JP2001233703A - 抗菌剤組成物及び成形体 - Google Patents

抗菌剤組成物及び成形体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 列車車両やバス・航空機・旅客船などの移動
体に設置される、洗浄水が循環して使用される所謂循環
式トイレの循環水を処理するために特に有利に用いられ
る、抗菌剤を長期間にわたり有効濃度で溶解させること
ができる抗菌剤成形体、及びそれに用いられる抗菌剤組
成物を提供すること。 【解決手段】 ブロノポール(2−ブロモ−2−ニトロ
プロパン−1,3−ジオール)等の抗菌剤と、12−ヒ
ドロキシステアリン酸及びセチルピリジニウムクロライ
ドからなる溶解調節基剤とを含有する抗菌剤組成物を注
入成型等により成型して抗菌剤成形体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗菌剤を長期間にわ
たり有効濃度で溶解させることができる抗菌剤成形体、
及びそれに用いられる抗菌剤組成物に関する。また、か
かる抗菌剤成形体は、列車車両やバス・航空機・旅客船
などの移動体に設置される、洗浄水が循環して使用され
る所謂循環式トイレの循環水を処理するために特に有利
に用いられる。
【0002】
【従来の技術】列車車両やバス・航空機・旅客船などの
移動体に設置されているトイレは、汚物タンクは有して
いるが、洗浄水を外部から常時供給することができない
ことから、汚物タンク内の水を洗浄水としてリサイクル
し、循環して繰り返し使用している。このようなトイレ
は一般に循環式トイレと呼ばれている。そして、車両等
に設置された循環式トイレにおいては、車両基地等で汚
物タンクに一定の清水を張り込んだ後、運行時に排泄さ
れた汚物等も加わった混合液の上澄みを洗浄水として循
環使用し、一定期間の運行後汚物タンク内容物をすべて
排出するようになっている。
【0003】汚物タンク内の水を処理して供給される循
環水は、細菌による腐敗のためアンモニア、硫化水素、
メルカプタン類等を生成して悪臭を発生する。特に、男
子用小便器のみが設置されている循環式トイレの場合、
男女共用式便器の場合と比較して、アンモニアの発生率
が多くpHが大きく上昇し、その結果、循環水中に溶存
していたカルシウム分などがスケール化し、便器や配
管、汚物タンク等に付着する。この付着したスケールは
所謂尿石と呼ばれ、尿石発生部位からは悪臭が発生し、
外観上も不衛生的である。この尿石発生部位は細菌の繁
殖場所となり易く、循環水の腐敗がさらに促進すると、
強烈な悪臭を発生するだけでなく、場合によっては配管
の閉塞を引き起こす。
【0004】この循環水の腐敗や尿石の発生を抑えるた
め、スルファミン酸や有機酸等の酸を使用して液全体の
pHを中性程度に下げる尿石防止剤や、腐敗の原因とな
る細菌に対して殺菌・静菌効果のある抗菌剤や、尿石の
原因となるカルシウムやシリカ分を捕集し溶解させる薬
剤等が提案されている。そして、これらの薬剤は、あら
かじめ汚物タンクに投入して使用されるか、男子小便器
では便器の目皿上に設置して使用されていた。
【0005】最近、列車車両やバス・航空機・旅客船な
どの移動体は、全体を軽量化し省エネ・高速化が図られ
ており、それに伴い設置されるトイレはコンパクト化を
余儀なくされ、加えて積載する洗浄水等のトータル量も
削減せざるを得なくなってきている。そのため、例えば
新幹線・特急列車等の車両に設置されているトイレの場
合、男女共用式では噴霧式及び真空式と呼ばれる、洗浄
水をきわめて少量もしくは全く使用しないタイプの便器
が、男子小便器ではサブタンクを用い少量の循環水のみ
が循環するタイプの便器ユニットが設置されるようにな
ってきている。
【0006】上記男子小便器を設置した循環式トイレ用
便器ユニットにおいては、例えば特開平7−21695
8号公報に示されるように、汚物タンクの水は基本的に
循環しないため、あらかじめ汚物タンクに薬剤を投入し
ておいたとしても、薬剤成分を含む洗浄用の循環水とは
ならない。また、男子小便器の目皿の上に設置する方式
は、見た目の悪さと乗客に対する配慮(悪戯・事故の防
止)から敬遠されてきている。そのため、このタイプの
循環式トイレでは洗浄水の循環経路内に薬筒を設け、成
型された薬剤成形体を徐々に溶解させながら供給する方
式が望ましいとされている。しかしながら、このタイプ
の循環式トイレでは循環水が節約されており、従って循
環経路を流れる洗浄水量も少なく、循環経路内に設けら
れた薬筒内の薬剤成形体を長期にわたり安定的に溶解さ
せることが困難とされていた。
【0007】他方、薬剤成形体を長期にわたり安定的に
溶解させる技術としては、トイレ、特に男子用トイレの
清浄剤が知られている。すなわち特開平7−30460
4号公報では、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、アセト
酢酸メタキシリダイド、アセト酢酸アニリド又はアセト
酢酸オルトトルイダイドからなるグループの1種以上の
薬剤と、トイレ等の汚物の腐敗防止に著効のある2−ブ
ロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(以下
「ブロノポール」という)を含有する清浄剤が提案され
ており、かかる清浄剤が徐溶性に優れ、安定した効果を
持続することができ、少量でもスケールの発生を防止で
き、黴の発生をも防止することができるとされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】トイレ等の汚物の腐敗
防止に著効のある上記ブロノポールは水に溶解しやす
く、上記特開平7−304604号公報に記載されてい
るグループの抗菌剤のような水に溶解しにくい抗菌剤と
ブロノポールとを成型して成形体とした場合には、薬筒
での溶解の際ブロノポールのみが先に抽出・溶解されて
しまうという問題があり、また殺菌剤との組み合わせに
よっては成形体の溶融が50℃以下で生起し、溶融成型
時に成型が難しかったり、車両では夏季に50℃以上と
なる場合があり、その際薬剤が崩れたり溶融してしまう
等の問題があった。本発明の課題は、列車車両やバス・
航空機・旅客船などの移動体に設置される、洗浄水が循
環して使用される所謂循環式トイレの循環水を処理する
ために特に有利に用いられる、抗菌剤を長期間にわたり
有効濃度で溶解させることができる抗菌剤成形体、及び
それに用いられる抗菌剤組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、誠意研究実験を重ね、12−ヒドロキ
システアリン酸とセチルピリジニウムクロライドとを溶
解調節基剤として用いると、ブロノポールを主剤とした
成形体からのブロノポールの溶解速度を制御しうること
を、すなわち、12−ヒドロキシステアリン酸とセチル
ピリジニウムクロライドの配合比率を変えることにより
ブロノポールの溶解速度を自由にコントロールしうるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、1種又は2種以上の抗
菌剤と、12−ヒドロキシステアリン酸及びセチルピリ
ジニウムクロライドからなる溶解調節基剤とを含有する
ことを特徴とする抗菌剤組成物(請求項1)や、12−
ヒドロキシステアリン酸とセチルピリジニウムクロライ
ドとの重量配合比が50:1〜10:1であることを特
徴とする請求項1記載の抗菌剤組成物(請求項2)や、
抗菌剤が、少なくとも2−ブロモ−2−ニトロプロパン
−1,3−ジオールを含む抗菌剤であることを特徴とす
る請求項1又は2記載の抗菌剤組成物(請求項3)や、
請求項1〜3のいずれか記載の抗菌剤組成物を成型する
ことにより得られる抗菌剤成形体(請求項4)や、成型
が、打錠成型、ブリケッテイング成型、押し出し成型、
混練成型又は注入成型であることを特徴とする請求項4
記載の抗菌剤成形体(請求項5)や、成型が注入成型で
あることを特徴とする請求項5記載の抗菌剤成形体(請
求項6)や、トイレ用として使用されることを特徴とす
る請求項4〜6のいずれか記載の抗菌剤成形体(請求項
7)や、トイレが循環式トイレであることを特徴とする
請求項7記載の抗菌剤成形体(請求項8)や、循環式ト
イレが男子小便器を設置した循環式トイレであることを
特徴とする請求項8記載の抗菌剤成形体(請求項9)に
関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる抗菌剤
としては、ブロノポールの他、2−n−オクチル−4−
イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、2,2,4'−トリクロロー2'
−ヒドロキシジフェノール、ジイソブチルフェノキシエ
トキシジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベン
ズアンモニウムクロライド、1,2−ベンズイソチアゾ
ロン−3、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾ
ロン−3、3,4,4'−トリクロロカルバニリド、ビ
ス ジメチルチオカーバモイル ジスルフィド、1−
1'−(ヘキサメチレン ビス[5−(4−クロロフェ
ニル)ビグアニド]) ジグルコネート、ビス (p−
クロロフェニルジグアニド)ヘキサン ジヒドロクロラ
イド、ポリ(ヘキサメチレン ビグアニド)ヒドロクロ
ライド、ピリジン チオール−1−オキサイド ナトリ
ウム塩、ジンク ビス(2−ピリジルチオ−1−オキサ
イド)等を具体的に例示することができ、これらは1種
又は2種以上を併用することができるが、ブロノポール
又はブロノポールを含む抗菌剤が好ましい。
【0012】本発明において溶解調節基材成分として用
いられる12−ヒドロキシステアリン酸は、硬化ヒマシ
油としても知られているワックス成分であり、水に対し
ては殆ど溶解しない。このワックス効果により、成型さ
れた薬剤内部まで水分が浸透するのを防ぎ、その結果と
して成形体中のブロノポール等の可溶性抗菌剤の溶出を
抑制することができる。しかし、この12−ヒドロキシ
ステアリン酸のみとブロノポール等の可溶性抗菌剤とで
溶融成型により成形体を作製した場合、ブロノポール等
の可溶性抗菌剤の溶出を抑制することはできるが、抗菌
剤の溶解・溶出が極めて遅くなるため、ブロノポール等
の可溶性抗菌剤を有効濃度で溶出させることはきわめて
困難である。
【0013】ブロノポール等の可溶性抗菌剤を有効濃度
で溶出させるために、溶解調節基材成分としての12−
ヒドロキシステアリン酸に、12−ヒドロキシステアリ
ン酸を溶解することができる例えば界面活性剤を添加す
ることが考えられるが、注入成型による成型を考えた場
合、成型した抗菌剤成形体の金型剥離性、成型維持性
等がよい、主剤のブロノポール等の抗菌剤の抗菌活性
に影響を与えない、成形体の溶融が少なくても50℃
以下では生起しない、との条件を満たすものは少ない。
例えば、界面活性剤として、ポリエチレングリコール類
を使用した場合、注入成型の金型注入後の冷却時に収縮
が大きく、得られる成形体に割れなどが生じてしまう。
また、陰イオン系界面活性剤で12−ヒドロキシステア
リン酸を溶解することができるものはナトリウム塩など
のアルカリ金属塩が多く、液性をアルカリ性にするため
ブロノポールの分解を促進してしまう欠点がある。
【0014】本発明において溶解調節基材成分として、
12−ヒドロキシステアリン酸とともに用いられるセチ
ルピリジニウムクロライドは4級アンモニウム塩であ
り、かかるセチルピリジニウムクロライドを少量添加す
るだけで12−ヒドロキシステアリン酸を溶解させるこ
とができ、セチルピリジニウムクロライド自身の融点も
77〜83℃と高く、上記〜の条件を満たすととも
に、セチルピリジニウムクロライド自身が有する殺菌作
用により、ブロノポール等との抗菌剤と併用することに
よる相乗効果が期待できる。
【0015】12−ヒドロキシステアリン酸とセチルピ
リジニウムクロライドとの組合せからなる本発明の溶解
調節基剤は、成形体全量に対し5〜60重量%、好まし
くは20〜40重量%用いることができる。溶解調節基
剤の配合割合が成形体全量に対して60重量%より多く
なると、その分だけブロノポール等抗菌剤その他の成分
の含量が低下し、相対的に抗菌剤成形体の大型化が必要
になる。また、溶解調節基剤の配合割合が成形体全量に
対して5重量%より少なくなると、成型が難しくなり、
抗菌剤成形体の物理的強度が低下する。
【0016】また、12−ヒドロキシステアリン酸とセ
チルピリジニウムクロライドとの配合比率を変えること
によりブロノポール等の抗菌剤の溶解速度を自由にコン
トロールすることができる。すなわち、12−ヒドロキ
システアリン酸に対するセチルピリジニウムクロライド
の配合比率を高めると抗菌剤成形体からの抗菌剤の溶出
速度が速くなり、反対に12−ヒドロキシステアリン酸
に対するセチルピリジニウムクロライドの配合比率を低
下させると抗菌剤成形体からの抗菌剤の溶出速度が遅く
なる。このように、溶解調節基剤中の12−ヒドロキシ
ステアリン酸とセチルピリジニウムクロライドとの配合
比率は、使用する抗菌剤の種類や、目的とする溶解速度
に応じて種々設定することができるが、通常12−ヒド
ロキシステアリン酸:セチルピリジニウムクロライド=
100:1〜1:1、好ましくは50:1〜10:1、
特に好ましくは20:1〜5:1の割合(重量比)で配
合したものが有利に用いることができる。
【0017】本発明の抗菌剤組成物は、1種又は2種以
上の抗菌剤と、12−ヒドロキシステアリン酸及びセチ
ルピリジニウムクロライドからなる溶解調節基剤とを含
有することを特徴とするが、ブロノポール等の抗菌剤の
抗菌活性に影響を与えない範囲で、この種薬剤に通常用
いられる公知の添加剤・配合剤を使用することもでき
る。
【0018】本発明の抗菌剤成形体は、1種又は2種以
上の抗菌剤と、12−ヒドロキシステアリン酸及びセチ
ルピリジニウムクロライドからなる溶解調節基剤とを含
有する抗菌剤組成物を成型して得ることができる。かか
る成形体の成型方法としては特に制限されるものではな
いが、打錠成型、ブリケッテイング成型、押出し成型、
混練成型、注入成型等の成型方法を具体的に例示するこ
とができる。これら成型方法の中でも、ブロノポールの
ような水に対する溶解速度が大きいものに対しては、溶
融混合することにより組成的に均一な成形体をつくるこ
とができる注入成型が好ましい。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げてより詳細に本発明の説
明を行うが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。また、以下の実施例において「%」で表記して
あるものは特に断りがない限り重量%を示す。
【0020】実施例1 ブロノポール70%、12−ヒドロキシステアリン酸2
5%、セチルピリジニウムクロライド5%をステンレス
製ビーカーに入れ、110℃に加温した油浴中に浸漬
し、全体を撹拌させながら溶解させ均一になったところ
で、底部40mmφの円筒状金型に注入した。粗熱がと
れたところで金型ごと水に浸し、冷却を行い、成形体内
部まで冷却されたところで金型から外し、重量約45g
の本発明の抗菌剤成形体を注入成型により得た。
【0021】実施例2 成分配合割合を、ブロノポール70%、12−ヒドロキ
システアリン酸28%、セチルピリジニウムクロライド
2%とする以外は実施例1と同様な方法により、重量約
45gの本発明の抗菌剤成形体を注入成型により得た。
【0022】比較例1 成分配合割合を、ブロノポール70%、アセト酢酸オル
トトルイダイド30%とする以外は実施例1と同様な方
法により、重量約45gの抗菌剤成形体を注入成型によ
り得た。なお、実施例1及び2の場合と比較して冷却時
の固化が遅く、また成形体の金型からの剥離性も悪かっ
た。
【0023】比較例2 成分配合割合を、ブロノポール70%、12−ヒドロキ
システアリン酸15%、ポリエチレングリコール(平均
分子量6000)15%とする以外は実施例1と同様な
方法により、重量約45gの抗菌剤成形体を注入成型に
より得た。
【0024】試験1 実施例1及び2並びに比較例1及び2で得られた抗菌剤
成形体を2Lビーカーに入れ、1Lの蒸留水を注いだ。
その状態で3日間放置した後、水中での薬剤の様子を観
察し、注入水を静かに捨て、次いで濾過することにより
固形物重量を測定し、重量減(%)を算出した。結果を
表1に示す。表1より、本発明の成形体は比較例のもの
に比べて、外観の変化がなく、また成形体の溶出速度が
コントロールされていることがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】試験2 実施例1及び2並びに比較例1及び2で得られた抗菌剤
成形体を2Lビーカーに入れ、1Lの蒸留水を注いだ。
その状態で5時間放置した後、注入水を静かに捨て、次
いで成形体中のブロノポール濃度を測定した。翌日同じ
操作を繰り返し、以後毎日同じように7日間繰り返し
た。結果を図1に示す。図1より、本発明の成形体は比
較例のものに比べて、成形体中のブロノポール濃度がほ
ぼ一定であり、ブロノポールの溶出速度がコントロール
されていることがわかる。
【0027】試験3 図2に示される男子小便器が設置されている循環式トイ
レを用いた。この循環式トイレは、男子小便器1と、汚
物タンク2と、循環水タンク3と、清水タンク4と、三
方切替弁5と、成形体薬筒6と、循環ポンプ7から構成
されており、10L容量の循環水タンク3から供給され
る4Lの洗浄水の内0.2Lが用足し前の洗浄で使用さ
れ、残りの3.8Lが用足し後の洗浄に使用され、三方
切替弁5により前洗浄水と原尿が汚物タンク2に、用足
し後の洗浄水が循環水タンク3に戻るようになってい
る。また、循環水タンク3の水位減少分は、清水タンク
4から自動的に供水され、用足し回数が50回に達した
際にサブタンク内容物をすべて入れ替える構造となって
いる。かかる循環式トイレを用いて、実際に実施例1及
び2並びに比較例1及び2で得られた抗菌剤成形体を使
用して、1週間後の使用状況の観察と成形体の消耗量を
測定した。結果を表2に示す。表2から、本発明の成形
体は比較例のものに比べて、臭気の発生や尿石の付着が
なく、1週間後も有効に残存していたが、比較例のもの
は消耗率100%、すなわち成形体が全くなくなってい
た。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明の溶解調節基剤として12−ヒド
ロキシステアリン酸及びセチルピリジニウムクロライド
を含む抗菌剤成形体は、ブロノポール等の抗菌剤のみの
溶出を抑え、任意の速度に抗菌剤の溶出をコントロール
することができ、抗菌剤を長期間にわたり有効濃度で溶
解させることができることから、列車車両やバス・航空
機・旅客船などの移動体に設置される、洗浄水が循環し
て使用される所謂循環式トイレの循環水を処理するため
に特に有利に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例の経過日数と薬剤中
のブロノポール濃度を示す図である。
【図2】男子小便器が設置されている循環式トイレの概
略図である。
【符号の説明】
1.男子小便器 2.汚物タンク 3.循環水タンク 4.清水タンク 5.三方切替弁 6.成形体薬筒 7.循環ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 7/32 C11D 7/32

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種又は2種以上の抗菌剤と、12−ヒ
    ドロキシステアリン酸及びセチルピリジニウムクロライ
    ドからなる溶解調節基剤とを含有することを特徴とする
    抗菌剤組成物。
  2. 【請求項2】 12−ヒドロキシステアリン酸とセチル
    ピリジニウムクロライドとの重量配合比が50:1〜1
    0:1であることを特徴とする請求項1記載の抗菌剤組
    成物。
  3. 【請求項3】 抗菌剤が、少なくとも2−ブロモ−2−
    ニトロプロパン−1,3−ジオールを含む抗菌剤である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の抗菌剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか記載の抗菌剤組
    成物を成型することにより得られる抗菌剤成形体。
  5. 【請求項5】 成型が、打錠成型、ブリケッテイング成
    型、押し出し成型、混練成型又は注入成型であることを
    特徴とする請求項4記載の抗菌剤成形体。
  6. 【請求項6】 成型が注入成型であることを特徴とする
    請求項5記載の抗菌剤成形体。
  7. 【請求項7】 トイレ用として使用されることを特徴と
    する請求項4〜6のいずれか記載の抗菌剤成形体。
  8. 【請求項8】 トイレが循環式トイレであることを特徴
    とする請求項7記載の抗菌剤成形体。
  9. 【請求項9】 循環式トイレが男子小便器を設置した循
    環式トイレであることを特徴とする請求項8記載の抗菌
    剤成形体。
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