JP2001234422A - 異種プラスチックの混合成形方法 - Google Patents

異種プラスチックの混合成形方法

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JP2001234422A
JP2001234422A JP2000044651A JP2000044651A JP2001234422A JP 2001234422 A JP2001234422 A JP 2001234422A JP 2000044651 A JP2000044651 A JP 2000044651A JP 2000044651 A JP2000044651 A JP 2000044651A JP 2001234422 A JP2001234422 A JP 2001234422A
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molding
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正夫 小西
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物とされるプラスチックは素材・成分等
が異なるため、リサイクルのために分離・分別が不可欠
とされていたが、異種プラスチックと天然植物繊維素と
の混合成形を可能とする新たな成形方法を提供し、資源
の有効活用に資する。 【解決手段】 廃棄物とされるプラスチックと天然植物
繊維素を溶毛化または細い帯状と化し、個々の素材を互
いに絡み合わせることで異種プラスチックからなる三次
元網目構造を構築する。木粉・古紙・植物体からなる植
物繊維に含入するセルロース・リグニン成分の分解・分
離を促すことによって非相溶な関係にあるプラスチック
との間で重合反応を求めるとともに、残渣したセルロー
ス成分によって異種ポリマーの混合成形に起因するポリ
マーの熱エネルギーの吸収と物理的強度を補足すること
で、非相溶な関係にあるプラスチック材の混合成形を可
能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃棄物の再資源化に
伴う混合成形方法に関するもので、特にプラスチック廃
棄物は、素材・成分の違いから、常に非相溶な関係にあ
り、仮に混合成形を試みても、成形品には物理的強度を
要求することは困難であったが、新たな成形方法を構築
することによって一定強度を確保した成形品を構成する
ことが可能となる。マテリアルリサイクルの応用例とし
ては、土木・園芸資材・自動車内装骨材・物流資材・コ
ンクリート型枠などベニヤ合板の代替品となる副資材と
して活用先を求めることができる。
【0002】
【従来の技術】プラスチック材料のことを化学的には高
分子結合材と称し、各種のプラスチック素材に至って
は、軟化温度・溶融温度・分解温度等の熱条件ととも
に、ポリマー成分の質・量等からなる分子組成の違いに
よって、高分子結合材は形成されており、プラスチック
のリサイクルにあたっては、素材の選別・分離・分別が
不可欠とされている。
【0003】仮に従来からの技法によって溶融混合成形
を施しても、冷却と固形化が進行する過程において、各
ポリマーの自由エネルギーの違いを起因とした熱凝縮と
相分離が発生し、その結果、再成形品にはタメゾリ・ヒ
ケ・ポリマーの劣化などによる強度不足、成形歪が指摘
されるところであった。
【0004】また、同様に廃棄物とされるポリマーに
は、その質・量・成分等が不明確なため、共通した相溶
化剤・可塑剤など溶媒を特定することができず、一定強
度を具備した再成形品を形成することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】廃棄物とされるプラス
チックは、その殆どが非相溶系であると理解されるた
め、機械的ポリマーブレンドによる混練では、粒子位の
関係なく得られるポリマーは二層構造に相分離が発生す
るところとなり、多量成分が連続相( 海) をなし、少量
成分が分散相( 島) をなした海島混合形態を構成する。
その要因としては、ポリマー間における界面張力の相違
が考えられ、よってその形態は不安定となり、物理的強
度を確保することは困難とされている。
【0006】例えば、自動車部品から廃棄されるバンパ
ー製品に至っては、母体をPP(ポリプロピレン)と
し、表面にはPU(ポリウレタン)塗装が施されてお
り、表面塗料のみを剥離するには大変な労力を必要とす
るところであり、仮に着装する両者を微粉砕に施し、機
械的混練によって溶融混合を繰り返しても、PP/PU
はポリマーの熱凝縮から海島構造を形成し、成形歪の発
生するところとなる。
【0007】さらに、昨今の自動車部品等は、安全性と
機能性の両面が製品に要求されるため、プラスチック成
形品に至っては例えばPP/PVC等の二層複合成形品
等が多く存在するところであり、これら複合成形品に対
して粉砕・分別方法を施しても完全なる単素材に戻すこ
とは困難であり、混合成としたポリマーの再資源化を求
めることは非常に困難な問題とされている。
【0008】さらに、極性を有するポリマーとして代表
されるPE/PVC系のポリマーブレンドにおいて(化
1参照)、仮に機械的ポリマーブレンドを試みた場合、
ポリエチレンの無極性とポリ塩化ビニールの極性を持っ
たポリマーは、一時的に強制的混和状態を成し得ても、
その後の冷却過程において互いのポリマーは二層系に相
分離が発生することとなる。その原因はポリマーの自由
エネルギ―にあると理解できる。
【0009】
【化1】
【0010】そこで、本発明の目的は、プラスチック廃
棄物の再資源化を図る上で問題となるポリマーの自由エ
ネルギーを抑制し、プラスチック廃棄物から再生品を形
成させるための技術、すなわち異種プラスチックの混合
成形方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、異種
プラスチックを混合して成形するにあたり、プラスチッ
ク成形体または複合体を一旦粉砕・溶融することにより
プラスチックを溶毛化または細い帯状と化すことを特徴
とする異種プラスチックの混合成形方法である。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の異種プラス
チックの混合成形方法において、プラスチックを溶毛化
または細い帯状と化し、未溶融状態において、植物繊維
毛と互いに絡み合わせて三次元的網目構造を構築させる
ことを特徴とする。
【0013】請求項3の発明は、請求項2の異種プラス
チックの混合成形方法において、上記植物繊維毛が、天
然植物繊維素を解繊することによりセルロース・リグニ
ン・ヘミセルロース等を含有する植物繊維毛と化したも
のであることを特徴とする。
【0014】請求項4の発明は、請求項2の異種プラス
チックの混合成形方法において、上記植物繊維毛が、天
然植物繊維素からなる植物繊維毛を触媒と反応させるこ
とによりセルロース・リグニン成分の分離または溶出を
補足させたものであることを特徴とする。
【0015】請求項5の発明は、請求項2の異種プラス
チックの混合成形方法において、プラスチックと天然植
物繊維素からなる植物繊維毛を触媒反応の下に対流攪拌
によって互いに絡み合わせて三次元的高分子網目構造を
構築させることを特徴とする。
【0016】請求項6の発明は、請求項1ないし5の異
種プラスチックの混合成形方法において、三次元的高分
子網目構成を構築した後、熱圧成形を施すことにより任
意の形状に成形することを特徴とする。
【0017】請求項7の発明は、請求項3ないし5異種
プラスチックの混合成形方法において、天然植物繊維に
含入するセルロース・リグニンをプラスチック溶毛化と
重合させることを特徴とする。プラスチックの凝縮熱と
ポリマーの自由エネルギーを吸収し、エンタルピーの抑
制を補足させることができる。
【0018】請求項8の発明は、請求項7の異種プラス
チックの混合成形方法において、熱圧成形途上に、発泡
作用を発生させることを特徴とする。発泡作用によって
成形体の軽量化が図れ、かつ、木質板比重に近似した成
形体を得ることができる。
【0019】請求項9の発明は、セルロースの残渣混入
によって、プラスチックの劣化による曲げ剛性、引張り
強度等の物理的品質強度を補足することを特徴とする異
種プラスチックの混合成形方法である。
【0020】既述のとおり、廃棄物とされ、その質・量
・分子組成等が定義されない非相溶からなる高分子結合
材にポリマーブレンドを求めた場合、その形成体は、ポ
リマーの自由エネルギーによって大きく影響されるとこ
ろであった。これに対して本発明の基本構想は、物理的
エネルギーの吸収体として植物繊維中に混入するセルロ
ース(C6 105 )nとする線状高分子と、プラスチ
ック成形体を溶融し形成を整えることで溶毛化または細
い帯状とした直鎖状高分子結合材と化したお互いを交差
させることで、非相溶からなるポリマーの自由エネルギ
ーを各線状高分子によって吸収する三次元網目構造体を
構築するというものである。
【0021】さらに、植物繊維中に在中するリグニン物
質を溶出させることで、プラスチック線状高分子とリグ
ニンの芳香核との反応性を求め、新たな架橋構造を形成
し、より強固な三次元網目構造体を構築させることが可
能となる。
【0022】非相溶な高分子結合材を微粒子位に粉砕す
ることなく、繊維状高分子の形態をもって網目構成させ
ることで、ポリマーの熱エネルギーを線状ポリマーが吸
収するとともに、混在するセルロースにも熱吸収をさ
せ、ポリマ−の凝縮と相分離の抑制が可能となる。ポリ
マーの溶解熱によっても溶融または溶解しないセルロー
スの混在により、廃棄物であるポリマーの劣化・物理的
強度不足を補足することが可能となり、ベニヤ合板等に
類似する強度を維持形成させることができるとともに木
粉・古紙・植物体等の廃棄物の有効活用にも貢献でき
る。
【0023】植物体は主としてセルロース・リグニン・
ヘミセルロース等から構成されており、セルロース(繊
維素)はすべての植物体において線状高分子(C6 10
5)nとして存在し、ガラス転位点や融点を持たず、
プラスチックの溶融熱または加熱によって溶融すること
なく介在することのできる物質であり、無水グルコース
単位あたり3個の水酸基を持ち備えた線状高分子である
ため、非相溶なプラスチック間に介在することでポリマ
ーの熱凝縮と自由エネルギーの吸収を容易に可能とする
ことができる。リグニン物質は、非常に不安定な状態で
浮遊する、水酸基を持った芳香族高分子であり、メトキ
シル基や水酸基をプラスチック誘導体と結合または反応
させることで架橋構造を構築し、プラスチック線状高分
子においてハードセグメントとして働くことにより、一
層強固な成形体を形成させることができる。
【0024】具体的には、植物繊維を高速遠心分離また
は対流攪拌によって加熱または摩擦熱を与えることで、
セルロースのβ−グリコンド結合を切断または単離を容
易に補足させることが可能となり、リグニンの末端基の
部分でグラフト化反応または諸反応を求めることができ
る。化2はリグニンのフェノール化反応を示す反応構造
式である。
【0025】
【化2】
【0026】同様に高速遠心分離または対流攪拌によっ
て、溶毛化した又は細い帯状のプラスチックに加熱また
は摩擦熱を与えて溶融状態へ導き、リグニン成分基であ
るメトキシル基または水酸基との間で結合・反応を促す
ことが可能となり、プラスチックと植物繊維とに新たな
架橋構造を構築することで一層強固な成形体を形成させ
ることができる。
【0027】なお、リグニン溶液は濃い褐色の液体のた
め、成形品としての変色には問題を残すところではある
が、リグニン溶液は粘性が高く、プラスチック線状高分
子に対して強い接着性能を有し、プラスチック成形体の
剛性を高める働きをする。
【0028】廃棄物とされる古紙類には化学パルプと機
械パルプ等があり、個々にリグニンの含有量に違いもあ
り、必要に応じて、リグニンまたは代替接着剤を添加す
ることができ、かつ、セルロース成形法においては異種
添加剤の混入を容易に可能とする。
【0029】プラスチックの溶融混練過程において、有
機物質である澱粉・セルロース・リグニンなどを混入す
る複合成形方法は、従来も幾多存在するところではあっ
たが、それらはすべてポリマーの混和性と界面張力の低
下を求めるため、ポリマーの分散粒子位を小さく微粉砕
化し、混練溶融する処理方法が認知されており、本発明
のように、各ポリマーを溶毛状または細い帯状とした
後、有機物質からなるセルロース・リグニンをポリマー
の未溶融の状態において混合攪拌し、熱圧成形を施す方
法とは異なり、ポリマーの微粉砕化における混練成形で
は、ポリマーの自由エネルギーに打ち克つことができ
ず、熱凝縮の発生することとなる。さらに、セルロース
が混入することで、プラスチック溶解時に発生する有害
物質に対する酵素作用によって分解・揮発性ガス等の吸
収を促し、PVC(ポリ塩化ビニール)等の有害物質の
処理再生にも効力を発揮する。
【0030】従来、異種ポリマーブレンドの相溶性に関
する理解と究明には、数1で表わされるギブスの自由エ
ネルギーが用いられる。
【0031】
【数1】
【0032】ポリマーの自由エネルギー( △Gm) によ
って混合エンタルピーを求めることことができ、相溶性
のためには△Gmの値を0または負の値とすることが望
まれる。そして、そのためには混合エンタルピーを規定
する相互作用パラメーターx 12に介入するポリマーの溶
解度パラメーターの値δ(混合エンタルピー値)をより
小さくすることが望まれる。ところが、廃棄物とされる
ポリマーでは成分とされる質・量が既に定まっているた
め、新たにギブスの自由エネルギー(△Gm)を変位さ
せることができなかった。そのため、従来からの技法で
は、混合エンタルピー値を小さくするためにポリマーの
粒子位を小さくし、ポリマーの界面張力の均一性を計る
の常とするものであった。しかし、このような方法で
は、廃棄物とされる質・量共に不確定な非相溶な関係に
あった異種ポリマーのブレンドは望めなかった。溶解度
パラメーターの参考として各種ポリマーブレンドの界面
張力を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】本発明では、ポリマーの高分子性を活用し
て、線状ポリマーにより構成された溶毛化または細い帯
状に形成を整えた後、未溶融状態において混合攪拌を行
い、異種ポリマーが絡み合った状態を構築させた後、熱
圧縮によって任意の成形体を形成することで、ギブスの
自由エネルギー(△Gm)に起因した異種ポリマーの体
積変化とポリマー間の相間剥離・熱凝縮等を線状ポリマ
ーによって吸収し、任意の成形体を構築することができ
る。
【0035】さらに、エンタルピー変位の吸収体として
セルロース(繊維素)を介入させることで、より安定し
た成形体を構成させるとともに、セルロースはポリマー
の溶融熱にも溶解することなく、異種ポリマーの三次元
網目構造体の中へ介入することによって物理的強度の補
足に繋がり、廃棄物とされる劣悪なポリマーの再生にあ
っては再生品機能の増加が期待できる。
【0036】三次元網目構造体の概要を説明するなら
ば、異種ポリマーを溶毛化または細い帯状と化し、混練
・熱圧成形を施すことによって、図1に示すように、ポ
リマーAは点cにて同種ポリマーAと溶融し、一体構成
化する。非相溶な関係にあるポリマーAとポリマーBの
接点aにおいては、溶融することなく線状高分子の状態
で絡み合うことによって三次元網目構造体を形成する。
そのため、ポリマーAに起因するエンタルピーによる体
積変位が、L1 、L2 の間において発生することとなる
が、点aにおいて溶着していない線状高分子は、L1
延伸性とともに体積変位を吸収するとともに、点bに介
入するセルロース(繊維素)によっても、エンタルピー
の吸収を補佐することとなる。このようにして、各線状
高分子が絡み合うことで成形体に発生する熱凝縮の吸収
を可能とした三次元網目構造体を構築することができる
(図1参照)。
【0037】以上一連の成形方法を「セルロース成形
法」とここでは呼ぶこととする。
【0038】
【発明の実施の形態】この発明によるセルロース成形法
の処理工程を図示するならば、概略図2に示すとおりで
あって、プラスチックを溶毛化または細い帯状にした
後、天然繊維素材と対流攪拌および/または触媒反応を
経て熱圧成形する工程を含む。廃プラスチック・天然繊
維素材・繊維織物等を主原料とすることができるが、各
素材の溶毛化または細い帯状と化すことが望まれるとこ
ろであり、ここでは大別してプラスチック・天然繊維素
材・繊維織物を一定な大きさに粉砕し、異物除去を行う
ことから求める。
【0039】処理可能なプラスチック素材としては、ポ
リエチレン(PE)・ポリプロピレン(PP)・メタク
リル樹脂(PMMA)・AS樹脂・ABS樹脂・ポリカ
ーボネート(PC)・ポリアミド(PA)・ポリアセテ
−ト(POM)・ポリフェニレンオキサイド(PPO)
・酢酸ビニル樹脂・ポリ塩化ビニール(PVC)等の熱
可塑性樹脂を挙げることができるが、熱圧成形が可能な
樹脂であれば特に限定するものではない。溶毛化には、
個々の素材からなる軟化温度・分解温度等を考慮して、
溶毛化を求めるが、仮に2種類以上の樹脂を機械的熱溶
融を施し、溶毛化を試みても個々の素材が混じり合った
形で混合溶毛化を形成し溶出されるところとなり、非相
溶系のポリマーによる溶毛化では連続した繊維毛を形成
することは困難なため、その後の延伸と冷却によって異
種ポリマーの混じり合った混合処理は寸断され、短繊維
へと形成される。従来からのリサイクルとして認知され
るPET樹脂等の連続繊維毛の紡糸には、安定した素材
の供給が絶対条件とされるリサイクル方法と、セルロー
ス成形法が望む短溶毛化処理の形成する三次元網目構造
を要求するところの特徴であり、資源の有効活用には処
理方法自体の容易性が強く望むことができる。
【0040】さらに、プラスチック溶毛化には、機械的
粉砕からなる短繊維化および溶融シート帯を細く切断す
ることでなる細い帯状とした繊維状物または溶融し紡糸
することで形成する短繊維等、処理方法の多様化を望む
ことができるが、本発明によるセルロース成形法に必要
とする繊維状物は、線状高分子結合材である熱可塑性樹
脂の特性により、処理を可能とするものであり、溶毛化
の寸法・形態等を細かく定め求めることが必要とされな
い。
【0041】木粉・古紙・植物体等は、天然繊維素材と
して形成されるところであり、本発明によるセルロース
成形法では、古紙・週刊誌等に付着したインク・塗料等
の脱墨処理を必要とせず、機械的押圧力と摩擦力を与え
ることで、天然繊維素材は解毛化され、繊維毛とするこ
とができる。繊維毛に介在するセルロース・リグニン・
ヘミセルロース等の成分の分離・溶出には、機械的に解
毛した後、酸またはアルカリ溶媒によって分離・溶出を
補足させることが望まれるが、160℃以上の熱処理に
よってもリグニンの溶出は確認できたところでもあり、
再生処理の速度・製品強度などによってその触媒方法を
決定することが望ましい。
【0042】プラスチックからなる細い帯状高分子結合
材と天然繊維素材からなる繊維毛、さらに繊維織物等か
ら解毛された繊維毛を互いに攪拌・混合を求めるため
に、対流攪拌装置によって攪拌を施す。その際、各繊維
には素材の比重の違いから対流攪拌によって対流分離層
が発生するところとなるが、攪拌筒内に設置した衝突壁
による摩擦熱とその触媒作用によって、プラスチックの
軟化溶融とともに植物繊維毛からのリグニンの溶出・分
離によって各繊維毛を絡み合わせ、一体した三次元網目
構造体へ形成を進化させることができる。
【0043】各素材の絡み合いによって三次元網目構造
体を形成させた後、成形金型へ投入、熱圧成形を施すこ
とで個々の繊維毛を融合させ、任意の成形体を構成させ
ることができる。プラスチックの溶融には、繊維毛の素
材・繊維径等によって融合時間が変化するところであ
り、処理時間の短縮には予熱工程を事前に設け、各素材
・成分を軟化させることで連続処理に繋げることができ
る。
【0044】素材の混合割合に関しては、当然のことな
がら、製品に要求される物理的強度に基づき、各素材の
混合率を任意に調合を求めるところであり、この実施の
形態では、プラスチック素材としてPE/PVC樹脂
と、天然繊維素材として木粉(ヒノキ)・古紙(ダンボ
ール紙)の混合によってベニヤ合板の代替品に再生処理
を求めたところ、物理的強度が維持されるところであっ
た(図3参照)。図3は、縦軸に荷重(N)、横軸に変
位(mm)をとって、4種の材料からなる試験片の試験
結果を示す。
【0045】
【実施例】次に、セルロース成形法の主要な処理工程を
図2に基づいて具体的に説明する。
【0046】溶毛化工程 廃棄物からなる成形体を一旦粉砕し、異物を除去した
後、溶融化を施して、溶融糸または細い帯状へと形成を
整える。素材の質・量等が明確に定義されない状態での
混練溶融によった場合、連続した溶融糸を形成すること
は困難であるが、ここでは高分子網目を形成するための
プラスチック線状高分子の形態を要求するところであ
り、具体的繊維長は、80mm程度以下、繊維径は断面
積80mm2程度以下とするのが望ましい。
【0047】機械的解繊工程 木粉・古紙・植物体等を機械的に解繊し、セルロース・
リグニンを含有した繊維毛とするが、古紙等において
も、インク等を脱墨せずに乾式に解繊し、繊維毛と化し
た状態においても混入を可能とするが、セルロースとリ
グニンの分離または溶出においては、酸またはアルカリ
触媒を用いて、リグニンの分離を補足することもできる
が、160℃以上の熱圧成形時においても分離・結合を
することが確認できた。触媒方法に対しては処理時間の
問題によって方法を定めることとする。
【0048】対流攪拌/触媒反応工程 プラスチック溶毛50%と植物繊維毛50%を対流攪拌
に努め均一な網目構造を求めるに際し、熱触媒によって
プラスチック繊維を軟化させることで粘性を帯びた溶毛
と植物繊維毛を絡み合わせることができる。さらに、酸
またはアルカリ溶媒を植物繊維毛に塗布することでリグ
ニンの分離・溶出を補足させることができ、触媒反応で
は3%水酸化ナトリウム溶液(NaOH)を添付するこ
とでリグニンの分離を補足させたが、セルロース・リグ
ニンの分離または溶液化の触媒方法は、ここでは方法を
問うことをしない。
【0049】熱圧成形工程 溶毛化したプラスチックと植物繊維毛を十分に攪拌し、
三次元的な高分子網目を構成させた後、熱圧溶融を求め
る。熱圧溶融において、非相溶な高分子結合材の混合と
なるため、従来の混練では凝縮熱とポリマーの自由エネ
ルギーに起因した容積の変化や、残留応力によってタメ
ゾリやヒケが発生するところではあったが、瞬間圧縮熱
を作用させることでポリマーの熱吸収をセルロースが吸
収することを特徴とする。
【0050】複合成形品による強度評価 未溶融状態において攪拌・混合を施すことで、他の物質
添加を容易に可能とすることがセルロース成形法の特徴
とするところであり、従来からのベニヤ合板・単板等に
は望めなかった流動性と複合材としての機能を構築する
ことを可能とした。例えば、発泡剤・ガラス繊維・磁性
体・フェライト・シリコン・非金属類などを所定の位置
に混入し、熱圧成形を施すことで、従来にない複合成形
品を構成することが可能となる成形方法であり、当然な
がら任意の金型により、熱圧成形を施すことで、希望す
る曲面成形とマトリクスの複合化が可能となる。
【0051】新たなプラスチック材料の添加も容易に可
能とし、成形品には、物理的強度を要求することが可能
である。圧縮熱を180℃、25kg/cm2 とし、6
t自動車内装骨材を仮定し成形点の強度を確認したとこ
ろ、表2に示すとおりの結果が得られた。
【0052】
【表2】
【0053】対流攪拌による発泡・軽量化 従来からのプラスチック成形では、素材の成分と共に、
軟化・溶融温度等、すべてが素材に求められるため、そ
の温度条件等に合わせた発泡剤の選定と発泡時間・圧力
・温度等を予め定めることが必要とされた。しかしなが
ら、廃棄物とされるプラスチック素材の不明解な状態に
おいての溶融工程では、発泡剤に求められる温度条件等
の適合を求めることができず、発泡剤の混入ができなか
った。さらに、熱圧成形時による混入では、植物繊維物
等からの発泡がスの流出等、発泡圧力の保持に問題があ
り、十分な発泡効果を期待することはできなかった。本
実施例では、対流攪拌途上において、微粉末処理を施し
た発泡剤を添加混入することで、新たな架橋構成が求め
られ、ボードの軽量化が実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】三次元編目構造体の模式図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す工程図である。
【図3】材料を異にする成形品の強度試験結果を示すグ
ラフ図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04H 1/54 D04H 1/54 A Fターム(参考) 4F201 AA01 AA50 AB19 AB25 AC00 BA01 BC01 BC15 BD02 BL41 4F301 AA01 AA02 AA13 AA14 AA17 AA29 AB03 AD02 BA01 BA11 BA15 BA17 BB02 BB07 BD41 BE11 BE18 BE31 BE44 BF12 BF16 BF31 4L045 AA05 BA05 4L047 AA08 AA14 AA15 AB02 BA08 CA18 CC09 CC10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異種プラスチックを混合して成形するに
    あたり、プラスチック成形体または複合体を一旦粉砕・
    溶融することによりプラスチックを溶毛化または細い帯
    状と化すことを特徴とする異種プラスチックの混合成形
    方法。
  2. 【請求項2】 プラスチックを溶毛化または細い帯状と
    化し、未溶融状態において、植物繊維毛と互いに絡み合
    わせて三次元的網目構造を構築させることを特徴とする
    請求項1の異種プラスチックの混合成形方法。
  3. 【請求項3】 上記植物繊維毛が、天然植物繊維素を解
    繊することによりセルロース・リグニン・ヘミセルロー
    ス等を含有する植物繊維毛と化したものであることを特
    徴とする請求項2の異種プラスチックの混合成形方法。
  4. 【請求項4】 上記植物繊維毛が、天然植物繊維素から
    なる植物繊維毛を触媒と反応させることによりセルロー
    ス・リグニン成分の分離または溶出を補足させたもので
    あることを特徴とする請求項2の異種プラスチックの混
    合成形方法。
  5. 【請求項5】 プラスチックと天然植物繊維素からなる
    植物繊維毛を触媒反応の下に対流攪拌によって互いに絡
    み合わせて三次元的高分子網目構成を構築させることを
    特徴とする請求項2の異種プラスチックの混合成形方
    法。
  6. 【請求項6】 三次元的高分子網目構成を構築した後、
    熱圧成形を施すことにより任意の形状に成形することを
    特徴とする請求項1ないし5の異種プラスチックの混合
    成形方法。
  7. 【請求項7】 天然植物繊維に含入するセルロース・リ
    グニンをプラスチック溶毛化と重合させることを特徴と
    する請求項3ないし5異種プラスチックの混合成形方
    法。
  8. 【請求項8】 熱圧成形途上に発泡作用を生じさせるこ
    とを特徴とする請求項7の異種プラスチックの混合成形
    方法。
  9. 【請求項9】 セルロースの残渣混入によって、プラス
    チックの劣化による曲げ剛性、引張り強度等の物理的品
    質強度を補足することを特徴とする異種プラスチックの
    混合成形方法。
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