JP2001237651A - 電力増幅装置 - Google Patents

電力増幅装置

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JP2001237651A
JP2001237651A JP2000044879A JP2000044879A JP2001237651A JP 2001237651 A JP2001237651 A JP 2001237651A JP 2000044879 A JP2000044879 A JP 2000044879A JP 2000044879 A JP2000044879 A JP 2000044879A JP 2001237651 A JP2001237651 A JP 2001237651A
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Tsutomu Yoshikawa
力 吉川
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】送信周波数を変化させても、合成出力信号の相
互変調歪が悪化するのを防止でき、2つのトランジスタ
電力増幅回路の動作状態に大きな差異が生じないように
する。 【解決手段】レベル制御部5は、電力増幅器2a、2b
の相互変調歪が許容限界となる限界出力レベル、および
電力合成器4が最小損失で合成する2信号の合成特性を
予め記憶したメモリを有している。そして、出力レベル
検出器3a,3bによりそれぞれ検出される電力増幅器
2a,2bの出力レベルLa,Lbをそれぞれ受けて比
較し、前記メモリを参照して使用送信周波数における最
適出力レベルを設定し、電力増幅器2a,2bの可変減
衰器21a,21bに制御電圧をそれぞれ与えて減衰量
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電力増幅装置に関
し、特に入力信号を複数の電力増幅器に分配して増幅し
た後に合成し出力する広い周波数範囲で使用可能な電力
増幅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来のこの種の電力増幅装置を
示すブロック図である。入力信号を2分配する3dBハ
イブリッドの電力分配器1と、2分配された入力信号を
それぞれ電力増幅する電力増幅器11a,11bと、電
力分配器1と同一構成で電力増幅器11a,11bの出
力を合成する電力合成器4とで構成されている。
【0003】ここで、電力増幅器11a,11bは、入
力信号レベルを調整するための固定減衰器111a,1
11bと、電源Vcを供給されてABクラスで増幅動作
するトランジスタ電力増幅回路112a,112bと、
トランジスタ電力増幅回路の出力インピーダンスを一定
に保持し増幅動作を安定化させるためのアイソレータ1
13a,113bとをそれぞれ有している。
【0004】次に動作を説明する。
【0005】図示しない前段の電力増幅回路によって所
定レベルに増幅された入力信号S1は、電力分配器1に
より2分配され、電力増幅器11a,11bにそれぞれ
入力して電力増幅される。電力増幅器11a,11bに
それぞれ入力した信号は、固定減衰器111a,111
bによりレベル調整された後、ABクラスで増幅動作す
るトランジスタ電力増幅回路112a,112bによっ
て増幅され、アイソレータ113a,113bを介して
出力信号S2a,S2bとして出力される。電力増幅器
11a,11bの出力信号S2a,S2bは、電力合成
器4により合成されて合成出力信号S3として出力され
る。
【0006】ところで、電力分配器1によって2分配さ
れた信号レベルは、常に同じレベルで分配されるのでは
ない。また、分配される信号レベルは周波数によって変
化する。例えば、図5に示すように、送信周波数範囲
(300MHz〜900MHz)の中心周波数faにお
いて、電力増幅器11aに分配される信号レベルは、入
力信号レベルよりも3.5dBダウン(−3.5dB)
のレベルであり、他方の電力増幅器11bに分配される
信号レベルは、入力信号レベルよりも2.5dBダウン
(−2.5dB)のレベルである。また、送信周波数範
囲内で送信周波数を変化させたとき、分配される2つの
信号レベルは変化する。
【0007】従来は、送信周波数範囲のある周波数にお
いて、固定減衰器111a,111bにより2つのトラ
ンジスタ電力増幅回路の入力レベルを調整している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来例では、
2つのトランジスタ電力増幅回路の入力レベル調整は、
送信周波数範囲のある周波数において固定減衰器により
それぞれ行っている。
【0009】しかし、電力分配器の分配特性は、図6に
示したように、周波数によって変化するので、送信周波
数が変化したとき、2つのトランジスタ電力増幅回路の
入力信号レベルに大きな差異が生じてバランスがくず
れ、一方のトランジスタ電力増幅回路において非直線性
により相互変調歪が発生した場合、合成出力信号は2つ
のトランジスタ電力増幅回路の悪い方の相互変調歪の影
響を受けてしまうという問題点を有している。
【0010】また、2つのトランジスタ電力増幅回路の
入力信号レベルに大きな差異が生じることにより、2つ
のトランジスタ電力増幅回路の動作状態に差異が生じ、
消費電流にもばらつきが出て、一方のトランジスタ電力
増幅回路が過負荷状態となって発熱し信頼性が低下する
という問題点を有している。
【0011】本発明の目的は、送信周波数を変化させて
も、合成出力信号の相互変調歪が悪化するのを防止で
き、2つのトランジスタ電力増幅回路の動作状態に大き
な差異が生じないようにすることができるばかりでな
く、トランジスタ電力増幅回路の信頼性低下を防止でき
る電力増幅装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電力増幅装置
は、入力信号を2分配する電力分配器と、この電力分配
器により2分配された信号をそれぞれ電力増幅する同一
特性の2つの電力増幅器と、これら2つの電力増幅器の
出力レベルをそれぞれ検出する2つの出力レベル検出器
と、前記2つの電力増幅器の出力を合成する電力合成器
と、前記2つの出力レベル検出器により検出された出力
レベルに基づき前記2つの電力増幅器の入力側にそれぞ
れ設けられる可変減衰器を制御して前記2つの電力増幅
器の出力レベルをそれぞれ制御するレベル制御部とを備
え、このレベル制御部は、前記電力増幅器の相互変調歪
が許容限界となる限界出力レベルおよび前記電力合成器
が最小損失で合成できる合成特性を予め記憶したメモリ
を有し、前記2つの電力増幅器の出力レベルを比較し前
記メモリを参照して、前記2つの電力増幅器の出力レベ
ルが前記限界出力レベルを超えないように、且つ前記電
力合成器おいて最小損失で合成できる出力レベルとなる
ように前記可変減衰器をそれぞれ制御する。上記構成に
おいて、前記レベル制御部は、前記電力増幅器の相互変
調歪が許容限界となる限界出力レベルを予め記憶し、前
記2つの電力増幅器の出力レベルおよび前記限界出力レ
ベルを比較し、前記2つの電力増幅器の出力レベルが前
記限界出力レベルを超えないように、且つ、前記2つの
電力増幅器の出力レベルが同一となるように前記可変減
衰器をそれぞれ制御する。本発明の電力増幅装置は、入
力信号を2分配する電力分配器と、この電力分配器によ
り2分配された信号をそれぞれ電力増幅する同一特性の
2つの電力増幅器と、これら2つの電力増幅器の電流値
をそれぞれ検知する2つの電流センサと、前記2つの電
力増幅器の出力を合成する電力合成器と、前記2つの電
流センサにより検出された電流値に基づき前記2つの電
力増幅器の入力側にそれぞれ設けられる可変減衰器を制
御して前記2つの電力増幅器の出力レベルをそれぞれ制
御するレベル制御部とを備える。上記構成において、前
記レベル制御部は、前記電流値に対応する前記電力増幅
器の出力レベル値、前記電力増幅器の相互変調歪が許容
限界となる限界出力レベル値および前記電力合成器が最
小損失で合成できる合成特性を予め記憶したメモリを有
し、前記2つの電力増幅器の電流値を比較し前記メモリ
を参照して、前記2つの電力増幅器の出力レベルが前記
限界出力レベルを超えないように、且つ前記電力合成器
おいて最小損失で合成できる出力レベルとなるように前
記可変減衰器をそれぞれ制御する。また、前記レベル制
御部は、前記電力増幅器の相互変調歪が許容限界となる
ときの前記電力増幅器の限界電流値を予め記憶し、前記
2つの電力増幅器の電流値および前記限界電流値を比較
し、前記2つの電力増幅器の電流値が前記限界電流値を
超えないように、且つ、前記2つの電力増幅器の電流値
が同一となるように前記可変減衰器をそれぞれ制御す
る。本発明の電力増幅装置は、入力信号をn分配(nは
3以上の整数)する電力分配器と、この電力分配器によ
りn分配された信号をそれぞれ電力増幅する同一特性の
n個の電力増幅器と、これらn個の電力増幅器の出力レ
ベルをそれぞれ検出するn個の出力レベル検出器と、前
記n個の電力増幅器の出力を合成する電力合成器と、前
記n個の出力レベル検出器により検出された出力レベル
に基づき前記n個の電力増幅器の入力側にそれぞれ設け
られる可変減衰器を制御して前記n個の電力増幅器の出
力レベルをそれぞれ制御するレベル制御部とを備え、こ
のレベル制御部は、前記電力増幅器の相互変調歪が許容
限界となる限界出力レベルを予め記憶し、前記n個の電
力増幅器の出力レベルが前記限界出力レベルを超えない
ように、且つ、前記n個の電力増幅器の出力レベルが同
一となるように前記可変減衰器をそれぞれ制御する。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明について図面を参照し
て説明する。
【0014】図1は本発明の一実施形態を示すブロック
図であり、図5に示した従来例の構成要素と同じものに
は同一符号を付している。
【0015】図1において、入力信号S1を2分配する
3dBハイブリッドの電力分配器1と、2分配された信
号をそれぞれ電力増幅する電力増幅器2a,2bと、電
力増幅器2a,2bの出力レベルをそれぞれ検出する出
力レベル検出器3a,3bと、電力分配器1と同一構成
で電力増幅器2a,2bの出力を合成する電力合成器4
と、出力レベル検出器3a,3bの検出結果に基づき電
力増幅器2a,2bのレベル制御を行うレベル制御部5
とを備えている。
【0016】ここで、出力レベル検出器3a,3bは、
電力増幅器の出力信号の一部を分岐する方向性結合器お
よび分岐された信号を検波する検波ダイオードとをそれ
ぞれ有している。
【0017】また、電力増幅器2a,2bは、制御電圧
により制御可能なダイオードからなる可変減衰器21
a,21bと、電源Vcを供給されてABクラスで増幅
動作するトランジスタ電力増幅回路22a,22bと、
トランジスタ電力増幅回路の出力インピーダンスを一定
に保持して増幅動作を安定化させるためのアイソレータ
23a,23bとをそれぞれ有している。
【0018】次に動作を説明する。
【0019】図示しない前段の電力増幅回路によって所
定レベルに増幅された入力信号S1は、電力分配器1に
より2分配されて電力増幅器2a,2bにそれぞれ入力
し電力増幅される。電力増幅器2a,2bにそれぞれ入
力された信号S1a,S1bは、可変減衰器21a,2
1bによりそれぞれレベル調整された後、ABクラスで
増幅動作するトランジスタ電力増幅回路22a,22b
によってそれぞれ増幅され、アイソレータ23a,23
bを介して出力信号S2a,S2bとしてそれぞれ出力
される。電力増幅器2a,2bの出力信号S2a,S2
bは、出力レベル検出器3a,3bによりそれぞれ信号
レベルを検出され、電力合成器4により合成されて合成
出力信号S3として送出される。
【0020】ところで、図6に示したように、入力信号
S1が電力分配器1により2分配されるとき、2分配さ
れた信号のレベルは送信周波数範囲内において同じでは
なく、また周波数によっても変化する。
【0021】例えば、送信周波数が送信周波数範囲の中
心周波数faであり、入力信号Siのレベルが+33d
Bmであるとすれば、一方の電力増幅器2aには入力信
号よりも3.5dBダウンの+29.5dBmが分配さ
れ、他方の電力増幅器2bには入力信号よりも2.5d
Bダウンの+30.5dBmが分配される。よって、電
力増幅器2bに分配されるレベルは電力増幅器2aに分
配されるレベルよりも1dBだけ高いレベルとなる。
【0022】ここで、トランジスタ電力増幅回路22
a,22bの入出力特性が、図7に示すようになってい
るものとし、また、可変減衰器21a,21bの減衰量
が0であるとすれば、トランジスタ電力増幅回路22a
へ入力する信号レベルは+29.5dBmであり出力レ
ベルは+39.5dBmとなる。また、トランジスタ電
力増幅回路22bへ入力する信号レベルは+30.5d
Bmであり出力レベルは+40.5dBmとなる。
【0023】また、電力増幅器の出力レベルとトランジ
スタ電力増幅回路で発生する相互変調歪(IMD)との
関係が、例えば図8に示すように、出力レベルがある値
(ここでは+39.5dBm)を超えると急激に相互変
調歪が増大するものとする。なお、アイソレータ23
a,23bの通過損失は0.5dBとしている。また、
相互変調歪の程度を示す単位dBcとは、増幅回路の非
直線性によって発生する相互変調歪成分と本来の信号成
分とのレベル比をデシベル表示したものである。
【0024】さて、図8によれば、電力増幅器2aの出
力レベルは+39.0dBmであるので、トランジスタ
電力増幅回路22aでの相互変調歪は−37.5dBc
である。他方の電力増幅器2bの出力レベルは+40.
0dBmであるので、トランジスタ電力増幅回路22b
での相互変調歪は−32dBcとなり、トランジスタ電
力増幅回路22aの相互変調歪よりも大きくなる。
【0025】このような相互変調歪の異なる信号を合成
した場合、つまり、相互変調歪が−37.5dBcの信
号と−32dBcの信号とを合成した場合、合成出力信
号の相互変調歪は悪い方に引っ張られてほぼ−32dB
cとなる。
【0026】この場合、合成出力信号の相互変調歪を改
善するためには、トランジスタ電力増幅回路22bでの
相互変調歪を改善しなければならない。そこで、電力増
幅器2bの出力レベルを+40.0dBmから+39.
0dBmになるようにレベル調整すれば、電力増幅器2
a,2bの出力レベルは共に+39.5dBmとなり、
相互変調歪も共に−37.5dBcとなる。この場合の
合成出力信号S3の相互変調歪はほぼ−37.5dBc
となり、相互変調歪を改善できる。
【0027】ところで、電力合成器4は、電力分配器1
と同じ構成であり、電力分配器1の入力端と出力端とを
入れ替えただけである。従って、電力合成器4が最小損
失で合成する2信号のレベルは、図6に示したように、
電力分配器1の分配特性と同じになる。例えば、送信周
波数範囲の中心周波数faにおいては、電力合成器4の
一方の入力端に供給される電力増幅器2bの出力レベル
を他方の入力端に供給される電力増幅器2aの出力レベ
ルよりも1dBだけ高くしたときに、最小損失で合成で
きる。
【0028】例えば、送信周波数が送信周波数範囲の中
心周波数faの場合、電力増幅器2aの出力レベルは+
38.5dBmとし、電力増幅器2bの出力レベルは+
39.5dBmとすれば最小損失で合成できることにな
る。
【0029】従って、電力増幅器2a,2bの出力レベ
ルをそれぞれ検出し、電力増幅器2a,2bの出力レベ
ルをそれぞれ制御することによって、使用送信周波数が
変化しても、合成出力信号の相互変調歪が常に許容値を
超えることなく、且つ、電力合成器4おいて最小損失で
合成することができる。このようなレベル制御を行うた
めに、出力レベル検出器3a,3bおよびレベル制御部
5を設けている。
【0030】次にレベル制御部5の動作について説明す
る。
【0031】レベル制御部5は、電力増幅器の相互変調
歪が許容限界となる限界出力レベル、および電力合成器
4が最小損失で合成する2信号の合成特性を予め記憶し
たメモリを有している。そして、出力レベル検出器3
a,3bによりそれぞれ検出される電力増幅器2a,2
bの出力レベルLa,Lbをそれぞれ受けて比較し、メ
モリを参照して使用送信周波数における最適出力レベル
を設定し、電力増幅器2a,2bの可変減衰器21a,
21bに制御電圧をそれぞれ与えて減衰量を制御する。
【0032】図2はレベル制御部5の動作を示すフロー
チャートである。
【0033】ここで、電力増幅器2a,2bの相互変調
歪が許容限界となる限界出力レベルをLmとし、電力合
成器4の合成特性は図6に示したものとする。図2にお
いて、まず、出力レベル検出器3a,3bによりそれぞ
れ検出された電力増幅器2aの出力レベルLaと電力増
幅器2bの出力レベルLbとを比較する(ステップ10
1)。出力レベルLbが出力レベルLa以上であれば、
電力増幅器2bの出力レベルとしてLbを選定してLb
1=Lbとする(ステップ102)。また、出力レベル
Lbが出力レベルLaよりも低ければ、電力増幅器2b
の出力レベルとしてLaを選定してLb1=Laとする
(ステップ103)。
【0034】次に、電力増幅器の相互変調歪が許容限界
となる限界出力レベルLmとステップ101,102で
選定した出力レベルLb1とを比較し(ステップ10
4)、出力レベルLb1が限界出力レベルLm以下であ
れば、電力増幅器2bの出力レベルとしてLb1を選定
してLb2=Lb1とする(ステップ105)。また、
出力レベルLb1が限界出力レベルLmよりも高けれ
ば、電力増幅器2bの出力レベルとしてLmを選定して
Lb2=Lmとする(ステップ106)。
【0035】そして、メモリに予め記憶されている電力
合成器の合成特性を参照して、使用送信周波数における
電力増幅器2a,2bの出力レベル差ΔLを求める(ス
テップ107)。そして、電力増幅器2bの出力レベル
がLb2になるように可変減衰器21bを制御すると共
に、電力増幅器2aの出力レベルがLb2−ΔLになる
ように可変減衰器21aを制御する(ステップ10
8)。
【0036】このように可変減衰器21a,21bを制
御することにより、使用送信周波数が変化しても、合成
出力信号の相互変調歪が常に許容値を超えることなく、
且つ、電力合成器4おいて最小損失で合成することがで
きる。
【0037】なお、電力合成器4に同一レベルの信号を
供給して合成させた場合、合成損失は最小にはならない
が、損失差は僅かであるのでこれを無視すれば、トラン
ジスタ電力増幅回路22a,22bを同じ動作状態とす
ることができ、レベル制御部5の動作を簡素化できる。
すなわち、レベル制御部5は、電力増幅器2a,2bの
出力レベルが限界出力レベルLmを超えず、且つ同じ出
力レベルになるように可変減衰器21a,21bをそれ
ぞれ制御すればよい。また、この場合は、トランジスタ
電力増幅回路22a,22bは同じ状態で動作し、消費
電流や発熱量が等しくなるので冷却設計が容易になり、
従来のように一方が過負荷状態になることがなくなり、
トランジスタ電力増幅回路の信頼性を向上させることが
できる。
【0038】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。
【0039】図3は本発明の他の実施形態を示すブロッ
ク図であり、図1に示した構成要素と同じものには同一
符号を付している。また、図1に示したものとの相違点
は、電力増幅器2a,2bの相互変調歪の発生を検出す
る手段として、トランジスタ電力増幅回路22a,22
bの消費電流を検知するようにした点である。
【0040】図3において、入力信号S1を2分配する
3dBハイブリッドの電力分配器1と、2分配された入
力信号をそれぞれ電力増幅する電力増幅器2a,2b
と、電力増幅器2a,2bのトランジスタ電力増幅回路
の消費電流を検知する電流センサ6a,6bと、電力分
配器1と同一構成で電力増幅器2a,2bの出力を合成
する電力合成器4と、電流センサ6a,6bの検出結果
に基づき電力増幅器2a,2bのレベル制御を行うレベ
ル制御部7とを備えている。
【0041】また、電力増幅器2a,2bは、バイアス
電圧により減衰制御可能なダイオードからなる可変減衰
器21a,21bと、電源Vcを供給されてABクラス
で増幅動作するトランジスタ電力増幅回路22a,22
bと、トランジスタ電力増幅回路の出力インピーダンス
を一定に保持して増幅動作を安定化させるためのアイソ
レータ23a,23bとをそれぞれ有している。
【0042】ところで、トランジスタ電力増幅回路22
a,22bは電源Vcを供給されてABクラスで増幅動
作するので、供給電流値と出力信号レベルとは相関があ
り、従って、トランジスタ電力増幅回路において発生す
る相互変調歪と供給電流値とは相関がある。よって、ト
ランジスタ電力増幅回路22a,22bに供給される電
流値を電流センサ6a,6bにより検出することによ
り、電力増幅器2a,2bの出力レベルおよび相互変調
歪を検知できる。
【0043】次にレベル制御部7の動作について説明す
る。
【0044】レベル制御部7は、トランジスタ電力増幅
回路の電流値に対する電力増幅器の出力レベル、電力増
幅器の相互変調歪が許容限界となる限界出力レベル、お
よび電力合成器4が最小損失で合成する2信号の合成特
性を予め記憶したメモリを有し、電流センサ6a,6b
によりそれぞれ検出されるトランジスタ電力増幅回路2
2a,22bの電流値Ia,Ibをそれぞれ受けて、メ
モリを参照して使用送信周波数における最適電流値を設
定し、電流値Ia,Ibが最適電流値になるように、電
力増幅器2a,2bの可変減衰器21a,21bに制御
電圧をそれぞれ与えて減衰量を制御する。
【0045】また、電力合成器4に同一レベルの信号を
供給して合成させる場合は、電力増幅器の相互変調歪が
許容限界となるときのトランジスタ電力増幅回路の限界
電流値Imを予め記憶し、検出された電流値Ia,Ib
を比較し、電流値Ia,Ibが限界電流値Imを超え
ず、且つ同じ電流値となるように可変減衰器21a,2
1bをそれぞれ制御する。このようにしても、前述の実
施形態と同様の効果が得られる。
【0046】更に、本発明の他の実施形態について説明
する。
【0047】図4は本発明の他の実施形態を示すブロッ
ク図であり、図1に示した構成要素と同じものには同一
符号を付している。また、図1に示したものとの相違点
は、大きな合成出力を得るために、n個(nは3以上の
整数)の電力増幅器を接続した点である。
【0048】図4において、入力信号S1をn分配する
電力分配器8と、n分配された入力信号をそれぞれ電力
増幅する同じ特性のn個の電力増幅器2a,2b,…,
2nと、電力増幅器2a,2b,…,2nの出力レベル
をそれぞれ検出する出力レベル検出器3a,3b,…,
3nと、電力増幅器2a,2b,…,2nの出力を合成
する電力合成器9と、出力レベル検出器3a,3b,
…,3nの検出結果に基づき電力増幅器2a,2b,
…,2nのレベル制御を行うレベル制御部10とを備え
ている。
【0049】レベル制御部10は、電力増幅器の相互変
調歪が許容限界となる限界出力レベルLmを予め記憶
し、出力レベル検出器3a,3b,…,3nによりそれ
ぞれ検出される電力増幅器2a,2b,…,2nの出力
レベルLa,Lb,…,Lnをそれぞれ比較し、出力レ
ベルLa,Lb,…,Lnが限界出力レベルLmを超え
ず、且つ同じ出力レベルになるように可変減衰器21
a,21bをそれぞれ制御する。
【0050】このように構成することにより、使用送信
周波数が変化しても、合成出力信号の相互変調歪を常に
許容値内にすることができ、且つ、n個の電力増幅器の
トランジスタ電力増幅回路22a,22b,…,22n
を同じ状態で動作させることができ、トランジスタ電力
増幅回路の信頼性を向上させることができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、入
力信号を2分配して増幅した後に合成し出力する広帯域
の電力増幅装置において、2つの電力増幅器の出力レベ
ルをそれぞれ検知し、電力増幅器の相互変調歪が許容限
界となる限界出力レベルおよび電力合成器おいて最小損
失で合成できる出力レベルが予め記憶されたメモリを参
照して、2つの電力増幅器の最適出力レベルを設定し、
この最適出力レベルになるように、各電力増幅器のトラ
ンジスタ電力増幅回路に入力する信号レベルを制御する
ことにより、使用送信周波数が変化しても、合成出力信
号の相互変調歪が常に許容値を超えることなく、且つ、
電力合成器おいて最小損失で合成することができる。
【0052】また、複数の電力増幅器の出力レベルをそ
れぞれ検知し、複数の電力増幅器の出力レベルが同一、
且つ、相互変調歪が許容限界となる電力増幅器の限界出
力レベルを超えないように、各電力増幅器のトランジス
タ電力増幅回路に入力する信号レベルを制御することに
より、使用送信周波数が変化しても、合成出力信号の相
互変調歪が常に許容値を超えることなく、また複数の電
力増幅器のトランジスタ電力増幅回路を全て同じ状態で
動作させることができ、トランジスタ電力増幅回路の信
頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す図である。
【図2】図1に示したレベル制御部5の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図3】本発明の他の実施形態を示すブロック図であ
る。
【図4】本発明の他の実施形態を示すブロック図であ
る。
【図5】従来の電力増幅装置を示すブロック図である。
【図6】電力分配器1、電力合成器4の分配/合成特性
を示す図である。
【図7】トランジスタ電力増幅回路22の入出力特性を
示す図である。
【図8】電力増幅器の出力レベルとトランジスタ電力増
幅回路で発生する相互変調歪との関係を示す図である。
【符号の説明】
1,8 電力分配器 2,11 電力増幅器 3 出力レベル検出器 4,9 電力合成器 5,7,10 レベル制御部 6 電流センサ 21 可変減衰器 22 トランジスタ電力増幅回路
フロントページの続き Fターム(参考) 5J069 AA01 AA21 AA41 CA27 HA09 HA19 HA26 KA17 KA23 SA14 TA01 TA02 5J090 AA01 AA21 AA41 CA27 HA09 HA19 HA26 HN14 KA17 KA23 SA14 TA01 TA02 5J091 AA01 AA21 AA41 CA27 FP02 HA09 HA19 HA26 KA17 KA23 SA14 TA01 TA02 5J100 AA14 BB02 BB04 BB08 CA02 CA03 CA06 CA28 CA29 CA30 FA01 JA01 LA09 LA11 QA02 QA05 SA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を2分配する電力分配器と、こ
    の電力分配器により2分配された信号をそれぞれ電力増
    幅する同一特性の2つの電力増幅器と、これら2つの電
    力増幅器の出力レベルをそれぞれ検出する2つの出力レ
    ベル検出器と、前記2つの電力増幅器の出力を合成する
    電力合成器と、前記2つの出力レベル検出器により検出
    された出力レベルに基づき前記2つの電力増幅器の入力
    側にそれぞれ設けられる可変減衰器を制御して前記2つ
    の電力増幅器の出力レベルをそれぞれ制御するレベル制
    御部とを備え、このレベル制御部は、前記電力増幅器の
    相互変調歪が許容限界となる限界出力レベルおよび前記
    電力合成器が最小損失で合成できる合成特性を予め記憶
    したメモリを有し、前記2つの電力増幅器の出力レベル
    を比較し前記メモリを参照して、前記2つの電力増幅器
    の出力レベルが前記限界出力レベルを超えないように、
    且つ前記電力合成器おいて最小損失で合成できる出力レ
    ベルとなるように前記可変減衰器をそれぞれ制御するこ
    とを特徴とする電力増幅装置。
  2. 【請求項2】 前記レベル制御部は、前記電力増幅器の
    相互変調歪が許容限界となる限界出力レベルを予め記憶
    し、前記2つの電力増幅器の出力レベルおよび前記限界
    出力レベルを比較し、前記2つの電力増幅器の出力レベ
    ルが前記限界出力レベルを超えないように、且つ、前記
    2つの電力増幅器の出力レベルが同一となるように前記
    可変減衰器をそれぞれ制御することを特徴とする請求項
    1記載の電力増幅装置。
  3. 【請求項3】 入力信号を2分配する電力分配器と、こ
    の電力分配器により2分配された信号をそれぞれ電力増
    幅する同一特性の2つの電力増幅器と、これら2つの電
    力増幅器の電流値をそれぞれ検知する2つの電流センサ
    と、前記2つの電力増幅器の出力を合成する電力合成器
    と、前記2つの電流センサにより検出された電流値に基
    づき前記2つの電力増幅器の入力側にそれぞれ設けられ
    る可変減衰器を制御して前記2つの電力増幅器の出力レ
    ベルをそれぞれ制御するレベル制御部とを備えることを
    特徴とする電力増幅装置。
  4. 【請求項4】 前記レベル制御部は、前記電流値に対応
    する前記電力増幅器の出力レベル値、前記電力増幅器の
    相互変調歪が許容限界となる限界出力レベル値および前
    記電力合成器が最小損失で合成できる合成特性を予め記
    憶したメモリを有し、前記2つの電力増幅器の電流値を
    比較し前記メモリを参照して、前記2つの電力増幅器の
    出力レベルが前記限界出力レベルを超えないように、且
    つ前記電力合成器おいて最小損失で合成できる出力レベ
    ルとなるように前記可変減衰器をそれぞれ制御すること
    を特徴とする請求項3記載の電力増幅装置。
  5. 【請求項5】 前記レベル制御部は、前記電力増幅器の
    相互変調歪が許容限界となるときの前記電力増幅器の限
    界電流値を予め記憶し、前記2つの電力増幅器の電流値
    および前記限界電流値を比較し、前記2つの電力増幅器
    の電流値が前記限界電流値を超えないように、且つ、前
    記2つの電力増幅器の電流値が同一となるように前記可
    変減衰器をそれぞれ制御することを特徴とする請求項3
    記載の電力増幅装置。
  6. 【請求項6】 入力信号をn分配(nは3以上の整数)
    する電力分配器と、この電力分配器によりn分配された
    信号をそれぞれ電力増幅する同一特性のn個の電力増幅
    器と、これらn個の電力増幅器の出力レベルをそれぞれ
    検出するn個の出力レベル検出器と、前記n個の電力増
    幅器の出力を合成する電力合成器と、前記n個の出力レ
    ベル検出器により検出された出力レベルに基づき前記n
    個の電力増幅器の入力側にそれぞれ設けられる可変減衰
    器を制御して前記n個の電力増幅器の出力レベルをそれ
    ぞれ制御するレベル制御部とを備え、このレベル制御部
    は、前記電力増幅器の相互変調歪が許容限界となる限界
    出力レベルを予め記憶し、前記n個の電力増幅器の出力
    レベルが前記限界出力レベルを超えないように、且つ、
    前記n個の電力増幅器の出力レベルが同一となるように
    前記可変減衰器をそれぞれ制御することを特徴とする電
    力増幅装置。
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