JP2001288447A - 非水系ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂組成物及びこれを用いた非水系ラミネート接着剤 - Google Patents

非水系ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂組成物及びこれを用いた非水系ラミネート接着剤

Info

Publication number
JP2001288447A
JP2001288447A JP2000073437A JP2000073437A JP2001288447A JP 2001288447 A JP2001288447 A JP 2001288447A JP 2000073437 A JP2000073437 A JP 2000073437A JP 2000073437 A JP2000073437 A JP 2000073437A JP 2001288447 A JP2001288447 A JP 2001288447A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane resin
adhesive
laminate adhesive
group
nonaqueous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000073437A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Higashikubo
一郎 東久保
Yukihiro Morikawa
幸弘 森川
Koji Yoshida
孝治 吉田
Toshiaki Sasahara
俊昭 笹原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Polyurethane Industry Co Ltd filed Critical Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority to JP2000073437A priority Critical patent/JP2001288447A/ja
Publication of JP2001288447A publication Critical patent/JP2001288447A/ja
Priority to US10/608,418 priority patent/US20040063892A1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ポットライフが長く、かつ、エージングが短
いという相反する性能を有し、更に貯蔵安定性に優れ長
期間の在庫に耐えうる、生産性、作業性に優れた非水系
ラミネート接着剤を提供する。 【解決手段】 式(1)(Rは炭素数1〜10の1価
の炭化水素基である。R、Rは同じでも異なってい
てもよい、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であ
る。)で示される三級アミノ基含有ジオール化合物を含
む活性水素基含有化合物と、有機ポリイソシアネート
を、活性水素基過剰の条件で反応させて得られる三級ア
ミノ基含有ポリウレタン樹脂(A)を用いた非水系ラミ
ネート接着剤用ポリウレタン樹脂組成物であって、
(A)の三級アミノ基含有量及びカルボン酸含有量が
0.001〜1mmol/gであることを特徴とする前
記非水系ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂組成物、
及びポリイソシアネート硬化剤を配合した非水系ラミネ
ート接着剤により解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムのラミネ
ートに好適な非水系ラミネート接着剤用ポリウレタン樹
脂組成物及びこれを用いたラミネート接着剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】最近、包装方法として、その強度、商品
保護性、包装時の作業適性、包装による宣伝効果、プラ
スチック材料の大量、安価な供給による包装コストの低
減等の理由から、複合フレキシブルパッケージングが著
しく発展してきている。このようなフィルムやシートの
ラミネートに用いられる接着剤としては、接着性能や耐
寒、耐熱性に優れている点、各種プラスチック、金属箔
等の基材への適応範囲の広さ等から、一般には、水酸基
等の活性水素基を有する主剤とイソシアネート基を有す
る硬化剤からなる二液型ポリウレタン系接着剤が主流と
なっている。このようなラミネート接着剤として、特開
昭63−110272号公報には、ポリエーテルポリオ
ール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルウレタン
ポリオール、ポリエステルウレタンポリオールの1種又
は2種以上であるポリオール、イソシアネート基含有シ
ランカップリング剤、及びポリイソシアネート硬化剤か
らなる複合ラミネート用接着剤組成物が示されている。
【0003】しかしながら、ラミネート工程における接
着剤層の硬化時間の短縮が求められているにもかかわら
ず、従来のラミネート接着剤用硬化剤は、主剤と硬化剤
の反応性を考慮したものが少ない。すなわち、塗布後の
接着剤の硬化反応が非常に遅いため、いわゆるエージン
グと称する硬化促進工程が必要となっている。具体的に
いえば、ラミネート加工したフィルムを35〜60℃の
保温室にて3〜5日間程度保管してエージングすること
により接着剤を硬化させることが必要となってくる。こ
の際、エージング条件によって接着剤の硬化の度合いが
変ってくるため、ラミネートフィルムの接着強度に影響
を及ぼすことがあり、エージングが不十分な場合には、
接着剤の硬化不良によるデラミネーション(層剥離)を
引き起こすことがある。特に脂肪族ポリウレタン系接着
剤では、この硬化反応にかなりの長時間を要する。従っ
て、このようなエージング工程は、ドライラミネーショ
ンプロセスにおいて不可欠の工程であり、短納期化への
対応を困難としていた。また、エージング用の保温室設
置のための設備投資及びその後の保温のためのユーティ
リティー等の費用が必要であった。特開昭63−110
272号公報に記載の技術では、ラミネート接着剤の接
着性、耐薬品性、耐熱性の向上は図れたが、エージング
時間の短縮について示唆する記載はない。
【0004】エージング時間を短縮するためには、触媒
の添加が効果的である。このような技術としては、特開
平9−316422号公報記載の技術が挙げられる。し
かしながら、特開平9−316422号公報では、単に
ポリウレタン樹脂(溶液)に触媒を配合したものである
ため、エージング時間は短縮されたが、今度は、主剤と
硬化剤を配合した後のポットライフ(可使時間)まで短
くなってしまうという新たな問題が発生してしまう。ポ
ットライフが短いと、接着剤にロスが出るだけでなく、
しばしば固化した接着剤による塗布装置の故障の原因に
なりやすい。
【0005】このように、従来の二液型ポリウレタン系
ラミネート接着剤は、塗布後の接着剤の硬化反応が非常
に遅いため、エージング時間を長くとる必要があり、改
善が望まれていた。
【0006】これらの欠点を改善することを目的とし
て、三級アミンを添加する方法が効果的であり、例えば
ポリオール成分がカルボキシル基含有ポリオールからな
り、そのカルボキシル基の少なくとも一部が塩基で中和
されてなることを特徴とする二液型ドライラミネート用
接着剤組成物(特開平11−50036号公報)等が提
案されている。また、特開平11−181394号公報
には、アニオン基及びカチオン基の両方を有する水性ポ
リウレタン樹脂を用いたフィルム用接着剤が記載されて
いる。
【0007】また、接着剤にシランカップリング剤を配
合すると、接着性、耐熱性、耐薬品性等が向上すること
はよく知られている。ラミネート時に際し、三成分を混
合することは、配合ミスや装置の複雑化を招くので、カ
ップリング剤は、主剤か硬化剤のどちらかにあらかじめ
配合しておくことが求められている。しかし、あらかじ
め主剤、特にアミノ基やエポキシ基等の官能基を有する
主剤にシランカップリング剤を配合すると、経時で着色
や増粘を起こすことがある。これは主剤中の官能基と、
シランカップリング剤のアルコキシシラン部分等が反応
するためと考えられる。また、シランカップリング剤
は、通常アミノ基、エポキシ基等の官能基を有している
ため、ポリイソシアネート硬化剤とシランカップリング
剤を配合しておくと、同様に硬化剤中のイソシアネート
基とシランカップリング剤中の官能基が反応し、経時で
増粘を起こすことがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、三級ア
ミンを添加した接着剤は、三級アミンが触媒として働く
ために酢酸エステル等のエステル系溶剤とのエステル交
換や、溶剤中に含まれる水分との加水分解が起こりやす
く、このため粘度や分子量が低下し、接着強度等の物性
が低下すると言う問題点があった。このため長期間の在
庫することができず、この点の改善が望まれていた。ま
た、水系接着剤は、ラミネート時の必要エネルギー量が
多く必要であり、また、廃液の処理が困難である。
【0009】また、シランカップリング剤を用いたラミ
ネート接着剤の経時安定性のためには、各成分毎に保管
して使用直前に各成分を配合すればよい。しかし、保管
の場所や、各成分の配合に手間がかかり、せめて二成分
としてのラミネート接着剤の要望が出されていた。
【0010】本発明は、ポットライフが長く、かつ、エ
ージングが短いという相反する性能を有し、更に貯蔵安
定性に優れ、長期間の在庫に耐えうる、生産性、作業性
に優れた非水系ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂及
び非水系ラミネート接着剤を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な従来の問題点を解決するために鋭意検討した結果、主
剤分子鎖に三級アミノ基及び活性水素基を含有するポリ
ウレタン樹脂を用いた非水系ラミネート接着剤が上記の
課題を解決できることをを見いだし、本発明を完成する
に至った。
【0012】すなわち本発明は、以下の(1)〜(3)
に示されるものである。 (1) 式(1)〜式(4)から選択される化合物を含
有する活性水素基含有化合物と、有機ポリイソシアネー
トを、活性水素基過剰の条件で反応させて得られる三級
アミノ基含有ポリウレタン樹脂(A)を用いた非水系ラ
ミネート接着剤用ポリウレタン樹脂組成物であって、
(A)の三級アミノ基含有量及びカルボン酸含有量が
0.001〜1mmol/gであることを特徴とする前
記非水系ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂組成物。
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】(2) 前記(1)のポリウレタン樹脂組
成物とポリイソシアネート硬化剤を用いた非水系ラミネ
ート接着剤であって、系中の全活性水素基のモル数と全
イソシアネート基のモル数との比が、1:20〜20:
1である前記非水系ラミネート接着剤。
【0018】(3) 前記(2)の非水系ラミネート接
着剤であって、ポリイソシアネート硬化剤が、式(5)
で示されるシランカップリング剤を含有するものである
ことを特徴とする前記接着剤。
【0019】
【化10】
【0020】
【発明の実施の形態】まず、本発明において必須成分で
ある三級アミノ基含有ポリウレタン樹脂(A)について
述べる。ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂には、基
材に用いられる多種多様なプラスチックフィルムや金属
箔に対する接着性が求められ、また、ラミネートフィル
ムには、屈曲性、耐寒性、耐熱性等が求められている。
【0021】(A)は、三級アミノ基及び活性水素基含
有化合物を含む活性水素基含有化合物と有機ポリイソシ
アネートを活性水素基過剰の条件で反応させて得られ
る。
【0022】(A)は、活性水素基過剰の条件で反応さ
せて得られるため、(A)は分子末端に活性水素基を有
することになる。(A)中の活性水素基は、樹脂の分子
に平均して1個以上、好ましくは2個以上有するもので
ある。活性水素基が存在しない場合は、ポリイソシアネ
ート硬化剤と反応する部位がないため、接着強度等が低
下する。
【0023】(A)は、三級アミノ基を有することが必
須であり、(A)の三級アミノ基含有量は0.001〜
1mmol/gであり、好ましくは0.01〜0.9m
mol/g、更に好ましくは0.03〜0.8mmol
/gである。三級アミノ基含有量が下限未満の場合は、
貼り合わせ後のエージングが長時間になりやすい。ま
た、上限を越える場合は、硬化剤配合後のポットライフ
が短くなりやすい。
【0024】(A)の数平均分子量は、3,000〜6
0,000、特に5,000〜40,000であること
が好ましい。数平均分子量が下限未満の場合は、接着強
度が不十分となりやすい。また、上限を越える場合は、
接着剤塗布工程において、接着剤の粘度が高くなりやす
いため、作業性が低下しやすい。
【0025】本発明におけるポリウレタン樹脂組成物が
有機溶剤の溶液状態の場合においては、固形分は10〜
90質量%が好ましく、更には15〜85質量%がより
好ましい。また、25℃における粘度は10,000m
Pa・s以下が好ましく、更には8,000mPa・s
以下がより好ましい。
【0026】本発明におけるポリウレタン樹脂を構成す
る活性水素基含有化合物は、式(1)〜(4)で示され
る化合物、数平均分子量300〜10,000の(本質
的には三級アミノ基を含まない)いわゆる高分子ポリオ
ール、(数平均)分子量300未満の(本質的には三級
アミノ基を含まない)鎖延長剤、と称されるものがあ
る。
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
【0030】
【化14】
【0031】式(1)で示される化合物としては、N−
メチル−N,N−ジメチロールアミン、N−エチル−
N,N−ジメチロールアミン、N−プロピル−N,N−
ジメチロールアミン、N−フェニル−N,N−ジメチロ
ールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミ
ン、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン、N−プ
ロピル−N,N−ジエタノールアミン、N−フェニル−
N,N−ジエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジ
プロパノールアミン、N−エチル−N,N−ジプロパノ
ールアミン、N−プロピル−N,N−ジプロパノールア
ミン、N−フェニル−N,N−ジプロパノールアミン等
が挙げられる。本発明で好ましいものは、式(1)にお
いて、R1 が炭素数1〜6のアルキル基であり、R2
びR3 が炭素数1〜6のアルキレン基である化合物であ
る。
【0032】式(2)で示される化合物としては、式
(1)で示される化合物に、ε−カプロラクトンやγ−
バレロラクトン等の環状エステルや、エチレンオキサイ
ドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを
付加させた化合物が挙げられる。本発明で好ましいもの
は、式(2)において、R1 が炭素数1〜6のアルキル
基であり、R2 及びR3 が炭素数1〜6のアルキレン基
であり、R4 及びR5 が一般式:−R−CO−(R:炭
素数1〜10のアルキレン基)で示される化合物であ
る。また、好ましい数平均分子量は500〜5,000
である。
【0033】式(3)で示される化合物としては、2−
(N,N−ジメチルアミノ)−1,3−プロパンジオー
ル、2−(N,N−ジエチルアミノ)−1,3−プロパ
ンジオール、2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−
1,3−プロパンジオール、5−(N,N−ジメチルア
ミノベンゼン)−1,3−ジメタノール、2−(N,N
−ジメチルアミノメチル)−1,3−プロパンジオール
等が挙げられる。本発明で好ましいものは、式(3)に
おいて、R6 が炭素数1〜6の3価の飽和脂肪族炭化水
素基であり、R7 及びR8 が炭素数1〜6のアルキル基
である化合物である。
【0034】式(4)で示される化合物としては、式
(3)で示される化合物に、ε−カプロラクトンやγ−
バレロラクトン等の環状エステルや、エチレンオキサイ
ドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを
付加させた化合物が挙げられる。本発明で好ましいもの
は、式(4)において、R6 が炭素数1〜6の3価の飽
和脂肪族炭化水素基であり、R7 及びR8 が炭素数1〜
6のアルキル基であり、R9 及びR10が一般式:−R−
CO−(R:炭素数1〜10のアルキレン基)で示され
る化合物である。また、好ましい数平均分子量は500
〜5,000である。
【0035】いわゆる高分子ポリオールには、ポリエス
テルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリ
カーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポ
リオレフィンポリオール、動植物系ポリオール、又はこ
れらのコポリオール等が挙げられる。これらの高分子ポ
リオールは単独で、又は2種以上混合して使用してもよ
い。高分子ポリオールの数平均分子量は300〜10,
000が好ましく、特に500〜5,000が好まし
い。
【0036】ポリエステルポリオール、ポリエステルア
ミドポリオールとしては公知のコハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキ
サヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカル
ボン酸、酸エステル、又は酸無水物等の1種以上と、エ
チレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3
−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジ
オール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジエチル−
1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチ
ル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エ
チレングリコール、2−n−エイコサン−1,2−エチ
レングリコール、2−n−オクタコサン−1,2−エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、あ
るいはビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロ
ピレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノールA、
3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒド
ロキシ−2,2−ジメチルプロピオネート、トリメチロ
ールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の
低分子ポリオール類の1種以上との脱水縮合反応で得ら
れるものが挙げられる。また、低分子ポリオールを開始
剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等
の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得ら
れるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0037】ポリカーボネートポリオールとしては、前
述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子
ポリオールと、ジエチレンカーボネート、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネ
ート等との脱アルコール反応、脱フェノール反応等で得
られるものが挙げられる。
【0038】ポリエーテルポリオールとしては、前述の
ポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオー
ル、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコールを開始
剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール等、及びこれらを共重合し
たポリエーテルポリオール、更に、前述のポリエステル
ポリオール、ポリカーボネートポリオールを開始剤とし
たポリエステルエーテルポリオールが挙げられる。
【0039】ポリオレフィンポリオールとしては、水酸
基含有ポリブタジエン、水素添加した水酸基含有ポリブ
タジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素添加した水
酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピ
レン、水酸基含有塩素化ポリエチレン等が挙げられる。
【0040】動植物系ポリオールには、ヒマシ油系ポリ
オール、絹フィブロイン等が挙げられる。
【0041】なお、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルア
ルコール、ロジン樹脂等は、一般にポリウレタン工業に
おいて公知のもので、活性水素基等のイソシアネート基
と反応しうる官能基を1個以上好ましくは2個以上含有
するものであれば、活性水素基含有化合物の全部又は一
部として使用することができる。
【0042】基材フィルムとの接着性能を考慮した場
合、高分子ポリオールにテレフタル酸、イソフタル酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸を用いたポリエ
ステルポリオールが好適である。
【0043】鎖延長剤としては、前記のポリエステルポ
リオールの原料である低分子ポリオール類、水、尿素等
が挙げられる。
【0044】本発明におけるポリウレタン樹脂を構成す
る有機ポリイソシアネートとしては、1種又は2種以上
のポリイソシアネートモノマーの他に、そのポリメリッ
ク体を含むポリイソシアネート化合物等が挙げられ、例
えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−ト
リレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシ
アネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル
−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニル
プロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジ
メチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイ
ソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネー
ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′
−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート
等の芳香族ジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチ
レンポリイソシアネート、クルードトリレンジイソシア
ネート等の芳香族ポリイソシアネート、テトラメチレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加
キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタン
ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネ
ート等の脂環族ジイソシアネート等のジイソシアネー
ト、及び前記イソシアネートのビウレット体、ダイマー
体、トリマー体、ダイマー・トリマー体、ウレトンイミ
ン変性体や、2官能以上のポリオール等と前記のイソシ
アネートあるいはそのポリメリック体との反応で得られ
るポリイソシアネートのアダクト体が適当である。
【0045】(A)を製造する際の反応装置としては、
上記の反応が達成できればいかなる装置でも良く、例え
ば、攪拌装置の付いた反応釜やニーダー、一軸又は多軸
押し出し反応機等の混合混練装置が挙げられる。反応を
早く進めるため、触媒として、ポリウレタンやポリウレ
アの製造において常用されるジブチル錫ジラウレート等
の金属触媒やトリエチルアミン等の三級アミン触媒を用
いることもできる。
【0046】本発明に使用するポリウレタン樹脂組成物
の形態は、非水系すなわちノンソルベント状態や有機溶
剤の溶液状態で用いられる。本発明で好ましいのは、有
機溶剤の溶液状態である。水系ポリウレタン樹脂を用い
た接着剤は、接着剤塗布時における基材への濡れ性不
良、接着剤乾燥時における多量の熱エネルギーが必要、
等の点から好ましくない。
【0047】本発明において、好ましい有機溶剤として
は、イソシアネート基に対して不活性なものであれば特
に制限はなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン系溶剤、エチレングリコールエチルエーテルアセテ
ート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテー
ト、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコー
ルエーテルエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、フルフラ
ール等の極性溶剤の1種又は2種以上を使用して、好ま
しくは100℃以下で、上記の配合条件範囲で各成分を
均一に混合し反応させて製造することができる。
【0048】本発明におけるポリウレタン樹脂組成物
(A)は、必要に応じて、顔料、染料、溶剤、揺変剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、
界面活性剤、防かび剤、抗菌剤、防腐剤、触媒、充填剤
等の添加剤を添加することができる。
【0049】更に本発明には、三級アミノ基含有ポリウ
レタン樹脂(A)を含有する樹脂組成物を主成分とする
主剤、及びポリイソシアネート硬化剤を用いた非水ラミ
ネート接着剤がある。
【0050】ポリイソシアネート硬化剤における有機ポ
リイソシアネートとしては、前述の(A)を製造するの
に用いられるものが挙げられる。好ましい有機ポリイソ
シアネートとしては、日本ポリウレタン工業(株)製の
コロネート(登録商標)−L、−3041、−HL、−
HX、アクアネート(登録商標)−100、−110、
−200、−210等の変性ポリイソシアネートが挙げ
られる。特に好ましい有機ポリイソシアネートは、ヘキ
サメチレンジイソシアネートから誘導されるタイプのも
のであり、日本ポリウレタン工業の商品では、コロネー
トHL、HX、アクアネートシリーズ等である。
【0051】本発明の非水系ラミネート接着剤は、前述
の三級アミノ基含有ポリウレタン樹脂(A)とポリイソ
シアネート硬化剤を配合したものであり、その配合比
は、系中の全活性水素基のモル数と全イソシアネート基
のモル数との比が1:20〜20:1となる量が好まし
く、更には1:15〜15:1がより好ましい。配合比
がこの範囲外の場合は、接着強度が発現しにくい。
【0052】本発明の非水ラミネート接着剤は、更にポ
リイソシアネート硬化剤に、式(5)で示されるシラン
カップリング剤を含有させると、レトルト後の接着強度
も十分となるので、より好ましくなる。
【0053】
【化15】
【0054】このようなシランカップリング剤として
は、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ
−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン等が挙げら
れる。
【0055】このシランカップリング剤は、官能基とし
て−NCOとSi−OR(Rはメチル基又はエチル基)
であるため、通常の保管条件下ではイソシアネート基末
端プレポリマーと反応する部分がない。このため、本発
明における硬化剤は、経時安定性が良好なものである。
【0056】ポリイソシアネート硬化剤における、シラ
ンカップリング剤の添加量は、有機ポリイソシアネート
に対して0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜8
質量%である。シランカップリング剤の添加量が少なす
ぎる場合は、接着性向上の効果があまり見られない場合
がある。多すぎる場合は、粘着性が低下して、ラミネー
ト接着時の作業性が低下する場合がある。ここに示され
た添加量は、カップリング剤の基材フィルム被覆面積と
被覆効率及び接着性能等を考慮した上で算出されたもの
である。
【0057】本発明の非水系ラミネート接着剤は、延伸
ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ナイロン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコ
ール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリスチ
レン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩
化ビニル等のプラスチックフィルム、アルミニウム、銅
等の金属箔、紙等、及びこれらにポリマーコーティン
グ、アルミナ蒸着、シリカ蒸着等を施したフィルム等の
ラミネートフィルムを得るのに最適である。これらのフ
ィルムは、ラミネートを行う前にコロナ放電処理等の適
切な表面処理を行うことが接着力を向上させるうえで好
ましい。
【0058】本発明の非水系ラミネート接着剤の貼り合
わせ条件は、10〜180℃で0.1〜1MPaが好ま
しく、特に20〜150℃で0.2〜0.8MPaが好
ましい。
【0059】本発明のラミネート接着剤は、ドライラミ
ネーション、ホットメルトラミネーション、エクストル
ージョンラミネーション等公知のラミネート方法にて用
いることが可能である。そしてラミネートされたフィル
ムは、エージングすること硬化反応を完了することが可
能である。このような方法により、2枚のフィルムがラ
ミネートされたフィルムだけでなく、3枚以上のフィル
ムがラミネートされたものも製造することができる。
【0060】本発明の非水系ラミネート接着剤のラミネ
ート後のエージング条件は、20〜70℃で10〜60
時間、好ましくは25〜50℃で50時間で、硬化反応
が完了する。なお、従来のラミネート接着剤におけるエ
ージングは、このような温度条件で72時間以上要して
いた。
【0061】
【実施例】次に、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例により限定して解釈される
ものではない。特に断りのない限り、実施例及び比較例
中の「%」は「質量%」を意味する。
【0062】[ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂組
成物の製造] 実施例1 攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた、容
量:2Lの反応器に、ポリオールAを400g、ポリオ
ールBを50g、酢酸エチルを333g仕込み、60℃
にて溶解させた。次いでMDIを50g、DOTDLを
0.1g仕込み、70℃で4時間反応させた。赤外線吸
光分析のイソシアネート基の吸収ピークが消失したとこ
ろで、更に酢酸エチルを167g加えて希釈してポリウ
レタン樹脂溶液PU−1を得た。
【0063】実施例2 実施例1と同様な反応器に、ポリオールAを463g、
MDEAを0.3g、酢酸エチルを125g仕込み、6
0℃にて溶解させた。次いでHDIを36g、DOTD
Lを0.1g仕込み、70℃で5時間反応させた。赤外
線吸光分析のイソシアネート基の吸収ピークが消失した
ところで、酢酸エチルを375g加えて希釈して、ポリ
ウレタン樹脂溶液PU−2を得た。
【0064】実施例3 実施例1と同様な反応器に、ポリオールAを457g、
MDEAを2.4g、酢酸エチルを125g仕込み、6
0℃にて溶解させた。次いでHDIを41g、DOTD
Lを0.1g仕込み、70℃で5時間反応させた。赤外
線吸光分析のイソシアネート基の吸収ピークが消失した
ところで、更に酢酸エチルを375g加えて希釈してポ
リウレタン樹脂溶液PU−3を得た。
【0065】実施例4 実施例1と同様な反応器に、ポリオールAを458g、
MDEAを3.0g、酢酸エチルを125g仕込み、6
0℃にて溶解させた。次いでHDIを39g、DOTD
Lを0.1g仕込み、70℃で5時間反応させた。赤外
線吸光分析のイソシアネート基の吸収ピークが消失した
ところで、更に酢酸エチルを375g加えて希釈して、
ポリウレタン樹脂溶液PU−4を得た。
【0066】実施例5 実施例1と同様な反応器に、ポリオールAを370g、
MDEAを48g、酢酸エチルを333g仕込み、60
℃にて溶解させた。次いでTDIを82g、DOTDL
を0.1g仕込み、70℃で5時間反応させた。赤外線
吸光分析のイソシアネート基の吸収ピークが消失したと
ころで、更に酢酸エチルを167g加えて希釈してポリ
ウレタン樹脂溶液PU−5を得た。
【0067】実施例6 実施例1と同様な反応器に、ポリオールAを443g、
DEAPDを4.4g、酢酸エチルを125g仕込み、
60℃にて溶解させた。次いでIPDIを52g、DO
TDLを0.1g仕込み、70℃で8時間反応させた。
赤外線吸光分析のイソシアネート基の吸収ピークが消失
したところで、更に酢酸エチルを375g加えて希釈し
てポリウレタン樹脂溶液PU−6を得た。
【0068】実施例7 実施例1と同様な反応器に、ポリオールAを400g、
ポリオールCを50g、酢酸エチルを333g仕込み、
60℃にて溶解させた。次いでMDIを50g、DOT
DLを0.1g仕込み、70℃で4時間反応させた。赤
外線吸光分析のイソシアネート基の吸収ピークが消失し
たところで、更に酢酸エチルを167g加えて希釈して
ポリウレタン樹脂溶液PU−7を得た。
【0069】比較例1 実施例1と同様な反応器に、ポリオールAを449g、
酢酸エチルを333g仕込み、60℃にて溶解させた。
次いでMDIを48g、DOTDLを0.1g仕込み、
70℃で4時間反応させた。赤外線吸光分析のイソシア
ネート基の吸収ピークが消失したところで、更に酢酸エ
チルを167g加えて希釈し、A−1310を1.0
g、トリエチルアミンを2.5gを仕込んで、ポリウレ
タン樹脂溶液PU−8を得た。
【0070】比較例2 実施例1と同様な反応器に、ポリオールAを469g、
酢酸エチルを125g仕込み、60℃にて溶解させた。
次いでHDIを30g、DOTDLを0.1g仕込み、
70℃で5時間反応させた。赤外線吸光分析のイソシア
ネート基の吸収ピークが消失したところで、酢酸エチル
を375g加えて希釈して、ポリウレタン樹脂溶液PU
−9を得た。
【0071】比較例3 実施例1と同様な反応器に、ポリオールAを455g、
DMBAを5.3g、酢酸エチルを125g仕込み、6
0℃にて溶解させた。次いでHDIを37g、DOTD
Lを0.1g仕込み、70℃で8時間反応させた。赤外
線吸光分析のイソシアネート基の吸収ピークが消失した
ところで、更に酢酸エチルを375g加えて希釈した。
次いで50℃以下に冷却した後、TEAを0.7g加
え、40〜50℃で1時間中和反応させて、ポリウレタ
ン樹脂溶液PU−10を得た。
【0072】比較例4 実施例1と同様な反応器に、ポリオールAを278g、
MDEAを71g、酢酸エチルを125g仕込み、60
℃にて溶解させた。次いでMDIを148g、DOTD
Lを0.1g仕込み、70℃で4時間反応させた。赤外
線吸光分析のイソシアネート基の吸収ピークが消失した
ところで、更に酢酸エチルを375g加えて希釈し、A
−187を2.5g仕込んで、ポリウレタン樹脂溶液P
U−11を得た。
【0073】比較例5 実施例1と同様な反応器に、ポリオールAを459g、
MDEAを3.1g、酢酸エチルを125g仕込み、6
0℃にて溶解させた。次いでHDIを38g、DOTD
Lを0.1g仕込み、70℃で5時間反応させた。赤外
線吸光分析のイソシアネート基の吸収ピークが消失した
ところで、更に酢酸エチルを375g加えて希釈し、A
−187を0.4g仕込んでポリウレタン樹脂溶液PU
−12を得た。
【0074】実施例1〜7の仕込み、製造結果を表1
に、比較例1〜5の仕込み、製造結果を表2に示す。
【0075】[貯蔵安定性試験]PU−1〜12を20
0mlサンプルびんに入れて密封し、25℃恒温水槽に
24時間入れてから取り出して25℃×50%RH雰囲
気下でB型粘度計(芝浦システム製)にて測定した。測
定後再び密封し、40℃×3ヶ月貯蔵したあと、同様に
粘度を測定した。結果を表1、2に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】実施例1〜7、比較例1〜5、及び表1、
2において ポリオールA:エチレングリコール/ネオペンチルグリ
コール=1/1、セバシン酸/イソフタル酸=1/1
(各モル比)から得られるポリエステルジオール 数平均分子量=2,000 ポリオールB:N−メチル−N,N−ジエタノールアミ
ンにε−カプロラクトンを付加させた三級アミノ基含有
ラクトン系ポリオール 数平均分子量=1,000 ポリオールC:2−(N,N−ジエチルアミノ)−1,
3−プロパンジオールにε−カプロラクトンを付加させ
た三級アミノ基含有ラクトン系ポリオール 数平均分子量=1,000 MDEA :N−メチル−N,N−ジエタノールアミ
ン DEAPD :2−(N,N−ジエチルアミノ)−1,
3−プロパンジオール DMBA :2,2−ジメチロールブタン酸 TEA :トリエチルアミン MDI :4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート TDI :2,4−トリレンジイソシアネート IPDI :イソホロンジイソシアネート DOTDL :ジオクチルチンジラウレート A−187 :日本ユニカー製シランカップリング剤 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン A−1310:日本ユニカー製シランカップリング剤 γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン
【0079】実施例のポリウレタン樹脂溶液の全て粘度
保持率は、全て90〜100%であり、貯蔵安定性は良
好なものであると言える。しかし、比較例1、3のポリ
ウレタン樹脂溶液は粘度低下が大きいものであった。こ
れは、遊離の三級アミンによってポリウレタン樹脂が加
水分解されたものと考えられる。また、比較例5のポリ
ウレタン樹脂溶液は粘度増加が大きいものであった。こ
れは、シランカップリング剤が架橋反応したためと考え
られる。
【0080】〔接着試験〕 〔硬化剤配合〕表3に示す配合にて、硬化剤CA−1〜
6を調製した。調製した硬化剤を冷暗所にて1ヶ月保管
して、貯蔵安定性をみた。結果を表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】表3において C−HL :日本ポリウレタン工業製ポリイソシアネート ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト変性タイプ イソシアネート含量=12.8% 平均官能基数=約3 (商品名;コロネートHL 固形分=75%) C−L :日本ポリウレタン工業製ポリイソシアネート トリレンジイソシアネートのアダクト変性タイプ イソシアネート含量=13.2% 平均官能基数=約3 (商品名;コロネートL 固形分=75%) AQ−100:日本ポリウレタン工業製ポリイソシアネート ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性したポ リイソシアネートにノニオン性親水基を導入したタイプ イソシアネート含量=16.5% 平均官能基数=約3 (商品名;アクアネート−100 固形分=100%) A−187 :日本ユニカー製シランカップリング剤 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン A−1310:日本ユニカー製シランカップリング剤 γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン 貯蔵安定性 ○:粘度増加、外観不良等が確認されない ×:粘度増加、外観不良等が確認される。
【0083】表3より、エポキシ系シランカップリング
剤を添加したポリイソシアネート硬化剤の貯蔵安定性
は、よくないものであった。
【0084】実施例8〜14、比較例6、7 [接着剤配合]表4、5に示す割合でポリウレタン樹脂
溶液、ポリイソシアネート硬化剤、有機溶剤を配合し
て、ラミネート接着剤を調製した。なお、PU−8、1
0、12は、貯蔵安定性が良くなかったので、接着剤と
しての評価は行わなかった。
【0085】得られたラミネート接着剤の接着剤安定
性、硬化速度、接着強度、経時接着強度、レトルト後接
着強度を測定した。結果を表4、5に示す。
【0086】[接着剤安定性]ラミネート接着剤を25
℃×50%RH雰囲気で調製後、200mlサンプルび
んに入れて密封し、25℃恒温水槽に入れた。25℃恒
温水槽に1時間入れてから取り出して25℃×50%R
H雰囲気下でB型粘度計(芝浦システム製)にて測定し
た。この時の粘度を初期値とし、再度25℃恒温水槽に
入れた。初期値を測定した時間を開始時間として、それ
から一定経時時間後に同様に粘度を測定した。
【0087】[硬化速度]硬化速度は、赤外吸光度分析
(IR分析)において、2,240〜2,300cm-1
のピーク(イソシアネート基)と2,900〜2,96
0cm-1のピーク(メチレン基)とのピーク強度比を用
いて、以下の数式(1)、数式(2)からイソシアネー
ト基残存率を算出し評価した。ラミネート接着剤を25
℃×50%RH雰囲気で調製後、200mlサンプルび
んに入れて密封し、25℃恒温水槽に入れた。25℃恒
温水槽に1時間入れてから取り出して赤外吸光度分析
(IR分析)を行った。測定後、再度25℃恒温水槽に
入れ、それから一定経時時間後に同様にIR分析を行っ
た。
【0088】
【数1】
【0089】
【数2】
【0090】[経時接着強度]ラミネート接着剤、NY
フィルム(フィルム厚:15μm)、LLDPEフィル
ム(フィルム厚:130μm)をドライラミネーターに
セットした。ラミネート接着剤をグラビアロールにて、
塗布量がドライで3.5g/m2 になるようにNYフィ
ルムのコロナ処理面に塗布した。接着剤塗布後、80℃
の乾燥炉を通過させた後、80℃×0.3MPaのニッ
プロールにてLLDPEフィルムと貼り合わせてラミネ
ートフィルムを得た。なお、フィルム速度は50m/分
である。このラミネートフィルムを15mm幅にカット
して、T型剥離試験を行った。この時の接着強度を初期
値として、得られたラミネートフィルムを35℃でエー
ジングし、貼り合わせてから8時間後、48時間後にサ
ンプリングして、同様に接着強度を測定した。
【0091】[接着強度] [接着強度]ラミネート接着剤、NYフィルム(フィル
ム厚:15μm)、CPPフィルム(フィルム厚:70
μm)をドライラミネーターにセットした。ラミネート
接着剤をグラビアロールにて、塗布量がドライで3.5
g/m2 になるようにNYフィルムのコロナ処理面に塗
布した。接着剤塗布後、80℃の乾燥炉を通過させた
後、80℃×0.3MPaのニップロールにてCPPフ
ィルムと貼り合わせた。なお、フィルム速度は50m/
分である。ラミネート後、35℃×48時間エージング
して、ラミネートフィルムを得た。このラミネートフィ
ルムを15mm幅にカットしてT型剥離試験を行い、接
着強度(常態)を測定した。また、貼り合わせ後、35
℃で16時間エージングしたラミネートフィルムを25
cm×30cmの長方形にカットし、NY面を外側にし
て、180℃、0.3MPa、1秒の条件で、片短辺以
外の三方をヒートシールして袋を作り、この中にトマト
ケチャップ/サラダオイル/食酢=1/1/1(質量
比)の混合物を入れ、未シールの辺を180℃、0.3
MPa、1秒の条件でヒートシールした。これを120
℃、30分にてレトルト処理した後、ラミネートフィル
ムを15mm幅にカットしてT型剥離試験を行い、接着
強度(レトルト後)を測定した。
【0092】経時接着強度、接着強度のT型剥離試験の
剥離条件 引張速度:300mm/分、測定雰囲気:25℃、50
%RH
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】
【0095】表4、5において NY :コロナ処理延伸ナイロン 厚さ:15μm 商品名:N−1102(東洋紡製) LLDPE:コロナ処理未延伸低密度ポリエチレン 厚さ:130μm 商品名:TUX−FCS(東セロ製) CPP :コロナ処理未延伸ポリプロピレン 厚さ:70μm 商品名:RXC−11(東セロ製)
【0096】本発明のラミネート接着剤は、エージング
条件が35℃×48時間と従来の条件より短時間である
にもかかわらず、十分な接着強度が発現できた。その一
方、ポットライフは従来のものより長いものであった。
更に貯蔵安定性も良好であった。
【0097】一方、PU−9は三級アミンを導入してい
ないため、ポリイソシアネート硬化剤を配合した後の接
着剤安定性(ポットライフ)は十分であるが、硬化速度
は遅く、また各種接着強度も不十分であった。PU−1
1は三級アミノ基導入量が多すぎるため、硬化速度、各
種接着強度は十分であったが、ポットライフが不十分で
あった。
【0098】
【発明の効果】以上の説明から、本発明により、短いエ
ージング時間と長いポットライフの実現、及び良好な貯
蔵安定性という従来のラミネート接着剤では解決できな
かった問題を解決することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA02 BA03 BA08 CC01 CC05 CD01 DA01 DC50 DG22 DG23 HA01 HA02 HA07 HC03 HC12 HC22 HC61 HC64 KA01 KB02 KC17 KD04 KE02 MA17 RA08 4J040 EF051 EF281 HD32 HD36

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)〜式(4)から選択される化合
    物を含有する活性水素基含有化合物と、有機ポリイソシ
    アネートを、活性水素基過剰の条件で反応させて得られ
    る三級アミノ基含有ポリウレタン樹脂(A)を用いた非
    水系ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂組成物であっ
    て、 (A)の三級アミノ基含有量及びカルボン酸含有量が
    0.001〜1mmol/gであることを特徴とする前
    記非水系ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂組成物。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリウレタン樹脂組成
    物とポリイソシアネート硬化剤を用いた非水系ラミネー
    ト接着剤であって、系中の全活性水素基のモル数と全イ
    ソシアネート基のモル数との比が、1:20〜20:1
    である前記非水系ラミネート接着剤。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の非水系ラミネート接着
    剤であって、ポリイソシアネート硬化剤が、式(5)で
    示されるシランカップリング剤を含有するものであるこ
    とを特徴とする前記非水系ラミネート接着剤。 【化5】
JP2000073437A 2000-02-03 2000-03-16 非水系ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂組成物及びこれを用いた非水系ラミネート接着剤 Pending JP2001288447A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000073437A JP2001288447A (ja) 2000-02-03 2000-03-16 非水系ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂組成物及びこれを用いた非水系ラミネート接着剤
US10/608,418 US20040063892A1 (en) 2000-02-03 2003-06-30 Non-aqueous laminate adhesive

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-32695 2000-02-03
JP2000032695 2000-02-03
JP2000073437A JP2001288447A (ja) 2000-02-03 2000-03-16 非水系ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂組成物及びこれを用いた非水系ラミネート接着剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001288447A true JP2001288447A (ja) 2001-10-16

Family

ID=26585150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000073437A Pending JP2001288447A (ja) 2000-02-03 2000-03-16 非水系ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂組成物及びこれを用いた非水系ラミネート接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001288447A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011512433A (ja) * 2008-02-15 2011-04-21 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト 接着剤
US8940401B2 (en) 2011-06-10 2015-01-27 Resinate Technologies, Inc. Clear coatings acrylic coatings
US9458354B2 (en) 2010-10-06 2016-10-04 Resinate Technologies, Inc. Polyurethane dispersions and methods of making and using same
CN106903969A (zh) * 2016-05-10 2017-06-30 陶氏环球技术有限责任公司 用于形成包含包括胺引发的多元醇的双组分无溶剂胶粘剂组合物的层压体的方法
WO2018051956A1 (ja) * 2016-09-13 2018-03-22 日産化学工業株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子
WO2018058479A1 (en) * 2016-09-29 2018-04-05 Dic Corporation Adhesive, laminated film using the same and polyol composition for adhesive

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011512433A (ja) * 2008-02-15 2011-04-21 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト 接着剤
US9458354B2 (en) 2010-10-06 2016-10-04 Resinate Technologies, Inc. Polyurethane dispersions and methods of making and using same
US8940401B2 (en) 2011-06-10 2015-01-27 Resinate Technologies, Inc. Clear coatings acrylic coatings
CN106903969A (zh) * 2016-05-10 2017-06-30 陶氏环球技术有限责任公司 用于形成包含包括胺引发的多元醇的双组分无溶剂胶粘剂组合物的层压体的方法
WO2018051956A1 (ja) * 2016-09-13 2018-03-22 日産化学工業株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子
JPWO2018051956A1 (ja) * 2016-09-13 2019-06-27 日産化学株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子
JP7299557B2 (ja) 2016-09-13 2023-06-28 日産化学株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子
WO2018058479A1 (en) * 2016-09-29 2018-04-05 Dic Corporation Adhesive, laminated film using the same and polyol composition for adhesive
US11180685B2 (en) 2016-09-29 2021-11-23 Dic Corporation Adhesive, laminated film using thereof and polyol composition for adhesive
US11739242B2 (en) 2016-09-29 2023-08-29 Dic Corporation Adhesive, laminated film using thereof and polyol composition for adhesive

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2564239T3 (es) Composición de poliuretano soportada por disolvente
US7906607B2 (en) Isocyanate group-terminated urethane prepolymer, process for producing the same, and adhesive comprising the urethane prepolymer
JP4771276B2 (ja) ラミネート用接着剤
BR112012031630B1 (pt) adesivo de laminação sem solvente para laminações de acondicionamento fléxiveis e estruturas laminados feitas com o adesivo
JPH11131045A (ja) ラミネート用接着剤
JP4239214B2 (ja) ラミネートフィルムの製造方法
US6596819B2 (en) Polyisocyanate curing agent for laminate adhesive and process for production thereof
JPH10130615A (ja) ポリウレタン接着剤組成物
JP2001288447A (ja) 非水系ラミネート接着剤用ポリウレタン樹脂組成物及びこれを用いた非水系ラミネート接着剤
CN108977115A (zh) 一种水性聚氨酯压敏胶及其制备方法与应用
JP4560702B2 (ja) 印刷インクアンカーコート用接着剤組成物、多層複合フィルムおよび包装容器
US20030092868A1 (en) Non-aqueous laminate adhesive
JPH1161083A (ja) 2液硬化型ラミネート用接着剤、及びそれを用いたラミネートフィルムの製造方法
JP4078784B2 (ja) 非水系ラミネート接着剤
JP4061631B2 (ja) 非水系プライマー組成物
US20040063892A1 (en) Non-aqueous laminate adhesive
JPH08291279A (ja) ラミネート用接着剤組成物、および積層フイルムの製造方法
JPH09316423A (ja) ラミネート用接着剤組成物、およびそれを用いたラミネートフィルムの製造方法
JP3879112B2 (ja) ラミネート用接着剤及びラミネートフィルムの製造方法
JP2001262114A (ja) ラミネート接着剤用ポリイソシアネート硬化剤
CN113249080A (zh) 一种水分散型热熔胶及其制备方法
JP4178547B2 (ja) ラミネートフィルムの製造方法
JPH08269428A (ja) ラミネート用接着剤組成物と積層フィルムの製造方法
JP2019116009A (ja) 積層体
JPH0323585B2 (ja)