JP2001233825A - 酸化反応用触媒のターンオーバー数向上方法 - Google Patents

酸化反応用触媒のターンオーバー数向上方法

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JP2001233825A
JP2001233825A JP2000383246A JP2000383246A JP2001233825A JP 2001233825 A JP2001233825 A JP 2001233825A JP 2000383246 A JP2000383246 A JP 2000383246A JP 2000383246 A JP2000383246 A JP 2000383246A JP 2001233825 A JP2001233825 A JP 2001233825A
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oxygen
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Yuichi Sato
裕一 佐藤
Jun Tatsumi
準 辰巳
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周期律表VA族、VIA族、VIIA族もし
くはVIII族の金属元素を含む酸化反応用触媒のター
ンオーバー数向上方法を提供する。 【解決手段】 周期律表IB族元素より選ばれる少なく
とも1種の活性化用金属元素の超微粒子を、周期律表V
A族、VIA族、VIIA族もしくはVIII族の金属
元素を含む酸化反応用触媒中に分散させて含有せしめる
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周期律表VA族、
VIA族、VIIA族およびVIII族からなる群より
選ばれる少なくとも一つの金属元素が主活性成分である
酸化反応用触媒の活性化方法に関する。
【0002】適用できる酸化反応としては、酸素の存在
下で分子状酸素が反応に関与する反応もしくは触媒主活
性成分の酸化数の変化を伴う酸化反応であれば特に限定
されず、例えば、ベンジル化合物類とカルボン酸類を酸
素の存在下反応させて相応するカルボン酸のベンジルエ
ステル類を合成する反応、オレフィン化合物類とカルボ
ン酸類を酸素の存在下反応させて相応するカルボン酸の
ビニルエステル類もしくはアリルエステル類を合成する
反応、芳香族化合物とカルボン酸類を反応させて相応す
るカルボン酸のフェニルエステル類を合成する反応、フ
ェノール類と一酸化炭素を酸素の存在下反応させてフェ
ニルカーボネート類を合成する反応、アミン類もしくは
アニリン類と一酸化炭素を酸素の存在下反応させて相応
する尿素類もしくはウレタン類もしくはイソシアナート
類を合成する反応、芳香族炭化水素の側鎖を酸素の存在
下酸化し相応する芳香族カルボン酸類もしくは芳香族ア
ルデヒド類を合成する反応、芳香族化合物を酸素の存在
下に反応させて相応する芳香族カップリング化合物を合
成する酸化カップリング反応、オレフィン化合物類とア
ルコール類を酸素の存在下反応させて相応するビニルエ
ーテル類もしくはアセタール類を合成する反応、アルコ
ール類を酸素の存在下反応させて相応するアセタール類
を合成する反応等が挙げられる。
【0003】
【従来の技術】周期律表VA族、VIA族、VIIA族
およびVIII族からなる群より選ばれる少なくとも一
つの金属元素が主活性成分である触媒の関与する酸化反
応においては、触媒主活性成分である金属元素が反応に
関与すると、金属元素の酸化数の変化が起こり、触媒反
応が停止してしまうこと、もしくは触媒の活性の持続性
が悪いことが、従来から一般的課題となっている。
【0004】例えば、前記触媒および酸素の存在下でベ
ンジル化合物類とカルボン酸類より相応するカルボン酸
のベンジルエステル類を製造する酸化反応を例として挙
げて以下に説明する。
【0005】従来、これら芳香族ベンジルエステル類の
酸化反応による製造方法としては、例えば、特開昭63
−174950号公報には、パラジウム−ビスマス化合
物及び/またはパラジウム−鉛化合物を触媒として用い
て、p−キシレンと酢酸とを酸素の存在下で反応させる
ことにより、p−メチルベンジルアセテートおよびp−
キシリレンジアセテートを製造する方法が開示されてい
る。
【0006】また、特開昭62−273927号公報に
は、パラジウム及びビスマスを含む触媒を用いて、p−
キシレンと酢酸とを酸素の存在下で反応させることによ
り、p−メチルベンジルアセテートおよびp−キシリレ
ンジアセテートを製造する方法が開示されている。
【0007】さらに特開平8−231466号公報に
は、パラジウム及び金を担体に担持して成る触媒を用い
て、p−キシレンと酢酸とを酸素の存在下で反応させる
ことにより、p−メチルベンジルアセテートおよびp−
キシリレンジアセテートを製造する方法が開示されてい
る。
【0008】しかしながら、前記した従来の公報に記載
されている触媒は、パラジウム単位あたりの、単位時間
当たりのターンオーバー数は15程度と低く、従って、
生産効率を向上させるためには、反応基質であるp−キ
シレンに対して、貴金属であるパラジウムを多量に用い
なければならない。このため、上記の触媒は工業的な製
造方法に対して好適な触媒であるとは言い難いのが現状
であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、以上の
ごとき従来の課題について鋭意検討した結果、触媒中の
活性化成分となるパラジウム等の周期律表VA族、VI
A族、VIIA族およびVIII族からなる群より選ば
れる少なくとも一つの金属元素の触媒活性が低く再酸化
効率が非常に悪いため、金属の酸化数の変化が起こり、
前記触媒金属元素が還元されて0価のメタル状態となっ
てしまい反応が停止してしまうことが、問題となってい
ることを突止めた。
【0010】さらには、酸化反応を触媒的に起こす為に
は0価のメタル状態となった触媒金属を再度酸化して元
の酸化状態に戻してやることが重要であることを見出
し、この再酸化の効率が良い触媒ほど、触媒主活性成分
が効率よく反応に関与できる為、高い触媒活性を持つ触
媒となることを見出した。
【0011】従って本発明の目的は、周期律表VA族、
VIA族、VIIA族およびVIII族より選ばれる少
なくとも一つの金属元素が活性成分である酸化反応用触
媒を用いて酸化反応を行う際に、上記周期律表VA族、
VIA族、VIIA族およびVIII族より選ばれる少
なくとも一つの金属元素あたりの触媒活性を、より効率
的に活性化させ、触媒のターンオーバー数を向上させる
方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】さらに本発明者らは、上
述した課題の解決手段について鋭意検討を重ねた結果、
特定の方法で酸化反応の主活性成分である周期律表VA
族、VIA族、VIIA族およびVIII族からなる群
より選ばれる少なくとも一つの金属元素と周期律表IB
族に属する元素を含む組成物を調製した場合には、超微
粒子化した周期律表IB族に属する元素が、酸化反応の
主活性成分である周期律表VA族、VIA族、VIIA
族、VIII族より選ばれる少なくとも一つの金属元素
中に分散して含有したものが得られることを見出し、さ
らに、このような状態では周期律表VA族、VIA族、
VIIA族およびVIII族からなる群より選ばれる少
なくとも一つの金属元素が主活性触媒成分となるような
酸化反応において、周期律表IB族に属する元素によ
り、上記触媒主活性成分である周期律表VA族、VIA
族、VIIA族およびVIII族より選ばれる少なくと
も一つの金属元素に対する再酸化が極めて速やかに行わ
れるために、触媒主活性成分あたりの効率(ターンオー
バー数)が飛躍的に向上することを見出し、ここに本発
明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、 周期律表VA族、VI
A族、VIIA族およびVIII族からなる群より選ば
れる少なくとも一つの金属元素(a)を活性成分として
含有する酸化反応用触媒のターンオーバー数向上方法で
あって、前記触媒に、周期律表IB族元素より選ばれる
少なくとも1種の金属元素(b)の超微粒子を含有せし
めることを特徴とする酸化反応用触媒のターンオーバー
数向上方法に関する。
【0014】前記金属元素(b)の超微粒子は、前記触
媒中の金属元素(a)中に分散させて含有せしめること
が好ましい方法である。
【0015】また前記金属元素(b)は、金であること
が好ましい方法である。
【0016】また前記金属元素(a)は、パラジウムで
あることが好ましい方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明における酸化反応用触媒の
ターンオーバー数向上方法は、超微粒子化した周期律表
IB族に属する金属元素(b)(以下、「活性化成分」
とする。)を酸化反応に主活性成分である周期律表VA
族、VIA族、VIIA族およびVIII族からなる群
より選ばれる少なくとも一つの金属元素(a)(以下、
「触媒主活性成分」とする。)中に含有させる、好まし
くは分散された状態で含有させることにある。
【0018】通常、酸化反応においては、触媒主活性成
分である金属元素が反応に関与する度に、触媒金属が還
元されて0価のメタル状態となってしまい反応が停止し
てしまう。そこで反応を触媒的に起こす為には0価のメ
タル状態となった触媒金属を再度酸化して元の酸化状態
に戻してやることが不可欠である。この再酸化の効率が
良い触媒程、触媒主活性成分が効率よく反応に関与でき
る為、高い触媒活性を持つ触媒となる。本発明の触媒で
は、超微粒子化した活性化成分が、酸化反応の主活性成
分中に分散して存在している為、活性化成分が極めて効
率的に触媒主活性成分を再酸化することができ、その結
果、触媒反応において触媒主活性成分あたりの触媒効率
を高めることができる。
【0019】本発明にかかる活性化成分である金属元素
(b)(以下「IB族元素」という)としては、金、
銀、銅を例示できる。この中で金が好ましい。IB族元
素は一種類単独又は二種以上混合しても良い。
【0020】本発明にかかる触媒主活性成分である金属
元素(a)としては、例えばバナジウム、クロム、モリ
ブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、オ
スミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケ
ル、パラジウム、白金等が挙げられるが特に限定される
ものではない。この中でルテニウム、ロジウム、パラジ
ウム、白金が好ましく、パラジウムが特に好ましい。ま
た、上記金属元素は一種類単独又は二種以上混合しても
良い。
【0021】本発明にかかる活性化成分を超微粒子とし
て、反応の主活性成分中に高分散して存在しせしめる方
法は、特に限定されるものではなく、例えば、含浸法、
沈殿法、イオン交換法、沈着法、蒸着法、析出沈殿法、
共沈法等の、公知の種々の調製法を採用することができ
る。上記例示の調製法のうち、沈殿法、蒸着法、析出沈
殿法、共沈法等がより好ましい。これら調製方法を採用
した場合には、担体を用いるため、用いた担体上に、活
性化成分を分散した触媒主活性成分自体も高分散する
為、触媒の活性点の数がより一層多くなり、触媒活性が
さらに一層向上する。
【0022】析出沈殿法を採用して、担体上に、前記金
属元素(a)より選ばれる触媒主活性成分と超微粒子化
した前記金属元素(b)より選ばれる活性化用成分元素
とを含む触媒を調製する場合の具体的な方法の一例を示
す。先ず、水溶性を備えた触媒主活性成分および活性化
成分を、水に溶解させ均一な水溶液を調製する。この
時、必要に応じて加温しても良い。また、触媒主活性成
分および活性化成分が析出しないように、必要に応じ
て、水溶液のpHをアルカリ化合物を加えることによっ
て適宜調節しても良い。次に、上記の水溶液に担体を添
加した後、必要に応じて、所定時間攪拌放置する。この
時、より粒子の分散性を高める為に担体の添加の前に、
界面活性剤を添加しても良い。その後、担持体(触媒主
活性成分および活性化成分が担持された担体)を取り出
して洗浄、乾燥する。更に、必要に応じて、該担持体を
所定温度で焼成する。これにより、超微粒子化した活性
化成分が主活性成分中に分散された担持体が調製され
る。尚、触媒主活性成分および活性化成分を担体に担持
する順序は、特に限定されるものではなく、両者を同時
に担持しても良く、何れか一方を先に担持した後、他方
を担持しても良い。
【0023】担持体の調製に用いられる触媒主活性成分
を含む金属元素(a)からなる化合物としては、特に限
定されないが、例えば、塩化バナジウム、酸化硫酸バナ
ジウム、酸化バナジウムアセチルアセトナート、シュウ
酸バナジル等のバナジウム化合物;塩化クロム、硝酸ク
ロム、硫酸クロム、クロム酸アンモニウム、クロム酸ナ
トリウム、クロムアセチルアセトナート等のクロム化合
物;塩化モリブデン、モリブデン酸、モリブデン酸ナト
リウム、モリブドリン酸、酸化モリブデンアセチルアセ
トナート等のモリブデン化合物;タングステン酸、タン
グステン酸ナトリウム、タングストリン酸等のタングス
テン化合物;酢酸マンガン、マンガンアセチルアセトナ
ート、硫酸マンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガン、シ
ュウ酸マンガン等のマンガン化合物;硝酸鉄、酢酸鉄、
鉄アセチルアセトナート、シュウ酸鉄、硫酸鉄、塩化鉄
等の鉄化合物;塩化ルテニウム、硝酸ルテニウム、酢酸
ルテニウム、硫酸ルテニウム等のルテニウム化合物;オ
スミウム酸等のオスミウム化合物;硝酸コバルト、酢酸
コバルト、硫酸コバルト、塩化コバルト、コバルトアセ
チルアセトナート、コバルトテトラアンミン錯体等のコ
バルト化合物;硝酸ロジウム、酢酸ロジウム、硫酸ロジ
ウム等のロジウム化合物;硝酸ニッケル、酢酸ニッケ
ル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ニッケルアセチルア
セトナート、ニッケルテトラアンミン錯体等のニッケル
化合物;硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、塩化パラジ
ウム、酢酸パラジウム、ヘキサクロロパラジウム酸アン
モニウム、テトラアンミンパラジウム塩化物等のパラジ
ウム化合物;塩化白金酸、シアン化白金、白金テトラア
ンミン錯体等の白金化合物が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。これら触媒主活性成分は、1種類を
用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
尚、触媒主活性成分は水和物となっていても良い。
【0024】担持体の調製に用いられる活性化成分を含
む周期律表IB族元素より選ばれる少なくとも一つの金
属元素を含む水溶性の化合物としては、特に限定されな
いが、例えば、特に限定なく使用できる。この様な化合
物の具体例としては、テトラクロロ金(III)酸、テ
トラクロロ金(III)ナトリウム、ジシアノ金(I)
酸カリウム、ジエチルアミン金(III)酸塩化物等の
錯体;シアン化金(I);等の金化合物、塩化銀、臭化
銀、ヨウ化銀、炭酸銀、酢酸銀、シアン化銀、硝酸銀、
硫酸銀、酒石酸銀、りん酸銀、アセチルアセトナート銀
等の銀化合物、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、水酸化銅、
シュウ酸銅、炭酸銅、酢酸銅、シアン化銅、硝酸銅、硫
酸銅、酒石酸銅、りん酸銅、アセチルアセトナート銅等
の銅化合物;テトラアンミン銅錯体等の水溶性の銅化合
物が挙げられる。これらIB族化合物は、一種類単独又
は二種以上混合して用いることができる。尚、IB族化
合物は水和物となっていても良い。
【0025】触媒主活性成分を含む化合物と活性化成分
を含む化合物の使用量は、担体の種類や比表面積、形
状、使用量によるが、水溶液中のそれぞれの化合物の濃
度が0.01ミリモル/L〜10ミリモル/Lの範囲内
となる量が好ましい。上記の濃度範囲であれば担体上へ
の金属成分の析出量が十分であり、担体上に担持させた
後、水溶液中に残存する金属種の量を極めて少なくする
ことができる。
【0026】触媒主活性成分と活性化成分を含有する水
溶液の液温は、用いる金属種の組み合わせにもより特に
限定されるものではないが、30〜80℃程度の範囲と
することが好ましい。
【0027】触媒主活性成分と活性化成分を含有する水
溶液のpHは、用いる金属種の組み合わせにもより特に
限定されるものではないが、6〜10程度の範囲とする
ことが好ましい。該水溶液のpHを上記範囲内に調整す
るには、アルカリ水溶液を適宜添加すれば良く、この様
な化合物としては、特に限定的ではないが、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア
等を用いることができる。これらの化合物は、固体状態
として添加しても良く、或いは、水に溶解させて使用し
ても良い。
【0028】触媒主活性成分と活性化成分を含有する水
溶液には、該水溶液中に含まれる成分の分散性をさらに
向上させるために、界面活性剤を添加しても良い。使用
する界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性
剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。これら界面活性剤は、一種類を用
いても良く、また、二種類以上を併用しても良い。上記
界面活性剤のうち、アニオン性界面活性剤が好ましく、
アニオン性界面活性剤のうち、炭素数が8以上のアルキ
ルベンゼンスルホン酸およびその塩、炭素数8以上のア
ルキルカルボン酸およびその塩、アリールカルボン酸お
よびその塩が特に好ましい。
【0029】界面活性剤の使用量は、該界面活性剤や触
媒主活性成分や活性化成分、担体の種類、組み合わせに
よって、特に限定されるものではないが、水溶液中の濃
度が0.1ミリモル/L〜10ミリモル/Lの範囲とな
る量が好ましい。
【0030】その後、該水溶液中に担体を添加すること
によって、担体が水溶液中に懸濁し、担体上に、触媒主
活性成分と活性化成分の両成分が析出する。この際の液
温は、30〜80℃が好ましい。
【0031】担持体の調製時に用いられる担体としては
無機物または活性炭であればよく、多孔性の無機物また
は活性炭が好適である。該担体としては、具体的には、
例えばシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグ
ネシア、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、チタニ
ア・ジルコニア、ゼオライト、珪藻土等の等結晶性・非
結晶性の金属酸化物、或いは複合酸化物、粘土、活性炭
等が挙げられるが特に限定されるものではない。
【0032】次いで、沈殿物が表面に付着した担体を、
必要に応じて水洗した後、焼成することによって、目的
の高分散された活性化成分が触媒主活性成分中に含有さ
れた酸化反応用触媒を得ることができる。焼成温度は、
150℃〜800℃程度、好ましくは300℃〜800
℃程度とすれば良い。焼成方法は、特に限定されるもの
ではない。例えば、焼成雰囲気は、特に限定されるもの
ではなく、空気中であっても良く、窒素ガスやヘリウム
ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中でも良く、或い
は、水素ガスなどの還元ガス中であっても良い。焼成す
ることにより触媒主活性成分及び活性化成分が担体表面
に強固に固定化される。
【0033】上記の析出沈殿法により調製した触媒主活
性成分−活性化成分担持体は、例えば、触媒主活性成分
としてパラジウム、活性化成分として金を用いた担持体
では、透過型電子顕微鏡を用いた観察において、すべて
の金属粒子が3〜5nmの超微粒子となっており、それ
ぞれの粒子の組成分析により粒子中にはパラジウムと金
の両方の成分が存在することが確認された。また、それ
ぞれの超微粒子の電子線回折を行ったところ、すべての
粒子が均一な回折格子像を持ち、異種金属の塊同士が接
合している時に見られる境界線は観察されなかった。す
なわち、これは一個一個の超微粒子中に金の超微粒子が
さらに一様に分散して含有されているために一個一個の
金属粒子が均一な回折格子を示したものである。
【0034】触媒が担持体である場合における、触媒活
性化成分の含有量は、所望する反応や触媒の組成や、活
性化成分との組み合わせに応じて適宜設定すれば良い
が、0.01重量%〜20重量%の範囲内が好ましく、
0.1重量%〜5重量%の範囲内がより好ましい。触媒
主活性成分の含有量が上記範囲より少ない場合には、触
媒活性が乏しくなるので好ましくない。また、該含有量
が上記範囲より多い場合には、触媒の製造コストが嵩む
ので、所望する反応を工業的に、効率的にかつ安価に行
うことができなくなる。
【0035】触媒が担持体である場合における、活性化
成分の含有量は、所望する反応や触媒の組成や、触媒主
活性成分との組み合わせに応じて適宜設定すれば良い
が、0.01重量%〜20重量%の範囲内が好ましく、
1重量%〜10重量%の範囲内がさらに好ましい。活性
化成分の含有量が上記範囲より少ない場合には、該活性
化成分を含むことによって得られる効果が乏しくなるお
それがある。また、該含有量が上記範囲より多い場合に
は、触媒の製造コストが嵩むので、所望する反応を工業
的に、効率的にかつ安価に行うことができなくなる。
【0036】また、酸化反応基質に対する触媒の使用量
は、所望する反応や反応条件に応じて設定すれば良く、
特に限定されるものではない。
【0037】本発明にかかる触媒を適用できる反応とし
ては、周期律表VA族、VIA族、VIIA族およびV
III族からなる群より選ばれる少なくとも一つの金属
元素が主活性成分である触媒の関与する酸化反応であれ
ば適用でき、特に限定されるものではない。
【0038】例えば、ベンジル化合物類とカルボン酸類
を酸素の存在下反応させて相応するカルボン酸のベンジ
ルエステル類を合成する反応やオレフィン化合物類とカ
ルボン酸類を酸素の存在下反応させて相応するカルボン
酸のビニルエステル類もしくはアリルエステル類を合成
する反応や、芳香族類とカルボン酸類を酸素の存在下に
反応させて相応するカルボン酸のフェニルエステル類を
合成する反応や、フェノール類と一酸化炭素を酸素の存
在下反応させてフェニルカーボネート類を合成する反応
や、アミン類もしくはアニリン類と一酸化炭素を酸素の
存在下反応させて相応する尿素類もしくはウレタン類も
しくはイソシアナート類を合成する反応、芳香族炭化水
素の側鎖を酸素の存在下酸化し相応する芳香族カルボン
酸類もしくは芳香族アルデヒド類を合成する反応、芳香
族化合物を酸素の存在下に反応させて相応する芳香族カ
ップリング化合物を合成する酸化カップリング反応、オ
レフィン化合物類とアルコール類を酸素の存在下反応さ
せて相応するビニルエーテル類もしくはアセタール類を
合成する反応、アルコール類を酸素の存在下反応させて
相応するアセタール類を合成する反応等の、分子状酸素
が反応に関与する反応や触媒主活性成分の酸化数の変化
を伴う酸化反応が挙げられる。
【0039】このうち、ベンジル化合物類とカルボン酸
類を酸素の存在下反応させて相応するカルボン酸のベン
ジルエステル類を合成する酸化的エステル化反応、芳香
族化合物を酸素の存在下に反応させて相応する芳香族カ
ップリング化合物を合成する酸化カップリング反応、オ
レフィン化合物類とアルコール類を酸素の存在下反応さ
せて相応するビニルエーテル類もしくはアセタール類を
合成する反応、アミン類もしくはアニリン類と一酸化炭
素を酸素の存在下反応させて相応する尿素類もしくはウ
レタン類もしくはイソシアナート類を合成する反応、芳
香族類とカルボン酸類を酸素の存在下に反応させて相応
するカルボン酸のフェニルエステル類を合成する反応
や、フェノール類と一酸化炭素を酸素の存在下反応させ
てフェニルカーボネート類を合成する反応、アルコール
類を酸素の存在下反応させて相応するアセタール類を合
成する反応が好ましく、ベンジル化合物類とカルボン酸
類を酸素の存在下反応させて相応するカルボン酸のベン
ジルエステル類を合成する酸化的エステル化反応、芳香
族化合物を酸素の存在下に反応させて相応する芳香族カ
ップリング化合物を合成する酸化カップリング反応、ア
ルコール類を酸素の存在下反応させて相応するアセター
ル類を合成する反応、アミン類もしくはアニリン類と一
酸化炭素を酸素の存在下反応させて相応する尿素類もし
くはウレタン類もしくはイソシアナート類を合成する反
応が特に好ましい。
【0040】このうち、本発明の効果がより明確な、ベ
ンジル化合物類とカルボン酸類を酸素の存在下反応させ
て相応するカルボン酸のベンジルエステル類を合成する
反応によって発明の効果を以下に説明する。
【0041】原料として用いるベンジル化合物類として
は、分子内にベンジル基を有する化合物であれば良く、
また分子内にベンジル基を有する化合物のベンゼン環の
代わりに縮合環や複素環を有する化合物であっても良
い。また、ベンジル化合物類は、エステル化合物の製造
反応における酸化反応に対して不活性な官能基を有して
いても良い。該ベンジル化合物類としては、例えば、下
記一般式(I):
【0042】
【化1】
【0043】(式中、R、R及びRはそれぞれ独
立して、水素原子、アルキル基、アリール基、水酸基、
ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、アルキル
オキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボキシル
基、アリールカルボキシル基、アルキルカルボニル基、
アリールカルボニル基、アルキルカルボキシルアルキル
基又はアリールカルボキシアルキル基を示し、nはR
の個数を示す1〜5の整数である)で表わされる化合物
が挙げられる。
【0044】前記ベンジル化合物としては、より具体的
には、例えば、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピ
ルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼ
ン、sec−ブチルベンゼン、トリメチルベンゼン等
の、アルキルベンゼン類;キシレン、エチルトルエン、
n−プロピルトルエン、イソプロピルトルエン、n−ブ
チルトルエン、ジエチルベンゼン等の、o−、m−、p−
ジアルキルベンゼン類;4,4‘−ジメチルビフェニル
等のアリール置換アルキルベンゼン類;クレゾール等の
o−、m−、p−ヒドロキシ置換アルキルベンゼン類;
クロロトルエン等のo−、m−、p−ハロゲン置換アル
キルベンゼン類;ニトロトルエン等のo−、m−、p−
ニトロ基置換アルキルベンゼン類;メチルアニリン等の
o−、m−、p−アミノ基置換アルキルベンゼン類;メ
チルベンズアミド等のo−、m−、p−アミド基置換ア
ルキルベンゼン類;メチルアニソール等のo−、m−、
p−アルキルオキシ基置換アルキルベンゼン類;フェノ
キシトルエン等のo−、m−、p−アリールオキシ置換
アルキルベンゼン類;酢酸トリル、プロピオン酸トリ
ル、ブタン酸トリル、安息香酸トリル等のo−、m−、
p−カルボキシ置換アルキルベンゼン類(カルボン酸ト
リルエステル類);メチルアセトフェノン、メチルベン
ゾフェノン等のo−、m−、p−カルボニル置換アルキ
ルベンゼン類;メチルベンジルアセテート等のo−、m
−、p−カルボキシアルキル置換アルキルベンゼン類;
等が挙げられる。上記例示のベンジル化合物類のうち、
アルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、および、カル
ボキシアルキル置換アルキルベンゼンがより好ましく、
o−、m−、p−キシレン、および、o−、m−、p−
メチルベンジルアセテートが特に好ましい。
【0045】また、前記一般式(I)中におけるベンゼ
ン環の代わりに縮合環又は複素環を有する化合物とし
て、メチルナフタレンやジメチルピリジン等もベンジル
化合物として用いることができる。
【0046】本発明にかかるベンジルエステル類の製造
方法において原料として用いられるカルボン酸類として
は、モノカルボン酸が好適であり、具体的には、例え
ば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸等の脂肪族カルボン酸、安息香酸等の芳香族カ
ルボン酸などが挙げられるが、特に限定するものではな
い。上記例示カルボン酸のうち、酢酸、アクリル酸、メ
タクリル酸が特に好ましい。
【0047】ベンジル化合物類に対するカルボン酸類の
モル比は、特に限定されるものではないが、等倍モル〜
20倍モルの範囲がより好ましい。上記モル比が等倍モ
ル未満であると、カルボン酸が不足することになるの
で、ベンジルエステル類が効率的に製造できなくなる場
合がある。一方、20倍モルを越えてカルボン酸類を用
いても、上記のモル比で用いた場合と比較して、収率等
の更なる向上は殆ど期待できない。また、カルボン酸を
大量に使用するので、反応装置や、過剰のカルボン酸を
回収するための回収装置の大型化を招来すると共に、回
収コストを含む製造コストが嵩む場合がある。
【0048】上記のベンジル化合物類およびカルボン酸
類を、前記触媒の存在下で酸化反応させることにより、
相応するカルボン酸のベンジルエステル類が得られる。
該酸化反応は、酸素ガス(分子状酸素)の存在下、液相
もしくは気相で行なわれる。酸素ガスは、窒素ガスやヘ
リウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスによって希釈
されていてもよい。また、酸素含有ガスとして空気を使
用することもできる。酸素ガスの反応系への供給方法
は、特に限定されるものではない。
【0049】上記酸化反応の形態は、連続式、回分式、
半回分式のいずれであってもよく、特に限定されるもの
ではない。触媒は、反応形態として、例えば、回分式を
採用する場合には、反応装置に原料と共に一括に仕込め
ばよく、また、反応形態として、例えば、連続式を採用
する場合には、反応装置にあらかじめ充填しておくか、
或いは、反応原料と共に連続的に仕込めばよい。従っ
て、触媒は、固定床、流動床、懸濁床のいずれの形態で
使用してもよい。
【0050】ベンジル化合物類に対する触媒の使用量
は、ベンジル化合物およびカルボン酸類の種類や組み合
わせ、触媒の組成、反応条件等に応じて設定すればよ
く、特に限定されるものではないが、例えば固定床の場
合には、単位時間当たり、単位触媒体積当たりの原料液
の供給速度として、0.01〜100h−1程度とする
ことが好ましく、また、懸濁床の場合には、反応基質で
あるベンジル化合物100重量部に対して、パラジウム
金属量を0.01〜30重量部程度とすることが好まし
い。
【0051】反応温度や反応圧力、反応時間等の反応条
件は、ベンジル化合物類およびカルボン酸類の種類や組
み合わせ、触媒の組成等に応じて設定すればよく、特に
限定されるものではないが、反応温度は80〜200℃
の範囲内が好適である。反応温度が80℃未満の場合
は、反応速度が遅くなりすぎ酸化反応を効率的に行なえ
なくなるおそれがある。一方、反応温度が200℃を越
える場合には、燃焼反応や、ジカルボン酸への過剰な酸
化反応等を含めた副反応が起き易くなるので、酸化反応
を効率的に行なえなくなるおそれがある。また、カルボ
ン酸類による反応装置の腐蝕を招来するおそれがある。
【0052】反応圧力は、常圧(大気圧)、加圧のいず
れであってもよいが、酸化反応に酸素ガス(不活性ガス
で希釈されていない酸素ガス)を用いる場合には、常圧
〜4.9x10Paの範囲が好適であり、酸化反応に
空気を用いる場合には、常圧〜9.8x10Paの範
囲内が好適である。9.8x10Paを越える圧力
は、反応設備等の工業的な観点から好ましくない。
【0053】酸化反応は、上記反応条件下においてベン
ジル化合物類および/またはカルボン酸類化合物が液体
状である場合には、特に溶媒を用いる必要がないが、両
者を均一に混合することができない場合や、反応が激し
い場合には、反応に対して不活性な溶媒を用いて希釈す
ることができる。
【0054】酸化反応液から酸化反応生成物を回収する
に当っては、特に限定されるものではなく、従来公知な
方法、例えば、蒸留等の従来公知な方法に従って容易に
回収することができる。また、反応液からのパラジウム
触媒の回収に当っては、例えば、反応液をそのまま濾過
することにより容易に回収することができる。有機物等
の付着などの原因で触媒が劣化した場合には、回収した
触媒を従来公知な方法、例えば、溶媒洗浄や再焼成等の
方法に従い、再活性化することで反応に再利用すること
ができる。
【0055】カルボン酸ベンジルエステル類を得る方法
としては、例えば、得られた酸化反応液から、未反応原
料や酢酸、反応中間体を分離回収して、ベンジルエステ
ル類を得ることができる。また、反応液より回収された
未反応原料や酢酸、反応中間体は、再度酸化反応に用い
ることにより、さらに効率よくベンジルエステル酸類を
製造することもできる。
【0056】このベンジルエステル類は、公知な方法で
容易に加水分解することができ、相応する溶剤、各種化
学品中間原料、香料などとして好適な化合物である、ベ
ンジルアルコール類を製造することもできる。加水分解
の方法については特に限定無く、常法に従えば良い。
【0057】次に、芳香族化合物を酸素存在下反応させ
て芳香族のニ量化体を合成する芳香族化合物の酸化カッ
プリング反応では、原料として用いる芳香族化合物類と
しては、芳香環上に少なくとも一つ水素原子を有する化
合物であればよい。芳香環上の水素原子以外の置換基と
しては、酸化カップリング反応に不活性なものを有して
いても良い。該芳香族化合物としては、例えば下記一般
【0058】
【化2】
【0059】(式中、R1、R2、R3、R4、およびR
5はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリー
ル基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、アルキ
ルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、ア
リールアミノ基、カルボキシル基、アルキルカルボキシ
ル基、アリールカルボキシル基、ホルミル基、アルキル
カルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシアル
キル基、アルキルカルボキシルアルキル基又はアリール
カルボキシアルキル基、カルボキシアリール基、アルキ
ルカルボキシアリール基又はアリールカルボキシアリー
ル基を示す。)で表わされる化合物が挙げられる。
【0060】前記芳香族化合物としては、より具体的に
は、例えば、ベンゼン;トルエン、エチルベンゼン、n
−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチ
ルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、トリメチルベン
ゼン等の、アルキルベンゼン類;キシレン、エチルトル
エン、n−プロピルトルエン、イソプロピルトルエン、
n−ブチルトルエン、ジエチルベンゼン等の、o−、m
−、p−ジアルキルベンゼン類;ビフェニル等のアリー
ル置換ベンゼン類;フェノール、カテコール、レゾルシ
ノール、ハイドロキノン等の(ポリ)ヒドロキシベンゼン
類;ニトロベンゼン等のニトロ基置換ベンゼン類;アニ
リン、ジアミノベンゼン等のアミノ基置換ベンゼン類;
ベンズアミド等のアミド基置換ベンゼン類;アニソール
等のアルキルオキシ基置換ベンゼン類;ジフェニルエー
テル等のアリールオキシ置換ベンゼン類;メチルフェニ
ルアミン等のアルキルアミノ基置換ベンゼン類;ジフェ
ニルアミン、エチルジフェニルアミン等のアリールアミ
ノ基置換ベンゼン類;酢酸フェニル、プロピオン酸フェ
ニル、ブタン酸フェニル、安息香酸フェニル等のカルボ
キシレート基置換ベンゼン類(カルボン酸フェニルエス
テル類);安息香酸、フタル酸、フタル酸エステル、フ
タル酸無水物等のカルボキシル基置換ベンゼン類;ベン
ズアルデヒド等のホルミル基置換ベンゼン類;アセトフ
ェノン、ベンゾフェノン等のカルボニル置換ベンゼン
類;ベンジルアセテート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、メチルベンジルアセテート、キシリレンジアセテー
ト、キシリレンジ(メタ)アクリレート等のカルボキシ
アルキル置換ベンゼン類;等が挙げられる。上記例示の
芳香族化合物類のうち、ベンゼン、アルキルベンゼン、
ジアルキルベンゼン、およびヒドロキシ置換ベンゼン、
アリールオキシ置換ベンゼン類、アリールアミノ基置換
ベンゼン類、カルボキシル基置換ベンゼン類、カルボニ
ル基置換ベンゼン類、カルボキシアルキル基置換ベンゼ
ン類がより好ましく、ベンゼン、トルエン、フェノー
ル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、エチルジ
フェニルアミン、フタル酸エステル類、ベンゾフェノ
ン、酢酸フェニル、ベンジルアセテート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、メチルベンジルアセテート、キシリ
レンジアセテート、キシリレンジ(メタ)アクリレート
が特に好ましい。
【0061】また、前記一般式(2)中におけるベンゼ
ン環の代わりに縮合環又は複素環を有する化合物とし
て、ナフタレンやビピリジン等も芳香族化合物として用
いることができる。
【0062】また原料として用いる芳香族化合物は、1
種のみを用いても、また同時に2種以上の芳香族化合物
を用いても良い。2種以上の芳香族化合物を同時に用い
た場合、生成物としては、各種クロスカップリング生成
物が任意の割合で生成することになる。
【0063】次にオレフィン類とアルコール類とを酸素
存在下反応させてビニルエーテル類、およびアセタール
類を合成する反応について説明する。原料として用いる
オレフィン類としては、オレフィン炭素上に少なくとも
一つ水素原子を有する化合物であればよい。オレフィン
炭素上の水素原子以外の置換基としては、該酸化反応に
不活性なものを有していても良い。該芳香族化合物とし
ては、例えば下記一般式
【0064】
【化3】
【0065】(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ
独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、水酸
基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、アルキルオキシ
基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールア
ミノ基、カルボキシル基、アルキルカルボキシル基、ア
リールカルボキシル基、ホルミル基、アルキルカルボニ
ル基、アリールカルボニル基、カルボキシアルキル基、
アルキルカルボキシルアルキル基又はアリールカルボキ
シアルキル基、カルボキシアリール基、アルキルカルボ
キシアリール基又はアリールカルボキシアリール基を示
す。)で表わされる化合物が挙げられる。
【0066】前記オレフィン類としては、より具体的に
は、例えば、エチレン;プロピレン、1-ブテン、1-ヘ
キセン等の末端オレフィン;2-ブテン、2へキセン等
の内部オレフィン;シクロペンテン、シクロヘキセン等
の環上オレフィン;1,3-ブタジエン等のジエン類;
エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル等のア
ルキルオキシ基置換オレフィン類;酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等のカルボキシレート基置換オレフィン
類;アクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル類等のカルボキシル基置換オ
レフィン類がより好ましく、エチレン、1-ヘキセン、
シクロヘキセン、1,3-ブタジエン、アクリル酸、ア
クリル酸メチル、アクリル酸2-エチルへキシル、メタ
クリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2-エチ
ルヘキシルが特に好ましい。
【0067】原料として用いるアルコール類としては、
例えば分子内にアルコール性水酸基を1〜6個有し、か
つ、脂肪族又は芳香族基を有する第1級アルコール類又
は第2級アルコール類等が挙げられる。これらは、単独
で用いても、又は二種類以上を併用してもよい。この中
で好ましいものは、炭素数1〜18の第1級アルコール
類:メタノール、エタノール、n−プロパノール、nー
ブタノール、n−ヘキサノール、オクチルアルコール、
ベンジルアルコール、等。炭素数3〜18の第2級アル
コール類:iso−プロパノール、sec−ブタノール
等。炭素数2〜18のジオール類:エチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノール、キシリレングリコール等。フェノール類:フェ
ノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等
であり、特に好ましいものは、エタノール、n−ブタノ
ール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、エチ
レングリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシリ
レングリコールである。
【0068】上記原料より製造されるビニルエーテル類
およびアセタール類は、オレフィンと1分子のアルコー
ルから生成するビニルエーテル類、オレフィンと2分子
のアルコールから生成するアセタール類がある。これら
の生成物の割合は、使用する原料、用いる反応条件等に
より任意に変えることが出来る。アセタール類は熱分解
等公知の方法により脱アルコールして、相応するビニル
エーテルとすることが出来る。
【0069】次にアミン類と一酸化炭素を酸素存在下反
応させることにより、イソシアネート類、および尿素類
を合成する反応について説明する。原料として用いるア
ミン類としては、例えば、分子内にアミノ基を1〜6個
有し、かつ、脂肪族又は芳香族基を有する第1級アミン
類、第2級アミン類又は芳香族アミン類等が挙げられ
る。これらは、単独で用いても、又は二種類以上を併用
してもよい。この中で好ましいものは、炭素数1〜18
の第1級アミン類:メチルアミン、エチルアミン、n−
プロピルアミン、nーブチルアミン、n−ヘキシルアミ
ン、オクチルアミン、ベンジルアミン、等。炭素数3〜
18の第2級アミン類:iso−プロピルアミン、se
c−ブチルアミン等。炭素数2〜18のジアミン類:エ
チレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−
ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン等。
アニリン等であり、特に好ましいものは、エチルアミ
ン、n−ブチルアミン、オクチルアミン、ベンジルアミ
ン、エチレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキ
サン、キシリレンジアミン、アニリン、ジアミノベンゼ
ン、ジアミノトルエン、ジアミノキシレンである。
【0070】次に、芳香族類とカルボン酸類を酸素の存
在下に反応させて相応するカルボン酸のフェニルエステ
ル類を合成する反応について以下に説明する。
【0071】原料として用いる芳香族類としては、分子
内に芳香環を有する化合物であれば良く、芳香族性を持
てば縮合環や複素環を有する化合物であっても良い。ま
た、芳香族類は、フェニルエステル化合物の製造反応に
おける酸化反応に対して不活性な官能基を有していても
良い。該芳香族類としては、より具体的には、例えば、
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベ
ンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、
sec−ブチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の、ア
ルキルベンゼン類;ビフェニル等のアリール置換ベンゼ
ン類;フェノール等のヒドロキシ置換ベンゼン類;クロ
ロベンゼン等のハロゲン置換ベンゼン類;ニトロベンゼ
ン等のニトロ基置換ベンゼン類;アニリン等のアミノ基
置換ベンゼン類;ベンズアミド等のアミド基置換ベンゼ
ン類;アニソール等のアルキルオキシ基置換ベンゼン
類;フェノキシベンゼン等のアリールオキシ置換ベンゼ
ン類;安息香酸、安息香酸メチル等のカルボキシ置換ベ
ンゼン類(安息香酸エステル類);アセトフェノン、ベ
ンゾフェノン等のカルボニル置換ベンゼン類等が挙げら
れる。上記例示の芳香族類のうち、アルキルベンゼン
類、アニソール類、フェノール類がより好ましく、ベン
ゼン、フェノール、アニソールが特に好ましい。
【0072】また、前記芳香族類にはベンゼン環の代わ
りに縮合環又は複素環を有する化合物として、ナフタレ
ンやピリジン等も芳香族類として用いることができる。
【0073】本発明にかかるフェニルエステル類の製造
方法において原料として用いられるカルボン酸類として
は、モノカルボン酸が好適であり、具体的には、例え
ば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸等の脂肪族カルボン酸、安息香酸等の芳香族カ
ルボン酸などが挙げられるが、特に限定するものではな
い。 上記例示カルボン酸のうち、酢酸、アクリル酸、
メタクリル酸が特に好ましい。
【0074】また、本発明によって製造されるフェニル
エステル類は、公知な方法で容易に加水分解することが
でき、溶剤、各種化学品中間原料等として好適な化合物
である、相応するフェノール類を製造することもでき
る。加水分解の方法については特に限定無く、常法に従
えば良い。
【0075】次に、フェノール類を一酸化炭素及び酸素
の存在下で反応させて、相応するフェニルカーバメート
類を合成する反応を説明する。原料として用いるフェノ
ール類としては、カーバメート類の製造反応における酸
化反応に対して不活性な官能基を有していても良い。該
フェノール類としては、フェノール;t−ブチルフェノ
ール、クレゾール等のアルキル基置換フェノール;ハイ
ドロキノン、カテコール、レゾルシノール等の2置換フ
ェノール等が挙げられる。
【0076】次にアルコール類を酸素の存在下反応させ
てアセタール類を合成する方法について説明する。原料
として用いるアルコール類としては、例えば、分子内に
アルコール性水酸基を1〜6個有し、かつ、脂肪族又は
芳香族基を有する第1級アルコール類又は第2級アルコ
ール類等が挙げられる。これらは、単独で用いても、又
は二種類以上を併用してもよい。この中で好ましいもの
は、炭素数1〜18の第1級アルコール類:メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、nーブタノール、
n−ヘキサノール、オクチルアルコール、ベンジルアル
コール、等。炭素数3〜18の第2級アルコール類:i
so−プロパノール、sec−ブタノール等。炭素数2
〜18のジオール類:エチレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、キシリ
レングリコール等であり、特に好ましいものは、エタノ
ール、n−ブタノール、オクチルアルコール、ベンジル
アルコール、エチレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノール、キシリレングリコールである。
【0077】得られるアセタール類は熱分解等、公知の
方法により脱アルコールして、ビニルエーテル類とする
ことが出来る。
【0078】
【実施例】以下、ベンジル化合物とカルボン酸を酸素存
在下で反応させて相応するカルボン酸のベンジルエステ
ルを製造する例について、実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。 実施例1 IB族元素を含む化合物であるテトラクロロ金酸・4水
和物0.10gを水200mlに溶解し、60℃に加温
して金水溶液を調製した。この水溶液を水酸化ナトリウ
ム水溶液を用いてpH8.5に調整した後、VIII族
金属元素を含む化合物であるテトラアンミンパラジウム
ジクロライド0.062gを加え溶解させた。次いで、
この水溶液に界面活性剤としてラウリン酸ナトリウム
0.14gを添加して溶解させた後、60℃でチタニア
−シリカ(共沈法:Ti/Si=8/2)粉体5gを添
加し、さらに同温で1時間攪拌することにより、その表
面にパラジウム沈殿物及び金沈殿物を固定化した。
【0079】その後、パラジウム−金固定化物を濾過し
水洗して、120℃で8時間乾燥させた。次いで、該パ
ラジウム−金固定化物を空気中で400℃で3時間焼成
することにより、チタニア−シリカ上にパラジウム−金
が担持された化合物(チタニア−シリカ担持パラジウム
−金)を得た。該担持物におけるパラジウムの担持量は
0.5wt%、金の担持量は0.88wt%であった。
【0080】透過型電子顕微鏡(TEM)(日立製HF
−2000、加速電圧200kV)により、得られたチ
タニア−シリカ担持パラジウム−金の表面金属種の微小
部の状態分析から、全ての粒子が3〜5nmの粒径を持
ち、かつ、それぞれの粒子毎の組成分析を行ったとこ
ろ、粒子中にはパラジウムと金の両方の金属成分が検出
された。また、それぞれの粒子は均一な回折格子像を持
ち、粒子内に2種類の金属種の塊が存在するときに見ら
れるような境界面は認められなかった。即ち、パラジウ
ム粒子中に金の超微粒子が分散して含有していることを
示している。
【0081】この該チタニア−シリカ担持パラジウム−
金を触媒として、ベンジル化合物とカルボン酸を酸素存
在下で反応させて相応するカルボン酸のベンジルエステ
ルを製造する酸化反応に用いた。
【0082】100ml回転式オートクレーブに、ベン
ジル化合物としてp−キシレン10g、カルボン酸とし
て酢酸12g、触媒として該チタニア−シリカ担持パラ
ジウム−金を1gを加えて密封した。その後系内を空気
で9.8x10Pa(ゲージ圧)に加圧し、700r
pmで攪拌しながら140℃に加熱した。所定温度に達
した後、内圧を1.4x10Pa(ゲージ圧)に調整
し、2時間反応させた。反応中、反応の進行と共に酸素
が消費され内圧が減少するので、内圧を1.4x10
Paに一定に保つように酸素を補充した。
【0083】反応後、反応液をガスクロマトグラフィー
で分析したところ、p−キシレンの転化率は42.8%
であり、モノエステルであるp−メチルベンジルアセテ
ートが5.41g(収率35.0%)、ジエステルであ
るp−キシリレンジアセテートが3.56g(収率1
7.0%)得られた。この時のエステル化反応生成物に
対する触媒活性種であるパラジウム当たりの時間当たり
のターンオーバー数は433であった。
【0084】尚、パラジウム当たりの時間当たりのター
ンオーバー数は、下記の式で表わされるものである。
【0085】ターンオーバー数=(生成モノエステルの
モル数+生成ジエステルのモル数×2)/(パラジウム
のモル数×反応時間(hr)) 比較例1 IB族元素を含む化合物であるテトラクロロ金酸・4水
和物を用いない以外は、実施例1と同様にして、チタニ
ア−シリカ担体上にパラジウムが担持された担持物(チ
タニア−シリカ担持パラジウム)を調製した。即ち、I
B族元素を含有しない比較用担持物1を調製した。ま
た、この該担持物におけるパラジウムの担持量は0.5
wt%であった。
【0086】この比較用担持物1を触媒として用い、実
施例と同様にp−キシレンと酢酸による酸化的エステル
化反応を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ痕跡量のp−メチルベンジルアセ
テートが得られ、p−キシリレングリコールは得られな
かった。 比較例2 IB族元素を含む化合物であるテトラクロロ金酸・4水
和物0.10gとVIII族金属元素を含む化合物であ
る塩化パラジウム0.042gを水200mlに溶解し
パラジウム−金混合水溶液調製した後、担体としてチタ
ニア−シリカを添加した。この混合物をロータリーエバ
ポレーターを用いて水を徐々に蒸発乾固させ、該チタニ
ア−シリカ上にパラジウム及び金を強制的に含浸担持さ
せた。さらに、実施例1と同様に、水洗後、120℃乾
燥、400℃焼成を行い、チタニア−シリカ担持パラジ
ウム−金を調製した。この該チタニア−シリカ担持パラ
ジウム−金を透過型電子顕微鏡で観察したところ、10
0nmを越える金のみの粒子及びパラジウムのみから成
る粒子が確認された。即ち、金はパラジウム中に存在せ
ず金のみが凝集している比較用担持物2を調製した。
【0087】この該比較用担持物2を触媒として用い、
実施例と同様にp−キシレンと酢酸による酸化的エステ
ル化反応を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラ
フィーで分析したところ痕跡量のp−メチルベンジルア
セテートが得られ、p−キシリレングリコールは得られ
なかった 比較例3 IB族元素を含む化合物であるテトラクロロ金酸・4水
和物0.10gとVIII族金属元素を含む化合物であ
る塩化パラジウム0.08gを水50mlに溶解して、
水溶液を調製した。活性炭(和光純薬製)5gに水10
mlを加えスラリーとし攪拌しながら塩化パラジウムと
テトラクロロ金酸を含む水溶液を滴下して、活性炭にパ
ラジウムと金を固定化した。得られた固体を濾別し、空
気中で90℃で8時間乾燥させた。次いで、該パラジウ
ム−金固定化物を窒素中で400℃で2時間焼成する事
により、活性炭上にパラジウム−金が担持された担持物
を得た。この該活性炭担持パラジウム−金を透過型電子
顕微鏡で観察したところ、100nmを越える金のみの
粒子がわずかに存在している他、パラジウム及び金より
成る粒子も確認された。該パラジウム及び金より成る粒
子の回折像には、異なる種類の元素の塊が接合している
ときに見られる境界線が観察された。即ち、金はパラジ
ウム中に存在しているがパラジウム中に分散していない
比較用担持物3を調製した。また、該担持物におけるパ
ラジウムの担持量は0.8wt%、金の担持量は0.8
wt%であった。
【0088】この該比較用担持物3を触媒として用い、
反応時間を5時間とした以外は、実施例と同様にp−キ
シレンと酢酸による酸化的エステル化反応を行った。反
応後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、p−キシレンの転化率は2.1モル%であり、モノ
エステルであるp−メチルベンジルアセテートが0.2
6g(収率1.7モル%)、ジエステルであるp−キシ
リレンジアセテートが0.06g(収率0.3%)得ら
れた。この時のエステル化反応生成物に対する触媒活性
種であるパラジウム当たりの時間当たりのターンオーバ
ー数は5.8であった。 実施例2 次に、芳香族化合物を酸素存在下反応させて芳香族のニ
量化体を製造する例について、実施例を挙げて説明す
る。
【0089】100mLオートクレーブ中に、ベンゼン
20g(256mmol)、触媒として担体をチタニア−
シリカに代え、酸化チタンを担体として用いた以外は実
施例1と同様に調製した酸化チタン担持パラジウム−金
触媒1g(パラジウム0.047mmol)、添加物と
して、酢酸カリウム0.2gおよび酢酸酸化ビスマス
0.02gを加えて密封した。その後系内を窒素・酸素
混合ガス(1/1)を2.94×106Pa(ゲージ圧)
に加圧し、80rpmで攪拌しながら160℃に加温し
た。4時間反応させた後、室温まで冷却し、反応液をガ
スクロマトグラフィーにて分析した。分析の結果、ベン
ゼンの二量化体であるビフェニルが0.075mmol
得られ、触媒活性種であるパラジウム当り時間当たりの
ターンオーバー数は0.4であった。
【0090】尚、パラジウム当りの時間当たりのターン
オーバー数は、下記の式で表されるものである。
【0091】ターンオーバー数=(生成二量体)/(パ
ラジウムのモル数×反応時間(hr)) 実施例3 次に、アルコール類を酸素の存在下反応させてアセター
ル類を製造する例について、実施例を挙げて説明する。
【0092】100mLオートクレーブ中に、n−ブタ
ノール20g(270mmol)、触媒として実施例2と
同様に調製した、酸化チタン担持パラジウム−金触媒1
g(パラジウム0.047mmol)、添加物として、塩
化銅(II)二水和物80mgを加え密封した。その後、酸
素・窒素混合ガス(酸素10%)により9.81×10
5Pa(ゲージ圧)まで加圧し、140℃に加温した後、
80rpmで攪拌下、2.5時間反応させた。室温まで
冷却した後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析
したところ、ブチルアルデヒドジブチルアセタール4.
5mmolが得られ、触媒活性種であるパラジウム当り
時間当たりのターンオーバー数は38.3であった。
【0093】尚、パラジウム当りの時間当たりのターン
オーバー数は、下記の式で表されるものである。
【0094】ターンオーバー数=(生成アセタールのモ
ル数)/(パラジウムのモル数×反応時間(hr)) 実施例4 次にアミン類と一酸化炭素を酸素存在下反応させること
により、イソシアネート類、および尿素類を製造する例
について、実施例を挙げて説明する。
【0095】100mLオートクレーブ中に、n−ブチ
ルアミン20g(273mmol)、触媒としてパラジウ
ムおよび金の担持量を4倍にした以外は、実施例2と同
様に調製した、酸化チタン担持パラジウム−金触媒1g
(パラジウム0.19mmol)を加え密封した。系内を
窒素で置換した後、一酸化炭素を2.94×106Pa
(ゲージ圧)まで加圧した後、酸素・窒素混合ガス(1/
1)で4.9×106Pa(ゲージ圧)まで加圧した。8
0℃に加温した後、100rpmで攪拌下、1.5時間
反応させた。室温まで冷却した後、反応液をガスクロマ
トグラフィーにて分析したところ、ジブチル尿素10.
5mmol得られ、触媒活性種であるパラジウム当り時
間当たりのターンオーバー数は36.8であった。
【0096】尚、パラジウム当りの時間当たりのターン
オーバー数は、下記の式で表されるものである。
【0097】ターンオーバー数=(生成尿素およびイソ
シアナートのモル数)/(パラジウムのモル数×反応時
間(hr))
【0098】
【発明の効果】本発明を用いれば、周期律表VA族、V
IA族、VIIA族およびVIII族からなる群より選
ばれる少なくとも一つの金属元素(a)を活性成分とし
て含有する酸化反応用触媒中の金属元素(a)の再酸化
が容易に行われ、金属元素(a)あたりの触媒効率(タ
ーンオーバー数)を飛躍的に向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07C 2/82 C07C 2/82 15/14 15/14 41/50 41/50 43/303 43/303 69/157 69/157 69/16 69/16 263/10 263/10 265/02 265/02 273/02 273/02 275/06 275/06 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 AA12 BA02B BA04B BC03B BC25B BC30A BC33A BC33B BC53A BC57A BC61A BC65A BC69A BC72A BC72B CB07 FA08 4H006 AA02 AA05 AC23 AC43 AC48 AC55 AC57 BA05 BA25 BA37 BA55 BA73 BA81 BA85 BE30 BE40 4H039 CA19 CA61 CA66 CA72

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期律表VA族、VIA族、VIIA族
    およびVIII族からなる群より選ばれる少なくとも一
    つの金属元素(a)を活性成分として含有する酸化反応
    用触媒のターンオーバー数向上方法であって、前記触媒
    に、周期律表IB族元素より選ばれる少なくとも1種の
    金属元素(b)の超微粒子を含有せしめることを特徴と
    する酸化反応用触媒のターンオーバー数向上方法。
  2. 【請求項2】 前記金属元素(b)の超微粒子を、前記
    触媒中の金属元素(a)中に分散させて含有せしめる請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記金属元素(b)が、金である請求項
    1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記金属元素(a)が、パラジウムであ
    る請求項1から3のいずれかに記載の方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009249290A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology アセタールの製造方法

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