JP2001234160A - 有機金属錯体及びそれを使用した電界発光素子 - Google Patents
有機金属錯体及びそれを使用した電界発光素子Info
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- JP2001234160A JP2001234160A JP2000045247A JP2000045247A JP2001234160A JP 2001234160 A JP2001234160 A JP 2001234160A JP 2000045247 A JP2000045247 A JP 2000045247A JP 2000045247 A JP2000045247 A JP 2000045247A JP 2001234160 A JP2001234160 A JP 2001234160A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】電界発光素子に使用される、ユウロピウムにβ
−ジケトンを配位した有機金属錯体を薄膜等にした場合
の耐熱性を向上させ、高い印加電圧をかけことができる
ようにし、所期の発光と発振ができるようにする。 【解決手段】式(1) 【化10】 で表される配位子と、中性配位子と、希土類金属を含む
有機金属錯体であり、当該希土類金属としては、ユウロ
ピウム、サマリウム、テルビウム及びネオジムからなる
群から選ばれるいずれかが使用される。
−ジケトンを配位した有機金属錯体を薄膜等にした場合
の耐熱性を向上させ、高い印加電圧をかけことができる
ようにし、所期の発光と発振ができるようにする。 【解決手段】式(1) 【化10】 で表される配位子と、中性配位子と、希土類金属を含む
有機金属錯体であり、当該希土類金属としては、ユウロ
ピウム、サマリウム、テルビウム及びネオジムからなる
群から選ばれるいずれかが使用される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機金属錯体及びそ
れを使用した電界発光素子に関するものである。更に詳
しくは、輝度を高めると共にβ−ジケトン系の有機金属
錯体よりも熱安定性に優れた有機金属錯体及びそれを使
用した電界発光素子に関するものである。
れを使用した電界発光素子に関するものである。更に詳
しくは、輝度を高めると共にβ−ジケトン系の有機金属
錯体よりも熱安定性に優れた有機金属錯体及びそれを使
用した電界発光素子に関するものである。
【0002】
【従来技術】電界発光素子は薄膜パネル、円筒状パネル
等の表示用部材や大面積パネル等の面発光体、その他多
くの素子に使用されている。特に最近は、レーザー光線
用電子デバイス等のオプトエレクトロニクスの発振素子
等に広く使用され始めている。電界発光素子には、多く
は、有機金属錯体が使用されている。例えば、2価、3
価または4価の希土類金属のイオンに、アセチルアセト
ン、ジベンゾイルメタン、2−テノイルトリフロロアセ
トン等のβ−ジケトン、o−ベンゾイル安息香酸、サリ
チル酸、o−フタル酸等のカルボン酸基を有する化合
物、サルチルアルデヒド、o−ヒドロキシアセトフェノ
ンのヒドロキシル基に隣接したケトン基またはアルデヒ
ド基を有する化合物、または、クラウンエーテル等を配
位子として配位した有機金属錯体である。
等の表示用部材や大面積パネル等の面発光体、その他多
くの素子に使用されている。特に最近は、レーザー光線
用電子デバイス等のオプトエレクトロニクスの発振素子
等に広く使用され始めている。電界発光素子には、多く
は、有機金属錯体が使用されている。例えば、2価、3
価または4価の希土類金属のイオンに、アセチルアセト
ン、ジベンゾイルメタン、2−テノイルトリフロロアセ
トン等のβ−ジケトン、o−ベンゾイル安息香酸、サリ
チル酸、o−フタル酸等のカルボン酸基を有する化合
物、サルチルアルデヒド、o−ヒドロキシアセトフェノ
ンのヒドロキシル基に隣接したケトン基またはアルデヒ
ド基を有する化合物、または、クラウンエーテル等を配
位子として配位した有機金属錯体である。
【0003】上記希土類金属のイオンに配位した有機金
属錯体のうちで、例えば、ユウロピウムにβ−ジケトン
を配位した有機金属錯体は、スペクトル幅の狭い蛍光
(10nm前後)を発光することができ、解像度がよい表示
用部材や、共振部材の設計が容易な発振素子を得ること
ができるので、広く使用されている。しかしながら、上
記のようなスペクトル幅の狭い蛍光(10nm前後)を発光
することができる有機金属錯体の中には、電界発光素子
等に用いた場合、輝度が小さく、十分な明るさを有しな
いものもあった。この点に関しては本発明者は数々の実
験を重ねた結果、一応解決した。
属錯体のうちで、例えば、ユウロピウムにβ−ジケトン
を配位した有機金属錯体は、スペクトル幅の狭い蛍光
(10nm前後)を発光することができ、解像度がよい表示
用部材や、共振部材の設計が容易な発振素子を得ること
ができるので、広く使用されている。しかしながら、上
記のようなスペクトル幅の狭い蛍光(10nm前後)を発光
することができる有機金属錯体の中には、電界発光素子
等に用いた場合、輝度が小さく、十分な明るさを有しな
いものもあった。この点に関しては本発明者は数々の実
験を重ねた結果、一応解決した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のユウロピウムにβ−ジケトンを配位した有機金属錯体
には、薄膜等にした場合に耐熱性が比較的悪いものも多
くみられ、このような有機金属錯体で電界発光素子を作
製した場合、作動時に高い印加電圧をかけるのが困難な
ものもあった。そのため、薄膜パネル、円筒パネル等の
表示用部材の電界発光素子として使用した場合、有機金
属錯体を十分に励起状態にできず、所期の発光が得られ
ないことがあった。
のユウロピウムにβ−ジケトンを配位した有機金属錯体
には、薄膜等にした場合に耐熱性が比較的悪いものも多
くみられ、このような有機金属錯体で電界発光素子を作
製した場合、作動時に高い印加電圧をかけるのが困難な
ものもあった。そのため、薄膜パネル、円筒パネル等の
表示用部材の電界発光素子として使用した場合、有機金
属錯体を十分に励起状態にできず、所期の発光が得られ
ないことがあった。
【0005】また、レーザー光線用電子デバイス等のオ
プトエレクトロニクスの発振素子等に使用した場合に
は、有機金属錯体を、十分なレーザー光線を得ることが
できるような高エネルギー状態にはできなかった。その
ため、レーザー光線を十分に発することができる臨界温
度にできず、発振素子としての十分な作動ができなかっ
た。
プトエレクトロニクスの発振素子等に使用した場合に
は、有機金属錯体を、十分なレーザー光線を得ることが
できるような高エネルギー状態にはできなかった。その
ため、レーザー光線を十分に発することができる臨界温
度にできず、発振素子としての十分な作動ができなかっ
た。
【0006】本発明者は、例えば、配位子であるβ−ジ
ケトンまたはその誘導体が、希土類金属、例えば、ユウ
ロピウムイオンに配位するときに、β−ジケトンまたは
その誘導体とユウロピウムイオンとの間に6員環構造が
形成され、当該6員環構造が不安定な結合になってお
り、そのことにより、耐熱性が低下しているのではない
かと考え、多くの実験を重ねた。その結果、β−ジケト
ンまたはその誘導体とユウロピウムイオンとの間に結合
エネルギーが大きい5員環構造が形成されれば、当該部
分が安定になり、耐熱性が向上することを見いだし、本
発明を完成するに至った。
ケトンまたはその誘導体が、希土類金属、例えば、ユウ
ロピウムイオンに配位するときに、β−ジケトンまたは
その誘導体とユウロピウムイオンとの間に6員環構造が
形成され、当該6員環構造が不安定な結合になってお
り、そのことにより、耐熱性が低下しているのではない
かと考え、多くの実験を重ねた。その結果、β−ジケト
ンまたはその誘導体とユウロピウムイオンとの間に結合
エネルギーが大きい5員環構造が形成されれば、当該部
分が安定になり、耐熱性が向上することを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0007】そこで、本発明の目的は、電界発光素子と
して使用したとき、高い印加電圧をかけても、そのとき
生じる高エネルギーに十分耐えうる耐熱性を有する有機
金属錯体及びそれを使用した電界発光素子を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、表示用部材等の電界発
光素子に使用しても、十分な輝度を現出できる有機金属
錯体及びそれを使用した電界発光素子を提供することに
ある。
して使用したとき、高い印加電圧をかけても、そのとき
生じる高エネルギーに十分耐えうる耐熱性を有する有機
金属錯体及びそれを使用した電界発光素子を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、表示用部材等の電界発
光素子に使用しても、十分な輝度を現出できる有機金属
錯体及びそれを使用した電界発光素子を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。
に講じた本発明の手段は次のとおりである。
【0009】第1の発明にあっては、式(1)
【化3】 で表される配位子と希土類金属を含む有機金属錯体であ
る。
る。
【0010】第2の発明にあっては、式(2)
【化4】 で表される配位子と希土類金属を含む有機金属錯体であ
る。
る。
【0011】第3の発明にあっては、中性配位子を含む
ことを特徴とする第1または第2の発明に係る有機金属
錯体である。
ことを特徴とする第1または第2の発明に係る有機金属
錯体である。
【0012】第4の発明にあっては、希土類金属が、ユ
ウロピウム、サマリウム、テルビウム及びネオジムから
なる群から選ばれるいずれかであることを特徴とする第
1、第2または第3の発明に係る有機金属錯体である。
ウロピウム、サマリウム、テルビウム及びネオジムから
なる群から選ばれるいずれかであることを特徴とする第
1、第2または第3の発明に係る有機金属錯体である。
【0013】第5の発明にあっては、第1、第2、第3
または第4の発明に係る有機金属錯体が発光素子として
使用されていることを特徴とする電界発光素子である。
または第4の発明に係る有機金属錯体が発光素子として
使用されていることを特徴とする電界発光素子である。
【0014】
【発明の実施の形態】式1で表される化合物は、2−ヒ
ドロキシピリジン−N−オキシドであり、試薬として一
般に販売されている。式2で表される化合物は、2−メ
チル7−ヒドロキシピリジンを氷酢酸に入れ、更に、そ
の中に過酸化水素水を10容量%入れて、酸化すること
によって合成できる。
ドロキシピリジン−N−オキシドであり、試薬として一
般に販売されている。式2で表される化合物は、2−メ
チル7−ヒドロキシピリジンを氷酢酸に入れ、更に、そ
の中に過酸化水素水を10容量%入れて、酸化すること
によって合成できる。
【0015】中性配位子としては、o−フェナントロリ
ン、バソクプロイン、ビピリジ及びトリフェニルホスフ
ィンオキシドからなる群から選ばれるいずれかが使用さ
れる。希土類金属としては、ランタン、セリウム、プラ
セオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウ
ロピウム、カドリニウム、テルビウム、ジスプロシウ
ム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウ
ム及びルテチウムからなる群から選ばれるいずれかが使
用される。
ン、バソクプロイン、ビピリジ及びトリフェニルホスフ
ィンオキシドからなる群から選ばれるいずれかが使用さ
れる。希土類金属としては、ランタン、セリウム、プラ
セオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウ
ロピウム、カドリニウム、テルビウム、ジスプロシウ
ム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウ
ム及びルテチウムからなる群から選ばれるいずれかが使
用される。
【0016】電界発光素子は、通常、基板、透明電極
(陽極)、ホール輸送層、本発明に係る有機金属錯体、
電子輸送層、背面電極(陰極)を順次積層することによ
り形成される。他の構造としては、透明電極の上に有
機金属錯体を設け、その上に陰極を設けたものや、透
明電極の上にホール輸送性を有する有機半導体(TP
D、PVK、α−NPDなど)を設け、その上に有機金
属錯体を設け、更にその上に陰極を設けたもの、透明
電極の上に有機金属錯体を設け、その上に電子輸送性を
有する有機半導体を設け、その上に陰極を設けたものを
挙げることができる。
(陽極)、ホール輸送層、本発明に係る有機金属錯体、
電子輸送層、背面電極(陰極)を順次積層することによ
り形成される。他の構造としては、透明電極の上に有
機金属錯体を設け、その上に陰極を設けたものや、透
明電極の上にホール輸送性を有する有機半導体(TP
D、PVK、α−NPDなど)を設け、その上に有機金
属錯体を設け、更にその上に陰極を設けたもの、透明
電極の上に有機金属錯体を設け、その上に電子輸送性を
有する有機半導体を設け、その上に陰極を設けたものを
挙げることができる。
【0017】電子輸送性を有する有機半導体としては、
オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アルミ
キノリノール錯体を挙げることができる。
オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アルミ
キノリノール錯体を挙げることができる。
【0018】なお、上記の場合において有機金属錯体
は、それ単独で用いられる場合もあるし、他の有機半導
体に混合して用いられる場合もある。
は、それ単独で用いられる場合もあるし、他の有機半導
体に混合して用いられる場合もある。
【0019】基板としては、ガラス、プラスチック、金
属薄膜等を挙げることができる。透明電極(陽極)とし
ては、インジウム錫オキシド(ITO)、酸化チタン、
酸化錫等を、真空蒸着法、スパッタリング法、ゾルゲル
法により薄膜に形成したもの等を挙げることができる。
属薄膜等を挙げることができる。透明電極(陽極)とし
ては、インジウム錫オキシド(ITO)、酸化チタン、
酸化錫等を、真空蒸着法、スパッタリング法、ゾルゲル
法により薄膜に形成したもの等を挙げることができる。
【0020】ホール輸送層としては、ポリビニルカルバ
ゾール(PVK)、フェニレンジアミン誘導体、トリフ
ェニルアミン誘導体等を、蒸着法、スピンコート法等に
より薄膜に形成したもの等を挙げることができる。
ゾール(PVK)、フェニレンジアミン誘導体、トリフ
ェニルアミン誘導体等を、蒸着法、スピンコート法等に
より薄膜に形成したもの等を挙げることができる。
【0021】電子輸送層としては、3−(4−ビフェニ
ル)−4−フェニル−5−ターシャルブチルフェニル−
1,2,4−トリアゾール(TAZ)、ニトロ置換フル
オレノン誘導体、ジフェニルキノン誘導体等を挙げるこ
とができる。背面電極(陰極)としては、リチウム、ア
ルミニウム、マグネシウム、銀等を挙げることができ
る。
ル)−4−フェニル−5−ターシャルブチルフェニル−
1,2,4−トリアゾール(TAZ)、ニトロ置換フル
オレノン誘導体、ジフェニルキノン誘導体等を挙げるこ
とができる。背面電極(陰極)としては、リチウム、ア
ルミニウム、マグネシウム、銀等を挙げることができ
る。
【0022】(作用)本発明に係る有機金属錯体は、希
土類金属に配位している配位子の希土類金属との間にで
きている環状体が5員環構造である。そのことにより、
β−ジケトンが希土類金属との間で有機金属錯体を形成
するときに生じる6員環構造に比べ、結合エネルギーが
大きくなり、その結果、当該部分が安定になり、有機金
属錯体の耐熱性が向上するものと思われる。
土類金属に配位している配位子の希土類金属との間にで
きている環状体が5員環構造である。そのことにより、
β−ジケトンが希土類金属との間で有機金属錯体を形成
するときに生じる6員環構造に比べ、結合エネルギーが
大きくなり、その結果、当該部分が安定になり、有機金
属錯体の耐熱性が向上するものと思われる。
【0023】
【実施例1】式(1)
【化5】 で表される配位子2−ヒドロキシピリジン−N−オキシ
ド(東京化成株式会社製の試薬)を用意する。
ド(東京化成株式会社製の試薬)を用意する。
【0024】上記2−ヒドロキシピリジン−N−オキシ
ド0.11gに、純水15mlを加えて撹拌する。均一に混合し
溶解した後、硝酸ユウロピウム六水和物0.147gを入れ
る。撹拌を続けながら沈殿が生成するまで1N水酸化ナ
トリウムを滴下する。そのまま30分間撹拌する。析出し
た沈殿を吸引濾過し、水とエタノールで洗浄し、目的と
する下記の有機金属錯体を得る。式(3)
ド0.11gに、純水15mlを加えて撹拌する。均一に混合し
溶解した後、硝酸ユウロピウム六水和物0.147gを入れ
る。撹拌を続けながら沈殿が生成するまで1N水酸化ナ
トリウムを滴下する。そのまま30分間撹拌する。析出し
た沈殿を吸引濾過し、水とエタノールで洗浄し、目的と
する下記の有機金属錯体を得る。式(3)
【化6】
【0025】上記有機金属錯体を熱天秤−示差熱計(マ
ックサイエンス株式会社製 TG-DTA2000、窒素雰囲気
中)で熱分解温度を測定したところ、450℃であった。
比較例として、ユウロピウムに一般的に使用されている
アセチルアセトンを配位した有機金属錯体について、上
記と同じ試験機により熱分解温度測定したところ、約36
0℃であり、本発明に係る有機金属錯体の方が耐熱性が
優れていることが分かった。
ックサイエンス株式会社製 TG-DTA2000、窒素雰囲気
中)で熱分解温度を測定したところ、450℃であった。
比較例として、ユウロピウムに一般的に使用されている
アセチルアセトンを配位した有機金属錯体について、上
記と同じ試験機により熱分解温度測定したところ、約36
0℃であり、本発明に係る有機金属錯体の方が耐熱性が
優れていることが分かった。
【0026】図1は式(3)で示す有機金属錯体の蛍光
スペクトルの特性図である。式(3)に示す有機金属錯
体を蛍光分光光度計(日本分光株式会社製 FP-777W)
で測定した。612nmにピークをもちスペクトル幅が11nm
の狭いシャープな蛍光が得られた。上記比較例の有機金
属錯体について、上記と同じ試験機により蛍光スペクト
ル測定したところ、613nmにピークをもっており、本発
明に係る有機金属錯体とほぼ同じシャープなスペクトル
幅を有していた。なお、上記比較例の有機金属錯体はβ
−ジケトン誘導体の中では、スペクトル幅が狭い蛍光を
発する物質を選んでいる。
スペクトルの特性図である。式(3)に示す有機金属錯
体を蛍光分光光度計(日本分光株式会社製 FP-777W)
で測定した。612nmにピークをもちスペクトル幅が11nm
の狭いシャープな蛍光が得られた。上記比較例の有機金
属錯体について、上記と同じ試験機により蛍光スペクト
ル測定したところ、613nmにピークをもっており、本発
明に係る有機金属錯体とほぼ同じシャープなスペクトル
幅を有していた。なお、上記比較例の有機金属錯体はβ
−ジケトン誘導体の中では、スペクトル幅が狭い蛍光を
発する物質を選んでいる。
【0027】図2は本発明に係る電界発光素子の側面視
説明図、図3は図2に示す電界発光素子の発光スペクト
ルの特性図である。式(3)で示す上記有機金属錯体を
用いて、次ぎのようにして、電界発光素子を作製した。
透明電極(ITO)2が100nmの厚みにスパッタリング
されているガラス基板1上に、ポリビニルカルバゾール
(PVK)3を約50nmの厚みになるようにスピンコート
する。その上に上記有機金属錯体4をクロロホルムに溶
かし、溶液とし、その溶液を上記スピンコートした上に
約10nmの厚みになるようにスピンコートする。更に、そ
の上に、TAZ5を約50nmの厚みになるように塗布し、
最後に、MgAg6(マグネシウムと銀との重量比で1
0対1の合金である)を約200nmの厚みになるように蒸
着し、積層された電界発光素子10を得る。図中7は電
源である。
説明図、図3は図2に示す電界発光素子の発光スペクト
ルの特性図である。式(3)で示す上記有機金属錯体を
用いて、次ぎのようにして、電界発光素子を作製した。
透明電極(ITO)2が100nmの厚みにスパッタリング
されているガラス基板1上に、ポリビニルカルバゾール
(PVK)3を約50nmの厚みになるようにスピンコート
する。その上に上記有機金属錯体4をクロロホルムに溶
かし、溶液とし、その溶液を上記スピンコートした上に
約10nmの厚みになるようにスピンコートする。更に、そ
の上に、TAZ5を約50nmの厚みになるように塗布し、
最後に、MgAg6(マグネシウムと銀との重量比で1
0対1の合金である)を約200nmの厚みになるように蒸
着し、積層された電界発光素子10を得る。図中7は電
源である。
【0028】上記電界発光素子10の輝度を輝度計(ミ
ノルタ製 LS-110、電圧21V、電流18mA/cm2)で測定し
たところ、74cd/m2の明るい発光を得ることができた。
発光スペクトルをマルチチャンネル検出器(浜松ホトニ
クス製 PMA-11)で行ったところ、主な発光波長は625n
mであり、発光スペクトルの幅は12nmであり十分に狭か
った。なお、上記比較例の有機金属錯体についても同様
の方法で電界発光素子を製造し、同様の輝度計で輝度を
測定したところ、0.5〜3cd/m2であり、ほぼ零に近く、
輝きは殆どなかった。発光スペクトルも同様の検出器で
測定したところ、主な発光波長は620nmであり、発光ス
ペクトルの幅は12nmであり狭かった。
ノルタ製 LS-110、電圧21V、電流18mA/cm2)で測定し
たところ、74cd/m2の明るい発光を得ることができた。
発光スペクトルをマルチチャンネル検出器(浜松ホトニ
クス製 PMA-11)で行ったところ、主な発光波長は625n
mであり、発光スペクトルの幅は12nmであり十分に狭か
った。なお、上記比較例の有機金属錯体についても同様
の方法で電界発光素子を製造し、同様の輝度計で輝度を
測定したところ、0.5〜3cd/m2であり、ほぼ零に近く、
輝きは殆どなかった。発光スペクトルも同様の検出器で
測定したところ、主な発光波長は620nmであり、発光ス
ペクトルの幅は12nmであり狭かった。
【0029】
【実施例2】式(2)
【化7】 で表される配位子と、式(4)
【化8】 で表される中性配位子とを用い、実施例1と同様の方法
で、式(5)
で、式(5)
【化9】 に示す本発明に係る他の例の有機金属錯体を得た。更
に、当該有機金属錯体を使用し電界発光素子も同様にし
て作製した。実施例1とほぼ同様の方法で、有機金属錯
体については、熱分解温度と発光スペクトルを、電界発
光素子については、輝度と発光スペクトルを測定した。
その結果、前者の熱分解温度は460℃、主な発光波長は6
13nm、発光スペクトル幅は13nmであり、後者の輝度は81
cd/m2、主な発光波長は621nm、発光スペクトルの幅は11
nmであり、実施例1の場合とほぼ同様の値が得られた。
に、当該有機金属錯体を使用し電界発光素子も同様にし
て作製した。実施例1とほぼ同様の方法で、有機金属錯
体については、熱分解温度と発光スペクトルを、電界発
光素子については、輝度と発光スペクトルを測定した。
その結果、前者の熱分解温度は460℃、主な発光波長は6
13nm、発光スペクトル幅は13nmであり、後者の輝度は81
cd/m2、主な発光波長は621nm、発光スペクトルの幅は11
nmであり、実施例1の場合とほぼ同様の値が得られた。
【0030】本明細書で使用している用語と表現は、あ
くまでも説明上のものであって、なんら限定的なもので
はなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等
価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の
技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるとい
うことは言うまでもない。なお、本発明は図示の実施の
形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載
内において種々の変形が可能である。
くまでも説明上のものであって、なんら限定的なもので
はなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等
価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の
技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるとい
うことは言うまでもない。なお、本発明は図示の実施の
形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載
内において種々の変形が可能である。
【0031】
【発明の効果】本発明の有機金属錯体は上記構成を備
え、次の効果を有する。希土類金属に配位している配位
子の希土類金属との間にできている環状体が5員環構造
であり、β−ジケトンが希土類金属との間で有機金属錯
体を形成するときに生じる6員環構造に比べ、当該部分
が安定になり、耐熱性が向上した。従って、電界発光素
子に使用したとき、高い印加電圧をかけて有機金属錯体
を十分に励起状態にすることができ、薄膜パネル、円筒
パネル等の表示用部材として、所期の発光ができる。ま
た、レーザー光線用電子デバイス等のオプトエレクトロ
ニクスの発振素子として、十分な発振をさせることがで
きる。
え、次の効果を有する。希土類金属に配位している配位
子の希土類金属との間にできている環状体が5員環構造
であり、β−ジケトンが希土類金属との間で有機金属錯
体を形成するときに生じる6員環構造に比べ、当該部分
が安定になり、耐熱性が向上した。従って、電界発光素
子に使用したとき、高い印加電圧をかけて有機金属錯体
を十分に励起状態にすることができ、薄膜パネル、円筒
パネル等の表示用部材として、所期の発光ができる。ま
た、レーザー光線用電子デバイス等のオプトエレクトロ
ニクスの発振素子として、十分な発振をさせることがで
きる。
【図1】本発明に係る式(3)で示す有機金属錯体の発
光スペクトルの特性図。
光スペクトルの特性図。
【図2】本発明に係る電界発光素子の側面視説明図。
【図3】図2に示す電界発光素子の発光スペクトルの特
性図。
性図。
1 ガラス基板 2 透明電極 3 PVK 4 有機金属錯体 5 TAZ 7 電源 10 電界発光素子
Claims (5)
- 【請求項1】 式(1) 【化1】 で表される配位子と希土類金属を含む有機金属錯体。
- 【請求項2】 式(2) 【化2】 で表される配位子と希土類金属を含む有機金属錯体。
- 【請求項3】 中性配位子を含むことを特徴とする、請
求項1または2記載の有機金属錯体。 - 【請求項4】 希土類金属が、ユウロピウム、サマリウ
ム、テルビウム及びネオジムからなる群から選ばれるい
ずれかであることを特徴とする、請求項1、2または3
記載の有機金属錯体。 - 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の有機金
属錯体が発光物質として使用されていることを特徴とす
る電界発光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000045247A JP2001234160A (ja) | 2000-02-22 | 2000-02-22 | 有機金属錯体及びそれを使用した電界発光素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000045247A JP2001234160A (ja) | 2000-02-22 | 2000-02-22 | 有機金属錯体及びそれを使用した電界発光素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001234160A true JP2001234160A (ja) | 2001-08-28 |
Family
ID=18567861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000045247A Pending JP2001234160A (ja) | 2000-02-22 | 2000-02-22 | 有機金属錯体及びそれを使用した電界発光素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001234160A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008166829A (ja) * | 2008-01-17 | 2008-07-17 | Konica Minolta Holdings Inc | 有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置 |
-
2000
- 2000-02-22 JP JP2000045247A patent/JP2001234160A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008166829A (ja) * | 2008-01-17 | 2008-07-17 | Konica Minolta Holdings Inc | 有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置 |
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