JP2001230405A - Soi型サイリスタ - Google Patents

Soi型サイリスタ

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JP2001230405A
JP2001230405A JP2000037664A JP2000037664A JP2001230405A JP 2001230405 A JP2001230405 A JP 2001230405A JP 2000037664 A JP2000037664 A JP 2000037664A JP 2000037664 A JP2000037664 A JP 2000037664A JP 2001230405 A JP2001230405 A JP 2001230405A
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JP
Japan
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semiconductor layer
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thyristor
soi
layer
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JP2000037664A
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Katsushige Yamashita
勝重 山下
Takashi Miura
孝 三浦
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SOI型サイリスタの逆方向耐圧特性を向上
させる。 【解決手段】 半導体基板1上に第一の絶縁膜2を介し
て設けられた第一の半導体層3と、第一の絶縁膜に達す
る分離溝4を備え、分離溝はその側壁に形成した第二の
絶縁膜5を有し、第一と第二の絶縁膜により絶縁された
第一の半導体層内に形成したサイリスタにおいて、第一
の半導体層とは異なる導電型を有する第二の半導体層に
より構成されたアノード半導体層8およびゲート半導体
層11の外側に、第一の半導体層と同じ導電型でそれよ
りも高い不純物濃度の第三の半導体層13を設け、さら
に第一の半導体層と第一の絶縁膜との界面に第四の半導
体層14を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は誘電体分離技術を用
いたSOI型サイリスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘電体分離を用いたSOI(Semiconduc
tor On Insulator)型サイリスタは、PN接合分離を用
いたサイリスタにおいて問題であったPN接合を介した
リーク電流の発生、寄生バイポーラ効果などの問題点を
根本的に解決でき、アナログスイッチ等への応用に有望
である。
【0003】以下、従来の誘電体分離技術を用いたSO
I型サイリスタについて、図面を参照しながら説明す
る。
【0004】図5に、従来の誘電体分離技術を用いたS
OI型サイリスタを示す。
【0005】図5において、SOI基板における支持基
板としての半導体基板1に、第一の絶縁膜としてのシリ
コン酸化膜2を介して、SOI基板の活性層となる第一
の半導体層としてのn−型半導体層3が積層形成されて
いる。埋め込まれたシリコン酸化膜2にまで達する分離
溝4をエッチング形成し、分離溝4の側壁部分に第二の
絶縁膜としてのシリコン酸化膜5を形成し、さらにポリ
シリコン膜6を埋め込むことで、シリコン酸化膜2とシ
リコン酸化膜5とによりn−型半導体層3を島状に誘電
体分離している。
【0006】このようにして形成された島状のn−型半
導体層3の中に、p+型アノード半導体層7、p型アノ
ード半導体層8、n+型カソード半導体層9、p+型ゲ
ート半導体層10、p型ゲート半導体層11、n+型ゲ
ート半導体層12を設け、SOI型サイリスタが形成さ
れている。
【0007】なお、アナログスイッチでは、カソードに
対してアノードが高電位になる場合とアノードに対して
カソードが高電位となる双方向の耐圧が要求される場合
があり、この場合、アノードとカソードの半導体層は対
称形とする必要がある。そのため、p+型アノード半導
体層7の下にも、p+型ゲート活性半導体層10の下に
設けたp型ゲート半導体層11と同じ導電型のp型アノ
ード半導体層8を設けており、このp+型アノード半導
体層7の下に設けたp型アノード半導体層8もアノード
として動作する。
【0008】このSOI型サイリスタにおいて、n+型
カソード半導体層9と、pゲード半導体層11に、略同
一の電圧Aの電位を与え、サイリスタを構成するNPN
トランジスタをオフにした状態で、p+型アノード半導
体層7に、n+型カソード半導体層9等に与えた電圧A
よりも高い電圧Bを印加していくと、p型ゲート半導体
層11とn−型半導体層3のpn接合は逆バイアス状態
となり、その界面から空乏層が伸びる。生じた空乏層は
n−型半導体層3内に広がり、SOI基板中に埋め込ま
れたシリコン酸化膜2に達する。印加された逆バイアス
電圧がn−型半導体層3内を完全に空乏化し、広がった
空乏層と埋め込まれたシリコン酸化膜2にその印加され
た逆バイアス電圧が分配されることで、n−型半導体層
3内における電界が緩和される。その結果、n−型半導
体層3内におけるアバランシェブレークダウンが支配す
る高耐圧サイリスタの逆方向耐圧特性が格段に向上す
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
SOI型サイリスタでは、支持基板1にn+型カソード
半導体層9に印加された電圧Aと略同電圧を印加し、p
+型アノード半導体層7にn+型カソード半導体層9等
に与えた電圧Aよりも高い電圧Bを印加した場合、埋め
込まれたシリコン酸化膜2からp型アノード半導体層8
に向かってn−型半導体層3内を空乏層が伸び、この空
乏層がp型アノード半導体層8に到達したとき、アバラ
ンシェブレークダウンで支配される耐圧より低い耐圧で
パンチスルーブレークダウンが発生し、SOI型サイリ
スタの逆方向耐圧特性が著しく劣化してしまう。
【0010】また、双方向サイリスタにおいては、カソ
ードがアノードに対して高電位となる場合、つまり、支
持基板1に、p+型アノード半導体層7に印加された電
圧Aと略同電圧を印加し、n+型カソード半導体層9等
にp+型アノード半導体層7に与えた電圧Aよりも高い
電圧Bを印加した場合、アノードとカソードが対称形と
なっているため、結果として上記パンチスルーブレーク
ダウンがカソード側で発生し、同様に低い耐圧でパンチ
スルーブレークダウンが発生し、SOI型サイリスタの
逆方向耐圧特性が著しく劣化してしまう。
【0011】さらに、アナログスイッチにおいては、ス
イッチに印加される電圧は、0Vと正の高電圧だけでは
なく、負の高電圧と0Vが与えられることがあるため、
任意の印加電圧での耐圧が必要となる。
【0012】SOI基板における支持基板としての半導
体基板1に0V、n+型カソード半導体層9等にも同じ
0V、p+型アノード半導体層7に正の高電圧を印加し
た場合は、上記パンチスルーブレークダウンで支配され
る耐圧となるが、n+型カソード半導体層9等に与えた
電圧Aが負の高電圧、半導体基板1に印加される電圧が
0V、p+型アノード半導体層7に印加される電圧Bが
0Vとなる逆バイアス状態等においては、p+型アノー
ド半導体層7とSOI基板における支持基板としての半
導体基板1にはいずれも0Vが印加されており両者の間
に電位差がなくなる。
【0013】このような状態では、p型ゲート半導体層
11とn−型半導体層3とのpn接合の界面から伸びる
空乏層は、p+型アノード拡散層7の下部領域のn−型
半導体層3にまで十分に伸びることができない。すなわ
ち、p+型アノード半導体層7とSOI基板における支
持基板としての半導体基板1のほぼ等しい電位の影響を
受けて、空乏層の伸びが抑制され、内部電界の集中が低
減されないために、SOI型サイリスタの逆方向耐圧特
性がさらに劣化する。
【0014】よって、本発明はこのような従来の課題を
解決した、SOI型サイリスタを提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係るSOI型サイリスタは、半導体基板上
に第一の絶縁膜を介して形成した第一の半導体層と、前
記第一の半導体層を誘電分離すべく形成し前記第一の絶
縁膜に達する分離溝を備え、前記分離溝はその側壁に形
成した第二の絶縁膜を有し、前記第一の絶縁膜と第二の
絶縁膜により絶縁された前記第一の半導体層内に形成し
たサイリスタであって、前記第一の半導体層とは異なる
導電型を有する第二の半導体層により構成されたアノー
ド半導体層の外側に、前記第一の半導体層と同じ導電型
で前記第一の半導体層よりも高い濃度でドーピングを施
した第三の半導体層を設けたことを特徴とするこの構成
により、例えば、カソードに0V、アノードに正の高電
圧を印加した場合に、埋め込まれた第一の絶縁膜からア
ノード半導体層に向かう第一の半導体層内の空乏層の伸
びを第三の半導体層で制限し、空乏層がアノード半導体
層に到達するのを制限することが可能となり、パンチス
ルーブレークダウンが発生せず、アバランシェブレーク
ダウンが支配する高耐圧サイリスタの逆方向耐圧特性が
格段に向上する。
【0016】また、本発明に係る前記SOI型サイリス
タにおいて、前記第二の半導体層と同じ構成で形成した
ゲート半導体層の外側に、前記第三の半導体層を設ける
ことが好ましい。
【0017】この構成により、アノードに0V、カソー
ドに正の高電圧を与えた場合に、埋め込まれた第一の絶
縁膜からカソード半導体層およびゲート半導体層に向か
う第一の半導体層内の空乏層の伸びを第三の半導体層で
制限し、空乏層がカソード半導体層に到達するのを制限
することが可能となり、パンチスルーブレークダウンが
発生せず、アバランシェブレークダウンが支配する双方
向の高耐圧サイリスタの耐圧特性が格段に向上する。
【0018】さらに、本発明に係る前記SOI型サイリ
スタにおいて、前記第一の半導体層と前記第一の絶縁膜
との界面に前記第一の半導体層とは異なる導電型を有す
る第四の半導体層を設けることが好ましい。
【0019】この構成により、カソードに0V、アノー
ドに負の高電圧を印加した場合、またはアノードに0
V、カソードに負の高電圧を印加した場合に、第一の半
導体層内を空乏層が伸びる際に、第四の半導体層が完全
には空乏化されないようにすることで、空乏化されない
第四の半導体層が、第一の半導体層の底部における電位
をほぼ一定に保つ働きをするとともに、カソードとアノ
ード間で形成されるpn接合に印加される逆バイアスに
よって、第四の半導体層と第一の半導体層とで形成され
るpn接合からも空乏層が第一の半導体層側に伸びるこ
とになる。
【0020】このように、アノード半導体層とゲート半
導体層の外側に、それぞれ、第一の拡散層と同じ導電型
で第一の拡散層よりも高い不純物濃度の第三の半導体層
を設けるとともに、第一の半導体層と第一の絶縁膜との
界面に第一の半導体層とは異なる導電型を有し、かつ、
完全には空乏化されない第四の半導体層を設ける構成と
することで、第一の絶縁膜からアノード半導体層または
カソード半導体層に向かって伸びる空乏層を抑制すると
ともに、第一の半導体層内における空乏層の均一な伸び
を促進させることができる。その結果、半導体基板に対
して任意の逆バイアス状態の電位をカソード半導体層と
アノード半導体層に与えたとしても、パンチスルーブレ
ークダウンを抑制することができるとともに、第一の半
導体層内部での空乏層の広がりを均一にすることがで
き、内部電界の集中が緩和されて、良好な逆方向耐圧特
性を示すSOI型サイリスタを提供することができる。
【0021】なお、本発明に係るSOI型サイリスタに
おいて、前記第四の半導体層の単位面積当たりの不純物
濃度を3×1012/cm2より高くすることが好まし
い。
【0022】これにより、第四の半導体層が完全に空乏
化することなく、SOI型サイリスタの持つ電位の影響
を抑制することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係るS
OI型サイリスタについて、図面を用いて説明する。
【0024】(第一の実施形態)図1は、本発明の第一
の実施形態によるSOI型サイリスタの要部断面図であ
る。
【0025】図1において、SOI基板における支持基
板としての半導体基板1に、第一の絶縁膜としてのシリ
コン酸化膜2を介して、SOI基板の活性層となる第一
の半導体層としてのn−型半導体層3が積層形成されて
いる。埋め込まれたシリコン酸化膜2にまで達する分離
溝4をエッチング形成し、分離溝4の側壁部分に第二の
絶縁膜としてのシリコン酸化膜5を形成し、さらにポリ
シリコン膜6を埋め込むことで、シリコン酸化膜2とシ
リコン酸化膜5とによりn−型半導体層3を島状に誘電
体分離している。
【0026】このようにして形成された島状のn−型半
導体層3の中に、p+型アノード半導体層7、p型アノ
ード半導体層8、n+型カソード半導体層9、p+型ゲ
ート半導体層10、p型ゲート半導体層11、n+型ゲ
ート半導体層12、さらに、p型アノード半導体層8の
外側にパンチスルーストッパ層となる第三の半導体層と
してのn型半導体層13を設けている。
【0027】次に、本実施形態によるSOI型サイリス
タの製造方法について簡単に説明する。
【0028】まず、n−型半導体層3となるn−型半導
体基板を、シリコン酸化膜2を挟むようにして半導体基
板1と表面同士を張り付け、熱処理を加えるなどして接
着させる。ここで、シリコン酸化膜2は、半導体基板1
またはn−型半導体層3のいずれか一方に形成するか、
もしくは、両方に形成しておくか、のいずれの方法をと
ってもよい。
【0029】次に、半導体基板1とn−型半導体層3を
シリコン酸化膜2を挟むようにして張り付けた基板を、
n−型半導体層3が所望の厚みになるように表面研磨法
などによりn−型半導体層3を削る。
【0030】次に、フォトレジストマスクもしくはパタ
ーニングされたシリコン窒化膜やシリコン酸化膜をマス
クにして、n−型半導体層3の一部を、埋め込まれたシ
リコン酸化膜2にまで達するようにエッチングすること
で分離溝4を形成する。分離溝4の側壁部分にシリコン
酸化膜5を形成し、さらにポリシリコン膜6を埋め込む
ことで、シリコン酸化膜2とシリコン酸化膜5とにより
n−型半導体層3を島状に誘電体分離する。
【0031】その後、誘電体分離された島状のn−型半
導体層3の中に、p+型アノード半導体層7、p型アノ
ード半導体層8、n+型カソード半導体層9、p+型ゲ
ート半導体層10、p型ゲート半導体層11、n+型ゲ
ート半導体層12、n型半導体層13をイオン注入と熱
処理を行うことで形成することで、本実施形態によるS
OI型サイリスタが製造される。
【0032】このような構成を有するSOI型サイリス
タにおいて、SOI基板における支持基板としての半導
体基板1には一般的に0Vが与えられるが、n+型カソ
ード半導体層9とp+型ゲート半導体層10に略同一の
電圧Aの電位を与え、サイリスタを構成するNPNトラ
ンジスタをオフにした状態で、p+型アノード半導体層
7に電圧Aよりも高い正電圧Bを印加していくと、p型
ゲート半導体層11とn−型半導体層3のpn接合は逆
バイアス状態となり、その界面から空乏層が伸びる。
【0033】生じた空乏層はn−型半導体層3内に広が
り、SOI基板中に埋め込まれたシリコン酸化膜2に達
する。印加された逆バイアス電圧がn−型半導体層3内
を完全に空乏化し、広がった空乏層と埋め込まれたシリ
コン酸化膜2にその印加された逆バイアス電圧が分配さ
れることで、n−型半導体層3内における電界が緩和さ
れる。
【0034】この時、p+型アノード半導体層7に印加
された正の高電圧Bと半導体基板1に印加された0Vに
より、p型アノード半導体層8の下のシリコン酸化膜2
からも、p型アノード半導体層8に向かって空乏層が伸
びてくる。この空乏層は、n−型半導体層3内では濃度
が薄いため、正の低電圧でp型アノード半導体層8に到
達するが、n型半導体層13が、空乏層の伸びを制限す
るというパンチスルーストッパ層として機能するため、
正の高電圧を印加しても空乏層がp型アノード半導体層
8に到達せず、パンチスルーブレークダウンは発生せ
ず、n−型半導体層3内におけるアバランシェブレーク
ダウンが支配する高耐圧サイリスタの逆方向耐圧特性が
格段に向上する。
【0035】図6(a)に、半導体基板1に0Vを与
え、n+型カソード半導体層9およびp+型ゲート半導
体層10にも電圧Aとして0Vを与え、p+型アノード
半導体層7に正の高電圧Bとして300Vを与えた場合
の本実施形態によるSOI型サイリスタ内部の電位分布
および空乏層の広がりのシミュレーション結果を示し、
図6(b)には、半導体基板1に0Vを与え、n+型カ
ソード半導体層9およびp+型ゲート半導体層10にも
電圧Aとして0Vを与え、p+型アノード半導体層7に
正の高電圧Bとして200Vを与えた場合の従来例にお
けるSOI型サイリスタ内部の電位分布および空乏層の
広がりのシミュレーション結果を示す。
【0036】図6のシミュレーション結果からも分かる
ように、従来例においては、p型アノード半導体層8の
下のシリコン酸化膜2からp型アノード半導体層8に向
かって伸びる空乏層がp型アノード半導体層に到達した
時に、パンチスルーブレークダウンが発生し、低い耐圧
を示している。
【0037】これに対して、本実施形態においては、パ
ンチスルーストッパ層として機能するn型半導体層13
が空乏層の伸びを制限しているため、空乏層がp型アノ
ード半導体層8に到達するパンチスルーブレークダウン
は発生せず、p型ゲート半導体層11とn−型半導体層
3のpn接合で発生するアバランシェブレークダウンで
耐圧が決まる、高耐圧のSOI型サイリスタを実現する
ことができる。
【0038】(第二の実施形態)図2は、本発明の第二
の実施形態によるSOI型サイリスタの要部断面図であ
る。
【0039】なお、第一の実施形態では、パンチスルー
ストッパ層であるn型半導体層13をp型アノード半導
体層8の外側だけに設けていたが、本実施形態では、パ
ンチスルーストッパ層であるn型半導体層13をp型ゲ
ート半導体層11の外側にも設けている。
【0040】図2において、本実施形態によるSOI型
サイリスタは、パンチスルーストッパ層であるn型半導
体層13をフォトレジストマスクにより、p型アノード
半導体層8の外側とp型ゲート半導体層11の外側に、
同時にイオン注入を行うことで形成することでき、第一
の実施形態と同じの製造方法で製造することができる。
【0041】このような構成を有するSOI型サイリス
タにおいて、半導体基板1に0V、p+型アノード半導
体層7に略同一の電圧Aの電位を与え、n+型カソード
半導体層9とp+型ゲート半導体層10に正の高電圧B
を印加していくと、p型アノード半導体層8とn−型半
導体層3のpn接合は逆バイアス状態となり、その界面
から空乏層が伸びる。
【0042】生じた空乏層はn−型半導体層3内に広が
り、SOI基板中に埋め込まれたシリコン酸化膜2に達
する。印加された逆バイアス電圧がn−型半導体層3内
を完全に空乏化し、広がった空乏層と埋め込まれたシリ
コン酸化膜2にその印加された逆バイアス電圧が分配さ
れることで、n−型半導体層3内における電界が緩和さ
れる。
【0043】この時、n+型カソード半導体層9とp+
型ゲート半導体層10に印加された正の高電圧Bと半導
体基板1に印加された0Vにより、p型ゲート半導体層
11の下のシリコン酸化膜2からも、p型ゲート半導体
層に向かって空乏層が伸びてくる。この空乏層は、n−
型半導体層3内では濃度が薄いため、正の低電圧で空乏
化するが、n型半導体層13が、空乏層の伸びを制限す
るというパンチスルーストッパ層として機能するため、
正の高電圧を印加しても空乏層がp型ゲート半導体層8
に到達せず、n−型半導体層3内におけるアバランシェ
ブレークダウンが支配することになり、パンチスルーブ
レークダウンは発生しない。そのため、高耐圧サイリス
タの逆方向耐圧特性が格段に向上することができ、アノ
ード側が高電位になる場合、またはカソード側が高電位
になる場合のいずれにおいても高耐圧を得ることがで
き、双方向のSOI型サイリスタを実現することができ
る。
【0044】(他の実施形態)図3は、本発明の第三の
実施形態によるSOI型サイリスタの要部断面図であ
り、図4は、本発明の第四の実施形態によるSOI型サ
イリスタの要部断面図である。
【0045】第三の実施形態では、第一の実施形態に加
えて、n−型半導体層3とシリコン酸化膜2との界面に
p型半導体層14を設けている。
【0046】第四の実施形態では、第二の実施形態に加
えて、n−型半導体層3とシリコン酸化膜2との界面に
p型半導体層14を設けている。
【0047】次に、本発明の第三および第四の実施形態
によるSOI型サイリスタのp型半導体層14の製造方
法について簡単に説明する。
【0048】まず、p型半導体層14をイオン注入法や
熱拡散法等により、n−型半導体層3を少なくともその
表面を有する半導体基板の表面に形成した後、p型半導
体層14をその表面に形成させたn−型半導体層3を有
する半導体基板を、シリコン酸化膜2を挟むようにして
半導体基板1の表面同士を張り付け、熱処理を加えるな
どして接着させ、半導体基板1とn−型半導体層3をシ
リコン酸化膜2を挟むようにして張り付けた基板を、n
−型半導体層3が所望の厚みになるように表面研磨法な
どによりn−型半導体層3を削ることにより形成する。
【0049】その後、第一または第二の実施形態と同様
の製造方法により、SOI型サイリスタが製造される。
【0050】また、p型半導体層14は、その単位面積
当たりの不純物濃度が3×1012/cm2より高くなる
ように設定されている。
【0051】このような構成を有するSOI型サイリス
タにおいて、SOI基板における支持基板としての半導
体基板1には一般的に0Vが与えられるが、n+型カソ
ード半導体層9とp+型ゲード半導体層10にも略同一
の電圧Aの電位を与え、サイリスタを構成するNPNト
ランジスタをオフにした状態で、p+型アノード半導体
層7に正の高電圧Bを印加していくと、p型ゲート半導
体層11とn−型半導体層3のpn接合は逆バイアス状
態となり、その界面から空乏層が伸びる。
【0052】次に、図7および図8を参照して、第四の
実施形態と上述した第二の実施形態によるSOI型サイ
リスタの逆方向耐圧特性を比較する。
【0053】図7(a)に、半導体基板1に0Vを与
え、n+型カソード半導体層9とp+型ゲート半導体層
10に電圧Aとして0Vを与え、p+型アノード半導体
層7に正の高電圧Bとして300Vを与えた場合の第四
の実施形態によるSOI型サイリスタの内部の電位分布
および空乏層の広がりのシミュレーション結果を示し、
図7(b)には、半導体基板1に0Vを与え、n+型カ
ソード半導体層9とp+型ゲート半導体層10には電圧
Aとして−300Vを与え、p+型アノード半導体層7
に電圧Bとして0Vを与えた場合の第四の実施形態によ
るSOI型サイリスタの内部の電位分布および空乏層の
広がりのシミュレーション結果を示す。
【0054】図7のシミュレーション結果からも分かる
ように、空乏化されないp型半導体層14が、n−型半
導体層3の底部の電位をほぼ一定に保つ働きをするた
め、図7(a)および図7(b)のいずれの電圧印加条
件においても、n−型半導体層3内が完全に空乏化され
た場合、n−型半導体層3内の電位分布が非常に緩やか
なものになり、内部電界の集中が緩和されて、n−型半
導体層3内におけるアバランシェブレークダウンが支配
するSOI型サイリスタは良好な逆方向耐圧特性を示す
ことになる。
【0055】一方、図8(a)に、半導体基板1に0V
を与え、n+型カソード半導体層9とp+型ゲート半導
体層10にも電圧Aとして0Vを与え、p+型アノード
半導体層7に正の高電圧Bとして300Vを与えた場合
の、p型半導体層14がない第二の実施形態によるSO
I型サイリスタ内部の電位分布および空乏層の広がりの
シミュレーション結果を示し、図8(b)に、半導体基
板1に0Vを与え、n+型カソード半導体層9とp+型
ゲート半導体層10には電圧Aとして−200Vを与
え、p+型アノード半導体層7に電圧Bとして0Vを与
えた場合の、p型半導体層14がない第二の実施形態に
よるSOI型サイリスタ内部の電位分布および空乏層の
広がりのシミュレーション結果を示す。
【0056】図7(a)および図8(a)の電圧印加条
件下では、第四の実施形態によるSOI型サイリスタと
同様に、第二の実施形態によるSOI型サイリスタにお
いても、n−型半導体層3内が完全に空乏化された結
果、n−型半導体層3内の電位分布が非常に緩やかなも
のになり、内部電界の集中が緩和されて、n−型半導体
層3内におけるアバランシェブレークダウンが支配する
SOI型サイリスタは良好な逆方向耐圧特性を示す。
【0057】しかしながら、第二の実施形態の場合、図
8(b)の電圧印加条件下では、p+型アノード半導体
層7と半導体基板1にはいずれも0Vが印加されている
ために、p型ゲート半導体層11とn−型半導体層3と
のpn接合の界面から伸びる空乏層は、p+型アノード
半導体層7の下のn−型半導体層3にまで十分に伸びる
ことができず、空乏層の伸びが抑制され、内部電界の集
中が低減されないために、SOI型サイリスタの逆方向
耐圧特性が大きく劣化するため、電圧Aとして−300
Vまで印加することができない。
【0058】このように、第四の実施形態によれば、n
+型カソード半導体層9とp+型ゲート半導体層10に
与えた電圧Aが負の高電圧となる場合において、SOI
基板における支持基板としての半導体基板1に一般的な
0Vが与えられ、p+型アノード半導体層7に印加され
る電圧Bが0Vとなる逆バイアス状態等において、p+
型アノード半導体層7と半導体基板1にはいずれも0V
が印加されており両者の間に電位差がなくなるが、この
ような状態でも、n−型半導体層3の底部に埋め込まれ
たp型半導体層14が完全には空乏化されないようにす
ることで、空乏化されないp型半導体層14が、n−型
半導体層3の底部の電位をほぼ一定に保つ働きをすると
ともに、p型半導体層14とn−型半導体層3とで形成
されるpn接合に印加されている逆バイアスによって、
p型半導体層14とn−型半導体層3とで形成されるp
n接合からも空乏層がn−型半導体層3側に伸びること
になる。その結果、n−型半導体層3内におけるアバラ
ンシェブレークダウンが支配するSOI型サイリスタは
良好な逆方向耐圧特性を示すことになる。
【0059】図9に、本発明の実施形態によるSOI型
サイリスタのアノード/カソード間耐圧のp型半導体層
14の不純物濃度依存性を示す。
【0060】図9に示すように、p型半導体層14の不
純物濃度が3×1012/cm2より少なくなると、SO
I型サイリスタのアノード/カソード間耐圧、すなわち
逆方向耐圧が300V以下に急激に劣化する。
【0061】これは、p型半導体層14の不純物濃度が
3×1012/cm2より低くなると、逆バイアス状態の
電位を与えた時にp型半導体層14が完全に空乏化し始
めるために、p型半導体層14がn−型半導体層3の底
部の電位をほぼ一定に保つ働きを失い、均一な空乏層の
伸びを実現できなくなり、内部電界の集中が低減されな
いためである。したがって、SOI型サイリスタの逆方
向耐圧特性を300V以上にするには、p型半導体層1
4の不純物濃度を3×1012/cm2より高くする必要
がある。
【0062】このように、n−型半導体層3とは異なる
導電型を有し、かつ、完全には空乏化されないp型半導
体層14を有する構成とすることで、n−型半導体層3
内における空乏層の均一な伸びを促進させる。その結
果、半導体基板1に対して任意の逆バイアス状態の電位
をp+型アノード半導体層7とn+型カソード半導体層
9等に与えても、n−型半導体層3の内部に均一に空乏
層が広がることができ、内部電界の集中が緩和されて、
良好な逆方向耐圧特性を示すSOI型サイリスタを実現
することができる。
【0063】なお、本発明の実施形態においては、いず
れの場合においても、SOI基板における支持基板とし
て、半導体基板を用いる場合について説明したが、半導
体基板を絶縁性基板と置き換えても同様の効果が得られ
ることは言うまでもない。ただし、SOI基板における
支持基板として絶縁性基板を用いた場合には蒸着法など
により裏面に均一に金属膜を形成するなどして、SOI
型サイリスタにおける裏面の電位が均一になるような構
成とすることが望ましい。
【0064】また、本発明の実施形態においては、いず
れの場合においても、SOI基板に埋め込む絶縁膜とし
てシリコン酸化膜を、また、分離溝4の側壁部分に形成
する絶縁膜としてもシリコン酸化膜を用いた場合につい
て説明したが、シリコン酸化膜をシリコン窒化膜などの
他の絶縁膜と置き換えても同様の効果が得られることは
言うまでもない。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第一の絶縁膜からアノード半導体層またはゲート半導体
層に向かって伸びる空乏層を抑制することができるとと
もに、第一の半導体層内における空乏層の均一な伸びを
促進させることができ、その結果、半導体基板に対して
任意の逆バイアス状態の電位をカソードとアノードに与
えたとしても、パンチスルーブレークダウンを抑制で
き、第一の半導体層の内部での空乏層の広がりを均一に
することができるため、内部電界の集中が緩和されて、
良好な逆方向耐圧特性を示すSOI型サイリスタを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施形態によるSOI型サイ
リスタの要部断面図
【図2】 本発明の第二の実施形態によるSOI型サイ
リスタの要部断面図
【図3】 本発明の第三の実施形態によるSOI型サイ
リスタの要部断面図
【図4】 本発明の第四の実施形態におけるSOI型サ
イリスタの要部断面図
【図5】 従来のSOI型サイリスタの要部断面図
【図6】 本発明の第一の実施形態によるSOI型サイ
リスタのアノードに300Vを与えた時の電位分布のシ
ミュレーション結果を示す図(a)、および従来のSO
I型サイリスタのアノードに200Vを与えた時の電位
分布のシミュレーション結果を示す図(b)
【図7】 本発明の第四の実施形態によるSOI型サイ
リスタのアノードに300Vを与えた時(a)、および
カソードに−300Vを与えた時(b)の電位分布のシ
ミュレーション結果を示す図
【図8】 本発明の第二の実施形態によるSOI型サイ
リスタのアノードに300Vを与えた時(a)、および
カソードに−200Vを与えた時(b)の電位分布のシ
ミュレーション結果を示す図
【図9】 本発明の第四の実施形態によるSOI型サイ
リスタに設けたp型半導体層14の不純物濃度に対する
アノード・カソード間耐圧を示す図
【符号の説明】
1 半導体基板 2 シリコン酸化膜(第一の絶縁膜) 3 n−型半導体層(第一の半導体層) 4 分離溝 5 シリコン酸化膜(第二の絶縁膜) 6 ポリシリコン膜 7 p+型アノード半導体層 8 p型アノード半導体層(第二の半導体層) 9 n+型カソード半導体層 10 p+型ゲート半導体層 11 p型ゲート半導体層(第二の半導体層) 12 n+型ゲート半導体層 13 n型半導体層(第三の半導体層) 14 p型半導体層(第四の半導体層)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に第一の絶縁膜を介して設
    けられた第一の半導体層と、前記第一の半導体層を誘電
    分離すべく形成し前記第一の絶縁膜に達する分離溝を備
    え、前記分離溝はその側壁に形成した第二の絶縁膜を有
    し、前記第一の絶縁膜と第二の絶縁膜により絶縁された
    前記第一の半導体層内に形成したサイリスタにおいて、 前記第一の半導体層とは異なる導電型を有する第二の半
    導体層により構成されたアノード半導体層の外側に、前
    記第一の半導体層と同じ導電型で前記第一の半導体層よ
    りも高い不純物濃度の第三の半導体層を設けたことを特
    徴とするSOI型サイリスタ。
  2. 【請求項2】 前記第二の半導体層と同じ構成で形成し
    たゲート半導体層の外側に、前記第三の半導体層を設け
    た請求項1記載のSOI型サイリスタ。
  3. 【請求項3】 前記第一の半導体層と前記第一の絶縁膜
    との界面に前記第一の半導体層とは異なる導電型を有す
    る第四の半導体層を設けた請求項1または2記載のSO
    I型サイリスタ。
  4. 【請求項4】 前記第四の半導体層の単位面積当たりの
    不純物濃度が3×10 12/cm2より高い請求項3記載
    のSOI型サイリスタ。
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