JP2001228155A - 検体の検査方法 - Google Patents

検体の検査方法

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JP2001228155A
JP2001228155A JP2000034637A JP2000034637A JP2001228155A JP 2001228155 A JP2001228155 A JP 2001228155A JP 2000034637 A JP2000034637 A JP 2000034637A JP 2000034637 A JP2000034637 A JP 2000034637A JP 2001228155 A JP2001228155 A JP 2001228155A
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Masaki Kimura
正樹 木村
Tsutomu Saito
勉 斎藤
Yuko Nishimura
優子 西村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検体中の被測定物の濃度を測定することので
きる検体の検査方法を提供する。 【解決手段】 被測定物の濃度に関して、所定の濃度か
ら前記所定の濃度に対して所定の倍率の濃度までの濃度
範囲をカバーする検量線であって、前記濃度範囲の濃度
と被測定変量との関係を与える検量線を得る工程と、前
記被測定物を含む未知濃度検体を希釈して前記所定の倍
率だけ異なる希釈濃度倍率の少なくとも2つの希釈検体
を作る工程と、前記少なくとも2つの希釈検体について
被測定変量を測定する工程と、前記被測定変量を前記検
量線に当てはめて前記希釈検体中の前記被測定物の濃度
を求める工程と、前記希釈検体中の前記被測定物の濃度
を求める工程で求めた該被測定物の濃度と前記希釈濃度
倍率とから前記未知濃度検体中の前記被測定物の濃度を
求める工程とを備える検体の検査方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検体の検査方法に
関し、特にウェルの底部に流れ出す検査対象粒子の流出
した長さを利用して検体を検査する検査方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】血清等の検体中に被測定物である抗体ま
たは抗原が含まれているか否かを検査する検査方法とし
ては、従来から、図8に示すようにウェル1底部に形成
されるパターンを観察する方法があった。この方法で用
いるウェル1は、傾斜面を有する底部1aを備えてお
り、この底部1aに検体を注入し、その中に抗原または
抗体を結合した粒子を混入して、検体中の抗体または抗
原と反応させ、ウェル1を傾けることにより沈降した検
査対象の粒子が流出して形成するパターンを観察してい
た。底部1aは照明装置4で照明し、カメラ3で撮影す
るか、あるいは、単に目視することによって観察してい
た。
【0003】検体中に抗体または抗原が含まれていると
きは、凝集反応が生じて粒子は底部1aの中心にとどま
るので、パターンは底部1aの中心に存在するドットと
なり、一方、抗体または抗原が含まれていないときは、
凝集が生じないので、パターンは底部1aの中心から流
れ出した流れ出しパターンとなる。したがって、このパ
ターンを観察することにより、抗体または抗原が検体中
に存在しているか否かを判定することができた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような検査方法
によれば、パターンの形状により被測定物の有無を定性
的に判定することができるが、定量的測定は困難であっ
た。そこで検体中の被測定物の濃度を測定することので
きる検体の検査方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による検体の検査方法は、例えば図5に示す
ように、被測定物の濃度に関して、所定の濃度から前記
所定の濃度に対して所定の倍率の濃度までの濃度範囲を
カバーする検量線であって、前記濃度範囲の濃度と被測
定変量との関係を与える検量線を得る工程と;例えば図
3に示すように、前記被測定物を含む未知濃度検体を希
釈して前記所定の倍率例えば6倍だけ異なる希釈濃度倍
率の少なくとも2つの希釈検体を作る工程と;例えば図
4に示すように、前記少なくとも2つの希釈検体につい
て被測定変量を測定する工程と;前記被測定変量を前記
検量線(例えば図5)に当てはめて前記希釈検体中の前
記被測定物の濃度を求める工程と;前記希釈検体中の前
記被測定物の濃度を求める工程で求めた該被測定物の濃
度と前記希釈濃度倍率(例えば6倍)とから前記未知濃
度検体中の前記被測定物の濃度を求める工程とを備え
る。
【0006】未知濃度検体は例えば血清であり、被測定
物は例えば抗体または抗原である。特に被測定物として
の抗原または抗体を含む検体としての血清または血液
に、抗体または抗原を結合した粒子を作用させ凝集反応
を生じさせて、その凝集を利用して被測定物の濃度を測
定する検査方法に適する。所定の倍率とは例えば6倍で
あり、希釈濃度倍率とは例えば6倍、36倍である。検
量線は実際の線を引いてもよいし、例えばコンピュータ
内のデータとして保存されていてもよい。被測定変量
は、例えば感作磁性粒子の流れ出し長さである。
【0007】このように構成すると、被測定物の濃度に
関して、所定の濃度から前記所定の濃度に対して所定の
倍率の濃度までの濃度範囲をカバーする検量線を得る工
程を備えるので、被測定量を測定すれば、それに対応す
る濃度を知ることができる。また、所定の倍率だけ異な
る希釈濃度倍率の少なくとも2つの希釈検体を作る工程
を備えるので、求めることのできる濃度範囲を広くする
ことができる。
【0008】また、前記検査方法では、前記検量線を得
る工程は、所定個数の未知濃度検体を検査する毎に行わ
れるようにするとよい。所定個数の検体を検査する毎に
検量線を得るので、検査条件、例えば室温、湿度、振動
等の測定環境、試薬ロット、試薬の保存方法、保存状態
等による検査誤差の発生を防止できる。
【0009】また前記目的を達成するために、本発明に
よる検体の検査方法は、例えば図3に示すように、被測
定物の濃度の知られた標準液を希釈して、複数の知られ
た濃度の希釈標準液を作る第1の工程と;図4に示すよ
うに、前記複数の知られた濃度の希釈標準液のそれぞれ
について被測定変量を測定する第2の工程と;図5に示
すように、第2の工程で測定した被測定変量と前記複数
の知られた濃度とから、標準液中の被測定物の濃度と被
測定変量との関係を与える検量線であって、所定の倍率
の濃度範囲をカバーする検量線を引く第3の工程と;図
3に示すように、未知濃度検体を希釈した、前記所定の
倍率だけ異なる希釈濃度倍率の複数の希釈検体液を作る
第4の工程と;図4に示すように、前記希釈濃度倍率の
複数の希釈検体液のそれぞれについて被測定変量を測定
する第5の工程と;図5に示すよううに、第5の工程で
測定された被測定変量を前記検量線に当てはめて前記希
釈検体液の被測定物の濃度を求める第6の工程と;第6
の工程で求めた前記希釈検体液中の被測定物の濃度と、
前記希釈濃度倍率とから、前記未知濃度検体中の被測定
物の濃度を求める第7の工程を備える。
【0010】標準液の複数の知られた濃度とは、例えば
10ng/ml、20ng/ml、40ng/mlであり、所定の倍率
の濃度範囲とは、例えば8〜48ng/ml(48/8=6
倍)である。ここで、希釈検体液中の被測定物の濃度
と、前記希釈濃度倍率とから、前記未知濃度検体中の被
測定物の濃度を求めるとは、予め希釈倍率を乗じて複数
の検量線を用意しておき、それに測定された被測定変量
を当てはめるようにする形態も含む。
【0011】以上の検査方法では、所定の状態に置いた
とき底部が水平面に対して傾斜しているウェルの該底部
に前記未知濃度検体の濃度に応じて凝集の強さが異なる
検査対象粒子を沈降させる工程と;前記ウェルを前記所
定の状態から傾けて前記沈降した検査対象粒子を前記沈
降した位置から流出させる工程とを備え;前記測定変量
は、前記検査対象粒子の流出した長さであることを特徴
とするようにしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。なお、各図において互い
に同一あるいは相当する部材には同一符号または類似符
号を付し、重複した説明は省略する。
【0013】図1を参照して、本発明の実施の形態であ
る免疫反応検査(凝集反応測定法)に用いて好適なマイ
クロプレートについて説明する。免疫反応検査は、抗原
抗体反応によって起こる凝集反応を利用して、検体中に
抗体または抗原が存在するか否かを検出するものであ
る。凝集反応が起こったか否かは、検体を静置し得られ
た凝集の状態から検出が可能である。
【0014】本発明の実施の形態である検体の検査装置
は、磁性体を含む粒子を用い、磁力を利用して強制沈降
を行う免疫検査方法に適している。この方法では、検体
を収容する多数のウェル101をマトリックス状に(縦
横方向に)配置したマイクロプレート10を利用する。
【0015】図中、マイクロプレート10は、表面が平
坦なプラスチック製の平板に、X方向に8行、Y方向に
12列の凹み、即ちウェル101が設けられている。マ
トリックス状に配置されたウェルのX方向のピッチとY
方向のピッチとは典型的には等しく作られている。
【0016】ウェル101は、A−A断面(拡大図)に
示すように、筒形状のなかでも特に円筒状の側壁とその
円筒の底を閉じる逆円錐状に形成された底部101aと
を含んで構成されている。円筒の底部101aと反対側
の端部は円筒の側壁に直交する平面で切られて開口して
いる。各ウェル101は、マイクロプレート10を水平
に置いたとき、側壁は鉛直方向に向くように配置されて
おり、上端の開口側は一つの平面内にあり、底部101
aの円錐は、その先端を側壁の円筒の中心線上に置き、
また中心線に対して回転対称になるように構成されてい
る。また、この例では底部101aの円錐の斜面は、水
平に対して約30度の角度(側壁に対しては120度)
をなしている。
【0017】このマイクロプレート10のウェル101
内の検体に磁性体を含む粒子を添加し、多数のウェル1
01内でこれらを混合して反応を生起させる。この図で
は、12列中第2列から第11列までの10列分、また
全ての行即ち8行分に磁性粒子が収容されている。
【0018】免疫反応後に磁力によって粒子を強制沈降
させた後、マイクロプレート10を水平に対して約60
度だけ傾けてウェル101a底部の沈降粒子102を重
力によって流れ出させる。そして、この流れ出しパター
ンの形状を判定し、免疫反応の有無を検出し、さらには
パターンの長さに基づき抗体等の濃度を測定する。これ
によって、多数の検体についての検査を効率的に行うこ
とができる。
【0019】この図の例では、上から第1行〜第4行、
上から第5行〜第8行には、各列毎に同一検体で希釈濃
度が異なる液が分注されている。そして上から第1行〜
第4行、右から第4列〜第5列以外のウェルでは、全て
の列で感作磁性粒子が流れ出している。即ち凝集が生じ
ていない。
【0020】上から第1行〜第4行、右から第4列〜第
5列のウェルでは、上から第4行のウェルに流出が見ら
れないことから、凝集が生じていることがわかり、この
検体では免疫反応が起こったことになる。更に、希釈濃
度が薄い第1、第2行では流出が見られ、流出の程度に
差があることが観察される。
【0021】さらに免疫反応を説明すれば、以上のよう
な構成のマイクロプレート10は、撮像素子あるいは画
素(ピクセル)を直線状に(1次元に)または平面状に
(2次元に)配列した撮像面を備える撮像装置により撮
像され、ウェル101の1つ1つの画像信号を個別に得
る。そして、この画像信号を画像処埋して、傾斜後の沈
降粒子の形状を検出し、これによつて検体中に特定物質
が含まれていたかを判定する。ここで、傾斜後の沈降粒
子は、重力の影響で円錐形状をした底部の斜面を流れ出
すため、細長い紡錘形状になる。
【0022】また、粒子には、検査したい特定物質であ
る抗体(または抗原)に対応する抗原(または抗体)が
結合してある。そこで、この粒子を検体に添加混合する
と、検体に検査したい特定物質である抗体(または抗
原)が含まれていた場合に、免疫反応が起こる。そし
て、免疫反応が起こった場合には、粒子同士が結合し、
凝集反応が生じる。そこで、磁力によって強制的に吸引
して得た沈降粒子は、比較的強固に集合することにな
り、傾斜しても重力によりあまり流れ出さない。
【0023】一方、免疫反応が起こらなかった場合に
は、凝集反応が生じず、沈降粒子の集合は弱く、傾斜さ
せると重力によって容易に流れ出す。したがって、所定
の抗体(または抗原)が存在しなかった検体では、傾斜
後の沈降粒子が細長い紡錘形状になる。このように、傾
斜した際の沈降粒子の流れ出し長さは凝集の強さ即ち被
測定物の濃度と相関関係がある。そこで、傾斜後の沈降
粒子の長さ等を検出することによって、検体中に抗体
(または抗原)が存在したか否かを判定でき、また存在
した場合はその濃度を知ることができる。
【0024】図2以下を参照して、本発明に係る実施の
形態である、検体中の被測定物の定量的検査方法を説明
する。図2(a)は、検査方法に使用する試薬の構成を
示す。図示のように抗体感作磁性粒子201、検体希釈
液202を用意する。また(b)に示すように標準液2
03a、203b、203c、203dを用意する。各
標準液中の被測定物の濃度は正確に知られており、それ
ぞれ標準液203aについては0ng/ml、203bは4
0ng/ml、203cは120ng/ml、203dは360ng
/mlである。
【0025】さらに(c)の表に示すように、(b)の
各標準液を希釈して標準液の判定ウェルを作る。濃度0
ng/mlの標準液は陰性の確認に使用し、検量線の作成に
は使用しない。濃度40ng/mlの標準液は1倍即ちその
ままの濃度で使用する。濃度120ng/mlの標準液は6
倍に希釈して濃度20ng/mlの判定濃度の液として使
用、濃度360ng/mlの標準液は36倍に希釈して濃度
10ng/mlの判定濃度の液として使用する。
【0026】図3を参照して、希釈系列の作成方法を説
明する。この方法は、前記のような標準液を所定の判定
濃度の液にする場合、及び後で説明する測定対象の未知
濃度検体を所定の希釈濃度倍率で希釈する場合の両方に
用いることができる。図3には、希釈濃度倍率が1倍
(希釈しない)、6倍、36倍の、3つの希釈検体が作
られる場合を示す。少なくとも2つの希釈検体であるか
ら、1倍と6倍あるいは6倍と36倍の2つとする場合
もある。このように複数の希釈検体を作るので、未知の
濃度のあり得る濃度範囲が広くても検査することができ
る。
【0027】以下説明する図3の操作を3通りの判定濃
度(40ng/ml、20ng/ml、10ng/ml)についてそれ
ぞれ行う。図中(a)に示すように、先ず検体稀釈液2
02を第2〜第4のウェルに分注する。これは図1に示
したマイクロプレート10の例えば第2列の第3行〜第
1行に対応する。第1のウェルはマイクロプレート10
の第2列の第4行に対応する。第1〜第3のウェルが実
際の検査に用いるウェルである。第4のウェルは廃棄す
べき液を収納する廃棄ウェルである。
【0028】次に(b)に示すように、第1のウェルに
標準液(判定濃度360ng/mlの液)を25μl、第2の
ウェルに10μlだけ分注する。そしてこれらをそれぞ
れ混合する。混合は、分注チップ(ノズル)による吸排
操作や、マイクロプレート10の振動によって行うこと
ができる。
【0029】十分に混合した後、(c)に示すように、
第2のウェルの液を第3のウェルに10μl、廃棄ウェ
ル(第4のウェル)に25μlだけ分注する。この結果
第2のウェルには6倍に希釈され、濃度60ng/mlにな
った液が25μlだけ残る。これを十分に混合すると、
第3のウェルの液は濃度10ng/mlとなる。
【0030】次に(d)に示すように、第3のウェルか
ら廃棄ウェルに35μlの液を移す。この結果第3のウ
ェルには、濃度10ng/mlの液が25μlだけ残る。
【0031】希釈終了状態を(e)に示す。都合、第1
のウェルには濃度360ng/mlの液、第2のウェルには
濃度60ng/mlの液、第3のウェルには濃度10ng/mlの
液が25μlずつ収納された状態となる。第3のウェル
の液を、図2の(c)の表に示す判定濃度10ng/mlの
液として使用する。
【0032】同様な操作を、判定濃度120ng/mlの標
準液について、例えばマイクロプレート10の第3列の
第4〜第1行のウェルを用いて行えば、希釈終了時点
で、第1のウェルには濃度120ng/mlの液、第2のウ
ェルには濃度20ng/mlの液、第3のウェルには濃度
3.3ng/mlの液が収納された状態となる。第2のウェ
ルの液を、図2の(c)の表に示す判定濃度20ng/ml
の液として使用する。
【0033】同様な操作を、判定濃度40ng/mlの標準
液について、例えばマイクロプレート10の第4列の第
4〜第1行のウェルを用いて行えば、希釈終了時点で、
第1のウェルには濃度40ng/mlの液、第2のウェルに
は濃度6.7ng/mlの液、第3のウェルには濃度1.1n
g/mlの液が収納された状態となる。第1のウェルの液
を、図2の(c)の表に示す判定濃度40ng/mlの液と
して使用する。
【0034】図4を参照して検体の定量的検査方法を説
明する。図3で説明したようにして作成した濃度の知ら
れた希釈標準液、濃度10ng/ml、20ng/ml、40ng/m
lの液を(a)に示すように用意する。
【0035】(b)に示すようにこれらの液に検査対象
粒子である感作磁性粒子201をそれぞれ25μlずつ
分注し、(c)に示すように攪拌し、反応を起こさせ
る。その後(d)に示すように磁力吸引して粒子を強制
沈降させる。その後、(e)に示すようにウェルを傾斜
させて(実際にはマイクロプレート10全体を傾斜させ
る)、沈降した粒子をウェルの底部に流出させる。
(f)に示すように、濃度の高い第1のウェルでは、凝
集が生じておりほとんど粒子は流れ出さない。中間濃度
の第2のウェルの粒子はウェル底部の斜面の半ばまで流
出する。濃度の一番低い第3のウェルでは、粒子はさら
さらであり、斜面一杯に流れ出している。このパターン
の流れ出し長さを測定し、濃度と長さのグラフとしてプ
ロットして検量線を作成する(g)。
【0036】図5を参照して、検量線を説明する。図中
横軸は濃度(ng/ml)を対数目盛で、縦軸は粒子長をピ
クセル値で目盛ったものである。図4で説明したような
測定の結果、濃度10ng/mlで粒子長125、濃度20n
g/mlで粒子長100、濃度40ng/mlで粒子長75とな
った場合を示す。プロットを結ぶ線は横軸を対数目盛と
すると、ほぼ直線となる。これを低濃度側に濃度8ng/m
lまで、高濃度側に48ng/mlまで延長する。それぞれ8
ng/mlと48ng/mlを越えて延長しても差し支えない。
【0037】ここで濃度8ng/mlが本発明の所定の濃度
であり、本発明の所定の倍率は6倍であり、48ng/ml
が、本発明で言う、所定の濃度に対して所定の倍率の濃
度である。また、ピクセル値で表される粒子長が本発明
の被測定変量である。図5の検量線は、8ng/mlから4
8ng/mlまでの濃度範囲をカバーしており、濃度と被測
定変量との関係を与えている。
【0038】図6を参照して、検量線を用いて広範囲の
濃度を測定する方法を説明する。この実施例は、Hbの
濃度を測定する場合である。図中横軸はHb濃度を対数
目盛で目盛ってあり、縦軸は粒子長(ピクセル値)を等
間隔で目盛ってある。
【0039】図中左端の線は第1のウェルの検量線であ
る。この検量線に対して、濃度に6倍を乗じて引いた線
が図中中央の線であり、第2のウェルの検量線である。
また、36倍を乗じて引いた線が図中右端の線であり、
第3のウェルの検量線である。
【0040】濃度が未知の検体の濃度を測定するとき
は、図5または図6の検量線を得る際に行ったのと全く
同様な操作を行う。即ち、図3を参照して説明した標準
液の定量的検査において、標準液の代わりに未知濃度検
体を用いて、第1、第2、第3のウェルにそれぞれ1
倍、6倍、36倍の希釈系列を作成する。
【0041】この場合、検量線は濃度8ng/mlから48n
g/mlをカバーしており、3つの希釈検体は所定の倍率6
倍だけ濃度が異なっている。
【0042】次に図4を参照して説明した感作磁性粒子
を用いた操作を行い、各希釈検体について粒子の流れ出
し長さを測定する。測定した長さ(ピクセル値)を、図
6の検量線に当てはめればHbの濃度を求めることがで
きる。すなわち第1のウェルの粒子長は、図中左端の
線、第2のウェルの粒子長は中央の線、第3のウェルの
粒子長は右端の線に当てはめればよい。
【0043】これは、図5の検量線に第1、第2、第3
のウェルの粒子長を当てはめて、濃度を読み取り、読み
取った濃度に、第1のウェルではそのまま、第2のウェ
ルでは所定の倍率である6倍、第3のウェルではさらに
6倍の36倍をして、未知濃度検体の実際の濃度として
もよい。すなわち図5の検量線に各希釈検体についての
被測定変量を当てはめて、各希釈検体の濃度を求めて、
その濃度と稀釈濃度倍率とから、未知濃度の検体中の被
測定物Hbの濃度を求めることができる。
【0044】検量線は、図5または図6のように実際に
紙に引いてもよいし、コンピュータ内に保存して、測定
した希釈検体のピクセル値をコンピュータ内で検量線に
当てはめ、濃度を計算して求めてもよい。
【0045】図7に示す自動測定装置の模式図を参照し
て、本発明の実施の形態である検査方法を説明する。図
中マイクロプレート供給装置301から、検体稀釈液分
注装置302にマイクロプレートが1枚ずつ供給され
る。ここで第2のウェル〜第4のウェルに検体稀釈液が
分注されたマイクロプレートには、検体分注装置304
により、測定検体搬送装置303からの検体が分注され
る。そして検体希釈液と混合される。
【0046】このようにして、検体希釈装置305によ
り検体と検体稀釈液とを混合することにより、1倍、6
倍、36倍の希釈検体が作成される。量は例えば各々2
5μlである。このマイクロプレートには、感作磁性粒
子分注装置306により、感作磁性粒子が各々同量、例
えば25μlだけ分注される。このマイクロプレートは
マイクロプレート撹拌装置307により攪拌され、被測
定物と感作磁性粒子とに反応を起こさせる。
【0047】このマイクロプレートのウェル底部には、
強制沈降装置308の磁石が当てられ、粒子を磁力吸引
して沈降させる。粒子が沈降したマイクロプレートは、
傾斜装置309により、所定の角度例えば60°傾斜さ
れ、磁性粒子をウェルの底部に流出させる。流出した磁
性粒子の流出長さを、流れ出しの長さ読み取り装置31
0により読み取る。読み取った値を、濃度決定装置31
1に送り、検量線に当てはめて希釈検体中の被測定物の
濃度を求め、さらに実際の(希釈前の)未知濃度検体中
の被測定物の濃度を求める。
【0048】以上の操作は、図1に示すような1枚のマ
イクロプレート10に分注される20検体につき連続し
て行う。最後に、使用済みのマイクロプレートをマイク
ロプレート回収装置312により回収する。
【0049】検量線は、所定個数の検体、例えば10枚
のマイクロプレート10を使って、200検体を検査す
る毎、あるいは例えば感作磁性粒子の1ロット、1瓶を
使って検査できる検体数毎に得るようにするとよい。感
作磁性粒子の状態や測定環境は完全に同一とは限らず、
特定の濃度に対応する粒子長が一定とは限らないからで
ある。検量線を更新することによって、測定条件が変わ
っても正確な濃度を測定することができる。
【0050】以上の実施の形態では、粒子は希釈検体液
中で沈降させ、又流出させる場合で説明したが、これに
限らず、免疫反応を起こさせた後、洗浄液で洗浄し、次
に別の反応試薬を分注して、その試薬中で沈降させ、凝
集を生じさせ、又流出させるようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、被測定物
の濃度に関して、所定の濃度から前記所定の濃度に対し
て所定の倍率の濃度までの濃度範囲をカバーする検量線
を得る工程を備えるので、被測定量を測定すれば、それ
に対応する濃度を知ることができるし、所定の倍率だけ
異なる希釈濃度倍率の少なくとも2つの希釈検体を作る
工程を備えるので、求めることのできる濃度範囲を広く
することができる。したがって、未知濃度検体中の被測
定物の濃度を測定することのできる検体の検査方法を提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である検体の検査方法で用
いるマイクロプレートの平面図及びウェルの拡大断面図
である。
【図2】本発明の実施の形態である検体の検査方法で用
いる試薬の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態である検体の検査方法で、
標準液及び測定検体に対して行う、希釈系列の作成方法
を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態である検体の検査方法で、
標準液及び測定検体に対して行う、測定方法を示す図で
ある。
【図5】本発明の実施の形態である検体の検査方法で得
られた検量線である。
【図6】図5の検量線に6倍、36倍を乗じて得られた
検量線である。
【図7】本発明の実施の形態である検体の検査方法に適
する自動測定装置の模式図である。
【図8】従来の検体の検査方法を説明する図である。
【符号の説明】
10 マイクロプレート 101 ウェル 101a 底部 101b 側壁 102 沈降粒子 201 抗体感作磁性粒子 202 検体稀釈液 203a、203b、203c、203d 標準液

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物の濃度に関して、所定の濃度か
    ら前記所定の濃度に対して所定の倍率の濃度までの濃度
    範囲をカバーする検量線であって、前記濃度範囲の濃度
    と被測定変量との関係を与える検量線を得る工程と;前
    記被測定物を含む未知濃度検体を希釈して前記所定の倍
    率だけ異なる希釈濃度倍率の少なくとも2つの希釈検体
    を作る工程と;前記少なくとも2つの希釈検体について
    被測定変量を測定する工程と;前記被測定変量を前記検
    量線に当てはめて前記希釈検体中の前記被測定物の濃度
    を求める工程と;前記希釈検体中の前記被測定物の濃度
    を求める工程で求めた該被測定物の濃度と前記希釈濃度
    倍率とから前記未知濃度検体中の前記被測定物の濃度を
    求める工程とを備えることを特徴とする;検体の検査方
    法。
  2. 【請求項2】 前記検量線を得る工程は、所定個数の未
    知濃度検体を検査する毎に行われることを特徴とする、
    請求項1に記載の検体の検査方法。
  3. 【請求項3】 被測定物の濃度の知られた標準液を希釈
    して、複数の知られた濃度の希釈標準液を作る第1の工
    程と;前記複数の知られた濃度の希釈標準液のそれぞれ
    について被測定変量を測定する第2の工程と;第2の工
    程で測定した被測定変量と前記複数の知られた濃度とか
    ら、標準液中の被測定物の濃度と被測定変量との関係を
    与える検量線であって、所定の倍率の濃度範囲をカバー
    する検量線を引く第3の工程と;未知濃度検体を希釈し
    た、前記所定の倍率だけ異なる希釈濃度倍率の複数の希
    釈検体液を作る第4の工程と;前記希釈濃度倍率の複数
    の希釈検体液のそれぞれについて被測定変量を測定する
    第5の工程と;第5の工程で測定された被測定変量を前
    記検量線に当てはめて前記希釈検体液の被測定物の濃度
    を求める第6の工程と;第6の工程で求めた前記希釈検
    体液中の被測定物の濃度と、前記希釈濃度倍率とから、
    前記未知濃度検体中の被測定物の濃度を求める第7の工
    程を備えることを特徴とする;検体の検査方法。
  4. 【請求項4】 所定の状態に置いたとき底部が水平面に
    対して傾斜しているウェルの該底部に、前記未知濃度検
    体の濃度に応じて凝集の強さが異なる検査対象粒子を沈
    降させる工程と;前記ウェルを前記所定の状態から傾け
    て前記沈降した検査対象粒子を前記沈降した位置から流
    出させる工程とを備え;前記測定変量は、前記検査対象
    粒子の流出した長さであることを特徴とする;請求項1
    乃至請求項3のいずれか1項に記載の検体の検査方法。
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