JP2001237508A - 回路基板の製造方法 - Google Patents

回路基板の製造方法

Info

Publication number
JP2001237508A
JP2001237508A JP2000048082A JP2000048082A JP2001237508A JP 2001237508 A JP2001237508 A JP 2001237508A JP 2000048082 A JP2000048082 A JP 2000048082A JP 2000048082 A JP2000048082 A JP 2000048082A JP 2001237508 A JP2001237508 A JP 2001237508A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
metal plate
circuit board
sheet
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000048082A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4075268B2 (ja
Inventor
Daizo Baba
大三 馬場
Naohito Fukuya
直仁 福家
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2000048082A priority Critical patent/JP4075268B2/ja
Publication of JP2001237508A publication Critical patent/JP2001237508A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4075268B2 publication Critical patent/JP4075268B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insulated Metal Substrates For Printed Circuits (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機フィラーが高充填され、打抜き性が良好
で機械的強度等にも優れており、大面積の成形体から多
数個取りで回路基板を切り出す際にも薄型化が容易であ
り、大電流化も容易である高熱伝導性の回路基板の製造
方法を提供する。 【解決手段】 回路7が形成されている複数の回路部6
及び隣り合う回路部6間を仕切る枠部5によって構成さ
れた回路用金属板1と、回路用金属板1の回路部6に対
応する箇所に形成された開口9及び開口9間に形成され
た枠部5とで構成された開口部付金属板2と、樹脂組成
物をシート状に成形したシート状成形物3と、放熱板1
2を形成するための放熱用金属板4とを、回路用金属板
1の回路部6と開口付金属板2の開口9とを位置合わせ
して順次積層して一体成形する。この形成された成形体
16に回路用金属板1及び開口付金属板2の枠部5が配
置されている箇所において切断加工を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂に無機フィラ
ーが充填された絶縁層と、金属製リードフレームとから
形成され、高放熱性及び大電流化が容易となる回路基板
の製造方法に関し、特にパワーエレクトロニクス分野に
使用される回路基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高機能化、小型薄型化
の要求に伴い、半導体が高集積化され、これを高密度に
実装する為に、これらを実装する回路基板には高放熱性
を重視した設計が容易な事が要求されて来ている。
【0003】このような高放熱性の回路基板としては、
ガラス基材エポキシ樹脂積層板にて形成されるプリント
配線板に、発熱部品の搭載部位のみに放熱フィンを設け
た回路基板、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミッ
ク基板に銅板からなる回路を直接接合したいわゆるDB
C基板からなる回路基板、アルミニウム、銅等からなる
放熱板の両面又は片面に絶縁層を介して回路を形成した
回路基板等が提案されている。
【0004】このうち、放熱フィンをプリント配線板に
設けたのでは、嵩張り過ぎて、電子部品の小型薄型化に
対応できないものであり、またDBC基板からなる回路
基板では、基板の寸法がコストおよび機械的強度等の特
性面によって規制されて、非常に小さいものに限定され
てしまい、小型モジュールに限定されてしまうものであ
るため、アルミニウム、銅等からなる放熱板の両面又は
片面に絶縁層を介して回路を形成した回路基板による放
熱性の向上が図られることとなった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、回路の形成に
用いられる銅箔の厚みの上限は、一般的には105μm
程度であり、これより厚くなると、エッチング処理によ
って回路を形成することが困難となって、大電流化への
要望に対処しきれないものであった。
【0006】また、生産効率を向上させるために、放熱
板と絶縁層と回路層からなる大面積の成形体を作製する
と共にこの成形体を切断して複数の回路基板を切り出す
多数個取りの生産方法を採用すると、絶縁層の熱伝導性
を向上させるために混入されている無機フィラーが切断
用の治具に対して研磨材として働き、切断用の治具がす
ぐに摩耗してしまって、治具の交換頻度が高くなってし
まうといった問題や、大面積の成形体を成形する際に
は、絶縁層の厚みの制御が困難であり、特に絶縁層を薄
型化して電子部品の小型化を図ることが困難なものであ
った。
【0007】そこで、予め回路形成がなされている厚肉
のリードフレームと放熱板とを金型内に配置すると共に
金型を加熱して無機フィラーが充填されている熱可塑性
樹脂を射出することにより、リードフレームからなる回
路と熱可塑性樹脂からなる絶縁層を有する回路基板を形
成することも提案されているが、熱可塑性樹脂には無機
フィラーを高濃度で充填することが困難であるため、放
熱性の向上を行なうのは困難なものであった。
【0008】また、図8に示すように、放熱板12と、
無機フィラーが充填された熱硬化性樹脂のBステージ状
態のシート状成形物3と、リードフレーム22とを積層
し、金型23内で加熱加圧成形することにより、放熱板
12、絶縁層10及び回路7を積層成形して回路基板1
7を作製する方法も提案されているが、この場合は、シ
ート状成形物3の硬化物からなる絶縁層10を切断する
ことによる切断用の治具の摩耗を回避するために、回路
基板17を多数個取りで作製することができず、金型2
3内にて回路基板17を一つずつ作製しなければならな
いため、生産効率が低いものであった。
【0009】本発明は上記の様な問題点を解決する為に
なされたものであり、無機フィラーを高充填しているに
も関わらず、打抜き性が良好で機械的強度等にも優れて
おり、また大面積の成形体から多数個取りで回路基板を
切り出す際にも薄型化が容易であり、更に大電流化が容
易となり、結果として、低コスト化が可能となる、高熱
伝導性に優れた回路基板の製造方法を提供する事を目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
回路基板17の製造方法は、回路7が形成されている複
数の回路部6及び隣り合う回路部6間を仕切るように形
成された枠部5によって構成された回路用金属板1と、
回路用金属板1の回路部6に対応する箇所に形成された
開口9及び開口9間を仕切るように形成された枠部8と
で構成された開口付金属板2と、樹脂組成物をシート状
に成形したシート状成形物3と、放熱板12を形成する
ための放熱用金属板4とを、回路用金属板1の回路部6
と開口付金属板2の開口9とを位置合わせして順次積層
して一体成形した後、この形成された成形体16に回路
用金属板1及び開口付金属板2の枠部5、8が配置され
ている箇所において切断加工を施すことを特徴とするも
のである。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
の構成に加えて、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤及
び無機フィラーを含有すると共に無機フィラーの含有量
が70〜95質量%である樹脂組成物を溶剤に分散させ
て得られる樹脂ワニスをガラス不織布に含浸した後乾燥
することにより得られるプリプレグをシート状成形物3
として用いて成ることを特徴とするものである。
【0012】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
の構成に加えて、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤及
び無機フィラーを含有すると共に無機フィラーの含有量
が70〜95質量%である樹脂組成物を溶剤に分散させ
て得られる樹脂ワニスをフィルム上に塗布した後乾燥し
て得られる樹脂シートをシート状成形物3として用いて
成ることを特徴とするものである。
【0013】また請求項4に記載の発明は、請求項2又
は3の構成に加えて、無機フィラーとして、Al23
MgO、BN、AlN及びSiO2から選ばれた少なく
とも1種類のものを用いて成ることを特徴とするもので
ある。
【0014】また請求項5に記載の発明は、請求項1乃
至4のいずれかの構成に加えて、回路用金属板1の表面
に耐熱性及び離型性を有する被覆層18が装着された状
態で一体成形を行なうことを特徴とするものである。
【0015】また請求項6に記載の発明は、請求項1乃
至5のいずれかの構成に加えて、回路用金属板1、開口
付金属板2及び放熱用金属板4として、銅、アルミニウ
ム、鉄、これらの金属のうち少なくとも一種を含む合
金、複数種の金属材からなるクラッド材、及び複数種の
金属材からなる合金から選ばれた少なくとも1種類の材
質から形成されたものを用いることを特徴とするもので
ある。
【0016】また請求項7に記載の発明は、請求項1乃
至6のいずれかの構成に加えて、回路部6において回路
7と枠部5とを接続する接続リード30と回路7との境
界に溝部32(33)を凹設した後、接続リード30を
除去することを特徴とするものである。
【0017】また、請求項8に記載の発明は、請求項1
乃至7のいずれかの構成に加えて、放熱用金属板4とし
て、放熱フィン19を一体に形成したものを用いること
を特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0019】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、シアネート樹脂等を用いることができ、
これらを単独で、あるいは複数種を適宜併用して用いる
ことができる。これらの熱硬化性樹脂としては、臭素化
されたものやリン変成されたものを用いることが、難燃
性を付与することができて、好ましい。ここで難燃化さ
れた樹脂を用いずに、難燃剤を別途添加するようにする
と、耐熱性や機械的強度が低下するおそれがある。熱硬
化性樹脂の配合量は、5〜30質量%とすることが好ま
しい。
【0020】熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる
場合は、少なくとも一分子中に二個以上のエポキシ基を
持つものであれば特に限定されないが、例えばo−クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂に代表されるノボラッ
ク型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹
脂、2官能のビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、3官能
のトリフェニルメタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらを単独で用いても、2種類以上を併用してもよ
い。
【0021】また、本発明におけるシート状成形物3を
成形加工する際に、その溶融粘度が低いと成形時の圧力
が充分に伝わらず、硬化物にボイドが残る場合がある。
そこで、樹脂組成物として高分子量のエポキシ樹脂を併
用することが好ましく、具体的には、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂の単独重合物であるフェノキシ樹脂を用
いることが好ましい。また、このフェノキシ樹脂の重量
平均分子量は、上記の目的を達成するためには、300
00以上のものが好ましく、更に、フェノキシ樹脂を併
用する量はエポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤等の熱硬
化性樹脂の全体量に対して、1〜80質量%が好まし
い。より好ましくは、重量平均分子量が30000〜6
0000のフェノキシ樹脂を熱硬化性樹脂の全体量に対
して3〜20質量%併用するようにする。
【0022】エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えばフ
ェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、
シクロペンタジエン、フェノール重合体、ナフタレン型
フェノール樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF
等のビスフェノール類等のような、少なくとも一分子中
に2個以上のフェノール性水酸基を持つフェノール系樹
脂が挙げられる。またジシアンジアミドや、ジアミノジ
フェニルメタン、トリエチレンテトラミン、BF3−モ
ノエチルアミン等のアミン系硬化剤や、イミダゾール類
や、酸無水物系硬化剤等を用いることもできる。これら
の硬化剤は、単独で用いても、2種類以上を併用しても
よい。硬化剤の総量の配合量は、通常、エポキシ熱硬化
性樹脂に対して、当量比で0.3〜1.5の範囲で配合
される。
【0023】また、硬化促進剤としては、一般に使用さ
れる硬化促進剤を用いることができ、例えば、1,8ジ
アザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、1,5
−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5などの環
式アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイ
ミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなど
のイミダゾール類、トリフェニルホスフィンなどの有機
ホスフィン類などが挙げられる。硬化促進剤の配合量は
0.01〜1質量%の範囲とすることが好ましい。
【0024】また、硬化促進剤としては、下記式(1)
で示すホスフィン系化合物であるテトラフェニルホスフ
ォニウムテトラフェニルボレート(以下、TPPKと略
称する)を、少なくとも一分子中に二個以上のフェノー
ル性水酸基を持つフェノキシ化合物(フェノール樹脂も
含む)と反応させた反応物を用いることもできる。硬化
促進剤用のフェノール化合物としては、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールE等のビスフェ
ノール類、トリ(4−ヒドロキシフェニル)メタン等の
3官能フェノール類、フェノールノボラック化合物(フ
ェノールノボラック樹脂)等が挙げられる。
【0025】
【化1】
【0026】これらの中でも下記の式(2)に示すフェ
ノールノボラック化合物(フェノールノボラック樹脂)
が好ましく、さらに、軟化温度が80℃以下で、且つ3
核体(n=1のもの)の含有量が45質量%以上で、4
核体以上のもの(n=2以上のもの)の含有率が40質
量%以下であるフェノールノボラック化合物が特に好ま
しい。軟化温度が80℃を超えるフェノールノボラック
化合物、又はn=1のものが45質量%未満のフェノー
ルノボラック化合物、又はn=2以上のものが40質量
%を超えるフェノールノボラック化合物を用いると、T
PPKとの反応物(硬化促進剤)の軟化温度が高くな
り、さらにアセトン、メチルエチルケトンなどの溶剤に
溶解しにくくなり、実用的ではない。尚、本発明のフェ
ノールノボラック化合物の軟化温度は低いほど好ましい
ので、特に下限は設定されないが、入手可能なものとし
ては軟化温度が50℃のものである。また、本発明のフ
ェノールノボラック化合物において3核体が多いほど好
ましいので、特に上限は設定されないが、入手可能なも
のとしては3核体が100質量%以下のものである。さ
らに、本発明のフェノールノボラック化合物において4
核体が少ないほど好ましいので、特に下限は設定されな
い。
【0027】
【化2】
【0028】上記の硬化促進剤を生成するにあたって
は、フェノール化合物100質量部に対してTPPKを
50質量部以下、好ましくは、フェノール化合物100
質量部に対してTPPKを5〜40質量部の割合で混合
し、フェノール化合物とTPPKを反応容器内で160
〜200℃の範囲で加熱しながら1〜5時間撹拌してフ
ェノール化合物とTPPKを反応させるようにする。反
応の終点は、撹拌初期においてTPPKが溶融樹脂(フ
ェノール化合物)に溶解せずに白濁しているが、1〜5
時間の撹拌の間に全体がほぼ均一な透明になる。この時
点が反応終点と判断することができる。反応終了後、均
一な樹脂溶融物を反応容器から取り出して冷却すること
により固形の硬化促進剤のマスターバッチ(混合物)を
形成することができる。そしてこの反応物をエポキシ樹
脂とフェノール系樹脂である硬化剤との硬化触媒(硬化
促進剤)に用いると、樹脂組成物及びシート状成形物3
の作製における有機溶剤を乾燥する工程で、乾燥温度が
60〜90℃であってもBステージ化が急激に進まなく
なって乾燥後の樹脂組成物及びシート状成形物3が可撓
性を有するものとなり、かつ乾燥後の樹脂組成物及びシ
ート状成形物3が短時間で硬化することが可能となるの
である。
【0029】フェノール化合物100質量部に対してT
PPKが5質量部未満であると、生産性(反応性)が乏
しくなり、硬化剤としてフェノール系樹脂以外の硬化剤
を使用する時などにおいて、フェノール系樹脂が必要以
上に混合される恐れがある。一方、フェノールノボラッ
ク化合物100質量部に対してTPPKが40質量部を
超えると、反応物の軟化温度が大幅に上がり、同時に溶
融粘度が上昇して樹脂組成物の調製時の混練操作におい
て他の成分と均一に混合することが難しくなる恐れがあ
る。
【0030】無機フィラーとしては、Al23、Mg
O、BN、AlN、SiO2等から選ばれた少なくとも
1種類のものを用いることが好ましい。これらの無機フ
ィラーは熱伝導性に優れ、更に粒度分布に自由度がある
ため、高充填化するための粒度設計が容易なものであ
る。この無機フィラーの配合量は、70〜95質量%の
範囲とするものである。配合量がこの範囲に満たないと
硬化物に充分な熱伝導性を付与することが困難となった
り、硬化物の吸湿量が大きくなって線膨張率が大きくな
ったりするおそれがあり、逆に配合量がこの範囲を超え
ると無機フィラーを熱硬化性樹脂と均一に混合すること
が困難となるおそれがある。この無機フィラーとして
は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等の
シランカップリング剤にて表面処理を施したり、あるい
は分散剤等を添加したりして、樹脂ワニス中への分散性
を向上させることが好ましい。
【0031】上記のような各成分から構成される樹脂組
成物を、溶剤に分散させることによりスラリー状の樹脂
ワニスを得ることができる。樹脂ワニスは、上記の各成
分と溶剤とを配合し、プラネタリーミキサー等の混練機
にて室温で混合することにより調製することができる。
【0032】ここで、溶剤は低沸点溶剤である事が望ま
しく、また特に混合溶剤として使用する事により、樹脂
ワニスにて成形されるシート状成形物3の表面形状が良
好となる。このような溶剤としては、特にメチルエチル
ケトンやアセトン等を用いることが好ましい。一方、高
沸点溶剤は、乾燥時に充分揮発せず残留する可能性が高
く、硬化物の電気絶縁性や機械的強度を低下させるおそ
れがある。このような溶剤は、樹脂組成物がシート状に
成形されやすくなったり、ガラス不織布に含浸されやす
くなるための流動性を付与するためのものであり、調製
される樹脂ワニスの粘度が5000〜50000mPa
・sとなる範囲とすることが好ましい。
【0033】樹脂ワニスは、上記の様な各成分を配合
し、このような樹脂ワニスからシート状成形物3を成形
するにあたっては、シート状成形物3を樹脂シートやプ
リプレグとして成形することができる。
【0034】シート状成形物3を樹脂シートとして成形
する場合は、樹脂ワニスをポリエチレンテレフタレート
製等のキャリアフィルム上にコンマコーターを用いたり
ドクターブレード法等にて均一な厚みに塗布し、例えば
60〜90℃で30〜120分間、加熱乾燥して半硬化
させることにより、キャリアフィルム上にシート状成形
物3を成形するものである。
【0035】また、シート状成形物3をプリプレグとし
て成形する場合は、ガラス不織布の基材に樹脂ワニスを
含浸させ、例えば100〜150℃で5〜30分間、加
熱乾燥して半硬化させることにより得られるプリプレグ
を、シート状成形物3として用いても良い。
【0036】上記のようにして成形されるシート状成形
物3の厚みは特に限定はされないが、0.01〜5mm
とすることが好ましい回路用金属板1としては、両面に
絶縁層10等との密着性を向上するために粗面化処理を
施した金属板に打ち抜き加工等の切断加工を施して回路
7を形成し、更に必要に応じてその表面に半田付け性・
ワイヤーボンディング性向上ためのニッケルめっき等の
めっき処理を施したものを用いることができる。この回
路用金属板1は、回路7が形成された複数の回路部6及
び隣り合う回路部6同士を仕切るように形成された枠部
5とで構成されている。この回路部6に形成されている
回路7のうち、枠部5と直接接続されている部分を接続
リード30と呼称することとする。回路部6に形成され
ている回路7は接続リード30を介して枠部5に接続さ
れて支持されている。
【0037】開口付金属板2は、複数の開口9と、この
開口9を仕切るように形成された枠部8とで構成されて
いる。この開口9は回路用金属板1の回路部6に対応す
る箇所に形成され、回路部6と同一寸法及び同一形状を
有するものである。従って、開口付金属板2の開口9及
び枠部5は、回路用金属板1の回路部6及び枠部8と対
応する位置にそれぞれ形成されている。
【0038】放熱用金属板4は平板状に形成されてい
る。
【0039】回路用金属板1、開口付金属板2、放熱用
金属板4等の金属板は銅、アルミニウム、鉄、これらの
金属のうち少なくとも一種を含む合金、複数種の金属材
からなるクラッド材、及び複数種の金属材からなる合金
から選ばれた少なくとも1種類の材質から形成すること
が好ましい。特に基板のソリを発生させない様に材質及
び厚みを設計する事が必要であるが、回路用金属板1
は、銅や、銅を含有する合金等の銅系材料にて形成する
ことが好ましい。また、放熱用金属板4や、開口付金属
板2としては、コストの低減や軽量化を図るためにはア
ルミニウムを使用し、強度を優先するのであれば鉄を使
用するのが好ましい。
【0040】これらの各金属板1,2,4の厚みについ
ては、0.018mm〜5mmの範囲とすることが好ま
しい。
【0041】特に回路用金属板1の厚みは、大電流を流
すことができるようにすると共に発熱部品(パワー部
品)の1次ヒートスプレッダーとしての機能を兼ね備え
させるためには、0.2〜1mmとすることが好まし
い。すなわち、回路用金属板1の厚みを0.2〜1mm
とすると、回路用金属板1から形成される回路基板17
の回路7に大電流を流すための充分な電流容量を保持さ
せると共に、この回路7の熱容量を向上し、回路基板1
7に実装されたパワーIC等の発熱部品からの発熱を回
路7にて吸収して、放熱効率を向上することができるも
のである。
【0042】また開口付金属板2の厚みは0.2〜1m
mが好ましい。また、放熱用金属板4の厚みは、最終的
な放熱板12としての役目とソリ防止の為の補強板の役
目が必要であるため、1〜5mmとすることが好まし
い。
【0043】上記の放熱用金属板4は、放熱フィン19
を一体に形成しても良い。すなわち、図2に示すよう
に、放熱用金属板4の、絶縁層10が形成される側とは
反対側の一面から、複数のフィン20を立設し、放熱用
金属板4の表面積を増大して放熱効率を向上するもので
ある。通常、放熱用金属板4に放熱フィン19を熱伝導
グリースや熱伝導シートを介してネジ止めして使用され
るが、放熱フィン19との間に隙間が出来る事により放
熱性が低下したり、コストが高くなる。放熱フィン19
を放熱用金属板4と一体に形成すると、このような問題
が無く、非常に放熱性に優れた回路基板17が得られ
る。
【0044】次に、回路基板17の製造方法を例示す
る。ここで、以下の図1乃至6に示す例は、回路基板1
7の製造方法を模式的に示したものである。
【0045】図1に示すように、まず、放熱用金属板
4、シート状成形物3、開口付金属板2、回路用金属板
1を順次上下に重ね合せて積層して積層物15を形成す
る。このとき、必要に応じて、回路用金属板1の表面に
被覆用の銅箔やアルミニウム箔、或いはフッ素系フィル
ムやポリエチレンテレフタレート製フィルム等の離型フ
ィルムを配置する。ここでシート状成形物3としては、
必要に応じて複数枚を積層したものを使用することもで
きる。
【0046】この積層物15の上下にステンレス板等の
プレートを配置し、更に同様に形成した複数の積層物1
5をプレートを介して多段に積み重ねる。
【0047】この状態で、積層物15を熱盤間に配置
し、積層方向である上下方向の加圧力をかけると共に、
シート状成形物3の硬化温度にて加熱して、直圧成形す
る。このときの加圧力は例えば0.5〜10MPa、加
熱温度は150〜180℃、成形時間は5〜180分間
とすることが好ましい。またこのとき減圧雰囲気下にて
成形を行なうと、シート状成形物3の硬化物からなる絶
縁層10中にボイドが混入しにくくなり、信頼性が向上
するので、好ましい。尚、使用する樹脂の種類によって
は、必要に応じて、2〜6時間、加熱処理してアフター
キュアを行なうことが好ましい。例えば硬化剤としてフ
ェノール系樹脂硬化剤を用いるときは、150〜180
℃で5〜30分間加熱することにより直圧成形した後、
150〜180℃で2〜6時間加熱することによりアフ
ターキュアーを行なうことが好ましく、また硬化剤とし
てジシアンジアミド系硬化剤を用いる場合は、アフター
キュアーは150〜180℃で1〜3時間加熱すること
により行なうことが好ましい。
【0048】この加熱直圧成形過程において、シート状
成形物3は一旦溶融して軟化して流動し、この軟化した
樹脂は開口付金属板2の開口9に流入し、更に回路用金
属板1の回路部6における回路7間の隙間に,回路用金
属板1の表面がシート状成形物3の表面と略面一になる
まで流入する。このように、シート状成形物3を構成す
る樹脂によって開口9及び回路部6の回路7間の隙間が
充填された後、硬化することにより、絶縁層10が形成
され、放熱用金属板4、開口付金属板2、回路用金属板
1が積層成形されると共に、絶縁層10が開口付金属板
2の開口9及び回路用金属板1の回路部6の回路7間の
隙間に形成された成形体16が得られる。このとき、開
口付金属板2と放熱用金属板4の間から殆どの樹脂が開
口9に流入することとなって、開口付金属板2と放熱用
金属板4においては絶縁層10が形成されず、あるいは
わずかの厚みにしか形成されない。
【0049】この加熱加圧過程においては、開口付金属
板2の枠部8がスペーサーの役割を果たすこととなり、
平面視寸法が大面積である成形体16を成形する場合で
あっても、開口付金属板2の開口9内において、放熱用
金属板4と回路用金属板1の間に枠部8の厚み(開口付
金属板2の厚み)と同一の隙間が確保され、この隙間に
形成される絶縁層10の厚みが一定に保たれる。
【0050】また、この加熱加圧過程において、被覆用
の銅箔、アルミニウム箔、離型フィルム等を用いている
場合は、積層物15の加熱加圧成形の際にシート状成形
物3が加熱加圧成形により再溶融して、回路用金属板1
の回路7間に樹脂が充填される際に、樹脂が回路用金属
板1の表面側まで流出して回路7が汚れることを防ぐこ
とができる。この被覆用の銅箔等は、加熱加圧成形後
に、成形体16から剥離する。このとき特に銅箔やアル
ミニウム箔を用いる場合は、その光沢面が回路用金属板
1側に配置されるようにしておくと、回路用金属板1と
の密着性が向上して回路用金属板1と銅箔等との間への
樹脂の流入を効果的に防ぐことができ、また硬化成形後
にこの銅箔等を容易に引き剥がすことができるものであ
る。
【0051】このように無機フィラーを高充填させたシ
ート状成形物3の硬化物にて形成された絶縁層10は、
機械的強度にすぐれ、またその熱膨張係数が20ppm
/℃以下となり、熱伝導率は3W/mK以上を得る事が
出来る。これは、半導体チップとの電子部品とのいわゆ
るαマッチング性において非常に優れると共に熱変形し
難い硬化物と言える。すなわち、回路基板17に実装さ
れる電子部品のシリコンチップの熱膨張係数αと、絶縁
層10の熱膨張係数との差が小さくなり、半田付け工程
等を経ることによる熱履歴による内部応力の蓄積を抑制
して、クラックの発生を防止することができるものであ
る。
【0052】このようにして積層物15の加熱加圧成形
後、銅箔や離型フィルムを配置していた場合はこの銅箔
等を除去することにより、成形体16が得られる。この
成形体16における回路用金属板1の回路部6の外周縁
に沿って凹溝を凹設することにより、接続リード30と
回路7とを分離する溝部32を形成する。溝部32を形
成するにあたっては、例えば、回転刃を回転させながら
成形体16上の回路金属板1側の面に沿って移動させる
ことにより成形体16の表面を断面V字状に切削する方
法(Vカット法)を採用することができる。この溝部3
2の深さは接続リード30の厚み(回路用金属板1の厚
み)と略同一に形成されて、接続リード30が回路7か
ら分離される。
【0053】このように形成される成形体16を、回路
基板17の回路部6を枠部5にて分割するように切断す
ることにより、成形体16から回路基板17を切り出す
ことができる。成形体16に切断加工を施すにあたって
は、成形体16から切り出される回路基板17に相当す
る形状の切断刃を有する打ち抜き用の金型等のような切
断用の治具を用いて、枠部5が配置されている部分に打
ち抜き加工を施すことができる。
【0054】成形体16から回路基板17を切り出すに
あたっては、まず、隣り合う回路部6同士を仕切る枠部
5に沿って切断用の治具をあて、回路用金属板1及び開
口付金属板2の枠部5,8を治具が通過してこの枠部
5,8の全領域を含む打ち抜き領域11を打ち抜くよう
にして成形体16を切断する。このとき、成形体16か
ら切り出された各回路基板17には、その上面に一つの
回路部6が配置され、更に回路部6の外縁には、溝部3
2によって回路7から分離された接続リード30が配置
されている。
【0055】そして更に各回路基板17に残存する接続
リード30を回路基板17から除去するものである。こ
のときは、接続リード30を手作業で、あるいはクラン
プ等の治具を用いて引っ張ることにより接続リード30
を回路基板17から除去するものであり、このとき接続
リード30は溝部32によって回路7から分離されてい
るので、容易に除去される。このように接続リード30
が除去されることにより、回路基板17の上面の外周縁
には、接続リード30の配置位置に、接続リード30が
欠け落ちた形状の切欠部34が形成される。
【0056】このようにして得られた回路基板17に
は、放熱用金属板4から形成された放熱板12と、回路
用金属板1から切り出された回路7とが間隔を開けて配
置されると共に、回路7と放熱板12の間から回路7間
の隙間に亘って絶縁層10が形成されている。ここで、
接続リード30が除去されたことにより、回路基板17
の端面において回路7が表出することがなく、回路7と
放熱板12との間に不用意な短絡の発生が、確実に防止
されている。
【0057】この回路基板17には、必要に応じてソル
ダーレジストが印刷硬化されてから、部品実装工程等の
後工程に搬送されるものである。
【0058】上記のようにして成形体16から切断加工
にて回路基板17を切り出すにあたり、切断刃等の治具
は、回路用金属板1の枠部5、開口付金属板2の枠部8
及び放熱用金属板4を通過することとなり、開口付金属
板2と放熱用金属板4の間にわずかに存在する絶縁層1
0を通過する以外は、金属からなる部分を通過して切断
加工を施すこととなり、絶縁層10は殆ど切断しないこ
ととなる。そのため、絶縁層10を切断することによる
絶縁層10内の無機フィラーによる研磨効果による摩耗
が抑制され、切断用の治具の寿命を向上することができ
るものである。
【0059】また、従来のような、無機フィラーが充填
された熱可塑性樹脂を射出成型することにより回路基板
17の絶縁層10を形成する場合は、絶縁層10の厚み
を変更したり、リードフレームの厚みを変更したりする
場合に、成形用の金型の寸法を変化させなければならな
いので、金型を新規に作製する必要が生じるが、本発明
では、上記のようにして回路基板17を作製しているの
で、絶縁層10の厚みは、開口付金属板2の厚みを変更
するだけで容易に変更することができる。また、絶縁層
10の厚みだけに限らず、放熱用金属板4や回路用金属
板1等の金属板の厚みを変更するだけで、容易に設計変
更が可能となるものである。
【0060】以上の方法により高熱伝導性を有し、大電
流が流せる基板を容易に製造する事が可能となる。
【0061】上記のようにして回路基板17を作製する
場合、図2に示すように、回路用金属板1の一面に予め
耐熱性及び離型性を有する被覆層18を設けておくこと
ができる。この被覆層18の厚みは10μm以上とする
ことが好ましい。
【0062】この被覆層18は、ポリエチレンテレフタ
レート製やポリフェニレンサルファイド製等の樹脂フィ
ルムにて設けることができ、この場合は樹脂フィルムを
アクリル系等の接着剤にて回路用金属板1の表面に接着
することにより被覆層18が設けられるものであり、ま
た回路用金属板1から容易に引き剥がすことが可能なも
のである。
【0063】また被覆層18を液状レジストの塗膜にて
設けることもできる。この液状レジストとしては、樹脂
系の液状レジストを用いることができ、更にその塗膜が
アルカリ溶液等を用いて容易に除去可能なものが好まし
い。例えば、不飽和ポリエステル、適宜の不飽和モノマ
ー、光重合体等からなる感光性樹脂組成物や、ウレタン
(メタ)アクリレートオリゴマー、水溶性セルロース樹
脂、光重合開始剤、(メタ)アクリレートモノマー等か
らなる感光性樹脂組成物を用いることができる。このよ
うに感光性樹脂組成物を液状レジストとして用いる場合
は、液状レジストを回路用金属板1の表面に塗布した
後、露光硬化することにより被覆層18を形成すること
ができ、この被覆層18は、水酸化ナトリウム溶液等の
アルカリ溶液にて容易に除去することができる。
【0064】このように被覆層18を設けた場合、放熱
用金属板4、シート状成形物3、開口付金属板2及び回
路用金属板1を積層成形して積層物15を形成するにあ
たっては、被覆層18がシート状成形物3とは反対側の
上面側に配置されて露出されるようにする。
【0065】そして、この積層物15を加熱直圧成形し
て成形体16を成形する過程においては、シート状成形
物3は一旦溶融・軟化して流動し、この軟化した樹脂は
開口付金属板2の開口9に流入し、更に回路用金属板1
の回路部6における回路7間の隙間に,回路用金属板1
に設けられた被覆層18の表面がシート状成形物3の表
面と略面一になるまで流入する。
【0066】このようして得られる成形体16から被覆
層18を除去するにあたっては、被覆層18を樹脂フィ
ルムにて形成した場合はこの被覆層18を引き剥がす等
して機械的に剥離することにより除去することができ
る。また被覆層18を液状レジストにて形成した場合
は、被覆層18をアルカリ性溶液等にて溶解させること
により除去することができる。ここで、成形体16を成
形する際に軟化した樹脂が被覆層18の表面にまで回り
込み、そのまま硬化してバリが形成されていても、この
樹脂硬化物のバリは、被覆層18と共に成形体16から
除去されることとなり、回路用金属板1の表面にバリが
付着するような回路7の形成不良を防止することができ
るものである。
【0067】この成形体16に切断加工を施して得られ
る回路基板17は、回路7の表面と、回路7間で露出す
る絶縁層10の表面とでは、回路7の表面よりも絶縁層
10の表面が、被覆層18の厚みと同一の寸法だけ突出
することとなる。このため、回路基板17の回路7が絶
縁層10の表面より一段低く形成されることとなり、回
路基板17への電子部品の実装時における半田等による
回路7間の短絡(ブリッジ)を防止できるものであり、
また、回路7間において絶縁層10の突出部分が障壁と
なり、絶縁信頼性的に有利となる。すなわち、隣り合う
回路7間の、絶縁層10の表面に沿った距離である沿面
距離は、絶縁層10の突出寸法分だけ大きくなるもので
ある。その結果、回路7の微細化のために回路7間の間
隔を狭く形成しても、回路7間に充分な電気的絶縁性を
確保することができるものである。隣り合う回路7間に
おける充分な電気的絶縁性を確保するためには、絶縁層
10の突出寸法は10〜1000μmの範囲とすること
が好ましい。突出寸法がこの範囲に満たないと充分な電
気的絶縁性を得ることが困難な場合があり、また突出寸
法がこの範囲を超えると、回路7が絶縁層10の表面よ
りも大きく凹みすぎて、回路7表面にソルダーレジスト
を印刷形成するなどの部品実装工程に支障をきたすおそ
れがある。
【0068】上記の例では、回路用金属板1を、開口付
金属板2、シート状成形物3及び放熱用金属板4と一体
成形して成形体16を成形した後に、接続リード30の
上面に溝部32を形成したものであるが、このような一
体形成を行なう前に、予め接続リード30と回路7との
境界の上面に溝部32を形成したり、あるいは接続リー
ド30と回路7との境界の下面に溝部33を形成したり
することもできる。
【0069】図3に示す例では、予め接続リード30と
回路7との境界の上面に断面V字状の溝部32を凹設す
ると共に、接続リード30と回路7との境界の下面にも
断面V字状の溝部33を凹設したものである。この溝部
32,33はその底部の頂点部分同士が上下に近接しな
がら対向するように形成されている。
【0070】このように形成されている回路用金属板1
を用い、図1に示す場合と同様にして、積層一体化した
後、打ち抜き領域11にて打ち抜き加工を施して回路基
板17を得るものである。
【0071】この回路基板17には、その上面に一つの
回路部6が配置され、更に回路部6の外縁には、接続リ
ード30が配置されているが、このとき接続リード30
と回路7とは、溝部32,33の底部の頂点同士の間で
僅かに接続されている。
【0072】そして各回路基板17から接続リード30
を、図1に示す場合と同様に手作業で、あるいはクラン
プ等の治具を用いて除去するものである。このとき接続
リード30は溝部32、33によって、溝部32,33
の底部の頂点同士の間で僅かに接続されている部分を残
して回路7から分離されているので、容易に除去され
る。このように接続リード30が除去されることによ
り、回路基板17の上面の外周縁には、接続リード30
の配置位置に、接続リード30が欠け落ちた形状の切欠
部34が形成される。
【0073】また、図4に示す例では、接続リード30
と回路7との境界の上面のみに、予め断面V字状の溝部
32を凹設したものである。
【0074】このように形成されている回路用金属板1
を用い、図1に示す場合と同様にして、積層一体化した
後、打ち抜き領域11にて打ち抜き加工を施して回路基
板17を得るものである。
【0075】この回路基板17には、その上面に一つの
回路部6が配置され、更に回路部の外縁には接続リード
30が配置されているが、接続リード30は溝部32の
底部の頂点よりも下方の部分にて回路7と僅かに接続さ
れている。
【0076】そして各回路基板17に残存する接続リー
ド30を、図1に示す場合と同様に手作業で、あるいは
クランプ等の治具を用いて除去するものである。このと
き接続リード30は溝部32によって、溝部32の底部
の頂点よりも下方の部分にて僅かに接続されている部分
を残して回路7から分離されているので、容易に除去さ
れる。このように接続リード30が除去されることによ
り、回路基板17の上面の外周縁には、接続リード30
の配置位置に、接続リード30が欠け落ちた形状の切欠
部34が形成される。
【0077】また、図5に示す例では、接続リード30
と回路7との境界の下面のみに、予め断面V字状の溝部
33を凹設したものである。
【0078】このように形成されている回路用金属板1
を用い、図1に示す場合と同様にして、積層一体化した
後、打ち抜き領域11にて打ち抜き加工を施して回路基
板17を得るものである。
【0079】この回路基板17には、その上面に一つの
回路部6が配置され、更に回路部6の外縁には、溝部3
2にて回路7から分離された接続リード30が配置され
ている。このとき接続リード30と回路7とは、溝部3
3の底部の頂点よりも上方の部分にて僅かに接続されて
いる。
【0080】そして各回路基板17に残存する接続リー
ド30を、図1に示す場合と同様に手作業で、あるいは
クランプ等の治具を用いて分離して除去するものであ
る。このとき接続リード30は溝部33によって、溝部
33の底部の頂点よりも上方の部分にて僅かに接続され
ている部分を残して回路7から分離されているので、容
易に除去される。このように接続リード30が除去され
ることにより、回路基板17の上面の外周縁には、接続
リード30の配置位置に、接続リード30が欠け落ちた
形状の切欠部34が形成される。
【0081】図3乃至5に示されるようにして得られた
回路基板17も、接続リード30を除去されたことによ
り、回路基板17の端面において回路7が表出すること
がなく、回路7と放熱板14との間に不用意な短絡の発
生が、確実に防止されている。
【0082】上記のようにして回路基板17から接続リ
ード30を除去する手法では、複数の接続リード30に
一度に溝部32,33を形成することにより、複数の接
続リード30を分離して除去しやすくすることができ
る。そのため、一つの回路部6において多数の接続リー
ド30が形成されていると共にこの回路部6に形成され
ている回路7が微細な場合に特に有効なものである。
【0083】上記の図1乃至5に示すような工法は、図
7(a)(b)や、図7(c)(d)に示すように形成
された成形体16に対して採用することができる。
【0084】この図7(a)(b)に示す成形体16の
構成は、図1〜5に示す成形体16と同様のものであ
り、回路用金属板1に形成されている回路部6には、複
数の回路7と、この各回路7と枠部5とを接続する複数
の接続リード30が形成されている。このような成形体
16において、図中の一点鎖線に示す部分に、成形体1
6の成形前、又は成形体16の成形後に、回路用金属板
1に溝部32,33を形成し、更にこの成形体16から
回路基板17を切り出した後、接続リード30を回路基
板17から除去するものである。
【0085】また図7(c)(d)に示す成形体16の
構成は、図7(a)(b)の場合よりも多数かつ複雑な
回路を形成したものである。また接続リード30は回路
部6の周縁の全周に亘って形成されており、この接続リ
ード30を介して回路7が枠部5に接続されている。こ
のようにすると、回路用金属板1に複雑な回路7を容易
にできる。このように接続リード30が回路部6の周縁
の全周に亘って形成されている場合であっても、図1〜
5に示す場合と同様に、図中の一点鎖線に示す部分に、
成形体16の成形前、又は成形体16の成形後に、回路
用金属板1に溝部32,33を形成し、更にこの成形体
16から回路基板17を切り出した後、接続リード30
を回路基板17から除去することができるものである。
【0086】一方、一つの回路部6において少数の接続
リード30しか形成されておらず、また回路部6に形成
されている回路7も微細ではない場合には、少数の接続
リード30に対して溝部32,33の形成を行なった後
に接続リード30を引張って分離除去するよりも、接続
リード30の一つ一つに対して座ぐり加工等を施すこと
により接続リード30を回路基板17から一つずつ除去
する手法を採用した方が、端子回路30の除去を効率よ
く行なうことができる。
【0087】図6はその一例を示すものであり、小数か
つ簡単な形状の回路7と接続リード30しか形成されて
いない回路用金属板1を、溝部32,33を形成しない
状態で開口用金属板2、シート状成形物3及び放熱用金
属板4と積層一体化することにより、図6(a)及び図
7(e)(f)に示すような成形体16が得られる。こ
の成形体16に切断加工を施して打ち抜き部11を除去
して回路基板17を形成している。そして、この回路基
板17に座ぐり加工を施すことにより接続リード30を
除去して、回路基板17の上面の外縁における接続リー
ド30の配置位置に切欠部34を形成したものである。
【0088】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0089】尚、表1中の各成分としては、下記のもの
を用いた。 ・カップリング剤 : γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン ・分散剤 : 第一工業製薬製の「A208F」 ・MEK : メチルエチルケトン ・DMF : ジメチルホルムアミド ・クレゾールノボラック型樹脂 : 住友化学工業株式
会社製「ESCN195XL4」 ・多官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂 : 三井化
学株式会社製「VG3101」 ・フェノキシ樹脂 : 東都化成株式会社製「YP5
0」 ・臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂 : 住友化学
工業株式会社製「ESB400T」 ・フェノールノボラック樹脂 : 群栄化学株式会社製
「タマノール752」 ・DICY : 日本カーバイド社製の、ジシアンジア
ミド ・硬化促進剤a : 四国化成社製、2−エチル−4−
メチルイミダゾール(2E4MZ) ・硬化促進剤b : 式(1)に示すテトラフェニルホ
スフォニウムテトラフェニルボレート(TPPK)と、
式(2)に示すフェノールノボラック樹脂との反応物 ここで、上記の硬化促進剤bは、式(1)に示すテトラ
フェニルホスフォニウムテトラフェニルボレート(TP
PK)25質量部と、3核体(n=1のもの)の含有量
が70質量%、2核体(n=0のもの)の含有量が10
質量%、4核体(n=2のもの)の含有量が16質量
%、5核体以上(n=3以上のもの)の含有量が5質量
%である軟化温度が63℃のフェノールノボラック化合
物80質量部とを、500mlのステンレスビーカに入
れ、、185℃のオイルバス中で3時間撹拌して得られ
る、均一透明褐色の反応物(TPPK−A)を用いた。
【0090】また、以下に示す各実施例及び比較例に用
いている放熱用金属板4、シート状成形物3、開口付金
属板2、回路用金属板1としては、平面視寸法が300
mm×500mmの寸法のものを用い、特に示さない限
りは回路部6及び開口9は45mm×75mmの寸法の
ものを20mm間隔で形成した。
【0091】(実施例1)アルミナを70wt%含有す
る表1に示す組成を有するスラリーを室温でプラネタリ
ーミキサーにて混練した。これに溶剤を加えて700m
Pa・sに調整後、ガラス不織布(オリベスト株式会社
製;SASタイプ;53g/m3;厚み0.4mm)に
含浸させた後、90℃の乾燥炉を1時間(速度0.03
m/分)で通過させて乾燥させ、シート状成形物3とし
て厚み400μmのBステージ状態のプリプレグを作製
した。
【0092】このシート状成形物3を1枚使用し、表1
に示すアルミニウム製の放熱用金属板4、シート状成形
物3、アルミニウム製の開口付金属板2、銅製の回路用
金属板1の順に積層し、66.7hPa以下の高真空下
で、圧力3.92MPa、温度175℃で30分間加熱
加圧成形して積層一体化し、更に175℃で6時間加熱
してアフターキュアーを行なって、成形体16を得た。
【0093】この成形体16の接続リード30に断面V
字状の溝部32を形成した後、打抜き加工を施して、回
路基板17を得た。
【0094】(実施例2)シート状成形物3を作製する
にあたって酸化マグネシウムを75wt%含有する表1
に示す組成を有するスラリーを用い、このシート状成形
物3を2枚積層して使用した。それ以外は実施例1と同
様にして回路基板17を得た。
【0095】(実施例3)窒化ボロンを75wt%含有
する表1に示す組成を有するスラリーを用い、実施例1
と同様にしてシート状成形物3としてプリプレグを作製
した。
【0096】このシート状成形物3を3枚積層して使用
し、表1に示す、放熱フィン19が形成されたアルミニ
ウム製の放熱用金属板4、シート状成形物3、アルミニ
ウム製の開口付金属板2、銅製の回路用金属板1の順に
積層し、66.7hPa以下の高真空下で、圧力3.9
2MPa、温度175℃で30分間加熱加圧成形して積
層一体化し、更に175℃で6時間加熱してアフターキ
ュアーを行なって、成形体16を得た。
【0097】この成形体16の接続リード30に断面V
字状の溝部32を形成した後、打抜き加工を施して、回
路基板17を得た。
【0098】(実施例4)窒化アルミニウムを85wt
%含有する表1に示す組成を有するスラリーをプラネタ
リーミキサーにて混練した。これに溶剤を加えて粘度を
15000mPa・sに調整し、コンマコーターにて厚
み185μmの離型キャリアフィルム(ポリエチレンテ
レフタレート製)上に400μmの厚みに塗布した後、
90℃の乾燥炉を1時間(速度0.03m/分)で通過
させて乾燥させ、シート状成形物3として、Bステージ
状態の樹脂シートを作製した。
【0099】このシート状成形物3を1枚使用し、表1
に示すアルミニウム製の放熱用金属板4、シート状成形
物3、銅製の開口付金属板2、銅製の回路用金属板1の
順に積層し、66.7hPa以下の高真空下で、圧力
3.92MPa、温度175℃で30分間加熱加圧成形
して積層一体化し、更に175℃で6時間加熱してアフ
ターキュアーを行なって、成形体16を得た。
【0100】この成形体16の接続リード30に断面V
字状の溝部32を形成した後、打抜き加工を施して、回
路基板17を得た。
【0101】(実施例5)シリカを85wt%含有する
表1に示すスラリーをプラネタリーミキサーにて混練
し、溶剤を加えて粘度を15000mPa・sに調整
し、コンマコーターにてPETフイルム上に400μm
の厚みに塗布乾燥し、シート状成形物3として、Bステ
ージ状態の樹脂シートを作製した。
【0102】このシート状成形物3を1枚使用し、表1
に示すアルミニウム製の放熱用金属板4、シート状成形
物3、銅製の開口付金属板2、銅製の回路用金属板1の
順に積層し、66.7hPa以下の高真空下で、圧力
3.92MPa、温度175℃で30分間加熱加圧成形
して積層一体化し、更に175℃で6時間加熱してアフ
ターキュアーを行なって、成形体16を得た。
【0103】この成形体16の接続リード30に断面V
字状の溝部32を形成した後、打抜き加工を施して、回
路基板17を得た。
【0104】(実施例6)アルミナを95wt%含有す
る表1に示す組成を有するスラリーを室温にてプラネタ
リーミキサーを用いて一次混練した後、三本ロールを用
いて二次混練して、高粘度のスラリーとして調製した。
これに溶剤を加えて粘度を20000mPa・sに調整
し、コンマコーターにて厚み185μmの離型キャリア
フィルム(ポリエチレンテレフタレート製)上にPET
フイルム上に400μmの厚みに塗布した後、90℃の
乾燥炉を1時間(速度0.03m/分)で通過させて乾
燥させ、シート状成形物3としてBステージ状態の樹脂
シートを作製した。
【0105】このシート状成形物3を2枚積層して使用
し、表1に示すアルミニウム製の放熱用金属板4、シー
ト状成形物3、アルミニウム製の開口付金属板2、鉄6
0%−ニッケル40%インバー製の回路用金属板1の順
に積層し、66.7hPa以下の高真空下で、圧力4.
90MPa、温度175℃で30分間加熱加圧成形して
積層一体化し、更に175℃で6時間加熱してアフター
キュアーを行なって、成形体16を得た。
【0106】この成形体16の接続リード30に断面V
字状の溝部32を形成した後、打抜き加工を施して、回
路基板17を得た。
【0107】(比較例1)アルミナを85wt%含有す
る表1に示す組成を有するスラリーをプラネタリーミキ
サーにて混練した。これに溶剤を加えて粘度を1000
mPa・sに調整後、ガラス不織布(オリベスト株式会
社製;SASタイプ;53g/m3;厚み0.4mm)
に含浸させた後、90℃の乾燥炉を1時間(速度0.0
3m/分)で通過させて乾燥させ、シート状成形物3と
して厚み400μmのBステージ状態のプリプレグを作
製した。ここで、溶剤として高沸点溶剤であるDMFを
用いているのは、硬化剤として用いているジシアンジア
ミドを溶解させるためである。
【0108】このシート状成形物3を1枚使用し、表1
に示す、アルミニウム製の放熱用金属板4、シート状成
形物3、銅製の厚み105μmの回路用金属板1(銅
箔)の順に積層し、66.7hPa以下の高真空下で、
圧力3.92MPa、温度175℃で2時間加熱加圧成
形して積層一体化し、成形体16を得た。
【0109】この成形体16の接続リード30に断面V
字状の溝部32を形成した後、打抜き加工を施して、回
路基板17を得た。
【0110】(比較例2)銅製の回路用金属板1(銅
箔)として厚み35μmのものを用いた以外は比較例1
と同様にして回路基板17を得た。
【0111】(比較例3)シート状成形物3として厚み
400μmのBステージ状態のプリプレグを作製した以
外は比較例1と同様にして回路基板17を得た。
【0112】(評価試験) ・熱伝導率測定 定常平板比較法にて測定を行なった。このとき、サンプ
ルとしては、各実施例及び比較例にて用いられているシ
ート状成形物3を適宜の枚数積層して800μm厚と
し、加熱加圧成形することにより一体化して、絶縁層1
0を40×40mmの単板として形成し、この単板につ
き測定を行なった。
【0113】・電流容量評価 電流容量は回路厚に比例するため、回路厚35μmの場
合を1として、回路厚から電流容量を評価した。
【0114】・熱膨張率測定 TMA測定機を使用して、40℃〜175℃の間での熱
膨張率を測定し、各試料についての、ガラス転移温度ま
での熱膨張率にて評価した。
【0115】・耐電圧測定 回路基板17として、各実施例及び比較例に示す方法で
作製された、平面視寸法が60mm×60mm、回路7
が直径25mmの円盤状に形成されたものを用いた。こ
の回路基板17、JIS K6901に準拠し、油中に
て回路7と放熱板12の間に電圧を印加し、500V/
秒で昇圧し、絶縁破壊が起こる電圧(破壊電圧)を測定
した。
【0116】
【表1】
【0117】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る回
路基板の製造方法は、回路が形成されている複数の回路
部及び隣り合う回路部間を仕切るように形成された枠部
によって構成された回路用金属板と、回路用金属板の回
路部に対応する箇所に形成された開口及び開口間を仕切
るように形成された枠部とで構成された開口付金属板
と、樹脂組成物をシート状に成形したシート状成形物
と、放熱板を形成するための放熱用金属板とを、回路用
金属板の回路部と開口付金属板の開口とを位置合わせし
て順次積層して一体成形した後、この形成された成形体
に回路用金属板及び開口付金属板の枠部が配置されてい
る箇所において切断加工を施すため、回路用金属板を肉
厚に形成することにより回路の厚みを大きく形成して容
易に大電流化を図ることができるものであり、また開口
付金属板の枠部がスペーサーとなって、成形体を大面積
に形成しても回路用金属板と放熱用金属板との隙間を一
定に確保することができ、この隙間に形成される絶縁層
の厚みを容易に制御することができるものであり、更に
成形体を切断するにあたっては切断用の治具等は絶縁層
を殆ど通過することがなく、絶縁層に充填されている無
機フィラーによる研磨効果による治具の摩耗を抑制し
て、高寿命化を図ることができるものであり、高放熱性
の回路基板を効率よく生産することが可能となるもので
ある。
【0118】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
の構成に加えて、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤及
び無機フィラーを含有すると共に無機フィラーの含有量
が70〜95質量%である樹脂組成物を溶剤に分散させ
て得られる樹脂ワニスをガラス不織布に含浸した後乾燥
することにより得られるプリプレグをシート状成形物と
して用いたため、無機フィラーが高充填されたシート状
成形物にて回路基板の絶縁層を形成することができ、回
路基板の放熱性を向上することができるものである。
【0119】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
の構成に加えて、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤及
び無機フィラーを含有すると共に無機フィラーの含有量
が70〜95質量%である樹脂組成物を溶剤に分散させ
て得られる樹脂ワニスをフィルム上に塗布した後乾燥し
て得られる樹脂シートをシート状成形物として用いたた
め、無機フィラーが高充填されたシート状成形物にて回
路基板の絶縁層を形成することができ、回路基板の放熱
性を向上することができるものである。
【0120】また請求項4に記載の発明は、請求項2又
は3の構成に加えて、無機フィラーとして、Al23
MgO、BN、AlN及びSiO2から選ばれた少なく
とも1種類のものを用いたため、これらのフィラーは熱
伝導性に優れ、回路基板の放熱性を向上することができ
るものであり、更に粒度分布に自由度があり、高充填化
するための粒度設計が容易なものである。
【0121】また請求項5に記載の発明は、請求項1乃
至4のいずれかの構成に加えて、回路用金属板の表面に
耐熱性及び離型性を有する被覆層が装着された状態で一
体成形を行なうため、加熱加圧工程において変形したシ
ート状成形物が被覆層に回り込んだ状態で硬化して形成
される樹脂硬化物のバリを、被覆層を除去する際に一緒
に除去することができ、回路におけるバリの付着を防止
して回路形成精度を向上することができるものである。
また、被覆層を除去した結果得られる熱伝導基板におい
ては、回路形成面に回路と、回路間において回路よりも
突出している絶縁層の表面とが形成されることとなり、
隣り合う回路間の、絶縁層の表面に沿った沿面距離が、
絶縁層の表面の突出分だけ大きくなって、回路の微細化
のために回路間の間隔を狭く形成しても隣合う回路間に
おける電気的絶縁性を確保することができるものであ
る。
【0122】また請求項6に記載の発明は、請求項1乃
至5のいずれかの構成に加えて、回路用金属板、開口付
金属板及び放熱用金属板として、銅、アルミニウム、
鉄、これらの金属のうち少なくとも一種を含む合金、複
数種の金属材からなるクラッド材、及び複数種の金属材
からなる合金から選ばれた少なくとも1種類の材質から
形成されたものを用いるため、放熱性と強度に優れた回
路基板を得ることができるものである。
【0123】また請求項7に記載の発明は、請求項1乃
至6のいずれかに記載の構成に加えて、回路部において
回路と枠部とを接続する接続リードと回路との境界に溝
部を凹設した後、接続リードを除去するため、回路基板
の端面において放熱板と回路とが近接することを防止し
て、放熱板と回路との間の絶縁性を確保することができ
るものである。
【0124】また請求項8に記載の発明は、請求項1乃
至7のいずれかの構成に加えて、放熱用金属板として、
放熱フィンを一体に形成したものを用いるため、放熱板
と放熱フィンとの間に隙間が形成されることなく一体化
されていることにより放熱特性を向上することができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a)乃至(e)は断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の他例を示すものであり、
(a)〜(e)は断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の更に他例を示すものであ
り、(a)〜(e)は断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の更に他例を示すものであ
り、(a)〜(e)は断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の更に他例を示すものであ
り、(a)〜(e)は断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の更に他例を示すものであ
り、(a)〜(c)は断面図、(d)は(c)の平面図
である。
【図7】(a)(b)は本発明における成形体の一例
を、(c)(d)は本発明における成形体の他例を、
(e)(f)は本発明における成形体の更に他例を示す
ものであり、(a)(c)(e)は平面図、(b)
(d)(f)は平面図である。
【図8】従来技術の一例を示すものであり、(a)
(b)は、それぞれ断面図である。
【符号の説明】
1 回路用金属板 2 開口付金属板 3 シート状成形物 4 放熱用金属板 5 枠部 6 回路部 7 回路 8 枠部 9 開口 16 成形体 17 回路基板 18 被覆層 19 放熱フィン 30 接続リード 32 溝部 33 溝部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E315 AA03 BB02 BB03 BB04 BB11 BB12 BB15 CC01 CC16 DD22 GG01 GG05 5E338 AA01 AA16 AA18 BB63 BB71 CC04 EE02 EE32

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路が形成されている複数の回路部及び
    隣り合う回路部間を仕切るように形成された枠部によっ
    て構成された回路用金属板と、回路用金属板の回路部に
    対応する箇所に形成された開口及び開口間を仕切るよう
    に形成された枠部とで構成された開口付金属板と、樹脂
    組成物をシート状に成形したシート状成形物と、放熱板
    を形成するための放熱用金属板とを、回路用金属板の回
    路部と開口付金属板の開口とを位置合わせして順次積層
    して一体成形した後、この形成された成形体に回路用金
    属板及び開口付金属板の枠部が配置されている箇所にお
    いて切断加工を施すことを特徴とする回路基板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び
    無機フィラーを含有すると共に無機フィラーの含有量が
    70〜95質量%である樹脂組成物を溶剤に分散させて
    得られる樹脂ワニスをガラス不織布に含浸した後乾燥す
    ることにより得られるプリプレグをシート状成形物とし
    て用いて成ることを特徴とする請求項1に記載の回路基
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び
    無機フィラーを含有すると共に無機フィラーの含有量が
    70〜95質量%である樹脂組成物を溶剤に分散させて
    得られる樹脂ワニスをフィルム上に塗布した後乾燥して
    得られる樹脂シートをシート状成形物として用いて成る
    ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 無機フィラーとして、Al23、Mg
    O、BN、AlN及びSiO2から選ばれた少なくとも
    1種類のものを用いて成ることを特徴とする請求項2又
    は3に記載の回路基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 回路用金属板の表面に耐熱性及び離型性
    を有する被覆層が装着された状態で一体成形を行なうこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の回路
    基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 回路用金属板、開口付金属板及び放熱用
    金属板として、銅、アルミニウム、鉄、これらの金属の
    うち少なくとも一種を含む合金、複数種の金属材からな
    るクラッド材、及び複数種の金属材からなる合金から選
    ばれた少なくとも1種類の材質から形成されたものを用
    いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    の回路基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 回路部において回路と枠部とを接続する
    接続リードと回路との境界に溝部を凹設した後、接続リ
    ードを除去することを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れかに記載の回路基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 放熱用金属板として、放熱フィンを一体
    に形成したものを用いることを特徴とする請求項1乃至
    7のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
JP2000048082A 2000-02-24 2000-02-24 回路基板の製造方法 Expired - Fee Related JP4075268B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000048082A JP4075268B2 (ja) 2000-02-24 2000-02-24 回路基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000048082A JP4075268B2 (ja) 2000-02-24 2000-02-24 回路基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001237508A true JP2001237508A (ja) 2001-08-31
JP4075268B2 JP4075268B2 (ja) 2008-04-16

Family

ID=18570221

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000048082A Expired - Fee Related JP4075268B2 (ja) 2000-02-24 2000-02-24 回路基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4075268B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007335835A (ja) * 2006-05-15 2007-12-27 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 配線板
JP2008098491A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 熱伝導基板とその製造方法及び回路モジュール
WO2009051178A1 (ja) * 2007-10-19 2009-04-23 Nippon Tungsten Co., Ltd. Ledパッケージ基板およびそれを用いたledパッケージ
JP2009129801A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Denki Kagaku Kogyo Kk 金属ベース回路基板
JP2016106395A (ja) * 2012-07-06 2016-06-16 日本発條株式会社 回路基板用積層板、金属ベース回路基板及びパワーモジュール
CN111726933A (zh) * 2020-08-18 2020-09-29 辽宁欧立达电子有限公司 一种高散热性能的多层互联立体线路板及其制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007335835A (ja) * 2006-05-15 2007-12-27 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 配線板
JP2008098491A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 熱伝導基板とその製造方法及び回路モジュール
WO2009051178A1 (ja) * 2007-10-19 2009-04-23 Nippon Tungsten Co., Ltd. Ledパッケージ基板およびそれを用いたledパッケージ
JP2009129801A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Denki Kagaku Kogyo Kk 金属ベース回路基板
JP2016106395A (ja) * 2012-07-06 2016-06-16 日本発條株式会社 回路基板用積層板、金属ベース回路基板及びパワーモジュール
CN111726933A (zh) * 2020-08-18 2020-09-29 辽宁欧立达电子有限公司 一种高散热性能的多层互联立体线路板及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4075268B2 (ja) 2008-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001348488A (ja) 熱伝導性樹脂組成物、プリプレグ、放熱性回路基板及び放熱性発熱部品
US8007897B2 (en) Insulating sheet and method for producing it, and power module comprising the insulating sheet
TWI526311B (zh) 多層樹脂薄片及其製造方法,多層樹脂薄片硬化物之製造方法及高熱傳導樹脂薄片層合體及其製造方法
KR20140011391A (ko) 다층 수지 시트, 수지 시트 적층체, 다층 수지 시트 경화물 및 그 제조 방법, 금속박이 형성된 다층 수지 시트, 그리고 반도체 장치
JPH10173097A (ja) 熱伝導基板用シート状物とその製造方法及びそれを用いた熱伝導基板とその製造方法
TWI679219B (zh) 電子材料用環氧樹脂組成物、其硬化物及電子構件
JPWO2019112048A1 (ja) 積層体及び電子装置
JP6425062B2 (ja) 絶縁樹脂シート、並びにそれを用いた回路基板および半導体パッケージ
JPH10178251A (ja) 半導体集積回路接続用基板およびそれを構成する部品ならびに半導体装置
JP4075268B2 (ja) 回路基板の製造方法
TWI820139B (zh) 樹脂組成物、樹脂構件、樹脂薄片、b階段薄片、c階段薄片、附有樹脂之金屬箔、金屬基板及電力半導體裝置
JP2001210764A (ja) 熱伝導基板及びその製造方法
JP7225553B2 (ja) ソルダーレジスト形成用の樹脂シート
JP5696302B2 (ja) インターポーザ用の金属張積層板とそれを用いた半導体パッケージ
JP2001251037A (ja) 回路基板の製造方法
WO2018056205A1 (ja) 放熱構造体の製造方法
JP2005209489A (ja) 絶縁シート
JP6439960B2 (ja) 絶縁樹脂シート、並びにそれを用いた回路基板および半導体パッケージ
JP2005277135A (ja) 半導体用接着剤組成物およびそれを用いた半導体用接着剤シート、半導体集積回路接続用基板、半導体装置
JPH10178040A (ja) 半導体集積回路接続用基板およびそれを構成する部品ならびに半導体装置
EP4160669A1 (en) Thermally conductive sheet with metal plate and method for poducing thermally conductive sheet
JPH11204944A (ja) 多層印刷配線板の製造方法
JP5105030B2 (ja) 基板、半導体装置および基板の製造方法
JP6996169B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、樹脂封止基板、および電子装置
JP2001007533A (ja) 放熱性に優れたボールグリッドアレイ型プリント配線板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080121

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120208

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130208

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees