JP2001229566A - 光ピックアップ - Google Patents

光ピックアップ

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JP2001229566A
JP2001229566A JP2000034104A JP2000034104A JP2001229566A JP 2001229566 A JP2001229566 A JP 2001229566A JP 2000034104 A JP2000034104 A JP 2000034104A JP 2000034104 A JP2000034104 A JP 2000034104A JP 2001229566 A JP2001229566 A JP 2001229566A
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Japan
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lens
wavelength
aberration
optical pickup
chromatic aberration
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JP2000034104A
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English (en)
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Makoto Itonaga
誠 糸長
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光の波長が300nmから500nm
の波長領域において、量産性に優れ、且つ色収差の小さ
な光ピックアップを提供する。 【解決手段】 波長が300nm〜500nmの範囲内
にあるレーザ光Lを対物レンズ8により光ディスクDC
上に集束させる光ピックアップPUにおいて、前記レー
ザ光の光路中に、貼り合わせ面が球面になされた複数の
レンズを接合して両端が平面になされた貼り合わせレン
ズ20と、ホログラム素子22とを組み合わせてなる色
収差補正素子16を設ける。これにより、レーザ光の波
長が300nmから500nmの波長領域において、量
産性に優れ、且つ色収差の小さな光ピックアップとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクに対し
て情報を記録再生する光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学記録媒体である光ディスク
は、動画、音声、コンピューター用データなどの情報信
号(データ)の保存のために主に用いられている。ま
た、この光ディスクは、良好な量産性と低コスト性のた
め、広く普及している。この光ディスクに対しては、記
録される情報信号の高密度化、大容量化の要望が強く、
近年においてもこの要望はますます強くなっている。
【0003】図8は光ディスクに対して情報を読み書き
する従来の光ピックアップの一例を示す構成図である。
図中、LDは読み書き用のレーザ光Lを出力する半導体
レーザ素子、2はレーザ光を平行光束に変換するコリメ
ータレンズ、4はビームスプリッタ、6は立ち上げミラ
ー、8はレーザ光を光ディスクDC上に集束させる対物
レンズ、10は検出レンズ、12は一軸方向にのみレン
ズ作用を呈するシリンドリカルレンズ、14は光検出器
である。このような光ピックアップにおいて、光ディス
クに記録される情報信号の記録密度を上げるには、この
情報信号の読み出しに用いる光束の短波長化と、この光
束を光ディスク上に集光させる対物レンズとして高い開
口数(NA)のレンズを使うことの2つが有効である。
【0004】このため、CD(Compact Dis
c)からDVD(DigitalVersatile
Disc)では、使用レーザ光の波長が780nmか
ら、650nmになり、NAが0.45から0.6にさ
れ、記録密度の向上が成されている。また、記録型のデ
ィスクシステムは各種あるが、波長とNAはそれぞれほ
ぼ上述した値に近いものが使われている。これらのディ
スクシステムにおいて、光ディスクにレーザ光を集束さ
せる対物レンズとしては現在は、ガラスあるいは樹脂を
成形した、単玉型の対物レンズが使われている。これ
は、対物レンズの両面を非球面形状として収差の補正を
行ったレンズであり、樹脂等の成形で作ることができる
ことから、コストと量産性に優れているため、もっとも
普及している。ここで、より容量の大きな記録密度の高
いディスクシステムのためには、いわゆる青色レーザ光
と、よりNAの高い対物レンズの組み合わせのディスク
システムが期待されている。この場合にも、当然、非球
面単レンズの使用が期待されている。
【0005】<色収差の説明>ところで、現行の光ディ
スクにおける記録用の光ピックアップの光学的な課題の
一つに、対物レンズの色収差にまつわる問題がある。こ
れは、レーザ光の出力変化に伴って発生する波長変化に
より生じる。すなわち、光ディスクでは、通常、記録す
る場合は、レーザ光の出力を再生パワーから記録パワー
へ変化させて記録するが、この出力変化に伴なってレー
ザ光の波長が変化してしまう。
【0006】一方、単玉型の対物レンズの焦点距離には
波長依存性がある。これは、レンズの材質(ガラスまた
は樹脂)の屈折率が波長により変化する性質(分散とい
う)があるため生じている。このため、前述したような
レーザ光の波長変化により、焦点位置が移動する。ここ
で光ディスクが常に波長に応じた焦点の位置にあれば、
焦点誤差(デフォーカス)は発生しない。しかし、再生
パワーから記録パワーへの変化は非常に短時間(nse
cオーダー)で生じるため、フォーカスサーボの動作
(数msecかかる)が追いつかず、フォーカスサーボ
が応答して、光ディスクが波長に応じた焦点位置へ来る
までの期間、デフォーカスが生じて書き込み不良、再生
不良等の不具合が生じる。これが色収差にまつわる問題
である。
【0007】<色収差の具体的な数値の例>具体的な数
字をあげて、この色収差の現象を説明する。まず、従
来、多く用いられているレンズと同様の両面非球面レン
ズの一例をとって説明する。図9は、計算に用いた対物
レンズ8を示す図である。ここで対物レンズの焦点距離
は、2.857mm、開口数(NA)は0.7、設計中
心波長は400nm、光ディスクDCの厚さは0.12
mmである。実際の使用状態に合わせ、像面を400n
mでの最良像面(収差が最小になる面)に固定して、そ
の面で他の波長の収差を計算して波長の変化量を求めた
ところ、わずか3nm波長が変化しただけで、約0.3
9λ(rms)と巨大な収差が発生する。ここでλはレ
ーザ光の波長である。この量は、一般的に収差の限界と
されるマレシャルの基準値0.07λの5倍以上の値
で、全く記録再生が出来ないどころか、トラッキングエ
ラーさえ検出できなくなるほどの大きな影響を受けてし
まう。尚、前記した記録時の波長変化は使用する半導体
レーザ素子にもよるが、実測によれば400nmの半導
体レーザ素子の場合には、2nm程度以下の波長変化で
あった。また、この波長の範囲では各波長で収差が最小
になるように像面を設定すれば(ディスクをその位置へ
持っていけば)、収差は無視できるほど小さくなってい
る。
【0008】<色収差を補正すべき波長の範囲と収差の
許容量>ここでは、波長500nm以下のレーザ光を用
いた場合の、色収差を補正すべき波長の範囲と収差の許
容量を明らかにする。まず、前記した記録時の波長変化
であるが、400nmの波長で発振する半導体レーザ素
子の出力変化を測定したところ、2nm程度以下の波長
変化であった。さらに、再生時には、レーザ光のノイズ
を低減するために、高周波重畳等の手法を用いてレーザ
光をマルチモード化することが、一般に行われる。波長
400nmの半導体レーザ素子での典型的な高周波重畳
による波長の拡がりは、本発明者の測定によれば、スペ
クトルの半値全幅で、0.8nm程度であった。これに
対して、波長650nm乃至780nmの半導体レーザ
素子では、典型的には、この拡がりは1nmないし1.
5nm程度であるが、色収差の小ささより、これに関し
ては、通常の非球面単レンズで全く問題のない収差レベ
ルである。しかし、このレンズを波長500nm以下の
領域で使う場合は、大きな色収差のため、無視すること
が出来ない。したがって、記録用の光ピックアップのみ
ならず再生専用の光ピックアップでも、本発明で述べる
色収差の補正が必要である。
【0009】この色収差の変化が許容される目標値は、
上記した量の波長変化による色収差の変化を、一般に無
収差と見なせる収差の限界値である、マレシャルの基準
値0.07λ以下に押さえることが必要である。すなわ
ち、任意に設定した中心波長の前後2nmで0.07λ
以下に収差変化が押さえられていれば良い。このような
条件のもとで、今後、主流となる青色レーザ光で代表さ
れる、300nmから500nmの波長領域では、レン
ズ材料の屈折率の変化は、従来の650nm乃至780
nmに比べて飛躍的に大きくなる。このため、わずかな
波長の変化でも発生する色収差は、格段に大きなものと
なり、このため、より大きな色収差の補正が必要にな
る。この色収差にまつわる問題を詳細に解析すると、問
題は、次の2点に分解できる。それは、軸上色収差の変
化と、色収差を補正した場合に付随的に生じる倍率誤差
による球面収差である。
【0010】上記軸上色収差は、多くの場合に一般的に
言われる色収差であり、屈折率の変化により生じる焦点
位置の変化である。波長変化により発生するこの軸上色
収差を補正するためには、波長変化により焦点位置が変
化しないように、波長変化によりレンズへの入射光束の
平行度を変化させればよい。この作用を回折型レンズで
与えることが出来るのである。これは、対物レンズにし
てみれば、結像倍率が変化したこととほぼ等価な作用で
ある。このため収差が発生するが、これが倍率誤差によ
る球面収差である。従来のレーザ光の650nmから7
80nm付近の波長では、色収差の発生は比較的緩やか
であり、軸上色収差の補正のみで十分であったが、波長
が300nmから500nmで、とりわけNAが0.6
以上になると、倍率誤差により球面収差の寄与が大きく
なり、軸上色収差のみの補正では不十分となって、両者
を合わせた収差が目標値以下になるように補正を行わな
ければならない。
【0011】このような色収差に関して、これを補正す
る試みが例えば Diffractive-Refractive achromats fo
r Optical Disk System by Glass Molding, Yasuhiro T
anaka et al., Optical Review Vol. 5, No.6 (1998,p.
334)において報告されている。この文献によれば、回折
型レンズを単レンズの片側の面へ一体に成形して回折レ
ンズの効果により色収差を補正する点が示されている。
この、単レンズの片面に、回折型レンズを色収差の補正
を目的として形成しているもので、830nmから63
5nm程度の波長で、開口数が0.55程度のレンズに
関するものである。
【0012】次に、特開平6−82725号公報におい
ては、対物レンズの他に補正用の素子を光学系中に挿入
して色収差の補正をする点が示されている。これは、補
正レンズとして、階段状の回折型レンズ(ホログラム素
子)を用いたものである。また、特開平6−25008
1号公報では、補正レンズとして、貼り合わせ面を非球
面とした2枚構成のレンズを用いた点が示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た文献の技術や公報で示される技術には、以下のような
問題点がある。すなわち、上記文献と特開平6−827
25号公報で示された回折型レンズの特性を用いて色収
差補正したものは、大きな色収差を補正するために回折
格子の本数が増大する欠点がある。また、レンズの周辺
部分でその格子ピッチが狭くなり過ぎてしまい、設計は
可能であっても、実際に高NAのレンズを作成すること
は難しい、といった問題がある。
【0014】実際に本発明者が設計を行ったところ、設
計中心波長=400nmで、NA=0.7の対物レンズ
の場合には、補正レンズの格子の本数が200本近くに
達し、かつ最外周で、約2.5μmピッチと狭いピッチ
になってしまった。上記文献の技術では、このような狭
いピッチの格子を、NAが高いために、形状誤差がほと
んど許されない非球面形状の上に形成する必要がある
が、現在の技術では困難度が高く、事実上この素子を作
ることは出来ない。これに比べると、上記特開平8−8
2725号公報で示された技術では、平面上に格子を形
成すれば良いので、技術的には先の文献の場合よりも平
易ではあるが、依然として、μmオーダーの段差で正確
に保ちながら、要求される格子間隔を実現することは困
難である。
【0015】さらに、上記特開平6−250081号公
報で示す技術においては、2つの非球面を偏芯と傾きな
く正確に貼り合わせる必要があり、少なくとも量産に耐
え得る素子とは言えず、生産性に問題がある。本発明は
上記の点に着目してなされたものであり、その目的は、
レーザ光の波長が300nmから500nmの波長領域
において、量産性に優れ、且つ色収差の小さな光ピック
アップを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明によ
れば、波長が300nm〜500nmの範囲内にあるレ
ーザ光を対物レンズにより光ディスク上に集束させる光
ピックアップにおいて、前記レーザ光の光路中に、貼り
合わせ面が球面になされた複数のレンズを接合して両端
が平面になされた貼り合わせレンズと、ホログラム素子
とを組み合わせてなる色収差補正素子を設けるように構
成する。これにより、レーザ光の波長が変動した場合に
は、対物レンズで発生する色収差の内、焦点位置変動
(デフォーカス)成分の過半が、貼り合わせレンズの球
面レンズで補正され、同時に生じる球面収差とデフォー
カスの一部は、ホログラム素子による波面変換作用によ
り補正される。その結果、レーザ光の波長の変化あるい
は、拡がりに関わらず、収差の少ない光スポットを光デ
ィスク上に形成することが出来る。
【0017】これにより、レーザ光の波長300nm〜
500nmの領域において色収差を抑制することが可能
となる。この場合、例えば請求項2に規定するように、
前記ホログラム素子は、前記レーザ光の波長が基準波長
から変化した場合に、前記対物レンズが発生する球面収
差の成分と、その球面収差と前記対物レンズの瞳の端部
で、ほぼ同量の波面収差量になるデフォーカス収差を有
している。また、請求項3に規定するように、前記貼り
合わせレンズの表面には、前記ホログラム素子が形成さ
れているようにしてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る光ピックア
ップの一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は
本発明の光ピックアップの第1実施例を示す構成図、図
2は光学系の波面収差の一例を示す図、図3はホログラ
ム素子を示す断面図、図4は色収差補正素子と対物レン
ズとの位置関係を示す断面図である。まず、図1を参照
して本発明の光ピックアップの全体構成について説明す
る。尚、図8に示した部分と同一構成部分については同
一符号を付して説明する。この光ピックアップPUにお
いて、LDは読み書き用のレーザ光Lを出力する半導体
レーザ素子、2はレーザ光を平行光束に変換するコリメ
ータレンズ、4はビームスプリッタ、6は立ち上げミラ
ー、8はレーザ光を光ディスクDC上に集束させる対物
レンズ、10は検出レンズ、12は一軸方向にのみレン
ズ作用を呈するシリンドリカルレンズ、14は光検出器
である。
【0019】ここで、本実施例においては、対物レンズ
8に対して、レーザ光Lの色収差を補正するための色収
差補正素子16を並設し、両者を例えばケーシング18
によって連結することによって、これらが一体的にフォ
ーカス方向へ連動するようになっている。この色収差補
正素子16は、後述するように複数枚、例えば2枚或い
は3枚のレンズを接合してなる貼り合わせレンズ20と
ホログラム素子22とにより構成される。具体的には、
図4にも示すようにこの貼り合わせレンズ20は、ここ
では2枚のレンズ24、26を貼り合わせてなり、両者
の貼り合わせ面は球面になされている。また、この貼り
合わせレンズ20の両端の面、すなわちレンズ24の他
方の面37及びレンズ26の他方の面40は平面になさ
れている。
【0020】また、上記ホログラム素子22は、上記レ
ーザ光Lの波長が基準波長から変化した場合に、上記対
物レンズ8が発生する球面収差の成分と、その球面収差
と前記対物レンズ8の瞳の端部で、ほぼ同量の波面収差
量になるデフォーカス収差を有している。ここで、具体
的な色収差補正素子16の設計例に組み合せて用いる非
球面の対物レンズ8の設計値を次に示す。 対物レンズの焦点距離=2.857mm、 NA=0.7、 設計中心波長=402nm、
【0021】<球面の定義> x : 光軸30からの高さがhの非球面上の点Pの非
球面頂点からの距離 c : 非球面頂点の曲率 (=1/R) k : 円錐常数 A : 第4次の非球面係数 B : 第6次の非球面係数 C : 第8次の非球面係数 D : 第10次の非球面係数 E : 第12次の非球面係数 としたとき、次の数1で表される。 x=ch2 /(1+(1−(1+k)c221/2 )+Ah4 +Bh6 +Ch8 +Dh10+Eh12 … 数1
【0022】また、レンズの設計例は以下のようにな
る。 面番号 曲率半径 面間隔 硝材 OBJ ∞ 第1面 1.976185 3.0 SK5 第2面 -5.971955 1.1433 ディスク ∞ 0.12 BK7 像面 ∞ 入射瞳直径 4 mm <第1面32の非球面係数> k -1.140497 A 0.010207172 B 0.00051024248 C -8.1563128×10-5 D 5.3749268×10-5 E -9.8100166×10-6
【0023】 <第2面36の非球面係数> k -7.881654 A 0.040707215 B -0.017619505 C 0.0024600894 D 8.6551234×10-5 E -1.2956159×10-5 <屈折率> SK5 1.60571542 BK7 1.53058435
【0024】次に、色収差補正素子16の具体例を以下
に列挙する。 <2枚のレンズで貼り合わせレンズ20を形成した場合
>図4に示すようなホログラム素子22の方は、この縮
尺で見ると、ほぼ平面形状になる。まず、貼り合わせレ
ンズ20の設計数値例を示す。 面番号 曲率半径 面間隔 硝材 第1面37 ∞ 1.0 SFS3 第2面38 3.45 2.0 LASFN1 第3面40 ∞
【0025】次に、組み合わせるホログラム素子22の
設計例を示す。このホログラム素子22は、基準波長
(ここでは402nm)では、波面の変化が無く、レー
ザ光の波長が変化した場合に、変化に応じて波面変化を
発生するように設計される。図2は、基準波長から8n
mだけ離れた波長である410nmにおいて、貼り合わ
せレンズ20と対物レンズ8を組み合わせた光学系を透
過した光束の波面収差を示した図である。ここでは波面
収差のピーク値をH1としている。ホログラム素子22
が、このホログラム素子22に入射したレーザ光の波面
を、この波面と逆の波面に変換する作用を持っていれ
ば、図2に示した波面収差が補償されることになる。
【0026】このようなホログラム素子22は、次のよ
うに作られる。まず、段差に関して、ホログラム素子
は、隣り合う段の間の光路差が基準波長で1波長となる
ような段差の組み合わせで構成される。これを数2で表
すと、段差をd、屈折率をn、波長をλとして、以下に
示す関係となる。 (n−1)d=λ … 数2 この構造の場合には、基準波長では収差は発生しない。
ここで、レーザ光の波長がλ’に変化すると、それに応
じて、以下の数3で示す誤差(収差)Δが発生する。 Δ=(λ−λ’)/λ’… 数3 ここで図2と同様に、波長誤差が8nmある時を考える
と、誤差Δは、−0.0196λ’となる。
【0027】したがって、ホログラム素子22の形状と
しては、図2に示す波面を、誤差Δ毎に分割して、それ
に応じた段差とすればよい。したがって、14本の輪帯
をもった構造になる。ホログラム素子22のピッチは、
最小の点でも40μm程度あり、非常に広く、従来問題
であったような製造上の問題は発生しない。なお、輪帯
の本数は、波面をどう輪切りにするかによって若干変わ
り、12本程度にすることも可能である。このようにし
て形成されたホログラム素子22の断面形状を図3に示
す。ここで光軸に対するホログラム素子22の向きはど
ちらでもよい。この図は、形状の説明のために、縮尺を
無視して描いてある。特に、ホログラム素子22の外周
においては、誤差のピッチがかなり狭くなり、正確な縮
尺で描くと段差を表現できないので、ピッチを広めにし
て描いてある。
【0028】この実施例において、ホログラム素子22
が、基準波長以外で発生する収差は、球面収差と、波面
収差係数の大きさが球面収差とほぼ同じで符号が逆のデ
フォーカスである。この関係にあるとき、貼り合わせレ
ンズ20の設計としては、貼り合わせレンズ単体+対物
レンズの組み合わせで、波長誤差がある場合に概ね最良
像点になるように設計をすれば良くなる。これは、対物
レンズ8、貼り合わせレンズ20、ホログラム素子22
の各々を独立して検査できることを意味しており、製造
上のメリットは大きい。尚、上述したように、ホログラ
ム素子22の向きは、どちら向きでも良い(どちらの向
きが光源に向いていても良い)。
【0029】上記説明では、貼り合わせレンズ20とホ
ログラム素子22とを別個独立して形成したが、これに
限らず、両者を接合してもよい。例えばホログラム素子
22を、貼り合わせレンズ20の一面上に、フォトポリ
マーで成形したり或いは、ガラスの上にエッチングして
形成したり、或いは、樹脂成形で形成する等してもよ
い。これらの手法は基本的には既知の手法である。この
場合、ホログラム素子22は、貼り合わせレンズ20の
どちらの面についていても良い。
【0030】<3枚のレンズで貼り合わせレンズ20を
形成した場合>ここでは貼り合わせレンズ20をレンズ
42、44、46の3枚組レンズとした場合の例を図6
に示す。この場合、中間のレンズ44とその両側のレン
ズ42、46との接合面は球面形状になされ、また、両
側のレンズ42、46の反射面は、共に平面になされて
いる。
【0031】このように、貼り合わせレンズ20を3枚
のレンズ42、44、46で構成にすることによる有利
な点は、2枚組レンズに比べて貼り合わせ面の半径を大
きくすることが出来、加工が容易になる点である。従っ
て、とりわけ対物レンズの色収差が大きい場合に有利で
ある。図5はこの貼り合わせレンズ20と対物レンズを
組み合わせた光学系を透過した光束の波面収差の他の一
例を示している。この図5によれば、ホログラム素子で
補正すべき収差の最大値H2は図2に示す波面収差の最
大値をH1よりも少し大きくなっている。この場合は、
ホログラム素子の輪帯数は、約18本となる。形状は、
本数が少し増えた以外は、図3に示すホログラム素子構
造とほぼ同じ形状である。
【0032】尚、上記実施例では、ホログラム素子が、
波長誤差がある場合に発生する収差を、球面収差とほぼ
同量で逆符号のデフォーカスとした場合の設計例を示し
たが、これにとらわれる必要はない。例えば、球面収差
のみ、あるいは適切な量の球面収差とデフォーカスの組
み合わせであっても良い。当然これらの場合は、貼り合
わせレンズの設計も変わってくる。また、上記第1実施
例では、対物レンズ8と立上げミラー6との間に色収差
補正素子16を設けたが、これに替えて、図7に示す第
2実施例のように、色収差補正素子16を、立上げミラ
ー6とビームスプリッタ4との間に設けるようにしても
よい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ピック
アップによれば、次のように優れた作用効果を発揮する
ことができる。波長300nmから500nmのレーザ
光の波長領域において、レーザ光の波長の拡がり、ある
いは、波長の急な変化が発生しても、色収差を抑制でき
ると共に焦点誤差の発生が少なく、安定な光ピックアッ
プ動作を確保することができ、しかも量産性も向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ピックアップの第1実施例を示す構
成図である。
【図2】光学系の波面収差の一例を示す図である。
【図3】ホログラム素子を示す断面図である。
【図4】色収差補正素子と対物レンズとの位置関係を示
す断面図である。
【図5】貼り合わせレンズと対物レンズを組み合わせた
光学系を透過した光束の波面収差の他の一例を示す図で
ある。
【図6】貼り合わせレンズを3枚組レンズとした場合の
例を示す図である。
【図7】第2実施例の光ピックアップを示す構成図であ
る。
【図8】光ディスクに対して情報を読み書きする従来の
光ピックアップの一例を示す構成図である。
【図9】計算に用いた対物レンズを示す図である。
【符号の説明】
2…コリメータレンズ、4…ビームスプリッタ、8…対
物レンズ、14…光検出器、16…色収差補正素子、2
0…貼り合わせレンズ、22…ホログラム素子、DC…
光ディスク、L…レーザ光、LD…半導体レーザ素子、
PU…光ピックアップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 CA01 CA17 CA20 2H087 MA03 PA02 PB03 QA02 QA14 QA33 RA01 RA46 5D119 AA22 BA01 DA01 DA05 EC01 EC03 JA44 JA47 JB02 9A001 BB03 HH15 HH30 KK16 KK31 KK37 LL02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長が300nm〜500nmの範囲内
    にあるレーザ光を対物レンズにより光ディスク上に集束
    させる光ピックアップにおいて、前記レーザ光の光路中
    に、貼り合わせ面が球面になされた複数のレンズを接合
    して両端が平面になされた貼り合わせレンズと、ホログ
    ラム素子とを組み合わせてなる色収差補正素子を設ける
    ように構成したことを特徴とする光ピックアップ。
  2. 【請求項2】 前記ホログラム素子は、前記レーザ光の
    波長が基準波長から変化した場合に、前記対物レンズが
    発生する球面収差の成分と、その球面収差と前記対物レ
    ンズの瞳の端部で、ほぼ同量の波面収差量になるデフォ
    ーカス収差を有していることを特徴とする請求項1記載
    の光ピックアップ。
  3. 【請求項3】 前記貼り合わせレンズの表面には、前記
    ホログラム素子が形成されていることを特徴とする請求
    項1または2記載の光ピックアップ。
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