JP2001229968A - 高分子電解質およびその製造方法 - Google Patents

高分子電解質およびその製造方法

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崇司 江戸
Takayuki Imai
隆之 今井
Hiroyuki Miyata
裕之 宮田
Masayoshi Watanabe
正義 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いカチオン輸率とイオン導電率を有し、か
つリチウム電池等に使用したときに液漏れ、デンドライ
トの発生の問題を起こす可能性の少ない高分子電解質お
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】 ホウ酸のアルカリ金属塩の添加によりホ
ウ素架橋されたポリビニルアルコールからなる多孔質体
に、有機溶媒を含浸させてなり、ホウ酸のアルカリ金属
塩の添加量がポリビニルアルコール100重量部に対し
て0.05〜25重量部である高分子電解質、および、
ポリビニルアルコール溶液に、ホウ酸のアルカリ金属塩
をポリビニルアルコール100重量部に対して0.05
〜25重量部添加してゾル化し、ついで、このゾル状物
をフリーズドライ法によって乾燥して多孔質体とした
後、この多孔質体に有機溶媒を含浸させる高分子電解質
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ金属イオ
ンを伝導する高分子電解質およびその製造方法に関し、
主にリチウム電池などの電解質、正極、セパレータ、あ
るいはエレクトロクロミックデバイスなどに用いられる
高分子電解質およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来使用されているイオン伝導性材料
は、有機溶媒中に電解質塩を溶解することにより得られ
る液状物がほとんどである。例えば、リチウムイオン二
次電池の電解質には、LiClO4 、LiBF4 、Li
PF6 、LiN(CF3SO22等の電解質塩を誘電率
の高い有機溶媒に溶解させたものが用いられている。し
かしながら、このような有機溶媒系の電解質を用いた電
池等は、有機溶媒が漏れ出す恐れがあり、その信頼性に
問題があった。
【0003】また、このような有機溶媒系の電解質を使
用したリチウムイオン電池の負極材料には、カーボンが
使用されている。負極の材料に電池容量の増大が期待で
きるリチウム金属が使用されない理由としては、有機溶
媒系の電解質を使用した電池に対して繰り返し充放電を
行うことにより、負極のリチウム金属表面にデンドライ
トとよばれるリチウム金属の樹枝状結晶が発生すること
が挙げられる。このデンドライトの発生により、電池容
量が低下するなどの問題が起こるため、有機溶媒系の電
解質を使用した電池の負極にリチウム金属を使用するこ
とは困難となっている。
【0004】これら問題を解決するために、有機溶媒に
よってポリエーテル系高分子やポリフッ化ビニリデン系
高分子等を膨潤させたゲル状の高分子電解質が報告され
ている。このような高分子電解質を用いることによっ
て、液漏れの可能性は低下する。しかしながら、高分子
電解質はイオン導電率が低く、さらなるイオン導電率の
向上が求められていた。
【0005】さらに、従来の有機溶媒系の電解質や高分
子電解質は、カチオン輸率が低いという問題があった。
例えば、有機溶剤系電解質におけるカチオン輸率は、最
大でも約0.5であり、高分子電解質では0.2前後と
いう低い値になる。電解質のカチオン輸率が低いと、電
解質の分極が起こりやすくなり、IRドロップによる電
池内の抵抗の上昇が起こるため、電池としての性能が低
下する。そのため、電解質のカチオン輸率の向上が求め
られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、高いカチオン輸率とイオン導電率を有し、か
つリチウム電池等に使用したときに液漏れ、デンドライ
トの発生の問題を起こす可能性の少ない高分子電解質お
よびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ホウ素架橋したポ
リビニルアルコールからなる膜を多孔質にして、これに
有機溶媒を含ませることで高いカチオン輸率とイオン導
電率を有し、かつ十分な強度を有する高分子電解質が得
られることを見出し、本発明に至った。
【0008】すなわち、本発明の高分子電解質は、ホウ
酸のアルカリ金属塩の添加によりホウ素架橋されたポリ
ビニルアルコールからなる多孔質体に、有機溶媒を含浸
させてなり、ホウ酸のアルカリ金属塩の添加量がポリビ
ニルアルコール100重量部に対して0.05〜25重
量部であることを特徴とする。また、本発明の高分子電
解質の製造方法は、ポリビニルアルコール水溶液に、ホ
ウ酸のアルカリ金属塩をポリビニルアルコール100重
量部に対して0.05〜25重量部添加してゾル化し、
ついで、このゾル状物をフリーズドライ法によって乾燥
して多孔質体とした後、この多孔質体に有機溶媒を含浸
させることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の高分子電解質におけるホウ素により架橋された
ポリビニルアルコール(以下、ホウ素架橋PVAと記
す)とは、ポリビニルアルコール(以下、PVAと記
す)の水溶液にホウ酸のアルカリ金属塩を添加し、PV
Aの水酸基同士をホウ素で架橋して得られるものであ
る。
【0010】上記PVAは、ポリ酢酸ビニルをケン化し
て得られる樹脂のことであり、ケン化度の低い部分ケン
化ポリ酢酸ビニル、PVAにホルマール化、ブチラール
化等の処理を施したものなども含まれる。上記PVAの
分子量は、特に限定はされないが、例えば、2000〜
100000000の範囲とされる。
【0011】上記ホウ酸のアルカリ金属塩におけるホウ
酸としては、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホ
ウ酸などが挙げられる。ホウ酸のアルカリ金属塩におけ
るアルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナト
リウムイオン、カリウムイオンなどが挙げられる。この
ようなホウ酸のアルカリ金属塩としては、例えば、Li
BO2、Li2HBO3 、LiH2BO3等が挙げられ、中
でも、イオン導電率、カチオン輸率等を考慮した場合、
LiBO2 が好適に用いられる。また、ホウ酸のアルカ
リ金属塩の代わりに、ホウ酸とアルカリ金属の水酸化物
との混合物を用いてもよい。このような混合物として
は、H3BO3とLiOHの混合物が好適に用いられる。
【0012】上記ホウ酸のアルカリ金属塩の添加量は、
PVA100重量部に対して0.05〜25重量部であ
り、好ましくは1〜10重量部である。ホウ酸のアルカ
リ金属塩の添加量が0.05重量部未満では、アルカリ
金属イオンの濃度が低くなり、イオン導電率が低下す
る。ホウ酸のアルカリ金属塩の添加量が25重量部を超
えると、ホウ酸のアルカリ金属塩が不純物として析出
し、電池のサイクル特性に悪影響を与え、さらにカチオ
ン輸率が低下する。
【0013】上記ホウ素架橋PVAに含浸させる有機溶
媒としては、誘電率の高い非水有機溶媒が使用される。
このような誘電率の高い非水有機溶媒としては、プロピ
レンカーボネート(以下、PCと記す)、エチレンカー
ボネート(以下、ECと記す)、ジエチルカーボネート
(以下、DECと記す)、ジメトキシエタン、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミドなどが挙げられ
る。中でも、イオン伝導性に優れることから、PC、E
C、DECが好適に用いられる。
【0014】上記有機溶媒の含浸量は、ホウ素架橋PV
A100重量部に対して10〜1000重量部であり、
好ましくは50〜500重量部である。有機溶媒の含浸
量が10重量部未満では、高イオン伝導が得られない。
また、有機溶媒の含浸量が1000重量部を超えると、
電池の電解質として用いた場合に、液漏れが起こる可能
性があり、さらに電池の負極にリチウム金属が用いられ
ていると、リチウム金属表面にデンドライトが発生する
恐れがある。
【0015】また、本発明の高分子電解質には、必要に
応じて、改質剤、着色剤、酸化防止剤等の添加剤や他の
樹脂などを、高分子電解質の特性を損なわない範囲で添
加してもよい。
【0016】次に、本発明の高分子電解質の製造方法に
ついて説明する。まず、PVAを、水に溶解させる。こ
のPVA水溶液に、ホウ酸のアルカリ金属塩を上記の配
合量の範囲内で添加し、PVA溶液をゾル化させる。つ
いで、このゾル状物を型にキャストするなどして所望の
形状に成形し、フリーズドライ法によって乾燥させ、多
孔質体とする。このようにして得られた多孔質体に上記
PC、EC、DECなどの誘電率の高い非水有機溶媒を
含浸させ、高分子電解質を得る。
【0017】PVA溶液に、ホウ酸のアルカリ金属塩を
添加する方法としては、例えば、ホウ酸のアルカリ金属
塩を直接、PVA水溶液に加え、溶解させる方法、ホウ
酸のアルカリ金属塩の水溶液をPVA水溶液に加える方
法などが挙げられる。中でもホウ素架橋PVAの架橋密
度を均一にするためには、ホウ酸のアルカリ金属塩の水
溶液をPVA水溶液に加える方法を用いることが好まし
い。また、上記ホウ酸のアルカリ金属塩の水溶液の濃度
は、特に限定はされないが、例えば、1〜5重量%とさ
れる。
【0018】本発明におけるPVA水溶液のゾル化は、
ホウ酸のアルカリ金属塩の添加によってPVAがホウ素
架橋されることにより起こり、通常、常温常圧下で行わ
れる。また、本発明におけるキャストとは、PVA水溶
液にホウ酸のアルカリ金属塩を添加して得られるゾル状
物を型に注入し、所望の形状する操作、またはガラス板
等の上に塗布し、膜状にする操作のことであり、必要に
応じて、加圧、加熱、冷却などを行うことも可能であ
る。また、キャストに用いられる型は、特に限定はされ
ず、様々な型を用いることで多用な形状の成形体を得る
ことが可能である。
【0019】本発明におけるフリーズドライ法として
は、例えば、キャストしたゾル状物を減圧可能な容器に
入れ、容器内を0℃以下に保ちながら減圧し、ゲル状物
内の水分を蒸発させる方法、キャストしたゾル状物を容
器に入れ、容器内を0℃以下に保ちながら常圧でゲル状
物を約12時間乾燥し、ついで容器内を常温常圧にして
ゲル状物を約12時間乾燥するサイクルを繰り返し、ゲ
ル状物内の水分を蒸発させる方法などが挙げられる。ま
た、フリーズドライの条件やゲル状物中の水分量を調整
することにより、得られるホウ素架橋PVA多孔質体の
空隙率を適宜調節することができる。特に、ホウ素架橋
PVA多孔質体の空隙は小さいものほど有機溶媒の保持
性が高く、高イオン導電率が得られる。本発明における
ホウ素架橋PVAからなる多孔質体の形状としては、特
に限定されるものではないが、例えば、フィルム、チュ
ーブ、繊維など、成形法に応じて多様な形状とすること
が可能である。
【0020】このようにして得られる高分子電解質にあ
っては、電解質塩としてホウ素架橋PVAのアルカリ金
属塩を用いているので、高いカチオン輸率を示す。この
理由としては次のようなことが考えられる。電解質塩と
してホウ素架橋PVAのアルカリ金属塩を用いた場合、
ホウ素架橋PVAがポリマーアニオンとなり、高分子電
解質中におけるアニオンの移動度は、カチオンの移動度
に比べて極端に低下する。一方、高分子電解質中におけ
るカチオン(アルカリ金属イオン)の移動度は、従来の
電解質塩を用いたものとほぼ同じであるため、カチオン
輸率は従来の電解質塩を用いたものに比べ相対的に上昇
する。
【0021】また、このような高分子電解質は、ポリビ
ニルアルコール100重量部に対してホウ酸のアルカリ
金属塩を0.05〜25重量部含むホウ素架橋PVAか
らなる多孔質体に有機溶剤を含浸させたものであるの
で、高いイオン導電率を達成できる。また、ホウ素架橋
PVAは、ポリエーテル系高分子と同等またはそれ以上
の強度を有するので、有機溶媒を含浸させた高分子電解
質は、十分な強度を保つことが可能である。さらに、ホ
ウ素架橋PVAからなる多孔質体は、有機溶媒を保持す
る能力が高く、これからなる高分子電解質をリチウム電
池等の電解質として用いても、電池等が液漏れを起こす
可能性は少なく、さらに電池の負極にリチウム金属が用
いられている場合でも、リチウム金属表面にデンドライ
トが発生する可能性は少ない。
【0022】また、高分子電解質の製造方法にあって
は、PVA溶液に、ホウ酸のアルカリ金属塩をポリビニ
ルアルコール100重量部に対して0.05〜25重量
部添加してゾル化し、ついで、このゾル状物をフリーズ
ドライ法によって乾燥して多孔質体とした後、この多孔
質体に有機溶媒を含浸させるので、高いカチオン輸率と
イオン導電率を示し、リチウム電池等の電解質として用
いても電池等が液漏れを起こす可能性が少なく、さらに
負極にリチウム金属が用いられている電池の電解質とし
て用いた場合でもリチウム金属表面にデンドライトが発
生する可能性が少ない高分子電解質を簡便に得ることが
できる。また、原料に安価なものを使用し、フリーズド
ライ法によって多孔質体を得ているので低コストで、か
つ簡便に高分子電解質を得ることができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を示す。本実施例におけるイオ
ン導電率とカチオン輸率の測定は、以下のようにして行
った。 (イオン導電率)図1に示す測定用ホルダを用い、試料
の交流インピーダンスを測定することで、イオン導電率
を求めた。アルゴンガス雰囲気下、高分子電解質から外
径20mmの円形の試料1を切り取り、この試料1をス
テンレス電極2,3で挟み、これを電極差込用の穴の開
いたステンレス製ホルダ4に入れ、さらに電極3の上に
内部にバネ5の設けられたテフロン製カバー6を被せ、
バネ5で電極3に圧力をかけた。電極2および電極3と
通電しているネジ7およびネジ8にから導線を延ばし、
交流インピーダンスを測定した。
【0024】(カチオン輸率)アルゴンガス雰囲気下、
高分子電解質から外径20mmの試料を切り取り、この
試料の両面に外径20mm、厚さ200μmのLi箔を
圧着して試験片を得た。Li箔から導線を延ばし、この
試験片のカチオン輸率を直流法で測定した。
【0025】(実施例1)PVA(分子量5,000)
10重量部を水100重量部に溶解させた。ついで、L
iBO2 2.5重量部を水10重量部に溶解させ、この
水溶液をPVA−PEO水溶液に添加し、攪拌した。ゾ
ル化した混合溶液をシャーレ上にキャストし、これを減
圧可能な容器に入れ、容器内を20℃に保ちながら10
00Paまで減圧して24時間乾燥させ、厚さ50μm
の多孔質の薄膜を得た。この薄膜をPCに浸し、PCを
10重量部含浸させて高分子電解質を得た。得られた高
分子電解質ついて、イオン伝導度とカチオン輸率を測定
した。結果を表1に示す。
【0026】(実施例2〜4)LiBO2 の配合量を表
1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に行
い、高分子電解質を得た。得られた高分子電解質つい
て、イオン伝導度とカチオン輸率を測定した。結果を表
1に示す。
【0027】(比較例1〜2)LiBO2 の配合量を表
1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に行
い、高分子電解質を得た。得られた高分子電解質つい
て、イオン伝導度とカチオン輸率を測定した。結果を表
1に示す。PVA100重量部に対してLiBO2が2
5重量部を超えて添加された比較例1の高分子電解質
は、実施例に比べカチオン輸率が低く、余分なLiBO
2 の析出による白濁が見られた。また、PVA100重
量部に対してLiBO2 が0.05重量部未満の比較例
2の高分子電解質は、実施例に比べイオン導電率が低か
った。
【0028】(比較例3)実施例3と同じ組成でゲル状
物を調製し、これをアルゴンガス雰囲気下50℃で50
時間、さらに常温真空乾燥で50時間乾燥させて水を除
去し、厚さ100μmの薄膜を得た。この薄膜にPCを
10重量部含浸させ、高分子電解質を得た。得られた高
分子電解質ついて、イオン伝導度とカチオン輸率を測定
した。結果を表1に示す。多孔質ではない高分子電解質
は、実施例に比べイオン導電率が低かった。
【0029】(比較例4)PEO 10重量部を水10
0重量部に溶解させた。ついで、LiClO4 2重量部
を水100重量部に溶解させ、この水溶液をPEO水溶
液に添加し、攪拌した。混合溶液をシャーレ上にキャス
トし、ついでアルゴンガス雰囲気下50℃で50時間、
さらに常温真空乾燥で50時間乾燥させて水を除去し、
厚さ100μmの薄膜を得た。この薄膜をPCに浸し、
PCを10重量部含浸させて高分子電解質を得た。得ら
れた高分子電解質ついて、イオン伝導度とカチオン輸率
を測定した。結果を表1に示す。ホウ素架橋PVAを含
まない高分子電解質は、実施例に比べカチオン輸率が低
かった。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高分子電
解質は、ホウ酸のアルカリ金属塩の添加によりホウ素架
橋されたPVAからなる多孔質体に、有機溶媒を含浸さ
せてなり、ホウ酸のアルカリ金属塩の添加量がPVA1
00重量部に対して0.05〜25重量部であるので、
高いカチオン輸率とイオン導電率を達成できる。また、
ホウ素架橋PVAからなる多孔質体は、有機溶媒を保持
する能力が高く、これからなる高分子電解質をリチウム
電池等の電解質として用いても、電池等が液漏れを起こ
すことはなく、さらに電池の負極にリチウム金属が用い
られている場合でも、リチウム金属表面にデンドライト
が発生することはない。
【0032】また、本発明の高分子電解質の製造方法に
あっては、PVA水溶液に、ホウ酸のアルカリ金属塩を
PVA100重量部に対して0.05〜25重量部添加
してゾル化し、ついで、このゾル状物をフリーズドライ
法によって乾燥して多孔質体とした後、この多孔質体に
有機溶媒を含浸させるので、高いカチオン輸率とイオン
導電率を示し、リチウム電池等の電解質として用いても
電池等が液漏れを起こす可能性が少なく、さらに負極に
リチウム金属が用いられている電池の電解質として用い
た場合でもリチウム金属表面にデンドライトが発生する
可能性が少ない高分子電解質を、安価に、かつ簡便に得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 イオン伝導度の測定に用いた測定用ホルダの
側断面図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 29/04 C08L 29/04 A (72)発明者 宮田 裕之 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 渡辺 正義 神奈川県横浜市西区老松町30−3−401

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホウ酸のアルカリ金属塩の添加によりホ
    ウ素架橋されたポリビニルアルコールからなる多孔質体
    に、有機溶媒を含浸させてなり、ホウ酸のアルカリ金属
    塩の添加量がポリビニルアルコール100重量部に対し
    て0.05〜25重量部であることを特徴とする高分子
    電解質。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール水溶液に、ホウ酸
    のアルカリ金属塩をポリビニルアルコール100重量部
    に対して0.05〜25重量部添加してゾル化し、つい
    で、このゾル状物をフリーズドライ法によって乾燥して
    多孔質体とした後、この多孔質体に有機溶媒を含浸させ
    ることを特徴とする高分子電解質の製造方法。
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