JP2001233935A - 塗料用エポキシポリオール樹脂及びその製造方法 - Google Patents

塗料用エポキシポリオール樹脂及びその製造方法

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JP2001233935A
JP2001233935A JP2000046631A JP2000046631A JP2001233935A JP 2001233935 A JP2001233935 A JP 2001233935A JP 2000046631 A JP2000046631 A JP 2000046631A JP 2000046631 A JP2000046631 A JP 2000046631A JP 2001233935 A JP2001233935 A JP 2001233935A
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resin
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epoxy resin
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Koichi Kurokawa
幸一 黒川
Akio Kawabata
明男 川畑
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Harima Chemical Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミネラルスピリットなどの脂肪族系溶剤に対
して充分な溶解性を持ち、硬化性、耐食性、耐溶剤性、
耐薬品性に優れ、且つ低温での硬化性に優れた塗料用エ
ポキシポリオール樹脂を提供することを目的とする。 【解決手段】 平均炭素数が5以上のアルキル基を有す
るアルキルフェノール化合物とホルムアルデヒドとから
得られる、1分子中のフェノール性水酸基の平均官能基
数が2.5〜6であるフェノールノボラック樹脂と、一
分子中に二個のエポキシ基を有するエポキシ当量が30
0以下のエポキシ樹脂とを、前記エポキシ樹脂のモル数
/前記フェノールノボラック樹脂中のフェノール性水酸
基数の比率が0.3〜1/1となる割合で反応し、エポ
キシ基の40〜60%を未反応エポキシ基として残して
なるエポキシ樹脂に対し、そのエポキシ樹脂が有するエ
ポキシ基を開環して水酸基に転化してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミネラルスピリッ
トなどの脂肪族系溶剤に溶解し、又は安定に分散し、且
つ耐食性、密着性、及び耐薬品性などに優れた塗膜が得
られる、塗料用エポキシポリオール樹脂に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、ビスフェノール型エポキシ樹
脂は、電気、電子、接着剤、塗料などの分野において幅
広く使用されている。特に塗料分野においては、エポキ
シ当量が250〜1000のビスフェノール型エポキシ
樹脂が広く使用されており、これらは耐食性、密着性、
耐薬品性などの点で優れているので、重防食塗料用とし
て汎用されている。
【0003】また、ビスフェノール型エポキシ樹脂の中
で高分子量のタイプのものは、その分子中に第二級の水
酸基を持つのでポリオールとしての性質も有しており、
イソシアネート樹脂などの硬化剤と組み合わせて塗料用
のポリオール樹脂としても使用されている。
【0004】ところでこれらの塗料用のエポキシ樹脂
は、一般に有機溶剤に溶解されて使用されることが多
く、使用される有機溶剤としては、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂の溶解性の点から、トルエンやキシレンなど
の芳香族系溶剤と、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン系、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル系などの
溶剤との混合系で使用される。
【0005】しかしながらこれらエポキシ樹脂塗料に使
用される溶剤は、いずれも沸点や引火点が抵く発火の危
険があり、また人体に対して強い毒性を有する溶剤であ
って、塗装環境や作業性、安全性などの点で問題があ
る。
【0006】また前述のような溶剤は溶解力が強く、補
修用塗料として旧塗膜の上に塗装した場合、旧塗膜を溶
解し又は膨潤させ、リフティングなどの塗膜欠陥が生じ
るという問題点を抱えている。
【0007】また一般に、エポキシ樹脂は温度による反
応性の依存性が大きく、低温における硬化性が悪いとい
う性質があり、エポキシ基をすべて開環したポリオール
樹脂とし、イソシアネートとの反応による硬化システム
のエポキシポリオール樹脂が提案されている。
【0008】例えば、特開平5−202167号公報に
は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と長鎖脂肪族型エポ
キシ樹脂との組成物と、第一及び第二アミン化合物との
反応によるエポキシポリオール樹脂が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記特開
平5−202167号公報に記載されたものにおいて
は、塗膜の可撓性には富むものの、長鎖の脂肪族型エポ
キシ樹脂を用いているので、密着性、防食性などのエポ
キシ樹脂特有の性能が低下し、またミネラルスピリット
などの脂肪族系溶剤に対して十分な溶解性を持たない。
【0010】また特開平7−146210号公報に記載
されたエポキシポリオール樹脂では、密着性及び防食性
などの点ではある程度改善されているものの、脂肪族系
溶剤に対する溶解性は不十分である。
【0011】さらに特開平10−45870号公報に記
載されたエポキシポリオール樹脂では、ミネラルスピリ
ットなどの脂肪族系溶剤に可溶なポリオール樹脂として
提案されているが、未だ十分な溶解性を有しているとは
言えない。
【0012】さらにまた、特開平11−209585号
公報に記載されたエポキシポリオール樹脂においては、
ミネラルスピリットなどの脂肪族系溶剤に可溶又は安定
に分散するものの、使用される原料が比較的硬い成分の
ものが多く、可撓性に乏しく、密着性も良好とは言えな
い。
【0013】本発明はかかる事情に鑑みなされたもので
あって、ミネラルスピリットなどの脂肪族系溶剤に対し
て充分な溶解性を有するエポキシポリオール樹脂を提供
することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】而して本発明の塗料用エ
ポキシポリオール樹脂は、平均炭素数が5以上のアルキ
ル基を有するアルキルフェノール化合物とホルムアルデ
ヒドとから得られる、1分子中のフェノール性水酸基の
平均官能基数が2.5〜6であるフェノールノボラック
樹脂と、一分子中に二個のエポキシ基を有するエポキシ
当量が300以下のエポキシ樹脂とを、前記エポキシ樹
脂のモル数/前記フェノールノボラック樹脂中のフェノ
ール性水酸基数の比率が0.3〜1/1となる割合で反
応し、エポキシ基の40〜60%を未反応エポキシ基と
して残してなるエポキシ樹脂に対し、そのエポキシ樹脂
が有するエポキシ基を開環して水酸基に転化してなるこ
とを特徴とするものである。
【0015】また本発明の塗料用エポキシポリオール樹
脂の製造方法は、アルキルフェノール化合物とホルマリ
ンとを触媒存在下、芳香族系溶剤中で100〜170℃
で反応させ、芳香族系溶剤を回収し、然る後脂肪族系溶
剤を加えてフェノールノボラック樹脂を得、次いで当該
フェノールノボラック樹脂とエポキシ樹脂とを、触媒の
存在下脂肪族系溶剤中120〜200℃で、エポキシ樹
脂のモル数/フェノールノボラック樹脂のフェノール性
水酸基数が0.3〜1/1となる割合で反応させ、エポ
キシ基の40〜60%を残したエポキシ樹脂を得、当該
エポキシ樹脂と平均炭素数が4以上のアルキル基を有す
る一塩基酸又は平均炭素数が4以上のアルキレン基を有
する二塩基酸とを、エポキシ樹脂のエポキシ基数と一塩
基酸又は二塩基酸のカルボキシル基数の比率が1/0.
7〜1となる割合で反応させ、さらに残存エポキシ基数
と活性水素数との比率が1/0.7〜1となる割合で活
性水素含有物を反応させ、エポキシ樹脂中に残存するエ
ポキシ基を開環させることを特徴とするものである。
【0016】本発明で使用されるアルキルフェノール化
合物は、アルキル基の平均炭素数が5以上であることを
要する。平均炭素数が5未満の場合は、脂肪族系溶剤に
対する溶解性が良好なものが得られない。
【0017】なお本発明におけるアルキルフェノール化
合物は、アルキル基の平均炭素数が5以上であることを
要するが、ここに含まれる個々のアルキルフェノールに
おけるアルキル基の炭素数は特に限定されない。
【0018】個々のアルキルフェノール化合物としては
炭素数2〜12のアルキル基を有するアルキルフェノー
ルが使用可能であり、具体的には、例えばパラターシャ
リーブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフ
ェノール、ドデシルフェノールなどが代表的なものとし
て挙げられる。
【0019】これらのアルキルフェノール化合物とホル
ムアルデヒドとからフェノールノボラック樹脂を得る。
得られたフェノールノボラック樹脂は、一分子中のフェ
ノール性水酸基の官能基数が、平均で2.5〜6である
ことを要する。平均官能基数が2.5未満の場合には、
塗料として乾燥が遅く塗膜性能が劣り、また6より大き
い場合には、ワニスの粘度が高いものとなり、塗料とし
ての実用性に劣ったものとなる。
【0020】次に本発明で使用されるエポキシ樹脂は、
一分子に二個のエポキシ基を有し、且つ平均エポキシ当
量が300以下のものが使用される。平均エポキシ当量
が300を超えると、製品となるエポキシポリオール樹
脂の脂肪族系溶剤に対する溶解性が低下するので好まし
くない。
【0021】このようなエポキシ樹脂の代表的な例とし
ては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ビスフェノー
ルAとエピクロルヒドリンとの縮合物)や、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂(ビスフェノールFとエピクロル
ヒドリンとの縮合物)などが挙げられるが、これらに限
定されるものではなく、その他二価アルコールとエピク
ロルヒドリンとの縮合物や、二価カルボン酸とエピクロ
ルヒドリンとの縮合物なども使用することができる。
【0022】かかるエポキシ樹脂の具体例としては、例
えば東都化成工業社製エポトートYD−128、YD−
134、YDF−170や、共栄社油脂化学工業社製エ
ポライト40E(エチレングリコールジグリシジルエー
テル)、エポライト70P(プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル)、エポライト1500NP(ネオペ
ンチルグリコールジグリシジルエーテル)などの商品名
で市販されているものを使用することができる。
【0023】また本発明において使用される一塩基酸
は、平均炭素数が4以上のアルキル基を有するものであ
って、例えば椰子油脂肪酸、大豆油脂肪酸、トール油脂
肪酸などを挙げることができる。
【0024】また本発明における二塩基酸は、平均炭素
数が4以上のアルキレン基を有するものであって、その
具体例としては、例えばアジピン酸、セバシン酸、ハリ
マ化成社製ハリダイマー200、ハリダイマー250な
どのダイマー酸などを挙げることができる。
【0025】一塩基酸又は二塩基酸におけるアルキル基
又はアルキレン基の平均炭素数が4未満であると、可撓
性に優れた塗膜を得ることができない。これらの炭素数
は平均で4以上であれば足り、そこに含まれる個々の一
塩基酸又は二塩基酸における炭素数は特に限定されるも
のではない。
【0026】また活性水素含有物としてはトリエチレン
テトラミン、イソホロンジアミン、メタキシレンジアミ
ンなどのアミン類、これらアミン類のアダクト変性アミ
ンやポリアミド樹脂などが挙げられる。
【0027】次に本発明のエポキシポリオール樹脂を製
造するための方法について説明する。まず、アルキルフ
ェノール化合物と37%ホルマリンとを、触媒の存在
下、トルエンなどの芳香族系溶剤中で、100〜170
℃好ましくは140℃〜160℃の温度で1〜3時間反
応させる。その後芳香族系溶剤を回収し、ミネラルスピ
リットなどの脂肪族系溶剤を加え、当該脂肪族系溶剤で
希釈されたフェノールノボラック樹脂を得る。触媒とし
ては、塩酸、シュウ酸などの酸触媒を使用することがで
きる。
【0028】次いでフェノールノボラック樹脂とエポキ
シ樹脂との反応は、触媒存在下、ミネラルスピリット中
で、120〜200℃好ましくは140℃〜180℃で
目標のエポキシ当量に達するまで反応させる。
【0029】触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ触媒、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミンなどのアミン若しくは
その塩触媒、臭化テトラメチルアンモニウム、塩化テト
ラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウ
ム、塩化テトラエチルアンモニウムなどの第4級アンモ
ニウム塩触媒などを使用することができる。
【0030】エポキシ樹脂のモル数(以下Epという)
と、フェノールノボラック樹脂のフェノール性水酸基数
(以下Phという)との比率は、0.3〜1/1となる
割合で反応させることが必要である。
【0031】Ep/Phの比率が0.3/1未満の場
合、得られるエポキシ樹脂中のエポキシ基数が少なく、
さらに最終製品となるエポキシポリオール樹脂における
水酸基の数が不足するので、乾燥性が遅く塗料用エポキ
シポリオール樹脂としては不適切である。また前記比率
が1/1より大きい場合には、得られたエポキシポリオ
ール樹脂の脂肪族系溶剤に対する溶解性が悪いものとな
る。
【0032】反応終了時の生成エポキシ樹脂中には、原
料エポキシ樹脂中のエポキシ基の40〜60%を残留せ
しめる必要がある。残留量が40%未満の場合、次の酸
との反応が十分に行われず、また反応中ゲル化する場合
もある。60%を超えた場合には、ノボラック樹脂とエ
ポキシ樹脂との反応が不十分で、脂肪族系溶剤に対する
溶解性が劣る。
【0033】次いで、前記フェノールノボラック樹脂と
エポキシ樹脂との反応により得られた生成エポキシ樹脂
に対し、一塩基酸又は二塩基酸を添加して120〜20
0℃好ましくは140℃〜180℃にまで昇温してエポ
キシ当量が2000〜3000になるまで反応させ、さ
らに活性水素含有物を仕込んで、前述の反応温度まで昇
温して反応させ、残留していたエポキシ基をほぼ完全に
開環させる。
【0034】生成エポキシ樹脂に対する酸の添加量は、
生成エポキシ樹脂中に残留させたエポキシ基数/一塩基
酸又は二塩基酸のカルボキシル基数の比率が、1/0.
7〜1となる割合とするべきである。酸の添加量が不足
すると樹脂の可撓性が得られない。また酸の添加量が過
多であると低分子量の酸成分が未反応で残存し、本来の
塗料用樹脂としての性能が得られない。
【0035】また酸を反応させた後の樹脂に対する活性
水素含有化合物の添加量は、樹脂中の残存エポキシ基数
と活性水素化合物中の活性水素数との比率が、1/0.
7〜1となるようにすべきである。活性水素含有化合物
の添加量が少ないとエポキシ基が十分に開環せず、残存
するエポキシ基が樹脂の安定性に悪影響を及ぼす。また
活性水素含有化合物の添加量が多いと、未反応の活性水
素含有化合物が残留し、樹脂の性能を損ねる可能性があ
る。
【0036】
【作用】本発明の塗料用エポキシポリオール樹脂には、
以上説明した方法により製造され、これに脂肪族系溶
剤、硬化剤、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、改質樹
脂、添加剤などを配合して塗料化される。
【0037】本発明の塗料用エポキシポリオール樹脂
は、ミネラルスピリットなどの脂肪族系溶剤のみで塗料
化することが可能であるが、塗料の特徴を損なわない範
囲で、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、メチル
イソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢
酸ブチルなどのエステル系溶剤、混合芳香族炭化水素系
溶剤(エクソン化学社製ソルベッソ100、ソルベッソ
150、モービル石油社製ベガゾールR−100、ベガ
ゾールR−150)などを脂肪族系溶剤と併用すること
は可能である。
【0038】本発明の塗料用エポキシポリオール樹脂
は、エポキシ基が開環して生じた多数の水酸基を有する
ポリオール系樹脂であるので、塗料における硬化剤とし
ては、通常のポリオール樹脂用の硬化剤を使用すること
ができる。具体的には、トリレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネートなどのイソシアネートモ
ノマー、これらのアダクト変性物やヌレート変性物など
のポリイソシアネートなどを使用することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明の塗料用エポキシポリオール樹脂
は、高引火点の脂肪族系溶剤に溶解し、又は安定に分散
するので、これらの溶剤により塗料化が可能である。従
って塗装環境や塗装作業性が良く、更に旧塗膜の補修用
として塗り重ねた場合には、旧塗膜を溶解したり膨潤さ
せたりすることがない。
【0040】さらに得られる塗膜は、従来の溶解力の強
いトルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤を使用したエ
ポキシ樹脂塗料に匹敵する、耐食性、密着性などに優れ
た塗膜が得られる。
【0041】また本発明の塗料用エポキシポリオール樹
脂は、その化学構造において多数の水酸基を有するポリ
オール樹脂であるので、イソシアネート系の硬化剤によ
り硬化させることができ、低温での硬化性に優れてい
る。
【0042】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。なお
以下の説明において、「部」及び「%」は、特に断らな
い限り「重量部」及び「重量%」を示す。
【0043】[フェノールノボラック樹脂の調製]温度
計、撹拌機及び環流冷却器を取り付けた反応器にノニル
フェノール660gと37%ホルマリン162gとを混
合して投入し、さらにそこに触媒としてシュウ酸7g及
び、溶媒としてのトルエン155gを加え、150℃で
2時間反応させた。然る後トルエンを回収し、ミネラル
スピリットを加えて不揮発分が80%となるように調整
し、フェノールノボラック樹脂溶液を得た。
【0044】[エポキシ樹脂の調製]温度計、撹拌機及
び環流冷却器を取り付けた反応器に、前述により調製さ
れたフェノールノボラック樹脂溶液と、エポトートYD
−128(東都化成(株)製;ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、エポキシ当量190)とを、Ep/Phの比
率が1/1の割合となるように仕込み、さらにミネラル
スピリットを添加して不揮発分が60%になるように調
整した。
【0045】そしてそれを加熱して約110℃にまで昇
温し、撹拌しながら水酸化カリウムを全樹脂に対して
0.01%添加し、さらに150℃にまで昇温し、エポ
キシ当量が1000〜1300になるまで反応させ、エ
ポキシ樹脂を得た。 [エポキシポリオール樹脂の調製]
【0046】[実施例1]温度計、撹拌機及び環流冷却
器を取り付けた反応器に、前述により調製されたエポキ
シ樹脂を800gと、ハートールFA−1(ハリマ化成
(株)製;トール油脂肪酸、酸価193)を123gと
を混合して投入し、それを加熱して約110℃にまで昇
温した。撹拌しながら水酸化カリウムを全樹脂に対して
0.01%添加して、さらに150℃にまで昇温し、エ
ポキシ当量が2500〜3000となるまで反応させ
た。
【0047】さらにジイソプロパノールアミンを64g
添加し、150℃で1時間反応し、残存のエポキシ基を
すべて開環させ、さらにミネラルスピリットを添加し
て、不揮発分60%のエポキシポリオール樹脂ワニスを
得た。
【0048】[実施例2]温度計、撹拌機及び環流冷却
器を取り付けた反応器に、前述により調製されたエポキ
シ樹脂を800gと、ハートールFA−1を123gと
を混合して投入し、それを加熱して約110℃にまで昇
温した。撹拌しながら水酸化カリウムを全樹脂に対して
0.01%添加し、さらに150℃にまで昇温し、エポ
キシ当量が2000〜2500となるまで反応させた。
【0049】ジイソプロパノールアミンを128g添加
し、150℃で1時間反応させて、残存のエポキシ基を
すべて開環させ、さらにミネラルスピリットを添加し
て、不揮発分60%のエポキシポリオール樹脂ワニスを
得た。
【0050】[実施例3]温度計、撹拌機及び環流冷却
器を取り付けた反応器に、前述により調製されたエポキ
シ樹脂を800gと、ハートールFA−1を108g
と、ハリダイマー200(ハリマ化成(株)製;C36
イマー酸、酸価193)を15gとを混合して投入し、
それを加熱して約110℃にまで昇温した。撹拌しなが
ら水酸化カリウムを全樹脂に対して0.01%添加し、
さらに150℃にまで昇温し、エポキシ当量が2000
〜2500となるまで反応させた。
【0051】ジイソプロパノールアミンを64g添加
し、150℃で1時間反応し、残存のエポキシ基をすべ
て開環させ、さらにミネラルスピリットを添加して、不
揮発分60%のエポキシポリオール樹脂ワニスを得た。
【0052】[実施例4]温度計、撹拌機及び環流冷却
器を取り付けた反応器に、前述により調製されたエポキ
シ樹脂を800gと、ハートールFA−1を108g
と、ハリダイマー200を15gとを混合して投入し、
それを加熱して約110℃にまで昇温した。撹拌しなが
ら水酸化カリウムを全樹脂に対して0.01%添加し、
さらに150℃にまで昇温し、エポキシ当量が2000
〜2500となるまで反応させた。
【0053】ジエタノールアミンを64g添加し、15
0℃で1時間反応し、残存のエポキシ基をすべて開環さ
せ、さらにミネラルスピリットを添加して、不揮発分6
0%のエポキシポリオール樹脂ワニスを得た。
【0054】[比較例1]温度計、撹拌機及び環流冷却
器を取り付けた反応器にエポトートYD−011(東都
化成(株)製;ビスエノールA型エポキシ樹脂、エポキ
シ当量475)を300gと、ハートールFA−1を1
20gとを混合して投入し、それを加熱して約110℃
にまで昇温し、撹拌しながら水酸化カリウムを全樹脂に
対して0.01%添加し、さらに150℃にまで昇温し
て、エポキシ当量が1000〜1300となるまで反応
させた。
【0055】ジエタノールアミンを40g添加し、15
0℃で1時間反応し、残存のエポキシ基をすべて開環さ
せ、さらにキシレンを添加して、不揮発分60%のエポ
キシポリオール樹脂ワニスを得た。
【0056】[比較例2]温度計、撹拌機及び環流冷却
器を取り付けた反応器にエポトートYD−011を30
0gと、ハートールFA−1を120gと、ハリダイマ
ー200を50gとを混合して投入し、それを加熱して
約110℃にまで昇温し、撹拌しながら水酸化カリウム
を全樹脂に対して0.01%添加し、さらに150℃に
まで昇温し、エポキシ当量が1300〜1600となる
まで反応させた。
【0057】ジエタノールアミンを40g添加し、15
0℃で1時間反応し、残存のエポキシ基をすべて開環さ
せ、さらにキシレンを添加して、不揮発分60%のエポ
キシポリオール樹脂ワニスを得た。
【0058】[比較例3]温度計、撹拌機及び環流冷却
器を取り付けた反応器に、エポトートYD−011を3
00gと、ハートールFA−1を120gと、ハリダイ
マー200を50gとを混合して投入し、それを加熱し
て約110℃にまで昇温し、撹拌しながら水酸化カリウ
ムを全樹脂に対して0.01%添加し、さらに150℃
にまで昇温し、エポキシ基をすべて開環させた。さらに
キシレンを添加して、不揮発分60%のエポキシポリオ
ール樹脂ワニスを得た。
【0059】[溶解性試験]前述の実施例1〜4及び比
較例1〜3で得られたエポキシポリオール樹脂ワニス
を、ミネラルスピリットにより重量比で10倍にまで希
釈し、25℃で溶解性を判定した。試験の結果を表1に
示す。結果の評価は次の通りである。 ○:完全に溶解し、溶液は透明である。 △:ほゞ溶解しているが、溶液にはかすかに濁りが見ら
れる。 ×:十分に溶解せず、溶液は白濁している。
【0060】
【表1】
【0061】[塗料の調整]下記に示す配合に従って、
ガラスビーズを用いてホモディスパーにて顔料を十分に
分散させ、塗料を調製した。 ワニス 50% 二酸化チタン 20% タルク 20% ソルベッソ100 10%
【0062】[硬化剤の配合]前述で得られた塗料に、
硬化剤としてデュラネートTSA−100(旭化成工業
(株)製;NCO20.6%、固形分100%)を、ポ
リオール樹脂の水酸基価/硬化剤のNCO=1/1当量
比になるように配合し、ソルベッソ100で不揮発分6
0%の塗料として調製した。
【0063】[塗料の性能試験]前述により調整した塗
料を、軟銅板にエアースプレーにて乾燥膜厚が100μ
mとなるように塗布し、20℃で7日間乾燥させた後、
以下の通り種々の試験を行った。
【0064】[密着性]碁盤目セロハンテープ試験(1
mm間隔100目)を行った。試験の結果の評価は、残
存目数/試験目数に応じて次の通りである。 ○: 100/100 △:51〜99/100 ×: 0〜50/100
【0065】[耐食性]JlS K5400−7.8に
準拠して、塩水噴霧試験(400時間)を行った。結果
の評価は次の通りである。 ○:異常なし △:多少の膨れ及び錆発生 ×:著しい膨れ及び錆発生
【0066】[耐衝撃性]JIS K5400−8.
3.2に準拠して、デュポン衝撃試験機1/2B×50
0gの条件で耐衝撃試験を行った。結果は塗膜に異常が
なかった時の高さを示す。
【0067】[耐屈曲性]JIS K5400−8.1
に準拠して5mmφの条件で試験を行った。結果の評価
は次の通りである。 ○:異常なし △:多少のひび割れ ×:著しいひび割れ
【0068】[上塗り適正]実施例1〜4及び比較例1
〜3の塗料を、塩化ゴム系及びアルキド樹脂系の塗料を
塗布し1年以上屋外暴露した塗膜の上に塗布し、5時間
後の塗膜の状態を観察した。結果の評価は次の通りであ
る。 ○:異常なし △:多少の膨潤 ×:著しい膨潤 以上の各試験の結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】表2から明らかな通り、本発明の塗料用エ
ポキシポリオール樹脂を使用した実施例1〜4の塗料か
ら得られる塗膜は、密着性、防食性、耐衝撃性、耐屈曲
性のいずれにおいても良好であって、芳香族系の強溶剤
を使用した比較例と同等以上の性能を示した。
【0071】一方上塗り適性の試験においては、本発明
の実施例を塗布した後の旧塗膜には膨潤などの異常は認
められなかったが、強溶剤を使用した比較例においては
著しい膨れやリフティングが見られた。
【0072】すなわち本発明のエポキシポリオール樹脂
は、脂肪族系溶剤に溶解して使用することができ、その
塗料は芳香族系の強溶剤に溶解したものと同等以上の性
能を有し、しかも毒性が低く安全であると共に、旧塗膜
に上塗りした場合においても膨潤やリフティングを生じ
ることがないのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J036 AA01 BA02 CA19 DB16 DB18 FB08 JA01 4J038 DB461 DG101 DG161 DG262 GA03 KA06 NA03 NA12 NA23

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均炭素数が5以上のアルキル基を有す
    るアルキルフェノール化合物とホルムアルデヒドとから
    得られる、1分子中のフェノール性水酸基の平均官能基
    数が2.5〜6であるフェノールノボラック樹脂と、一
    分子中に二個のエポキシ基を有するエポキシ当量が30
    0以下のエポキシ樹脂とを、前記エポキシ樹脂のモル数
    /前記フェノールノボラック樹脂中のフェノール性水酸
    基数の比率が0.3〜1/1となる割合で反応し、エポ
    キシ基の40〜60%を未反応エポキシ基として残して
    なるエポキシ樹脂に対し、そのエポキシ樹脂が有するエ
    ポキシ基を開環して水酸基に転化してなることを特徴と
    する、塗料用エポキシポリオール樹脂
  2. 【請求項2】 アルキルフェノール化合物とホルマリン
    とを触媒存在下、芳香族系溶剤中で100〜170℃で
    反応させ、芳香族系溶剤を回収し、然る後脂肪族系溶剤
    を加えてフェノールノボラック樹脂を得、次いで当該フ
    ェノールノボラック樹脂とエポキシ樹脂とを、触媒の存
    在下脂肪族系溶剤中120〜200℃で、エポキシ樹脂
    のモル数/フェノールノボラック樹脂のフェノール性水
    酸基数が0.3〜1/1となる割合で反応させ、エポキ
    シ基の40〜60%を残したエポキシ樹脂を得、当該エ
    ポキシ樹脂と平均炭素数が4以上のアルキル基を有する
    一塩基酸又は平均炭素数が4以上のアルキレン基を有す
    る二塩基酸とを、エポキシ樹脂のエポキシ基数と一塩基
    酸又は二塩基酸のカルボキシル基数の比率が1/0.7
    〜1となる割合で反応させ、さらに残存エポキシ基数と
    活性水素数との比率が1/0.7〜1となる割合で活性
    水素含有物を反応させ、エポキシ樹脂中に残存するエポ
    キシ基を開環させることを特徴とする、塗料用エポキシ
    ポリオール樹脂の製造方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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