JP2001231803A - ストーマ用治具 - Google Patents

ストーマ用治具

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JP2001231803A
JP2001231803A JP2000047835A JP2000047835A JP2001231803A JP 2001231803 A JP2001231803 A JP 2001231803A JP 2000047835 A JP2000047835 A JP 2000047835A JP 2000047835 A JP2000047835 A JP 2000047835A JP 2001231803 A JP2001231803 A JP 2001231803A
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annular
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balloon
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JP2000047835A
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Wataru Yoshioka
濟 吉岡
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MEDICOS HIRATA KK
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MEDICOS HIRATA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストーマに対する確実な装着状態を得ること
ができるようにするとともに、装着時の接触皮膚層の肌
荒れやかぶれを防ぎ、排泄物や体液等の漏洩を確実に防
止することができるようにする。 【解決手段】 切断された腸管のストーマから排泄され
る排泄物を回収するためにストーマの開口から腸管内に
嵌挿される排泄治具1であり、ストーマを介して腸管内
に嵌挿されるカテーテル2と、このカテーテル2の先端
部に一体に外嵌された環状のバルーン3と、上記カテー
テル2の基端側開口を確保した状態でカテーテル2の基
端部に固定される表面が滑らかな環状盤体4と、上記バ
ルーン3内への空気導入用のチューブ5とから構成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腸管を切除して治
療を施すために行われる腹部の切開手術時や、手術後の
日常生活時に、体外に露出されたストーマから排出物を
排出させるために用いられるストーマ用治具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、図12の(イ)に示すような腸管
ストーマ用の排泄物収納袋100が知られている。この
排泄物収納袋100は、円盤状の袋本体101と、この
袋本体101の裏面側の中央位置に積層された粘着シー
ト102と、この粘着シート102の粘着面103に積
層された剥離シート104とから構成されている。
【0003】上記袋本体101は、消化管ストーマS
(図12の(ロ))から排泄される排泄物を収納するも
のであり、積層された2枚の合成樹脂シートの周縁部が
溶着されて袋状に形成されている。かかる袋本体101
の裏面側の中央位置には、排泄物を導入する導入孔10
1aが穿設されているとともに、周縁部には径方向に延
びる突出部101bが設けられ、この突出部101bの
先端には袋内の排泄物を排出するための排出口101c
が開口されている。
【0004】上記粘着シート102は、外径寸法が袋本
体101のそれより小さく寸法設定されている。粘着シ
ート102の中心位置には中心孔102aが穿設され、
この中心孔102aを上記導入孔101aに同心で対応
させて粘着シート102を袋本体101に積層した状態
で両者が互いに溶着され、これによって排泄物収納袋1
00の裏面側の中心位置に導入孔101aと中心孔10
2aとからなる消化管ストーマSを通す開口105が形
成された状態になっている。
【0005】そして、粘着シート102の粘着面103
に剥離シート104を積層することにより排泄物収納袋
100が形成されている。このような排泄物収納袋10
0は、使用に際し、まず、剥離シート104を剥がして
粘着面103を露出させ、この粘着面103を消化管ス
トーマSが露出している周りの皮膚S1に粘着させる。
こうすることにより、図12の(ロ)に示すように、消
化管ストーマSの先端部が排泄物収納袋100の開口1
05を介して袋本体101内に挿入された状態になる。
【0006】従って、排泄物収納袋100を患部に装着
した状態で、腸管Iから消化管ストーマSを通って排出
された排泄物は、排出口101cがクリップ106で閉
止された袋本体101内に導入されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の上記
のような排泄物収納袋100にあっては、粘着シート1
02が粘着面103を介して患者の皮膚S1に直接貼り
付けられるため、貼着状態が長期に及ぶと、皮膚S1に
肌荒れやかぶれが生じるという問題点を有している。
【0008】また、腹部の皮膚S1は、例えば手術中に
は手術の操作によって動くばかりか、通常の横臥中であ
っても患者の横臥姿勢の変更等によって動くことから、
粘着シート102が貼着位置から剥がれることが多いと
いう問題点を有している。粘着シート102が皮膚S1
から剥がれるとその部分から排泄物が漏れ出すという不
都合が生じる。
【0009】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、ストーマに対する確実な装
着状態を得ることが可能であり、また、接触皮膚層の肌
荒れやかぶれを防ぎ、排泄物や体液等の漏洩を確実に防
止することができるストーマ用治具を提供することを目
的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
生体内から外部に引き出されて周りの生体組織に縫合さ
れたストーマの開口とこの開口からの排出物を収納する
容器との連通状態を生体表面部で保持させるストーマ用
治具であって、略中央に孔を有するとともにこの孔に上
記容器の口部を表面側から装着する装着部が形成された
環状盤体と、上記装着部の裏面側に設けられ、上記孔と
連通するとともに上記ストーマに内嵌される管状体と、
この管状体の長手方向適所に設けられた抜止め部材とを
備えてなることを特徴とするものである。
【0011】この発明によれば、ストーマの開口から腸
管に向けて管状体を嵌挿することにより、環状盤体の裏
面側がストーマの周りの皮膚に密着した状態になるとと
もに、管状体が、それに設けられた抜止め部材により抜
止めされ、これらによってストーマ用治具がストーマに
確実に装着された状態になる。この状態のストーマ治具
の装着部に容器の口部を装着することにより、ストーマ
から排出された排出物は、管状体および口部を介して容
器に導入されるため、排出物のいわゆる垂れ流し状態が
確実に回避され、衛生的である。
【0012】このように、ストーマと容器との間にスト
ーマ用治具を介在させることにより、容器をストーマ周
辺の皮膚に粘着させて口部をストーマの開口に直接対向
させる従来の容器の取り付け方式に比較し、患者が寝返
りをうつ等の姿勢変更を行っても、容器の装着状態は常
に安定しており、液漏れ等の不都合が確実に回避され
る。また、容器は治具を介してストーマに接続されてい
るため、粘着材が皮膚に直接触れることがなく、従っ
て、患部周辺の皮膚が粘着材に侵されて肌荒れやかぶれ
が起こるような不都合が確実に防止される。
【0013】従って、請求項1のストーマ用治具は、手
術中等に容器を一時的にストーマに装着するときは勿論
のこと、日常的に容器をストーマに装着する場合であっ
ても有効に使用することができる。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記環状盤体は、平板状の板部材によって
形成されていることを特徴とするものである。
【0015】この発明によれば、管状体をストーマに嵌
挿した状態で、平板状の環状盤体がストーマ周りの皮膚
に広い範囲で密着した状態になるため、管状体がストー
マ内で軸方向に振れることにより排出物の流路が遮蔽さ
れるような不都合が回避され、これによって常に排出物
の排出がスムーズに行われるとともに、確実な漏れ防止
が実現する。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記環状盤体は、周面に形成された上記管
状体に向かって先窄みの環状傾斜面を有していることを
特徴とするものである。
【0017】この発明によれば、ストーマが陥没タイプ
のものであって、周りの皮膚表面より凹没した位置にス
トーマが形成されていても、環状盤体を患部に装着する
と、環状盤体は、その周面に形成された環状傾斜面によ
ってストーマ周りの皮膚の凹部に嵌まり込んだ状態にな
るため、環状盤体の装着状態が安定する。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の発明において、上記装着部は、上記環
状盤体の滑らかに形成された表面と、上記管状体に対応
して環状盤体の中央部に上方に向かって突設された環状
の隆起部とから構成されていることを特徴とするもので
ある。
【0019】この発明によれば、排出物を収納する容器
が、排出物を受け入れる口部と、この口部の周りに形成
された粘着材層とを有しているタイプのものである場
合、口部を隆起部に外嵌した状態で、環状盤体の滑らか
な表面に上記粘着材層を粘着させることにより、容器が
ストーマ用治具に装着される。このように、装着部を環
状盤体の滑らかに形成された表面と、環状盤体の中央部
に突設された環状の隆起部とで形成することにより、粘
着タイプの容器の治具に対する装着操作が容易になる。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれかに記載の発明において、上記抜止め部材は、上
記管状体の先端側外周に一体で取り付けられた柔軟性を
有する環状バルーンと、この環状バルーンに連通され、
流体の出し入れを行うための流通管とを有することを特
徴とするものである。
【0021】この発明によれば、管状体をストーマ内に
嵌挿した状態で、流通管を通してバルーンに流体を導入
することにより、しぼんでいたバルーンが膨らみ、膨ら
んだバルーンがストーマ内部の生体組織を径方向に外方
に向かって万遍なく押圧するため、これによる生体組織
の弾性変形でバルーンが締め付けられた状態になり、こ
の状態での抵抗で管状体はバルーンを介して抜止めされ
る。
【0022】また、バルーンは、膨張しても周面に先鋭
な突起物等が生じないため、生体組織を損傷させるよう
な不都合が生じない。なお、一旦嵌挿した管状体を外す
ときは、バルーン内の流体を排出すればよい。そうすれ
ば、バルーンはしぼんでストーマから容易に引き抜かれ
る。
【0023】請求項6記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれかに記載の発明において、上記抜止め部材は、上
記管状体の先端部に周方向に所定ピッチを有して一体に
形成された弾性材からなる複数本の係止突条を有し、上
記係止突条は、長さ方向の略中央位置が外方に膨出して
いることを特徴とするものである。
【0024】この発明によれば、係止突条を、例えば指
で押えて管状体の中心方向に向けて弾性変形させた状態
でストーマ内に嵌挿し、上記弾性変形をストーマ内で解
除することにより、係止突条は、元の径方向に広がった
形状に復元するため、係止突条の中央部の膨出した部分
によって生体組織が押圧され、これによってストーマ用
治具は確実に抜け止めされる。
【0025】請求項7記載の発明は、請求項5記載の発
明において、上記管状体は、上記環状バルーンの取付け
部分が硬質の材料からなり、上記環状バルーンと上記環
状盤体との間の部分が柔軟性を有する材料からなること
を特徴とするものである。
【0026】この発明によれば、バルーンが設けられて
いる部分の管状体は硬質の材料で形成されているため、
管状体がストーマ内に嵌挿された状態で、バルーンの支
持が確実に行われるとともに、ストーマ内部の排出物を
流通させる通路が硬質材料の管状体によって確実に確保
される。また、管状体の上部は、柔軟な軟質の材料で形
成されているため、この部分がストーマの開口部分に対
応し、開口部分の運動(開口部分が開いたり閉じたりす
る運動)に柔軟に追随する。従って、管状体が常に開い
た状態になっている場合に比較し、容器の交換操作中等
における排出物の漏洩が確実に防止される。
【0027】請求項8記載の発明は、請求項1乃至7の
いずれかに記載の発明において、上記環状盤体は、裏面
に多孔質材料層を有していることを特徴とするものであ
る。
【0028】この発明によれば、ストーマ用治具をスト
ーマに装着することにより、環状盤体の裏面側の多孔質
材料層がストーマの周りの皮膚に密着した状態になるた
め、たとえストーマから排出物が漏洩してもこの多孔質
材料層に吸収され、漏洩物が皮膚を伝って外部に漏れ出
すような不都合が防止される。
【0029】また、ストーマ用治具を装着した状態で、
環状盤体の肌当りの感触が多孔質材料層により良好にな
るため、爽快な装着感が得られる。
【0030】請求項9記載の発明は、請求項1乃至8の
いずれかに記載の発明において、上記環状盤体に身体巻
き付け用の帯状体が設けられていることを特徴とするも
のである。
【0031】この発明によれば、ストーマ用治具を装着
した状態で帯状体を身体に巻き付けて止めることによ
り、治具の装着状態がさらに安定する。
【0032】請求項10記載の発明は、請求項1乃至9
のいずれか記載の発明において、上記管状体は、消化管
ストーマに連通されるものであることを特徴とするもの
である。
【0033】この発明によれば、ストーマ用治具は、消
化管ストーマ用のものとして好適に適用される。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る排泄治具
(ストーマ用治具)1の第1実施形態を示す一部切欠き
斜視図である。また、図2および図3は、図1に示す排
泄治具1の断面図であり、図2は、消化管ストーマSへ
の装着前の状態、図3は、消化管ストーマへの装着後の
状態をそれぞれ示している。
【0035】これらの図に示すように、排泄治具1は、
外部に向けて開口したストーマから腸管内に嵌挿される
カテーテル(管状体)2と、このカテーテル2の先端側
(図1〜図3の下方)に取り付けられたバルーン(抜止
め部材)3と、同基端側(図1〜図3の上方)に取り付
けられた環状盤体4と、バルーン内への空気導入用のチ
ューブ(流通管)5とからなる構成を備えている。
【0036】上記カテーテル2は、上下方向の略中央部
を境にしてそれより下方位置に形成された硬質管21
と、同上方位置に形成された柔軟性を有する軟質管22
とからなっている。硬質管21は、ポリエチレンやポリ
プロピレン等のポリオレフィンあるいはポリアミドやポ
リビニルクロライド、さらにはシリコン樹脂等を原料に
して硬く調製された、いわゆる硬質合成樹脂製のもので
あるのに対し、軟質管22は、上記と同一の材料を軟ら
かく調製した、いわゆる軟質合成樹脂によって形成され
ている。本実施形態においては、硬質管21の上端部に
軟質管22の下端部を外嵌した状態で両者を互いに溶着
することによりカテーテル2を形成している。
【0037】上記バルーン3は、合成樹脂製のフィルム
を環状に成形することによって形成されている。かかる
バルーン3は、バルーン本体31と、このバルーン本体
31の上縁部から上方に向かって突設された上方筒部3
2と、バルーン本体31の下縁部を内側に向かって折り
込むことによって形成された下方筒部33とからなって
いる。
【0038】上記各筒部32,33は、いずれも内径寸
法が硬質管21の外径寸法と同一かあるいは僅かに小さ
く寸法設定されている。そして、上方筒部32を硬質管
21の上方位置に外嵌するとともに、下方筒部33を硬
質管21の下端部に外嵌した状態で、各筒部32,33
を硬質管21に溶着あるいは接着することにより、カテ
ーテル2の下部位置にバルーン3が付設された状態にな
るようにしている。
【0039】また、硬質管21の上下方向の略中央位置
には、チューブ5を通すためのチューブ嵌挿孔21aが
穿設されているとともに、軟質管22の上端部にも同様
のチューブ嵌挿孔22aが穿設されている。
【0040】上記環状盤体4は、カテーテル2の基端側
開口23周りの周縁と略同一平面上に形成された環状隆
起部41と、この環状隆起部41の周縁にバルーン3の
方向に向かって形成された環状段差部42と、この環状
段差部42の下端縁部に一体に連設された大径円盤43
とからなっている。このような環状盤体4は、硬質のポ
レオレフィンやポリアミド等の合成樹脂を原料とした射
出成形によって形成されている。
【0041】上記環状隆起部41には、中心側に縁部か
ら下方に向けて突設された環状突起が設けられ、この環
状突起に軟質管22の外径寸法と同一か僅かに小さい内
径寸法を有する接続孔41aが設けられている。上記軟
質管22は、その上端部が上記環状突起に嵌め込まれた
状態で両者の当接面同士が溶着または接着され、これに
よって環状盤体4がカテーテル2に一体に取り付けられ
ている。
【0042】上記環状段差部42は、環状盤体4がカテ
ーテル2に結合された状態で、環状段差部42の内周面
と軟質管22の外周面との間に、皮膚S1から外部に突
出した消化管ストーマSを嵌め込むためのストーマ嵌込
み空間44を形成するためのものであり、かかるストー
マ嵌込み空間44によって排泄治具1を腸管Iに装着し
た状態で、図3に示すように、消化管ストーマSの先端
がこのストーマ嵌込み空間44に嵌まり込み、これによ
って消化管ストーマSに余分な力が加わることによる変
形が起こらないようにしている。
【0043】そして、上記大径円盤43の裏面側には、
スポンジ等の多孔質材料からなる液体吸収機能を備えた
吸液材(多孔質材料層)45が積層され、これによって
排泄治具1を腸管Iに装着した状態で吸液材45が消化
管ストーマSの周囲の皮膚S1上に接触して当りが柔ら
かになるとともに、皮下脂肪層S2、腹直筋S3および
腹膜S4と腸管Iとの間の隙間を通って漏れ出た体液が
吸液材45によって吸収されるようになっている。
【0044】また、上記大径円盤43の周縁部より若干
中心寄りの位置の適所には、チューブ5を通すための表
裏に貫通したチューブ嵌挿孔43aが穿設されていると
ともに、吸液材45には、チューブ嵌挿孔43aから中
心方向に向かって切り欠かれて形成したチューブ嵌込み
溝45aが設けられている。
【0045】上記チューブ5は、ゴム製または軟質の合
成樹脂製のものであり、内部に空気を導入してバルーン
3を膨らませたり、逆にバルーン3内から空気を抜き出
してバルーン3をしぼませたりするときに使用されるも
のである。
【0046】かかるチューブ5は、一端が大径円盤43
のチューブ嵌挿孔43aから外部に突出されているとと
もに、大径円盤43のチューブ嵌挿孔43aから軟質管
22のチューブ嵌挿孔22aまでの間は吸液材45のチ
ューブ嵌込み溝45aに嵌め込まれ、さらに環状段差部
42および環状隆起部41の内壁面に沿わされて配管さ
れている。そして、軟質管22のチューブ嵌挿孔22a
と硬質管21のチューブ嵌挿孔21aとの間でチューブ
5はカテーテル2の内壁面に沿うように配管され、他端
がチューブ嵌挿孔21aを通ってバルーン3内に導入さ
れている。
【0047】従って、チューブ5の一端の第1孔51か
ら空気ポンプの針を差し込んでチューブ5内に空気を送
り込むことにより、この空気はチューブ5の他端の第2
孔52からバルーン3内に供給され、これによってバル
ーン3が膨らむ一方、空気ポンプを逆操作することによ
りバルーン3内の空気はチューブ5を通って外部に排出
され、これによってバルーン3がしぼむようになってい
る。
【0048】このようなバルーン3を備えたカテーテル
2が腸管Iに差し込まれることによって排泄治具1が消
化管ストーマSに装着されることになる。
【0049】因みに、消化管ストーマSは、手術時に一
時的に造設される一時的ストーマと、人工肛門として永
久的に造設される永久的ストーマとがあるが、本発明の
排泄治具1はいずれのタイプの消化管ストーマSにも適
用可能である。
【0050】かかる消化管ストーマSは、患部が切除さ
れた腸管Iの断端を、腹腔S5内から腹膜S4、腹直筋
S3、皮下脂肪層S2および皮膚S1に穿孔された貫通
孔に差し通し、皮膚S1レベルより若干外部に突出させ
た状態で断端の外周部が腹直筋S3に縫合されることに
よって形成されている。従って、消化管ストーマSの形
成状態は安定しており、カテーテル2を容易に嵌挿する
ことが可能である。
【0051】そして、本実施形態においては、大径円盤
43の互いに対向した縁部に径方向の外方に向かって突
出したベルト支持突起431が設けられ、これらのベル
ト支持突起431にそれぞれベルト432が取り付けら
れている。これらのベルト432は、排泄治具1を消化
管ストーマSに装着した状態で身体に回して結着締結す
るためのものであり、かかるベルト432を設けること
により、排泄治具1の消化管ストーマSに対する装着状
態をさらに安定させることができる。
【0052】以下、図4および図5を基に第1実施形態
の排泄治具1の作用について説明する。図4および図5
は、第1実施形態の排泄治具1の作用を説明するための
説明図であり、図4の(イ)は、排泄治具1が消化管ス
トーマSに装着される直前の状態、図4の(ロ)は、排
泄治具1のカテーテル2が消化管ストーマSに嵌挿され
つつある状態、図4の(ハ)は、カテーテル2の先端が
腹膜S4下の腸管Iまで到達した状態をそれぞれ示して
いる。また、図5の(イ)は、空気ポンプとしての注射
器6の操作で腸管I内のバルーン3が膨らまされた状
態、図5の(ロ)は、排泄治具1の大径円盤43に袋本
体101が貼設された状態をそれぞれ示している。
【0053】まず、図4の(イ)に示すように、カテー
テル2の下端部を消化管ストーマSの開口に対向させ、
ついで、カテーテル2を、図4の(ロ)に示すように開
口から消化管ストーマS内に差し込んでいく。この際、
環状盤体4の頂部(環状隆起部41)を消化管ストーマ
Sに向かって押圧すると、軟質管22が変形して差し込
み操作が困難になるため、硬質管21の上端部が皮下脂
肪層S2より下部位置に位置するまでは硬質管21を指
で押えるようにして差し込む必要がある。
【0054】そして、硬質管21の上端部が腹直筋S3
にまで達すると、硬質管21は腹直筋S3の収縮作用に
よって腸管I内に向かう力を受けるため、後は環状隆起
部41を消化管ストーマSに向けて押圧することによ
り、カテーテル2が、図4の(ハ)に示すように、腸管
I内に嵌挿された状態になる。この嵌挿操作は、環状盤
体4の吸液材45が皮膚S1に密着するまで継続され
る。
【0055】カテーテル2が腸管I内に嵌挿された状態
では、図4の(ハ)に示すように、硬質管21が腹膜S
4より下の腹腔S5内に位置するとともに、軟質管22
が皮下脂肪層S2、腹直筋S3および腹膜S4に対応す
る位置に位置設定される。この状態で軟質管22は、腹
直筋S3の復元力によって周りから押圧されるため、中
心に向かって湾曲して対向内周面同士が当接し、これに
よって排泄物を排泄しないときに腸管I内の体液等が消
化管ストーマSの開口から外部に漏れ出すのが防止され
る。
【0056】ついで、注射器6の針61がチューブ5の
第1孔51に差し込まれ、引き続き注射器6が操作され
てシリンダ内の空気がチューブ5を通ってバルーン3内
に供給される。こうすることによって、図5の(イ)に
示すように、腸管I内でバルーン3が膨らみ、カテーテ
ル2が抜け止めされた状態になる。この状態でチューブ
5の上端部にクリップ53が装着されることにより、図
5の(ロ)に示すように、バルーン3内の空気が抜け止
めされる。
【0057】この状態で袋本体101の粘着シート10
2を大径円盤43の表面に粘着させることにより、図5
の(ロ)に示すように、排泄物収納袋100が排泄治具
1に装着される。そして、排泄物収納袋100が排泄治
具1に装着された状態では、環状隆起部41が袋本体1
01の開口105に嵌まり込んでカテーテル2の基端側
開口23(図1)が袋本体101内に臨んでいる一方、
先端側開口24が腸管I内に臨んでいるため、腸管I内
の排泄物は、先端側開口24を介してカテーテル2内に
入り込み、カテーテル2内を通って基端側開口23から
袋本体101内に排出されることになる。
【0058】このように、第1実施形態の排泄治具1
は、カテーテル2を消化管ストーマSの開口から腸管I
内に嵌挿し、膨らませたバルーン3によってカテーテル
2が抜け止めされた状態で大径円盤43に排泄物収納袋
100を粘着シート102を介して粘着させるようにし
ているため、従来のように排泄物収納袋100を皮膚S
1に直接貼着する場合に比較し、粘着材によって皮膚S
1がかぶれるような不都合が全く生じず、従って、排泄
物収納袋100を日常的に装着しても全く不都合が起こ
らず、快適な装着感を味わうことができる。
【0059】また、カテーテル2は、バルーン3を装着
する部分に硬質管21が採用されているとともに、消化
管ストーマSへの嵌挿時に腹直筋S3に対応する部分に
柔軟な軟質管22が採用されているため、排泄物を通す
カテーテル2の腸管I内における先端側開口24を確保
した上で、軟質管22が腹直筋S3の復元力によってひ
さがれた状態(押し潰された状態)になり、これによる
軟質管22の互いに対向した内壁面同士の当接により、
排泄行為以外のときに腸管I内から体液等が漏れでるの
を防止することができる。
【0060】図6は、本発明に係る排泄治具(ストーマ
用治具)1aの第2実施形態を示す断面図である。この
実施形態の排泄治具1aは、陥没タイプの消化管ストー
マSに適用されるものであり、周縁部の裏面側に環状の
傾斜縁部46が形成された環状盤体4aが採用されてい
る。その他の構成は第1実施形態のものと同様である。
【0061】第2実施形態の排泄治具1aによれば、排
泄治具1aを消化管ストーマSに装着すれば、傾斜縁部
46を有する環状盤体4aが消化管ストーマSの周りの
窪みに嵌り込んで環状盤体4aの裏面が消化管ストーマ
S周りの皮膚S1に密着するため、排泄治具1aの装着
状態は安定する。
【0062】図7は、本発明に係る排泄治具(ストーマ
用治具)1bの第3実施形態を示す断面図であり、
(イ)は、排泄治具1bを消化管ストーマSに装着する
前の状態、(ロ)は、排泄治具1bを消化管ストーマS
に装着したときの状態をそれぞれ示している。図6に示
すように、この実施形態においては、排泄治具1bは、
抜け止め部材としてカテーテル2の先端の端縁から下方
に向けて突設された周方向等ピッチの複数本の係止突条
25と、これらの係止突条25を包むように外嵌された
係脱用リング体26とを備えて構成されている。係脱用
リング体26の径寸法は、カテーテル2のそれと略同一
に設定されている。
【0063】上記係止突条25は、図7の(ロ)に示す
ように、カテーテル2の下端縁部から弓状に湾曲して外
に向かって凸の円弧状に形成され、これによって係止突
条25の下端部が内接する円の径寸法が係脱用リング体
26の内径寸法より大きくなっている。また、係脱用リ
ング体26の上部には、上方に向かって突設された操作
杆26aが設けられている。この操作杆26aは、カテ
ーテル2から上部に所定寸法突出するように長さ寸法が
設定され、この操作杆26aのカテーテル2から上部に
突出した部分を下方に向かって押圧して下降させること
により、図7の(イ)に示すように、係脱用リング体2
6の内周面が各係止突条25を内側に向かって押圧して
弾性変形させ、これによって係止突条25が係脱用リン
グ体26内に収納された状態になっている。
【0064】この状態で、操作杆26aの上端部を摘ま
んで上方に引き上げると、係脱用リング体26がカテー
テル2の方向に向かって上昇し、係止突条25は、係脱
用リング体26の内周面からの押圧が解除されることに
よって、図7の(ロ)に示すように、各先端が外方に向
かって広がった状態になる。
【0065】第3実施形態の排泄治具1bによれば、カ
テーテル2を消化管ストーマSに嵌挿する前には、図7
の(イ)に示すように、係脱用リング体26が下降され
ることにより、係止突条25は弾性変形して係脱用リン
グ体26内に収納された状態になっている。そして、こ
の状態で係脱用リング体26およびカテーテル2が消化
管ストーマSの開口から腸管I内に嵌挿され、引き続き
操作杆26aの先端が指で摘まれて引き上げられる。そ
うすると、係止突条25は、係脱用リング体26による
弾性変形が解除されて、図7の(ロ)に示すように、先
端が広がった状態になり、排泄治具1bはこの広がった
係止突条25によって腸管Iから抜け止めされる。
【0066】なお、排泄物収納袋100は、カテーテル
2が消化管ストーマSから腸管I内に嵌挿されて抜け止
めされた後に環状盤体4に装着される。
【0067】図8は、本発明に係る排泄治具(ストーマ
用治具)の第4実施形態を示す断面図である。この実施
形態の排泄治具1cは、上記第3実施形態の排泄治具1
bにおいて、係脱用リング体26を採用せずに係止突条
25のみを採用したものである。第4実施形態の排泄治
具1cによれば、カテーテル2を消化管ストーマSの開
口から腸管I内に嵌挿するに際し、係止突条25を指で
摘まんで窄ませた状態にし、この状態で係止突条25を
消化管ストーマSの開口に挿入していくと、係止突条2
5が腸管Iに嵌まり込んだ状態で弾性力により元の形状
に復帰するため、この復帰した係止突条25によって腸
管Iの内壁面が外方に向かって押圧され、排泄治具1c
は抜止め状態で消化管ストーマSに装着される。
【0068】このように、第4実施形態の排泄治具1c
によれば、カテーテル2の先端に係止突条25を設ける
だけでよく、排泄治具1cの製造コストを安価なものに
することができる。
【0069】図9は、本発明に係る排泄治具(ストーマ
用治具)の第5実施形態を示す断面図であり、(イ)
は、ゴム球が膨らんだ状態、(ロ)はゴム球が伸長した
状態をそれぞれ示している。この実施形態の排泄治具1
dは、環状隆起部41の中心位置に設けられた下方に向
かって延びる外筒27と、この外筒27に摺接状態で内
嵌される内筒28と、外筒27および内筒28間に設け
られたゴム球34とが環状盤体4に付設されて構成され
ている。
【0070】上記ゴム球34には、その上方位置に上部
装着孔34aが設けられているとともに、下方位置に下
部装着孔34bが設けられている。かかるゴム球34
は、上部装着孔34aが外筒27の下部に外嵌されて固
定されているとともに、下部装着孔34bが外筒27の
下端部に外嵌されて固定され、これによって、図9の
(イ)に示すように、上下方向の中央部が外方に向かっ
て膨出した状態で外筒27および内筒28間に架設され
ている。
【0071】第5実施形態の排泄治具1dによれば、一
方の手で環状盤体4を把持した状態で他方の手で内筒2
8の頂部を下方に向けて押圧することにより、内筒28
が外筒27に対して下方に移動し、これによって、図9
の(ロ)に示すように、ゴム球34が下方に延びてその
膨出状態が解消されるため、この状態で内筒28および
外筒27を消化管ストーマSの開口から腸管I内に容易
に嵌挿することができる。
【0072】そして、内筒28および外筒27が腸管I
内に嵌挿された状態で内筒28の押圧を止めることによ
り、ゴム球34は、その弾性力で元の図9の(イ)に示
す状態に戻って中央部が膨出するため、抜止めされるこ
とになる。
【0073】図10は、環状盤体の他の実施形態を示す
断面図である。この実施形態の環状盤体4bは、環状段
差部42aおよび大径円盤43aが中心から径方向に向
かって先下がりに傾斜して円錐状になっており、外嵌視
で傘のような形状を呈している。かかる環状盤体4bに
よれば、環状盤体4bの下部に円錐状の空間が形成され
るため、この空間に皮膚が嵌り込むことによって排泄治
具の装着状態が安定する。
【0074】図11は、上記第1実施形態(図1〜図
3)の排泄治具1の変形形態(排泄治具1e)を示す断
面図である。この変形形態においては、カテーテル2a
を構成する軟質管220は、シリコンゴム等のエラスト
マー、軟質のポリウレタン、ポリビニルクロライド、あ
るいはポリエチレン等の合成樹脂を材料として形成され
ており、筒状の軟質管本体221と、この軟質管本体2
21の下端部に形成された環状筒体222と、軟質管本
体221の上端部に形成された環状溝体223とから構
成されている。環状溝体223は、軟質管本体221の
内周面側に環状開口223aを有している。この環状開
口223aは、軟質管本体221の上縁部を外側に向け
て折り返すことにより、図11に示すように、軟質管本
体221の外周面に形成された状態になる。
【0075】環状筒体222は、軟質管本体221の下
端部で硬質管21を巻き込み、硬質管21の上部位置で
上記下端部を軟質管本体221に溶着あるいは接着する
ことにより形成されており、こうすることで軟質管22
0が硬質管21に連結されるようになっている。また、
上記バルーン3は、このようにして形成された環状筒体
222の外周面に接続されている。
【0076】一方、上記環状盤体4bは、第1実施形態
の大径円盤43に相当する環状盤本体47と、環状隆起
部41に代えて上方に向かって突設された環状突条48
とから構成されている。そして、軟質管本体221の上
縁部を表側に向けて折り返した状態で、上記環状溝体2
23を環状開口223aから環状突条48に嵌め込むこ
とにより、カテーテル2aが環状円盤4bに着脱自在に
装着されるようになっている。
【0077】この変形例の排泄治具1eによれば、カテ
ーテル2aが環状円盤4bに対して環状溝体223およ
び環状突条48を介して着脱自在になっているため、複
数サイズのカテーテル2aおよび環状円盤4bを予め製
造しておき、これらの組み合わせで患者の消化管ストー
マSの状態に合わせて手術現場で最適の排泄治具1eを
作り出すことが可能であり、排泄治具1eを非常に汎用
性に富んだものにすることができる。
【0078】本発明は上記の実施形態に限定されるもの
ではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0079】(1)上記の第1実施形態では、カテーテ
ル2は、硬質管21の一端に軟質管22を外嵌して互い
に溶着させることにより形成させているが、こうする代
わりに、材料としては軟質の合成樹脂を用い、管の肉厚
寸法を変えることによって硬質管21に見合う管と軟質
管22に見合う管とを形成させてもよい。こうすること
で硬質管21に軟質管22を継ぎ足して溶着処理を施す
ような面倒な操作を行うことなく1回の成形操作でカテ
ーテル2を製造することが可能になり、製造コストの低
減化を図る上で有効である。
【0080】(2)上記の第1実施形態においては、カ
テーテル2を硬質管21と軟質管22とで構成している
が、こうする代わりにカテーテル2をすべて硬質管21
で形成してもよいし、逆にすべて軟質管22によって形
成してもよい。なお、カテーテル2をすべて軟質管22
によって形成した場合には、カテーテル2を消化管スト
ーマS内に嵌挿した状態でバルーン3に空気を供給する
ことによりその膨張によってバルーン3が設けられてい
る部分の軟質管22が筒状になるため、カテーテル2が
抜止めされた状態で排泄物が通る通路も確保される。
【0081】(3)上記の実施形態においては、排泄物
収納袋100を排泄治具に装着するための装着部が、大
径円盤43の滑らかな表面(ここに排泄物収納袋100
の粘着シート102が粘着される)と、環状段差部42
によって隆起した環状隆起部41(この環状隆起部41
が排泄物収納袋100の開口105に嵌め込まれる)と
によって形成されているが、本発明は、装着部が環状隆
起部41と大径円盤43とで構成されることに限定され
るものではなく、排泄物を収納する容器の形態に合わせ
て適宜設計変更することができる。
【0082】例えば、排泄物を通すパイプが設けられて
いるような収納容器が採用されるような場合は、パイプ
に第1継手をもうけるとともに、カテーテル2の基端側
に第1継手に対応した第2継手を設け、これら第1およ
び第2継手を互いに抜け止め状態で接合させることによ
って排泄物収納袋100を排泄治具1に取り付けるよう
にしてもよい。
【0083】(4)上記の実施形態では、バルーン3に
空気を導入して膨らめせるようにしているが、本発明
は、バルーン3に導入されるものが空気であることに限
定されるものではなく、窒素やアルゴン等の不活性気体
を用いてもよいし、水や生理食塩水等の液体を用いても
よい。
【0084】(5)上記の実施形態においては、本発明
のストーマ用治具は、消化管ストーマSを対処とした排
泄治具(人工肛門用の治具)を挙げているが、本発明
は、ストーマ用治具が排泄治具であることに限定される
ものではなく、尿管用や胃瘻用としても適用可能であ
る。
【0085】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ストーマ
用治具を、略中央に孔を有するとともにこの孔に容器の
口部を表面側から装着する装着部が形成された環状盤体
と、装着部の裏面側に設けられ、孔と連通するとともに
ストーマに内嵌される管状体と、この管状体の長手方向
適所に設けられた抜止め部材とを備えて構成したため、
ストーマの開口から腸管に向けて管状体を嵌挿すること
により、環状盤体の裏面側がストーマの周りの皮膚に密
着した状態になるとともに、管状体が、それに設けられ
た抜止め部材により抜止めされ、これによってストーマ
用治具をストーマに確実に装着することができる。この
状態のストーマ治具の装着部に容器の口部を装着するこ
とにより、ストーマから排出された排出物は、管状体お
よび口部を介して容器に導入されるため、排出物のいわ
ゆる垂れ流し状態を確実に回避することができる。
【0086】このように、ストーマと容器との間にスト
ーマ用治具を介在させることにより、容器をストーマ周
辺の皮膚に粘着させて口部をストーマの開口に直接対向
させる従来の容器の取り付け方式に比較し、患者が寝返
りをうつ等の姿勢変更を行っても、容器の装着状態は常
に安定しており、液漏れ等の不都合を確実に回避するこ
とができる。また、容器は治具を介してストーマに接続
されているため、粘着材が皮膚に直接触れることがな
く、従って、患部周辺の皮膚が粘着材に侵されて肌荒れ
やかぶれが起こるような不都合も確実に防止することが
できる。
【0087】請求項2記載の発明によれば、環状盤体
を、平板状の板部材によって形成したため、管状体をス
トーマに嵌挿した状態で、平板状の環状盤体がストーマ
周りの皮膚に広い範囲で密着した状態になり、管状体が
ストーマ内で軸方向に振れることにより排出物の流路が
遮蔽されるような不都合を確実に回避することができ、
排出物の排出を常にスムーズに行うことが可能になると
ともに、確実な漏れ防止を実現することができる。
【0088】請求項3記載の発明によれば、環状盤体の
周面に管状体に向かって先窄みの環状傾斜面を形成した
ため、ストーマが陥没タイプのものであって、周りの皮
膚表面より凹没した位置にストーマが形成されていて
も、環状盤体を患部に装着すると、環状盤体は、その周
面に形成された環状傾斜面によってストーマ周りの凹部
に嵌まり込んだ状態になり、環状盤体の装着状態を安定
させることができる。
【0089】請求項4記載の発明によれば、装着部を、
環状盤体の滑らかに形成された表面と、管状体に対応し
て環状盤体の中央部に上方に向かって突設された環状の
隆起部とから構成したため、排出物を収納する容器が、
排出物を受け入れる口部と、この口部の周りに形成され
た粘着材層とを有しているタイプのものである場合、口
部を隆起部に外嵌した状態で、環状盤体の滑らかな表面
に粘着材層を粘着させることにより、容器をストーマ用
治具に容易に装着することができる。
【0090】請求項5記載の発明によれば、抜止め部材
を、管状体の先端側外周に一体で取り付けられた柔軟性
を有する環状バルーンと、この環状バルーンに連通さ
れ、流体の出し入れを行うための流通管とを備えて構成
したため、管状体をストーマ内に嵌挿した状態で、流通
管を通してバルーンに流体を導入することにより、しぼ
んでいたバルーンが膨らみ、膨らんだバルーンがストー
マ内部の生体組織を径方向に外方に向かって万遍なく押
圧し、これによる生体組織の弾性変形でバルーンが締め
付けられた状態になり、この状態での抵抗で管状体をバ
ルーンを介して容易に抜止めされた状態にすることがで
きる。
【0091】請求項6記載の発明によれば、抜止め部材
を、管状体の先端部に周方向に所定ピッチを有して一体
に形成された弾性材からなる複数本の係止突条を備えて
構成し、係止突条は、長さ方向の略中央位置を外方に膨
出させているため、係止突条を、例えば指で押えて管状
体の中心方向に弾性変形させた状態でストーマ内に嵌挿
し、弾性変形をストーマ内で解除することにより、係止
突条は、元の径方向に広がった形状に復元し、係止突条
の中央部の膨出した部分によって生体組織が押圧され、
これによってストーマ用治具を確実に抜け止めされた状
態にすることができる。
【0092】請求項7記載の発明によれば、管状体は、
環状バルーンの取付け部分を硬質の材料から構成すると
ともに、環状バルーンと環状盤体との間の部分を柔軟性
を有する材料から構成したため、管状体がストーマ内に
嵌挿された状態で、硬質の部文によりバルーンの支持が
確実に行われるとともに、ストーマ内部の排出物を流通
させる通路を硬質材料の管状体によって確実に確保する
ことができる。また、管状体の上部は、柔軟な軟質の材
料で形成されているため、この部分をストーマの開口部
分に対応し、開口部分の開閉運動に柔軟に追随させるこ
とができる。従って、管状体が常に開いた状態になって
いる場合に比較し、容器の交換操作中等における排出物
の漏洩を確実に防止することができる。
【0093】請求項8記載の発明によれば、環状盤体に
は、その裏面に多孔質材料層を設けたため、ストーマ用
治具をストーマに装着することにより、環状盤体の裏面
側の多孔質材料層がストーマの周りの皮膚に密着した状
態になり、たとえストーマから排出物が漏洩してもこの
多孔質材料層に吸収され、漏洩物が皮膚を伝って外部に
漏れ出すような不都合を確実に防止することができる。
【0094】また、ストーマ用治具を装着した状態で、
環状盤体の肌当りの感触が多孔質材料層により良好にな
るため、爽快な装着感を得ることができる。
【0095】請求項9記載の発明によれば、環状盤体に
身体巻き付け用の帯状体を設けたため、ストーマ用治具
を装着した状態で帯状体を身体に巻き付けて止めること
により、治具の装着状態をさらに安定させることができ
る。
【0096】請求項10記載の発明によれば、ストーマ
用治具を、消化管ストーマ用のものとして好適に適用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排泄治具の第1実施形態を示す一
部切欠き斜視図である。
【図2】図1に示す排泄治具の断面図であり、消化管ス
トーマへの装着前の状態を示している。
【図3】図1に示す排泄治具の断面図であり、排泄治具
を消化管ストーマに装着した状態を示している。
【図4】第1実施形態の排泄治具の作用を説明するため
の説明図であり、(イ)は、排泄治具が消化管ストーマ
に装着される直前の状態、(ロ)は、排泄治具のカテー
テルが消化管ストーマに嵌挿されつつある状態、(ハ)
は、カテーテルの先端が腹膜下の腸管まで到達した状態
をそれぞれ示している。
【図5】第1実施形態の排泄治具の作用を説明するため
の説明図であり、(イ)は、注射器の操作で腸管内のバ
ルーンが膨らんだ状態、(ロ)は、排泄治具の大径円盤
に袋本体が貼設された状態をそれぞれ示している。
【図6】本発明に係る排泄治具の第2実施形態を示す断
面図である。
【図7】本発明に係る排泄治具の第3実施形態を示す断
面図であり、(イ)は、排泄治具を消化管ストーマに装
着する前の状態、(ロ)は、排泄治具を消化管ストーマ
に装着したときの状態をそれぞれ示している。
【図8】本発明に係る排泄治具の第4実施形態を示す断
面図である。
【図9】本発明に係る排泄治具の第5実施形態を示す断
面図であり、(イ)は、ゴム球が膨らんだ状態、(ロ)
はゴム球が伸長した状態をそれぞれ示している。
【図10】環状盤体の他の実施形態を示す断面図であ
る。
【図11】第1実施形態の排泄治具の変形形態を示す断
面図である。
【図12】排泄物収納袋の一例を示す図であり、(イ)
は下方から見た斜視図であり、(ロ)は、断面図であ
る。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d,1e 排泄治具 2,2a カテーテル(管状体) 21 硬質管 21a チューブ嵌挿孔 22 軟質管 22a チューブ嵌挿孔 23 基端側開口 24 先端側開口 25 係止突条 26 係脱用リング体 26a 操作杆 27 外筒 28 内筒 220 軟質管 221 軟質管本体 222 環状筒体 223 環状溝体 223a 環状開口 3 バルーン 31 バルーン本体 32 上方筒部 33 下方筒部 34 ゴム球 4,4a,4b盤体 41 環状隆起部 41a 接続孔 42 環状段差部 43 大径円盤 43a チューブ嵌挿孔 431 ベルト支持突起 432 ベルト 44 ストーマ嵌込み空間 45 吸液材(多孔質材料
層) 45a チューブ嵌込み溝 46 傾斜縁部 5 チューブ(流通管) 51 第1孔 52 第2孔 53 クリップ 6 注射器 61 針 100 排泄物収納袋 101 袋本体 101a 導入孔 101b 突出部 102 粘着シート 102a 中心孔 103 粘着面 104 剥離シート 105 開口 106 クリップ I 腸管 S 消化管ストーマ S1 皮膚 S2 皮下脂肪層 S3 腹直筋 S4 腹膜 S5 腹腔

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体内から外部に引き出されて周りの生
    体組織に縫合されたストーマの開口とこの開口からの排
    出物を収納する容器との連通状態を生体表面部で保持さ
    せるストーマ用治具であって、略中央に孔を有するとと
    もにこの孔に上記容器の口部を表面側から装着する装着
    部が形成された環状盤体と、上記装着部の裏面側に設け
    られ、上記孔と連通するとともに上記ストーマに内嵌さ
    れる管状体と、この管状体の長手方向適所に設けられた
    抜止め部材とを備えてなることを特徴とするストーマ用
    治具。
  2. 【請求項2】 上記環状盤体は、平板状の板部材によっ
    て形成されていることを特徴とする請求項1記載のスト
    ーマ用治具。
  3. 【請求項3】 上記環状盤体は、周面に形成された上記
    管状体に向かって先窄みの環状傾斜面を有していること
    を特徴とする請求項1記載のストーマ用治具。
  4. 【請求項4】 上記装着部は、上記環状盤体の滑らかに
    形成された表面と、上記管状体に対応して環状盤体の中
    央部に上方に向かって突設された環状の隆起部とから構
    成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載のストーマ用治具。
  5. 【請求項5】 上記抜止め部材は、上記管状体の先端側
    外周に一体で取り付けられた柔軟性を有する環状バルー
    ンと、この環状バルーンに連通され、流体の出し入れを
    行うための流通管とを有することを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載のストーマ用治具。
  6. 【請求項6】 上記抜止め部材は、上記管状体の先端部
    に周方向に所定ピッチを有して一体に形成された弾性材
    からなる複数本の係止突条を有し、上記係止突条は、長
    さ方向の略中央位置が外方に膨出していることを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれかに記載のストーマ用治
    具。
  7. 【請求項7】 上記管状体は、上記環状バルーンの取付
    け部分が硬質の材料からなり、上記環状バルーンと上記
    環状盤体との間の部分が柔軟性を有する材料からなるこ
    とを特徴とする請求項5記載のストーマ用治具。
  8. 【請求項8】 上記環状盤体は、裏面に多孔質材料層を
    有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
    に記載のストーマ用治具。
  9. 【請求項9】 上記環状盤体に身体巻き付け用の帯状体
    が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のい
    ずれかに記載のストーマ用治具。
  10. 【請求項10】 上記管状体は、消化管ストーマに連通
    されるものであることを特徴とする請求項1乃至9のい
    ずれかに記載のストーマ用治具。
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Cited By (7)

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