート時において塗布のしやすさや接着
強度等を考慮すると、塗布直前の時点で数平均分子量は
1,000〜100,000、固形分は5〜80質量
%、粘度は25℃で10,000mPa・s以下が好ま
しい。
【0067】主剤と硬化剤の配合比は、系中の活性水素
基とイソシアネート基のモル比換算で活性水素基/イソ
シアネート基=9:1〜1:9が好ましい。
【0068】本発明のポリイソシアネート硬化剤を配合
した接着剤の塗布装置としては、エアレススプレー機、
エアスプレー機、浸漬、ロール塗布機、刷毛等公知のも
のが挙げられる。
【0069】本発明のポリイソシアネート硬化剤を配合
した接着剤の貼り合わせ条件は、10〜180℃で0.
1〜1MPaが好ましく、特に20〜150℃で0.2
〜0.8MPaが好ましい。
【0070】本発明のポリイソシアネート硬化剤を配合
した接着剤を用いたラミネートフィルムの製造におい
て、用いられるフィルムは特に制限はなく、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリエ
チレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系フィル
ム、ナイロン等のポリアミド系フィルム、アルミ箔や銅
箔等の金属箔、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びその
ケン化物、セロファン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリスチレン、紙等が挙げられる。また、これ
らの延伸処理物や、コロナ放電処理や各種コート処理等
の表面処理を施したものも好適に使用できる。
【0071】また、本発明のポリイソシアネート硬化剤
を配合した接着剤は、2層のフィルム間だけではなく、
3層又はそれ以上の多層のフィルム間の接着剤として好
適に用いることができる。
【0072】本発明のポリイソシアネート硬化剤を配合
した接着剤のラミネート後のエージング条件は、20〜
70℃で5時間以上、好ましくは、25〜50℃で10
時間以上である。なお、従来のラミネート接着剤におけ
るエージングは、48時間以上要していた。
【0073】
【実施例】本発明について、実施例、比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。なお、実施例、比較例において、
「%」は全て「質量%」を意味する。
【0074】〔ウレタン基及びイソシアヌレート基を有
するプレポリマーの製造〕 合成例1〜8に用いられる原料の略記号は以下の通り。 TDI(1):2,4−TDI TDI(2):2,4−TDI/2,6−TDI=80
/20(質量比)の混合物 ポリオールA:1,2−プロパンジオールにプロピレン
オキサイドを付加させたポリエーテルジオール 数平均分子量=500 ポリオールB:1,2−プロパンジオールにプロピレン
オキサイドを付加させたポリエーテルジオール 数平均分子量=1,000 ポリオールC:1,2−プロパンジオールにプロピレン
オキサイドを付加させたポリエーテルジオール 数平均分子量=1,500 ポリオールD:3−メチル−1,5−ペンタンジオール
とアジピン酸から得られるポリエステルジオール 数平均分子量=1,000 ポリオールE:3−メチル−1,5−ペンタンジオール
とアジピン酸から得られるポリエステルジオール 数平均分子量=3,000 モノオールA:メタノールにエチレンオキサイドを付加
させたポリエーテルモノオール 数平均分子量=400
【0075】合成例1 攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた、容
量:1Lの反応器の内部を窒素に置換した後、TDI
(1)を100g、酢酸エチルを140g仕込み、均一
に攪拌した。ナフテン酸マグネシウムを0.5g仕込
み、75℃にて5時間イソシアヌレート化反応させた。
その後、リン酸を0.05g仕込み、60℃で1時間攪
拌してイソシアヌレート化反応を停止した。赤外吸収
(IR)分析により、イソシアネート基とイソシアヌレ
ート基の存在が確認された。このポリイソシアネートの
イソシアネート含量は9.2%であり、よってイソシア
ヌレート基含有量は10.7%となった。次いで、ポリ
オールAを37.8g仕込み75℃で3時間反応させ
て、イソシアネート基末端プレポリマーNCO−A1を
得た。NCO−A1をIR分析したところ、イソシアネ
ート基、イソシアヌレート基、ウレタン基の存在は確認
されたが水酸基は確認されなかった。NCO−A1のイ
ソシアネート含量は5.7%であり、よってイソシアヌ
レート基含有量は9.3%となった。固形分は50.0
%であった。また、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)分析から遊離のジイソシアネートの含
有量は0.2%であった。
【0076】合成例2 合成例1と同様な反応器の内部を窒素に置換した後、T
DI(1)を100g、酢酸エチルを175g仕込み、
均一に攪拌した。ナフテン酸マグネシウムを0.5g仕
込み、75℃にて5時間イソシアヌレート化反応させ
た。その後、リン酸を0.05g仕込み、60℃で1時
間攪拌してイソシアヌレート化反応を停止した。IR分
析により、イソシアネート基とイソシアヌレート基の存
在が確認された。このポリイソシアネートのイソシアネ
ート含量は7.6%であり、よってイソシアヌレート基
含有量は9.9%となった。次いで、ポリオールBを7
3.9g仕込み75℃で3時間反応させて、イソシアネ
ート基末端プレポリマーNCO−A2を得た。NCO−
A2をIR分析したところ、イソシアネート基、イソシ
アヌレート基、ウレタン基の存在は確認されたが水酸基
は確認されなかった。NCO−A2のイソシアネート含
量は4.2%であり、よってイソシアヌレート基含有量
は7.8%となった。固形分は49.9%であった。ま
た、GPC分析から遊離のジイソシアネートの含有量は
0.3%であった。
【0077】合成例3 合成例1と同様な反応器の内部を窒素に置換した後、T
DI(1)を100g、酢酸エチルを214g仕込み、
均一に攪拌した。ポリオールCを113.5g仕込み、
75℃で3時間反応させた。IR分析により、イソシア
ネート基とウレタン基の存在は確認されたが、水酸基は
確認されなかった。このポリイソシアネートのイソシア
ネート含量は9.8%であった。次いで、ナフテン酸マ
グネシウムを0.5g仕込み、75℃にて5時間イソシ
アヌレート化反応させた。その後、リン酸を0.05g
仕込み、60℃で1時間攪拌してイソシアヌレート化反
応を停止して、イソシアネート基末端プレポリマーNC
O−A3を得た。NCO−A3をIR分析したところ、
イソシアネート基、イソシアヌレート基、ウレタン基の
存在は確認されたが水酸基は確認されなかった。NCO
−A3のイソシアネート含量は3.7%であり、よって
イソシアヌレート基含有量は6.1%となった。固形分
は50.0%であった。また、GPC分析から遊離のジ
イソシアネートの含有量は0.3%であった。
【0078】合成例4 合成例1と同様な反応器の内部を窒素に置換した後、T
DI(1)を100g、酢酸エチルを176g仕込み、
均一に攪拌した。ポリオールDを73.9g、ナフテン
酸マグネシウムを0.5g仕込み、75℃にて5時間、
イソシアヌレート化反応及びウレタン化反応させた。そ
の後、リン酸を0.05g仕込み、60℃で1時間攪拌
してイソシアヌレート化反応を停止して、イソシアネー
ト基末端プレポリマーNCO−A4を得た。NCO−A
4をIR分析したところ、イソシアネート基、イソシア
ヌレート基、ウレタン基の存在は確認されたが水酸基は
確認されなかった。NCO−A4のイソシアネート含量
は4.2%であり、よってイソシアヌレート基含有量は
7.8%となった。固形分は50.0%であった。ま
た、GPC分析から遊離のジイソシアネートの含有量は
0.4%であった。
【0079】合成例5 合成例1と同様な反応器の内部を窒素に置換した後、T
DI(1)を100g、酢酸エチルを172g仕込み、
均一に攪拌した。ナフテン酸マグネシウムを0.5g仕
込み、75℃にて5時間イソシアヌレート化反応させ
た。その後、リン酸を0.05g仕込み、60℃で1時
間攪拌してイソシアヌレート化反応を停止した。IR分
析により、イソシアネート基とイソシアヌレート基の存
在が確認された。このポリイソシアネートのイソシアネ
ート含量は7.6%であり、よってイソシアヌレート基
含有量は10.1%となった。次いで、ポリオールBを
61.6g、モノオールAを10.0g仕込み、75℃
で3時間反応させて、イソシアネート基末端プレポリマ
ーNCO−A5を得た。NCO−A5をIR分析したと
ころ、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ウレタ
ン基の存在は確認されたが水酸基は確認されなかった。
NCO−A5のイソシアネート含量は4.2%であり、
よってイソシアヌレート基含有量は8.0%となった。
固形分は50.0%であった。また、GPC分析から遊
離のジイソシアネートの含有量は0.3%であった。
【0080】合成例6 合成例1と同様な反応器の内部を窒素に置換した後、T
DI(2)を100g、酢酸エチルを176g仕込み、
均一に攪拌した。ナフテン酸マグネシウムを0.5g仕
込み、75℃にて5時間イソシアヌレート化反応させ
た。その後、リン酸を0.05g仕込み、60℃で1時
間攪拌してイソシアヌレート化反応を停止した。IR分
析により、イソシアネート基とイソシアヌレート基の存
在が確認された。このポリイソシアネートのイソシアネ
ート含量は7.5%であり、よってイソシアヌレート基
含有量は9.8%となった。次いで、ポリオールBを7
3.9g仕込み、75℃で3時間反応させて、イソシア
ネート基末端プレポリマーNCO−A6を得た。NCO
−A6をIR分析したところ、イソシアネート基、イソ
シアヌレート基、ウレタン基の存在は確認されたが水酸
基は確認されなかった。NCO−A6のイソシアネート
含量は4.2%であり、よってイソシアヌレート基含有
量は7.8%となった。固形分は50.0%であった。
また、GPC分析から遊離のジイソシアネートの含有量
は0.4%であった。
【0081】合成例7 合成例1と同様な反応器の内部を窒素に置換した後、T
DI(1)を100g、酢酸エチルを199g仕込み、
均一に攪拌した。ナフテン酸マグネシウムを0.5g仕
込み、75℃にて5時間イソシアヌレート化反応させ
た。その後、リン酸を0.05g仕込み、60℃で1時
間攪拌してイソシアヌレート化反応を停止した。IR分
析により、イソシアネート基とイソシアヌレート基の存
在が確認された。このポリイソシアネートのイソシアネ
ート含量は8.0%であり、よってイソシアヌレート基
含有量は8.2%となった。次いで、ポリオールBを9
8.8g仕込み、75℃で3時間反応させて、イソシア
ネート基末端プレポリマーNCO−A7を得た。NCO
−A7をIR分析したところ、イソシアネート基、イソ
シアヌレート基、ウレタン基の存在は確認されたが水酸
基は確認されなかった。NCO−A7のイソシアネート
含量は3.9%であり、よってイソシアヌレート基含有
量は6.1%となった。固形分は50.0%であった。
また、GPC分析により、遊離のジイソシアネートの含
有量は0.2%であった。
【0082】合成例8 合成例1と同様な反応器の内部を窒素に置換した後、T
DI(1)を100g、酢酸エチルを106g仕込み、
均一に攪拌した。ナフテン酸マグネシウムを0.5g仕
込み、75℃にて5時間イソシアヌレート化反応させ
た。その後、リン酸を0.05g仕込み、60℃で1時
間攪拌してイソシアヌレート化反応を停止した。IR分
析により、イソシアネート基とイソシアヌレート基の存
在が確認された。このポリイソシアネートのイソシアネ
ート含量は10.7%であり、よってイソシアヌレート
基含有量は12.7%となった。次いで、1,2−プロ
ピレングリコールを5.8g仕込み、75℃で3時間反
応させて、ポリイソシアネート硬化剤NCO−B1を得
た。NCO−B1をIR分析したところ、イソシアネー
ト基、イソシアヌレート基、ウレタン基の存在は確認さ
れたが水酸基は確認されなかった。NCO−B1のイソ
シアネート含量は7.4%であり、よってイソシアヌレ
ート基含有量は12.3%となった。固形分は50.1
%であった。また、GPC分析により、遊離のジイソシ
アネートの含有量は0.2%であった。
【0083】合成例9 合成例1と同様な反応器の内部を窒素に置換した後、T
DI(1)を100g、酢酸エチルを329g仕込み、
均一に攪拌した。ポリオールEを227.1g仕込み、
75℃で3時間反応させた。IR分析により、イソシア
ネート基とウレタン基の存在は確認されたが、水酸基は
確認されなかった。このポリイソシアネートのイソシア
ネート含量は7.4%であった。次いで、ナフテン酸マ
グネシウムを0.5g仕込み、75℃にて5時間イソシ
アヌレート化反応させた。その後、リン酸を0.05g
仕込み、60℃で1時間攪拌してイソシアヌレート化反
応を停止して、ポリイソシアネート硬化剤NCO−B2
を得た。NCO−B2をIR分析したところ、イソシア
ネート基、イソシアヌレート基、ウレタン基の存在は確
認されたが水酸基は確認されなかった。NCO−B2の
イソシアネート含量は2.4%であり、よってイソシア
ヌレート基含有量は4.0%となった。固形分は50.
0%であった。また、GPC分析により、遊離のジイソ
シアネートの含有量は0.4%であった。
【0084】合成例10 合成例1と同様な反応器の内部を窒素に置換した後、H
DIを200g、ポリオールBを98.8g仕込み、7
5℃で3時間反応させた。IR分析により、イソシアネ
ート基とウレタン基の存在は確認されたが、水酸基は確
認されなかった。このポリイソシアネートのイソシアネ
ート含量は30.7%であった。次いで、カプリン酸カ
リウムを0.22g、フェノールを0.03g仕込み、
50℃にて5時間イソシアヌレート化反応させた。その
後、リン酸を0.3g仕込み、60℃で1時間攪拌して
イソシアヌレート化反応を停止した。このときのイソシ
アネート含量は、26.1%であった。その後、120
℃、13kPaの条件で薄膜蒸留して、遊離のHDIを
除去して、ポリイソシアネート硬化剤NCO−B3を得
た。収率は55%であった。NCO−B3をIR分析し
たところ、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ウ
レタン基の存在は確認されたが水酸基は確認されなかっ
た。NCO−B3のイソシアネート含量は5.2%であ
り、よってイソシアヌレート基含有量は9.7%となっ
た。固形分は100.0%であった。また、GPC分析
により、遊離のジイソシアネートの含有量は0.4%で
あった。
【0085】合成例11 合成例1と同様な反応器の内部を窒素に置換した後、T
DI(1)を100g、酢酸エチルを101g仕込み、
均一に攪拌した。次いで、ナフテン酸マグネシウムを
0.5g仕込み、75℃にて5時間イソシアヌレート化
反応させた。その後、リン酸を0.05g仕込み、60
℃で1時間攪拌してイソシアヌレート化反応を停止し
て、ポリイソシアネート硬化剤NCO−B4を得た。N
CO−B4をIR分析したところ、イソシアネート基、
イソシアヌレート基の存在は確認された。NCO−B4
のイソシアネート含量は8.5%であり、よってイソシ
アヌレート基含有量は15.5%となった。固形分は4
9.9%であった。また、GPC分析により、遊離のジ
イソシアネートの含有量は0.3%であった。
【0086】〔ポリイソシアネート硬化剤の合成〕表
1、2に示す配合(固形分換算、質量比)で、ポリイソ
シアネート硬化剤CA−1〜13、CB−1〜6を得
た。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】表1、2において C−L:コロネート(登録商標)L 日本ポリウレタン工業製TDIアダクトタイプのポリイ
ソシアネート イソシアネート含量=13.2%、固形分=75%、酢
酸エチル溶液 C−HL:コロネートHL 日本ポリウレタン工業製HDIアダクトタイプのポリイ
ソシアネート イソシアネート含量=12.8%、固形分=75%、酢
酸エチル溶液 NY215A:マイテック(登録商標)NY215A 三菱化学製IPDIアダクトタイプのポリイソシアネー
ト イソシアネート含量=10.5%、固形分=75%、酢
酸エチル溶液 D−110N:タケネート(登録商標)D−110N 武田薬品工業製XDIアダクトタイプのポリイソシアネ
ート イソシアネート含量=11.5%、固形分=75%、酢
酸エチル溶液 D−120N:タケネートD−120N 武田薬品工業製H6 XDIアダクトタイプのポリイソシ
アネート イソシアネート含量=11.0%、固形分=75%、酢
酸エチル溶液 TEA:トリエチルアミン
【0090】〔主剤用樹脂の合成〕 主剤用樹脂の原料 ポリオールG:エチレングリコール/ネオペンチルグリ
コール=1/1、セバシン酸/イソフタル酸=1/1
(各モル比)から得られたポリエステルジオール 数平均分子量=2,000 ポリオールH:2,2−ジメチロールブタン酸にε−カ
プロラクトンを付加させたジオール 数平均分子量=500 MDI:4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート DBTDL:ジブチルチンジラウレート(ウレタン化触
媒)
【0091】攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却器の
ついた、容量:1Lの反応器の内部を窒素に置換した
後、ポリオールGを350g、ポリオールHを75g、
酢酸エチルを215g仕込み、均一に攪拌した。次い
で、MDIを75g、DBTDLを0.1g仕込み、7
5℃にて反応させた。IR分析で、イソシアネート基が
確認されなくなったところで、酢酸エチルを285g仕
込み、均一に攪拌してPU−1を得た。固形分は50.
0%であった。
【0092】〔接着剤評価〕 実施例1〜13、比較例1〜6 主剤/硬化剤を固形分換算で100/25(質量比)で
配合し、表3、4に示すようにラミネート接着剤AD−
1〜19を調製し、各種試験を実施した。実施例1〜1
0の結果を表3に、実施例11〜13及び比較例の結果
を表4に示す。
【0093】軟化点測定 配合したラミネート接着剤を離型紙上に、厚さ:ドライ
で約100μmになるようにキャストし、25℃で2時
間静置した後、80℃の熱風乾燥機に5分入れ、取り出
してから35℃で16時間静置してフィルムを作成し
た。このフィルムをJISK6301の2号形ダンベル
状に打ち抜き、試験片とした。この試験片に荷重:49
kPaをかけて、昇温速度:10℃/分で軟化点を測定
した。軟化点は、試験片が急激に伸びる時点の温度又は
切れた時点の温度とした。
【0094】粘度増加率測定 接着剤を配合してからサンプルビンに入れて、これを2
5℃の恒温水槽に保存してから1時間後に、B型粘度計
で粘度を測定した。これを初期粘度とする。その後更に
24時間25℃の恒温水槽で保存してから、B型粘度計
で粘度を測定した。この24時間経時後の粘度の、初期
粘度に対する増加率(%、下記式参照)で評価した。 ◎:粘度増加率10%未満 ○:粘度増加率10〜30% △:粘度増加率30〜100% ×:粘度増加率100%超又はゲル化
【0095】
【数1】
【0096】ラミネート試験 ラミネート接着剤、コロナ処理ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルム、アルミ箔、コロナ処理未延伸
ポリプロピレン(CPP)フィルムをドライラミネータ
にセットした。接着剤をグラビアロールでPETフィル
ムのコロナ処理面に塗布する。接着剤塗布量はドライで
3.5g/m2 である。接着剤を塗布されたPETフィ
ルムは、80℃の熱風乾燥機内を通過し、ニップロール
にてアルミ箔と接着される。ニップ条件は、100℃、
0.3MPaである。次にアルミ箔面に接着剤をグラビ
アロールで塗布する。接着剤塗布量はドライで3.5g
/m2 である。接着剤を塗布されたPET/アルミ箔の
ラミネートフィルムは、80℃の熱風乾燥機内を通過
し、ニップロールにてCPPフィルムのコロナ処理面と
接着される。ニップ条件は、100℃、0.3MPaで
ある。その後、35℃で16時間養生してラミネートフ
ィルムを得た。得られたラミネートフィルムを15mm
幅にカットして、T型剥離試験を行った。剥離条件は、
引張速度:300mm/分、測定雰囲気:25℃、50
%RHである。また、得られたラミネートフィルムを2
5cm×30cmの長方形にカットし、PET面を外側
にして、180℃、0.3MPa、1秒の条件で、片短
辺以外の三方をヒートシールして袋を作り、この中にト
マトケチャップ/サラダオイル/食酢=1/1/1(質
量比)の混合物を入れ、未シールの辺を180℃、0.
3MPa、1秒の条件でヒートシールした。これを12
0℃、30分にてレトルト処理した後、ラミネートフィ
ルムを15mm幅にカットして、T型剥離試験を行っ
た。剥離条件は、引張速度:300mm/分、測定雰囲
気:25℃、50%RHである。
【0097】使用したフィルム PETフィルム:東洋紡製 E−5100(厚さ:12
μm) アルミ箔 :東洋アルミニウム製 アルミハクC
(厚さ:9μm) CPPフィルム:東セロ製 CP RXC−11(厚
さ:70μm)
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】表3、4において、 Pf:PETフィルム破壊 DL:デラミネーション発生
【0101】表3、4から示されるように、実施例1〜
13のポリイソシアネート硬化剤は、主剤/硬化剤配合
後でも粘度増加率が小さく、ポットライフが十分なもの
であった。一方、軟化点は高かったので、フィルム作成
条件(25℃×2時間+80℃×5分+35℃×16時
間)下において、架橋反応は十分進行したものと考えら
れる。更に実際のラミネート接着においては、16時間
という短いエージング時間(従来のエージング時間の1
/3以下)で十分な接着性能を発揮した。
【0102】表4から、比較例1、2の硬化剤は、軟化
点が高いことから、架橋反応は十分進行したものと考え
られる。しかし、ポリオールの分子量が適当でないため
に接着性能が低いものとなった。また、ポリオールを用
いていない比較例4も比較例1、2と同様な傾向であっ
た。比較例3、5では、軟化点が低いことから、前述の
フィルム作成条件では架橋反応が十分進行していないと
考えられる。また、接着強度は良好であるが、真に硬化
していないためレトルト後の接着強度が不十分であっ
た。比較例6は、比較例5の硬化剤と触媒を併用したも
のであるが、反応性は改善されたが、ポットライフまで
短くなり、実際の接着剤塗布工程を考慮すると使用は困
難である。
【0103】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のポリイソシ
アネート硬化剤は、ポットライフを短くすることなし
に、エージング時間の短縮を図ることができる。本発明
により、ラミネートフィルムの生産効率が著しく向上す
る。また、本発明のポリイソシアネート硬化剤は、ラミ
ネート接着剤だけではなく、通常の二液タイプの接着
剤、塗料、磁気記録媒体、コーティング剤、プライマ
ー、印刷インキ、シーリング材等に適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 DA01 DB04 DB07 DC02 DC03 DC12 DF01 DF02 DF16 DF17 DF20 DF21 DF22 DG02 DG03 DG04 DG05 DG06 DG08 DG24 DH02 DH06 DH10 DP12 HA01 HA02 HA07 HA11 HC12 HC13 HC61 HC64 HC71 HC73 LA16 LA22 LA32 QA05 QC05 RA08 4J040 EF052 EF102 EF111 EF282 EF302 EF312 KA16 NA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a1)芳香族ジイソシアネートと(a
    2)数平均分子量100〜2,000のジオール化合物
    から得られ、(A)イソシアヌレート基とウレタン基を
    有するイソシアネート基末端プレポリマー、及び(b
    1)有機ジイソシアネートと(b2)多価アルコールと
    のウレタン化反応によって得られる、(B)ウレタン基
    を有するイソシアネート基末端プレポリマー、を含有す
    るラミネート接着剤用ポリイソシアネート硬化剤。
  2. 【請求項2】 以下の工程を含むことを特徴とする請求
    項1記載のラミネート接着剤用ポリイソシアネート硬化
    剤の製造方法。 (イ):(a1)芳香族ジイソシアネートと、(a2)
    数平均分子量100〜2,000のジオール化合物を反
    応させて、ウレタン変性ポリイソシアネートを得る工
    程。 (ロ):(イ)で得られたウレタン変性ポリイソシアネ
    ートをイソシアヌレート化して、(A)イソシアヌレー
    ト基とウレタン基を有するイソシアネート基末端プレポ
    リマーを得る工程。 (ハ):(ロ)で得られた(A)と、(B)ウレタン基
    を有するイソシアネート基末端プレポリマーを混合する
    工程。
  3. 【請求項3】 以下の工程を含むことを特徴とする請求
    項1記載のラミネート接着剤用ポリイソシアネート硬化
    剤の製造方法。 (ニ):(a1)芳香族ジイソシアネートをイソシアヌ
    レート化して、イソシアヌレート変性ポリイソシアネー
    トを得る工程。 (ホ):(ニ)で得られたイソシアヌレート変性ポリイ
    ソシアネートと、(a2)数平均分子量100〜2,0
    00のジオール化合物を反応させて、(A)イソシアヌ
    レート基とウレタン基を有するイソシアネート基末端プ
    レポリマーを得る工程。 (ヘ):(ホ)で得られた(A)と、(B)ウレタン基
    を有するイソシアネート基末端プレポリマーを混合する
    工程。
  4. 【請求項4】 以下の工程を含むことを特徴とする請求
    項1記載のラミネート接着剤用ポリイソシアネート硬化
    剤の製造方法。 (ト):(a1)芳香族ジイソシアネートと(a2)数
    平均分子量100〜2,000のジオール化合物の存在
    下で、ウレタン化反応とイソシアヌレート化反応を併行
    して行い、(A)イソシアヌレート基とウレタン基を有
    するイソシアネート基末端プレポリマーを得る工程。 (チ):(ト)で得られた(A)と、(B)ウレタン基
    を有するイソシアネート基末端プレポリマーを混合する
    工程。
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